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2023年4月5日水曜日

迷惑行為を敢えて行おうとするのは何故なのか

 最近ちょっと落ち着いてきましたが、今年に入ってから飲食店などで不衛生な行為をわざと行った上に動画で配信し、捕まったり裁判起こされたりするケースが頻発しました。後に人物特定された犯人らはこうした行為を行った理由として、「悪ふざけだった」、「周囲に受けると思ったから」などと動機について言及しているのですが、正直言ってこれらの供述を鵜呑みにしていいのか、密かに疑問に感じています。

 同じ動画を配信した理由については「ここまで大ごとになるとは思わなかった」、「身内だけにしか見られないようにしているつもりだった」と話しており、これらに関しては特に疑問を持ちません。特に後者に関しては、単純な設定ミスにより流出するケースが多いことが裏付けています。ただ身内にしか見られないようにしていたということは、流出した場合、公の目に映った場合は非難されることがわかっていたということの証左になるでしょう。

 話を戻すと、行為を行った動機についてはちょっとしっくりきません。犯人らが嘘をついているというわけはなく、恐らく正直に話しているとは思うのですが、「本当にこうした行為が周囲に受けると思っていたのか?」という点で疑問を感じます。
 仮にその通りだとしたら、犯人らは普段から不衛生な行為や後ろ指さされるような行為をして、周りの人を楽しませていたのかと聞きたくなります。程度の差はあるかもしれませんが、勝手な想像でいえばそこまで頻繁に事件となるような行為は起こしていないのではないかと思います。これまでの悪ふざけがエスカレートして、臨界点を超えたところでたまたま動画を撮影して配信してしまっただけなのかもしれませんが、それが「周囲に受ける行為」なのかという点で不思議に感じるわけです。

 またこうした不衛生な行為が、本当に周囲の人間を面白がらせていたのか。少なくとも多くの人は不快感を感じたからこそ大事になっているわけで、身内間だからとはいえ、こうした行為が面白く映るというのはかなり異常な価値観だと私は思っています。まぁそういう異常な価値観を持ち合う者同士しか周りにいなかったという理解もできなくはないですが。

 回りくどく書かずに言いたいことを書くと、犯人たちの供述は本人も嘘をついているつもりではないのでしょうが、私は彼らがこうした不衛生な行為を行った本当の理由というのは、タブー破りの快感が最大の原因じゃないかと思っています。


 こういうのは心理学の「見るなのタブー」でおなじみですが、禁止されているからこそ人はかえってその行為を働きたくなるのは、間違いなく真実だと私は思っています。でもって、禁止されている行為を規則を破って実行したり、一定の基準を満たして解禁されたりすると、やっぱめちゃ気持ちいいと思います。上の現場猫なんか、まさにそうした心理を最大限に反映するキャラでしょう。

 改めて一連の迷惑行為動画について話を戻すと、ああした不衛生な行為を普段から彼らはやっているのかと言ったら、多分そうではないと思います。更に言えば、絶対に人目につかないような場所ではああした行為はやらなかっただろうし、人目に付く、ばれたら後ろ指さされるというリスクがあるからこそ、彼らは実行したのだと思います。
 もちろんこうしたリスクある行為を敢えてやることで周囲が面白がることはあると思いますが、本質的には周囲を楽しませるというより、本人が「タブー破り」の快感を求めて、ああした行為を実行に移したのではないかという風に見ています。こう考える根拠というのも、先に述べた通りにああした不衛生な行為を普段から繰り返しているのかという点で疑問なのと、敢えて人目に尽きそうなギリギリのラインを狙ってやっているからです。

 以上の観点に立つと、事件発覚時に犯人らについて人の迷惑を考えない連中だと非難する声がありましたが、むしろ逆で、人に迷惑となる行為だからこそタブーとなり、それを破るからこそ快感になるのであって、迷惑行為だということを彼らははっきり認識していたと私は考えます。では何故彼らはああした行為を行ったのかというと、単純にあの程度のタブー破りの快感を我慢できないほどに自制心が欠けていたに尽きると思います。更に言えば、あの程度のタブー破りで快感を感じるほどつまらない人生送っていたのでしょう。

 敢えて話を発展させると、お笑い芸人というのは多かれ少なかれ、このタブー破りの限界を探るというのが彼らの仕事だと思います。世の中でやっちゃいけないということを敢えてやることで笑いに昇華させるというのが自分の理解で、それが臨界点を超えた場合、この前のスッキリのペンギン池飛び込み事件みたいになるものだと考えます。政治や社会風刺も、こういった「タブーのギリギリを攻める」というところがあるでしょう。

 話をまとめると、犯人らは周りを笑わせようとしていたなどと他人本位な動機を語っていましたが、私の見立てでは実際の動機は自分本位であり、しょうもないレベルのタブー破りの快感すら自制できなかっただけだと思います。
 その上で、何故彼らは自分の動機を上記のように他人本位な理由で語ったのか。仮に私の解釈が正しいとしたら、単純に自分の心理すら分析できなかったとも考えられますが、「タブー破りを我慢できなかった」という自分の浅はかさを認めることができなかったのではないかと疑っています。あくまで周りに影響された風にして、この期に及んでも自分を守ろうとしているのではないかと私は見ており、本当にしょうもない連中だなぁと思えてなりません。

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