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2024年8月24日土曜日

石破の可能性はもうない

 岸田総理の突然の辞任発表によってある意味で誰も準備していない平等な状態でスタートした今回の自民党総裁選ですが、かねてから立候補を検討していた候補者が今週は次々と正式に立候補を表明するようになりました。このうちアンパンマン顔でおなじみの石破氏についてですが、私自身は彼のことを嫌っているわけではないし鳥取県出身の友人が修学旅行で東京に来た際に国会議事堂を案内したのは彼だったと話していたこともあって好感も持っていますが、現状で比較的はっきり予想できる点としては彼の落選位しかありません。

 今回の総裁選では前述の通り前状況なく突如始まったのと、これまであまり知名度の高くなかった比較的若い層の議員も立候補を表明していることから、正直に言って非常に読みづらく、今後どう転ぶかまだ予断のつかない状態です。にもかかわらず何故石破氏の落選だけこうもはっきり言えるのかというと、完全に時機を失っているからです。
 元々、彼の人気が高かったのは彼自身のカリスマや評価によるものではなく、「反安倍」というスタンスによるものであったことは間違いありません。自民が安倍一色だった時代に冷や飯食いとなりながらも反安倍スタンスを続け、自民内外を問わず安倍元総理に反感を抱く層からの支持を一身に受けていたことがこれまでの彼の人気の原動力でした。

 しかし統一教会問題を経て安倍は自体がほぼ瓦解しており、また菅政権にはともかくとして直近の岸田政権に対してはそこまで批判的な姿勢を見せず、端的に言って埋没するような状態にありました。
 それでも立候補者らがこれまで自民を率いてきた旧来からの政治家、具体的には菅氏や二階氏、麻生氏らの息のかかった人間ばかりだったり、萩生田のような安倍派然とした候補者だけであれば石破氏にも得られる票があったと思うものの、今回の総裁選では小泉氏や小林鷹之氏をはじめ比較的若い層も立候補しており、「これまでの自民党政治とは一線を画す」イメージでは石破氏よりも彼らの方が強く、これまで石破氏が得ていた支持も彼らが持っていきそうな雰囲気です。

 それ以前に石破氏には総理になって何がしたいかという方針や政策に至っては完全皆無であり、その能力についてもはっきり言って疑問視しています。極端なこと言えば、反安倍、反麻生しかないでしょう。
 恐らく今後討論会が進むにつれてこの点がどんどん露呈する可能性もあり、これらを考慮すると立候補初日に言うのもなんですが現時点で自分が予想して言えることとしては彼の落選くらいしかありません。

 では誰が受かるのか。現状は小泉氏リードですがかつての総裁選と比べると派閥の力が弱まり自民重鎮の影響力も薄まっていることを考えると、本当に予想し辛い印象を受けます。比較的表立って活動しているのは菅氏で早くもかつての盟友の河野氏を切って小泉氏支持を鮮明にしたものの、内心、これはちょっと早すぎるのではないかという気がします。仮に「キングメーカーぶっている」という批判が強まればこのダメージが小泉氏にも回る可能性もあるだけに、せめて9月に入ってから表明すればよかったのではという風に私には見えます。まぁ偉そうなこと言える立場じゃないですが。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ さんのコメント...

小泉進次郎や小林鷹之は総理になるには少し若すぎると一瞬思いました。ですが伊藤博文は44歳で総理になっています。今と平均寿命や時代が違うとはいえ、小泉氏や小林氏とたいして変わらない年齢で総理になったという前例があるのです。

花園祐 さんのコメント...

 総理の年齢で言えば今回の候補者たちは比較的若いですが、議員全体で見ると日本は超高齢化が進んでますね。今回、この点でも若い候補が総理になることで世代更新が進むのではないかという期待もあり、石破氏の逆風にもなると思ってこういう結論に至りました。