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2025年4月22日火曜日

耳にしなくなった「事なかれ主義」

 たまたまかもしれませんが、なんかこの10年くらい「事なかれ主義」という単語をほとんど全く見聞きした覚えがありません。ニュース検索すると使っている記事がヒットするためやはりただ見ていないだけなのでしょうが、それでも20年くらい前と比べるなら使用頻度が落ちている気がします。
 仮にそうだとしたら何故使われなくなってきているのか。推定のまま話を進めると過分にこの事なかれ主義が日本で一般化してきた、即ち誰もが当たり前に持つ感覚、思想となったため、誰も殊更に取り上げなくなったのではないかと考えています。

 そもそも何故こんなことを気にしだしたのかというと、漫画の「風雲児たち」で作者が、「学校でのいじめの最大原因はほかの生徒たちの無関心にある」と書いてあり、なんか妙に懐かしく聞こえたからです。自分の感覚では98年くらいまではこんな感じで「いじめを見て見ぬふり生徒がいじめを助長する」という意見が良く出されていた気がするのですが、この10年くらいはそれがまったくなくなり、どちらかというと教師や学校の指導不足が代わりに挙げられることが増えてきた気がします。でもってこの見て見ぬふりというか事なかれ主義について、誰も問題視しなくなったというのが一番最初にあれ?と感じたところでした。

 実際私も見ていて、今お日本人はあらゆる物事に対し主体性を持たない、下手すりゃ自分のことにすら他人事みたいな態度をとる人が多い気がします。なもんだから目の前で喧嘩とか起きても誰も仲裁する人もいなければ、お年寄りが困っていても助ける人はおらず、実際何度かそういう場面に出くわしましたがマジで誰も動こうとしないことによくドン引きします。

 なんでこうなったのか単純にセクハラとかの意識が広がったり、よく言うAEDを女性に使ったら訴えられたとかの話で警戒する人が増えたってのが間違いなく要因としてありますが、端的に言えば他人との距離感を掴めない、詰めない人が増えたというか多数派になったというのが、今の状況を表すのではないかと思います。単純に他人との衝突を避けようという意識が強くなりすぎて、接触そのものを根本的に断つ、避ける意識が先行し、物事に対してもとにかく係わらないようにするため何事にも事なかれな態度になっているというのが私の見立てです。

 こんなこと書くくらいだからこういう状況はよくないというのが私の意見で、やはりもっと自分もコミュニティの一員だと自覚して、少なくとも身の回りの社会や環境に対してもっとよく使用、貢献しようという意識を持って行動した方が本人にもメリットが多いのではないかと思います。
 そういえば今書いてて思い出したけど、学生時代に賃貸アパートの共用洗濯機を拭いていたら周りからやたら珍しがられてました。

 あんままとまりのないオチですが、先ほどのいじめ対策にもつながると思うだけに、もう少し参画意識というのを子供のうちから日本は育成すべきじゃないかと思います。

2 件のコメント:

  1. 社会人として働いてる感覚からすると、事なかれ主義が根強かったのはバブル以前の世代までで、バブル世代は割と後先考えずに突っ走ろうとする傾向がありますね。
    それ以降の世代は、他人がどうなろうと知ったことではないというスタンスの人が増えてきた印象です。
    事なかれ主義=現状維持主義だと思うのですが、現状維持は悪い方向にしか向かわないという経験則は、バブル崩壊以降の世代の感覚なのかもしれません。

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    1.  比較的若い世代は、なんか主体性がなさ過ぎて所属する組織がおかしくなっていって自分がまきこまれるとしても、何もせずその損失を受け入れるかのようなあきらめムードが強い気がしますね。現状を改善しようとする意識が弱いというか、事なかれを通り越してあるがままな老子思想なのかもしれません。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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