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2007年12月24日月曜日

BRICSその三~ロシア~

 大分日が空いたな。いろいろこまごまと忙しく、このところ書くのが疎かになってしまいました。まぁ書くことはいっぱいできたんだけど。

 それでようやく三本目、ロシア。ロシアとくると主産業は言うまでもなくエネルギー産業などの資源経済です。このところの原油高で最も恩恵を受けているのはこのロシアと中東諸国くらいって言うくらい、このところ儲けいています。
 で、それ以外のロシアの産業というと、正直なところぱっと浮かばないのですが、自分が持っているレアな情報として、やはり国土が広いせいか、今までロシア全域にインフラがなかなか整備されなかったようです。特に極東地方などはロシア全体で景気がいいといわれていても、どうも住んでいる人間は実感を持たなかったようです。ですがこの数年でロシア、というより大統領のプーチンはそのような地方にもインフラ整備を急激に整え、ウラジオストックなども見違えるように変化したらしいです。

 このようにインフラ開発などで現在ロシアは経済成長をしているのではないかと考えていますが、それ以上に注目すべきは東欧諸国でしょう。あまり知られていませんが東欧では石油や鉱物資源などが非常に豊富で、現在それをねらって格多国籍企が多く進出しています。またその諸国より一歩先に出ているロシアは片っ端から製品をそのような国に輸出して、逆ザヤを稼いでいるという話も聞きます。
 それにしても、ブラジルもそうですがこのロシアに関する情報は非常に不足しています。ロシアの専門家が少ないのもわかりますが、一応隣国なのだからもう少し色々広まってもいいと思うのですが。

 あと、現在ロシア実業界で流行っているのは、日本の中古車販売らしいです。なもんだから、このところ中古車を仕入れに来る不法入国者のロシア人が後を絶たないらしいです。この現象を逆手に見るのなら、ロシアでもモータリーぜーションの波が来ているということも考えられます。だからなのか、日本の自動車会社も最近、サンクトペテルブルグまで工場を立てたりしているのかもしれません。あ、この関連でもう一つレアな情報がありましたが、それはまた今度で。

 さて、最終回は自分の食い扶持の中国だ。すぐに書くけど。

2007年12月19日水曜日

BRICSその二 ~インド編~

 さて昨日に続きBRICS。今日は自分の大好きな国のインド。ロシアをやる予定でしたが繰り上げてインド。正直、インドのためなら日本は植民地になってもいいと思っている。

 さてこのインドが巷でよく言われるのは「ITのインド」といったところでしょうか。でも少し思い出して欲しい。2004年あたりは中国の次にインドが来ると言われ続けていました。一体いつになったら何が来るのでしょうか?
 恐らく、この時の予測は「投資が来る」の意味だったと思います。中国はその安い人件費から世界中から工場がやってきて、その上で投資も集まりました。しかしその投資も一時的なもので、年々上がる人件費からこの次には二番目に人口の多いこのインドが来ると言われての予想でしたが、まぁバカの壁というか、たいした根拠もなく予想を言うからこうなるのです。2007年末の現在ですと確かに投資は来てますが、依然と中国に投資が集まり、その次にはブラジルなどへと向けられています。

 さてこのインドですが昔から数字に強いのか、IT産業のメッカ、目下シリコンバレーとも言うべき様相をなしています。なんでもマイクロソフトでクレーム対応をしているのはインド人で、全社員のうちの四割を占めるほどらしいです。
 このようにIT産業ばかり目が向けられていますが、私はと言うとそれは普通の情報でしょとしか思っていません。実はこれはまだダブルソースではありませんが、インドではバイオ産業の方が底堅いとも噂を聞きます。
 あまり知られていませんがインドは医療大国で、医療費の高いアメリカから治療ツアーが組まれるほど技術が高いようです。実際にアメリカの全医者の内の一割がインド人で、インド人が反乱起こしたらセポイどころじゃなくなるほどアメリカはやばくなりそうです。
 このような医療大国という背景を反映してか、目下のところ製薬や研究の分野でものすごい勢いでインドは発達しているという情報があります。私の考えるところでも、ITはどれだけ頑張ったところでマイクロソフトの牙城を突き崩さない限りはあまり利益にならず、かえってこのようなバイオ産業の方がインドにとって価値がある気がします。

 しかしこれは中国も同様ですが、インド国内ではインフラ整備が非常に遅れています。いやむしろ、中国の二、三十年以上遅れている位と言うべきか、今でもよく停電が頻発するほどです。またカースト制度の名残が強く、食堂でも別々のカースト同士は一緒に食べないなど、あれこれと弊害が報告されています。
 このような弱点を抱えてはいますが、人権は軽い国なので現在はまぁ無視していけるでしょう。しかし長期的な視野に立った場合、しばらくは不安が付きまとう成長をするのではないかと思います。ここまで書いといて、ようやく先週の予告はロシアだったと思い出した次第であります、あしがらず。明日こそはインドの次に好きなロシアをやります。

2007年12月18日火曜日

BRICSその一 ~ブラジル編~

 最近になり就活中の学生がちらほら見えるようになりましたが、きっと年末になると連中は慌てて経済用語の勉強をする事になるでしょう。そのうち、使用頻度のピークこそ過ぎたものの、今回の題のBRICSについてもきっとそういった参考書などには載っていることでしょう。この名称自体はGS(ガソリンスタンドじゃないよ)が言い始めた名称でありますが、私はと言うと実際の中身を知っている日本のビジネスマンは実は少ないのではないかと思ってます。実際見る限り、世の中で出回っているのは明らかに偏った情報ばかりで、ちゃんと中身を知っている人はいないと思ってます。案の定というか、うちの親父はわかってなかったし。

 まぁここで解説なんかするより、てっとりばやくwikipediaの項目を見てもらう方が早いのですが、簡単に説明して、自分なりの解釈をしばらく連載で載せようと思います。なわけで、今日はBRICSのBで、ブラジルです。

 このブラジルの最大の輸出品はといったら、まぁ多分サッカー選手だといっても過言じゃないけど、この際日本はODA返済のかわりに余っているブラジルのFWを買った方が有益な気がする、ラモスとかじゃなくて。
 そんな冗談はおいといて、実は最近の主力輸出品は小型、中型の航空機らしいです。ブラジルで航空機と聞くと、耳を疑う人も多いと思います。しかしこの十年間でブラジルの重工業は大きく発達し、産業部門でもこの分野が最も成長しており、BRICSの中では軽工業の中国、IT産業のインド、エネルギー産業のロシアと並んで重工業のブラジルと称されています。
 また近年は大きな移動より細かく回数の多い移動がもてはやされる航空市場に後押しされ、非常に売れてるそうです。自前で買う人も増えてますし。

 思えば、シカゴボーイズらによって70から80年代に急激に経済成長をブラジルが遂げた時は、あと数年で日本を追い越すとまで言われていたらしいです。しかし現在作家としても名をはせている藤原正彦氏は、ブラジルでは数学などの抽象的な学問分野のレベルが低いため、今にボロが出ると言いつづけて、実際にその予言どおりになりました。現在は逆に藤原正彦氏はブラジルでもこの手の学問分野が成長し、今度の成長は底堅いとも言っております。

 何気に、今日知り合いにアメリカの大学では経済学部の学生にいきなりハイデッガーを一週間で200ページも読ませるという話を聞きました。こういった実生活で役に立たない分野の学問がすべての根幹を作るということを、アメリカ人はわかっているといっていました。そう考えると、各地で抽象的学問分野の学部や学科が閉鎖、統合されている日本はどうなるのかと、なかなか考えさせられます。

 ブラジルについてはまだまだルーラ政権と絡めていろいろいえますが、とりあえずは今日はここまで。次回はRのロシアです。

2007年12月16日日曜日

ひこにゃん騒動について

 最近、知り合いの論文製作を手伝ってて、段々文章を書くのに飽きてきてます。まさか三人も面倒を見ることになるなんて……。

 で、早速今日のお題のひこにゃん騒動ですが、全国ニュースでもなっていましたからわかっている人も多いでしょう。彦根城400年祭りにて使われたマスコットキャラクターのひこにゃんについて、その後の肖像権の存続を巡って作者側と彦根市が争っていた裁判です。結果的には丸く収まったようですが、なかなか人を考えさせるテーマだったと思っています。
 というのも、作者側の意図しない要素、ひこにゃんが肉食だとかそういった特徴が不当だったというのが主な争点でしたが、何もキャラクターに限らずとも、昔から周囲が作者の意図を超えて作品を作る問題はよくあります。一番代表的なのはコナン・ドイルの「シャーロックホームズ」で、作者は話を終えようとホームズを行方不明にさせますが、その結末に激怒したファンによって、結果的にシリーズは再開されました。またもう一つ、スティーブン・キングの「ミザリー」は、ファンによって作品内容の変更を暴力的に迫られる話を書いてあり、キングの苦悩が察せられます。

 キングなどはよく作品が映画化されてますが、作者の方はと言うとほとんどが余計な脚本など加えられたりして、非常に不満が募ったとよく言っています。しかし悲しいかな、彼が最も不満を持った映画「シャイニング」に至っては主演のジャック・ニコルソンの名演技ぶりが今でも高く評価されています。私個人では、キング自身が監督したテレビシリーズの方が好きですが。

 実はこのように書くには訳があって、私自身も似たような体験をした事があります。昔書いた小説があるゲームの出だしの話と酷似していると言われ、わずかながら殺意にも似た感情を相手に持ちました。まぁ私の主観で言ってもしょうがないですが、話自体は非常に王道的かつ普遍的なもので、似ている作品を挙げろ言うのならば三桁は言えるような話でした。それが特定の作品につなげられたのは、読者の側が私の小説に対してゲームの話を当てはめて見たからだったと思います。
 結果的にはその作品で言いたかった事もあまり伝わらず、続きを書いても似てる、似てるといわれ、ほとほと疲れてすぐやめちゃいましたが、読者に作品が読まれる快感はもちろんあるのですが、その一方でこのような不満を感じる事もあるのかと当時は悩みました。

 しかし基本的にどの形態であれ作品というのは、一度世に出てしまえば作者の手から離れてしまうものだと思います。一方で評価するものいれば非難するものいて、作者の主張を受け入れるものいればそれを捻じ曲げて拒否、変えてしまう者もいるでしょう。それに対して作者があれこれ反論、弁論するのはお門違い、作品を生む段階で、それを初めから覚悟すべきだと思います。

 最後におまけですが、キングは自身の作品の映画化について大抵批判しますが、「スタンド・バイ・ミー」、「ドリームキャッチャー」については非常に誉めています。この両作品は私もとても気に入っているので、もし機会があれば見ることおすすめします。

2007年12月15日土曜日

アメリカの人口について

 実はアメリカの人口で、ある比率が40%台に乗っているらしいです。これが何の比率かと言うと、有色人種の比率です。実際にこれまでアメリカ社会はWASPでなければ出世しないと言われてきましたが、大統領選でオバマ候補が活躍するなど、有色人種の活躍が大分目に付くようになりました。

 とはいえ、人口がここまできていると知っていた人は少ないのではないかと思います。近年増えているのはやはりというか、南米のインディオ系やその混血であるメスティーソらしいですが、ここですこし想像を膨らませて見ましょう。もし、このまま増えつづけ、有色人種人口が白人人口を追い越したら……。

 はっきり言って、これはもう後十数年くらいでありえる自体です。やはり社会的に下層、つまり有色人種層ほど出産率は高くなる傾向にありますし、移民を含めてぼんぼんアメリカに入ってきています。さてさて、本当にそうなったら、白人層は黙ってこの事実を受け入れるのでしょうか。まずもって、大統領選なんかは不利になりますが。

 恐らく、現在の白人の支配層は選挙区などを弄くって(現在でも相当弄ってますが)、どうにかこうにか白人に有利な体制を保とうとするでしょう。別に悪い事だとは言いませんが、それに対してアメリカの中でどのような社会的反発が生まれるかなどには興味があります。
 というより、有色人種人口が増えて白人が少数派に至り、クークラックスクランの逆、黒人至上主義みたいのが生まれてくるんでしょうかね。個人的には真っ黒い格好した連中がよってたかって白人をいじめる光景を想像するとその以前までのギャップに、やや不謹慎ながら笑いがこみ上げてきます。でも、暗闇でそんな真っ黒い格好なんかしたら、誰がどこにいるかわかり辛いだろうな。

外国人の参政権について

 いつも長々書いているので、今日くらいは短くまとめられたらいいです。

 さて先日に在日韓国人が参政権を求めて、大きなニュースにもなりましたが、そんな事報道してるくらいならまず日本人の参政権の平等を求めるべきでしょう。現在外国に滞在中だと、日本人は国政選挙で投票する事が出来ません。前もって長ったらしい手続きをしていれば、大使館などで比例選挙のみは投票できますが、こんだけITの発達した時代にも関わらず地方選挙は施政方針などがわからないとして投票できません。こんな古い制度が残っているのは非常に問題でしょう。実際にアメリカ大統領選挙では、在外投票が勝敗を左右するとも言われているのに。

 更に言うなれば選挙日に同じ国内にいても、不在者投票がしづらいというのも問題です。住民票のある地域に対してこれまた前もって長ったらしい手続きが要ります。まぁこれを言い出したら、日本の戸籍制度自体根本から変えたいのですが。

 さて外国人の参政権についてですが、あれこれ言われていますが、個人的に思っている事は有能な人間であれば国籍など無視してどんどん雇うべきじゃないでしょうか。もちろん、無能ならば相手にするまでもありませんが。ただ流石に国会議員に突然妙な国の人間が入ってくると、流石に誰でも戸惑いは覚えるでしょう。しかしかつての中国、戦国時代の秦はというと、商オウ、ハンショ、リシと、三者も外国人でありながら宰相を出しており、どの人物も宰相にいた時代に秦は急拡大しています。まぁこんな抜本的な改革するから秦は強かったんだけど。
 今の中国として同じでも、彼らは当時は文字も違えば言葉も違う国から来た人間で、言うなればいきなり外国人が日本で総理大臣をやるようなもんです。もちろん自国人の反発もすさまじく、天寿を全うしたのはハンショだけです。

 ただ国の忠誠心とか文化とか言う前に、有能な人間には相応する地位につける事が、結果的には万民のためになると思います。現在、この手の人事が行われているのは学者などのアカデミズムの世界とビジネスの世界で、まだ政治の世界は程遠い気がします。前はいましたが、今アイヌ出身の国会議員はいるのだろうか。

続、ミクシ発の自爆炎上について

 前回に引き続いて、ミクシ発の自爆炎上について書きます。
 さてここで言うまでもなく、このような騒動が起こる一方、何でこんな自らを不利にさせるような自爆をわざわざやらかすのかという疑問は、誰もが一回は思いつく事でしょう。
 2ちゃんねる内では単純にその原因はいわゆる「ゆとり脳」と、最近の子供はあまり賢くなくてどうなるかがわからないという理由を挙げる人が多いような気もしますが、そんなこといったら「私の友達の友達はアルカイダだ」といった例の法務大臣なんかは立場がなくなっちゃいます。

 実を言うとこの手の事件を見るたびに、私は一つの納得みたいな感情を覚えます。それと同時に、ある童話のタイトルが浮かんできます。もったいぶらずに言うと、「王様の耳はロバの耳」です。
 何もこの童話の内容までいちいち説明まではしませんが、最近よく、本当にこの童話は良くできているなぁと感じる事が多いです。というのも、この童話でかかれているように、人間って言うのは本質的に秘密が守れない生物なんだと考える事が増えてきたからです。

 誰しも、人に言えない秘密を抱えると、言ってはいけないのにうずうずするという事があるでしょう。私なんかは文系の社会学士出身の癖になにかと人間の行動原理をリチャード・ドーキンスに全部求めがちな理系かぶれで、大体の行動を「本能ゆえに」という結論に落としたがります。今回の例も同様で、人間ってのは秘密を、というより情報を抱え切れず、人になるべく伝達しようという本能がある気がします。
 まぁ単純に、動物行動学なんかでも情報をなるべく伝達する事が種の生存に繋がるということで、決して突飛な発想ではないと思います。心理学なんかはタブーの心理学としてこの手の分析を行いますが、社会学的に敢えて考えるのなら、他人が欲する情報を自らが持っているということを示し、優越感を感じたいという心理行動とでも分析するのですかね。

 それはともかくとして、このミクシの自爆炎上というのもそのような本能が破滅へと追いやるのが原因だと思います。それこそ昔ならばごくごく小さい輪の中で、ごく親しい友人らに洩らす程度だったのが昨今のIT革命の影響で、一挙に押し広がるようになった事が、今だよくわかっていない連中がこうした事件を起こしている気がします。
 それはいわば慢心とも取れますし、うかつとも取れます。しかし逆に感がるのならば、このように一挙に情報を発信できるようになり、その秘密をばらした際の快感も増大しているとも取れます。それゆえにあからさまに自分に害を成す情報といえども、その快感に負けるのか洩らしてしまうという風にも考えられるのではないでしょうか。実際にこうしてブログを始めた自分も、少なからずその情報発信の快感を感じています。

 このような秘密を守れないという心理を書いたものは先の「王様の耳はロバの耳」だけに限るわけではありません。もっともこの手の心理を事細かに追究した作品というのはほかでもなく、「罪と罰」でしょう。簡単にそのくだりを述べると、殺人を犯した主人公に対して刑事が、「こういう事件の犯人ってのはね、こっちが知らぬ存ぜぬ振りして事件について大枠に話していると、へへっ、面白いことに自分からぺらぺらやったことをしゃべりだすんですよ」と話しており、この作品の愛読者達にとって名シーンに挙げられています。そして実際に、主人公は殺人を最後は告白するに至ってます。

 そういう意味で、秘密を守れる人材というのは非常に貴重な気がします。たとえ他の能力がなくとも、その秘密を守る能力があるだけでも身近に取っておくべきかもしれません。特に外交や諜報に関わる人間でしたら尚更でしょう。
 先日、私の住むマンションで自殺があったらしいのですが、その当時の自治会長をしていた女性はその立場からその自殺者の葬式に出ていたらしいです。その女性に対して下世話なうちの母親はというと、あの手この手でようやく掴んだ苗字から、その苗字に該当する二人の人物のうちのどちらかだろうと詰め寄ったものの、「私の口からは言えない」と、とうとう口を割る事は出来ませんでした。世が世なら、この女性はタフネゴシエーターとなった事でしょう。