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2015年12月28日月曜日

大きな差よりも小さな差?

 この前マッドシティ出身の友人と話している最中にふと、「折角だから俺たちでジェダイ騎士団松戸支部作ろう。ライトセーバーは夜店で買ってさ」と言い出したらなんか嫌そうに話聞いてくれました。
 最近書いてないけどマッドシティ関連でカテゴリ作るほど松戸に縁のある私ですが、実際は隣の流山市の出身で松戸には中国来る前に部屋借りて半年ちょっとだけしか住んでいません。ただ、松戸、柏、流山のいわゆる千葉北西部エリアということは共通しており、やはりこのエリアの住人同士なら連帯感はないけどなんとなく同じ出身者という意識はあります。

 実は今日、所用で会ってきた人がたまたま千葉県の出身でした。ただ千葉県と言ってもその人は千葉市出身で、「同じ千葉県でもあまり同郷意識無いよね……」というのがお互いの意見でした。
 というのも先ほど言った千葉北西部エリアは県庁所在地の千葉市よりも東京の方が近く、またベッドタウンであることから住人も基本は他地方から流れてきた東京に通勤するサラリーマンが多い上、千葉県に代々住んでいるという人の方が珍しい地域なため千葉への愛郷心はやや薄かったりします。本人らも、東京の人間だと自認している節ありますし。
 それに対し千葉市、船橋市の千葉中央部ではお膝元っていうこともあり、やっぱりその視線は千葉市に向いているような気がします。ちなみに学区も北西部と中央部では異なっているせいか北西部は東葛高校、中央部では千葉高や船橋高校が名門公立校として分かれていて、やっぱ疎遠さというか世界が違うのではという気がしてなりません。

 ただ今日会ってきたその千葉市出身の人と共通する意見もあり、その意見というのも「木更津は同じ県民だと思っていない」というものでした。どちらもあそこはヤンキーが多くて自分たちとは違う民族だという見解を持っており、同じ千葉県民でもこうも同族意識が持てないものかと言い合えてなかなか楽しく過ごせました。しかも何が面白いかって、お互い中国にいながらこんなどローカル話で盛り上がっているってとこでしょう。

 話は戻りますが同じ県民でも同族なり同郷なりの意識が少ないというのは案外ほかの都道府県でも多かれ少なかれあると思います。兵庫県でも尼崎と神戸では世界変わるし、奈良なんて北部と南部で次元が変わります。っていうか奈良南部は本当に日本なのかと思うくらいの秘境もあるし……。
 徳島県や高知県みたいに「踊り」という県民を束ねる強烈なアイデンティティがある所は別でしょうが、案外こういう同じ都道府県内の地域差の方が都道府県同士の地域差より大きい、というより気になることって多いのではという気もしなくはありません。私自身も木更津の人より埼玉や東京、神奈川の人の方が自分に近い認識していると信じてますし、岐阜県や静岡県も県境の地域はやっぱり愛知県寄りになるということも聞きました。

 何が言いたいのかというと、人間って案外大きな差よりも小さな差の方が気にするのではないかと言いたいわけです。また激しく論理の飛躍をしますが同族嫌悪って言葉があるように、思考なり文化なりが大きく異なっている人同士よりも、それらがある程度共通しながら少し差がある人同士の方が案外仲が悪くなる要素があるのではないかと思えたわけです。ちょっとひねった考えで物を述べると、誰かを仲違いさせたい時なんかこうした小さな差を際立たせるような工作した方が上手くいくんじゃないかな。

 ちなみに自分の場合、「こいつ、俺と同じ民族だ」と思ったのはたった一人(大学の後輩)だけなのですが、後年別の友人から、「君とあの子は生き方が不器用な点で似てるよね」と指摘されて、なんでそんなところに共感を覚えるかなと思いつつ自分らしいなとも思いました。

従軍慰安婦協議の日韓合意について

 漠然とスターウォーズかトミタマスクについて今日は書こうかなと思っていた矢先、久々に大きな政治ネタが転がってきたので急遽方針転換。恐らく今頃日本の各メディアで大きく報じられているかと思いますが、日韓で長年問題となってきた従軍慰安婦問題に関する協議で本日、両政府間で合意に達したと発表されました。

慰安婦問題、日韓が合意=日本政府「責任を痛感」―人道支援へ10億円財団(時事通信)

 合意概要についてはリンク先の記事にも書かれている通りに元慰安婦を支援するため今後設立される財団に日本政府側が10億円を一括で拠出し、また日韓両政府は今回の合意でもってこの問題は最終的かつ不可逆的に解決されたとみなすとしております。この合意内容について韓国側ではどう報じているのかが気になる、というか大体こういう合意は国内向けのアナウンスだと両行間で微妙にニュアンスが異なることが多いためですが、同じ時事通信の記事を見ると野党側は反発し、元慰安婦間では賛否が分かれているとあるので大筋では共通した内容で報じ荒れているのではないかと思います。
 ただ韓国側はどうも、「今後も日本が反省を続けるよう求める」ような発表をしていることから、恐らく事ある毎に政府発表で謝罪発言を求め続けてきそうな不安は残っています。

 で、この合意に対する私の評価は、何もやらないよりかは価値があると思えるので日本政府を支持する立場に回ります。拠出金は10億円ですが金額的にはまだありだと納得できる金額で、昨日の報道では20億円という金額が出ておりましたがあれはワンクッションを置くためのアナウンスだったのかもしれません。だとすれば今回の協議は両国間で事前にしっかりと準備され、合意するべくして合意に至れた会談だったのではないかと推測できます。
 ちなみに金額についてですが、東電は除染費用数百億を滞納し続けているというニュースを見たばっかということもあり、「東電に比べれば10億くらい……」なんて思ってしまいました。

 もう一度今回の協議合意の評価についてもう少し詳しく述べると、ネットを見ているとまた後で蒸し返される、過去の政府の合意は無効だなどと言われ、今回出す金はムダ金に終わるという意見が多いように見えます。私自身も過去の韓国を振り返りその可能性は高いと思いますが先ほども述べた通りに10億円は極端に高い金額でないように思えること、韓国政府の合意を得ての今回の支払いでもって日本側は過去に対応しているという既成事実を作れることを考えたら、失敗に終わる可能性はあるものの金を出す価値はあるように思うわけです。
 また、今回の合意でもって今後以下のような展開が予想されます。

・朴大統領、韓国与党の支持率低下
・元慰安婦同士が合意内容を受け入れるかで分裂
・日本は謝罪しないばかりか金も出さないという主張前提の崩壊
・「出す金額が少ない」という韓国世論の表出

 以上は私が予想する韓国内の今後の動向ですが、言い換えれば韓国政府の基盤がぐらつくということです。これは日本政府にとっては悪くないように思え、特に朴大統領には早くに引いてもらった方が案外やりやすいように思えます。でもって韓国世論は合意無効が叫ばれるでしょうが日本はそれを出来る限り海外に宣伝して、この前のギリシャがドイツに今更また賠償金を求めてきたようなニュースのようにして報じればこれまでの告げ口外交の意趣返しが少しはできる気がします。

 ただ少し気になることを述べると、何故このタイミングで韓国政府は協議に合意してきたのでしょうか。朴政権は慰安婦問題についてはかなり強硬な態度を貫いておりその上で今回の合意に落とすならば反発は必至で、何故危ない橋を渡ってまで合意してきたのかという動機が気になります。
 思いつく理由を上げれば日中の接近、韓国の政治リスク、韓国外務省の功績狙いなどありますが、一番無難なのは日本政府からの何らかの見返りでしょう。通貨スワップか平昌五輪への資金支援か、私個人の直感ではありますが恐らく近いうちに何らかの韓国支援が発表されて「前回の合意に続く日韓協力~」などと友好アピールがされるのではないかと思います。

 逆を言えば、慰安婦問題で方針転換を選ぶほど韓国側が状況的に何らかの理由で困っていたのは間違いない事実でしょう。日本側としては今回の合意に際して暗に約束された見返りを果たすか、無視するか、いわば「選ぶ立場」にあるので、あまり細かいところ突っこまないで今回は日本政府を支持してもいいんじゃないかというのが私の意見です。あと、会談前のコメントなどを見る限りは岸田外相はなかなかやるなと前からも評価してましたがまた今回も評価の上積みです。

2015年12月27日日曜日

三国志9のプレイ日記

寿司28皿食べたら、彼氏にひかれた・・・(アルファルファモザイク)

 上記リンク先は最近読んだまとめ記事で一番笑った奴です。見出しだけでも十分な内容ですが、自分は回転寿司行ってもせいぜい8皿程度、最も餓えてた学生時代ですら12皿くらいでしたから、隣で28皿食われたらしょうがないかななどと彼氏に同情してしまいます。

 話は本題に入りますが、このところ内容ぎっしりでなおかつかなり真面目なことばかり書いてきたせいかちょっと燃え尽き症候群みたいに記事書く気が起きないです。仕方ないので日記がてら今は待っているゲームについて書こうかなと思い、今やっているパソコンゲームの「三国志9」について適当なことをちらほら書きます。

 三国志シリーズとくればコーエー(現コーエーテクモ)が販売してきた傑作シミュレーションゲームシリーズですが、三国志マニアを自認する私も1、3、4、5、7の計五作をこれまでプレイしてきました。7以降は大分遠ざかっていたのですがふとしたきっかけで9が最高傑作との呼び声高いと聞き、どうせ中国行くと暇なんだし念のため買っておくかと今年10月に買っておいて、「メタルギアソリッドピースウォーカー」がひと段落したのを契機に遊び始めました。

 最初のプレイで使用キャラに浸かったのは孫堅で、理由は攻略サイトに「初心者おすすめ」と書かれてあったからです。おすすめされるだけあって孫堅プレイだと敵対勢力が存在しない荊州南郡を早々に植民地化することが出来て、非常に攻略が楽でした。むしろ楽過ぎて物足りなさを覚えるほどでしたけど。
 そんな孫堅でのプレイをあっさり終えて次に選んだのは公孫賛で、なんで彼を選んだのかというと過去の三国志ゲームで彼を一度も選んだことなくてたまには使ってみたいと思ったからです。以前の三国志ゲームだと公孫賛は北っぱじに拠点を構えてて地理的には有利だけど部下が少なく、なおかつ巨大勢力の袁紹が近くにいて難しいとされるキャラでしたが、この三国志9では部下となる武将が増員されており、また騎兵に関連した技能を持つ武将が多くてむしろかなり強い部類でした。なもんだからこっちも袁紹が油断した隙を狙ってどんどん都市を切り取っていって割と順調に天下統一を果たしました。

 と、ここまでプレイした所で初めて気が付いたのですが、今回私が買った三国志9はソースネクストが再販した「三国志9Withパワーアップキット版」というものでおまけ機能を追加したパワーアップキットが付属していたものの、それまでその存在に気付くことなく通常版で遊び続けていました。てっきり最初のインストールディスクにすべて入っているかと思ってたよ……。

 気を取り直してパワーアップキットも追加インストールして、今度は馬超を使用キャラにしてプレイ開始。なんで馬超かというと公孫賛でプレイした際に馬超を部下にして使ってたら強くて頼りになり、今度はこいつ主役で遊んでみたいと思ったからです。
 三国志9の馬超と来たらこんな記事もあるくらい計略に引っかかりやすい能力となっており実際私が使う馬超も戦場に出る度に、「何、後方が敵に攻められているだと?」と言っては無団体客を繰り返すおっちょこちょいさんでしたが、プレイ全体で波乱に富んでて半端なく面白かったです。

 まずパワーアップキットになって敵AIが強化されて手応えのある難易度になったことと、曹操、孫堅、劉備がそれぞれ基盤を固めて大きな勢力となっている時代なので一筋縄ではいかない状況だったのと、馬超の勢力は内政を任せられる政治力の高い人材が誰一人いないため「餓える前に攻め落とす」という異民族的なプレイを迫られることとなって割とひやひやしながら遊べました。
 特にゲーム開始時の時点で馬超は長安を既に支配下に置いていますが、そこからスタートダッシュで曹操の支配する洛陽を順調に落とした後、南からは劉備軍、南東からは孫権軍が北上して来て、ちょうど許昌~徐州のあたりで馬超、曹操、劉備、孫権の四勢力が激しく入り乱れる修羅場と化して誰が漁夫の利を得るのかという状況となって一瞬たりとも気が抜けませんでした。

 しかも面白いことに、馬超軍にいた韓遂が曹操軍に敗北して捕虜となり、そのまま曹操側に就くという展開となった上、逆に馬超軍が捕虜とした曹植を軍門に引き入れようと説得している最中に曹操が病死し、曹丕がその後を継いだところで曹植が馬超につくという、なんか妙なリアル感を持つ展開になっていきました。なお曹植君は筋肉馬鹿ばかりの馬超軍においては貴重な知恵袋となってマジ大活躍でした。
 また四つ巴の状態も、大規模な陽動と挟撃を仕掛けて河北の曹操軍を追っ払ったところで一気にパワーバランスが馬超に傾き、諸葛亮などから引き抜きとか異民族けしかけられる嫌がらせは受けたものの、大きな障害なくそのまま統一までもって来れました。ただ本当に本当の統一直前に、右腕としていた馬岱が寿命で死んでちょっとクラっときましたが。

 現在は呂布でプレイしていますが、正直辛いです。上からは曹操、下からは袁術に攻められ、領地の小ささと兵力差からなかなか逆転が効かず何度も攻め滅ぼされました。どうすれば生き残れるかと考え、最終的には実際の歴史通りにスタート時点で友好関係にある劉備軍を裏切り、小沛をいきなり攻め落とすことで大分やりやすくなりました。生きる為なんだから、これも仕方ないよね。

2015年12月26日土曜日

マイナンバー制度導入に伴う留学生の就労懸念

 昨夜はクリスマスで別に意図なくブログ休みましたが特に何かしたわけじゃなく、洋食屋行ってピザ食べた後、「無双OROCHI2 ULTIMATE」の「アンリミテッドモード」でずっと遊んでました。ちなみに知り合いの現地採用の女の子は、「クリスマスなのに仕事(;´Д`)」ってほざいててちょい笑えました。

 話は本題に入りますが、このところ何かとお騒がせなマイナンバー制度。私なんかこのところずっと日本にいないのでそもそも通知カードが届いているのかすら把握していないほど無視していますが(マジで外国居留者はどうせいちゅうねん)、この制度に戦々恐々しているのは日本人だけでなく、外国人留学生も大きな心配を抱えていると聞きます。というのも、このマイナンバー制度によってアルバイト時間が当局に把握されてしまうのではという懸念を持っているようです。

<留学生バイトは週28時間が上限>
 自分も今回調べてみるまで知らなかったのですが、留学ビザで日本に来た外国人留学生は日本でアルバイトを行うことは容認されているものの、その労働時間は「週28時間」を上限として定められており、これを越えるアルバイトを行った場合は就労違反と扱われます。なお、学校の長期休暇中は「1日8時間」にまで緩和されるそうです。
 もし就労時間の超過がばれた場合にどうなるのかはあんまり書かれていませんが、一例では大学卒業時に就労ビザが発行されず内定が取り消されたという話がネットで紹介されていました。私の推測ですがそれほど厳しく調べられているわけではなく、あまりにも大きく超過しない限りは黙認されているのが現状ではないかと思えます。

 この規定はどちらからというと留学生よりも、彼らを雇う雇用者向けへの注意として広報されることが多いです。曰く、「週28時間以上働かせてはいけません」的にあちこちで書かれているのですが、留学生側はこうした規制に対しアルバイト先を掛け持ちすることで、週28時間以上働くことを可能にしていると聞きます。なんでかっていうと、一か所のバイト先で週28時間以上とならなければばれないからでしょう。

<マイナンバーで上限突破がばれるのか?>
 しかしこうした掛け持ちによって上限以上に働くというやり方が、今度のマイナンバー制度導入によって不可能になるのではという噂がどうも留学生社会に広まっているそうです。自分もこの辺はあまり詳しくない、というかまだ実施されていないのだから無理ないですが、各雇用主はマイナンバーの導入後、雇用者のマイナンバーを集めそれを元に源泉徴収など給与報酬の額を税務署へ報告する義務が課せられます。これによって税務署側は誰がどこでどれだけ働いているのかを把握することができ、結果的に留学生がバイト先を掛け持ちして週28時間以上の就労を行っている事実を把握できてしまうのでは、でもって処分されるのではというのが不安の中身です。

 実際の運用がどういう風になるのかまだわからないものの、可能性としてはなくもない話です。何で政府が留学生の就労時間を規制しているのかというと留学目的で入ってきて本国への送金のため勉強そっちのけで働き続けるようなケースを防ぐためで、これについては非常によく理解できます。

 しかしその上で述べると、発展途上国などから着の身着のままやってきて、自らの生活費はもとより学費も含めて日本で働きながら調達する苦学生がいることも事実です。実際に私の周りの留学生二はそういう子が多く、卒業式の際にすぐ帰国するのかと聞いたら、「まず帰国費用を稼がなくてはいけない」と言い返したチリ人の女の子は未だに強く印象に残っています。
 私が何を言いたいのかというと、事情によって週28時間以上働かなくては勉強を続けられない留学生もたくさんいると思われるだけにマイナンバー導入後も彼らを追い詰めるようなことはしてほしくないということです。恐らくマイナンバー導入後もいろいろ理由付けたりしてお目こぼしをするんじゃないかという気がしますが、そんなことする位ならあらかじめ免罪規定を設けて、たとえば一定の学費を納める目的での就労であれば上限を緩和するなどといった救済措置を作って上げてもらいたいです。

<現行制度での留学生アルバイトのモデル収入>
・週28時間→月間約120時間  ・時給を1000円と仮定
120×1000=120000  おおよその月間収入:12万円

 この収入額ではよっぽどいい奨学金を得られない限りはとても私立大学、最近は国立も授業料上がっているので国立も含め、学費を納めながら生活していくことは難しいでしょう。

<産業界も大打撃?>
 この上限緩和を主張するという意見はただ単に苦学生が可哀相だという同情心から私は言っているわけではありません。もう一つの理由はかねてからこのブログでも主張しているように日本は現時点ですでに深刻な労働力不足となっており、その労働力を支えているのはほかならぬ外国人留学生のアルバイトです。深夜の居酒屋なんて店によっては「ここは日本か?」と思うくらい外国語が飛び交ってることもあり(調子に乗って自分も友人と中国語で話しだしたことある)、3K労働ではもはや外国人留学生なしでは成り立たない業種も多数あるとにらんでいます。そして彼ら外国人留学生は恐らく、週28時間の上限を越えて働いているのが現状で、この規定が厳格に運用されたら途端にあちこちのお店で従業員不足が深刻化するのではと懸念しています。

 内容をまとめると週28時間ルールを厳格に運用すれば外国人留学生、産業界が揃って損を食う羽目になりかねないので例外規定なり緩和条件を早く準備するべきだというのが私の意見です。もちろん勉強そっちのけでバイトしかやらないような留学生は問題なので、そういった学生は年間取得単位などでビザ更新を止めるなど罰則を設けてやれば、少しは制度も回るのではないかと思います。
 繰り返しになりますが、本当に大変な思いしてまで日本へ来てくれている留学生も少なくないのです。そうした留学生の気持ちに日本で学ぶ、生活する機会を広げてほしいというのが、外国に住んでる私の切実な思いです。

2015年12月24日木曜日

MRJと愉快なライバル達、それと今後の課題

「スター・ウォーズ」新作初日 千葉ットマン“お忍び鑑賞” ストーム・トルーパー姿で客に囲まれる(千葉日報)

 ここ最近で一番、「何やってんだこの人?」と思ったニュースです。ってかこういう人が身近にいればいいなぁ。

 話は本題に入りますが先日初飛行を成功裏に終えた日本国産ジェット機のMRJですが、初飛行を終えて大喝采を上げるのはまだ理解できるとしても、「今後の大成功は間違いなし!」、「性能の優秀さが証明された!」などと、少なくとも私から見ていて過剰に誉め過ぎる記事が余りにも多すぎるような気がします。航空業界に決して詳しくはありませんが販売して、営業飛行させるというきっかりした実績を作るまでは過剰に喜び過ぎずむしろ兜の尾を締める様な態度が必要だと思え、今日は少しMRJを取り巻く業界と今後の課題についてさっき勉強した結果を素人的に伝えようと思います。



 上記の比較表は東洋経済がリンク先の記事にてまとめた表で、素晴らしくよくまとまっててこの図表だけでもうこの記事も完結しちゃうんじゃないかと思うくらいの凄さです。簡単にこの図表とMRJを取り巻く背景を説明すると、まずMRJは乗客100人前後を乗せる「中小型旅客機」というカテゴリーに属し、このカテゴリー内で競合し合う機種というのが上記表にまとめられているわけです。

  中小型機というカテゴリー
 ちょっと脱線しますが中小型機というカテゴリーはどんな飛行機かというと、ジャンボジェットなどと比べて軽量かつ小型であることから燃費が良く、離発着が多い中短距離間を結ぶ航路に向いているとされるカテゴリーです。また今後世界市場でも需要が高まるとかねてから予想されていることから日本勢も参入したのでしょうが、それともう一つ日本国内の航路で需要が高いことも影響しているのではと密かに見ています。というのも日本の地方空港は滑走路が狭く大きな機体では入れられないため、こうした地域インフラを維持する上でも中小型機の国産化の必要性があったのかもしれません。

  MRJのライバル
 話は戻りMRJのライバルたちですが、老舗と呼ばれこれまで市場を握ってきたのはブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアの二社で、新規参入組となるのがロシアのスホーイ、中国COMAC、日本の三菱重工となります。このうちロシアのスホーイに関してはあまり情報がないのですが、エンブラエルとボンバルディアの機種に関しては既に市場に出回っているものの設計がやや古く、燃費などの性能面ではMRJの方に分があると各日系メディアに書かれてあり私も納得できます。となると気になるのは同じく新規参入組でもある中国COMACのARJですが、隣国ということもあってやっぱお互いそれとなく意識し合う存在でしょう。

  中国のARJの実力は?
 ARJはMRJよりも早くに開発が始まっており、私も記者時代は開発状況とか受注状況などといったニュースの記事をよく書いてました。ぶっちゃけ書きながら、「ほんまこれ飛ぶんかいな?」と内心思ってましたが。
 MRJもそうですが中国にとっては初の国産旅客機開発ということもあって開発は計画通りにとは行かず、これまでに何度もスケジュールの延期を行っております。手元の中国語記事などによると2002年に設計開発が始まり2008年に初飛行、2009年3月に初納品の生産が始まり、2014年12月に当局の合格証を得て、2015年6月に検査で合格し、つい先日に初納入先の成都航空へ納められ近く正式な航空営業証が発行される見通しのようです。

 このARJの性能について日系メディアは、はっきり言えば見下した見方をしているのが大半と言ってもいいでしょう。実際に皆さんも検索して記事を見てもらえばわかるでしょうがやれ客室が狭いとか設計がMRJより古いとか開発経験がないとかメイドインチャイナだなどかなり厳しく書かれており、国際評価でもMRJの方が高いとも書かれてあります。ただこうした見方にはすこし頷けるというか裏付ける状況証拠がないわけでもなく、その状況証拠というのも初納入が成都航空という地方航空会社であるということです。
 中国の威信をかけて開発された機種なのですが何故かその初納品は中国三大航空キャリアこと中国国際、東方航空、南方航空ではなく一地方航空会社の成都航空へ引き渡されました。MRJは恐らく全日空か日航が最初に受け取るであろうことを考えるとやや違和感を覚えるのですが、この背景には中国三大キャリアはそれほどARJを高く評価していないためという噂が出ております。一応発注契約は出してはいますが最初は成都航空に掴ませて性能を確かめる、もとい実験台になってもらうという腹積もりがあり、中国政府も多少自認しているのかその案に乗ったためと、あくまで噂ですがこんな話を聞くわけです。

 なもんだから日系メディアはARJは中国国内でしか発注されず、海外市場では恐らく売れないだろう、MRJの敵ではないだろうなんてことをよく書いてます。なんせ性能ではMRJの方が圧倒的に上なのだから。

  本当にMRJは海外市場で売れるのか?
 ある意味この箇所こそ一番書きたかったところになりますが、やはり今の日本のMRJに対する意識は浮かれ過ぎであるような気がしてなりません。特に中国のARJに対しては、「性能では劣るはずがない」と言い切り、非常に強気な態度で見下す以外の目は持ってないように見える。
 しかし、性能が上だからといって必ずしも売れるとは限りません。インドネシアの高速鉄道の受注で先日、日本が中国に一敗地にまみれたのは記憶にも新しいでしょう。実績、性能で言えば間違いなく日本の新幹線の方が上でしょうが、この時は負けました。何故負けたのかというと中国が安値で攻勢をかけてきたというのもあるでしょうがそれ以上に政治力、いや販売力に差があったと見るべきでしょう。

 鉄道にしろ飛行機にしろ、海外で受注を受けるに当たっては安全性や性能、実績もさることながら何よりも大きく左右するのはやはり販売力です。いい物で値段がお手頃だからって売れるとは限らず、この辺に関する言及が日系メディアに全くと言っていいほど見当たらないことに自分は強い危機感を覚えています。

  楽観視はよくない
 こと販売力というか売り込みに関しては中国は本当にえげつないところがあり、果たしてそのえげつない中国に負けないえげつなさを日本はMRJの販売で発揮できるのか、そしてをそれを実行に移す人材がどれだけいるのか、いなかったり少なかったりするのであれば今この瞬間にこそ人材をスカウトなり育成なりすることが喫緊の課題であるように思えます。
 特に中国の場合、無理矢理海外実績を作るために半端ないダンピング攻勢こと大幅な値下げ戦術を取ってくることも考えられるし、メーカーの赤字分を政府が補填するという裏技も仕掛けてくることだって十分あり得ます。そのような場合に日本側はどう対応していくべきなのか、採算を維持した上でどうやって海外で実績を作っていくのかという戦略なり戦術を今この時だからこそ、相手は性能で劣っているからと言って見下し、楽観視するばかりでなくしっかり戦う準備をして蟻だろうが象だろうが向かってくるものすべてを一撃で叩き潰すくらいの気迫を持って売り込みをかけてもらいたいというのが私の本音です。

 結論を述べると、スペックで勝っていることをいちいち自慢ばかりせず、相手が誰であろうとなにがなんでも本気で売り込んで儲けるという強い気迫を日本は持つべきで、浮かれるのにはまだ早いというのが一素人としての意見です。

2015年12月23日水曜日

愛国心とは何か

 最近買い始めたラブコメ漫画に「女の子同士のキスはノーカウント!」というセリフがあり、これを見たそのまさに一瞬、「なら男同士は?」という妙な疑問がよぎりました。なんだろう、こんな疑問よぎるのって自分だけ?

 話は本題に入りますが、先日ふと道を歩いている最中に「愛国心とは何なのだろうか」という疑問がよぎりました。愛国心と一言で言ってもその定義する内容は使う人間によって大きく変わることが多く、Wikipediaの記述を見ても一番最初に大きく分けて二種類あるとして以下のように記述してます。

 一口に「愛国心」といっても、話者によってその意味するところには大きな幅がある。愛国心の対象である「国」を社会共同体と政治共同体とに切り分けて考えると分かりやすい。

・社会共同体としての「国」に対する愛着は「愛郷心」(あいきょうしん)と言い換えることが出来る。
・政治共同体としての「国」に対する愛着は「忠誠心」(loyalty)と言い換えることが出来る。
(Wikipediaから引用)

 この分け方には私も同感でそもそも愛国心という気持ちの対象が何であるのか、自国の国民なのか、民族なのか、文化なのか、政権なのか、国体なのか、言うまでもなく前三つと後ろ二つでは明確に区切る壁が存在します。そう考えると上記のWikipediaの記述がまさに適当だと思え、その上で述べるならば通常使う「愛国心」という言葉は後者で、前者はむしろ「郷土愛」などと呼んで使い分けを明確にした方がいいように思えます。
 何故このように述べるのかというと「愛国心」という言葉はやはり政治用語のように思え、政権などに対する距離感を言い表すためだけに使うべきだと思うからです。妙な例を作りますが、日本食が大嫌いで洋食しか食べないし歌舞伎や能は興味ないけどオペラ好きではあるものの、日々日本のため汚れ仕事も率先して引き受ける敏腕な諜報員(独身)がいたとすると、この諜報員は前者の意味だと「愛国心がない」ということになってしまいますがそれはちょっと違うんじゃないかと思え、政権のために尽くすという一点でもってやはり「愛国心がある」と言うべきだと思うからです。ってかこんな諜報員いたら会ってみたいよ。

 というわけで愛国心は政権や国体にのみ向けられる気持ちだと整理した上で次の疑問点をだすと、その気持ちが向けられる政権というのはいつの政権なのか。また変な例を出しますが中には徳川幕府復興を志してまだ活動している人もいるかもしれず、その人は現在の政権に当たる日本政府に対して反動分子でありますがかつての政権である徳川幕府には忠を尽くしているわけで、こういう人は果たして愛国者と呼べるのでしょうか。同時に、現政権を打倒して新たな政治体制の確立を目指して活動している人間も呼べるのか。
 この疑問の答えははっきりしていて、やはり時の政権以外であればすべてテロリストでしかなく現代でテロリストを愛国者と呼ぶことはまずないので、愛国心は時の政権以外に向けられたものはもはや愛国心ではないというのが私の考えです。仮に革命がうまく成功して政権が転覆すればそのテロリストたちは愛国者として語り継がれるかもしれませんが、それはあくまで成功した上での話であって成功する前の段階でどうこういうべきではないでしょう。

 長々と整理してきましたが核心部分に入りますと、時の政権に対する一体どういう気持ちが愛国心となるのか。単純にその政権を支持する気持ちが愛国心なのかどうかですが、キーワードとなるのはじ「自己犠牲」があるかないかではないかという気がします。国家のために自分を犠牲にして命も捧げるような感情が愛国心なのか、そこまで行かなくても単純に国のために何かできる範囲で協力しようという気持ちがあれば愛国心と言えるのか。
 これは人によって考え方は違うでしょうが私の中の答えを述べると前者で、命すら捧げる気持ちがあって初めて愛国心と呼べるのであって程度の差なんてものはない気がします。なので「愛国心を育てる教育」なんていうのは間違いであって本来ならば「愛国心を作る教育」と言う方が適切ではないかとも考えます。

 なんでこう極端な物言いをするのかというと途中まで愛国心を考えているうちに、「突き詰めればこれは国家に対する『忠』なのでは」というように思え、儒学の価値観に沿うならすべてを投げ打ってでも仕える対象に尽くして初めて「忠」と言え、命の危険を感じて引き払ったり距離を置いたりするのはやっぱり利己主義であって忠とは異なるように感じたからです。
 なんかこう言うと時の政権の言うままに命を差し出すべきだと言ってる極端な人間のように思われそうだから釘刺しときますが、儒学の忠には「諌止の忠」もあり、「命を懸けて主君を諌める」事も含まれており、私もこういう行動も愛国心だと言えると考えています。政権に対して無批判でなければ愛国心がないというつもりはさらさらありません。

 ゲームの「メタルギアソリッド3」でまさにこの「愛国心」という言葉の定義を主人公と敵役が議論というか一方的にまくしたてられるシーンがありますが、ボロ雑巾のように国家に使い倒されてもなお文句ひとつ言わず受け入れることが国家へのLoyaltyであって「愛国心」であると言い、その上で敵役は主人公に対し、「お前の忠はどこに向けられている?国家か、任務か?」と問います。その後の話をすれば主人公のネイキッド・スネークは国家を「棄て」、兵士が使い捨てられないような世界を目指して自らの「国家」を作っていこうすることになります。
 この例に限るわけじゃないけど、本質的に愛国心と平和は同じ軌道上にはないのかもしれません。

2015年12月21日月曜日

大阪人は何故海外に強い?

 昨夜また前に原稿書いた中国雑誌社の編集者に原稿を依頼され、中国語でバッと記事書いたので疲労困憊です。書く時間はたっぷりあったけど慣れないテーマだったのと、最近ちゃんとした媒体に載せる記事書いてないから吐きそうな気分になりながら必死で900字弱で記事を書き終えました。
 なのでこっちのブログの方はパパッと書けるネタとして、昨日ちょっと飲み会で聞いてきた話を書きます。

 まず言いたいことだけ書くと、日本人の海外勤務では関西人、とりわけ大阪人が多方面で強いです。なんだかんだ言ってストレス多いから身体や精神やられる駐在員は決して少なくないのですが、大阪人でそういうのがやられるという話はほとんど聞かないし日本食屋とか言ってるとでかい声で関西弁がよく聞こえてくるなど、大阪人はどこ行っても大阪人だなと思いつつその海外での強さの秘密は何なのかと気になってました。
 何故気になってたのかというと、大学時代の友人との会話が原因です。その友人は岐阜出身なのですが彼曰く、就職活動の際に周りの大阪人は海外はおろか大阪府、下手すれば大阪市からも出たくないと言う奴が多かったと話しており、実際に私も「東京勤務になるなら仕事辞める」とまで言う人を見たりしました。なおその岐阜出身者は海外勤務になったら会社辞めると言っておきながら、面接時はどこでも行きますよアピールして内定取ったそうです。

 話は戻りますがこの過去の体験を鑑みると大阪人はどっちかっていうと地元に縛られてあまり外向きではないのかなと感じたのですが、実際の海外現場ではどこの出身者よりも元気なのは大阪人です。このギャップが気になってしょうがなかったので昨夜直接大阪人二人に、「なんでなん?」って聞いてみたところ、「若いうちは大阪出とうなかったよ」という回答がもらえました。
 その後はあまり深く突っ込みませんでしたが、あの一瞬の回答から察するに社会に出る前の段階では地元愛が強すぎて外界に対して出ていこうという意識が弱い一方、一旦社会に出ると仕事というか商売にのめり込んでぐいぐい出て行こうとばかりに考えが切り替わるのかなと思いました。もちろん個体差はあるでしょうが。

 でもって海外で強い要因に関してはこれは前からもほぼ確信してますが、概念が揺さぶられないのが何よりも大きいでしょう。自分の常識や価値観に対して目の前の人間なり社会が異なった動きを見せると人間は多かれ少なかれ動揺しますが、この際に相手が正しいのか自分が正しいのか、この迷いが大きくなると不安が高まります。関東というか東京の人は周囲に対してカメレオンのように合わせることを信条としているだけに海外では現地に合わせようと行動するも合わせられる限界を越えてパンクする傾向がありますが、これが大阪人だと自分のやり方のが正しいと思って合わせずにむしろ相手を自分の流儀に引き込もうとするので動揺しないのでは、というのが私の分析です。

 こういったことを話したら昨夜話した大阪人のうち一人が、「せやせや、うちのかみさんも中国語わからへんのに中国人の店員相手に電卓ひとつで必死に値切っとったで」と、我が意を得たかのように話し出したので、自分の見方は当たらすとも遠からずではないかとみております。ちなみにこの自分の流儀を押し付けるというタイプですが中国人も当てはまり、アメリカ行っても中国語でしゃべり続けるあたりはほんと大阪人と相性いいなと思います。