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2016年2月21日日曜日

中国のニトリを訪れて、及び日中の脚の長さの違い


 引っ越し先の部屋でパソコンを置いて作業するのに使うちょうどいいテーブルがなかったため、上海市内にある「お値段以上」でおなじみのニトリへ訪れてみました。


 場所は地下鉄「中山公園」駅前の兆豊広場というショッピングモールで、ここの2階と3階にかけてニトリが入居しています。上の写真は携帯のカメラで自動ピント調節をオンにしていなかったためやや露光気味ですが、一応モール入口から撮った感じはこんなもんです。


 店内をいくらか回ってみて候補となったのは99(約1800円)元の折り畳みデスクと199元(約3600円)の完全パソコン向けデスクでした。どちらも組み立て式だから家に持って帰る分には問題なさそうでしたが、199元のはキーボード引出し、プリンタ用天板がついていたものの、どっちも多分使わねぇなぁと思った上に部屋の関係上、背が低い(天板がない)方がいいと思ったので99元の折り畳みデスクにして配置した後の写真が上の写真です。個人的に言わせてもらうと、パソコンデスクはごてごてしたのではなくシンプルであればあるほどベターでしょう。
 あとはチェアを買うか買わないかですが、暫定で買った物入れにもなる上の椅子でもいいかなって割り切り感が出ております。

 そんな私のインテリア話は置いといてニトリについて書きますが、この日は土曜日ということもあって2階の日用品コーナーは午前中から割と客が入っておりました。まぁまぁ繁盛しているなと横目に見ながら3階の家具コーナーを見に行ったところ、ちょっと意に反してと言うべきかほとんど客が入っておりませんでした。日本でもどっちかっていうと日用品コーナーの方が明らかに賑わってるので別に中国に限るわけでもないし時間帯が悪かっただけかもしれませんが、それにしてもほんとにお客さん少ないなぁとしみじみ思いながら眺めていたところふと、

「テーブルの脚の長さが短いような……」

 という、妙な考えがよぎりました。
 これは完全に私の直感で感じた意見ではあるものの、私の目から見てニトリに置かれてあるテーブルの脚の長さは中国で売られている他のテーブルと比べてやや短いように感じました。実際に寸法を測って比較したわけでなくほんと印象での違いかもしれませんが、思い当たる節が全くないわけでもありません。

 日本がいわゆる「床文化」であるのに対して、中国は古代からずっと「椅子文化」の国だったりします。日本は畳敷いて床に座って生活するのを基本としますが中国ではそういう文化は全くなく、畳ですらニトリの店内以外で見ることなどありません(売ってた。欲しかった)。
 そうした文化的な背景からか、これは断言して言えますが平均的な脚の長さは日本人よりも確実に中国人の方が長く、女性も日本と比べると中国の方が脚線美を強調する人が多いし実際に中国人は「金瓶梅」の時代から伝統的に足フェチです。なお以前いた知り合いの日本人駐在員は脚フェチだったので中国はたまらないという感想を述べておりました。

 そうした文化的、身体的な差を考えると、テーブルの脚の長さも日本より中国の方が標準的に長いのではないのかという考えがもたげてきます。中国で暮らしている私の目から見てもニトリに置かれているテーブルはなんか脚が短いように感じるし、ましてや胡坐かいて使うような床置き用テーブルに至っては見ていて「これは売れへんやろう」と思うだけに、もしかしたら日系家具企業にとって中国市場における一つのウィークポイントなのではないかと思えてきたわけです。
 恐らく、素人の私ですら思いつくことなのですから本業の方々も把握してはいるんじゃないかとは思います。しかし店内に置いてある商品はほぼすべて日本語で書かれた包装がされてた上に私が買ったデスクもついていた説明書はそのまま日本語だったことから、恐らく商品は中国で作られているのもあるかもしれませんが基本的に日本で売られているものと同じ仕入れルートで、中国の店舗用に包装や中身を変えるなどの措置を採っているわけではない、というよりもそんなことしたら余計なコストを食うだけに仕入れルートを下手に分けたりしていないというのが実情なのかもしれません。そのため、中国の店舗でも脚の長さに違いがあると把握しながら日本と同じ商品を並べているのではと推測します。

 なお以前に蘇州のニトリを訪れた際に少し店員と話す機会があって、「景気はどないでっか?IKEAはんに負けとりゃしません?(京都弁)」と、尋ねたところ、「IKEAさんと比べられるときついですね(;´∀`)」と、正直に話してくれました。その店員曰く、やはり中国史上だとIKEAのブランド力は半端なく高く突き崩すのはなかなか難しいそうです。

  おまけ
 うちの名古屋だけでなく広島にも左遷された親父の子供の頃のあだ名は「座高一」だったそうです。私もそんな身体的特徴をしっかり継承してしまったのかクラス内で座高は高い方でした、二代目は襲名しなかったけど。

2016年2月20日土曜日

一昨日見たカオスな夢

違いの分かる猫といい車

穴があったら入りたい

 また本題とは一切関係ないですがこの前見つけて気に入っている写真なのでここにも貼っておきます。最新のWRX STIということもさることながら、猫のどや顔表情が何とも言えません。
 そんなわけで本題ですが、今夜は一昨日の晩に見たちょっとカオスな夢についてありのままに書こうと思います。

 夢の場面は夜、車に乗っているところから始まります。走っている場所は親父の左遷先である名古屋市内で、一緒に乗っているのもうちの親父で、運転手も親父です。何もこれは夢の中だけじゃなく私はリアルでペーパードライバーななもんだから日本にいるときはいつも親父に運転させているのですが、正直に述べると中国だと走行車線逆だから久々にハンドル握ると逆走しそうで怖いのもあります。
 乗っている車はワンボックスで、恐らくコンパクトカーのサイズだったと思います。そうして車を走らせていると前方で警察が我々の車を止めるよう指図するのでいったん停車した所、「ちょっと調べさせてほしい」といって改めに来ました。車の前までやって来た警官の顔を見ると、「あれ、〇〇さんじゃないですか?」と私が言うのですが、やってきた警察官は旧知の人物で、私が最初に入社した会社の指導役だった先輩社員でした。向こうも私を見て驚きながらも久しぶりと返事するのですが私の方はというと、「貿易事務員から警察官って転身ぶりがまた凄いな」、「なんでロンゲなんだろう?」、ということを口には出さずに頭の中だけで考えます。

 その先輩と私が一言二言話すとそのまま警察らは我々の車を改めて、「これはなんだ?」といって車内の一部を指さします。指さされた場所は運転席ドア裏側のサイドボードで何故か真っ赤に染まっているのですがこれについて親父が、「実はここに来る前に猫を轢いてしまって……」と説明し、警察もその説明に納得して「気を付けるように」といって解放してくれました。猫を轢いてどうして車の内側に返り血がつくのかという点については夢だからかみんなスルーです。
 再び車が走り出す横で私は、以前にも「我が一族と猫」という記事で書いたように私の一族と猫は因縁深い関係にあり、猫を殺すことは一族にとって観音様の顔に唾を吐きかけるにも等しい最大のタブーであるというだけに、「なんてことをしでかしやがって……」と、親父を横目に見ながら怪訝に思ったところで夢から覚めました。

 久々にカオスな夢を見たなぁと思いつつその日の出発支度を済ませていつものように家を出たのですが、その日たまたま最寄駅近くの芝生に犬の死骸が転がってて、見開いたままの血走った目と目が合っちゃって久々にリアルホラーを感じたというかマジビビりました。毛並からして多分野良犬とかじゃなく飼い犬で、バイクか何かにはねられて死んだんじゃないかと思いますが、その日見た夢と相まってなんか奇妙な偶然性を覚えました。
 なおその後電車に乗っている最中、マッドシティの潜伏先にある冷蔵庫と洗濯機の残存価額と廃棄処分回収費をあれこれシミュレートしていましたが、あの犬の見開かれた目がなかなか脳裏から離れずちょっと気分悪かったです。帰り道もその場所避けて帰ったし。

2016年2月19日金曜日

丸山議員の発言について

黒い新幹線、4月29日運行開始 世界最速の芸術鑑賞、乗車は2通り(乗りものニュース)

 また本題とは関係ありませんが上のニュースみて、白から黒に機体切り替えたら強奪されるのではと妙に懸念してしまいました。Zガンダムの見過ぎかな。

「日本が米国の51番目の州に」 自民・丸山氏が発言(TBS)
自民・丸山和也参院議員の参院憲法審査会での発言詳細(朝日新聞)

 そんなわけで本題ですが、今日のこのニュースはリンク先を選ぶのにやや苦労しました。というのもほとんどのメディアがやや見当違いな批判をやらかしてて、問題の本質が見えなくなっていたからです。
 結論から述べると丸山議員は辞職するべきだと思うし、自民党もこの際この人を切ってしまった方がいいでしょう。でないとまた何か確実にしでかすだろうし。

 事件の詳細は他の報道に譲りますが、大方の報道では「オバマ大統領は黒人で奴隷の子孫」といった発言をあげつらって批判しています。曰く、奴隷という言葉が差別的で同盟国アメリカを馬鹿にしているなどという感じで書かれていますが、この書き方について私は、そもそもオバマ大統領の先祖は黒人奴隷ではなく留学生としてハワイに来たわけだから少なくとも「オバマ大統領が奴隷の子孫」というのは明らかな認識違いで、この一点をとっても見当違いな発言だなと思います。
 しかし今回の失言の本質はこの点にあるのではなく、むしろその前の発言にあるでしょう。ちょっと報道メディアの名前を忘れてしまいましたがどっかが一社だけ「むしろ問題はこっちの方だろう」と指摘していましたが、私も同感というか、この奴隷発言の前にある、「例えば、日本が米国の51番目の州になることに、憲法上どのような問題があるのか」という発言の方が腑に落ちません。

 発言全文を見る限りですと丸山議員としては日本が米国の一部になれば安全保障は万全になるし、人口比的にも日本人の割合が大きくなるから米国議会の議席も多く取れる上に奴隷出身のオバマ大統領がなれたくらいだから日本人でも大統領になれるかもと言いたいようですが、馬鹿言ってんじゃねぇよこのクソガキがといったところです。アングロサクソンがそんな甘っちょろい展望を許すわけないというのはもとより、日本という国家の独立性を放棄したっていいじゃないかと言わんばかりのこの姿勢を、日本の国会議員が持っているという事実に呆れる限りです。
 まぁ、普段から独立放棄をネタみたいに主張している共産党や社民党、山本太郎議員なんかは今更気にしませんし彼らはそういうもんなんだと割り切っていますが。

 仮にもし、米国の傘下に入らなければならないほど日本の安全保障が脅かされたり危機的な状況にあるのであればこうした議論は必要でしょうが、果たして今この状況で必要かといったら全く必要性は感じられないし、むしろ日本の独立性をどうやって維持していくかという議論の方が大事でしょう。
 こうした点と共に私が個人的に気に入らないのは、この発言が憲法審査会で出てきたことです。発言全文によると日本が米国に併合されるに当たって憲法上、どんな問題があるのかと問うかのようにして発言したそうですが、世界中どこの国で他国に併合されることを想定した憲法、ならびに憲法解釈が存在するのか、逆に私が問いたいほどです。丸山議員の発言の前後まではわかりませんが、内容からしてあまりにも突飛だし恐らく脈絡なく言い出した内容ではないかと思え、断言してもいいですがこうした発言をこんな場所で突然言い出すっていうことは普段から主張したくて仕方がない意見だったのでしょう。言い換えれば日本はアメリカに併合されるべきだという思想を持っていると疑わざるを得ず、仮にそうだとしたら文字通り売国奴以外の何物でもないでしょう。

 ちょっと記憶が曖昧で具体的にどんな発言だったか忘れてしまったのですが、丸山議員は以前にもなにか頓珍漢な発言をしたことがあったように思え、確かその時に私はこの人は早く死ぬならなるべく早く死ぬべき人間だろうと思ったことを記憶しています。今回の発言を見る限りだと、あながち間違った判断じゃなかったなと改めて思えました。この手の人間はどうせ反省しないしまたぞろどっかでくだらない発言をすると思われるだけに、分をわきまえ議員を辞めてもらいたいというのが私の個人的な意見です。っていうか本人も好きなようだし、国外追放して米国にでも送るのがベターじゃないかな。

  追記
 自分と同じく発言の前半部を問題視して取り上げたメディアはデイリースポーツで、コメント主は東国原氏でした。案外しっかりした指摘するなこの人も。

東国原「謝罪ではすまない」丸山議員発言を徹底糾弾!人種差別より「51番目の州」について(デイリースポーツ)

2016年2月17日水曜日

今勢いを感じる男性俳優

 去年頃から上海市内のスーパーでも「ウコンの力」が売られるようになったのですが、この商品を見る度に私は戦国武将、もといキリシタン大名の高山右近を連想し、「右近の力」の半分以上はキリシタンパワーだろうと内心信じています。
 その高山右近ですが、何でも最近バチカンに認められてこのほど福者に認定されることがほぼ決まったそうです。確かに細川ガラシャと並んで中世日本における代表的な殉教者だし「振興のためなら領土も捨てる」を地で行ってもいるので、本人も今頃あの世で盆踊りでも踊りながら喜んでいるんじゃないかと思います。

 ここで話が変わりますが一昨年に放映された大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、この高山右近の役を生田斗真氏が演じていました。高山右近は黒田官兵衛のキリスト教入信において強い影響を与えたとされるだけになかなか出番の多いキャラでしたが、このドラマの中での生田氏の演技は私の中で強く印象に残り、「きっと身近に高山右近がいるとしたら実際にこんな姿だったのでは」と思わせられるほどの息を飲む演技ぶりでした。
 それだけ印象に残ったのもあって個人的に生田氏の経歴をドラマ放映中に調べたりもしたのですが、調べてびっくりというかこの人もジャニーズ事務所の在籍者、もといアイドルで、同じドラマで主役張った岡田准一氏といい、いつからジャニーズはこれほど演技達者な俳優を多く抱えるようになったのだと改めてこの事務所の凄さを思い知らされました。まぁ逆を言えば、SMAPの面々はそんなに演技上手いと思えないわけなんですが。

 同じく「軍師官兵衛」では黒田長政役を松坂桃李氏が演じる形で出演していましたが、この人も若いのに演技達者な人だと密かに評価している俳優さんです。前々から各所で演技力が評価されてはいましたがいまいちじっくり出演作を見ることが無く、名前が特徴的なのでどんな演技をするのかなと思っていたら「日本のいちばん長い日」に出演していて、この映画でじっくり見ることが出来ました。
 この「日本のいちばん長い日」で松坂氏が演じた役は畑中少佐という人物ですが、実はこの人物こそ映画を見る前に、「誰があの人物を演じるのだろうか?」と私が最もキャスティングを気になっていた人物でもありました。どういう人物であるかはリンク先のウィキペディアの記事を見た方が早いですが、要するにポツダム宣言直前にクーデター起こして戦争を継続させようとした軍人の中心人物で、クーデターが失敗に終わった8月15日早朝にピストル自殺していますが、歴史上もっとも融通の利かない軍人を体現しているかのような人物であります。
 そんな畑中少佐を松坂氏が演じると知って果たしてどんなものかと期待にワクワクしながら眺めましたが、よくもまぁこれだけ演じ切れるものかと、具体的には額に血管が浮かび上がらんばかりに怒鳴りちらしながら上官に迫ったり、陸軍参謀独特の仰角90度のお辞儀をしたりと、まさに前評判通りの見事な演技ぶりを見せてもらいました。

 以上の二名は私が知っている若手俳優の中でも一際抜きんでているというか、キャスティングされているだけでも出演作を見てみたいと思う男優です。しかし、こと男性俳優で今一番誰が上手いかと言われれば私の中で上がってくるのはこの二人ではなく、今旬なディーン・フジオカ氏でもなく、ほかならぬ伊勢谷友介氏だったりします。
 伊勢谷氏は映画の「カイジ2」で初めてその演技を見ましたが、主役の藤原竜也氏のイケメンらしからぬクズキャラぶりな演技もさることながら、いけ好かない感じの気取った敵役をこれでもかといわんばかりに演じており見終わった後に、「一体誰なんだこの俳優は?」と思って生田氏同様にすぐ経歴を調べた俳優です。元々高く評価されていた俳優なだけにその後も伊勢谷氏は話題作に出演し続けていますが、恐らく私だけではないでしょうが最も凄いというか恐ろしい演技ぶりだったのは間違いなく映画「あしたのジョー」で演じた力石徹役でしょう。

 この映画ではボクサーを演じるということから主演の山Pこと山下智久氏同様に相当なトレーニングを積んで出演され、どちらも体脂肪率を出演前から極端に落として撮影に臨んだそうですが、「力石といったら過酷な減量」と言われるあのシーンもきっちり伊勢谷氏は演じ切っています。実際にあのシーンの撮影数日前から絶食していたそうで、「水ー!」って叫ぶシーンなんか聞いててちょっと怖かったし、減量後の体重測定シーンに至っては文字通り幽鬼のような姿を見せ、鬼気迫る演技とはああいうのを指すのだと思います。実際に聞いてるとやや演技馬鹿というか妥協をせずにのめり込む体質の人らしくて、あの役にしてこの俳優ありだなというのが私の感想です。
 なお山Pも非常にしっかり身体作って演技しており、アイドル使った古い漫画の復刻映画と舐めてかかっていたらいい意味で不意打ち食らいました。

 何もこの記事に限るわけじゃないですが、「ウコンの力」からよくこんな俳優談義に話題を発展させるもんだなと自分で書いてて呆れます。実際、普段の会話でも小さなとっかかりから大きく話題を変えるのが非常に得意ですが。

2016年2月15日月曜日

シャープのターニングポイント

安倍首相が衝撃の告白! 昭恵夫人にペット用サプリを飲ませてた… ペットフードへの軽減税率適用めぐり応酬(産経新聞)

 ここ数年の政治家の発言の中で一番衝撃的な発言でした。安倍首相もトークが上手くなったもんだ。

シャープ再建は、もう手遅れ 失われた4年間の愚策 (ダイヤモンド)

 本題に移りますが普段はけったくそに馬鹿にしているダイヤモンドの記事ですが、上記リンク先の記事はなかなか良く書けているというかほかの経済記者が書かない部分まできちんと踏み込んでいて読ませられました。書かれている内容としては直接読んでもらった方が早いですが、私が従来から主張しているように「今のシャープには守るべき技術など既に存在しない」ということと、社運を賭けたターニングポイントは4年前の2012年だったというのを中心にして書かれており、自分の主張に近いということも大きいでしょうがこのところのシャープ関連の記事では一番よく正鵠を射た内容のように思えます。

 後者の内容について筆者の主張としては、2012年春の時点でシャープは自力再生が不可能だとはっきりわかっていたと踏まえ、その段階でどうしてホンハイ精密とより深い提携をしなかったのか、または銀行からの融資を得て抜本的な改革に取り組めなかったのかが問題となり、結果的にこの4年間は金と時間の空費にしかならなかったと切って捨てています。中々厳しい意見ですが私にもその通りに思え、特に当時はシャープだけでなくパナソニックとソニーも数千億円単位の巨額赤字をこさえましたが両社ともに文字通り血肉を削る抜本的な改革を実施して現在では見事に黒字回復を遂げております。それこそただ単に、「技術力の差」があっただけかもしれませんが、同じ業種で同時期に赤字をしていただけに、「経営力の差」の方がこの4年間ではっきり出たというのが私の見方です。
 にしても、パナはともかくソニーはよく巻き返したな。

 逆の視点で言うならば、シャープは4年前に何をすべきだったのでしょうか。これははっきりしているというか当時の時点で多分誰でもわかったはずでしょうが、当初の計画通りにホンハイとシャープ本社できっちり提携するか、液晶部門を売り払うかの二択、要するに今シャープが天秤にかけているホンハイ案と産業再生機構案のどちらかだったということです。付け加えるなら、太陽電池部門ももう市場が傾いていたし切り離して売却することも条件と言えそうですが。
 結局のところ、とにもかくにも決断が遅かったに尽きるでしょう。4年前に実行すべき案を今更実行するよりも、4年前に実行した方がいいに決まっています。しかも4年前のホンハイとの提携交渉時、シャープはホンハイに対して市場価格より明らかに割高な金額で株式出資を求めましたが、余所の会社とは言えなんて横柄な態度だと内心思いました。折角金出してくれるというのに悪条件を求めるなんて何考えてるのか本気で意味分かりませんでしたが、結局それで揉めて堺工場のみの出資にとどまって現在に至ったわけです。

 よく自分はせっかちで決断を焦りやすいと言われますが、私に言わせれば日本人は全体的に決断が遅すぎるというか決断に当たってスピードの価値を全く省みないところがある気がします。もちろん決断に当たってじっくり熟考できるに越したことはありませんが、早ければ早い方がいい決断の方が世の中確実に多いです。また決断が早ければ早いほどその決断が間違っていた際に引き返す時間的余裕も得られますが、日本の場合だと散々決断を先延ばしにして結局身動き取れなくなる会社が多過ぎます。だから自分も、焦りすぎだと言われても日本人から言われる分には気にも留めません。
 最後に決断の速い会社として私の中で上がってくるのは、ユニクロ、日立、富士フイルムの三社です。この三社は構造改革の決断が半端なく早過ぎて、こういってはなんですがあまり日系企業らしくないなぁとすら思います。

  おまけ
 私は三国志マニアですが、三国志マニアなら「横柄」という言葉を聞いてすぐ「王平」という武将が目に浮かんできて、同様に身体測定で「胸囲」という項目を見ると即座に「伯約」という字がでてこないといろいろ駄目でしょう。

2016年2月13日土曜日

再引っ越しの完了

 ところどころ過去記事で書いていますが、先月1月に私は上海で転職して昆山から引っ越してきました。最初の引っ越し先は昔住んでいたサービスアパートメントで、ここは住所証明を取るためだけに一ヶ月間だけ契約して住み(実際に住んだのは二週間だけだが)、その後で同じサービスアパートメント内で別の部屋を契約して引っ越しました。
 しかし、引っ越した後で気が付いたのですがその部屋というかそのサービスアパートメントはネット用の回線設備がリアルに存在せず、通信会社各社を回ってあちこちから断られながらどうにか接続できたのは2M/bpsという、今時こんな通信速度の回線あるのかと疑いたくなるようなレベルでした。ついでに近くにある高速道路の騒音がひどい、もとい窓周りの気密が明らかに弱い上、寒かった日には窓枠がリアルに氷結するなどしたのですぐに引っ越しを考えました。

 早速その部屋を手配してくれた不動産屋のおばさんに話したところ親身に相談に乗ってくれ、すぐに近くで新しい部屋を紹介してくれました。念のためほかの所もいくつか回りましたが結局、最初に最初に紹介してもらった部屋が一番いいと判断して契約の意思を伝え、大家と契約書を結び、昨日今日でようやく引っ越しも完了しました。ちなみに今日は上海人が親父さん(+VWの車)を連れて手伝いに来てくれたので引っ越し自体はすっごい楽でした。
 今度の部屋は大家の部屋を一部間借り、といっても入り口からドアを隔てていますが、ネット回線は大家が契約しているものをそのまま使わせてもらえたのでネット代は完全無料となりました。速度も明らかに前の所より早くて助かりますが、VPNはこのところ全体的に遅くなっているので日本の一部サイトを見るときはそんなに差はないかなという状態です。もちろん、それでもこの速さは大いに助かるけど。

 この前の記事にも書きましたが今回はその不動産屋のおばさんから親身にサポートしてもらい、本当に感謝のしようがありません。既に菓子折りを二回届けていますが、今後も何かあれば買って持って行かなければと思うくらい支援してもらい、新しい部屋の家賃代、ネット契約に関してもほぼ完全にこちらの要求を通してもらえました。
 でもって引っ越し先の今の部屋ですが、リフォームしたばかりでやたらきれいで逆に落ち着きません。家電はもとより壁なども全部塗り直されてて新築と言ってもいいくらいの部屋状態であり、壁とか床とか傷つけないように気を使います。ただ、木製の食卓が備えられていてパソコン用デスクもないから最初はそこにパソコン老いて作業しようかと思ったらなんか目線がおかしく、試しに丸いガムテープを置いたらコロコロと毎回同じ方向に転がっていく始末で、足回りがどうも緩いせいか明らかに偏ってました。さすがにそんな机の上で長時間パソコンに向かったら疲れるだろうと思い、今現在は小さい引出しの上にパソコン無理矢理のっけてタイピングしています。

 それにしてもこれでようやくというか1月からの激しい混乱に終止符が打てて、自分の上海での生活もようやく一息つけそうです。想定外のトラブルがあまりにも多過ぎたというかまるで何かに狙い撃ちされているかのように不運につきまわされた一ヶ月間だったと思います。
 別にこの短期間に限らず自分の人生全体でも、明らかにほかの人よりついていないというか本人に起因するわけでないトラブルに巻き込まれることが平均より確実に多いと我ながら自負しています。特に不良品を掴む割合は半端なく高いと思え、かつてはPSVita本体を入れるポーチが明らかにおかしな臭いしてて交換したこともありますが、この方面の受難は続いているというかまた今日も少しトラブルがありました。

 事の起こりは何も今日じゃないのですが、先日自転車を購入する際に前方を照らすライトをUSB充電式で一緒に購入しましたが、これが何故か電気つかない、っていうか充電できないという凄い代物で、旧正月明けとなる来週末にも返品できないか購入したGIANTのお店に行こうかと考えています。
 これだけなら別に記事にするまでもなかったのですが、今日上海市内に無数にあるダイソーのお店に友人といって引っ越しに伴って必要なものを適当に買いそろえたのですが、その中に自転車用ライトが10元で売っていたので折角だからと思い購入してみました。でもって自宅で封を開けたところ、「結束バンドもなければ締結具もないぞ?」と、すぐにその奇妙さに気が付きました。ハンドルに巻きつけるプラスチックベルトはあるもののそのベルトを固定するバンド、金具類が何故かなく、裏面の説明によると固定ネジがついているとありますがそんなの全く有りません。

 初めから固定ネジなど存在しないのか、たまたま私が選んだライトについていなかったのかは知りませんが、自転車用ライトひとつで二つ連続不良品を引き当てる男なんてきっと世界広しといえど私一人でしょう。幸いというか気持ちに余裕があるのでそれほどショックはありませんが、やっぱり何かついているかもしれないのでこんど上海市内でお祓いの出来るお寺にでも行こうかなと検討中です。

2016年2月12日金曜日

自民議員の謝罪会見三連発について

 まるで狙いすましたかのように、というより報道を分散させるために敢えて合わせたのでしょうが本日、自民党議員三人がそれぞれ別々に謝罪や訂正会見を行いました。

1、「根拠ない」発言を撤回=除染基準めぐり―丸川環境相(時事通信)

 内容については割愛しますが、これは完全に丸川環境相が憶測で物を言ってしまったのが振動だと思われます。もちろん政治家たるもの憶測で物事を言うべきではありませんが、かといって物凄い目くじら立てるべき発言でもないしこうしてすぐに撤回と訂正を行っているのですから、似たようなことを繰り返さない限りは気にしなくてもいいのではというのが私の意見です。

2、宮崎衆院議員が辞職願=16日に許可、4月補選へ(時事通信)

 育休取っておきながら不倫をしてしまっただけに、これは本当に言い逃れのない行為なだけに議員辞職することも仕方ないでしょう。恐らくこの辞職は本人の申し出というより自民党執行部によって引導を渡されたものかと思われますが、評価すべきは自民執行部の迅速な対応ぶりで、先日の甘利前経済産業相の辞任といい危機管理が以前と比べて格段によくなっております。
 逆にというかこの宮崎議員の辞職によって逆大手をかけられたのが民主党、もとい細野議員でしょう。ネット上でも盛んに指摘されていますが細野議員はかつて山本モナ氏と路上でチューしているのを激写されており、自民は責任取って辞めたのに細野議員は何故なにもしないんだという構図が出来上がってしまったわけです。まぁ路上でチューする時点で危機管理はあってないようなもんですけど。

3、恣意的運用を否定=電波停止命令言及で―高市総務相(時事通信)

 これも細かい事実内容は割愛しますが、本当はもっと議論を深めるべきニュースはこっちの方だと思えるだけに扱いの小ささにやや不満を覚えます。
 論点となった政治的公平性ですがこれは誰かによって決められるものではないだけにこれを理由として挙げること自体ばかげています。しかし、「あからさまな捏造や印象操作を加えた放送」であれば話は別で、これに関してはむしろ今より厳しくして明確な処罰規定などを今のうちに盛り込むべきではないかとかねがね私は主張しています。

 特に最近はネットを中心に検証が進められていますが街角での街頭インタビューに同じ人物、もとい劇団員が何度も出てきていることは有名ですし、また討論番組でも明らかに偏った人選のされ方や翻訳字幕の改変なども現実に起きており、こうした行為は誰がどう見ても事実を捻じ曲げる行為であるだけにそれこそ一週間など期間を定めた停波処罰などで規制すべきでしょう。

 こうした事実報道とともに、放送倫理面でもやっぱり処罰が無ければテレビ局は反省しないなと思う節があります。どこか絡めて報道するかなと思っていたらどこもやらなかったので個人的に非常に残念だったのですが、この高市総務相の停波発言があった同日、TBSの音声掛がマラソンコースに乱入するというとんでもない暴挙をやらかしております。TBSは以前にも男子ゴルフの石川遼選手が出場したツアー中にゴルフカートで観客を轢くという有り得ない事故を引き起こしており、報道機関としてあるまじき行為を繰り返すなどまるで反省する態度が見られません。
 こうした放送局に対してBPOは注意するだけで何も制裁は加えておらず、もはや自浄作用は期待できないのではと私は見ています。報道機関を過剰に縛ることはもちろん反対ですが、かといって野放しにしたまま公共の利益を損害させるなど以ての外であって、こうした方面の規制議論が今後盛り上がればと陰ながら祈ってます。