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2017年4月6日木曜日

日本のお粗末な契約対応サービス

 先日、日本に一時帰国していた同僚がドコモショップで携帯電話の契約を更新した際の事を話してくれました。同僚がまず感じたのはアンテナショップで非常に長く待たされること、次に用意されている契約プランやオプションが非常に難解且つ複雑で、店員はやたら妙なオプションを進めてくるがどれも消費者からしたらほとんど得しない内容ばかりで呆れたそうです。挙句の果てには、隣のカウンターではおじいさんが来ていて、横で聞く限りだとどうも高額で意味のないオプションを契約させられているようだったとのことで、こうした携帯電話会社の契約は非効率この上ないと批判していました。
 それならばむしろ、契約プランやオプションをシンプルに絞れば余計なオプションによる稼ぎは減るものの、一人当たりの対応時間が減ることによって店員や店舗の数も減るので経費も縮小するだろうから、経営的に効率は増すだろうにとも指摘していました。

 こうした指摘はかつて日本のマッドシティに潜伏していた私も感じるところがあり、なんであんな非効率な体制で、なおかつ対応悪いのだろうかと通信キャリアに関しては非常に腹立たしく感じていました。同僚が言うように契約プランを絞れば経営効率は段違いに上がるだろうと私も予想しますが、今の所通信キャリアは三社とも桁違いな利益を出し続けているので、敢えてそういった改革にはまだしばらくは取り組まないでしょう。
 しかし現状のその横暴さには私も見ていて呆れるところがあり、特にあれだけ叩かれたにもかかわらず携帯電話本体を実質0円で乗り換えユーザーに配る行為は一部でまだ続いていると聞くだけに、もう少し消費者は通信キャリアを叩いた方がいいでしょう。っていうか2年縛りとかまだやってるのかな。

 ここで少し話は変わりますが、上記の同僚の話を聞きながら私が思い出していたのは去年初夏に話題となった、PCデポの高額契約問題です。覚えている人には話は早いでしょうが、年寄り相手に明らかに不要と思われるサポートやリース契約を結ばせ、内容に気が付いた親類がキャンセルを申し込むやキャンセル料として20万円という法外な金額を請求した事件のことです。
 この事件も喉元過ぎれば何とやら立ったのかなと思いますが、恐らく今現在でこうして内容をしっかり覚えていて話題にするのは私位なものでしょう。恐らく現場でもそうで、事件が盛り上がっていた際のPCデポ幹部らの態度というか反応を見ていた限りではあまり反省とかしてなさそうだったので、根拠なく言うのもなんですが再び同じような高額契約を結ばせるという行為が行われているのではないかと私個人としては強く疑っています。ホームページも見たけど、この件についてもう何も触れてなかったし。

 しかし改めて考えてみると、こうした老人や子供といった情報弱者を相手に不要且つ高額な契約を結ばせる、敢えて単語にして表現するなら「不効率契約問題」はPCデポに限らず上記の通り携帯電話契約でもある、っていうかむしろこっちの方がもっと深刻なのではないかという気もします。更に言えばこうした不効率契約は日本のいたるところで見られ、自動車保険一つとっても然り、クレジットカード契約でも然りと、明らかに余計なオプションが存在するだけならまだしも世間からほとんど批判されずに温存され続けるというのは如何なものかという気がします。
 何も今に始まるわけじゃないですが私はかねがね日本人自らが「おもてなし」と称してやたら自慢するサービス姿勢は、外から見たらそんな大したレベルではなく、むしろモノによってはお話にもならないレベルの物も少なくありません。この点に関しては中国も決して誉められたものではないものの、今回取り上げた契約関連サービスにおいては日本人はもっと自国の状況を見直して、どれだけ不当に稼いでる奴らを叩きつぶすかをもっと真剣に考え、消費者保護意識を持つべきだというのが私の意見です。

 なおこの記事を書く前にPCデポのホームページへ行こうと検索した際、何故だか「PCゲボ」と検索して以下の商品が存在することを初めて知りました。

嘔吐物凝固剤 オウトロック(Amazon)

 この商品は嘔吐物の上に振りかけるとあっという間に嘔吐物がパッサパサになって簡単にふき取れるようになるという化学品のようです。ネーミングが「オートロック」とかけていて面白いと思うと同時に、地味にすごい商品がこの世に存在したんだなと変に感動してしまいました。
 レビュー欄も好意的な評価が多く、特にタクシー運転手という方の以下のコメントが面白いです。

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事前申告で気分が悪いと訴える方、又は挙動から明らかな方には、「エチケット袋ゲロゲロ ユリアパック」をお渡しし、なんとかそれで防ごうと努力しますが、無言でゲロリストになられる方もいらっしゃいますので、備えとして購入。
残念なことに、一度だけ使う機会がありましたが、車内の徹底清掃前の応急処置用としては、十分に役に立ってくれました。
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 確かにタクシー運転手からしたら乗客の嘔吐は日常的な問題というか課題で、「ゲロリスト」なる面白い単語があるのかと変に感心するとともに、こうした職種の人たちにうってつけの商品だろうと感心しました。世の中はまだまだ私の知らない世界で溢れていると思うと同時に、どうしてPCデポの話題からこんな話題に繋がってしまうのだろうかと我ながら変な風に呆れます。

2017年4月4日火曜日

中国の韓国いじめ、特に観光方面


 夜中にこんなおっさんっぽい顔して寝てる猫に突然遭遇したら多分化け猫だと思う気がします。しかもこの猫、よく二本足で立って歩くし。

 話は本題ですが、また4月中に一本JBpress用に記事を書かなければならないことからこの三連休中に書こうといろいろネタを探した結果、ある程度既出ですけど小中学校の教育の現状について記事を書こうと思い、先程書き終えて提出しました。少し楽し過ぎな気もしますが、その分次回はまた気合入れた取材するしまいっかってところです。
 ただ、この教育に関する記事を書く前に少し考えていたネタとしては、例のTHAAD導入に対する中国の韓国への報復、っていうかむしろいじめについて書こうかなとも思ってそこそこ下調べも済ませていました。それなのになぜ書かなかったのかというと多分教育ネタよりインパクトが小さいと考え、普通に「中国で中学生が過労死?」という見出しの方に魅力を感じたため見送りました。

 なので代わりに今日のネタとして書くのですが、まぁほんとここまでいじめるかっていうくらいいろいろやらかしています。私の下調べによると近年の韓国への旅行者は中国人がダントツトップで多く、また国際便数も二位の日本の約900便を上回る1200便も飛んでいて、GDP換算でも中国人からの観光収入は数パーセントを占めるほどだったそうです。
 それを今回のTHAAD問題で全部止めてしまったのですが、中国政府が各旅行会社に圧力をかけているとは知ってはいたものの、中国の旅行・ホテル・航空券予約サイトのCtripでも韓国ツアーを選択したらさりげなく関係ないページに飛ばすなど、一切の販売を停止しているということをつい最近知りました。ちなみに日本観光ツアーとかはきちんと表示され、また韓国行きの航空券であればさすがに予約できます。

 ここまでやるのかと見ているこっちがびっくりするくらいですが、こうした中国の反応について根拠のない個人的意見を述べると、かねてから中国人が韓国人に対して持っていた反感がここで一気に出たのかなという風にも覚えます。あまり日本では報じられませんが、中国人に嫌いな外国人を尋ねたら大体ほとんどの調査で韓国人がトップ(二位は日本人)に来ます。嫌いな理由を聞くと、よくビジネス上で騙されるとか、お店とかで暴れるとかが挙げられ、特に後者に関しては飲食店従業員に聞くと酒飲んで暴れたり支払いを渋ったりするなど散々な評価です。逆に飲食店関係者から日本人は高く評価され、支払いはきちんとしているし態度も丁寧で、「こんなお客がこの世にいるんだ」と言う中国人調理師の感想を私も直接聞いたことがあります。

 ビジネス上の話でよく聞くのは、韓国系企業は支払いを踏み倒すことが多いということで、あれこれ難癖をつけては代金を支払わなかったり、割引を強要するという話が多いです。もっともこれ読んでる人らは「お前ら(中国人)が言うか」という感想を持つでしょうが、中国人からしたら日本人はカモですが、韓国人からしたら日本人を騙す中国人ですらカモにしてしまうようです。
 あと韓国系企業でもう一つよく聞くのは、夜逃げが多いという話です。これも代金を踏み倒す一種の例ですが、物だけ受け取って支払いの催促を受ける間もなくある日突然消えるという話を耳にします。日本の夜逃げの場合は借金まみれでやることが多いですが、なんか韓国系企業の夜逃げはパターンが違うのかもしれません。

 こうした積もり積もった関係からか、韓国人を嫌う中国人は決して少なくありません。また中国人自身、韓国人からは「田舎者」扱いされていることを自認している節があり、それがためkン界のTHAAD問題で今までの鬱憤を晴らさんばかりに国を挙げて韓国いじめに力が入っているのではないかと思います。
 なお韓国旅行が減った分、恩恵を受けている国として現地メディアが挙げていたのは東南アジア諸国のタイやマレーシアで、安・近・短の所へ観光客が流入しているそうです。日本もいくらか恩恵が得られるのではと思っていましたが今の所それらしい報道は出ていないため思い過ごしだったのかもしれませんが、この韓国いじめをいつまで中国がやるのかは注目しておきたいポイントです。

 なお中国のメディアで、THAADへの制裁を受けてか韓国に留学している中国人が差別やいじめを受けるようになったと報じられていましたが、「お前らが言う?」と私個人は思いました。

ソーテックのパソコンの思い出


 中国は一昨日土曜日が出勤日となった代わりに、昨日から清明節という中国版お盆(墓参りに行く日)の祝日と絡んで三連休です。連休中日の今日、朝10時半に起きてから頭痛がやまなかったので1時から再び寝込み、起きたのは夕方5時でした。先週はセーブ気味に働いていたつもりでしたがやっぱり疲労が来てたようで、昨日一日挟んでから一気に疲れが今日来たような感じでした。
 昨夜からの睡眠時間は15時間となる計算ですが、なかなか16時間の壁を越えられない。っていうかさっきから眠い。

 話は本題に入りますが、以前にも少し書きましたが今使っているノートパソコンのNEC Lavieは2011年に購入したもので、既に7年目に突入することからいつクラッシュするかわからない時期に入ってきたこともあり新たに買うノートパソコンを色々物色していました。でもって昨夜、最終的にNECの最新ノートと比較した上で、デザインはどっちも正直言ってダサいと感じたことからマウスコンピューターのLuvBook Fシリーズを購入することにして注文も済ませました。
 決め手はこちらの方が価格が安いこと、またメモリ8GB以上のラインナップでNECのスタンダードノートPCはCPUがCorei5が標準ではなく、「インテル® Celeron® プロセッサー 3855U」というあまり聞いたことないCPUだったためです。性能比較サイトでクロック数見てみたところ、Corei5の半分程度だったし。

 そんなわけでマウスコンピューターにして、SSD搭載、Office付き(Home and business)にした上で、メモリに関しては+1万円弱で16GBに増設できるということだったのでこちらも増設し、さらに外付けブルーレイディスクもつけて計13万6千円(送料、税込)でハンマープライスしました。そこそこのお値段ですが、性能的にはかなりのモンスターマシンだと思います。それとこの値段を見ていて、「ソーテックの10万円パソコン懐かしいな」と急に思い出しました。

ソーテック(Wikipedia)

 ソーテックとはかつて日本に存在したパソコンブランドの名称です。元々パソコンのOEM事業を行っていましたが生産委託先の韓国・三宝コンピュータによって1997年に買収されると、ちょうどパソコンが個人へ普及していた時代でもあったことから安売り路線で個人向け販売を強化していきました。
 その最たる例といってはなんですが、1999年に新聞広告にて10万円を切るデスクトップパソコンの販売を公表した際は当時中学生であった私も大いに面喰らいました。当時、一般的なパソコンの価格は30万円前後、安くたって20万円を切るか切らないかという水準だったところを一気に10万円の壁を切る値段で売り出したため、これ以降は他社も競って価格競争に転じたためパソコン市場の価格は大きく下落することとなります。もっとも、ブロードバンド共にそれで一気に普及したのでまあありだったなという気はしますが。

 ソーテックはデスクトップだけでなくノートパソコンでも安売り路線を展開し、当時は安価でパソコンを購入できるブランドと言ったら真っ先にここの名前が挙げられるほどでした。ただ安いからには裏があるというか、Wikipediaにも書かれている通りに品質面では当時から酷評されており、壊れやすいことを前提にして「最低限パソコンが欲しい人向け」という具合で私も中学、高校の仲間内で話していました。
 知名度は非常に高かったもののそれだけに品質面の問題はブランド力を一気に失墜させるほどの時代を引き起こし、結局経営はほとんどうまくいかずに何度かの再生ファンドを経由した後、最終的には2008年にオンキヨーに買収されて解散に至りました。

 多分今でもそうでしょうが、パソコンの値段で10万円を切るか切らないかは一つの大きなボーダーだと思います。最近だと5万円を切るようなパソコンも珍しくありませんが、ブランド価値と品質の事を考えるならやはりこの10万円がメーカーにとってもルビコンに当たり、値段設定しているような節が見られます。
 このボーダーを初めに作ったという意味では私の中ではやはり上記のソーテックが浮かんできます。高校時代、自分用のパソコンを敢えて購入するとしたらやはりソーテックしかないと思って家電屋のチラシを睨んでいたのを今でもよく覚えていましたが、結局当時には購入せず、私が初めて自分で購入したのは大学生だった2004年にソフマップで買った格安5万円のバーガーパソコンでした。

 やはり当時、買いたくても買えなかったという悔しさがあったことから、今でもパソコンを購入するのは素直に楽しいです。それ以降購入したパソコンは2010年にダイナブックのネットブック、2011年に現在使っている15.6インチノートのNEC Lavie、2012年にエプソンのネットブック、2014年にエプソンの14インチノートですが、エプソンのは人に上げたりサブ用としておいていたりであまり活用せずなんとなく申し訳ない気がします。エプソンのはデザインはいいけど、中の電池が膨らんで筐体の一部にヒビ入るのはいただけない。
 新しく購入するパソコンは来月の一時帰国時に受け取る予定ですが、果たしてどんなパソコンになるのかそこそこ楽しみです。なるべく長く使いたいけど、耐久性とかどうなんだろうな。

2017年4月2日日曜日

トランプ政権が真に相対するもの


 過去二代のブッシュ、オバマ政権が相対していた相手を挙げるとすれば、それは間違いなく中東のイスラムテロリスト達だったでしょう。ブッシュの場合はこれにフセイン政権が含まれますが、テロリストは国家の枠組みを越え、それこそジハーディジョンのように先進国からも参加者が現れるなど敢えて言うならイスラム原理主義を旗頭にした思想集団であるため、「どこにでも敵は介在する」ということもあって国家体制を揺らがす存在でありました。もっともそれ言ったら、IRAなんかは昔から活動しているので今に始まる存在というわけでもないでしょうが
 ただこうしたイスラム原理主義テロリストは多方面の努力もあって、確実にその勢力を衰退させてきています。アルカイダはビンラディンが既に死に、ISISもイラク国内の拠点をほとんど失いもはや消滅の瀬戸際に立っています。石油利権を奪われたのが効いているのか、金のない所にはあんま人も来ないというか前ほど西欧から参加者が集うというのは見なくなってきた気もします。

 こうした前提のもと、米国の新たなトランプ政権はある程度テロリストとの戦いがひと段落した状態で政権についたと言えるでしょう。そんなトランプ政権は今後どのような相手と相対するのかと言えば私個人としては中国でもメキシコでも移民でもなく、案外グローバル企業なのではないかと考えています。

 トランプ政権が標榜している政策はある程度皆さんもご存知でしょうし、米国だけの利益を追求する米国第一主義と呼ばれていることも知っておられるでしょう。ただ彼の主張をつぶさに見ると、米国の企業を応援や優先しているのかといったらそうでもなく米国内で雇用を生む企業の立場に立っているというか、米国以外の活動で荒稼ぎしている企業に対して厳しい態度を取っているのではと思う節があります。具体的には米自動車メーカーで、海外に工場を作らず米国内で工場を作り米国の雇用を創出するように半ば強制しています。
 このような観点からすると中国など米国にとっての貿易赤字国に対して厳しい批判を繰り返していることも、やはり雇用という観点がキーなのではないかと見えてきます。言うまでもなく中国で作られる製品が米国内で数多く消費されることからこうした貿易赤字が生まれるわけですが、恐らくトランプ大統領の考え方としては、「値段が上昇するとしても、米国人が米国で作った物を消費すべきだ」という考え方で、「値段が低いが米国の雇用につながらない消費はするべきではない」という風にも言い変えれるかもしれません。

 自分がここで強調しておきたいのは、私の考えるトランプ大統領の最大優先事項は「米国の繁栄」ではなく「米国の雇用」だということです。雇用が減少するから移民も減らすべきだし、貿易赤字国にはいくらでもいちゃもんをつける(でもって黒字国には何も言わずに輸出し続け稼ぎ続ける)。勝手な想像ですが、トランプ大統領とその周囲はもしかしたら米国内での生産を優先することによって製品価格が上昇したとしても、国内雇用が増加すれば個人所得も増加するため経済競争力は落ちず、むしろ市場規模が大きくなると考えているのかもしれません。
 こうした価値観は必ずしも的外れというわけではないと私には思います。グローバル企業の立場からすればアジアやアフリカなど労働力の安い海外で生産して市場の大きい米国や日本で販売した方が利鞘が大きくなりますが、国家単位で考えれば海外産の安い製品によって国内生産品は価格競争によって値段を落とし、また海外で生産される分だけ国内雇用も減少します。しかし、日本のように国内労働力が不足している場合は上記デメリットはなく、また企業が海外で稼いだ分だけ本国で税金を納めるのであれば、国としてもこうした海外生産を推進する立場でいられるでしょう。

 私の考えるトランプ政権の姿勢はこうしたグローバル企業の戦略と相容れません。さすがに鎖国とまではいきませんが国内生産国内消費を第一に、企業に対し米国で物を売るなら米国で物を作るように求めているように私には見えます。だからこそ私は、トランプ政権にとっての最大の敵はグローバル企業で、たとえ企業に損をおっ被せてでも米国に貢献するよう求めているのだと思います。企業側からしたら鬱陶しい意見のように感じるでしょうが、私個人としては企業側にも全く負い目がないわけではないと断言できます。
 というのもグローバル企業はあまり大きく発展しなかったパナマ文書やAmazonの様に、タックスヘイブンに拠点を置いて国家への納税義務を回避することが最近では当たり前になりつつあります。またSFの世界の様に一部グローバル企業は一面において国家を凌ぐほどの影響力を持っており、実際にサムスンなどは韓国政府以上の力を持っているのではないかと私には思います。そうした国家を凌がんばかりに増大するグローバル企業の影響力に、ある意味ではトランプ政権は歯止めをかけようとしているという風にもみえないこともありません。

 ただこの見方で何が一番面白いのかというと、それこそ最初に上げたイスラム原理主義テロリストの様に国家の枠組みを越えて拡張しつつある企業に対し歯止めを掛けようとしているのが、企業家出身のトランプ大統領だということです。もっとも彼の出身業種は不動産業(プロパティ)で、ある意味ローカル色が一番強い業種でもあることからこうした価値観や姿勢を持つに至ったのかもしれませんが。実際、プロパティは国内のインフレによって財を成すしなぁ。

 久々に真面目な記事を書いてみましたが、割と日本のトランプ政権の報道を見ていて感じるのはこうした世界経済的な観点が抜け落ちてるように見えます。トランプ政権が何をして、どのように貨幣や物品の流れを変えようとしているのか、それによって価格はどうなるのかを言及せずに「米国第一主義」とまとめるのはやや強引であるように私には思います。
 また補足的に述べるとこれまでは如何に国際分業を進めるかという経済学がブームでしたが、今後はどこまでを海外からの輸入に頼って、どこまでをデメリット覚悟で国内生産で持たせるかという塩梅議論が重要になってくると予想します。この議論で敢えて私から言うならば、日本食は9割方しょうゆなしでは成立しないことから、大豆だけはどんなに値段が高かろうと全国産化を目指すべきだと言いたいです。輸入していい大豆は節分の時に鬼に向かって投げる豆だけでいい。

2017年3月31日金曜日

外務省とゴルゴ13の謎のコラボ


「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」(外務省)

 先ほどメールを開いたところ「【上海総】ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」というタイトルのメールが入っており、「なんやこのスパム?」と一瞬疑いました。よくよく発信元を見ると、私も登録している上海総領事館からの中国に関連する安全情報を発信するアドレスから発信されており、中身を開いたところ上記リンク先のページを開設したのでよろしくぅ的な内容が書かれてありました。その内容というのも、海外安全情報について外務省とゴルゴ13がコラボしたという身も蓋もない内容でした。

 上記のYoutube動画は今回のコラボのいきさつについて外務省職員の方が直々に説明するというのもので、より効果的に中小企業関係者へ渡航地の安全情報を伝える「たびレジ」というサービスと、ゴルゴ13のキャラクター性がマッチしていると考えたためだと話されています。曰く、ゴルゴ13は作中でも自分が臆病であると度々述べており、そのような慎重な姿勢こそが渡航地での危険から逃れる上で大事な姿勢だと考えたそうです。深くツッコんだら負けだろうけど、後付けじゃね?
 既にコラボは始まっており、リンクを付けた外務省のページからゴルゴ13が外務大臣から依頼を受ける場面や、パキスタンでの爆弾テロをテーマにした漫画が公開されています。ほかのコラボでもそうですけど、こと解説役であればゴルゴ13はよく機能するなぁって気がします。

 ただそうしたこと以上に私が着目したのは、上の動画に出てくる外務省職員の方の話し方です。普通に聞き取りやすい話し方なのですが、ゴルゴ13の作者であるさいとうたかを氏の言葉を引用する時だけ何故か関西弁になります。しかもめっちゃうまい。
 最近語学関連の仕事すること多くて周りにもその筋の方が多くいるのですが、そうした影響からかイントネーションとかそういうものに敏感になっており、ちょっとした発音の違いとかがかなり気になるようになっています。そんな私からしても見事な関西弁、どっちかっていうと上品な方の大阪弁の様に聞こえ、外務省にもいい人材はいるんだなぁと変に感動しちゃいました。

 一応最後によいしょというか真面目な話をすると、各国の領事館なり大使館サイトへ行けば現地の危険情報とかを自動で配信するメールサービスの登録を受け付けています。また同じサイトで出国登録をしておけば万が一現地で行方不明になった際に身元の確認が迅速に行われるので、数ヶ月単位で海外に滞在するという方はきちんと登録しておいた方がいいです。もちろん私も登録していて、記者時代はここからの配信メールを元に記事とかも書いてました。意外といいネタ元になるんだよなぁこれ。

2017年3月30日木曜日

教育支援の選択と集中の必要性

 最近年を取ったせいか、生まれ変わるならエビルマージになりたいと思うことが増えてきました。エビルマージになって、バラモス城にやってくる勇者たちにマヒャド唱えたり、火を吹いたりしながらのんびり暮らしたいなと思うのですが、そもそも年齢を重ねることとエビルマージの関連性が自分でもよくわかりません。

こども保険はパチンコ代バラマキ現金支給より口座引落しにすべき(じじろぐ)

 こちらのサイトは最近よく見るブログでその更新数の多さには私ですら舌を巻くのですが、上記記事では教育費のバラマキに対して批判しています。言ってる内容それ自体にも深く賛同するのですが、この記事を読んでて私が考えたことというのも、そもそも国が教育費への支出なり支援を高めたところで果たして教育レベルは上がるのだろうかという点でした。結論から述べると、一定額までなら確かに上昇するだろうがある段階で支援先や額を絞らないとある所で頭打ちし、下手したらレベル下がるんじゃないかと私は思います。

 このように思う理由というのも、教育費の増額によって教育水準が高まったという検証報告を一度も見たことがないからです。そもそも日本は諸外国に比べてGDPに対する教育費支出が極端に低いにもかかわらず欧米各国を凌いで国際学力テストで上位に入っており、大学の研究費とかなら話は別ですが初等、中等教育レベルではそこまで金額は関係ないんじゃないかと思います。金額というより、カリキュラムや指導教員の質の方が左右しそうな気がするし。
 また上記リンク先の記事の様に、教育費として配った所で果たしてそれがきちんと子供のために使われるのか使途についても不明瞭な点が多いです。直近の話でも子ども手当が出されるようになってもう何年も経っていますが、これで出生率が上がったとか、子供の教育レベルや福利がよくなったというような効果の検証は何も聞いたことがなく、子供が多い家の家計が楽になってその分を子供のいない家庭が負担しているという話しか聞きません。

 また単純に学校現場とかを見ても、いわゆるFランク大学が氾濫したりこのまえの森友学園やこども園などふざけた幼児施設が補助金かすめ取ったりする話を見ていて、金かければいいって問題じゃない気がしてなりません。特にFランク大学については、そもそも勉強する気のない人間を大学に放り込んだところで彼らの学力なんて上がるわけがなく、それであればむしろ定員割れしている大学を廃校にし、まともな大学に予算を振り分けたりした方がそこに通う学生や教員のためになるし、Fランク大学に通う学生らも早くに社会へ出して職業訓練させた方が将来的にもいいように思えます。

 そうした観点から見出しに敢えて「選択と集中」という言葉を掲げたわけですが、中途半端に教育費を国が負担するよりももう少し突き放したりして、予算の振り向け先をもっと絞らないと意味がないと言いたいわけです。それでもバラマキをやりたいというのであれば、最低限そうした教育費のバラマキでどれだけ教育レベルの向上につながる、つながったのかという効果の検証報告を出してもらわなければ私個人としては納得することはないでしょう。

 もっともこんなこと言っておきながらなんですが、現在私は日本にほぼ全く税金を納めていないので偉そうに言える口でもないでしょう。ただ中国で日系企業の海外事業の維持運営において、多分ほかの現地採用者より、下手したら日本に残っている人よりはかなり貢献はしているという自負はありますが。

2017年3月29日水曜日

進学校教師の笑えない指導力


 今夏公開予定の「スパイダーマン ホームカミング」の予告第二弾が出ましたが、これこそまさに自分が見たかったスパイダーマンという気がしてならず、期待感も非常に高いです。これまでのスパイダーマンと違って、きちんと相談できる大人がいるっていう設定がいい。

 さてさて本題ですが、昨日の朝まで高校時代の友人が私の家に遊びに来てたことは既にお伝えした通りです。滞在中はお互いの高校時代の話に及び、「あの時、君がこんなに面白い人だとは思わなかった」と言われましたが、「お前らが当時、俺の凄さを理解できなかっただけだ。俺はあの頃から十分面白い」と妙な感じで否定してたりしましたが、そうした内容と合わせて中学、高校時代の教師陣についても話が及びました。

 私とその友人はいわゆる中高一貫の進学校の出で、生徒は「日本の子供は大学進学して当たり前。大学に行かない奴はクズだ」と、決して誇張ではなく信じて疑わないくらい視野の狭い人間ばかりでした。もっとも一応用意されている入学試験をパスしてくるだけあって地頭はいい人間は多く、並の公立校の生徒たちと比べればそりゃ学力では遥かに勝っていました。
 ただ、学力の高い生徒たちがいるとはいうものの、その学校の教師陣の指導力は果たして高かったのかというと非常に疑問です。以前にも同じテーマで記事を書いていますが、結論から言えば私と友人が通った学校の教師たちはお世辞にも指導力は高いとは言えず、むしろ地頭のいい生徒たちを相手にしていることもあって、教え方がそれほどうまくないのに生徒たちの優秀さに助けられて仕事をこなしているように見えてしまっていたと思えてなりません。

 あまりに激しく批判するのも何なので少しフォローしておくと、まともな先生もいなくはなかったです。ただ友人と意見が一致したのですが、中学時代は比較的まだ頼りになる先生が多かったものの高校に上がってみるとやる気のない先生が多く、特に参考用のプリントを配るだけでまともに授業せず、完全に生徒をほったらかすような先生が多く、そうした環境もあってか外部の予備校に通っている生徒ほど成績がよく学校の授業だけではついていけないと私自身も少し感じていました。
 ほかの学校ではどうなのかはわかりませんが、私が思うに案外似たようなもんで、多かれ少なかれ進学校というのは教師やカリキュラムが優れているというわけではなく、選抜した生徒の質によって支えられているという面の方が大きいのではないかと思います。そういう意味ではこと教え方という面ではむしろ中堅校、場合によっては底辺校の教師の方が生徒に理解させるために努力する羽目になって教え方が上手であるかもしれません。

 単純に教え方が上手いか下手かを見る上では第一の前提として生徒の質が同程度でなければなりません。なればこそよくいろいろ教員研修とか組まれていますが、この際だから進学校の教師たちは底辺校に一週間くらい出向いて指導してみるといった研修をやらせてみた方がいい気がします。以下に自分が優秀な生徒たちに囲まれて楽をしているのかを、やっぱり自分の通っていた学校の教師たちにも知ってもらいたいなと本気で思います。

 かなりコテンパンに母校を批判していますがこう言う風に言うのはわけがあり、というのも大学で自分の周りにいた友人らがあまりにも優秀な人間ばかりで自分の能力がどれだけ低かったかを激しく痛感したからです。また学校内での教育も、地方の公立高校などはえげつないほど受験体制でそれほど予備校に通わずとも優秀な成績を叩きだす生徒を量産しているという話などを聞くにつれて、どうして自分はそういうところに通わなかったのかなどと本気で後悔するレベルでした。
 もっともそう言った公立高校出身の大学で出会った友人らは、当時竹中平蔵氏が進めていた金融構造改革の中身を解説する私を見て、「私立出身者って面白いのがいるな」と思ったそうですが、「こんなん話すの俺くらいなもんやで。周囲の連中は俺の事をゲームばかりする奴だと思って、たとえ俺がいました話をしても理解することすらできなかった」と、やんわりと事実を伝えてました。まぁ真面目な話、政治や外交、歴史や経済について高校時代の自分と話を合わせることができる人間は皆無でしたが。