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2018年8月20日月曜日

江戸時代の終了時点はどこか

 私がまだ「バロック~歪んだ妄想」というゲームを遊んでいた頃(他にも遊んだ人っているのかな?)、鎌倉幕府の成立年代はまだ1192年でした。これは源頼朝が征夷大将軍に任命された年ですが、近年は平家を追討した段階で支配体制が固まったと判断されたことから壇ノ浦の戦いがあった1185年に改められたそうです。
 このように、具体的な事件とかならともかく支配体制というか時代の区分については各時代の判断によるというか、何をもってどう判断するかで一方的に決まるためやや曖昧さを持っています。江戸時代に関しても同様で、現在ではまだ徳川家康の征夷大将軍就任のあった1603年を開始年とする声が強いように見えますが、もうしばらくしたら関ヶ原の合戦のあった1600年に改められるかもしれません。どちらにしろ、江戸時代の開始年はこのどちらかであることには間違いないでしょう。

 一方、江戸時代の終了年はいつになるのかについては現在においてもやや曖昧なまま棚上げされています。候補をいくつか書き出すと、

・1867年 大政奉還
・1868年 江戸城無血開城、徳川家追放
・1869年 函館開城(戊辰戦争終結)
・1871年 廃藩置県

 最後の廃藩置県はちょっとおふざけで自分が入れたものですが、幕藩体制の完全なる崩壊と武家社会の終結という意味ではあながち暴論というわけではないと考えています。まぁ候補としては弱いですが。
 以上の候補のうち最も有力且つ一般的なのは2番目の1868年です。西郷、勝会談によって徳川宗家の政権からの追放と江戸城無血開城がなった年で、旧勢力の棟梁たる徳川家が降りたことから徳川時代の終了という意味では確かに最も適切と言えるでしょう。

 しかし、敢えて私がこの中で「江戸時代の終わった年」として推したいのは、既に元号も改められ明治二年となった1869年の函館戦争終了時点です。何故この年にしたいのかというと、この戦争に参加していた新選組副局長であった土方歳三が五稜郭陥落の直前にて戦死しており、彼の死をもって江戸時代が終わったことにしたいからです

 別に私自身は新選組フリークというわけではないのですが、この土方の死については時代を重ねていろいろ思うところがあります。平民の出で武士に憧れ、恐らく日本史上最強の人斬り集団を率い、念願かなって武士になったのは武士の時代が終わろうとする時だったというこの皮肉な時代のめぐりが、新選組というより土方歳三を大きく彩っているように考えています。また皮肉なことに彼自身も武士の時代が終わるということを自覚していたのか新選組内でも西洋式調練に積極的であったとされ、他のものに先駆けて洋装を始めたとも伝えられます。
 そうでありながら、戊辰戦争において彼が指揮した戦闘は武士そのものな斬りかかり戦法だったとされ、実際に斬り合いになると土方の部隊は非常に強かったと言われており、皮肉を通り越したようなそのアンバランスさ、まさに濁ったような時代の分かれ目を象徴しているかにも見えます。そして彼の死を待っていたかのように五稜郭は陥落しており、土方の生き方と死に方がまさに江戸時代が終わるということを体現している気がします。

 勝海舟だったかちょっと忘れましたがこの函館戦争で五稜郭川の主将であった榎本武明について、「もし函館で戦死、自刃していたら日本において古今無双の殉死者として扱われただろう」と評されていましたが、あながちこの評価は間違いではないでしょう。それだけになおさらこの戦争で死んだ土方については、、やはりもっと象徴的に扱うべきではないかと思うわけです。また家族に自分の写真を託したという死の直前のエピソードからも、土方の場合は初めから死ぬ覚悟が強かったこともうかがわれ、彼自身の江戸幕府への忠誠心がどこまであったかははっきりしないどころかやや怪しいですが、武士という概念を粉々にするまで体当たりでぶつかってきたのは私が知る限り彼以上の者はいません。

2018年8月19日日曜日

The man with the Goza

 昨日の記事でベルトの切れた安楽椅子をニトリで買ったスーツケース用のベルトで突貫修理をしたことを紹介しましたが、この修理に使ったベルトとともに、「これを買ったらもう後に戻れないかも」と約1時間悩みつつ、最終的にあるインテリア商品を買ってしまいました。


 見ての通り、買ってきたのは折り畳みできるござ布団でした。なお値段はシーズン末ということもあってかセールで140元(約2380円)でした。

 なんでこんなの買ったかっていうと一言では語れませんが、敢えて言うなら地べたで寝たかったからです。自宅にはやたらでかいダブルベッドがありますがもともと日本でも畳を敷いて、夏に至っては敷き布団すら敷かずに寝ており、ベッドのスプリングはどちらかといえばない方がうれし買ったりします。また夏場はダニに苦しめられており、布団、ベッド、もしくは両方に潜んでいるのかなかなか退治しきれず、安楽椅子に座っている最中も「この際こっちで寝た方がいいのでは?」とか、会社の昼休みに昼寝している時も、「こっちの方が良く熟睡できているような?」とか思ってたりしてました。
 そんな矢先にこんなの見つけちゃったもんだから、さすがに500元(約8500円)とかだと失敗したらハートに来る(ルー語)もんですが、140元ならあかんくってもまだあきらめがつくと思い、使用法とかも煮詰めないまま思い切って、と言っても1時間悩んだ末に買いました。

 設置場所はこれまで安楽椅子のあった場所で、安楽椅子自体は折りたたんで窓際に立てかけることでスペースを確保しました。その上でこの窓際の一角の細長いスペースに敷いたところ、サイズ的にはぴったり収まりました。
 写真はないですがこのござ布団は4ブロックに分かれており、場合によっては二つ折り、また一つ折状態で牢名主みたいな座布団としても使うことも考慮しましたが、幅が60センチしかないことから座りに使うとやや落ち着かない幅でした。二つ折りならまだ活用の方法ありますが。

 となるとどうすべきか。やはり本来の購入目的同様に敷布団として使おうと考え、昨夜早速これで寝てみました。ぶっちゃけ寝てみた感じ、日本の家屋と違って窓や家具が高い位置にあってやはり地べたに体を置くスタイルだとやや目線が狭くなります。まぁすぐ寝るなら問題ないけど。
 寝てみた感じではやはり幅が狭いのと、すぐ隣にごついコンクリの壁があるため寝返りは全く打てませんでしたが、ベッドとは違ってスプリングがないため背中が平面となり、朝起きた時は背中側の肩甲骨が伸び広がったような感覚があり悪くありませんでした。睡眠自体も、4時くらいに暑さで一瞬目覚めた以外はしっかり眠れ、質的にも悪くありませんでした。後地味に安楽椅子なくなり、部屋の空間が広がった感じもします。

 このござ布団の購入は来客時の簡易ベッドとしての役割も期待したものでしたが、今回寝てみた感じとしては十分に機能することが確認出来ました。また冬場はともかくとして夏場ならベッドよりもやはりこっちの方が寝やすく、やはり硬めの敷布団の方が健康にもいいというので、今後こっちをメインで寝ていくつもりです。
 問題は冬場で、今のところ活用方法が浮かびません。この際安楽椅子を友人に押し付けるなど処分し、別にもっと広いござとか買った上で座椅子を買うというのも選択肢に入れています。っていうか、ベッドがでかすぎて邪魔過ぎて、これさえなければいろいろ弄れるのにという気もしないでもないですが。

 日本に住んでた頃はパソコンもこたつの上で打つほどの地べた生活だったこともあり、やはりそっちの方が体に合っている気がします。日本に帰るかわからないけど、もし帰ることがあったら忍者屋敷風のデコレートしたFoot on the groundなインテリアを実現させたいです。っていうか外国人向けに忍者屋敷風アパートとか経営したら儲かるかも。住人の誰もが知る秘密の出口とか作ったりして。

 最後に、中国でもこうしたござというかい草を使った敷物や敷布団の類は以前から存在しており、スーパーなどに行くと見つけられます。ただどちらかというとい草よりも竹を使った敷物の方が多く、夏場はベッドの上に敷いて使うことが多いそうですが、自分は一回それやって、それが原因かはわかりませんがめっさダニの襲撃受けたのですぐやめました。今回のござ布団は昨夜に限ってはまだ襲撃受けてないので、このまま頑張ってほしいです。

2018年8月18日土曜日

The man with the chair

金足農・中泉監督 無死満塁でスクイズ決断の理由「チャンスは本当に来るんだな」(スポニチ)

 正直、甲子園は高校生の健康面や過剰な運動面で親戚が理事してたにも関わらず批判的に見ていて今でも廃止すべきだと考えていますが、この試合においてはすごいというより他ありません。サヨナラツーランスクイズなんて人生で今後二度と見れるかどうか。

下のコードは掃除機

 話は本題に入りますが、上の写真は自宅の安楽椅子です。先日、この安楽椅子に座ってゲームして、「よっしゃー、見たかアリども!(地球防衛軍)」と言った瞬間、ガクンと椅子が揺れ、何事かと思ったら向かって右側のベルトが切れていました。
 なおこの椅子が壊れた直後、友人から「座りすぎると寿命が短くなる」というニュースのリンクとともに、「花園同志は座りすぎてない?」とか聞いてきたのでマジムカつきました。っていうかタイミング良すぎる。

 この安楽椅子はこれまで2年以上も使っていたし、尚且つ変則ベッドにもしたりしたので、ベルトが切れたことについては耐久的にも仕方ないと思え、不満とか怒りの類は湧いてきませんでした。ただその代わりに頭をもたげたのは今後、この椅子をどうするかで、片方のベルトの切れた状態でも使えなくもないもののやはり傾くし、もう片方のベルトの負担も大きすぎるし、かといって座らなかったら邪魔だし、いっそ捨てた方がいいのかなとも思いました。

 しかしベルトが切れたくらいですぐ捨てるなんて勿体ないことこの上ないし、何かで修理できないかとしばらく考えました。要はベルトの代わりに何かでフック同士を結べばいいと思いつき、差し当たって浮かんできたのはビニールロープでした。さすがにそんな怪しいもん、自宅にあるわけではないので手っ取り早く他に代替できるものを探したところ締めなくなった革ベルトが出てきました。
 革ベルトなら素材的にも申し分ないのでさっそく試してみたところ、わかる人には早いですが、自分のウエストは極端に細く、スーツ新調するたびに「一番細い奴で!( ゚Д゚)」といえば大体フィットするくらいなモデル体型をしています。そんな私のベルトではやはりというか長さが足りませんでした。

 ただ、長さ的にはほんのちょっと足りないくらいだったので、これなら長さ調節できるようなベルトを買ってくれば十分つなぎ合わせられるだろうという確信が持てました。とはいっても、最有力候補は依然とビニールロープです。

 そんな考えを持ちつつ今日昼食後、ニトリまで行ってきました。ニトリにビニールロープがあるかどうか、っていうか多分ないけど他にも代替材料があればいいなというくらいの期待感で赴きましたが、薄い期待に反してそれはありました。
 それは何かというと、スーツケースを外側から締めるためのベルトです。素材的にも用途的にも近く、これならいけるだろうという確信と、9.9元(約160円)という安さから買うことを即決しましたが、別の商品を買うか買わないかで結局1時間近く悩みました。

下の白いのは床を傷つけないため巻いたティッシュ

 帰宅後、さっそく金具のフックに結びつけたのが上の写真です。長さがどんだけ調整してもほんの数センチほど買ってきたベルトの方が長く最初はいまいちテンションが弱かったのですが、上段フック側をよく見ればわかる通り、一か所だけ結び目を作ることでちょうどいい長さに変えられ、事なきを得ました。
 なおフックを通す際、ベルト側のプラスチック製接手がやや大きくて通しづらく非常にてこずり、「ええいああおもいやりちくしょうっ!」という、若い子には通じないだろうよくわからない言葉で声を挙げたりしてました。

 修理後の座り心地としては申し分なく、以前の通りです。廃棄する可能性もあった椅子でしたが我ながらうまいこと、有り合わせの材料で修理できたと思います。
 ただそんなええいああ思いやりをしながら、現在この安楽椅子は畳んで置いています。もともとこの椅子は夏場以外はあまり使わず、というのも真冬になると知ってる人には早いですが私は一切部屋で暖房を使わずに寒さを我慢するものの、さすがに椅子に座ったままだと寒すぎて仕方なくゲームとかする際は布団の中に潜り込んでやってます。なので使用シーズンが短く、なおかつ場所も取るのでどうしようかと考えており、とはいえ夏場はやっぱりゲームするのにちょうどよく使ってて再評価していたところでした。

 そうした思惑もありますが、ちょっと部屋の模様替えで思うところがあり今畳んであります。詳細はまた明日にでも。

2018年8月16日木曜日

自動車統計記事の裏側 葛藤編

中国でいま最も売れている自動車メーカーはどこか(JBpress)

 昨日に引き続き自分の記事への解説ですが、この記事は実は書くに当たって非常に葛藤がありました。結論から言うと、なぜ自分がこんな記事を書かなくてはならないのかという葛藤です。

 今回この記事で提示した中国自動車市場のデータは決して価値がないわけではなく、むしろ一部サプライヤーにとっては日本国内の販売台数以上に業績に直結してくるデータです。なのですが、上半期全体の販売台数を報じるニュースこそあったものの、メーカー別に整理したり、また日系自動車会社をひとまとめに紹介する記事はなく、こうした現状を見て自分が書くしかないと思って書きました。
 これまで私は中国市場の新エネ車や高級車については何度か書いてきたものの、全体の販売台数についてはJBpressで記事を書くことはありませんでした。何故かというと、どうせ自分が書かずとも大手メディアが報じているだろうと考えていたためでしたが、実際はさにあらず、自分が思っていた以上にこうしたデータは日本に出回っていませんでした。

 そうした予兆というものは感じており、以前にも新エネ車の世界販売台数がリアルに日系メディアで一つたりとも報じられてなかったり、前にどうせ受けないだろうと思って書いた中国自動車市場の提携関係という初歩的な記事がやたら反響大きかったりして、自分が思っている以上に世界最大の自動車市場である中国の情報は日本に伝わっていないのかもという気はしてました。
 ちなみにこうした経済統計ものの報道は中国の方が進んでおり、最近は日本語メディアより中国メディアで世界統計とか見るようにしています。中国語が使える私からすれば中国国内のデータは簡単に手に入りますが、中国語が分からないとこっちでは当たり前に報じられているデータすら入手できないのかもと考えたことも、こうした記事を書く理由になっています。

 繰り返し書くように、私はこれまでこの記事で取り上げたデータは日本でもきちんと日系メディアが報じていると信じていました。しかし、kロ絵ほど重要な市場データすら日本には出回っておらず、なんで大手メディアは中国各地に支局を置きながらこうしたまとめ記事の一つも出せないのかと、憤懣を覚えながら記事を書いていました。
 昨日にも書いた通りこの記事は情報収集、グラフ作成、執筆脱稿まで2日、それも2日目は普通に勤務終えてから夜の時間帯だけで私は書き切っています。自分のような副業ライターにこんな記事出されて、しかも簡単確実にアクセス稼げるというのに、大手メディアの連中は悔しくないのかと、複雑な思いを抱えながら書きました。

 自動車業界の人間からしたら販売台数データは将来予測において最重要データと言っても間違いありません。実際にグローバルサプライヤー企業に勤める知人は毎月、各メーカーの販売台数を自分で調べ統計取っていますが、そうした人たちにとって自分のようにメーカー別に順位付けして整理されたデータは非常に助かると思います。何故そうしたデータを、人手も時間もある大手メディアがやらないのか、正直理解に苦しみます。
 もっともそう言いながらも、私自身が新聞記者だったころにいた編集部もこうした記事は出しませんでした。当時の元同僚に対して、「この記事はあの編集部へのアンチテーゼだよ」と連絡しましたが、1社ごとに速報性を求めバラバラに報じるよりも、こうして整理してまとめて出すことに案外意義を見出していないのかもしれません。

 改めて述べると、今回のような記事は自分のような副業ライターが書くような記事ではないというのが本音ですが、日本の報道状況を鑑みるにつけ自分が報じなかったらかなりまずいという判断から書きましたし、今後は四半期ごとにこうした記事を出さざるを得ないでしょう。本音を言えば自分としてはもっとニッチな市場を独自の視点で追いたいところですが、今の日本の報道状況からするとこうしたメジャーな内容すらもカバーせざるを得ません。

 本気でショックだったのは、日産のシルフィが中国で馬鹿売れしていることや、SUVブームが息切れしてきているという事実について完全に全く報じられていなかったという点です。ほんまこれでいいのか日本の経済報道って感じです。

2018年8月15日水曜日

自動車統計記事の裏側 テクニック編

 先ほどネットバンキングで友人の日本の口座に送金しようとしたらいきなり口座がアカウントロックされました。過去にも全く同じことが起きており、その際には向こうの話によるとこっちに一切不手際はなかったとのことですが、少額の送金でまた同じことされて憤懣やるかたありません。昔ならキーボードの一つや二つはこの時点で壊していますが、そういう風なことしない辺り自分も老いたという実感があります。
 っていうか日本の携帯や銀行は海外居住者差別を止めてほしい。どちらも膨大な費用や手続きを負わせているにもかかわらず今回のような不始末が非常に多いです。

中国でいま最も売れている自動車メーカーはどこか(JBpress)

 本題に移りますが上の記事は自分史上最多のグラフ8枚を投入した中国の自動車統計記事です。この記事は情報収集、グラフ作成、執筆、脱稿まで2日かけましたが、グラフ作るためリアルに1日中パソコンの前で作業してました。何気にこの手の作業は嫌いじゃなく作ってる時も楽しかったですが、その一方でひたすらにパワプロがしたくてたまらず、書き上げた後はパワプロで遊びまくり、何故かオリックスで優勝、日本シリーズ制覇して見せました。

 この記事に関しては書くことに関しては上にも書いた通り2日でちゃっちゃと済ませられ、グラフ作成こそ時間がかかったものの自分としては書くのに苦労はしていない記事です。そもそもグラフさえ作ってしまえばあとはその説明だけでテキスト埋まりますし。ただいくつか言いたいことはあり、今回は記事をさらに踏み込んだ内容と使用したテクニックについて書きます。

 まず第一のポイントですが、3ページ目の第二段落冒頭の「続いて、車形(種類)別販売台数データを見ていきましょう。」というテキストです。見ただけでわかる人もいるかもしれませんが、ここで私は「車形(種類)」という言葉を使っているものの、厳密にはこんな言葉はなく私の造語だったりします。何故造語を使ったのかというと、この言葉が表す意味に対し適切な用語がリアルに存在しないからです。

車の種類(ニコニコ大百科)

 意味としては上記リンク先のようにセダンやコンパクトカー、SUVの分類を指す用語として使っています。ニコニコ大百科では「車の種類」としていますが、これだと広すぎるきらいがあり、それこそショベルカーやダンプカーも含まれてきそうで、一般乗用車の販売台数の違いを説明する上ではやや大きすぎます。
 なおこのほか車の種類というか分類を指す言葉をまとめると、以下のようになります。

・車種、モデル(例:カローラ、フィット、インプレッサ、ランサーエボリューション)
・グレード:同一車種の装備、オプションの異なるバージョン
・クラス:顧客ターゲット層の違いによる分類(例:高級車、中高級車、普通車、スポーツカー)
・セグメント:ヨーロッパで使われるサイズによる分類(例:Aセグメント、Cセグメントなど)

 このようにいろいろあるものの、先ほどにも書いたようにセダンやコンパクトカーを区別する分類を表す言葉は多分存在しません。はっきり言えばこれは自動車業界、メディア業界の怠慢もいいところで、区別が曖昧なのにかこつけ「RV車」とか「クロスオーバーSUV」などと妙な差別化を図ってわけわかんない造語を作っては分類をややこしくしていました。
 こうした状況に対し、やはり分類全体を言い表す言葉が必要だと考え、漢字で表記するならばと「車形」という言葉を作って今回使いました。編集部には「存在しない言葉だがもし問題だと思うなら『種類』に変えて」と連絡したところ併記という形に落ち着きました。自分の功名心とかそういうものは全くなく、なにも「車形」じゃなくてもいいのでこの分類を表す言葉を定着させてもらいたいです。

 次に第二のポイントですが4ページ第2段落末尾で、SUVの販売が息切れしていると触れた上で、「中国メーカーも日本メーカーも、今後もSUVへの依存が強いメーカーほどラインナップの底力が試されることとなるでしょう。」と書いてあります。この最初の「中国メーカーも日本メーカーも」という言葉は編集部でつけられたもので私が書いたものではないのですが、何故こう書かれたのかというと提出時の原稿へのメモで、「暗にホンダを指している」と書いていたからでしょう。
 中国市場でホンダは昨年、SUVモデルを多く投入して大きく販売台数を伸ばしたのですが、今年上半期は-6.4%と減少していたりします。車種別販売台数へのチェックまではしてはいないのですが、日系ブランドの中ではSUVへの依存が強いだけに、SUVブームの息切れが影響したのではとうかがわせるデータであり、またそうでなくても今後はSUVが厳しくなることが予想され、好調な日産とトヨタに食いついていけるか試されるでしょう。

 逆にあの記述だけで、「あ、これホンダだな」と考えた人は、自分とのシンクロ率が相当程度高い人物でしょう。

 最後のテクニカルポイントとしては、上にも挙げたSUVの成長鈍化です。恐らく日系メディアでは中国市場のSUV販売台数の成長が鈍化してるとはっきり指摘したのは自分が最初ではないかと思います。あらかじめ他のメディアの記事もみましたが、こうもはっきりとSUVの成長が鈍化しているデータが出ているにもかかわらず何故だか指摘する人はおらず、6月単月ではマイナスにも入ったのだから書いても何も齟齬はないとはっきり書きました。
 この点、次回の「葛藤編」にも続きますが、誰も指摘していないことを不思議に思いながら書いていました。なお体感での話もすると、やはり街中でもSUVの車は減ってきているように感じ、その分、セダンへの回帰が起こっているのではないかとデータ上からも読み取れます。

 なお中国市場を知っている人間じゃないと実感ないでしょうが、日産の「シルフィ」がセダン販売台数で上半期2位、6月単月で1位を取っているのはとんでもない偉業です。圧倒的にドイツ車のブランドが強い中国でさりげなくカローラも3位に入ってたりと、日本本国では全く人気のないセダンですが、中国において驚くような進化を遂げてたりします。ちなみに「シルフィ」がなぜ売れているのかですが、ぱっと見で「トランスフォーマー」っぽいフロントマスクが受けたんじゃないのかと密かに見ています。

2018年8月14日火曜日

人手不足ではない事態について

 地味に昨日まで軽い風邪だったのか昨夜にリンパ腺が腫れてめちゃ痛い中「地球防衛軍ポータブル3」を遊んでいましたが、昨夜は久々に虫にも悩まされずぐっすり眠れた甲斐もあって今はやや気分がいいです。その状態で今日の結論を言うと、地味に今の日本の人材不足は看過できないと前から思っています。

 現在日本では少子高齢化による人手不足が問題視されていますが、はっきり言ってこうした労働量不足などよりも中・高度な人材の不足の方が進行ではないかと思います。政治家一つとっても20年前と比べるとどれも非常に小粒となっておりまともな政策案すら持っていない人も珍しくありません。財界においても同様で、未だ現役の孫正義氏はともかくとして他にはこれと思うほど面白い人はおらず、トヨタの社長もやはりかつての奥田碩氏と比べると物足りなさを覚えます。
 なお奥田氏については以前後輩に、「今からでも遅くないから奥田に関する本は読んでおけ。今のトヨタは実質彼一人がひっくり返して作ったような会社だ」と紹介したことがあります。まぁそれを言ったら同時代の中村邦夫氏も同様ですが。

 こうした政財界のトップはもとより、一般社会のあちこちを見ていても日本の人材不足は深刻だと思います。日大やボクシング協会の問題をはじめ明らかに問題のある人物が組織のトップに就いていることはまだしも、三越の岡田茂やフジサンケイグループの鹿内家追放など、以前と違って組織内部の自浄作用が動かない点の方を私は重視しています。まぁボクシング協会は今回動いただけまだマシですが。
 この点はトップに限らず中堅クラスでも人材が不足しているのではないかと示唆され、実際に私も社外とかで会う人物などを見ていると十年くらい前と比べると小粒感を覚えることが多く、また同年代においても自分が感じるプレッシャーとしては学生時代の友人を超える者は未だ現れません。

 各企業の不祥事などを見ても明らかにリスクに会わない金額を横領して捕まる人物が出たり、また不祥事に対する会見も出したらヤバイ奴を何故か出して炎上させるなど、判断力がないというかそういうレベルじゃない企業統治ぶりがいくらか見えます。官界においても先の財務省の決裁書改竄問題といい、従来では考えられない問題が起きるなど、モラルが低いことはかねてからとはいえそのレベルの低下ぶりには閉口します。

 またこれは明日以降に詳しく語ることとなりますが、報道業界も果たしてどうなのかとこのところ思います。トチ狂った質問してどや顔浮かべる中日新聞の記者といい、普段のニュース原稿などを見ていてもそのニュースの視点が明らかにここ数年だけでも浅くなってきています。読者に合わせた、と言われたら私も何も言えないのですが。
 その上で結論を戻すと、今の日本に起きているのは人手不足ではなく人材不足で、なぜ起きているのかというと前から主張しているように昇進プロセスがおかしく、無責任でやばい人間ほど昇進しやすく、逆に責任感のある人物ほど下に落ちるシステムが日本には多いからだと睨んでいます。こうした風潮は何も今に始まるわけじゃないですが、認識してるか否かの問題を今主張しているのであって、この記事も無駄かと思いつつも2年後の予言の一環として敢えて書き記しておくことにしました。

2018年8月13日月曜日

第一でないと

外資系は社員ファースト キャリアも働き方も自分次第(日経スタイル)

 上の記事を見て皆さんはどう思うでしょうか。記事のコメントを見ると、「そのかわり外資系はいらないと判断されたらすぐ切られるのでどっちもどっち」などと書かれてあり、実際に私も「もうお前明日から来なくていいよ」と言われるのを見たことがあります。
 けどそんなことぶっちゃけどうでもいいです。私が一番気に入らなくて腹立つのは「○○ファースト」って言葉を使ってるです。てめぇそれでいいのか日経よ、って具合でマジ思います。

 多分自分以外で意識している人はまずいないでしょうが、この「○○ファースト」は小池百合子都知事が就任前後から使い始めた「都民ファースト」に端を発しているように気がします。なお小池都知事の最初期の指導者である小沢一郎は「国民の生活が第一」を政党名に使っており、何かしらこの時期からも連携あったのかなとも少し見ています。なおこの政党名は「俺の生活が第一」と揶揄されましたがまさにその通りでしょう。
 話は戻りますが小池都知事が「都民ファースト」という言葉を使っていこう、やたらとあちこちで「学生ファースト」、「選手ファースト」、「地方ファースト」などと流用されており、心なしか問題興した団体ほど使っているような気もしますが、密かに流行語と化しています。池上彰氏も、「自分ファースト」という言葉を使っていますし。

 この言葉の何が気に入らないのかというと、そもそも日本語に同じ意味を示す「○○第一」という言葉があるからです。「安全第一」はもとより「経済第一」、「売上第一」、「競技第一」などと昔から優先対象を言い表す際に何度も使われてきた言葉です。にもかかわらず「○○ファースト」という中途半端な外来語の使い方で、「トゥギャザーする」みたいなルー語のような軽快感もなく、こうも簡単に「第一」を「ファースト」に置き換えていいのか、やはり第一が第一でないとと強く主張したいです。
 そもそも「○○ファースト」といったら私の中では「ソルジャー・ファースト」という綴りしかなく、優先対象を引き合いに出す言葉にするのは納得がいきません。何でもかんでも外来語を否定するつもりはなく私自身も崩した言葉を使いますが、この「〇〇ファースト」だけは先ほども言ったように日大をはじめ問題を起こした団体ほど繰り返して使う傾向があり、尚且つ文字の並びからしてぎこちなく、この言葉を使う連中は何か真意を隠して使うような気配すら覚えます。

 そのように見れば最初の記事も、外資系社員のいい面だけ取り上げて悪い面については一切目を瞑るような記事です。外資系には退職金もなければ社員旅行もなく、何より新卒育成なんか全くしない点もあり、必ずしも社員ファーストとは言い切れない点も多く、私に言わせれば普通の日本人は日系企業の方が多分幸せでしょう。逆に日系企業が肌に合わないっていう人には外資系の方が絶対的にいいと言い切れますが。

 ちなみに外資系の職場見ていて思うこととしては、怒鳴り声を一度も聞いたことがありません。個人的には怒号鳴り響く職場ほど日本語で言えば「アットホームな職場」とされるだけに、やっぱ外資系はこの点で違うなとか思います。