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2021年11月29日月曜日

鬼束ちひろ容疑者の自称報道について

 具体名は明かせないけど、今月発売されたゲームが楽しくてしょうがない、というより感動して毎夜号泣しています。真面目にドラクエとかFFがかすんで見えるくらいの名作であるように思います。


 それで本題ですが、昨日に救急車蹴って逮捕された鬼束ちひろ容疑者、それとも鬼束メンバー?について、朝日新聞がその職業について「自称シンガー・ソングライター」と書いたことが各所で波紋を呼んでいます。この件について自分は最初、脳科学者(自称?)の茂木健一郎氏が違和感あると述べたことの報道を見て知りましたが、茂木氏の疑問には自分も同感で、誰もが歌手だと認識している鬼束氏についてなんで「自称~」と表現したのだろうと思いました。

 敢えて勝手な推測を述べると、往年と比べて歌手活動が目立たなくなっていたことから、今でも歌手と呼べるのかという点で変に慎重になって「自称」と朝日はつけたんじゃないかと思います。ただかえってこの表現は読者を混乱させる方向にしか働いておらず、はっきり言えば悪手この上ない表現だったと思います。実際に今回、朝日も修正に迫られてもいるわけだし。
 ちなみに自分だったら、どうとでも逃げられるように「シンガーソングライターとして活躍した鬼束ちひろ容疑者」と表現します。これなら過去形にしつつ現況に関してどうとでも取れるようになります。

 そもそもの話、個人の職業や肩書なんてその本人のみならず周囲の人間においても個人の裁量が大きく作用するものだと思え、むしろ自称以外の職業や肩書なんてあんのとすら内心思います。それこそ古いのだと「ハイパーメディアクリエイター」というのもありましたが、これについても「自称ハイパーメディアクリエイター」と書いた記事は過去に見たことありません。
 また複数の肩書がある場合、たとえば橋下徹氏なんかは「弁護士」とも書けるし「元大阪市長」とも書けるし「芸能コメンテーター」とも言えます。けどこれ全部羅列したら「弁護士兼元大阪市長兼芸能コメンテーターの橋下徹氏」になりますが、誰もこんな風に言う人はいないでしょう。でもって上記肩書のどれを使うかは、大きく事実から外れてさえいなければそれこそ紹介する人や記事書く人の裁量で好きに決めるべきであって、こうじゃなきゃダメと限定するのは野暮もいいところでしょう。仮に本人が、「こっちの肩書で紹介してほしい」と普段からアピールしてるなら別ですが。

 もっともそう言いながらですが、この件でちょっと思い出したのは過激な発言で知られる漫画家の平野耕太氏のエピソードでした。平野氏は以前、同じ漫画家(自称)の江川達也氏について、「現在漫画を一切書いてないのにテレビに出て漫画家と名乗っている」と述べて激しく批判していました。
 実際に江川氏は昔は売れっ子漫画家だったけど描かなくなって久しく、にもかかわらずテレビなどのメディアに出る際は漫画家という肩書を使っており、これにはこれで私もいくらか違和感を感じます。漫画家として名乗るには連載を抱えている必要はないとは思うものの、果たしていまの江川氏は立ち位置的に漫画家と名乗るのはどうなのかなというもやもや感は確かにあります。
 なおそういう平野氏は自分の職業について一時期、「江川達也をテレビで見るたびに舌打ちをする係」と名乗ってました。

 なお私は電話取材とかする際には「フリージャーナリストの花園祐です」と名乗りを上げますが、これはこれで実態とは少しずれがあります。実際の私はメディア業とは関係ないサラリーマンだし、生涯のキャリアにおいて正式な記者として活動した期間もわずか2年と極端に短いです。とはいえ取材でいきなり「某社でサラリーマンしている花園祐です」と名乗られたら企業広報もビビるだろうし、取材目的という立場をはっきり示すように敢えて「フリージャーナリスト」などとうそぶいて名乗っています。
 じゃあどんな肩書が自分には適切なのかですが、敢えて言うなら「兼業ライター」あたりが一番いいかもしれませんが、これはこれで名乗っても相手が分からなくなって困りそうです。ほか思いつく辺りで挙げるとしたら、

・歴史コラムニスト
・名ばかり松戸市民
・元品質管理従業員
・サイクリスト
・ハイパー中国記事クリエイター

 こんなのが出てきますが、意外と自分はハイパーメディアクリエイターって肩書気に入ってんだなって気がします。あと散々ネタにしている松戸市については、実は一度も住民票を入れたことがなかったりします。

2021年11月28日日曜日

税金関連の書道とかポスターのきな臭さ

 昨日の日本シリーズ第6戦は見てるだけでもしんどい試合でしたが、実際に戦っている選手たちからすれば本当にきつい試合展開だったんじゃないかなと思います。自分はこのにオンシリーズ、先発ではオリックス、中継ぎではヤクルトに分があるとみていましたが、両チームともに先発投手全員があり得ないくらいの好投をみせており、結果的にその中継ぎの差が最終的なヤクルトの勝利につながったような気がします。
 まぁマクガフ打たれたけど、昨日の試合はリベンジ決めてくれた。


 上の記事ではどうも国税庁かなんかが主催したポスター、書道コンクールに出品された小中学生の作品が展示されていますが、これ自分が以前住んでたマッドシティこと松戸市もやっていました。しかも松戸市、元からやや頭おかしい地域ということもあって、このコンクールで出された書道作品を松戸駅に展示していました。
 その結果、駅中に「青色申告」、「確定申告」、「正しい納税」などと書かれた書道作品がずらりと並び、これ見た知人が「怖い、北朝鮮っぽくない?」と言ってましたが、激しく同感です。

 単純な話、なんでこんな内容を小中学生に書かせるのか意味が分からないです。むしろ税金を実際に支払っている社会人にこそ書かせるべきコンクールでしょう。もっとも社会人に書かせたら、「苦しい納税」、「青色申告(建前)」、「やさしい脱税」などという文字が踊るかもしれませんが。
 少なくとも小中学生に書かせるんだったら、もっとましな標語とかの方がいいと思います。環境問題とか教育問題(いじめなど)、あと差別問題などもっと穏健なテーマがあるっていうのに、税務なんてマジで思想教育にしか見えず、やろうと言い出した奴の気が知れません。

 ちなみにその税務について、私は周りに詳しい人間多いこともあって成人になってからいろいろ勉強しましたが、なんでこういう重要なことを中高の教育で教えないんだろうなと前から思っています。相続税は相続者が多い方が節税しやすいとか、損金算入の構造、基礎控除など、普通に生活する上でも必要な税務知識は教育の現場ではあまり教えられません。というより、意図的に教えていないと断言できます。

 日本は他の国と比べても国民の税務への関心や知識が低いと一部で指摘されていますが、私もそのように考えています。こんなわけわからない税務標語の書道とかやらせる暇あったら、簡単な税務知識くらい中学生の間にしっかり教えろと言いたいです。

2021年11月25日木曜日

左投手は寿命が長い?

 今日ほんとは切れたバナナ買う予定でしたが、帰宅途中でおなかがやや痛くなり、寄り道せずに家に向かって事なきを得ました。こういう時、なんとなく冬山登山してるような気分になります。

 話は本題ですが今年の日本シリーズはめちゃ楽しいです。どの試合も白熱しており、また両チームともに先発がかなり奮闘した上で、打つべき打者が要所でちゃんと打ったりして、テキストでしか負えていませんが見ていてかなり楽しませてもらっています。今やっている試合も、今日はオリックス勝つかなと思ってたらいつの間にかヤクルトの山田選手が3ラン打って同点にまで持ってきてるし(;´・ω・)

 なお素人的な選評をすると、両チームともに主軸打者に対しては徹底的な対策を施しており、どちらの3番、4番もあまり打率は高くありません。特にヤクルト側では、オリックスの三振をほとんどしないことで有名な吉田正尚選手を何度も三振させているあたり、相当研究しているのではと伺えます。
 その分、主軸以下の下位打線の選手の方が打率がやや高く、この点でヤクルトの中村選手がかなり活躍しています。上位打線をお互い封じている分、下位打線と代打が勝敗分けているようにも見えます。

 そんな日本シリーズ第4戦の昨日の試合ですが、カツオことヤクルトの石川選手がアラフォーで勝利を挙げました。今朝は石川選手の熱投を称える記事が数多く出ていましたが、これ読んでて地味に気になった点として、「なんで左投手って寿命長い選手が多いんだ?」ってことでした。
 石川投手は言うまでもなく左投げの投手ですが、その彼と同じく球速は高くないのに何故か勝利を上げ続け長く活躍したことからよく比較されるのは、言うまでもなく元中日のプロラジコンレーサーの山本昌氏です。山本昌氏は日本プロ野球において数々の最年長記録を保有しており、そのご長寿ぶりでは間違いなく日本ナンバーワンの投手ですが、言うまでもなく彼も左投げです。

 そしてその山本昌氏に抜かれるまで投手で多くの最年長記録を持っていたのは、今年で辞めちゃうけどソフトバンクの工藤公康氏で、彼もまた左投げです。このほかソフトバンクだと今も現役の和田投手が、このまま松坂世代のラストワンになるだろうというくらい長年にわたり投げ続けています。


 このようにご長寿投手に左投げが異様に多いことについて検索してみたら、つい先日に同じく左投げで現役時代は一切怪我せずやたら投げ続けた元阪神の下柳氏がまさに同じことを言及していました。まぁ怪我無く投げ続けたけど、スタミナなくて試合後半はJFK任せでしたが。
 また上の記事を見て自分も気が付いたのですが、元中日の岩瀬氏もあれだけ毎年投げ続けながら長く現役生活を続けています。詳しい統計は手元にないですが、一定上の投球回を投げた選手に限定した場合、左投手の寿命は確実に右投手より長い気がします。

 ではなんで左投手はこんな寿命が長いのか。その点について下柳氏は、左投手の方が腕の投げ方が自然体に近くなり故障し辛いためと言及しています。この点はアンダースロー投手についてもよく同じことが言われています。
 また記事にも少し触れられていますが、左投手の方が希少でかつバッターを抑えやすいことから、その点でも長く活躍が続けられる点もあるでしょう。同じ球速、コントロールなら、確実に左投手の方が球団も重宝するでしょうし。

 などと語っていたら9回にオリックスがA・ジョーンズがホームラン打って勝ち越しに成功。ソフトバンクによる巨人の公開処刑だった過去2年の日本シリーズと比べ、本当に今年の日本シリーズは面白いなぁ(∩´∀`)∩

2021年11月24日水曜日

上杉謙信には野心はなかったのか?

 最近こっちのブログの方であんま歴史記事書いてないので、JBpressには出せないような推論、仮説記事を書くとしたら、やっぱ上杉謙信の野心アリアリナシナシ議論だと思います。結論から書けば、彼も天下を取るという野心はあったと自分は見ています。

 上杉謙信に関しては自分が以前に取り上げた元寇のように、この10年くらいで研究が進んできたというかこれまでの評価がかなり変わってきた武将であるという気がします。彼の評価が変わってきた原因としてはやはり、一昨日に出した記事で私も取り上げた、彼の関東地方に対する干渉が以前と比べ知られてきたからでしょう。それ以前はというと、上杉謙信とくればまずは武田信玄との川中島の戦い、そして織田家との手取川の合戦ばかりがクローズアップされ、極端な話、それ以外の面に関してはほぼ無視されていたような節すらあります。

 特に川中島の合戦に関しては、信玄に追いやられてきた村上義清などの武将を受け入れ、彼らの救援要請に応えるようにして武田家と戦っているように見えることから、謙信の「義の武将」というイメージを確立させたように見えます。実際のところは亡命武将の要請に応えたというよりかは、勢力を拡張してきて国境が接することとなった武田家を抑えるという明確な領土保全目的、それと対立する北条家の同盟相手である武田家との二面抗争的な面で川中島の戦いは起きているように見え、義のための戦ではないように自分は見ています。

 その上で、やはり上杉謙信としては、勝ち取っても実りのあまり多くない信濃ではなく、鎌倉時代から一応は武士の聖地でもあった関東を支配、つまり北条家との戦いが主目的であったと思います。大義名分としても自らが匿った関東管領の上杉憲政が致し、また京都の足利幕府とも外交を行っており、そうした権威面での補強をしたうえで関東に攻め込んでいることから、領土拡大意識は明確にあったと言えるでしょう。
 またあまり知られていませんが越中こと石川県方面にもしょっちゅう攻め込んでおり、この点一つとっても領土拡大意識が明確にあったと断言出来ます。ただこちらは一向一揆がめちゃ粘り強く抵抗したことで、謙信の思っていたようには領土を切り取ることはできませんでした。確か織田信長包囲網が出来たことで初めて一向一揆と和解してるし。

 ではなんで、戦国最強と言われながらも上杉謙信は領土を拡張できなかったのか。理由としては大きく二つあり、一つは武田信玄同様に本拠地に恵まれなかったことがあるでしょう。雪深い越後を本拠としていたことから冬の間は完全にオフシーズンとせざるを得ず、かといって夏の間は農作業があってあまり兵を動員できずで、戦闘可能な期間はかなり限定されていたでしょう。
 また領土を拡大しようにも、関東には北条家、信濃には武田家、越中には一向一揆と強敵に三方を囲まれており、広げようにも相手が強くてなかなか広げきれないというところもあったかと思います。この点、織田信長なんかは、朝倉義景という無能がまだ相手だった分、得だったでしょう。

 次に、こっちがメインの問題点でしょうが、やはり本拠地が安定しなかった、というより家臣団の団結や忠誠が弱かったため、謙信自らが自国経営にしっかり取り組まざるを得ず、分業が思ったより捗らなかったところもあるでしょう。

 この辺、上杉家に詳しい人ならわかるでしょうが、上杉家(長尾家)は本家と分家の抗争が結構激しく、家臣団も本家派と分家派で根強く対立していました。実際に謙信が死んだ後の後継者争い(み御館の乱)で上杉家は激しい内部抗争を繰り広げており、また謙信自身も当初家督を継いだ兄から、家臣団の後押しもあったとはいえ、家督を奪う形で当主になっています。粛清とかしていたらまた違ったかもしれませんが、カリスマ性抜群だった謙信が生きていた時代ですら上杉家中はもめ事に事欠かない状態でありました。

 また先日の自分の記事に対するコメントにもたくさん書かれていますが、北条高広を始め、上杉謙信を裏切った武将は実はかなり多くいます。無論、裏切りの背景としてはいろいろあるでしょうが、かなり有力な武将ですら裏切っているものがおり、家臣団、また支配地域の統制面が他家ほど上手くいっていなかったように見えます。謙信に責任があるかという点については議論の余地がありますが。

 このように、外的要因もさることながら内的な問題、現代風に言えば内部統制に不備が多かったことから、野心も実力もあったものの謙信はその領土をそれほど大きく拡大することはできなかったと自分は考えており、その上で「義の武将」というのはやはり間違った見方だと考えています。
 逆に内部統制が優れていたとなると、やはり織田家はあれだけ支配地域を広げ、非血縁関係者である重臣に方面軍を任せたりした点から言ってもかなりの水準にあったと思います。まぁ最後は光秀に裏切られたけど。同様に、謙信とメインで対立していた北条家も関東支配に関しては比較的よく収めており、小田原攻めでも圧倒的不利な状況にありながら最後まで裏切らずに戦い続けた武将も多い点から言って、内部統制に優れていたと考えています。

 このように考えてみると、戦国時代の成功のカギは武力以上に内部統制、如何に配下や親戚を裏切らせずに使えるかにあったのかもしれません。これはこれでまた記事書くネタに使えるかもしれません。

2021年11月22日月曜日

佐野記事の裏側

もはやあっぱれ!あの上杉謙信を裏切りまくった武将がいた(JBpress)

 またヤンマガ的な自分の記事紹介ですが、この記事は去年このブログに書いた記事の焼き直しです。内容自体は把握できているけど年数や経過を細かく追う必要があるので思った以上に執筆作業に時間食いましたが、記事自体は書いてて楽しかったです。
 肝心のアクセスはまたも武藤さんの韓国記事にやられて2位ですが、リンクのつけられた上杉謙信の関連記事を書いている乃至政彦さんの記事もアクセスランキングを押し上げており、JBpress編集部にはある程度貢献できたと考えています。

 基本的に追記することはない記事ですが、最後の締めの部分は当初、「こんな『裏切られるより裏切りたい』みたいな人生を送ってみたい」と書いていました。わかる人はいるのかわからないですが、これはキンキキッズの「愛されるより愛したい」という曲のパロディめいた言葉で、何故か知らないけど執筆中に浮かんでそのまま書いていたのですが、文字数的にもかなりキツキツだったため、編集段階で削除されてしまいました。
 地味にこの記事、3000字でこの内容を収録してあるのは我ながら大したものだと考えています。多分普通の人が書いたら1200字か5000字になるのではないかと思います。

 あとなんかヤフコメでわけわかんないコメント書いた馬鹿いたから、記念がてらにリンクをここに残しておこうと思います。

byl*****

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上海在住ジャーナリストが知ったかぶりして
嘘八百の出鱈目を書くな!


 以前の記事でもそうですが、記事の内容ではなく書いた人間の属性で以って恥ずかしげもなく批判する人間っているもんだなぁと思います。まぁいること自体は別に何とも思わないけど、相手を見て言えよなぁ。

2021年11月21日日曜日

呪われたスズキ車

 昨日今日ともに日本シリーズのヤクルト対オリックス戦は白熱した試合展開で、今シーズンの優勝チーム動詞に相応しい熱戦で密かに楽しんでいます。特に第1戦はどちらもエース、4番がはっきりと存在感を見せつけ、明後日以降の試合も非常に楽しみです。



 さて話は本題ですが、昨日上海の街中でこの車を見て一瞬目を疑いました。この車を一目見てピンときたら110番というわけじゃないですが、一般的にはあまり知られていないものの、そこそこ自動車に詳しい人からしたら別な意味で有名な車です。


 やや影となって見えづらいですが、この車の名は「キザシ」といって、メーカーは日本のスズキです。そしてこの車は、「呪われたスズキ車」として有名です。

 そもそものこの車の成り立ちから話すと、軽自動車メーカーを代表するスズキは2000年代後半、自社の空白となっている高級セダン車の投入を決め、開発したのがキザシでした。


 そうした経緯を経て2007年にドイツで初公開されたのが上のキザシのコンセプトカーでした。見るからにラグジュアリー感のあるモデルで、価格などはおいといて市場関係者からはそこそこ期待感とともに好評を得ていました。

 しかし開発が進むにつれてデザインはどんどん普通っぽく、っていうか安っぽくなっていき、満を持して出てきたのが最初の写真の姿でした。恐らく対抗馬としてトヨタのクラウンが想定されていたんじゃないかと思うのですが、結果的に言えばキザシはクラウンというよりはカローラっぽい姿と変り果て、走行性能はまあまあ評価されていたものの、このデザインでそこそこ高めな値段が設定されていたこともあり、全く売れませんでした。これはスズキの販売力云々ではなく、明らかにコンセプトに齟齬が見られた結果でしょう。

 そんな感じで大量に売れ残ったキザシの処理に困ったスズキは、在庫一括処理とばかりに静岡県警へまとめて供給することとしました。その結果、キザシの全登録台数のうち約1/4が静岡県警の所有車となったため、「キザシを見たら覆面パトカーと思え」と言われるほど「「キザシ=静岡県警」というイメージが定着してしまいました。実際間違ってないですが。
 そのため一般ユーザーがキザシに乗っていると、周りの車が速度を下げたり、道を譲ってくれたりなどとやけにおとなしくなるというオプションが付いたと言われています。ある意味、お金で買えない価値を持った車でした。

 そうした経緯もあって、性能よりも個性やレアリティを重視する自分も日本にいた頃にこのキザシを買ってみようかなと思った時もありました。しかしネットで新車価格を見て、すぐにその考えを打ち消しました。それくらい価格と風采の不一致が激しい、っていうかカローラっぽい車にクラウンの価格がつけられているに納得感が得られませんでした。

 最初に話を戻すと、そのキザシが何故中国にあるのか。この一点で以って激しく動揺したというか、静岡県警関係者でもいるのかと思ったわけです。真面目にオーナーがいたら「なんでこの車買ったの?この車が日本で呪われていることを知ってるの?」などと聞きたかったのですが、生憎そばにはオーナーらしい人はおらず、聞けずじまいでした。
 さすがに近年はランエボは見なくなりましたが、上海市内だとたまにWRXなどレアな日本車を見ることがあり、そういう時はかなりうれしく感じます。しかしこのキザシに関してはうれしさというより困惑しか覚えず、まぁレアなものは見れたのだから何かいいことがある兆しなのかもしれません。

 なお最近見たものだと、上海市内で「レクサス・LC」を見ました。それ以前はLCの存在自体知らなかったのですが、実物を生で見るとそのボディ全体の流麗さはすこぶる良く、こんな車があったのかとかなり魅了されました。レクサス車についてはフロントマスクは好きじゃないですが、ボディ全体のデザインというか形は確かによくできている気がします。

2021年11月20日土曜日

オレオレ詐欺をより厳罰化してはどうか?


 上の記事は今日出たオレオレ詐欺を未然に防いだコンビニ店長に関するニュースの反応をまとめた記事ですが、相も変わらずオレオレ詐欺は続いており、且つその手口も巧妙化していると感じる内容となっています。この元記事をたまたま今日昼めしに入った日本料理屋で食事が出るのを待つ間にスマホで見ていたのですが、「この際、シャレにならんくらいオレオレ詐欺は厳罰化した方がいいのでは?」という感想を持ちました。

 率直に言って、オレオレ詐欺の最も恐ろしい点は何かというと、被害金額の大きさや謙虚の難しさではなく、犯罪者を再生産する点にあると自分は思います。「うそつきは政治家の始まり」というように、基本的に犯罪者は小さな犯罪を重ねて学んでいき、大きな犯罪へと手を染めていきます。それまで犯罪と縁なかった人がいきなりビッグな犯罪を手掛けるということは、ないことはないものの稀であり、やはり犯罪の入口となる軽犯罪の時点で検挙補導、若しくは実行をあきらめさせることが犯罪抑止において重要だと思われます。

 その上でこのオレオレ詐欺ですが、かけ子や受け子たちが捕まった後によく、アルバイト感覚だったとか先輩に頼まれたからなどと、非常に軽い理由で犯罪に手を染めたという供述をすることがあります。実際にオレオレ詐欺は、その犯罪手法から入り込みやすい上に、かけ子、受け子、出し子という風に役割が分担されていて、一から十まで同一人物が実行する訳じゃないことから罪悪感を感じにくいところがあるでしょう。それこそ軽い気持ちで、黒幕からお小遣いやるからと言われて手を染めて、その後自らも主導するようになるというパターンも少なくない気がします。
 また大きな詐欺事件などで捕まった人たちの経歴でたまに、最初はオレオレ詐欺からやり始めて、次第に規模を発展させた(電子通貨軽犯罪で多い)という報道もみられます。こうした点を踏まえると、やはりオレオレ詐欺というところから大きな犯罪が生まれているようにも見え、犯罪者の強化、再生産という点でオレオレ詐欺はかなりのポテンシャルを持っていると感じます。

 以上から、オレオレ詐欺自体撲滅する、減らすことは、それ以降の大きな犯罪の減少にもつながると思われ、もっと本気でこの犯罪の対策に取り組む必要があると思います。ではどうすればいいかですが、単純に厳罰化することが一番効果的だと考えます。


 実際のオレオレ詐欺逮捕者の量刑はどの程度なのかと調べてみたところ、上記ページによると被害額などによってやはり差が出るものの、令和2年の犯罪白書統計では懲役2~3年が最も多く、これが一つの基準になっているようです。ただこの刑期ですが、執行猶予がつくというパターンもあるようで、刑期から察するに初犯に関しては詐欺を主導しておらず指示を受ける側であれば執行猶予を得る確率も高いのではと思います。
 また刑法規定ではどうなっているのかというと、オレオレ詐欺は詐欺、窃盗などに分類され、懲役10年以下、つまり最高で10年となっている模様です。

 以上を踏まえてどう厳罰化するかですが、やはり最低基準を引き上げるのがベターである気がします。具体的には、執行猶予は基本設けず、オレオレ詐欺に加担したら確実に懲役刑を喰らうようにするのが一番いいかと思います。その上で懲役期間も最低2年、もっとメリハリつけるなら5年にするのが望ましいかと思います。
 そして最高刑に関しては、この際だから死刑にしてもアリじゃないかと思います。理由は前述の通り、オレオレ詐欺は犯罪の再生産性が高すぎるのと、多分この手の犯罪者は懲役から出たところでまた同じことを繰り返す可能性が高いと感じるからです。そのため、非常に悪質なケースは殺人などと同様に更生不能と判断して、パパっと死刑にするのが手っ取り早い気がします。

 「オレオレ詐欺をすると死刑になる可能性も」という風にすると、やはり迫力が違います。また出し子、受け子であろうと例外なく確実に懲役刑にするというのも、アルバイト感覚で入り込む輩に対しては結構な抑止力が働くのではと思います。やはりオレオレ詐欺は、リスクの低さに対する実入りの大きさがなくならない要因であるだけに、捕まった場合の損害リスクを大きくしてその犯罪の期待値を下げるのが効果的だという気がします。
 この辺を検討する政治家とかいないのかな。いたら応援するんだけど。

 最後に、カフェオレと言いながら抹茶オレを出した場合も、オレオレ詐欺というべきなのかが気になります。