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2024年4月5日金曜日

自民党裏金問題の処分について


 上の記事はまたロボティアで今日配信してもらった記事です。レグザフォンは元々、このプロジェクトEを始めるにあたって真っ先に思い浮かんでいた記事ネタだったため、ようやく本願成就とばかりに配信してやりました。
 にしてもこの記事書いてる最中に初めて知りましたが、富士通の「ARROWS」というブランドはウイリアム・テルばりにリンゴ(Apple)を貫くという意味合いでつけられたブランド名だったそうですが、リンゴに殴り返されただけに終わった気がします。

 話は本題ですが先日、自民党よりパーティ券のキックバックによる裏金問題について処分が発表されました。世耕氏など2名に離党勧告したのを除き大半は戒告で済ませられ、首魁とみられる森元総理については話聞いただけで終わりという内容から世間の批判も大きいですが、私としてはこれでも岸田首相はよくやった方だと思っています。
 こう考えるのも、安倍晋三だったら森友問題のように「何が問題なの?」といって一切調査も処分もせず、場合によっては秘書らに責任を全部おっかぶせていたように思うのと、身内の自民ということで厳しい処分であれば岸田首相本人が降ろされ、処分もなあなあになる可能性があったと思うからです。

 また二階氏については引退に追い込んだだけでも大したもんでしょう。彼は親族を後継に立てると言われていますが、その選挙区に離党勧告された世耕氏が乗り込むといううわさも出ており、この辺は示し合わせたものがあるのかなと少し疑っています。

 もちろんほかの多くの人が処分は生ぬるい、岸田首相自身には何も処分がないと不満を感じるのもよくわかるし、当然だと思います。しかし岸田首相が厳しい処分に踏み切れないのは国民の支持率が低いことも影響しており、仮に高い支持率があれば党内を気にせず安倍派を一掃できたことも考えると、この点についてはもう少し斟酌してあげてもいいのではないかという気がします。
 若干贔屓にし過ぎかとも思いますが、株価は過去最高を更新してるし、経済政策も賃上げインフレ誘導と方向性がはっきり見えるし、外交に関しても余計なことを言わずに着実に回している点などから、私個人としては岸田政権をもう一期見てみたいと考えています。当初でこそ何考えているのか割らず、また発言もブレがあったので不安でしたが、改めて見てみると周りの声に耳を傾けなくなってからの彼の政権運営は目を見張るものがあり、その評価を一転させています。

 そのうえで、やはり自民党以上に野党が頼りないというか維新の会も大阪万博を巡っていろいろおかしくなってるし、ほかの野党に至ってはもはや話になりません。維新の会については若干偏見も入っていますが、どうもあそこは口先だけの人間ばかり評価して実行力とか思考力で人間を選んでない気がします。口三味線を鳴らす人材だけは豊富というか。
 その点を踏まえ次期選挙では自民党に伸ばしてもらいたいところなのですが、現状では批判も多いだけに厳しいでしょう。ただどうせ落とすなら諸悪の根源ともいうべき安倍派だけ落として、岸田政権が続く形で自民党が余計なぜい肉落としてくれたら一番理想的です。

2024年4月4日木曜日

セガサターンの「DEEP FEAR」の思い出


 先日こちらの動画を見てましたが、非常に懐かしい思いがしました。

 この動画は1998年に発売されたセガサターン用ゲームの「DEEP FEAR」を紹介するものですが、自分も当時遊んでクリアしています。ゲーム内容ははっきり言えば大ヒットしたカプコンの「バイオハザード」のクローンゲームなのですが、独自要素が多く、またストーリーが非常にしっかりしていたこともあって当時も今も強く印象に残っています。

 簡単に紹介すると、海底基地で未知のウイルスが蔓延したことにより人間が次々と怪物化してく中で脱出を図るゲームなのですが、部隊が海底基地ということもあり、酸素が非常に重要なファクターとなっています。酸素量が制限されるエリアでは酸素が切れた場合、呼吸ができなくなります。その際にエアラング内に酸素があればそれを吸うもののしばらく使えばなくなり、肺の中の酸素も切れたらそこでゲームオーバーです。
 なお武器の中にはエアグレネードがあり、これを破裂させると室内の酸素量を増やすこともできます。また酸素は怪物に対しても効果があり、酸素を増やすと敵は怯むので攻略上でも役に立ちます。

 ゲームの難易度はバイオハザードと比べると非常に簡単というかやさしく設計されており、弾薬や回復剤が無限に供給されるため、ごり押しでもなんとかクリアできます。友人はラスボスの攻略の仕方がわからず詰まってましたが、光ってる最中にだけ攻撃できることを知れば何のことはなくアサルトライフルでハチの巣にしてやることができます。
 そんな感じでゲームとしての面白さはバイオハザードには劣るものの、前述の通りストーリーは非常に優れており、一緒に脱出を図っていた仲間が次々と亡くなるどこrか、人によっては怪物化して襲ってくるという展開にもなり、終始話を追いたくなる展開でした。また主人公が怪物化しないことについては、主人公は元々風邪を引いており、そのインフルエンザウイルスがウイルスの侵入を防いでいたという単純ながらしっかりした理由付けがなされていました。

 今でこそ「ガンダムは宇宙ばかりじゃなく深海でも戦うべきだ」とか、「日本はアッシマーかハイゴッグを量産すべきだ」などと主張するなど深海物を好むようになった自分ですが、恐らくそうした一歩出るだけで水圧で死ぬ深海という特殊なフィールドを舞台にした作品で初めて触れたのは、このDEEP FEARだった気がします。そう思うと非常に貴重な第一歩目を踏ませてくれた作品だったとも思え、こうして今でも取り上げる人がいる辺り、いいゲームに出会えたもんだとかみしめる思いがします。

2024年4月3日水曜日

「だんドーン」が西郷隆盛をナポレオンに見立てた背景

 「ハコヅメ」は全巻買ってたけど、同じ作者の泰三子の新作である「だんドーン」はこれまでなかなか手を付けなかったのですが、知人に勧められたのでこの前ようやく1巻を購入しました。一読した感想としては同じ単行本1冊でもほかのマンガに比べて読む時間が非常に長く感じるほどボリュームが厚いと思った半面、ページというかコマ割りは「ハコヅメ」時代よりもすっきりしているように見え、なんか前よりこの作者は漫画の構成力が上がっている、それもかなりの水準でと感じました。

 その「だんドーン」ですが、日本警察の父と呼ばれる川路利良を主人公としています。彼は元々は薩摩藩士であり、物語も幕末時代、より細かく言えば13代目の徳川家定がまだ生きてて一橋派と南紀派が後継争いをしている頃をスタートしています。主要キャラは川路のほか同じ薩摩藩の藩主である島津斉彬、そして後の明治維新勲功第一号とされる西郷隆盛となっています。
 ちなみにそんな時代劇を舞台とした漫画ですが、隙あらばと言わんばかりに下ネタがたくさん入っています。元々、セリフ回しが「銀魂」の作者の空知英秋氏に似ていると「ハコヅメ」時代に思っていましたが、下ネタ盛り沢山な点も空知氏に似てきたような気がします。っていうか絶対この人、下ネタ大好きだろ。

 話を戻しますがこの漫画の第一話で、ナポレオン伝を持ってきた西郷に対して斉彬が「お前が日本のナポレオンになれよ」というセリフがあります。多分、知ってる人はみんな同じように反応したのではないかと思いますが、私はこれを見てすぐ「ああ、つまりはフーシェってことね」と考えました。

ジョゼフ・フーシェ(Wikipedia)

 フーシェというのはフランス革命期からナポレオンが支配した第一帝政時に活躍した政治家で、以前に麻生元首相が「伝記が面白い」と言っていたこともある人物です。具体的にどういう人物だったかというと、警察長官となってフランスの警察組織を作ったのですが、後のこの警察システムを日本を含むほぼすべての国が参考にしており、実質的に世界の警察システムの生みの親ともいうべき人物です。
 こういうと街中の治安維持において非常に貢献した高潔な人物のように聞こえますが、実際にはその真逆というか権謀術数に長け、この時代のあらゆる暴力に係わっています。彼が作った警察システムも、治安維持というよりは国内諜報のために作られたような面が大きいです。

 ざっとその来歴を触れていくと、初めは教師でしたがフランス革命を機に革命運動に参加し、ジャコバン派のロベスピエールとの親交を深めるにつれ徐々に地位を高めていきます。この革命期における王党派えの弾圧は非常にすさまじく、王党派というだけで多くの人を大量に虐殺し(リヨンの大虐殺)、またルイ16世の処刑も熱心に推し進めていました。
 しかしロベスピエールと関係が悪くなるや、やられる前にこちらからとばかりに彼の追い落とし工作を行うようになり、結果的にこれが功を奏してロベスピエールをギロチンへと送り込むことに成功します。その後、ナポレオンに近づいて彼の政権奪取に協力すると、第一帝政期の長い期間に渡り警察大臣を務め、外務大臣のタレーランと並ぶ内政の重鎮として君臨します。

 しかし位人臣を極めながらも野心は止まず、ナポレオン周辺を含め常にあらゆる方面に密偵を送っては多くの人間の弱みを握り、自らに抵抗できないよう脅迫を続けていたそうです。それどころかナポレオンが遠征している最中に勝手に軍を編成したり、対立していた英国との和平交渉も勝手に始めるなどしたことから、その優秀な才能を惜しみながらもナポレオンも一時はフーシェを解雇していますが、その後彼の後継となる人物がいないためにまた採用しなおす羽目にもなっています。

 そんなフーシェですがナポレオンが一度その地位を退いてエルバ島に流され、ルイ18世が王座に就いた際は王党派から嫌われていたこともあり、失職することとなります。しかしナポレオンがエルバ島から脱出するとすぐさま彼のもとに馳せ参じて、再び警察大臣の職に就きます。
 この時、ナポレオンはフーシェに対して警戒していたそうですが、その才能というか情報収集能力は際立っていたため採用ざるを得なかったそうです。結果的にこの懸念は的中したというか、ナポレオンがワーテルローの戦いへと至る遠征へと出かけるやフーシェはナポレオンの敗北を早くも予想し、議会工作をすぐ始めています。

 フーシェの予想通りにナポレオンがワーテルローの戦いに敗北すると、ナポレオンの皇帝退位を議会で主導して彼をフランスから追い出すことに成功します。その後、フランスが連合軍に攻め寄せられる中で臨時首班の座に就くと、連合軍と戦ってフランスの共和制を守るというスタンスを取りながらルイ16世ら王党派と連絡を取り、共和主義者を裏切る形で王党派をフランスに迎え入れることに成功しました。こうしてフランスは再び、ブルボン朝の王政復古が始まります。
 この辺の下りはちょうど今、長谷川哲也氏の漫画「ナポレオン 覇道進撃」の中で展開されている話です。

 王政復古後にフーシェはフランス国内で屈指の権力者となるものの、ルイ16世を含む王党派から強い嫌悪感を持たれていたこともあり、その意を受けたタレーランの工作を受けてフランスあkら追放されます。しかし追放後もフーシェは多くの主要人物の弱みを握り続け、暗殺されることなく無事天寿を全うしています。

 話を「だんドーン」に戻すと、日本警察の父と言われる川路利良は同じ警察畑ということから「日本のフーシェ」という人が一部います。その上で西郷をナポレオンに見立てたということは、ナポレオンに止めを刺すフーシェという役どころを川路に持たせるという構想があるのではないかという風に考えたわけです。実際どうなるかわからんけど。

 最後に漫画の話をすると、最近はサンデーの星野真氏という作家が一番興味を持って眺めています。現在「竜送りのイサギ」という漫画を連載中ですが、前作の「ノケモノたちの夜」はアニメ化も果たしており、今この本を読み進めています。
 セリフ回しにセンスを感じるのと、細かい衣装の造形が非常によく、あと絶望感や殺気をはらんだ眼の描き方がうまいように思え、こんな作家がいたのかと感心しながら読んでいます。まぁこの人の漫画を読むきっかけは「竜送りのイサギ」に、「竜殺しのタツナミ」というどっかの中日監督を連想させるキャラクターが出てくるからだけど。

2024年3月31日日曜日

森喜朗が何をしたのか?

 昨日のネタの続きですが、RPGにおけるバッドステータスに「便秘」があってもいいような気がします。具体的にどんな効果にするか悩ましいですが。

 話は本題ですがいまだ燻り続ける自民党のパーティ券収入キックバック問題で、岸田総理への批判が高まっています。ただ若干贔屓にし過ぎかなと思いつつも、もしこれが安倍元総理だったら絶対にこの問題について知らぬ存ぜぬ調査せぬをやり続けたことを考えると、証人喚問にまでは出さないまでも公開での査問会に自ら出席したり、その後もはっきりしなかったことから対象議員に党内再調査を行って新証言を引き出してる辺り、岸田総理のことをもう少し評価してあげてもいい気がします。
 っていうかこれだけ疑惑がそろっているのに一向に支持を上げられない野党は、与党を批判している暇があったら自分たちがもっと信用できる政党であるように努めるべきでしょう。少なくとも自分の中では今でも野党に投票する気は起きないし、大阪万博を巡る混乱を見ても維新の会はむしろ自民党以上に政治の場から排除すべきだとも思えてきています。

 話を戻すとその岸田総理主導で行った再調査で、キックバック問題に森喜朗元総理が関わっているのではないかという情報が出てきたそうです。まぁこれは出てきたというかみんなわかってたけど誰も口にしなかっただけで、一応自民党内からも示唆する声が出てきただけでもかなり異例だと思うしよく頑張った気がします。
 実際に森元総理がこの後処分されるかどうかについては時効もあるし証言だけでの立件はまず無理ということから望み薄ですが、前から彼については「かばおうとする」勢力が無駄に存在することに疑問を感じていました。

 具体的には先の東京五輪の際に失言で運営委員会の会長を降りた際、「色々言われるが森さんは本当に頑張ってくれた」、「あの報酬でこれだけ働くなんてありえない」などと言ってかばう人がいました。ただこの時疑問に思ったのは、具体的に何をしたのかについて誰も言及していなかったという点です。
 難しい交渉をまとめたとか、難色を示した相手を説得したとか、煮詰まった会議をいい方向に決定づけたとか、本来あるべき具体的行為について当時誰も一切言及していませんでした。何故公安ったのかはっきり言えば、「表に出せない」案件を内々で処理していたことを彼らは誉めていたのではないかと正直疑っています。

 その「表に出せない」案件は、東京五輪では非常に多くありました。「中抜きオリンピック」とまで呼ばれるほどよくわからない中間搾取が多く、またそれを嫌って任天堂をはじめとする大手スポンサーも途中で協賛から降りたともいわれており、果たしてこの方面に森さんはどうかかわっていたのかが自分としては気になっています。

 森について私はその政治的業績は一切評価しておらず、むしろ神の国発言など日本を貶める方に活躍された人物だと評価しており、CIAかKGBの工作員だったんじゃないかという風にすら見ています。いろんな人間が本当にこの人のことをほめそやしますが、確かに政治の中では表に出せない活動や交渉もあるだろうしそういうのを評価する人もいるっちゃいますが、彼が総理だったのは20年以上も前で、普通これだけ時間経ってりゃ「実はあの時は……」的な情報公開が出てきてしかるべきです。しかし現在においても森がすごいことをやってのけたという情報はいまだ目にしたことはなく、むしろ今回のキックバック問題には「実は森が……」的な悪い方での話によく登場してきます。
 まぁ悪いことにいろいろ手をまわしてれば、悪い方には褒められるんでしょうけど。

 唯一、森について肯定的に見ているのは、村山富市元総理の首班指名時に悪役を引き受けたという点です。不倶戴天の敵であった社会党党首を自民が指名して連立与党入りにもっていくという方針を森が発表し、多くの党員に恨まれつつも政権に返り咲いたというのは政治決断的に評価できますが、これ以外だと何も評価する点はなく、発言も軽いくて重みなく、何をもって周りが彼を推すのかが見ていて不思議でした。まだかつての野中広務や、今度引退する二階氏だったら応援する人もいるってのは理解できるんだけど。

2024年3月30日土曜日

消費がダウングレードする中国、アップグレードする日本

 この前道歩いていたら突然、占い師に「お前が便秘なのは魔王の呪いのせいだ」と吹き込まれて魔王を討伐に行く勇者というお話が浮かんできました。「よくも俺を便秘にしてくれたな!」と言いがかりをつけられる魔王を思うと不憫な気がするのですが、地味に相手を便秘にする呪いとかあったら結構嫌です。陰陽師とかやってくれないかな。

 話は本題ですが先日日本から友人が上海に出張に来たので会社を半ドンして別の知人も含めあってきました。その際、落ち合った場所はマナーコーヒーという今中国で流行っているコーヒーチェーンで、ここではコーヒー一杯の値段が15元と(300円)いうことに友人はビビっていました。
 中国ではコーヒーの値段は一杯大体30元(450円)であるのですがこれと比べると半額で、しかも舞カップを持っていくとさらに5元引かれて10元になるというおまけつきです。いわばドトールみたいな格安コーヒーチェーンなのですが、これが今中国で流行ってるわけです。

 その反対にというべきか、かつては昼過ぎともなればどこも満杯だったスターバックスは最近、いつ行っても席が空くようになっています。閑古鳥が鳴くほどではないものの、やはり往時と比べるとその勢いは目に見えて衰えており、上記のマナーコーヒーのような新興コーヒーチェーンによってシェアを削られているといった状況です。

 ただそのマナーコーヒーが流行っているという状況ですが、値段だけではないとは言うものの、この値段差はやはり大きな原動力となっているような気がします。で以ってこれは中国がデフレに入りつつある、言い換えると前まで30元払っていたものを15元に切り替える消費のダウングレードの兆候と言えるかもしれません。
 コーヒーに限らず、以前と比べると中国では同じ品目に対し「前より安いもの」を消費者が選ぶようになってきていると日々感じます。私自身はあまりそういった傾向はないのですが、スーパーなどを見ていても以前より安価な商品、前まで1個入りで15元だった商品よりも2個入りで20元みたいな商品が並ぶことが増えているように感じます。また住宅家賃も今年に入って物凄い勢いでどこも下がっており、同僚もウキウキしなが「次どこに住もうかな(^ω^)」などと言っては不動産情報サイトを眺めています。

 はっきり言ってしまえば中国、少なくとも上海では目に見えてデフレが進行しています。このデフレをはっきり認識してしっかり対策採れるかが中国にとって重要なのですが、どうも見ている限りだと何となくデフレが起きていることはわかっていながらそれを認め切れていないようで、きちんと対策を取れずに恐らくこのまま進行し、物価だけでなく賃金も下げていく結果になると予想しています。

 そんな中国に対して日本は毎日物価高騰のニュースが出ていますが、聞くところによるとマクドナルドのハッピーセットも千円に近い金額まで上昇しているそうです。その影響からか、冒頭に出てきた日本の友人はマックの価格高騰を受け、「もうそんなに値段差ないんだし……」と考え、ハッピーセットよりやや値段が上がるものの以前よりもバーガーキングによって食べることが増えているそうです。
 このような、価格差が縮まったことでワンランク上の消費を選ぶようになることを消費のアップグレードといいますが、まさに今日本でこうした現象が起きているのではないかと思います。安価なものよりもワンランク上、価格は高くなるがもっと品質のいいものを選ぼうとする消費行動ですが、言うまでもなく経済にとってはすごくプラスです。

 実際見ていると、吉野家などの牛丼チェーンでも品数の多いセットメニューを増やしていると聞き、少し支払金額を上げてでも満足するメニューを選ぼうとする人が日本では多くなっているように見えます。まぁサイゼリヤはいまだに安くて客も入っているそうですが。
 無論、上記見解は日本にいない自分の解釈ミスかもしれず、またそうであるとしても今後も続くとは限りませんが、日本の景気については今年と来年の間なら好調のまま続くとにらんでいます。

 そのうえで中国では上記の通りデフレ傾向が強まっていることから、かつての日本の経験を踏まえて言うと、今後は吉野家のような格安チェーンなどが勢いを増してくるかもしれません。実際すでにマナーコーヒーは流行っているわけだし、安い蘭州ラーメンチェーンあたりが今後伸びてくるのではないかと思っています。

中国の天目茶碗は侮れない(;゚Д゚)


 また自分の趣味の話で申し訳ないですが、先日購入したこの天目茶碗にはまっています。

 天目茶碗とはその名の通り茶碗の一種ですが、この名前は日本ではなく中国が由来です。中国のお茶の産地でもある浙江省杭州市にある天目山周辺で成立した茶碗形態ということから「天目茶碗」と名付けられているのですが、いくつか種類があるものの、上の写真のようにまるでラミネートシートを張り付けたかのようなまばゆい光沢を持ったものが比較的ポピュラーです。

 この天目茶碗の中でも日本人にとってもっとも知名度が高いのは、国宝にもなっている曜変天目茶碗でしょう。この茶碗はすべて中国で作られたものですが欠けのない完品は三つしかなく、そのすべてが現在日本国内にあります。
 以前に何でも鑑定団で「四つ目の曜変天目茶碗」と鑑定された茶碗もありますが、こちらに関しては番組放送時より「本物じゃない」という異論もあり、現在も議論が続いています。

 話を戻すと、この天目茶碗の特徴は上記の通りに表面の光沢がまばゆかったり、弾けた様な文様を見せる点にあります。この特徴が生まれる秘訣は何かというと表面に塗る釉薬にあり、天目茶碗には鉄分を多く含んだ釉薬を用い、これが焼入れ工程時に弾けるように広がるため、魚の鱗みたいな斑模様ができるとされています。

お茶を入れた時はこんな感じ

 それで今回の天目茶碗ですが、実はこれまで中国の茶碗というか陶器には何の魅力も感じず、日本に比べレベルが低いとずっと考えていました。こう考えていた理由としては、まず中国では茶碗に対してあまり絵付けを施さず、非常に地味というかシンプルな茶碗ばかりだということ。次に形もあまり工夫しないというかつるんとしたりのっぺりとした形ばかりで、なおかつ土があまりよくないのか手触りや重さもぐっと来ないものばかりだったからです。
 もっとも中国人からしたら、日本の表面がざらざらした楽茶碗とかはあまり形が整っていないと思うそうですが。

 そんな感じで中国の茶碗に見向きもしなかった自分ですが、ふと上記の天目茶碗の由来を思い出し、現在の中国でも天目茶碗って作ってるのかなと思ってタオパオで検索かけたら、思っていた以上にたくさんの天目茶碗がヒットしてきました。しかもそのどれもが上記のように日本ではまずお目にかかれないような極端に眩しい光沢を持ったものばかりで、確かに日本の茶碗のような絵付けこそないものの、この光沢だけでも十分な個性があると感じる代物ばかりでした。
 それ以上に驚いたのが値段です。今回勝ったこの茶碗は何と80元(約1600円)と、自分が普段買うプラモより安い値段でした。ほかの天目茶碗も大体100元以下で、この値段でこの品物ならと思い早速購入して手に入れましたが、一回触ってみてすぐ気に入りました。

 釉薬の関係からか表面は金属質な触感をしており、また汲める水の量は120mlと非常に小さいサイズなのですが意外に重量があります。ただこのサイズで重みがあるのはかえって持ちやすく、ずっしりとした感覚が心地良いです。
 それよりも何よりもこの激しい光沢した見た目は非常に印象的で、写真を同僚に見せてみてもみんな驚くとともに、「高かったんでしょ(´・ω・)」と聞いてきます。でもって80元だと教えるとまたびっくりするΣ(・ω・ノ)ノ!

 前述の通り、自分はこれまで中国の陶器に対してあまり関心を持ってきませんでしたが、こと天目茶碗に関しては値段も安くてこれほど面白い品物があると今回初めて気が付き、その価値を一気に見直すに至っています。今後、値段も安いので人への土産物にこれを使っていこうとも思っており、いいもの見つけた気がします。
 問題は、いろんな種類の天目茶碗をこの際揃えたいところですが、もはや家の中にも尾を置くスペースがなくなっていることです。プラモだけでも数十体あり、置くとこないから靴箱の中にたくさん詰めてるくらいだし(;´・ω・)

2024年3月29日金曜日

続・有機野菜記事の裏側

【失敗のからくり③】ユニクロもNTTドコモも失敗、有機野菜事業の魔性じみた魅力と困難(ロボティア)

 この前に紹介した、ユニクロ、ドコモが失敗した有機野菜事業について、何故両社がそろって失敗したのかを分析す下のがこの記事です。はっきり書いてしまうと、実証的なデータなどなく自分の直感で分析した内容をまとめていますが、その結論を言えば「日本で有機野菜事業をやるのは非常に難しい」に尽きます。

 詳細は記事中に書いていますが、有機野菜は工業製品とは異なり資本投下量を増やしても効率が必ずしも改善せず、むしろその栽培法方から疫病などのリスクもあって逆に効率が下がる可能性があると考えました。また日本では有機野菜に対する認知が低いというか値段が高くなるくらいなら農薬使った野菜を買おうとする消費者が多く、売り先も広がりづらいという特徴があります。
 以上を踏まえると、大量に資本投入したところで一気に事業規模を拡大できるわけでなく、地道に拡大していくしかない事業ではないかというのが自分の考えです。

 かなり妄想が入っていると自覚しつつも、これまでに誰も多くの企業が有機野菜など農業事業でこけた理由について分析しない中、ユニクロとドコモの共通性に着目してここまで書いたのは自分が初めてではないかと思います。それだけに思い入れの強かった記事なのですが、あいにくアクセスはあんま振るわなかったようで、反省しきりな結果となりました。
 なんか一発注目浴びるようなネタで固定ユーザーを早くつかまないとなぁ。