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2012年10月23日火曜日

ブレスオブファイア4をクリアして

 今日もちょっと書く内容があまり浮かばないので、前にも書いたカプコンのRPG「ブレスオブファイア4」をクリアしたのでその辺をちょっと書こうかなと思います。
 まずこのゲーム、前にも書いたとおりに展開が非常に面倒くさいです。割と次の展開という目的がしっかりしていてサクサクすすむている図シリーズと比べると雲泥の差で、誰かに会いに行くと決めると会うために大体三つか四つはお使いをこなさなければならず、キャッチコピーにするなら「急がば回るRPG」といったところでしょうか。

 ただそんな面倒な展開も中盤までで、逆に終盤に入ると恐ろしい勢いで展開が早くなります。ストーリーの頭から探し求めていたヒロインの姉が見つかるや、その次にはもうラスボスとの対決が待っており、それまでグダグダ進んでいたのが嘘みたいなくらいな急展開を見せます。こんな仕様になった背景にはどうも、開発が間に合わず後半は予定していたイベントを大分切ったということが原因らしいですが、それにしたってあの序盤の面倒くささを考えるにつけアンバランスさが目立ちます。あと後半の面でやけに経験値が多く入るのも、こうしたことが影響しているのかな。

 改めて書きますがはっきり言って私のこのゲームへの評価は非常に低いです。ストーリーの展開の悪さに加えて所々で目立つユーザーフェースの悪さ、そして何と言っても戦闘の面倒くささです。このゲーム、後半に入るとやけに回避率が高く、例えるならドラクエのメタルスライム級に攻撃が当たらない敵がばかすか出てきて、物理攻撃じゃ埒が明かないから魔法攻撃しか使わなくなります。仮にこれが一部の敵ならともかく、ほとんどの敵がこんな感じなので本当に面倒くさいです。 
 さらに呆れたのは、ラスボスに物理攻撃がほとんど効かないことです。どれだけ攻撃力が高くてもほとんどダメージが通らず、逆に魔法だとよわっちいのもそこそこ通ってしまうのでひたすら魔法ばっか使ってると簡単に買ってしまいます。パーティの戦略もあったもんじゃない。よくこういうゲームをしていて思いますが、誰か止める奴はいなかったのでしょうか。

 ただほかのレビュアーも言っておりますが、全体のストーリー展開は非常に陰鬱で確かに目を見張るものがあります。特にこのゲームで有名なのは「呪砲」といって、人間を大砲の弾にして打ち込んだ場所を草木も生えず人が住めなくさせてしまう兵器の存在です。弾にされる人間はそのまんま「ニエ」と呼ばれるのですが、このニエは苦しみや絶望感があればあるほど威力があるという設定で、弾にされる前には拷問が加えられるという素晴らしい設定となっております。惜しむらくはゲーム中、実際にニエとなってぶっぱなされる人が一人だけという点ですが、もう二、三人くらい飛ばしておけば違ったんじゃないかなとちょっと思います。

 なおそのぶっ放される人ですが、偶然の一致でしょうが名前が「マミ」というキャラです。知ってる人には早いですが、昨年放送されて非常に話題になった「魔法少女まどかマギカ」というアニメにも「マミ」という名前のキャラクターが出てくるのですが、このキャラは話の途中で凄惨な最期を迎えて退場することとなります。詳しくは言及しませんがその退場シーンがシャレや冗談じゃなく本当に凄惨であることからこのアニメも話題性を持つようになったのですが、あまりにもインパクトが強いことからネット上では突然凄惨な最期を迎えることを「マミる」とするスラングが生まれ、現代用語辞典にも見事に入れられました。本当に偶然なんだろうけど、なんでマミって名前のキャラはこうも不幸な最期を迎えるんだろう。

 最後に連絡ですが私用により明日より数日間家を離れるので、この間ブログをお休みさせていただきます。再開は28日か29日頃を予定しております。


2012年10月22日月曜日

橋下市長への週刊朝日の報道について

 本当は先週あたりに書こうと考えていましたが、なんかやけに忙しいのとほかにも書かなきゃいけないネタ満載で今日までのびのびとなってました。タイトルを見てもらえばすぐにでも内容がわかってもらえますが、大阪市の橋下市長に対して週刊朝日がルーツをたどるとして家系に関する連載を始めようとしたところ当の本人から抗議、さらには取材拒否が行われ、週刊朝日は報道内容について謝罪することとなりました。今回のこの事件について私の所見を述べると、まずほかのメディアの記事が浅いなぁと個人的に思います。

 最初に橋下市長に関する報道について所感を述べますが、なんでこの人はこれほどまでにメディアに嫌われているのかがよく不思議に感じます。以前にも週刊文春が完全に差別的な内容で出自に関する報道を行い、その低俗さから私も同じ文芸春秋社が出している文芸春秋の購読をやめたくらいでしたが、いくら若い人間だからと言ってこれほどまでに叩く報道が出るのは何が原因なのかいろいろと考えてしまいます。同じ改革派首長でも、新党日本の田中康夫代表が長野知事になった頃もこれほどまではひどくなかった気がします。
 考えられる原因としては、メディアの既得権益を壊しかねない思想の持ち主、またはメディアにとって都合のいい政治家や財界の対抗馬となりかねない人間だと、メディアの側から思われているからだと思います。具体的にどの辺がと言われるとポイントは挙げ辛いのですが、割と政治景気者ってなんでもかんでも敵味方に分けて考える人が多いように思え、自分とちょっと思想が違うだけで敵視する記事を書く人が多いような印象を受けるのでこう思う限りです。

 話は戻って週刊朝日の件です。週刊文春の時もひどかったのに一体なんで週刊朝日もこんなバカみたいな連載を始めたんだと思っていたら、書いているのがあの佐野眞一氏だということがわかってようやく合点がいきました。佐野氏についてはかねがねこのブログでも取り上げておりますが、とにかく取材に関してはマムシの道三もびっくりなくらいにしつこく細かいことで有名です。一体なんでそんな取材姿勢なのかというと、あくまで佐野氏の著作を読む限りでは単純に物事の背景とか詳細を佐野氏自身が知りたいと思う欲求が強いからだと思います。なので橋下市長についてもその政治思想を読み解くとかそういうのより、弁護士からタレント、政治家という変わった経歴からその生まれる前まで全部たどってみたいと考えたんじゃないかと私は見ます。

 更に佐野氏に関して言うと、彼には一つの前科というか同じことを以前にもやっております。この点がほかのメディアが甘いなと思うのですが、佐野氏は以前に同じような感じで鳩山氏のルーツをたどると言って、鳩山家に関することを細かく調べ上げて「鳩山一族 その金脈と血脈」(文春新書)という本を出版しております。自分もこの本は読みましたし、出た直後に佐野氏の講演も聞きましたが、

「鳩山一郎の祖父の鳩山和夫は、一夫多妻制は古い時代の遺物で悪しき習慣だと常日頃言っていたが、そういう自分は常にたくさんの愛人を囲っていた。鳩山一郎も統帥権の干犯という言葉を初めて用いるなど、鳩山家というのは昔からそういう嫌な人間の一族だ」

 と話していたのをよく覚えていますし、まさにその通りだなぁと思っています。
 なので私の感覚だと、この鳩山家の時と同じようなことを橋下市長に対してやってみようと佐野氏は考えて連載を始めた、もしくは引き受けたんじゃないかと考えています。更に言えば佐野氏は結構タブーに敢えて踏み込むところがあり、「東電OL殺人事件」の本でも女性からしたらあまりいい気分がしないであろう表現を非常によく使っています。それが今回、橋下市長の逆鱗に触れたわけなのですが。

 最後にまとめると、これまで佐野氏が取材したどの相手よりも橋下市長が高い情報発信力を持っており、使い方にも長けていたというのが大まかな構図だと思います。まぁ内容自体ゲスな内容ですけど、佐野氏が書くんだったらちょっと自分も読みたかったなというのが本音です。佐藤優氏といい、最初に会社辞めた時にこの人の書生になろうかと思ったくらいだったから自分ものめりこんでるんだなぁ。

2012年10月20日土曜日

PC遠隔操作事件の誤認逮捕について

PC遠隔操作:神奈川県警、誤認逮捕認め男性に謝罪(毎日新聞)

 もはや説明は必要ないかと思いますがウイルスに感染したPCを経由して小学校などに脅迫状が送られた事件で、経由したPCの所有者が犯人だと誤認され全国各地で4人が逮捕される結果となりました。このうち二人は最後まで否認を続けていたことと、真犯人が犯行声明を出したことによって起訴される前に無実がわかりましたが、別の二人は意にそぐわぬ自白を強要された結果、冤罪の実害を被るととなりました。今回の事件に関わった捜査機関は警視庁、三重県警、神奈川県警、大阪府警の4つですが、どれもIPアドレスを割り出しただけでパソコンの所有者を犯人だと決めつけて捕まえたというのだから恐ろしいものです。ネット上でもよく言われておりますが取り調べでは、「IPアドレスという確たる証拠がある」と問い詰めたそうですがこれが証拠になるとは勘違いも甚だしく、よくそんな知識で捜査に関われるものだと呆れるしかありません。
 更にこの4つのうちに神奈川県警と大阪府警がきちんと入っているのもある意味納得というか、本当に反省がない連中だとこればっかりは強く批判せざるを得ません。警察不祥事とくれば神奈川県警と来るほどにここは問題の多い捜査機関ですが、大阪府警についても過剰な取り調べや証拠捏造がこの頃次々と明るみになっているだけに根本的になにか問題あるのではと感じます。

 ただこの事件、犯行声明文を全部読んだわけじゃないですが真犯人は恐らくこうなることを見越したうえで犯行を行ったのではないかと思います。もちろんそんな犯罪行為を是認するべきではなく警察には早く汚名返上とばかりにきちんと捕まえてもらいたいものですが、少なくとも真犯人が提起した警察の捜査の問題性についてはしっかり考える必要があるかと思います。
 何もこうした冤罪は今に始まるわけじゃなく、「国家の罠」の佐藤優氏に然り足利事件障害者郵便制度悪用事件など日本では枚挙に暇がありません。こう言ってはなんですが仮に今回の事件が十年前に起こっていたのであれば、警察や検察は犯行声明が出たとしても、「IPアドレスなどの証拠から、PC所有者が犯人であるという可能性はぬぐえない」などと言って無理矢理に起訴、または釈放しても謝罪なんて絶対にしなかったろうと思います。今回すぐ謝罪に至ったのも、ここ数年の冤罪事件発覚があったからだと個人的に思います。佐藤優氏の事件は無罪にはなってませんけど。

 あと本題とは少し離れますが、今回の事件で最も大きな影響を受けたと思われる19歳の明治大学の学生は逮捕後、保護観察処分となり大学も退学していたそうです。本当に不憫で非常に残念に感じるのですが、ちょっと前から思う内容として、どうして有名大学だけ事件があったらすぐに明かされるのか不満です。この事件に限らず有名大学の学生、またはその関係者が事件を起こした場合はまず頭に大学名がつけられますが、逆に無名の大学であればスルーされます。有名大学だと読者の注目が引けるからというのはわかりますが、それにしたってダブルスタンダードな気がしないでもなく、載せるなら絶対載せる、載せないなら絶対載せないという基準をメディアは持つべきだと思うのと、事件の影響がほかの関係ない同じ大学の学生に及ぶ可能性があるなら後者が筋じゃないかというのが今日の私の意見です。

2012年10月19日金曜日

中国の経済成長鈍化の背景

 先程友人の上海人と焼き鳥屋に行ってご飯食べてきましたが、飯食ってる最中に後ろからえらく大きな声で「ニャー」という音が聞こえて来たので店員に尋ねたところ、店主が猫を飼い始めたとのことでした。早速だが是非見せてくれと頼んだところいきなり店主が出てきて、まだ飼ったばかりで見かけが汚いので、来週以降に来てくれと言われました。新手のマーケティングだろうか。

 それはともかく話は本題に移りますが、昨日に中国は第3四半期のGDP成長率が7.4%のプラス、数年ぶりに8%を割った前期の7.6%をさらに下回る結果になったと発表しました。このところ中国の成長鈍化、停滞関連で非常に多くの質問を受けるので、猫の声も久々に聞けたわけだしちょっと今日は気合入れて持ってる情報を一気に吐きだそうかと思います。なお少し強気に出ると、ここで書く内容はなかなかよそでは見られないというか、推測も含まれるので紙面には載せられない情報も入るのでそこそこ希少性がある内容になると思います。

Q1、中国バブルは崩壊するのか
 今回、というよりも以前から少しでもGDP成長率が以前より落ちる度にすわ中国バブル崩壊かという意見が日系メディアを中心にかまびすしく聞かれますが、さすがにバブル崩壊に至ることはまずないでしょう。そもそも何を以ってバブル崩壊というのか恐らくこの手の主張をしている人たちもはっきりとした基準を持っていないでしょうが、日本の様な急激な株価、不動産価格の下落は起こらないと断言できます。根拠としては今の経済状況はある程度中国政府の予想範囲内でマーケットも確かに株価は落ちておりますが、今回のGDP成長率もある程度織り込み済みで極端な株安は起こっていません。さらに不動産価格は現時点で急激な高騰を防ぐために購入に際して様々な規制をかけておりますが、一時は落ち込みを見せたもののここ数ヶ月でまた上昇傾向に入ってきています。その気になれば規制を取っ払うことでいくらでも引き上げることだって不可能ではないでしょう。

Q2、中国経済は停滞し始めてきたのか
 これに関してははっきり「YES」と言わざるを得ません。確かに7.4%成長と書くと日本と比べて非常に高い成長率ですがこれまでの伸びが激しかった分、メーカーを中心に年率10%くらいで成長することを見越して設備投資とかしてきましたが、鉄鋼業を中心に明らかに供給過剰の業界が多数見受けられます。また市民や企業経営者の景況感も悪化しており、今後の改善を見込んでいる人も少ないです。

Q3、何故停滞してきたのか
 一番の原因はなんといっても欧州の債務危機による世界経済の冷え込みです。これは中国に限らず世界中どの国でも輸出産業において共通していますが、中国の最大貿易相手先はEUであるため、逆にEUとはほとんど取引のない日本と違って直撃を受けているような状況です。そのため中国では輸出産業を中心に景気の冷え込み、業績の悪化が広がっているのですが、中国政府もある程度この状況を見越して国内の消費市場を活発化させるために対策を打ってはいるものの、私の見立てだと輸出産業の落ち込みが予測より大きい上に輸出産業に従事している人の消費も鈍ってきたため狙い通りにいっていないのかと思います。
 このほかこれは他の日系メディアも言っていますが中国国内で急速に人件費が高騰しており、それこそ十年前と比べて最低賃金が二倍以上になっているような状況なので、以前より競争力が低下していることも眼前とした事実です。まぁこれは逆に見るなら国内市場が拡大しているともいえるので一概にデメリットだけではありませんが、落ち込んでいる輸出産業にとっては弱り目に祟り目になっています。

Q4、いつまで停滞するのか 
 中国の経済成長率は今年に入った段階で減速し始めてきましたが、自分の周辺では第2四半期、つまり7月までに底を打ってまた盛り返すという予想が正直に言って強かったです。その根拠というのも今年上半期は急速な成長を抑えてでも一般市民の生活安定化を目指す方針でしたが、夏頃から本格的にテコ入れを始めて現にこれまで凍結されてきた鉄道工事に加え地方空港の新規建設が認可されるなど、政府による無理矢理なGDP引き上げ政策が実行されてきたからです。なので第3四半期はまた8%台に戻ると当初は思っていたのですが、7~9月の間は新聞を見ていても盛り返す話はほとんどなく企業業績も悪化の一途をたどっていたので、8月の段階で底打ちはまだ先だと自分も考えを改めました。
 じゃあいつ良くなるのかですが、少なくとも今年いっぱいはこのまま低調な景気が続くかと思います。根拠としては未だどの業界も改善を示す動きが全くないのと、中国の輸出を巡る状況が悪化しているからです。来年前半も続くかな。

トピック1、欧米との貿易摩擦
 さすがに日本では大きく報じられていませんが、ここ数ヶ月の間にアメリカとEUが中国に対して物凄い貿易規制を打ち出してきました。代表格は太陽電池で、ダンピング疑いをかけて関税引き上げの準備を着々と進めているため現時点でも多くの企業が中国の太陽電池メーカーとの取引を敬遠し始めております。このほか一度は合意していた中国企業による米企業の買収も、「核心技術が流れるから」という理由でよくひっくり返されているのですが、この前見た例なんか笑っちゃいましたが中国企業が買収額に3.5億ドルを提示しているのに、最終的には別の米企業が1.5億米ドルで持っていきました。さすがアメリカ、やることが清々しいくらい露骨です。
 あともうひとつ面白い話ですが、こっちの建機メーカーの三一重工が昨日か一昨日にオバマ大統領を提訴してきました。これも三一重工の米法人による米企業の買収交渉が最後にひっくり返されたからですが、私としては日本企業もこれまで煮え湯飲まされてきたのもあるので三一重工をちょっと応援してます。
 このほか通信設備のZTE、華為といった中国企業も難癖つけられて欧米市場から締め出されてます。この動きは今後ますます激しくなるでしょうから、さっきから何度も言ってますが輸出産業はまだしばらく苦しい状況が続くのではないかと思います。

トピック2、伸びている輸出産業
 さっきから散々悪い悪い言っている中国の輸出産業ですが、これは日系メディアにはほとんど出ておらず知ってる人も少ないと思いますが、陰で世界最大の雑貨市場と呼ばれる浙江省義烏市で、クリスマス用品の輸出額がえらい勢いで伸びてます。もう中国語記事ですがリンクもつけちゃいますが、今年のこれまでの輸出額は前年比1.5倍にも達しており初めて見た時は見間違いかと自分も思ったくらいです。というのもクリスマス用品の輸出先はやはり欧米がメイン、さらに義烏市の商品はほとんどが不景気な欧州に行くので最も大きなダメージを受けると思っていたのですが現実はさに非ず、むしろ例年にないほどの需要を甘受しています。
 何故世界全体で不景気な中でクリスマス用品がバカ売れするのかですが、自分が読んだ現地報道だとクリスマスは年中行事のためあまり景気の影響を受けないのと、義烏で取引される雑貨は低価格品が多く、むしろ不景気であることからより価格の低い商品を買い求めるバイヤーが増加したと書かれてあり、私もこの説を支持します。変な話ですが不景気になると牛丼が売れるように低価格商品は売り上げが伸びます。ある意味では中国はそういった低価格品が強いこともあり、この際だから安い方がいいと思える商品なんかは今後も輸出量が増えていくかもしれません。

トピック3、日系企業の現状
 これもはっきり言って非常に悪いです。原因はこの前の尖閣問題に絡む反日デモにほかなりません。不買運動、とまではいかないですけど同じ価格なら車を中心に韓国製、ドイツ製を買う人は明らかに増えており、たまたまさっき読んできたSPAの記事で、「中国人が日本製品の高品質性を恋しくなるまでは我慢しなければならない」と書かれていましたが私もその通りだと思います。なお一番影響を受けているのはやはり自動車と家電ですが、逆に全く影響を受けていない日本製品、というか日系企業の製品もあります。これも同様にSPAに書いてありましたがそれは粉ミルクとヤクルトで、粉ミルクに関しては以前のメラミン騒動以降は中国人も国産製品を全く信用していないためですが、ヤクルトは中国市場における日系企業商品では今年最大のヒットと言っても過言ではありません。テレビCMも飽きないのかっていうくらいバンバン流れいますし、どのスーパーに行っても置いてあります。来年くらいにヤクルトの成功エピソードを書いた本が経済書で出るんじゃないか、っていうかほかに書かれる前に自分が書いてしまおうかとちょっと思案中です。

2012年10月17日水曜日

ソニータイマーの真実

ソニータイマー(Wikipedia)

 知ってる人には早いですが世の中ではしばしばソニータイマーと言って、ソニーの製品は保証期限を越えた直後に壊れるという都市伝説があります。何故壊れるのかというとソニーがあらかじめ壊れるように設計、もしくは自壊機能を搭載しており消費者に買い替え需要を促すためだといろいろ説がありますが、これらはさすがに都市伝説であって私も本気では信じていません。なおこのソニータイマーという言葉が急速に普及し始めたのはインターネットが流行して、「ソニー製品って壊れやすくね?」という言質が交わされるようになってきたのが一つの原因などと言われておりますが、私自身はいわゆるソニーショックと呼ばれる株価下落が起こった2003年に初めて聞きました。それにしてもソニーショックなんて、随分懐かしいこと。

 なんでこんなソニータイマーを今回取り上げようと思ったのかですが、もちろんソニーに恨みとかあるからではありません。なお私はソニーの製品となるとプレステ以外はあまり使わず、特段壊れやすいと思ったことはありません。プレステに関しては一回だけ読み込みの遅さに腹立って殴り壊したことがありましたが、これは自業自得だと自覚してます。
 実は先日、中国人の日本製品に対する印象を聞く機会があったのですが、中国人から見て日本製品というのはやはり高品質で信頼が置けるものの、あるタイミングというか期間を過ぎると一斉に壊れると思われていると言われました。「え、それってソニータイマーのソニー製品?」と私も聞いたのですが、別にソニーに限らず日本製品全般に共通する特徴だと考えているそうです。

 中国人曰く、ドイツ車やアメリカ車は購入から3年で壊れることもあれば10年以上もつこともあり、同じ車種でも故障するタイミングはバラバラだが、日本車は同じ車種なら8年なら8年、5年なら5年できっかり同じタイミングで故障するものだと考えているそうです。そのため壊れるまでの期間は安心して使えるけど、壊れると言われている時期になると途端に信頼が落ちると言います。
 というようなことを知り合いで、化学品扱っている中国人の友人に聞いてみたところ、「その通りだよ。データが証明している」と言ってきました。その友人によると材料素材には耐久性テストをあれこれ行うようですが、日本のメーカーはこの耐久性というか精度をきっかり合わせてくるようでほかの国のメーカーと比べてムラが少ないそうです。そのためそれこそソニータイマーの様な、保障期限内は何が何でも故障とか破損が起こらないように管理しており、そうした精度がある意味で高すぎるせいかほぼ同じタイミングで壊れる現象が起きるそうです。

 改めて言われてみると私自身もなんとなくわかる気がします。日本人の性格からして精度とか濃度の管理はやけに徹底しそうですし、いわゆる品質管理においては世界的にも明らかにトップクラスにも感じます。逆にそれ故に、融通が利かないというかムラがなさすぎるところがあり、変に同じタイミングで故障が起こるもんだから上記のような見方がされるのだと思います。言ってしまえばソニータイマーも、それだけソニーの品質管理能力が保証期限きっちりに合わせられるほど高いということなのかもしれません。
 ここで私が何を言いたいのかというと、少なくとも中国人にとってソニータイマーはソニーだけでなく、日本のメーカー全体に多かれ少なかれあるものだとみられていることです。こうした見られ方は日本製品のブランドイメージにプラスかマイナスかと言われたら明らかにマイナスでしょうが、じゃあ絶対壊れないようにするなんてのは無理ですし、かといって壊れるタイミングに意図的にムラが出るようにしてしまったら本末転倒dす。ただこうしたイメージを持たれていることを意識して何らかのブランド戦略を持っていくことは大事なのではないかと、個人的に感じた次第です。

2012年10月14日日曜日

復興予算を巡るNHKの報道

 このところ東日本大震災に対する復興費用の用途を巡り本来の目的とは関係ないものに使われたという報道が増えてきておりますが、これらの報道を見るたびに実はちょっと違和感を感じます。その違和感というのも、何故誰も先月にNHKが報じた番組の内容をもっと引用しないかという思いです。

 件の番組はたまたま自分が日本に帰国している最中に放送されたのですが、復興予算がどのように使われているのかをあくまで中立的な立場で鋭く調査しており、一緒に見ていた親父と共に、「さすがはNHKよ」と見ているこっちが舌を巻く内容でした。具体的な内容をいくつか紹介すると、まず一番衝撃的だったのは各自治体のがれきの処理費用の差です。
 震災後、宮城県や福島県を中心に海岸沿いの自治体では大量のがれきが生まれましたが、これらのがれき処理に際して政府は事実上、青天井の予算を組んだのですが、震災から一年半経過してがれき処理にかかった費用を自治体別に比較してみると、なんと処理したがれき量はほぼ同じにもかかわらず自治体によっては10倍、実数を出すとたしか300億円以上使った自治体もあればわずか30億円で済ませた自治体も存在しました。

 調べれば簡単に該当の自治体は出てきますが敢えて出さずにこのまま話を進めます。一体どうしてこれだけの費用の差が生まれたのかについてNHKは、がれき処理のやり方の違いが10倍の差を生んだとはっきり指摘しておりました。300億円もかかった自治体ではとにかく早くがれき処理を優先するために各地で集めた瓦礫を片っ端から集積場に集めて、集積場でがれきの種類を仕分する方法を採ったそうです。ただこの方法は結果的にはあまり効率が良くなく、次から次へとがれきが運ばれてくるため仕分が追い付かず、集積場ではハエなどの虫が大量に発生することとなりました。そのためこれらの虫を殺虫するために保管費用がかかり、現在も毎日殺虫剤を撒いているそうです。
 一方、わずか30億円に抑えた自治体では以前に起きた新潟県中越地震で同じようにがれき処理の経験があったことから、がれきを現地で分類した上で集積場に持ってくる方法を採用したそうです。担当者によるとこの方法が一番効率がいいと判断し、実際に先の自治体と比べて格段に保管費用が少なく、処理も早く進んでいるそうです。また同じように費用を格段に安く済ませた別の自治体では、業者にがれき処理を発注する前にまず自分たちで崩壊した家屋の破壊処理をやってみたそうです。実際に破壊処理してみて一軒当たりどの程度の費用がかかるのかを綿密に計算した上で、業者に対し費用の交渉を行ったそうです。

 いくら処理を急ぐと言っても、費用は安く抑えるに越したことはありません。別に300億円かかった自治体を批判するつもりはありませんが、今後もこういった大災害が起こる可能性を考えると費用を安く抑えた自治体の取り組みを大きく取り上げ、次回の反省に生かすべきだと思います。そういう意味でこのNHKの報道は実に見事なもので、見終わった後には次の日のネットではこの番組の内容についてみんなネット上で議論するだろう、どんな意見が交わされるのだろうと楽しみに待っていたら、自分が思っていた以上にネット上ではあまり取り上げられず、約一ヶ月経って復興予算の使い道についてあれこれ他のメディアが報道される段階になっても未だに見ません。
 もちろん検索をかけたらいくつかのブログでは取り上げられているのですが、それにしたって内容が非常に良かっただけに何故共通認識になるくらいみんなで共有しないのか不思議でしょうがありません。念のために友人にこの前確認したところ、やっぱり全く知りませんでした。

 今現在起こっている復興予算の不当な使い道では、今日見たのだと公安が「被災地で過激派が活動する恐れがある」として車を買ってたという突っ込みどころのある使い方などあり確かにこれらもこれから精査しなければなりませんが、この不当な使い道に関連して政府、特に民主党を批判する人を見受けますが私としてはあまりいい気分がしません。もちろん民主党は与党であるためにある程度責任は持たないといけませんが、震災が起きて数ヶ月間は「なんでまだ復興予算をきちんと配らないんだ」などという批判が多く、自分のブログにも管元首相の悪口を書いたコメントとか当時受け取りました。
 早く配れれば早いに越したことはないですが、急いでやろうとすれば何事も齟齬が生まれます。かといって抜け道がないように綿密に相談するために配布が遅れてもいいわけではありません。私が何を言いたのかというと、こういうのは結局どっちを取ってもとっちかで転ぶロスであって、過去のことをあれこれ批判するより次回の反省につなげる思考の方が大事だということです。差し当たってさっきの公安のわけのわからない予算申請した責任者のクビを飛ばせば無能が一人減るわけですし、何故管理できなかったのかとあれこれ議論するくらいなら無能の排除と費用を安く抑える有効な方法を周知することの方が未来につながるのでは、未来志向なのではというのが私の意見です。

2012年10月13日土曜日

おもしろ超人のいる国

 また関係ない話からですが、「中国製」というと日本製より価格は安い物の品質が悪いというイメージが付きまといますが、これを「中華製」と言い換えるとまた別なイメージが持たれるのではとこのところ考えてます。具体的には「中華製タオル」、「中華製電子レンジ」、「中華製クレンジングオイル」など、なんか中華料理のイメージからか全部厨房で作られているような感じがします。

 話は本題、といってもまたおちゃらけた話ですが、私が中国に興味を持ったのはこのブログでも何度も書いてあるように三国志など中国史に興味を持ったことが大きいですが、それと共におもしろ超人がたくさんいたということも一つのきっかけとなっております。よく取り上げていたのはテレビ番組の「世界まる見え特捜部」ですが、気功の力などと言いながらレンガをひたすら頭突きで割る人とか、足の指で筆をつかんで上手に字を書く人とか、確かにすごいんだけどなにかおかしいというおもしろ超人とくれば大抵が中国人かインド人でした。今でもそうですがわけがわからないんだけど珍しい感じがするものに対して私はよく興味を持つところがあり、こうしたおもしろ超人が多くいたということから中国が好きになった気がします。なおやっぱりインドも同じ理由からやっぱり好きです。

 ただ昨今は経済成長が著しい中国。資本主義の浸透による影響か、残念なことにこうしたおもしろ超人を見にする機会は確実に減ってきているような気がします。日々の新聞を見ていてもそういうおもしろ超人に関する記事は見ることはなく、話をでっかくしてもしょうがないですけどこういったおもしろ超人がいるということは社会がやっぱり寛容な証拠であるように思えて、表に出なくなったのは社会全体で「無駄なものは無駄」と切り捨て、精神的な余裕がなくなっているのかなという風に感じます。もっともそれを言ったら日本なんか以前からそのような社会になっており、風船おじさん以降は「そんなしようもないことをなんですんねん」と突っ込みたくなる人がほとんどおりません。芸人であれば江頭2:50のように尻で割りばしを割る人はいますが。

 そういう意味では日本も余裕のない国と言わざるを得ないと言いたいところですが、なんか日本は別方面でこのところ凄いと思うニュースが良く報じられます。そのニュースというのも性犯罪者関連のニュースですが、アンサイクロペディアの「変態番付」を見ていると、「なんなんだろう、日本人って」とつくづく思え、こういう常識外で生きる人達もいることだし、世の中捨てたものじゃないなとなんか一人で物思いにふけってしまいます。ちなみにこの変態番付の中で私が一番好きなのは大関の「改造した釣竿を使い、足掛け30年で500枚もの女性下着を盗み続けた通称、釣りキチ助平」です。

2012年10月11日木曜日

平成史考察~玄倉川水難事故(1999年)

 まだなんか掲載周期が安定していないこの平成史考察ですが、このところ畑村洋太郎教授による「失敗知識データベース」にはまっているので、今日は1999年に起きた玄倉川水難事故を取り上げようと思います。

玄倉川水難事故(Wikipedia)

 恐らくこの事故の名前を見てもパッと思い出せる人は少ないでしょうが、内容自体はここで書いてある内容を見ることで思い出す人は多いのではないかと思います。というのもこの事故、ほかの一般の事故とは異なり被災するシーンがリアルタイムで放映されていたからです。
 事故のあらましから話していきますが、1999年の8月13日、キャンプ場として有名な神奈川県足柄上郡山北町にある玄倉川の流域ではその日もキャンプ客でにぎわっておりました。お盆真っ只中ということもあって多くの客が訪れていたのですが、その当時に熱帯低気圧が日本へと近づいており、現場でも午後三時ごろから雨が降り出しておりました。

 この玄倉川キャンプ場を含む周辺は元々雨の多い地形で、川沿いにあるキャンプ場は豪雨時には毎回水没する場所だったようです。こうしたことから上流にある玄倉川ダムの職員は雨の降りだした頃にキャンプ客に対して避難を呼びかけ、実際にこれに応じて大半の客は非難したそうです。ただこうした中でとある企業の社員とその家族による団体は呼びかけに一向に応じず、直接ダム職員が避難するよう伝えても動こうとしませんでした。そうこうする中でも雨足は強まっており、最終的にはダム職員が警察とともに再度避難するよう伝えたものの、数人が移動に応じたものの後に遭難する18人は中州から頑として動かず、あくまで報道ベースですが警官らに対して強い態度で出たと言われております。

 ここでちょっと先にキャンプ場の上流にあった玄倉川ダムについて解説しますが、このダムは小規模の発電用ダムで水の貯水力はほとんどなく実質的には堰の様な施設だそうです。そのため大量に水をためるとダム自体が決壊する恐れがあるため、豪雨時にはゲートを開放して放流する仕組みとなっておりました。この時の豪雨時も決壊の恐れがあるためダムを開放しており、それが現場の急な水位上昇へとつながっています。

 話は元に戻り翌14日、雨はますます強まり玄倉川の水位も徐々に上昇し、午前8時半には遭難者がテントを張っていた中州も水没します。この時点で水位は1メートル以上に達し、自力での脱出は不可能となっておりました。こうした状況から前夜に先に避難した人物から避難要請が出されレスキュー隊員が午前9時に現場へと到着しますが、当日はお盆期間ということもあり大半の職員が出払っており、駆けつけられたのは少ない当直メンバーだったそうです。しかも水位はこの間も上昇し続けており、二次災害の恐れもあることからうかつな救助活動すらできない状態でした。
 午前10時にはテレビメディアが到着して事故状況の撮影が開始されますが、既にテントは流され、遭難者は大人の男性数人が上流に向かって立ち、子供や女性がその後ろで流されまいと懸命に耐え続けている状態でした。この時の映像は当時自分も見ており、未だによく覚えております。

 もうこの後もぐだぐだ書くのも気が進まないので結果を書いてしまいますが、結局救助は間に合わず、遭難者一行は一斉に水流に流され運良く対岸に流れ着いた5人を除き13人が死亡しました。下賤な話ですが、この時の救助とその後の遺体捜索にかかった費用は総額で5億円にも上るそうです。事故当時は一行が流されるシーンの映像も放送しており、恐らくうちの家に限らず全国でショッキングな事件として見ていたかと思います。また事故後は当時の状況が明らかになるにつけ、ウィキペディアにも書いてある通りに避難の呼びかけに応じようとしなかった遭難者に対して強い批判が行われました。
 かくいう私自身もその一人で、未だにやけに覚えていますが夏休みの水泳部の部活の帰りに後輩を捕まえて、「お前どう思うよこの事件」、「俺は大人が自分で残ることを決断して流されて自分一人で死ぬのは自業自得だと思うけどさ、生き残った子供はこれから親なしで生きてくと思うと行動に責任感なさすぎるよな」などと、今思うと中学生の癖してなにわけのわからないことを言ってるんだよという気がします。

 ただこの事件が一つの議論の種となって、どうもこの事件以降から「遭難する側の責任」というものが大きく取り上げられるようになった気がします。大きな災害や事故につながる恐れがあったにもかかわらず必要な対応を取らず、いざとなったらレスキューにおんぶ抱っこはよくないのではという意見が出るようになり、昨今の遭難事故では必ずこの点がやり玉に挙がってくるようになたっと思います。ただ近年はこれがやや過剰になりつつあるのではと思う節もあり、特にネット上では不必要なほど遭難者を批判する意見も目立つようになってきています。責任を全く問わないのは問題ではあるものの、必要以上に問うのも問題だというのがこの事件、並びに現状に対する私の意見です。

2012年10月10日水曜日

大学受験のセンター試験について

 あまり時間がないので簡単にまとめられる話というか前から言いたかったことを書こうと思います。
 センター試験と聞いて何のことかわからない人は多くないでしょうが、このセンター試験は日本の受験制度にかなり根付いてはいるものの未だに批判する声も多いです。具体的な批判点を挙げると、

1、マークシート方式のため数学などで解答幅が狭まる
2、統一的な試験のため大学の個性が出ない
3、思考、読解を問う問題が少ない

 上記の3つの批判点は私も理解できなくはないのですが、しいて言うと2番目の「大学の個性が出ない」というのは無視してもいいかと思います。この批判というのはどの大学も受験問題を独自に作成してこそ入学する学生に校風というか個性が出来るという主張で、センター試験のように統一的な問題ではそういった個性が出ず、入学する学生にも学校にもよくないという奴です、私個人的な意見としては、確かに大学ごとに試験内容が異なれば、たとえば思考力を問う問題が多い大学と素早く解いていく必要が多い問題が多い大学とでは個性が多少変わるでしょうが、それにしたってそれほど大きく違いは出ないかと思います。試験よりもやはり伝統というか学生の間にある空気というものが個性を作るのであって、試験ではないと思います。

 とまぁこんな具合でとにもかくにもいろいろ議論の種になっているこのセンター試験ですが、率直に言って私としては存続させるべきだという立場を取ります。確かに1番目、3番目のような試験方式上の欠点はあると認めますが、それを推しても地方の高校生らの負担を考えるとやはり恩恵の方が大きいと考えています。
 私自身は東京駅まで電車で一時間以内という比較的恵まれた場所に実家があったからよかったものの、地方の学生は東京の大学を受験するに当たってその度に上京しなければならず、滞在費用や移動費用を考えると受験費用でただでさえお金がかかっているというのに余計な負担が多すぎます。一部の大学は地方にも試験場を設けて対応していたりしていますが、センター試験による併願方式を使えばそうした移動を全くせず私立大学などを受験することができ、地方の高校生からしたら非常に助かるのではないかと思います。

 逆を言えば東京近辺の高校生はこういった地方の苦労をまるで理解していない節があるように見えます。私自身は極端に珍しいタイプで関東出身の癖に関西の大学に行きましたが、進学先で地方の高校生の話を聞いていると受験一つとっても都心部と地方部では大きな差があると強く実感させられました。
 なお私は進学した大学の試験を東京に設けられた試験場で受験しました。仮に東京に試験場が設けられなければ受験していなかったかもしれず、そう考えると進学先が肌に合ってたこともありますがよくぞ東京に試験場を設けてくれたと大学運営関係者に強く感謝したくなります。なお関西の私立大なんかこうして地方試験場をあちこちも受けますが、関東の私大はまだあまりそうしたことはしておりません。そのため私の大学の恩師なんか、「関東の大学が地方試験場を作らず王様商売をやってくれているからうちも受験者集まるけど、もしやられたらこっちも困るな」と話しておりました。

2012年10月9日火曜日

山中教授のノーベル賞受賞について

 既に日本国内でも大々的に報じられているため説明するまでもありませんが、京大に在籍する山中教授が今年のノーベル賞を受賞することが決まりました。なんか日本の報道を見ているとやけに中国や韓国がこのニュースをどう取り扱うかを大きく報じておりますが、少なくとも中国に限れば日系メディアが報じる通りに大きく扱っており、実際に一面で報じる新聞も見受けられました。もっとも個人的にもっと気になったのは、「日韓和解?」という見出しで韓国の李明薄大統領と麻生元首相の2ショットを国際金融報という新聞が一面で報じていたことでしたが。

 話は山中教授に戻しますが、今回のノーベル賞受賞は私としても文句なしだし順当な結果だと思います。確かに実用化にはまだ至っておらず検証作業などもまだまだ進める必要がありますが、iPS細胞の発見はES細胞の研究捏造事件で一時研究が止まった再生医療を復活させる原動力となっており、その功績を考えれば確かに早いとはいえ十分受賞するだけの内容があるでしょう。
 ネット上では山中教授への研究費助成金の額を巡って民主党が減額したなどといろいろ書かれておりますが、はやぶさの時といいこの点については私も確かな検証が必要かと思います。何も今回の例に限らず、どの方面にどれだけ研究費を割り振ってどれだけ成果を上げたのかは公表する必要はないと思いますが、やはり専門的な立場にある人たちの間で検証し、有効な資金活用が出来るようにしていくべきでしょう。

 最後にこのiPS細胞の研究で言っておかなければならないと思うこととして書きますが、山中教授は2006年の8月に科学雑誌でマウスにおけるiPS細胞の作成方法を発表しましたが、この時に私が知る限り日本のメディアは完全に黙殺しておりました。一方、同時期にアメリカの新聞各紙は画期的な発見として今日の中国紙みたいに一面トップで報じていたと、ワイドショーに出ていた宮崎哲弥氏がかなり怒りながら主張しておりました。
 ES細胞の研究が盛り上がっていた頃によく友人と生命倫理の議論で話をしていただけにこの時の宮崎氏の話をやけに印象的に覚えているのですが、その後日系メディアが山中教授を取り上げるようになったのは3ヶ月くらいたった同年の12月頃でした。宮崎氏も言っていましたが、国を挙げて科学技術を振興させると言いながらメディアが関心を持たないようでは意味がなく、科学分野は取っつき辛くとも目を向けるべきだと考える大きなきっかけとなりました。

2012年10月8日月曜日

安倍内閣を振り返る

 どうでもいい近況ですが、この前にゲームアーカイブスでダウンロードした「ブレスオブファイア4」というゲームを現在しています。相変わらずストーリーはいいのですが展開がもっさりしているうえにRPGなのにキャラのモーションが無駄に長く、伝統的なまでに長所はあるのだけれど短所も目立つ作品です。ちなみにストーリーのもっさり具合を一つ説明すると、

<主人公の正体がわからない→風の竜に会おう→風の竜に会うために故郷に帰ろう→故郷で親父さんから、「風の竜に会う前に竜の巫女に会えば」と言われる→竜の巫女に会ったら、やっぱり風の竜に会えと言われる→風の竜に会うには風の笛が必要だと言われる→風の笛を手に入れるために、再び故郷の城の地下に行く→笛を持って風の塔に登ってようやく会える>

 決して誇張ではなく、全部が全部こういう感じで無駄なお使いイベントが多いです。っていうか、風の笛なんて取りに行く必要があったのかと思うくらいで、作っている最中に誰か止めなかったのかこれ。

 さて話は本題に入りますが、先日に野党第一党の自民党についてですが、安倍新総裁が就任して何故だか大手メディアからはやっかみもいいくらいに叩かれていますが、私自身としてはまだ何もしていないんだしちょっと今の叩き方はずるいと思います。ただ一部メディアが批判している安倍政権時代の功罪についてはきちんと比較分析するべきだと思いますし、そこで今日は安倍政権時代について私の評価をまとめようと思います。

安倍内閣(Wikipedia)

 まず安倍政権の最大の功績としてよく挙げられているのを見るのは教育基本法の改正です。教育基本法はかねてから野党や日教組が議論すら許さなかった程の聖域であったため確かに改正したのは歴史的と言ってもいいとは思いますが、ただ私自身としてはあまり評価しておりません。というのも不勉強なだけかもしれませんが、教育基本法が改正されたからと言って日本の教育環境や内容が改善されたかといわれると改正から数年経つのに未だに見えてきません。それどころかいじめ問題を筆頭に結局以前のまま、さらに言えば以前に私がブログで指摘したように教師の高齢化も歯止めがかかっておらず、理念だけ変わったところで成果があまりにもなさすぎるという風に考えております。
 ただ唯一、この時の改革で評価しているのは教員免許更新制の導入です。現在も存続か廃止かで非常に揺れている制度ではありますが、発足当初は中学校の数学問題すら解けなかった高校の数学教師がこれで解任されたりと、あまりにも能力のない教師の淘汰に一役買ったと思いますし、この手の議論に大きな一石を投じたと思います。もっともおしむらくとして、教員の再教育というか研修制度があまりしっかり組み立てられておらず、現在もこの点が大きな問題となっているところがありますが。

 次に同じく安倍政権の功績とみられているのが、防衛庁の防衛相への格上げです。これについては以前は野党が議論すら許さなかった内容ですが、確かに評価はできるもののなるべくしてなったもので大きくポイントを挙げるべき評価項目ではないと考えております。このほかパチンコ業者への締め付けを厳しくした点などは私自身は大きく評価しておりますが、安倍政権全体を通して観念的な部分での法改正は多いものの、具体的に成果を上げる細則実施はやはり少ない気がします。

 逆に安倍政権のマイナス評価ポイントですが、恐らく私だけでしょうが最大のターニングポイントとなったのは「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ばれる裁量労働制の導入を検討したことだったと思います。元々、安倍政権は発足当初は内閣支持率が異常に高く国民から期待された政権でしたが、「再チャレンジ」などを叫んで雇用対策などを強化すると主張していたところ、このホワイトカラーエグゼンプションが突然出てきて「ああやっぱり財界寄りだったんだな」と私もこの時にグッと距離感を感じました。
 念のためホワイトカラーエグゼンプションについて説明すると、幹部級社員に対してあらかじめ定められた時間に縛られず自由に働くことを認める制度という触れ込みでしたが、仮にこの制度が認められるとサービス残業を国が公に認めてしまうことになるのではないかと批判が起こりました。はっきり言いますが政府、というかこの制度導入を強く求めた財界の本音としてはまさにその通りで、当初は対象となる社員を年収300万円以上(途中で800万円以上に訂正)と言っており、日雇い派遣など低賃金過重労働が問題となっているところでこんな制度案が突然出てきたことは面食らいました。また当時、というか現時点において日本企業では年収500万円以上の社員を大抵は管理職扱いにしており、この裁量労働制を事実上実施しております。うちの親父なんか、なんで既にみんなやっていることをいちいち法律で追認するんだと当時批判してました。更にもう一言加えておくと、日本でカタカナの名前の法律は大抵が何かしら裏があります。

 と、このホワイトカラーエグゼンプションが出てきた時点で私も一気に評価しなくなったのですが、一番致命的となったのは消えた年金問題において間違いないでしょう。この年金問題に関しては逆に私は同情的に考えており、それ以前の政権が放置してきたために大ごとになった問題を、何故か安倍政権の時期に今は無き社保庁が不必要なまでにリークを行い選挙で大敗する要因を作りました。この時に社保庁は何故リークを行ったのか、恐らくは安倍政権が渡辺善美氏(現みんなの党党首)を据えて進めていた公務員改革に対する反抗だったのではないかと考えております。なおこの消えた年金問題で何が一番問題なのかというと、この時に散々騒いだにもかかわらず、現時点においてもこの問題は何も改善されずくすぶっていることです。恐らくまたどこかの政権で一気に問題が噴出して大騒ぎしてなにも変わらないまま次代に引き継がれていくことになるでしょう。

 消えた年金問題同様に、直接的に安倍氏自身の責任ではないものの閣僚の度重なる不祥事も短命政権を生む要因となったでしょう。何とか還元水で最後は自殺に至った松岡利勝元農水大臣はもとより、その後を継いだ赤城徳彦に至っては、ウィキペディアの記事を見るにつけよくもまぁ大臣在任中の2ヶ月の間にこれだけ問題を引き起こしたなと呆れてきます。存命中の人物に唾を吐くのはどうかと思うものの、この人はほんまもんのクズでしょう。

 以上のような具合であまりまとまりがない書き方をしておりますが、総じて必要性や優先度の高い改革を行ったとは言いづらく、過分の安倍氏の「やりたかったこと」だけが実行されていた政権だった気がします。とはいえ安倍氏自身はそういうブレの少ない性格なために、恐らく野党党首としては十二分に才能を発揮して自民党自体にとってはこれからいい方向に持っていくと予想してます。
 ただそれは野党党首としての話であり、仮に次の総選挙で自民党が大勝し、総理大臣に再登板することになれば元から才能なんてないんだからまともな国会運営が出来ず、晩節を大いに汚すことになるということも予想しておきます。というのも安倍政権は小泉政権の遺産ともいうべきか、衆議院で三分の二以上という圧倒的多数の議席を保有していたのですが、この議席数に胡坐をかき強行採決することが異常に多かったです。当時は参議院でも自民党が過半数を握っていましたが、ねじれ国会の今に総理に就任したところで安倍氏にまともな国会対策が出来るとはとても思えず、すぐに運営に行き詰まることでしょう。厳しい評価ですがかつて「KY」と呼ばれただけあって、安倍氏には致命的なまでにこの方面の能力が不足しております。悪いことは言わないから、選挙で大勝したら総裁を降りて、総理職はほかの人に任せた方が無難かと個人的に思います。

2012年10月7日日曜日

経済記者の得意分野、不得意分野

 自分が今の仕事を始めるに当たって、経済学部も出ておらず経済方面の知識が少ないにもかかわらず経済記事がきちんと描けるかどうかが正直な所不安でした。ただこの不安は結果論から言うと杞憂に過ぎず、というのも自分以上に経済のことよくわかっていない人が社内には多かったです。というのも今の会社は経済がわかる、わからない以前に中国語と日本語の能力が求められるため、あまり経済方面の知識力が問われることが低いということが大きな要因なのですが、ただどうも業界内を見回していると大新聞の経済部記者でも知識的に結構怪しい人がちらほらおります。

 私がこう思うようになったきっかけは先日にイギリスで問題になったLIBOR事件の記事なのですが、当時にこの問題について書かれた記事をいくら読んでも内容が全く把握できませんでした。単純に私自身の理解力が不足しているだけだったかもしれませんが、どうもあの時の記事を思い出すにつけ、書いてる記者自体があの問題の本質を誰もわかっていなかったのが最大の原因だと思います。というのもどの記事も、「イギリスでLIBORが問題になっている」、「イギリス当局が銀行に怒っている」としか書いておらず、何の理由で、しかも英銀がどういう不正をすることによってどんな利益を得るのかという構造を誰も説明していませんでした。
 LIBORに限らず、金融関連ニュースは複雑な話が多いために基本的にどの経済記者も書くのを苦手としております。さすがに日経(読んでてわかりづらいが)ならまだしも、朝日や読売といった大手新聞ですら内容を理解していないと見える上っ面だけの記事が載ることもあれば、問題の核心を敢えて濁して書いていると感じる向きも多いです。かくいう自分のいる会社でも金融関連はみんな書きたがらないので上海証券取引所のシステムが一部変わるとかそういった関連の話は無視することの方が多いです。ただこれが香港だったら話は変わってきます。香港は金融と不動産が経済ニュースの8割を占めるために必然的に取り扱わなければならず、自分も香港にいた頃は吐きそうになりながらブルベア証券とかいうデイトレードの話とかを一生懸命書いていました。幸いというか元バンカーの記者が同僚にいたのでわからないところはすぐ確認できましたが。

 金融に限らず、ちょっと面倒な分野というか業種の話はやっぱり書くのが苦手な記者は多いです。所詮は物書いてるだけでその業界で働いたというわけでもないので限界があるのはしょうがないですが、日本の場合は自動車をはじめとして製造業が多いせいかこっち方面の記事だけが得意という人も少なくありません。まぁこれは逆説的に言うと製造業関連の記事は書きやすく、生産能力とか投資額とかをそろえて書けばそれなりに出来上がってしまうという裏事情があるためですが。ただ製造業でも、電機・電子というかエレキ分野は苦手な人は本当にどうしようもないという人もおります。特に通信関連だと多少専門用語が出てくるため、「LTEって何?」から聞かれることもあります。

 参考までに自分の得意分野、苦手分野を書きに簡単にまとめます。

・エレキ(△):必要最低限のことは書けるが、特集記事とかはそういうのは書かないし書く気も起きない。
・自動車(○):決して詳しいわけではないが、社内に車好きがほかにいないために相対的に質問が集まってくる。
・金融(○):同じく詳しいわけではないが、ほかに書ける人があまりいないため集中して書くことが多い。
・小売・流通(×):自分自身がこの業界に全く興味がないため、書く記事も淡白で社内で評判が悪い。
・繊維(△):中国でも年々盛り下がっている業界なだけに、書く機会自体がほとんどない。
・ゲーム(◎):ほかに書ける人がいないというのもあるが、興味が強いことから社内で恐らく一番上手く書けると自負してる。
・IT(○):一通りの用語は知っているのと、ネット広告の仕組みがまだわかることから質問がよく来る。
・エネルギー(×):専門性が非常に高く応用し辛い分野。中国では石炭の話がメインで、標準炭という単語がよく出てくる。
・観光(×):ホテル経営関連のニュースは壊滅的。パリス・ヒルトンのスキャンダルなら書けるが……。

 私の場合はざっとこんな感じです。一番ベストなのはどの業界でも万遍なくいい記事を書けることですが、やはり興味のある分野の方にこういうものは偏っていくと思います。ただこれはあくまで経済記者における基準であって、ほかの社会部とか芸能部の記者と比べればどの業界でもまだ強いという自信があります。その分、芸能関係は本筋の人には負けるでしょうが。
 なお敢えて一つ苦言を呈すと、日本の政治部記者はもっと経済を勉強すべきだと私は感じます。政府の経済政策批判もとんでもなくピントが外れた記事が多く見受けられ、今読んでいる本で学者も指摘しておりますが、円高の責任は日銀にあるのに政府ばかり批判し、日銀がほくそ笑んでいるという現状もあります。経済に限るわけじゃないですが、日本の政治記事は批判ばかりでなんていうかつまらないです。

2012年10月5日金曜日

何故秦は強かったのか

 先月に日本に帰国した際に以前から読んでいた「キングダム」という漫画の新刊を一気に読んできました。以前から高く評価しておりましたが先日からはNHKでアニメ化を果たしており、非常に読み応えのある作品でどうしてこの作者がこれまでに世に出なかったのが不思議に感じるほどです。
 そんなキングダムですが知らない人に簡単に説明すると中国の戦国時代(紀元前3世紀あたり)が舞台で、後に中国を統一する秦で将軍を目指す少年が主人公です。漫画ではやっぱりドラマ性を掻き立てるために戦争で何度も秦が窮地に追いやられたりしますが、実際の歴史では当時の臣はこの後に中国統一するだけあって国力は圧倒的で、ほかの国が束になっても敵わないくらいに強かったです。これまた先日にこの「キングダム」について語られている掲示板で、一体何故当時の秦がそれほどまでに強かったのかという議論があったので、私なりに秦の強さの秘訣を教派解説しようと思います。

(Wikipedia)

 まず自体背景から説明すると、封神演義で有名な周王朝が衰退していくと中国では各地域に王が立ち分裂国家となります。この分裂時代の序盤を春秋時代、途中で晋という国が三国に分裂して以降は戦国時代と呼称を呼び分けられているのですが、はっきり言って秦は春秋・戦国時代を通して一貫して強かったです。何かの戦争に絡んだたら大抵は勝ってましたし、常にパワーバランスを握る大国として君臨し続けておりました。何故最初から秦が強かったのか、その理由を箇条書きにすると以下のような点が挙がってきます。

・西の果て(現在の陝西省)という防御に強い地の利に恵まれていた
・常に異民族と戦っていて兵の練度が高かった
・中央の争いにあまり巻き込まれなかった

 言ってしまえば三国時代の蜀と同じような具合で、根拠地が圧倒的に守りに強い場所にあったことが大きいです。ただその一方でデメリットもあり、こちらも蜀と同じく食糧生産量は少なく複雑な地形から外征には出辛い国でした。もっともあまり外政にでられなかったことから、国力をじっくり蓄えることもできたとみれますが。

 こうした地政学的な利点に加え、秦が最強国となった最大の理由は商鞅の改革にほかなりません。商鞅に関しては世界史でも習うことがありますが法家の代表格ともいうべき人物で、当時はまだ蛮地とみられていた秦で厳しい法制度を敷いた人物です。商鞅の改革は授業では刑罰関連ばかりが取り上げられますが、実際には知行制から俸禄制に切り替えたことの方が影響力としては大きいです。
 当時の中国では日本の戦国時代のように、功績のあった人物には土地とその土地に住む住人の支配権を与えることで報酬としておりました。ただこのやり方だと与えられる土地はどんどん減っていくばかりか一度与えた土地は取り返せず、中には王を超えるほどの土地を所有する大貴族も生無ことにもなり王の支配権にもいろいろ影響しておりました。これを商鞅は土地をすべて王の管理下において、その土地から得られる穀物を報酬として与える俸禄制に切り替え、王の実権を高めるとともに実力のある人物を採用しやすくするよう改めました。

 この商鞅の改革の結果、秦の貴族は弱っていったのに対し秦王の権力はどんどんと強まっていっただけでなく、俸禄制で気兼ねなく積極的に人材を採用することから有能な人物も次々と集まるようになっていきました。あまりよそでは指摘されておりませんが、秦ではほかの国と比べて圧倒的と言ってもいいほど宰相職に外国人が就任するパターンが多いです。この商鞅もそうでしたし、その後の范雎や李斯も外国出身者で実力主義が非常に浸透していたことも見逃せません。
 これまたはっきり言ってしまえば、秦が中国を統一できたのはこの商鞅の変法によるものと言い切っていいでしょう。一応、隣の魏が秦に先駆けて呉起が知行制から俸禄制に切り替えましたが、実権を失ったことを恨んだ貴族たちによって呉起が殺されて後に魏は元の知行制に戻してしまっています。仮にこの時に魏が俸禄制を維持していたら、歴史が変わっていた可能性は高いと思います。また商鞅自身も後に恨んでいた貴族によって殺害されますが、秦は俸禄制をちゃんと維持しました。

 この知行制から俸禄制への切り替え、後の中国ではスタンダードになりますが日本では織田信長が初めて大規模に実行しております。結果は言わずもがなですが、やはり戦国時代は実力主義者が強くなる傾向があるようです。

2012年10月4日木曜日

セブンイレブンのカレー弁当:((´゙゚'ω゚')):

 愚痴っぽい話になりますが聞いてください。
 やや古い話ですが今年7月、昼食にこちら上海で売っているセブンイレブンのチキンカツカレー弁当を買って食べたのですが、食べた直後から明らかにお腹が痛くなり、例えるなら胃の中にねずみ花火放り込んだような痛みでその日は嘘ではなくまっすぐ歩くことすらできなくなりました。こんなことあったもんだからもうセブンイレブンのカレーは食べないでおこうと決めたのですが、「さすがにあの時はたまたま手に取ったものが悪かったのかもしれないし、そもそもあのカレーが腹痛の原因とも限らないしね(*´∀`)」などと言って、一昨日にまたセブンイレブンのカツカレーを昼食に買って食べました。やっぱりお腹壊しました。

 お腹壊すといっても一回下すとかそういうレベルじゃなく、致命的なまでに胃の機能が低下しております。最初のチキンカツカレーも食べた日から二週間程度腹痛が止みませんでしたが、一昨日にカツカレーを食べてからも現在に至るまでも、前ほどじゃないけど時たま激しく痛くなります。感染源がセブンイレブンのカレーとは限りませんが、さすがにこうも二回連続で、しかも長期にわたって痛みが続くということまで共通していると疑わざるを得ません。そもそも一回で懲りてれば話は早かったのですが……。
 ちょっと今回は私もマジになり、本当に痛いもんだからセブンイレブンに文句入れようかとすら考えました。さすがにクレームは出してませんが、ほかにも被害者がいないか百度で確かめはしましたが、同じような話はあいにくありませんでした。

 なおコンビニのカツカレーとくれば私は普段、ファミリーマートのカツカレー弁当を食べてます。あまりにも昼食に使う回数が多いものだから同僚からも「栄養偏るよ(*´・ω・)」と言われるくらい食べてますが、こっちのファミリーマートでは今の今まで一度もお腹を下したことはありません。あとさすがに中国に留学に来た直後はこっちの辛い料理になれず比較的壊しやすかったですが、この一年間はほとんど全くお腹を壊すことがないくらい中国の食事に適応していると自負しております。
 とはいいながら、以前に会社の同僚と四川料理屋に行った後、一回壊したことがありました。次の日になんとなくその同僚と話してみると、なんと同僚も同じようにお腹を壊しており、二度とあの店には行かないと誓い合いました。

2012年10月3日水曜日

猛将列伝~朱元璋

 このところずっと中国史ネタをやってないので、意外と知らない人も多そうなので朱元璋について私なりに簡単に紹介します。

朱元璋(Wikipedia)

 朱元璋とくると世界史をやってる人には早いですが、14~16世紀に中国を支配した王朝である「明」の初代皇帝です。この明のひとつ前の時代は「元」といって、説明するまでもないですがモンゴル人の支配による王朝です。朱元璋は元々農民出身(しかもかなり貧乏)で、この元に対する白蓮教徒による反乱である紅巾の乱に参加したことから世に出ます。この反乱軍参加時に責任者の郭子興に気に入られ養女を嫁にもらったことから徐々に頭角を現し、郭子興の死後はその軍を実質的に引き継ぎ戦国時代と化していた中国で覇権を争うようになります。
 この時の朱元璋の行動で注目すべきは、自分が農民出身ということで同じく皇帝にまで上り詰めた前漢の劉邦を意識して参考にしていることです。たまに朱元璋を日本の豊臣秀吉と比較する人がおりますが、同じ農民出身ということでなくこう言った一種のパフォーマンスを取っていたということからも悪くない比較の仕方だと思います。

 朱元璋が後に中国の皇帝になれた大きな理由は知略に長けた功臣に恵まれたことはもとより、早くに南京を中心とした江南地方を手中に収めたことが何よりも大きいでしょう。当時の中国はたとえるなら今の北朝鮮と韓国のように南北で大きな経済格差があり、南方が圧倒的に裕福でした。元朝をはじめとしたその時々の王朝は隋朝時代にできた大運河を使って南方の物資を北に運ぶことで経済をまわしてきていたのですが、ライバルの漢民族の軍閥を蹴落としてこの裕福な南方を得たことによって、北京に居座る元朝との対決を非常に有利に進めることが出来るようになりました。
 私見ながらやはり朱元璋が偉大だと感じるのは、彼一代で軍閥を起ち上げた上にモンゴル民族を打ち破り中国統一を果たしていることです。ほかの王朝なんかは大抵は初代が王朝というか軍閥を起ち上げるところまでやって、中国統一は二代目以降がというパターンが多いのですが、朱元璋の場合は彼一代でこの難事業をやり遂げております。そういう意味では行動力というかパワーというか、とにかくそういったものに溢れている皇帝像を思い浮かべます。

 ただこの朱元璋、知ってる人には有名ですが性格に色々難があります。とにもかくにも猜疑心が強く、中国統一後は創業の功臣を片っ端から誅殺しております。何もこんなところまで劉邦をまねなくったっていいのに。そのため現代に伝わる彼の肖像画は二種類あり、片っ方はいかにも中国画って感じの恰幅のいいカーネルサンダース然した叔父さんですが、もう片っ方はネズミみたいな顔した、なんていうかヤクザのチンピラっぽい顔で書かれておりこちらの方が実像に近いと言われております。
 彼の誅殺ぶりを表す一つのエピソードして空印事件というものがあるのですが、これは帳簿の数字を修正する場合は今の日本のお役所仕事と同じように一からやり直さなければならなかったことから、あらかじめ印鑑を押した記入前の帳簿を作っておくという裏テクが明代のお役所でも公然の秘密のような感じで行われていたようですが、これを朱元璋が「意味ないじゃん!」と言って関係部署の人間、または作っていた人間をまとめて死罪にしたそうです。このほか彼の奥さんの馬皇后も、病気になった際に夫が送ってきた医師の診察を一切受けなかったそうです。というのも仮に診察を受けても治療できなければ、怒って旦那がその意思を殺すとわかってたからです。

 このように朱元璋は苛烈な性格をしていたことは間違いなく、中国語で「我的东西是我的,你的东西还是我的」と中国語がわかる方なら即意味が取れるでしょうが、「お前の物は俺の物、俺の物も俺の物だ」とジャイアンに約600年先駆けてこんなことを言うくらいな人だったらしいです。ただこうした苛烈な性格は周囲、特に本人の学歴コンプレックスもあって文人官僚などに向けられることはあっても、一般庶民に対しては自分が貧農出身だったことから比較的寛大な政策が取られており、反乱軍参加時も略奪などの行為は他の軍の比較して極端に少なかったそうです。そのため庶民からの人気は絶大で、上記のように豊臣秀吉といろいろかぶってくるわけです。

 ただ彼の不幸は後継者と目論んでいた長男が早世し、二代目を継いだのが長男の息子、つまり朱元璋の孫(建文帝)になったことです。政権を盤石にするために功臣をすべて排除していたものの、親戚には甘かった朱元璋は第四子である朱棣には北京で大規模な兵権を預けたままで、朱元璋の死ぬとこの朱棣があっさり反乱を起こして建文帝を殺害し、自らが第三代皇帝の永楽帝となります。
 中国文学者の高島俊男氏なんかはこの過程を現代中国にも当てはめ、重農主義だった朱元璋(毛沢東)の後に永楽帝(鄧小平)が立ち、永楽通報という通貨を流通させるなど市場経済主義に改変せしめたと指摘し、明代と同じように今の中国共産党帝国は寿命の長い王朝になると分析しておりますが、なかなか頷ける話だと私も思います。

10月6日:西宮冷蔵社長のトークイベント開催

 以前に書いた「平成史考察~BSE騒動(2001年)」のコメント欄で以下のイベント開催告知を受けたので、このブログでも紹介することにします。


『ハダカの城』アンコール公開記念イベント
■日時:2012年10月6日(土) 12:30開場/13:00開始 
■登壇者:水谷洋一(西宮冷蔵株式会社社長)/水谷甲太郎(同社専務)
/香川今生(TVディレクター)/柴田誠監督
■料金:前売1500円/当日1800円
■場所:「Space&Cafeポレポレ坐(ポレポレ坐ビル1階)」
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)  E-mail:event@polepoletimes.jp
■定員:70人

ポレポレ坐サイト(http://za.polepoletimes.jp/news/2012/09/2012106.html

 西宮冷蔵とは雪印牛肉偽装事件の際に内部告発を行った倉庫会社のことです。この経緯については過去記事でも取り上げていますが、不正を見逃さず内部告発を行った西宮冷蔵はその後、偽装に関わったとして行政から営業停止処分を受け一時は休業に追い込まれますが、その後各方面からの支援を受け営業を再開した会社です。まだ黎明期とはいえ内部告発のあり方に一石を投じた会社であり個人的にも興味を持っている会社なのですが、社長の水谷氏が東京でトークショーを行うとともに、あの事件をつづった映画「ハダカの城」も公開するイベントだそうです。

 生憎私は今日も明日も明後日も中国にいるので見に行くことはできませんが、興味のある方などは足を運んでみてはいかがでしょうか。

2012年10月2日火曜日

次回総選挙の結果予想について

 材料が一通りそろってきたので次回総選挙について予想を簡単にまとめることにします。まず結論から言うと私は、大胆な予想ですが次回総選挙では民主党が逃げ切る形で勝利すると考えております。

 総選挙の結果予想の前に時期はいつごろになるのかについて軽く触れておきますが、候補としては二通りあり、今年末か来年4月以降のどちらかと言って間違いないでしょう。こう考える根拠として野田首相は今年中の臨時国会の招集を既に約束してあり、恐らくここで補正予算案を出してくるかと思います。その一方、来年度の予算編成にも既に着手しているとされ、仮にこれを通すとなったら来年にまで選挙はずれ込むことになります。私の見立てだと野田首相もこの二通りの選挙時期をにらんでおり、本命としてはやはり来年で、状況によっては今年やるという算段じゃないかと思います。奇襲をかけるという意味では、今年やった方が解散総選挙を求めている自民党に打撃を与えられるからいいような気がしますが。

 では選挙時期はいいとして、どうして民主党が勝利すると予想するのかです。普通に考えれば消費税増税に踏み切った挙句、これまでの三年間がリーマンショックをはじめとした国外の影響が大きいとはいえ不景気の真っただ中だったことから民主党が大敗すると誰もが考えておられるでしょうが、こう考える根拠をスパッと言ってしまうと次の選挙で勝利ラインとなるのは衆議院単独過半数ではなく、比較第一党となることだからです。
 勘違いしてもらいたくないのは私も次の選挙で民主党は相当の議席を減らすことになり、よほどのことがない限り単独過半数を得ることは不可能でしょう。ただ今の情勢を見るにつけ自民党は民主党に反感を抱いている層から支持を得ているとは言い難く、小沢一派の分裂といい日本維新の会の発足など、新党が出来ていることから票がばらける可能性が高いんじゃないかと思っています。そのため民主党の減った議席分だけ自民党の議席が増えるわけではなく、自民も民主も単独与党にならないんじゃないかと思います。

 どこも単独与党が作れないとなると次回選挙後は連立政権になる可能性が高いわけですが、ここで中心となるのはいうまでもなく比較第一党です。要するに民主党としては議席を減らしても比較第一党になればどうせ今の参議院の状況からして連立政権になるわけだし、結局は政権を維持できることになり、負けるが勝ちじゃないですがイニシアチブを握れることになるわけです。
 もちろん自民党が比較第一党になれれば自民党から首相が出るわけになるでしょうが、さっきも言った通り自民党が支持層を拡大しているとはちょっと言い難く、反民主層の投票は日本維新の会に向かうことになると思います。更に今後の国会状況を予想するにつけ、外交政策は野田首相、安倍総裁、石破幹事長でほぼ一致しておりあまり論点がなく、消費税の増税案についても自民党は谷垣時代に賛成し(そして自己否定し)た過程があるため強い批判は行えないでしょう。もし消費税増税方針を撤回するということもありえますが、これはこれで批判を受けることになるでしょうし、私が野田首相なら自民党が撤回した段階で敢えて選挙に臨みますがね。

 と、ここまで民主党は議席を減らすが比較第一党になるのではという話を書いてきますが、本当に重要なのはここからで、じゃあ選挙後はどこと連立を組むかです。個人的にここ数週間の政治報道を見ていて非常に不満に感じていたのですが、それこそ自民の総裁選の最中にでも誰か、仮に自民と民主がどちらも単独過半数を握れなかったら連立を組むのかと質問する奴はいないのかとやきもきしながら見てました。さっきも書いたように自民も民主も単独過半数が取れないと私は考えており、ではその時に両党は連立を組むのか、ここが今後の政局を見る上で非常に重要になってくるかと思います。
 私としてはかつての鳩山、管時代に比べれば今の野田首相と前原氏の方針は安倍総裁に近く、全く有りえないとは考えていません。ただ連立を組むこと前提だと自民党としては今後の国会では批判しづらくなり、この辺を安倍総裁がどう判断するかがまさしく見物です。条件としては選挙後に野田首相を下す代わりに、と言ってくるかもしれません。

 ただ連立を組むのはこの二党だけとは限りません。それこそ議席数が足りるのであれば民主は自民を、自民は民主を選ばずに、公明党をパートナーとして選んでくる可能性があります。こうなった場合は公明党にとってはまさに漁夫の利ですが、この漁夫の利をマジで狙っているのは他でもなく日本維新の会でしょう。仮に日本維新の会が30議席を確保すれば十分に交渉できるようになり、民主党も自民を選ぶよりは公明、維新で三党連立を選ぶ方が気が楽でしょうに。

 以上のように次回総選挙は選挙後の連立をにらんでこれまで以上に複雑な争いになってくると思います。最後に代表、総裁選を終えた民主党と自民党について一言書くと、民主党に関しては完全に選挙を意識した体制になっております。つい先日に内閣改造を終えましたが、これまでと比べて比較的若手の議員を登用するとともにあの田中真紀子氏まで入れてきましたが、細野議員を政調会長に入れた当たり、自民党に対して世代の若返りをアピールする狙いがあると思います。私としても知名度はあってもこれまであまり役に立たず、また派閥に遠慮して決められた人事よりはまだ一見の価値がある陣容だと評価してます。
 逆に自民党は安倍総裁以下やはり世代交代が進んでいない上に、先日に森、福田元首相など重鎮が政界引退を発表してはおりますが、後釜のこととか考えると次の選挙は厳しいんじゃないかと個人的に思います。自民も政策批判だけじゃなく、重鎮の引退に合わせて小泉進次郎議員などもいるんだから世代刷新をもうちょっとアピールした方がいい気がするのですが。

2012年10月1日月曜日

個人における主観と客観の割合

 このところ長期連休中で家に籠っていることもあり思想がやけに発達してます。苦労しながら得られる哲学もありますが、やっぱりある程度時間に余裕がないとこういうものは考えられないと再自覚されるのですが、私なんか意識してたけど昨今の大学生は意識してるのかな。これも先日に友人と話しましたが、余裕のある大学生の時代に思想を広げられないのであれば恐らくその後一生広げられないのではと本気で思います。

 そろそろ話を本題に入りますが、友人から度々、しかもかなり激しく注意されるくせに未だに私は相手を値踏みする癖をやめることが出来ません。他人をどう評価するかですが、勝手な想像ですが恐らくほかの人はある一面、仕事ができるか知識が多いか性格がいいかお金を持っているかなど焦点を絞って分析しているように見えますが、自分の場合は異常と言っていいくらいの数量の分野を項目ごとに比較して総合的に判断するように心掛けています。そんな比較指標の一つとして、今回取り上げる「主観と客観の割合」は重要指標として重く評価する材料となっております。

 主観と客観の割合と言われてピンとくる人はまずいないかと思いますし、こんな指標でもって他人を判断するのはまず以って私くらいでしょう。これの意味するところは一言で言い表すならば、「自分の意見と他人の意見で、どっちをどれだけ優先するか」です。これは普段は百分率で比較しているのですが、たとえばほかの人の意見を全く聞かず自分の考える通りがすべて真実だと考えている人は主観100%で、逆にまったっく意見を持たずに周囲の意見に完全に流される人は客観100%です。
 具体的にどこに中間点(主観50%、客観50%)を置くかは厳密には難しいですが、比較さえできればいいので私は平均的な日本人の態度を50%:50%に置いて比較をしております。国際的に比較するなら日本人はやはり自己主張を控えるところがあるので、中国人やアメリカ人は主観の方が60%や70%に達し、逆に客観は40%や30%へと落ちていきます。また宗教をやってている人間も一部の価値観を信仰内容に合わせるため主観より客観が多くなると考えており、このほか軍隊にいる人間もその集団性から主観が低下します。

 この段階で何かピンと来た人は恐らく私と同じ社会学出身だと思いますが、この考え方のベースには社会学者エミール・デュルケイムの「自殺論」に依っています。この自殺論では主観をどちらかというと「自我」という言葉で表現しておりますが、この自我の割合が極端に高い人ほど自殺する傾向が上がり、また逆に自我が極端に低い人も同じように自殺する傾向が高いと統計で証明しております。現実に日本の自衛隊を含む軍人の自殺率は一般の自殺率と比べ世界各国で高い傾向があります。宗教に関して言えばカトリックより主観が強いプロテスタントの方が自殺率が高く、カトリックの人くらいのバランスが対自殺という面では主観と客観の割合が一番いいのかもしれません。
 念のため付け加えておくと、イスラム教の場合は生活苦などの自殺は少ない一方で殉教とか自爆テロが多いので、やはり客観が強すぎるきらいがあると私は考えております。

 話を元に戻しますが、こうして主観と客観の割合という面で他人を比較分析すると意外と楽しいものがあります。どんな人の意見も聞く人もいれば年下の意見は内容はどうあれ聞かない人もいたり、ちょっと前まで散々持てはやしたくせに流行が廃れるや見向きもしなくなる人など、やっぱり人それぞれに個性があって千差万別です。
 上の自殺率の話で書いたように、一概に主観が強ければ強いほどいいというわけではなく、やっぱりこれはバランスだと思います。隣人にするなら言うべきことは言って、他人の意見にもきちんと耳を傾けられるバランス感のある人間がやはり望ましいでしょう。ただ一つの集団の中で考えると主観と客観、どちらかに偏った人間が求められることになります。

 その代表格はまさに上に挙げた軍隊における一兵卒です。末端の兵士は上から下りてきた命令内容に疑問やためらいを持って行動が遅れたりすれば部隊全体に影響することがあり、可能な限り主観が低いに越したことはありません。逆に司令官は周りにほだかされて自分の決断をコロコロ変えたりすればまず負けるため、強烈な主観が求められることになります。
 一般企業においてもこれは同様です。末端はなるべく主観を持たないで仕事し、管理職や役員はある程度固定した思想が求められます。ただ最近は世の中の仕組みが変わってきていることもあり、以前より末端社員が主観を持つというか自分で判断して処理しなければ仕事がうまく回りづらくなってきていると私は考えています。もっともそれは上層社員も同じことですが。

 ただここで一つ疑問が出てきます。管理職や役員は強い主観を持つべきとはいっても、間違った経営判断を頑固に維持することは経営上問題なのではないかということです。となるとやっぱりバランスのいい人が望ましいのか、これに対する私の答えは否で、もう一つ概念を加えて考えればすっとおさまるような気がします。なんか今日はもったいぶった言い方が多いですがその概念というのも、「論理的思考ができるかどうか」です。
 私は最初に「自分の意見と他人の意見で、どっちをどれだけ優先するか」が主観と客観の割合を決めると書きましたが、これは必ずしも「他人の意見を採用するかどうか」には関わりません。何故ならば自分と他人の意見が最初異なっていたとしても、冷静に損得を考えて他人の意見が有利と判断してそちらを採用するというのも、主観の判断だと取れるからです(少なくとも私には)。仮に自分の意見が有利だと思いつつも周りを気にして他人の意見を採用するのであれば主観が低いと言わざるを得ませんが、比較判断した上でより有利な意見として他人の意見を取ることはまさしく自己の判断と言えるでしょう。

 この比較判断が出来るということこそが論理的思考ができるかどうかです。論理的思考ができないというのはこの場合、自分の意見と他人の意見のどっちが有利かを全く考えず自分の意見を自分が考えたのだからという理由で採用することになり、いわゆる問題のあるワンマン経営者が出来上がるというわけです。説明するのが面倒なのでサラリと流してしまいますが、この論理的判断は主観があって初めてできる行為であって、客観の方が強い人間は不可能です。そういう意味で経営者などには、論理的思考ができることを前提でやはり主観が強い人の方が向いていると私は考えます。逆に論理的思考が出来ないのであれば早めに放逐した方がいいでしょう。

 最後に私の自己分析ですが、主観と客観の割合は90:10くらいかなと考えてます。基本的に自分が間違っていると思うことに対して一切合切拒否しますし、自分が納得しない限りは人の意見を完全に無視しているからこの計算となるわけですが、ただ一人の友人が話す意見に対しては内心で「それ違うんじゃないかな」と思いつつも、その友人が言うのだからと無条件で従います。ほか3人の友人に対しては意見が対立した際、自分の意見を一旦は必ず保留にして再検討するごく限られた謙虚さを持つので、客観を10と計算した次第です。こんな性格な分、普段接する上でも主観の強い人間の方が好みというところがあります。

2012年9月30日日曜日

日本人に向いている産業、向いていない産業

 かなり以前に友人がこのブログで、「技術的な摺合せが求められる自動車産業には協調を大事にする日本人が向いているが、画期的なデザインや機能性が要求される電子産業には保守的な日本人は向いていない」という旨のコメントを書いてくれましたが、我が友人ながらもっともなことをいうものだと非常に感心し、よくほかの人にもこの話を聞かせております。先日にも社内の同僚にこの話を聞かせてみたのですがその際に、国ごとに向いている産業、向いていない産業というものはあるのか、あるとしたらどんな国にどんな産業が向いているのかといった内容で簡単な議論となりました。

 まず日本人に関して言えば、上の友人の言う通りに自動車産業が明らかに向いていると私も思います。片っ端から挙げていくだけでエンジン、マフラー、ラジエーター、トランスミッション、内装部品、デザインと、全く専門分野の違う人間同士が集まって一つの車体を設計しなくては鳴らず、一台にまとめるためには各分野で主張したり妥協し合ったりする必要があります。ただ「妥協するなら俺に任せろ」と言わんばかりの日本人にとってはこうした作業はお手の物というか、容積の小さいコンパクトカーや軽自動車であれだけ高い性能の車を作るのはやはり世界屈指な気がします。逆に冷静に上海で走っている車を見ると、GMなど米メーカーの車というのはどれも性能の割に無駄にでかい車(中国人には受けるのだが)が多く、多分アメリカ人はお互い妥協できず、無理矢理詰め込もうとしてあれだけ車体がでかくなるのだなという風に推察しています。

 逆に電子機器分野においては、こちらも友人が言うように今の日本人には競争力がないと言わざるを得ないでしょう。かつてサイクルの速い業界、それこそ「昨日の勝者が今日の敗者」というくらい流転の激しい業界としてIT業界が代表格でしたが、今や電子機器業界もそれに負けるとも劣らないくらい業界サイクルが早まっていると言わざるを得ません。日本国内で見ても5年前に日本で最も勢いのあった電器メーカーのシャープが創業100周年の今この時に経営の危機になっておりますし、中国でも太陽電池メーカーとしては世界最大手だったサンテックパワーが経営危機に瀕しており、つい先週もそろそろナスダックで上場廃止になるという記事を私も書きました。

 そんなサイクルの速い電子業界で何が求められているのかというと、やはり培った技術以前に革新性が今一番求められているかと思います。この革新性でどこが強いかと言ったらそりゃなんといってもiPhoneに代表されるアップル意外にほかなく、後はインドで「鍵付き冷蔵庫」とか「音楽プレイヤー付き洗濯機」とかを出しているサムスンが続くでしょう。ちょっと話が飛びますが、以前に「スティーブ・ジョブズが何故日本で生まれないのか」という記事が出ておりこれについてネットの掲示板でも取り上げられていましたが、その中で見受けられた意見に、「そりゃ数ヶ月もシャワー浴びず、ジーパンサンダル履きで他社とのミーティングに出てくるような奴が日本で会社勤めできるわけない(ジョブズの実話)」という一言がありこれに勝る回答はないと私も感じます。私の方から更に付け加えると、ジョブズはエレベーターで乗り合わせた社員に対していきなり、「やぁ久しぶり。ところで君、明日らもう来なくていいよ」と平気で解雇通告とかやるような奴だったらしいです。まぁこの後、自分が役員らに追い出されることになるんですが。

 ただこんなジョブズでも、アメリカという国は受けれてしまう度量の深さがあります。どれだけ私生活に問題を持ってても、一般常識がなくとも会社に価値をもたらすのであればきちんと採用して活かしてしまうところがあるため、革新性という領域においては他国の追随を許さないでしょう。逆に日本社会はどれだけとんがった才能があってもネクタイを締めていなければ人間として扱わないところがシャレや冗談抜きであり、一分野にどれだけ優れていても何か一つ欠けていれば全く相手にしません。そんな環境で革新性なんて生まれるわけなどなく、革新性を持つ人間は会社に属さない漫画かなどの分野でしか見受けられない気がします。なお敢えてジョブズに近い人間だったと私が思えるのは、故横井軍平だったのではないかと密かに考えてます。

 上記のような日本人とアメリカ人の違いをスポーツにたとえると、打撃も守備も両方とも上手くなければならない野球が好きな日本人と、蹴る人間と走る人間と壁を作る人間ではっきり役割が分かれているアメフトが好きなアメリカ人だと説明しております。技術力とか教育以前に、やはり国民性というか文化がどの産業に向いてるかというのを決めるのではないかと言いたいわけです。

 ここでまた話は変わりますが、ならば中国人はどんな産業が向いているのかということが社内での議論で一番盛り上がりました。結論から言うとローコストオペレーションが強いのではないかという話になり、たとえば中国の自動車メーカーの多くは自分の会社でエンジンとか主要部品は一切作らず、それこそ日本の自動車メーカー(比較的多いのは三菱)からエンジンをそのまま調達し、その他の部品と組み合わせて1台作るということが多いです。
 中国人企業家の多くは、「安い費用で調達出来るのなら自前にこだわる必要がない」と割り切る人が多く、場合によっては知的財産権すら平気で無視してその場で集められるものでぱっと作ってしまうところがあります。日本の企業家と比べて決断の早いところも加わり、安い材料を集めて製品化するという分野においてはなかなか競争力が高いのではという風に議論が進んだのですが、そのかわりせっかちな性格が災いして長期的な開発計画なんかは苦手で、安価大量生産モデルからやはり脱却できないのではという意見も出てきたわけです。

2012年9月29日土曜日

中国で人気が出そうな人気お笑い芸人

 今日また上海人の友人と一緒に夕食を取りましたが、その際に「どんなお笑い芸人が中国で人気が出そうか」ということが話題になりました。知ってる人には早いですが今最も中国で名前が知られている日本人は野田首相でもなく石原都知事でもなく、AV女優の蒼井そらなのですが、彼女が何で人気なのかというとAV女優という経歴に加え中国語で自ら意見を発信出来るということに尽きます。これは見方を変えて言うと、中国語で直接発信することが出来れば日本人も中国でそこそこの知名度を得やすいということで、日本のお笑い芸人もこっち来て活動すれば有名になれるんじゃないかという話になり、今日こんな話題となりました。

 それで具体的にどんなお笑い芸人が受けそうかというと、まず中国のお笑いというと「相声」という漫才が基本です。一方、最近批判が集まっていますが日本のお笑い芸人が得意とする体を張った芸とかリアクション芸が少なく、こうした芸が得意な芸人が受けるのではないかということで友人と一致しました。
 そんな友人が今回一番押していたのは世界のナベアツこと渡辺鐘氏で、3の倍数だけアホになる芸とかわかりやすく中国でも受け入れられるのではないかと太鼓判を押していました。そのほか見た目で面白いのとなるとレイザーラモンHGとかほんこんなどが中国でも受けやすいと話し合いました。

 自分のブログにしては文字数が極端に少ないですが、友人にまたしこたま酒を飲まされて、正直に言って今吐きそうなのでここで筆を止めます。っていうか飲めないのわかってるのになんで毎回飲ましてくるんだろうか。

2012年9月27日木曜日

自民党、安倍新総裁への嫌味な報道について

 今日から自分中国の建国記念日こと国慶節休みのため、長い連休に入ります。このブログ用にちょっと面白い題材を見つけているので、そちらの作成準備とかしようと考えていますが、今日早速1時間半の昼寝をやったあたり、睡眠時間が加速度的に増える可能性が高いです。ちなみに私の睡眠に関してもう少し書くと、どうも中国の留学に言ってから昼寝する癖がついて、一日2時間程度昼寝しても夜もちゃんと寝られるので普通に10時間くらい一日で寝ることも休日中はざらです。これくらい毎日中学生の頃に寝ていたらどれだけ背が伸びた事やら。

 話は本題に入りますが、先日の自民党総裁選を経て総裁職に復帰した安倍元首相ですが、このところのマスコミの報道がさすがに気になります。はっきり言ってこんなくだらない内容を自分が取り上げるべきなのか迷いましたが、3年くらい後に政治史を振り返る際に必要あるかと判断してもう書いちゃいます。

安倍新総裁、高級カツカレーにネット非難(日刊スポーツ)

 既に各所で報じられているため大半の方もご存じでしょうが、安倍総裁がこのまえ昼食に食べたカツカレーが3500円であったということをテレビ局から新聞各社まで「庶民感覚とずれている」と批判する論調で報じております。はっきり言いますが、こうした報道は真面目に常軌を逸しているとしか私には思えません。別に昼に何食べようがそんなの個人の勝手だし、仮に1回の昼食が350万円とかだったらそりゃ報じる価値あるとは思いますけど、一流政治家なんだからこれくらいの昼食代くらい普通ではないかと私には思います。逆にそれこそ500円で定食出しているような食堂にふらりと知名度の高い安倍総裁が来ようものなら店内パニックになる恐れもありますし、そうした無用な騒動を避ける意味でもホテルのレストランで食べるのが自然でしょう。

 それでこの日刊スポーツの記事ですが、ネット上では安倍総裁を非難する声が出ていると書いていますが、私が見る限りだとネットの掲示板ではむしろ「こんなくだらない揚げ足取りをしてどうする」とばかりに報じたマスコミを批判する内容しか見受けません。もちろん私が見ていないだけでもしかしたら実際にあるのかもしれませんが、ネット上の意見というどうとでも取れるよな根拠の薄い材料を持ってきてまで安倍新総裁を批判したいのかと言いたくなったわけで、少なくとも私個人としては「批判されるべきは報じているマスコミ自身だ」ということをネット上の意見として一言言おうと今回記事にしようと思ったわけです。
 なおこのカツカレーですが、ロケットニュースが実際に該当のレストランに行って食べに行った内容をレポートにまとめています。

安倍新総裁が食べたという「3500円のカツカレー」を食べてみた!! 上品すぎてカレーを逸脱しているレベル(ロケットニュース)

 はっきり言ってロケットニュースは平気で誤報を報じるから私個人として非常に嫌っているのですが、この記事に関してはタイムリーであるし面白く、文句なしに太鼓判押せるいい記事です。それにしてもこう何度も「カツカレー」という文字を見ているとカレーが食べたくなってきますが、昨日やけにカレーが食べたくなって昼食にココイチの野菜カレー(28元)食べに行ったのも例の記事を読んだ後だったからなのかもしれません。

党内から「『お友達内閣』アゲインだ」との声 幹事長に石破氏起用に拒否反応も
徳島の自民県議が安倍氏中傷 ツイッターで持病揶揄「何時投げ出すんですか!?」(産経新聞)

 このカツカレーに限らず、総裁就任後に安倍総裁を批判する記事が異常に多く見受けられます。就任が決まったばかりだというのにここまで批判が集中するのは私個人として不気味に感じるくらいです。特に上の「お友達内閣」と批判している記事に関しては石破氏を幹事長に下だけで、なんでこの時点、政調会長などほかの役職人事も決まっていない段階(政調会長には暗殺拳で有名な甘利氏に今日決まりました)でお友達内閣と言えるのか、自民党議員の一言として載せられていますがこんな内容を記事にして出すなんてやっぱりこっちも常軌を逸しているような感覚を覚えます。
 でもって下の徳島県議の話に至っては、その内容の下品さもさることながら安倍総裁を揶揄した理由を「地方の声を無視された腹いせに、新総裁の悪口を言った」とのたまっており、なんでこんな人間が県議になれるんだよといろんな意味で不安になってきます。なおこの徳島県議に限らず総裁選直後は地方党員票で石破氏が上回っていたのに、民意を無視したなどと安倍総裁への就任を批判する記事が多数見受けられましたが、これらに関しては見当違いもいいところだと思います。というのも決選投票になるのは初めから公示されていたシステムで、こういう結果になることもシステム上わかりきっていたことで、それを後からケチつけるのは間違っているでしょう。また自民党員だけの投票を「民意」とするのは無理があります。

 更にもう一言付け加えると、安倍氏も石破氏も選挙戦の内容を見る限り目指す路線は共通しており、現に今回石破氏は幹事長に就任してます。路線が同じ人間同士なのになるべき総裁が違うと批判するのは、政策を見て言っているのではないなと私は判断します。
 ここまで肩持っておきながらですが私個人としてはそれほど安倍氏を評価しておりません。ただ何もしていない段階でこれほどお門違いな批判が集まるのは異常としか思えず何か背後関係があるのでは、具体的に言うなら放送関連の免許とか影響しているのかなと勘ぐっています。

2012年9月26日水曜日

留学から帰国後の一年半

 本日行われた自民党総裁選の結果は私の予想通りに決選投票で安倍元首相が勝利し、見事総裁の座に返り咲く結果となりました。内心、世論調査で石破氏が有利という報道が出ていたこともあり予想外すんじゃないかとちょっと焦ってましたが。
 そんな私の杞憂は置いといて、このところというか先週からデモの話題ばっかで一昨日に至っては「クズ」と連呼する過激な記事を書いたこともあり(書き終ったあとはやけに気持ちよかった)、今日は軽いネタとばかり今日ちょっと思いついたことをさらりと書こうかと思います。

 知ってる人には早いですが私は大学在学中、日本の大学を一年間休学して北京に留学に行きました。休学を開始したのは三回生の前期が終わった段階で、一年間の留学を終えた後はまた三回生の後期から復学しました。そのため留学から帰国後は日本の大学生を一年半やったわけなのですが、今思うとやっぱりほかの学生と比べてこの時期はやや特別な一年半だった気がします。一体どういう点で特別だったのかというと、まずもともと同じ学年だった友人たちは既に四回生で、就職活動を終えて社会人の準備やら卒業論文を書き始める段階でした。また私自身は復学後に学年が一つ下り、それまで全く付き合いのなかった一学年下の下級生と同じゼミに入ってその後卒業まで一緒に過ごすことになりました。

 今振り返ってみて初めて感じたのですが、なんというか帰国後の最初の半年間は見送り、見送られるような期間だったと思います。この時期はやはり元の学年の友人らとつるむことが多く、みんな内定先の企業に関連した業界やら資格を調べており、逆に就活を控えた自分は友人からアドバイスを受けたり、そして何よりも卒業を控えた友人らをまだ学生で居続ける自分がちょっと距離を置いた感じで見ていた感じがします。なおこの時に受け取った印象的な言葉は、一つは議論中に言われた「全く衰えがないね」という言葉で、もう一つは内定先の企業について語った「むちゃくちゃ働かされそうでめっちゃ恐いわ~」の2つです。後者のセリフを発した友人は見事予感が的中し、私の知り合いの中、っていうかネット上で探してもあれだけ働く人間はそうはいないってくらいの勤務時間ホルダーと化してます。

 そんな最初の半年間の後、次の半年間こと4回生の前期は就活で苦労したという思いでしかありません。今日もなんか同僚にこの時のことを話しましたけど、この前にナインティナインの矢部氏が発症した自然気胸になったり、100社以上にお祈りメールを受け取ったり、就活でなかなか授業に出られなかったりと心労の絶えない時期でした。
 でもってその次の半年間こと4回生後期ですが、この時期にはというより4回生になった時点で卒業必要単位は全部そろえてというか軽くオーバーしており、無理して授業も出る必要もないんだから自由にやれることをやろうと思い、既に一度履修して単位を取っていた授業に再び出席したり、京都市内を自転車でやけに走り回ったりしてました。ただこの頃になると新しく同じ学年になったゼミの友人とも仲良くなり、また同じ下宿だった後輩たちも近くに住むようになったので、あれこれと関わる回数がそれ以前と比べて段違いに増えていた気がします。

 ここで話が少し変わりますが最近になって自分が同世代と一線を画す点として、比較的年齢の違う層との交流が多いような気がします。この前に会った友人に学生時代の後輩、または先輩との付き合いなどを聞いたところあまりないと答えており、そりゃ体育会系にいた人と比べれば屁みたいなものですが、友人の年齢層はまだ広い方だったような気がします。
 私自身はこの呼称を使うのは非常に嫌ってますが、よく企業の採用担当が抜かす「コミュニケーション能力」というのは「どれだけクズの言動に耐えられるか」という意味ともう一つ、「世代の違う層とどれだけ理解しあえるか」というのが連中の言いたい定義だと思います。前者はともかくとして、後者に関しては確かに自分も同世代の人間たちに対して相手が一学年や二学年違うだけで会話のテンポが悪くなるところが見受けられるなど、もうちょっと何とかならないかなと思う時があります。

 このところ技術革新のスピードが速いために一学年違うだけでも文化が変わったりすることもありますが、その文化の差を面白いと思える人が自分以外にあんまり見ません。まぁこれは社会学専攻だった自分ゆえの特徴なのかもしれませんが、私個人としては年齢の違う人間と話をすると面白いと思うことも多いし、同世代に対して同じ学年で固まらずにもっと積極的に付き合った方がいいのではないかと思います。そう思う別の根拠もあるのですが紙幅も取られていますし、また今度別の機会でそれは書くことにします。

2012年9月24日月曜日

クズが溢れる世の中

 最近また思想関連の話を書いていないので、駄文を一本投下します。先日に友人とスカイプで話をした際に、こんなことを私は友人に言いました。

「君は以前から物事に対して文句が多い人間だったが、社会人になってからは周囲の人間に対する愚痴がすごく多くなった。学生時代は俺が何度言っても理解してくれなかったが、世の中クズが多いということがようやくわかってきたんじゃないの?」

 文章にすると見も蓋もない限りですが、ほんとにこんなことを友人に向かって言ってのけました。
 その友人とは大学生時代から付き合いを続けておりますが、学生時代は政治や経済といった話では意見がほとんど一致しながらも、人権や人間の精神に関する話題では真逆とも言っていいくらいに意見が一致しませんでした。一体何故こうも一致しないのかと一度話し合いましたが、その友人からは育ってきた環境というかバックグラウンドがあまりにも違い過ぎることで、お互い歩み寄ることが出来ないのだろうと指摘されました。

 具体的にこれはどういうことかというと、友人からするとこれまでの人生で私をいろんな意味でわずらわらせてきた人間が世の中に存在すること自体が理解できなかったそうです。わずらわらせてきたと言っても包丁で刺してきたりとかではないですが、漠然に言うならやる必要があるとは思えない嫌がらせを延々と仕掛けてきたり、無意味としか思えない行為を繰り返してきたりとかです。
 一つだけ実例を挙げると、私は小学校六年生の比較的早い時期に受験を終えて進学する中学校の入試に合格したのですが、合格するやそれまで一度として話をしたことのない別のクラスの人間が毎日嫌味を言い始めてきました。それこそ「そんな偏差値の低い学校に受かっていい気になってるんじゃない」とか、「俺なら開成余裕で受かる(結局落ちてたが)」など、毎日しつこく続くもんだからそいつのクラスの担任に言ってやめてもらうように言ってくれと伝えましたがやまず、仕方ないから一回だけ締め上げたらそれからは自宅に無言電話とか、わざわざ私の家まで来て自転車チェーンを外す嫌がらせに切り替えてきました。今思うと、指一本くらいならへし折ってやっても良かったなという気がします。

 これは私が身を以って体験したクズの中でも極端な方ですが、これに負けるとも劣らず、今の自分を以ってしても全く理解することのできない行為を続けるクズに私は小学校から高校時代まで一貫して取り囲まれていろいろと面倒でした。大学入って初めて、「世の中まともな人間も多いもんだなぁ」と決して誇張ではなく真面目に思ったくらいです。
 そんな自分に対して上記の話をした友人は、まぁ私風に言わせればいい家族といい友人に囲まれていたようで余計なクズに煩わされることがほとんどない人生だったようです。そのため私は大前提に、「世の中は救いようのないクズで溢れている」と信じ切っているのに対しその友人は、「人間はそもそも救われる価値なんてない」とは言いつつも(今でも)、人間同士、それも日本人同士ならば話し合えば最終的にはどこかでわかり合えると思っていた節があります。

 前置きが長くなりましたが、まぁそういうやや甘い考えを持っていた友人も立派な社会人となり、京都風に言うなら「日本語の通じない日本人」と接することが増えてきて、ちょっとずつ私の側に近づいてきている感じです。繰り返しになりますが私は世の中には本当に救いようがないというか、歩み寄ってくれなければ歩み寄りようがないクズが自分を含めてたくさんいると思います。
 それこそ今の日中対立のように国の利益や国民を背負う政府代表者が歩み寄れないというのならまだ理解のしようがありますが、個人レベルであるにもかかわらず全く歩み寄らないばかりか、自らの不当な要求を平然と突き付けてくる人間は確実に存在すると考えております。自分がそういうクズとは一線を画す人間だとかそういうことをいうつもりはなく、むしろ大きな目で見れば同じ穴のムジナだろうと考えてますが、私個人としてはなるべくならこういうクズとは関わりたくないし世の中から一掃できればきっと今より物事は良くなると信じています。

 さっきからクズ、クズと連呼しておりこれまでの私のブログ記事の中でもえらく過激な内容が続いていますが、私がクズだと思う人間の特徴を敢えて挙げるとしたら、あまりよそでは見ない意見ですが、目的と手段を同一視、または両者の因果関係を平気で入れ替えてくる人間というのが最大の特徴だと思います。
 これはどういうことか例を挙げて説明すると、たとえば企業内で上司が部下を叱るのは普通、その部下の間違っている行動を修正するためであって究極的には部下を育成するという目的がある、というかなきゃいけないでしょう。この場合、部下を「育成する」というのが目的であって「叱る」という行為は手段ですが、これがクズな上司だと部下を「叱る」こと自体が目的となり、「育成する」というのが手段となり得ます。ここでパッと情景が浮かんできた人は多分私に近いのだと思いますが、「お前のためを思って言ってやってるんだぞ」と言いながら全然業務と関係なく、自分ルールを基準にあれこれケチつけたり文句言ってくる人間がこの類です。

 この例に限らず、私が遠目に見ていてなんかおかしいんじゃないかと思う人の行動は目的と手段が一致しない、手段自体が目的となって行動している人が多いように思います。それこそ政治家においても、世の中をよくするため、制度を変えるために政治家になるのではなく、政治家になること自体が目的と化して耳触りのいい制度改革案を思いついては口にする政治屋のように、どっち向いて行動しているのかがわからない人間にクズが多い気がします。
 何も人間、常に目的と手段を意識して一致させる必要はありませんが、以前の記事で書いたように魂というか意思のない人間ほどつまらないものはなく、はっきりとした目的意識を持って手段を選ぶ人間となるべくなら私も付き合いたいです。

2012年9月22日土曜日

今日の上海領事館周辺



 折角新しいカメラもあるんだし、雨の中上海領事館周辺に行ってきました。
 特にあれこれ語ることはないですが、今日は土曜日で通常業務は行っておらず、また雨も降っていたことからデモ隊なんか影も形もありませんでした。




領事館の周辺道路は関係者以外完全封鎖。


警備に動員された警官は依然とたくさんおり、木陰で集まって弁当を食べていた・




 領事館館周辺ではありませんが、日系コンビ人チェーンでは見ての通り中国国旗をどこも店頭に掲げてます。なんか日本の建国記念日みたいだ。

2012年9月21日金曜日

民主党総裁選の結果について

野田首相再選…全ポイントの7割近くを獲得(読売新聞)

 大方の下馬評通りに本日、民主党の総裁選で野田首相が再選しました。得票率は一回目の投票で約7割と、過去の民主党首相と比べると党内支持基盤がしっかり固まっている党首だと言えそうです。今回の民主党代表選では比較的党内議論の論点が出てきており、野田首相にとっても民主党にとってもなかなかいい政策PRになったんじゃないかと思います。
 なお今回この代表選を見ていてちょっと感じた点ですが立候補した原口元総務相が、「野田総理は党を分裂させた責任がある」と批判してましたが、私が見る限り党内分裂を進めていたのは野田首相以前から小沢一派であって、ちょっとこの批判は的はずれじゃないかという気がします。それに連中追っ払ってガチって固まってきたんだし。

 変わって自民党総裁選についてですが、現時点の私の予想だと安倍元首相が再選するんじゃないかと思います。世論調査では石破氏が最も人気ですが、平沢勝栄議員に次いで「党内窓際族」と言われるほど長老議員から嫌われていることもあり、ちょっと当選は難しいんじゃないかと思います。あと石破議員は私もその実力を買ってはいますが、総理というゼネラリストよりは農林水産大臣など専門的立場の方が力を発揮しやすいスペシャリスト的な議員だと思っているので、本人には悪いですがこっち方面で働いてもらいたいです。

 ほかの候補者について話すと、テレビの演説を見ただけですが林議員はなかなか話し方がうまく自民党にしてはいいタレントを作ってきたなと感じます。ただまだ若いことから今回はステップアップの段階で当選は難しいでしょう。あと石原幹事長については谷垣総裁をちょっと小さくしたような感じで、発言に慎重性もなければ鋭さも感じられず、この前も「サティアン発言」をするなど議員以前にいい年した大人として大丈夫かとちょっと不安を感じます。無能だとは言いませんが、政権奪回を狙う野党党首を務めるには力不足な感は否めません。
 そして現在入院中の町村議員については、以前にも書きましたがこの人は前回の総選挙で小選挙区では落選しており、比例復活当選をしている時点で総裁選に出馬する資格はないと私は思います。さすがに待てば同じ意見が出てくるかなとか思ってたのですが、今の今に至るまで私と同じことを言う人がおらず、「もしかして自分、筋違いなこと言ってるの?」とちょっと不安を感じてきました。いくら何でもこの人には自民党総裁、下手すれば次の総理候補にはなってもらいたくないのですが。

2012年9月19日水曜日

尖閣諸島の帰属をめぐる歴史と論点

 コメント欄でリクエストを受け取ったので、今日は久々に反日デモの話と切り離して尖閣諸島の帰属をめぐる歴史と日中が主張する論点をまとめようと思います。それにしても記事カテゴリーは「中国のはなし」ではないにしても、「社会のはなし」とするか「歴史のはなし」とするか、「政治のはなし」とするかで迷いました。こんなに候補が出るのは多分初めてだろうな。
 早速本題に入りますが、まず出典というか参考にしたサイト2つを先に紹介することにします。

尖閣諸島の領有権についての基本見解(外務省)
尖閣諸島の領有をめぐる論点―日中両国の見解を中心に―(国立国会図書館外交防衛課)

 両者ともに書かれている内容は完全に一致しておりますが、国会図書館の方が論点などきれいに整理されて詳しいのでそこで書かれている内容をブログ形式にざっくり紹介することとします。

 まず明治自体以前の尖閣諸島の歴史に簡単に触れますが、日本と中国それぞれの古文書に出たり出なかったりしておりますが、少なくとも島の存在自体は両国ともに認識していたようで、沖縄や台湾の漁師たちが上陸し合っていたようです。ただ中国の新聞とか産経新聞が江戸時代くらいの資料を引っ張り出してそれぞれ尖閣諸島が書かれているのを見て、「昔からうちの物だ!」と主張し合ったりしていますが、私の意見を書くとそもそもこの時期は両国ともに現代、敢えて専門的に言えばヨーロッパのウェストファリア条約締結後に生まれた「国家」という概念が出来ておらず、議論するだけ無価値だと考えています。というのも領土線というのは国家と国家、さらに言えば国を代表する政府間で初めて出来上がるもので、当時は国家でもなく領土交渉すらなかった徳川幕府と清の時代のことを言い合うのは不毛でしょう。

 となるといつごろからこの議論を見るべきなのかは、やはり日本が正式に国家となった明治時代以降の取り扱いです。この頃だと中国も阿片戦争にやられて西洋から不平等条約を叩きつけられるなど、体面としては一応西洋式の国家橡を持つようになったと私は判断しています。
 そんな国家となった日中の間で最初に尖閣諸島の論点となるのは日清戦争、それも領土交渉も含まれた下関条約締結前後の取り扱いです。ここから双方の主張が食い違ってくるわけですが、日本の外務省によると日清戦争が行われている最中の1985年1月、尖閣諸島を清が支配していないことを確認した上で日本の沖縄県に編入したと主張しています。一方、中国は尖閣諸島は下関条約以前から清が支配しており、現在の台湾省に含まれていたと主張しています。

 ここが重要なので詳しく二度書きしますが、この時期に日本は尖閣諸島が沖縄県に所属するのに対し中国は台湾省に所属すると主張し合っているわけです。ただこの後の1985年4月、日清間で下関条約が結ばれて台湾は正式に日本の植民地となるわけですが、中国側はこの時に尖閣諸島が台湾と一緒に初めて日本の領土に入れられたと言っているわけです。

 その後、日本の明治政府は1900年に古賀辰四郎という実業家に尖閣諸島を無償貸与し、古賀も開発を進め尖閣諸島には一時期200人を超える島民が居住したそうです。その後、古賀は長男に島の領有権を売却しましたが、戦時中の1940年代前半に開発事業は中止され無人島となりました。ここら辺は全部ウィキペディアからの引用となりますが、その後の島の領有権は古賀の長男からその妻へ、その妻から知人である埼玉県内の人物へと移り、今月に日本政府がこの人物から買収する形で国有化されることとなったわけです。

 ざらっと明治以降の尖閣諸島の歴史を追ってきましたが、日本側はこのような背景から明治の編入以降、尖閣諸島は一貫して日本の領土だったと主張しているわけです。これに対し中国側の主張ですが、

・尖閣諸島は下関条約以前に台湾に所属していた
・日本はサンフランシスコ平和条約で台湾・澎湖諸島の領有を放棄した
・尖閣諸島は元々台湾に所属していたのを日本が勝手に沖縄県所属に変えていた
→だから台湾と一緒に、尖閣諸島の領有権もこの時に放棄されたはずだ!
→台湾に所属するのだから、領有権は中華人民共和国にある!

 あくまでも素人意見で間違っているかもしれませんが、少なくとも私の理解はこんなところです。ポイントとしてはやはり、尖閣諸島が沖縄県に所属していたのか、台湾省に所属していたのかといったところでしょうか。

 ただこの流れは日本側の主張に出てくる中国側の姿勢であって、こんだけ書いておきながらですが少なくとも一般の中国人の尖閣諸島に対する認識はちょっと違うんじゃないかと思います。じゃあ中国人は何を根拠に尖閣諸島の領有権を主張し日本の非道を訴えているのかですが、少なくとも周りの中国人や中国のネットで出ている意見を読む限りだと、二次大戦後に米軍が沖縄を統治し、1972年に日本へ返還される際のどさくさに紛れて編入された、と考えているようです。まだ細かく検証していませんが、少なくとも1945年の終戦までは植民地である台湾と共に尖閣諸島は日本の領土であったが、終戦直後にこれまた台湾と共に尖閣諸島は中国の領土になったと考えているんだと思います。ただ無人島だったのをいいことに、台湾に所属していた尖閣諸島を日本は1972年の沖縄返還時にちゃっかり「沖縄県所属の離島」として編入して実効支配を始めた、と考えているようです。更に言えば、この編入は日米が手を組んで確信犯で行った策略だ、あいつらは汚いなどという主張も見受けられます。
 ややこしいのでちょっと時系列にして下記にまとめます。

  中国が主張する尖閣諸島の帰属
・1895~1945年:台湾と共に日本の植民地
・1945~1972年:台湾所属の離島(この時は日本も何も言ってこなかったと考えてる節あり)
・1972年以降:台湾所属の中国領土だが日本が実効支配

 あまり日本のメディアでは見受けられないのですが、やはり中国人は尖閣諸島問題において1972年の沖縄返還を最大のターニングポイントとして非常に重要視ししているように見えます。まぁネタ明かしをすれば、1970年代後半になってから中国が領有権を主張し始めたことからこういう主張になったのでしょう。更に言えば中国、これは韓国もですがどうもこの二ヶ国は「植民地という制度自体が無効」という価値観を持っているので、尖閣諸島は台湾所属の植民地だったのだから日本人が住んでようが、地権者がいようがそんなの無効だとも思っているのかもしれません。

 お粗末な内容ですが以上が自分なりの尖閣諸島に関するまとめです。はっきり言ってにわか仕込みの知識で書いたので間違っているところとかあれば存分にご指摘ください。

2012年9月18日火曜日

平成史考察~たまごっち(1997年)

 以前にイグノーベル賞について記事を書きましたが、その記事では紹介しなかったものの1997年にバンダイが発売した携帯おもちゃ「たまごっち」が、「数百万人の労働時間を、仮想的なペットの飼育に転換した」という点が評価され受賞しております。

たまごっち(Wikipedia)

 知ってる人に早いですが携帯型ペット育成おもちゃの先駆的作品のこのたまごっち。仕様を簡単に説明するとキーホルダーくらいの大きさに表示画面と3ボタンがついており、画面上でドット絵のペットにエサをあげたりトイレの世話したりするゲームなのですが、発売当初はそれほど話題にならなかったものの徐々に口コミから広がっていき、大ブームとなった1997年にはどの店でも品切れが続き、白色など人気色は高値で取引されるほどの社会現象とまでなりました。
 当時の状況について私の記憶するところをまとめると、それこそ玩具店では入荷するや購入希望者に整理券を渡して抽選を行って販売したり、中古品が1個数万円で取引されてたり、学校とかで持っているのを見せるとそれだけで自慢になったりと、なんていうかゲーム自体を楽しむことよりも持っていることが一種のステータスとなっていた気がします。現に私自身も親父か姉貴がどっかから仕入れてきたのを遊んでみましたがそれほど楽しいとは思えずすぐにやめてしまったものの、「俺んちたまごっちあるんだぜヽ( ・∀・)ノ」などと学校で妙な自慢はやってました。

 このたまごっちが発売された当時のバンダイの経営状況ですが、はっきり言ってしまえば非常に悪かったです。経営状況が思わしくなかったことからゲームメーカーのセガ(現セガサミー)との合併案も実現直前まで進んで両社ともにその内容を発表するほどだったのですが、そんなときに降ってわいたかのようにこのたまごっちが大ブレイクしたことによって、社風が大きく異なっていたことなどもありますが最終的に合併案は破断となったと言われております。

 ただ合併案を吹き飛ばすほどの強烈なブームを起こしたたまごっちですが、ブームが過ぎ去るのも異常に早かったです。売れていることから大増産を行った矢先にピタリとブームが止んでしまい空前絶後と言っていいほどの在庫をバンダイは抱えることになり、1999年に45億円の赤字を計上するに至り倒産の危機へと追い込まれることとなりました。それにしても赤字45億円でピンチっていうんだから、今のシャープ、ソニー、パナソニックの赤字額がどれだけ巨額かというのが良くわかる。
 その後、たまごっちはブームの顛末を見極めきれなかった商品として歴史に名を残すはずだったのですが、2004年頃からたまごっちを知らない子供たちの間で再びブームに火が付き、なんと奇跡の再販売が行われることとなりました。もちろん中身などは一新されていますが、大きく仕様を変えずに再ブームに成功した商品として見るならば稀有な一例と考えてもいいと思います。

 このたまごっちがどうしてブームとなったのか私なりに分析すると、やはり手間がかからずそれなりに愛情を注げる対象だったからじゃないかと思います。というのも中国の新聞にまで書かれていてちょっと悔しい思いをしたのですが、現在の日本では子供の数よりペットの数が多くなっており、勝手な憶測ですがそれほど手間がかからずかわいがれる存在への需要が1997年の第一次ブームの頃に潜在的にあったような気がします。
 それと現在でこそ「育成ゲーム」というのは一つのジャンルとして定着しておりますが1997年にはまだ少なく、それ以前にあるものでパッと今挙げられるものだとスーパーファミコンの「ワンダープロジェクトJ」くらいしか浮かびません。ほかにも挙げるとしたら、同じ1997年にはプレイステーションで「がんばれ森川君2号」という全国の森川君へのからかいネタとなった異色作があることはありますが。

 ただやっぱり、育成ゲームというジャンルと携帯ゲームというのは相性がよかったのでしょう。その後も「ポストペット」や「デジモン」など似たようなものも出てきましたし、上に挙げた据え置き型育成ゲームとは一線を画すものがある気がします。

反日デモによる日本人社会への影響

 三日連続で反日デモネタです。今日はいわゆるXデーとして昨日からまたえらく騒がれていましたが、上海に限れば領事館周辺で相当数が集まるデモが起こったものの、あくまで平和的な行進に留まり石投げたりとかそういうことはなかったそうです。ただ地方はこういうわけにもいかず、先週末同様に領事館とかにあれこれ物が投げられたそうで、物騒な状態が続いています。

 さて昨日は進出している日系企業に関するネタを書きましたが、また今日も取材予定だった日系企業の開業式典がキャンセルとなり、今週はオフィスでずっとデスクワークとなることが確定しました。上海市に限れば別に開業式典などを開いても影響はないと断言してもいいのですが、話を聞いているとやはり東京本社から何か騒動があったら大変だというブレーキがかかって中止にしているようです。確かに現場(上海)にいる人間ならともかく、日本だと繰り返し放送されるあの映像を見ていたらこういう判断を取るのも仕方ないでしょう。

 話は変わって今日はちょっと中国にいる日本人社会の状況について少し話しますが、実は昨日、会社の同僚と子供の登校について話をしました。子供と言っても自分のではなく同僚のですが、なんでも先週から通っている幼稚園で日本人の男の子がずっと休んで来なくなったそうです。もちろんこの反日ムードを警戒してのことですが、今週に入ってからはほかの家でも同じように休ませるところが出ており、ある日本人学校なんか今日は完全休校となっています。こうしたことからその同僚の家でも子供を今日幼稚園に通わせるか議論となったそうですが、さすがに過度に気にし過ぎだとして結局通わせたそうです。なお当の子供は、なんで友達がずっと休んでいるのか理由がわからないという様子だそうです。

 さすがに幼稚園とか小学校では、「やーいお前の親、にほんじーん!」なんていじめられることは有り得ないでしょうが、有り得ないとわかりつつも在中日本人社会の間では不安が広がっています。既に家族に対して帰国命令を出す日本企業も出ているそうですし、私個人的にも早くこういうムードがなくなってほしいと願っています。
 その上で敢えて日本に向かって言わせてもらうと、無意味に中国を煽るような行動は頼むからやめてほしいです。今日も福岡にある中国領事館に発煙筒を投げ込んだ人が現れましたが、発煙筒を投げ込んだところで尖閣諸島が完全に日本の物になるわけでもなく、ただ無意味に中国人の感情を逆撫でするだけです。この事件は中国でもバッチリ報じられておりますが、こうしたことが続けば中国にいる日本人の危険性が高まる可能性があるだけに余計なことは本当に慎んでもらいたいです。

 ちなみに昨日の記事で書きそびれていましたが、今回のこの騒動では中国当局は比較的取るべき対応は取ってくれたなと私は評価しております。デモ自体は禁止にせず容認しましたが、大使館や領事館周辺にはそれこそ千人規模の警察を動員して警護に当たってくれて、この点に関しては素直に感謝したい気持ちを持ちます。もっともだからと言って気を許せるほど甘い国ではないんですが。
 あと最後に蛇足ですが、今月から来月にかけては日本製品のボイコットが続き、関連企業では販売量が大幅に落ちることが予想されます。特に自動車ではドイツ系メーカーに比べて日系はこのところ中国市場で伸び悩んでおり、結構深刻な打撃を被ることになるでしょう。ただここだけの話、毎月何%販売台数が伸びたとかいう記事は書く方からするとやりづらく、むしろ「○○の影響で大幅に減少した」っていう理由付けがあると非常に書きやすくなるので、自分の仕事的にはやりやすくなるなぁと漠然と考えています。と言っても今月から担当分野変わっているから自分が書くわけじゃないんだけど。

2012年9月17日月曜日

反日デモに対する日系企業の対応

 昨日に引き続いて中国の反日デモネタです。日本のメディアでもあれこれ報じておりますが、こちらでは週を開けて工場や店舗の閉鎖を発表する企業が続出しております。自分の周り、というより仕事にも既に影響が出ており、今週に取材に行く予定だった日系企業の開業式典が次々と延期しており、展示会に出展する企業に至っては、「展示会には出ますが取材は受けられません」という何のために来るんだと言いたくなるような発表をする企業まであります。それも一社だけじゃなく複数社も。

 このほか伝え聞く情報によると、既に駐在員の家族、または駐在員を含めて帰国命令を出している企業もいるとされ、再来週から国慶節の長期休暇が始まりますがそいつと合わせて丸々休みにしてしまう会社も出ているそうです。あと明日が満州事変の勃発日であることからいわゆるXデー、今まで以上に大きなデモや暴動が起こる可能性があるとして大使館なども注意喚起を行っています。
 ただ今日うちの編集部内で出た意見をまとめると、確かに明日は記念日的な日ではあるものの平日であることから先週末ほどの大規模なデモにはならないんじゃないかというところに落ち着きました。一応うちの会社でも営業は外出禁止、編集も自宅作業可(自分は出社するが)と通達して備えてはいますが、場所が上海なだけによっぽど挑発的な行為をデモ隊の前で行わない限りは心配するようなことはないと考えています。

 それにしても今回のこの騒動、昨日の記事にも書きましたが勤務地が上海だからこうしてお気楽にしていられますけど、これが地方、それも内陸の都市だったら自分もあれこれ焦ったことでしょう。割と日中の経済関係についてこれまで楽観視した意見を発信してきましたし、2010年の中国人船長による尖閣諸島接近、拿捕事件の際も中国投資は減らないと断言してましたが、今回ばかりはちょっと自信がないです。一気に投資が引き上げられることはないでしょうが、投資計画の延期とか駐在員数の削減などは行う企業は出てくるかもしれません。折悪く今年から外国人駐在員に対しても中国は社会保険料を徴収を開始し駐在コストが高まっていることから、ある程度減る恐れがあります。煽りを食うのは日系の飲食店等ですが、あくまで個人的な感想ですが、既に今日一日だけでも街中で見る日本人は急速に減った気がしてその影響は計り知れないかと思います。

2012年9月16日日曜日

上海の反日デモの状況

 当初は儲けている業種と儲けてない業種の話を書こうとしましたが、期待しているというか聞きたい人も多いと思うので、昨日に上海に戻ったので反日デモ関係の話を書きます。
 まず簡単に今の私の状況を書きますが、昨夜飛行機で上海に帰り現在はこっちの自宅でくつろぎながらブログを書いてます。昨日は空港から地下鉄で自宅最寄駅まで帰りましたが、地下鉄車内で敢えて電話をかけて割と大声で日本語で話をしましたが、特段周囲からにらまれたりするようなことはありませんでした。夜遅い時間帯だったからかもしれませんが、少なくとも日本語で話をするだけで、日本人だとわかるだけでいきなり殴られたりすることは上海ではありません。

 開けて翌日の今日、会社の同僚が今朝に上海にある日本領事館前に行ってきたので話を聞きました、まず早くから民間のバスをチャーターしてまで武装警察が次々と集結し、領事館を守るべく陣営を築いたそうです。その後、午前中にデモ隊がやってきたそうですが領事館前の通りを通過することは一回、しかも立ち止まらないように指示されており、特に石投げたり殴り合ったりというような派手な行動はなく平和的なデモだったそうです。自分もちょっと行こうかなとか思いましたが、会社からも不用意に近付かないように言われていたので今日は仕事終えた後はまっすぐ帰りました。もっとも、こんなこといったら同僚はどうなのかって話ですけど。

 あくまで私個人の印象ですが、少なくとも上海市内であれば日本で報じられているような揉め事はないんじゃないかと思います。上海の人は比較的所得も高ければ文化度も高く、商売と政治をきちんと分けられるため多少の嫌がらせはあるでしょうが暴動に押し入られるようなことは恐らくないでしょう。
 ただこれはあくまで上海、または警備の厳重な北京限定の話であって、日本でも報じられているでしょうが南部や内陸の都市では話は変わってきます。湖南省長沙市にある平和堂(アルプラザ)とかしこたまやられたそうですが、仮に自分の赴任地がこういった都市であればさすがに危機感を覚えた事でしょう。そういう意味では今の中国は日本人にとって危険かどうかというなら、やっぱり危険と言わざるを得ません。

 しかも今後の展開を考えても、あまりいい状況ではありません。既に報じられている通りに丹羽大使に代わって来月から中国大使に就任する予定だった西宮大使が急死し、恐らく日中双方で後任人事を巡ってかなりドタバタしていると思います。さらに上に書いてある通りに中国政府は今回の反日デモに対して武装警察を大集合させるなど相当に手を回してくれていますが、穿った目で見るなら来月に開かれる中国共産党中央党大会の前にドタバタが起きてほしくない時期であるからこうするのであって、党大会が終わった後はどうなるか、それこそ「こんな大事な時期に余計な騒動起こしやがって」というノリで報復措置を取ってくる可能性もあります。それだけ今の中国は、この前に習近平が姿を表さなくなって大騒ぎしたように非常にピリピリした状況にあります。

 最後に個人的な感想として、日本人が気を払わなければならないのは長沙市など内陸などの都市で暴動のようなことをしでかす中国人よりも、上海で平和的にデモを行った中国人だと思います。暴動みたいに暴れる中国人はこう言ってはなんですが反日とかそういった政治思想はあまり関係なく、ただ単に社会に不満があって暴れているようにしか見えず、また所得水準もそれほど高くないでしょう。翻って上海の平和でも集団ですが、こちらこそがまさに日本製品を購入しているメインの層で、彼らが日本製品をボイコットしたり冷静に日本を批判したりすることが一番の痛手です。もっとも対処法ったって、ほとぼり冷めるまで待つしかないというのが今の状況ですが。

2012年9月15日土曜日

不況下の空気の違い

 先日に友人がスペインに旅行に行ったのですが感想を聞いてみたところ、「明るかった」というのが第一声でした。知ってる人には早いですがスペインは現在、若者の半数が失業中で景気的にも日本と比べて絶不調真っ盛りです。まぁそれをいったら私なんかいつも、日本の景気は世界的に見れば好景気もいいところだと常々言っておりますが。

 どのタイトルの記事か忘れましたが私は以前にいくら景気が悪いといっても気分まで暗く落ち込む必要はないのに、何故か日本人は毎日生活できるだけの収入があるにもかかわらず「人生が充実していない」などと言っては自分を卑下したりするところがあると指摘しました。仮に明日食べるパンがないならさすがに自分も焦りますが、そこそこの贅沢、そこそこの生活であれば日本だとそれほど難しくないにもかかわらず、この一週間テレビを見ていてもやたらと苦しさをアピールするというか、これも前に書きましたが、苦しんでいる(と自称する)自分に酔っているように私は感じます。

 もっとも、なんで日本人はこんななのかというのは単純明快で原因ははっきりしており、ずばり言えば比較基準が高すぎるからということにつきます。平均的な収入、平均的なライフラインというものを日本人は明らかに他国より気にして、平均以下は上から下まで全部一緒で劣等、平均以上でなければ人に非ずみたいな心情がやけに強く、他人は他人、よそはよそと割り切れないところがあります。
 その点でスペインなどはわけが違います。友人によると、もう向こうでは若者が自立して生きていくことなんか不可能だと割り切っているらしく、結婚後も親と同居してすねかじりながらも生きてるそうです。日本もそう遠くない未来にこういう割り切りができるようになるかもしれませんが、そう考えるとまだ追い込まれ足りてないのではないかと思えます。

 最後に繰り返しになりますが、いくら全体景気が悪いからと個人が気分を落ち込ませる必要性はまったくもってありません。しかも景気が悪いといっても儲からない企業もあれば儲けている企業もあり、不景気な業種ばかりに目を向けるというのも不健全です。
 っというわけで、次回あたりに今も受けている業種をいくつか紹介しようと思います。

2012年9月14日金曜日

日本に帰って思うこと

悠々自適 マレーシア在住記☆

 いつもコメントをくれているれすりーちょうさんがブログを新規開設しましたので、このブログとも相互リンクを結びました。一方、フリーダムさでは右に出るものがない友人のブログ(二件)はここ一年更新が全くないので、思い切ってもうリンク切っちゃいました。前からもういいとも言われてましたし。またフリーダムさに磨きをかけていつかきっと帰ってくることでしょう。

 昨日はそのフリーダムな友人とは別の友人と幕張で合流し、千葉ロッテと日本ハムの試合を見に行った関係でブログを更新することができませんでした。友人が面食いなためか斉藤選手贔屓だったので二人とも千葉県民でありながら日ハム側外野スタンドで観戦しましたが、五回までゼロ行進という行き詰まる投手戦だったのが後半は毎回点数を入れあう猛烈な猛打戦と化し、最終的に六対六のドローという結果になりました。見ている側としてはホームランも飛び交って白熱したことから非常に楽しかったですが、途中まではレフト守備の中田翔選手の尻ばっか見ていて、無駄にデジカメで撮影してたりしました。

 話は変わって日本に帰国して一週間経ちリアルに明日また上海に戻りますが、変な意味で中国になれたというべきか、日本で生活していていくつか違和感を感じるところがありました。
 まず一番感じたのは建物の高さ。中国は日本と比べて地震とか気にしなくていいためか、商業ビルはもとより住宅用マンションでも高さが半端なく高く、なんか日本の建物がどれも小さすぎるような気がして気分的に自分がでっかくなった気がしてなりません。特に個人的に衝撃だったのは、昨日行った幕張は中学高校と合計六年間も嫌々通った場所で、自分の中では高層ビルが比較的多い場所だというイメージだったのですが、今の自分からしたらホテルにしろ担保にかけられるシャープ本社ビルも、「こんなちっちゃくて容積率とか大丈夫?」と本気で感じました。

 建物同様、日本人の体格に関してもなんだか小さいような印象を受けました。かつていた北京市内と比べれば日本人の方が男女ともに体格は上でしたが、上海と比べると男はほぼ同じ程度であるものの、女性に関しては明らかに上海女性の方が上であるという印象を受けます。
 また体格は同じくらいでも、あくまで私の印象ですが日本人は全体的に猫背であるのに対し、中国人は割かし背筋が伸びていることもあって上背というか目線が高いような気がします。なお知ってる人には早いですが私は高校時代にわけのわからない実験、ぶっちゃけていうと背中に雑誌挟んで背筋を伸ばす妙な訓練をやったせいか冗談抜きで猫背ができないくなり、傍から見ても異常なくらいに背筋が伸びているのですが、なんか電車に乗っていると同じくらいの身長の人に対して見降ろすような視点になっているのではとはたと気が付きました。上海じゃこんなこと感じないのに。

 あと非常に細かい点を挙げると、テレビのCMに番組宣伝が異常に増えているように思え、逆に半年前に多かった外国車のCMが減ってる気がします。単純にスポンサーがつかないんでしょうが、これは以前家電メーカーの知り合いにも言いましたが、今テレビが売れない原因の一つは単純にテレビ番組がつまらない、いいテレビを買ってでも見ようと思う番組がないというのも大きい気がします。そういう意味では家電メーカーも、もっと内容を吟味してスポンサーになればいいのではと思わずにはいられません。

2012年9月11日火曜日

尖閣国有化に対する中国の反応

 7月なんかネタ切れでブログ執筆に非常に苦しんだ一ヶ月でしたが、今月はやけに書く話題が多くてこの前に始めてた「平成史考察」の連載もなかなか続きが書けれません。ただこのところ閲覧シャスは毎日300人の大台を超えているうえ、昨日なんか500人を超えていたので地味に評価が上がってきているのかもしれません。

 そんなわけで今日もまた飽かずに中国ネタ、それも尖閣問題です。といっても今自分は日本にいるので情報もとは全部新華社の発表とかです。まずざっくばらんに言うと日本のメディアでも同じような内容が報じられていますが、日本政府の尖閣国有化に対して文面上はめちゃくちゃ起こっています。外交部をはじめとして主だったメディア担当者が日本の行動を批判していることはおろか、国防部こと軍隊も「姑息な手段だ!」と批判しているようです。
 この尖閣国有化ですが、ちょっと考えがまとまっていないというか結果が見えていないというか、「これこれこういう背景できっとこうなる」という確たる予想はまだ私の中で出来上がっておりません。なのでこの二週間くらいわけのわからない文脈が続いていますが、ちょっと同じノリで思いつくことを片っ端から一気に書いていきます。

 まず今回の政府の国有化ですが、この行動が吉と出るか凶と出るかは判断が難しいです。元々、地権者からの買収は東京都が進めておりましたが、今週に入り地権者は突如売却先を政府にするということを東京都川に通知しました。この対応に石原都知事なんか恨めしげに文句ばかり言っていますが、これは地権者が突然考え方を変えたのか、それとも東京都川を含めて出来レースだったのかやや疑っています。
 というのも先月の段階で石原都知事は、東京都側が一旦買収した後に政府(国)に売却する案を披露しており、またこれまでに集めた買収基金も東京都が買収するのなら譲り渡すといった発言があった気がします。こうしたことから考えると、売却先が政府に変わったことに対して石原都知事がこれほど恨み節を披露するのはなんか芝居がかっているように見えなくもありません。何が言いたいのかと言えば、初めから東京都が買うようなそぶりを見せて実は都と政府は初めから話がついており、最終的に政府が買うような筋書きだったのではないかという仮説が立てられなくもないという、なんか遠回しな言い方が続くことになるのです。

 では何故こうした回りくどい行為を行うのか、やはり一義的には中国への対応が最大の目的でしょう。もっともこうした手続きを取ることで中国の反発が減るわけでは全くないのですが、今日ちょっと新華社の報道を見ていて気になったことがあります。その気になる点というのも、何故中国は日本政府が日本の法律上の地権者から尖閣諸島を購入することにこれほどまで大騒ぎするのか、ということです。
 あくまで私個人の考え方ですが、尖閣の主権が本当に中国にあるのなら、日本の法律上の地権者なんて初めから無効だと言えるんじゃないでしょうか。理論上、中国は今でも公地公民で領土内のすべての土地の私有はないはずですし。

 何を言いたいのかというと、ここに日中の思惑が交差しているのではないかということです。中国側としてはいくら日本の法律上地権者でも政府が所有者になることは個人が所有者であることよりも具合が悪く、批判するような対応を取らざるを得ないから今こうなっている。そして日本側としては、かなり大胆な推測ですが島の地権者が日本人で、ずっと以前から所有していたことを中国国内に中国自身に報じさせるというのが最大の狙いだったんじゃないかと自分のゴーストがささやいてます。
 言ってしまえば、日本の法律で日本の登記で所有者が日本人だったということを中国が認めるということは、いわば日本が管理してきた領土だったということも認めることになるんじゃないでしょうか。そのため中国が本当に取るべきだった対応は、「日本政府だろうが日本人だろうが、管理者が変わろうともそれは尖閣諸島を不法に占拠している日本国内の話で、中国が領有権を持つことに変わりはない」という具合に、そっけないふりをするべきだったんじゃないかとちょっと思います。ただ中国は今回そういうそっけないふりができなかった、そしてそれを日本も知っていたから仕掛けてきた……飛躍しすぎかもしれませんがね

 何故中国は今回、日本の尖閣国有化に反応したのか、というより反応しなければならなかったのか。それは第一に国内世論がありますがそれともう一つ、詳しくソースを確認してませんが、大分以前に中国政府側が尖閣の地権者に接触し、売却を申し込んだという話を聞いたことがあります。仮にこれが本当であれば中国は日本の法律にのっとって尖閣を買収しようとしたわけですから、日本の領有権を認めているよねぇってことになるのではと個人的に思います。うまいこと言い表せられないですが、こうした背景があるからあえて日本政府、もしかしたら東京都とタッグを組んで今回中国に仕掛けてきたのではと思うところがあります。

 今回の内容はかなり妄想に近いものがあるのであまり引用なんかせず、こういう風な考え方もあるというくらいに受け取ってください。といっても、文章がまとまってないから引用のしようもないでしょうが。

2012年9月10日月曜日

日本の電力事情考察

 日本帰国四日目。こっちでのネット接続は2010年に購入した東芝製ネットブック(ダイナブック)ですが、今まであまり使わなかった分、現在大活躍しています。前に買ったエプソンのネットブックは会社の後輩に貸出し中ということもありますが、性能面でそちらを東芝製が上回ってていろいろ感じるところがあります。
 そろそろ本題に入りますが、そんな具合に体力、気力が充実してきているので、原発議論を筆頭にちょっと日本の電力事情についてあれこれ考察を書いていきます。

 まず直近の話題からふれていきますが、東電がまた役員報酬を復活させるとの報道が出ています。利用者に対して電気料金引き上げを実施する一方でこの役員報酬の報道は私としてもさすがに聞き捨てなりませんし、今度再上場するJALの破綻時と比べると危機感が足りないというレベルじゃなく、まだ締め上げる余地はあると断言してもいいでしょう。
 そしてもう一つのニュース。そろそろ自分でも調べようかなと思っていたら主要メディアなどが取り上げてくれましたが、「大飯原発を稼働させなければ電力が足りない」と散々にわめいていたくせに、関西電力管内は今夏、一度も電力危機に陥らなかったばかりか他の電力会社から融通を受けることで十分に足りたということが試算されています。私の記憶では大飯原発分があってギリギリという主張だったように思えるのですが、当時からわかってはいましたが発電量以上にコストを気にしての再稼働だったといっていいでしょう。

 私が上記二つのニュースで何が言いたいのかというと、やはり電力会社は信用できないという一点に尽きます。見え透いた嘘を堂々とついてくるというか、その発表は全く鵜呑みにすることができません。この点で個人的に日本のメディアにあきれたのですが、東日本大震災直後の福島原発事故の際、管首相(当時)は「東電が全面撤退を申し出てきた」と証言しそれを許さなかったと話していたのに対し東電側は、「一部従業員の避難は提案したが全面撤退は一度も言ったことがない」と反論しました。結局、事故調査委員会は「全面撤退の提案はなかった」と結論付けましたが、この前に事故当時の福島原発の映像がようやく公開されましたが、全面撤退しようよみたいなことを言っていたという報道があります。
 私としては東電だから全面撤退の話もさもありなんと思っていましたし、多分本当に言っていた気がします。にもかかわらずそういう提案はなかったと全く呵責なく弁明する姿を見ていて、平気で嘘をついてくる集団ではないかと見えてきます。

 ここでちょっと論点を変えますが、原発廃止議論に関して言えば私は基本的に廃炉に賛成です。理由はただ一点、日本の電力会社があのような危険なものを管理する能力もなければリスク管理ができないということに尽きるわけですが、だからと言って多くの反原発団体に対してはやや不信感を感じます。
 理由はいくつかあり、まず明日にいきなり廃炉でもしようものなら産業界を中心に各方面に多大な負担を生むことになりかねず、代替エネルギーの切り替えを進めつつ長期的に廃炉を進めていく必要があります。にもかかわらず反原発団体、具体的に言えば野田首相が面会した団体は「なぜ明日に全て廃炉できないのか」と題目を繰り返すばかりで、なんか議論していても何も発展しなさそうな人に私には見えました。

 さらにこれは一部でほかの人も言っていますが、妙な団体がこの反原発運動にどうも関わっているように見え、実際に主張を見ていると反原発とは関係なく妙なイデオロギー、具体的には格差論などを一緒に主張する団体もおり反原発を隠れ蓑にうまいこと扇動しているような連中が少なからずいるように見えます。批判をするなら対論を出すのが基本です。たた悪しざまにピーチクパーチク罵るだけの団体は私は政府も相手しなくていいと思うし、むしろ叩き潰すべきでしょう。

 最後にちょっとこのところ感心している中国の電力事情についてはなしますが、この前の引っ越しの際に部屋の電力メーターを見たのですが、上海の家屋は電力メーターが二つ付いています。片方は昼間のメーターでもう片方は夜十時以降のメーターなのですが、上海では夜十時以降(何時までかは知らないけど)は電気代が半分になります。これはピーク需要を避けるための手段で、半額とすることで一般家庭に対し夜間の電力使用を誘導しています。私もこれを利用して冷房は夜十時ピッタリにオンにして、また洗濯機も夜に回すことにしています。
 仮に日本でやるとなれば電力メーターを総取替しなければなりませんが、妙な公共事業に手を出すくらいならこういうことをしていた方がずっと価値がある気がします。こういう案を電力会社が積極的に出してこない限りは、いつまでも自分からは信用が得られないでしょう。

2012年9月8日土曜日

中国の悪口本が日本の書店で並ぶ光景

 日本一時帰国二日目。今日はなんか自転車磨いて乗り回してましたが、どうもブレーキの利きが前ほどガツンと来ません。100円ショップでブレーキパッド勝手交換しようかと考えましたが、ちゃんと専門店で買おうと思ってひとまず延期中です。自転車こぐのもかなり久しぶりですが、自動車でいうならトルクが上がって回転数が落ちたというべきか、踏むペダルがやけに軽いと感じる一方で前ほど高速度を維持できないというか息が上がりやすくなってました。明後日あたり、片道30キロくらい走ってこようかと思ってますが。

 そろそろ話は本題に入りますが、なんか思想関連の本が読みたくてこのところ書店に通って新書コーナーを探しましたが、これという本がなく、しょうがないから今日哲学の入門書をまた買ってきました。Amazonで「荘子」とか取り寄せることも検討しています。
 ただこうした思想関連書が少ないということ以上に、中国を批判する新書が膨大に並んでいることに少し驚きました。曰く、「中国経済のメルトダウン」とか「虚構大国、中国」などといった見出しが並んでおり、作者名までいちいち明かしませんが漢字二文字と三文字の二人があっちこっちの出版社で出しています。

 こういう中国の批判本を見て何を思ったのかというと、まず最初に考えたのは「俺もこういう本書いたら売れるんじゃないの?」ということです。それこそ適当に根拠をでっち上げて中国の政治なり経済なりをネガティブに書くぐらいならお茶の子さいさいですし、新書で200ページくらいなら多分一ヶ月あれば余裕で書き上げる自信があります。次に考えたのはこの逆で、「中国ビジネスをうまくやる指南書が意外に少ないな」ということで、出版点数が少ないからこっちも書いたら書いたでいろいろいけるんじゃないかと。

 ただそういった個人的なビジネス話は置いといて、なんていうかこういう中国批判本を見ていて日本は少し危機感が足りなくなったのではと思います。それこそ中国経済のバブル崩壊論は8年位前から終末予言みたいに何度も繰り返されててもういい加減、「またか……」と感じますし、こうした本が未だに出続けているのを見ると日本人は中国経済が悪くなることを願っているのかと感じます。
 断言してもいいですが仮に中国の経済が悪化したら、中国のGDP成長率が年間5%以下になったら日系企業もシャレにならない大打撃を受けることになります。製造業を中心に中国で利益を上げている企業は数多いですし、インドを初めとしてBRICs諸国もここにきて中国を除き急激に勢いを落としていることから、真面目に今の世界経済は中国の勢いにかかっているところがあります。

 ただそういった経済的な事情以外に、「どうせ中国は駄目になるから」と、嘗めてかかる態度が私には気に入りません。本気で相手を殺そうとするなら相手が死ぬその瞬間まで気を抜いてはならず、むしろ怖がり過ぎだと思われるくらいに警戒心を抱くべきであるでしょう。中国のウィークポイントばかり目を向けるのではなく、ストロングポイントもしっかり把握していかにその部分を利用するのか、無力化させるのか、孫子じゃないですけどきちんと分析することが大事です。

 多分私がひねくれた考え方をしているのも影響しているでしょうが、他人、もしくは他国から侮られている限りは笑っていていいと思います。むしろ実力を認めるような発言が出たり感情的な批判が出なくなったら、つけ込める隙が減ったようなもんで、あまりいい状況じゃないと判断するべきでしょう。それこそ中国が「小日本」というような蔑称を使って格下と侮っている間はいいですが、日本を油断ならない脅威というように表現してきたらまぁちょっと困っちゃいますね。

 なにか尻切れトンボなまとめですが、本気で中国との競争に勝ちたいのなら、妙な楽観に基づいた崩壊論なんて目もくれず、黙々と叩き潰す手段の検討とその実行をするのみです。

2012年9月7日金曜日

民主党の総裁選候補

 あまりもったいぶって書く内容でもないのでささっと書き終えます
 今年の通常国会がほぼ終了したので本日、野田首相が民主党総裁選に出馬し続投を目指す旨を明らかにしました。一方、民主党の反野田陣営、といっても小沢一郎が去ってからはほとんど存在感すら出せていない集団ですが、こちらは何人か独自候補を出そうとしているものの目玉候補となる人物がおらず、またまとまりを欠いているようなので、次回民主党総裁選は間違いなく野田首相が再選するでしょう。

 個人的な感想を述べると、総裁選というのは実は現職総裁にとって非常に都合のいいイベントだと私は思います。というのも対立候補が出ることによって誰が敵かどうかがわかる上、政策議論をすることによって格好のアピールの場となります。そういうわけで今回の総裁選前後で野田首相の支持率も変動、恐らくは上昇するとみております。
 なお民主党の若手議員一部の間では細野環境相に立候補を促していたようですが、細野環境相自身が不出馬を本日表明しました。私としては次代のエース議員としてアピールすることによって個人的にもプラスで、なおかつ民主党内で若返りが進んでいるということも示せるので負けること前提でも価値はあるんじゃないかと思っていただけに、個人的にやや残念な印象を覚えました。といっても今の細野環境相は原発やエネルギー問題のほかに幅広く政策意見を持っているようにも見えず、それだったら今のまま環境大臣やってる方が無難かもしれません。

 一方、自民党ではどうもまた谷垣総裁が空気を読まずに総裁選に出ると発表したようです。森、古賀という長老格が早く辞めろと言っているにもかかわらず出馬を強行するあたり、意地悪な言い方をすると本当にKYな人間としか言いようがありません。
 といっても元祖KYの安倍元首相も出る気満々で石破氏とあれこれ調整を続けているようですが、自民党はもっと若い人間、可能ならば40代の議員をもっと押し出さないといけない気がします。野党にとっても総裁選は政策をアピールするチャンスなのに、無駄に使っているわけではないもののややパンチに欠けるというのが今日の私の意見です。

 今日から日本に一時帰国していますが、中国と比べて日本の家屋はどれも天井が低いせいか、気分的にガリバーになった感じです。

2012年9月5日水曜日

天一坊事件

 知っている人には今更感もあるネタでしょうが、恐らく知らない人が多いと思うのでちょっと紹介します。

天一坊事件(Wikipedia)

 時は享保年間(1728年)、徳川将軍のうち最大の名君とも呼ばれる徳川吉宗の時代です。事の起こりは関東郡代である伊奈忠逵の屋敷に浪人の本多儀左衛門が訪ねてきたことから始まります。本田儀左衛門によると、南品川宿に天一坊という山伏がおり、近々大名に取り立てられるといって浪人を集めているといい、しかもその天一坊は将軍のご落胤、つまり吉宗の隠し子だと自称しているとのことでした。

 報告を受けた伊奈忠逵は直ちに上司へ報告し、最終的には老中を経由して吉宗自身が報告を受けることとなりました。吉宗自身も昔やんちゃをしていた覚えがあったのかすぐさま関係者をひっとらえることはせず、慎重に捜査を進ませた上で様子を見ることとしました。そうして最初の報告から半年以上を過ぎた頃、天一坊を含めその取り巻きを幕府は一斉に逮捕しました。
 ひっ捕らえられた天一坊は自分の素性について、「母は昔、紀州(吉宗の出身地)のお城に奉公していたが自分を妊娠して郷里に帰った。14歳の頃に死んだ母は『吉』という字を大事にするように言っており、死んだ叔父も近々、公儀から連絡が来るだろうと言っていたことから吉宗の落胤だと信じるようになった」と、なんていうか見ていて痛々しい言い訳をしたそうです。

 ただこういう一方で、自身が集めたろう人に対しては既に吉宗との対面はすんでいるとか、公儀にも加わっているなどとホラ話を吹いていたことが調査で分かり、幕府側も確信犯だったと判断して天一坊はそのまま打ち首となりました。天一坊に騙された浪人らは江戸から追放され、また検挙のきっかけとなった本田儀左衛門に対しては銀5枚の褒美(ちょっと少ないような)が下賜されたそうです。

 なんでこの事件をこうして取り上げようかと思ったのかというと、いつの時代も同じような詐欺をする人間がいるものだということが言いたかったということに尽きます。特に日本人は本人らはあまり意識していませんが地味に名家の血筋というブランドが大好きで、最近でも有栖川宮詐称事件が起こっており、なんていうか悪は絶えないなぁという気がします。
 なお自分は祖母が平家の隠れ里(鹿児島県菱刈町)出身であることから源氏か平氏かと聞かれたら平氏だと答えるようにしております。そもそもこういう質問自体されることなんてありませんが、こうして想定問答を用意しているあたり自分も日本人だから血筋を意識しているのかもしれません。

威力業務妨害に対する厳罰化の提案

悠仁さまを「襲撃」 脅迫メールを送った28歳男逮捕 警視庁(産経新聞)

 別に私は皇室オタクではありませんが、上記のニュースには思わず眉をしかめました。事件内容を簡単に説明すると悠仁様が通っているお茶の水女子大学付属幼稚園に対し、28歳の無職透明男が園児を襲撃すると脅迫するメールを送り、威力業務妨害で逮捕されたとのことです。この事件で何に腹が立つかというと、悠仁様はこの際置いといて、園児という非常に弱い存在に対する脅迫ということに加え、こんなどうしようもない奴に警備対策など幼稚園側がいろいろ煩わされたという二点で頭に来ます。
 何もこの事件に限らず、このところ大津市の例の中学校を始め、爆破するとか襲撃するといった内容の電話、メールといった脅迫事件が相次いで報じられております。たとえいたずらだとわかってはいても、かつての三菱重工ビル爆破事件のように予告を無視した結果、数多くの被害者を出すことになったことを考えると脅迫された側は万が一に備えて対応せざるを得ないのが現状でしょう。

 しかしこういった脅迫ですが、非常に手軽に行える一方でその被害は非常に深刻です。過去に見たものだと入学式会場が脅迫されたことによって一生の思い出となる入学式自体が中止となったこともあり、またイベントなどでは主催業者に限らず仕出し業者や什器搬送会社などが莫大な損害を被ることとなります。
 こうした脅迫が何故横行するのかと言えば、繰り返しになりますが単純に手段があまりにも手軽であることに尽きると思います。メールや電話を使うことでわずか数分であっさり実行できてしまい、しかも強盗などと違って体を動かす必要もない。もっともその分、脅迫をを犯した所で実行者は金銭などを得ることは全くないのですが、それだけに愉快犯、というよりも暇人がどうもこうした犯罪を犯す傾向が多い気がします。

 何も脅迫に限るわけじゃないですが犯罪というのは少ないに越したことはなく、こうした脅迫を減らすためには何が一番効果的となると私個人としてはやはり厳罰化が一番手っ取り早い気がします。先程これら威力業務妨害に対する刑罰はウィキペディアでパパッと調べたところ「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」らしく、初犯では執行猶予が恐らくつくことを考えると犯罪を思いとどまらせるにはちょっとパンチが足りないかと思われます。
 ではどの程度まで引き上げればいいのか、一つの提案としては罰金額を大幅に引き上げる、それこそ100万円以上にこの際した方がいいと思います。更にもう一歩踏み込むのであれば、罰金として徴収したお金をその強迫によって被害を受けた人や団体に直接支払える仕組みを作れるのなら作ってみるのも一考かと思います。というのもこうした犯罪でどれだけ被害をこうむっても、被害者は犯人を自ら民事訴訟で訴えない限り被害額の賠償金を受け取ることが出来ないからです。民事訴訟を起こすと一言で言っても弁護士を雇って難解な法律を調べ、挙句に裁判に出廷してあれこれ陳述しないといけないとなると非常に負担が大きく、しかも犯人に支払い能力がなかったら泣き寝入りするしかないという現実もあります。

 こうした手間を考えるにつけ、この脅迫に限らず犯罪被害者への補償は刑事罰として徴収する罰金で直接対処してしまった方が効率的ではないかと思えます。また被害額の分だけ罰金額が取られるという仕組みができ認知が広がることによって、都合のいい考えかもしれませんがでかいことをしたらでっかく返ってくると思わせある程度思いとどまらせることが出来るかもしれません。どちらにしろ、これほど自分勝手な犯罪はそうそうないので、撲滅とまでいかないまでも減らせるようにもっと厳しく罰してほしいのが今日の私の意見です。

2012年9月3日月曜日

月々の生活費(;´Д`)

 今日はちょっと真面目で書き応えのある社会ネタを用意していたのですが、ふと思い立った行動から別の内容を書きます。
 本日ふと、日本の口座貯金額がどれくらいあるのかと気になりました。早速三菱東京UFJダイレクトを使って預金額を確認しましたが、7月に生命保険の年払いがあったことを忘れていたため、ちょっと激しく動揺するくらいに減少してました。今すぐ首が回らなくなるというほどではなく以前からも予想はしていた額ではあるのですが、改めて口座の額面を見るとハッサンにせいけんづき喰らわされたかのように地味にダメージがでかいです。

 ここでやめとけばいいのにまた、「そもそも中国での生活費とか預金の伸びはどんなもんだろう」とまた余計なこと思いつき、これまでの収支を全部エクセルに入力して社会学仕込みの分析を行いました。その結果、家賃や保険代を除いた月々の生活費は2678.5元、日本円にして約32000円強であることがわかりました。
 生活費に関してはこれまでも一応、毎月食費は1000元程度、交際費などは2000元程度で合計3000元以下に抑えることを目標として掲げてきてはおりました。今回の分析結果からするときちんとその目標を達成しているのですが、冷静に考えるとなんで日本より物価の安い中国で毎月3万2000円も使ってるんだよと思えてきて、やっぱ限度額のラインを2000元に設定すべきだったかとやけに後悔しています。

 なお家賃代はこれまでが毎月3000元、保険代は年間6800元でこればっかはもうほんとどうしようもない必要経費ですが、家賃に関して言えば先月引っ越したのでこれからは毎月3200元にアップします。引っ越したと言っても同じサービスアパートメント内の別の部屋で、そもそも引っ越しの理由も前のオーナーが、「そろそろその部屋売るから出てって」というもので、先月はこの引っ越し関係で膨大な出費を迫られることとなりました。
 具体的に挙げていくと、新しい部屋の大家への初期費用として敷金+2か月分家賃前払いで9600元、不動産屋への仲介料として1000元、引っ越しを手伝わせた会社の後輩へのお礼を込めた昼食代178元、同じく晩御飯代112元(両方とも自分が食べた分も含まれるが)と、金額を事細かに覚えてるくらい多分納得いってないんでしょう。唯一の救いは前の部屋の大家が電気代を差っ引いた分の敷金と既に支払っている家賃を日割りで計算し、残り日数分をきちんと返却してくれた点で、事前の想定額以上の金額が返ってきました。これで今週末に日本に一時帰国してもある程度気にせず使えるとか思ってたら、保険会社から「次回3か月分の保険代1700元払ってください」という通知が来て、儚い夢と消えました。

 それにしてもお金の計算は気合や根性ではどうにもならない分、処理していていろいろ気苦労が多いです。なるべく予想は悲観的に立てているつもりですが、ちょっと預金額の増加率が想定を下回っているのでなかなかヘビーです。減っているわけではないものの、こういう時に最終的な帳尻を合わせるため想定ラインを引き下げるか、今後の支出を減らすかで人間2パターンに分かれる気がします。自分は間違いなく後者で、差し当たって外でコーヒー飲むのは今後控えようと思います。

2012年9月2日日曜日

自民、民主の総裁選について

 ある意味締めともいえる問責決議案が出たことによって国会での論戦は落ち着き、政治に関する話題の中心も自民、民主それぞれの総裁選へと移ってきております。特に自民党では早くも有力候補者が続々と出てきていることから、こちらとしても解説のし甲斐がある状況となりつつあります。

 まず現総裁の谷垣氏についてですが、普通に考えれば前回の参議院選も大勝しているのだし実績的には留任のはずですが、下馬評では再選は難しいと見られており私も多分負けると思っております。私自身もこれまでに何度も酷評しておりますが谷垣氏にはどうも政治家としてのセンスが全く感じられません。何か堅持している政策があるわけでもなく答弁を聞いてても政策に詳しいとも思えず、かといって敵失につけ込んで批判するという能力があるわけでもありません。それにこれまでの経緯を考えれば、仮に自民党の総裁がもうちょっとマシな人だったら既に民主党を解散に追い込んでいるとも思え、この前の問責決議案賛成も案の定というか身内からも批判されている始末なので多分支持する勢力なんていないでしょう。まぁそれを言ってしまえば、3年前の時点で自民党の議員はこの人を総裁に担ぎ上げるべきではなかったとも言えますが。

 では次は誰になるのかですが、現時点の有力候補とくればやはり安倍元総理が来るでしょう。ただ安倍元総理に関しても谷垣氏よりはマシとは言え私の中の評価は芳しくなく、出来ることならもうちょっと別の人に来てもらいたいというのが本音です。具体的に安倍総理のどの点を評価していないのかというと、確かに理念など政策方針は一貫しているところは高く評価できますが、これは理想の高い人物に共通して言えますがその理想を如何に実現するかという過程をあまり考えないところがあり、実行力に欠ける面がこの人にはあると思います。
 このまま黙ってコメント欄で突込みが来るのを待って一気に書き並べてもいいですがちょっと意地悪な気がするので先に釘さしとくと、確かに安倍政権時代は教育基本法改正など重要法案をいくつも可決させておりますが、それはあの時の議席状況が衆参共に自民党が安定多数を確保していた上、衆議院に至っては小泉元首相の遺産こと三分の二以上の議席があったからできたと断言できます。仮に今のねじれ国会の状況では当時の様な手法が通じるわけがなく、一回お手並みを見ているだけに、安倍元総理が総裁になって自民党が与党になっても途中で行き詰ることになるでしょう。

 このほか挙がっている候補だと石破元防衛庁長官や石原幹事長がおりますが、石破氏は政治家として高く評価はしておりますが総理よりも国務大臣が向いている気がし、石原氏に至っては谷垣氏と同レベルと見ております。あともう一人、安倍氏と同じ森派から町村元官房長官が立候補に意欲を示しておりますが、こう言ってはなんですが自民の議員は誰か止めてあげろよと言いたいです。そもそも町村氏はほかの候補と違い前回の衆議院選挙で落選し、比例復活を果たした議員です。多分次の選挙では普通に小選挙区でも当選するでしょうが、比例で復活当選した議員を総裁、ある意味では首相候補にするというのはいくら何でも民主主義を馬鹿にしているんじゃないかと言いたいです。もしこれが通るのであれば、国民から全く支持されていなくても比例でなんちゃって当選した人間が総理やってもいいことに繋がりかねず、日本政治史に汚点を残すことになるでしょう。これならまだ参議院議員が総理になる方がマシです。

 以上の様な観点から言えば、やはり自民党はタレント不足という一言に尽きます。ここで名前を挙げた人物はそもそも5年前から総裁候補と言われていた人物とほとんど同じで、人材の新陳代謝が全く起こっていないという証拠です。
 一方、民主党は自民同様にタレント不足のきらいはありますが、こっちは野田首相が続投する可能性が高く自民よりは権力構造が安定しているでしょう。ほかに民主党総裁の有力候補を挙げるとしたら前原氏や岡田氏が挙がってきますが両氏とも野田首相支持で固まっており、これまでの党内野党こと抵抗勢力の親玉だった小沢は既に出ていっており、そこそこ力があって反野田を掲げているのは鳩山由紀夫元首相くらいです。また先日に一部の民主議員が田中眞紀子氏を候補に上げてくるという報道がありましたが、十年前ならいざ知らず今の田中氏では神通力も通じるわけはなく、マスコミだけが大きく取り扱って敗北することになるとみています。

 総じていえば民主党が小沢を追い出したことで党内がカチッと固まってきたのに対し、自民党は総裁選含みで分裂とはいかないまでも不安定な状態が続くことになり、後々の政局に影響を及ぼすかもしれません。それにしても野田首相は就任した際ははっきり言って「誰この人?」って私も思いましたが、中国の新聞にも「自称ドジョウ」と書かれているだけあって近年の首相と比べてタフであるのと、まだ方針が見えてくる人で私の中の評価もうなぎ上りです。恐らく次の総選挙ではよほどのことがない限り民主党は大敗して野田首相も下りることとなるでしょうが、次の首相候補にこれという人物がいない分、時間が経つにつれ野田首相の評価は高まるんじゃないかと考えております。

 それにしても今日のこの記事はウィキペディアもニュース記事も全く見ずに一気に書きましたが、故水野晴郎じゃないですが「政治って本当にいいものですねぇ」と言いたくなってきます。私なんか単純に娯楽として見れるくらい書いたり考えたりするだけで楽しいのですが、昔友人にも「絶対お前仕事間違えてるよ(当時ガス屋)」と言われましたが、なんだか最近そんな気がしてきます。

 ついでに書いておくと、水野晴郎つながりで最近のテレビの映画ロードショーでは昔みたいに解説がないのが地味に寂しいです。淀川長治さんの解説など当時はあまり意識しませんでしたが今思い出すとやっぱあった方がいいように思え、お笑い芸人のウッチャンなんか映画に詳しいんだから「笑う犬の冒険」でやっていたミル姉の時みたいにまた解説やってくれないかな。あの衣装で日曜洋画劇場に出てきたらある意味すごいが。

2012年8月31日金曜日

ゲームレビュー「ファイナルファンタジータクティクス」

 最近また固い話ばかり続いているので趣味の話でもしようと思い、恐らく友人も待望していることから「ファイナルファンタジータクティクス」について一筆書きます。

ファイナルファンタジータクティクス(Wikipedia)

 このゲームは初登場時の天津飯くらいにゲームソフト会社のスクウェアのブランドイメージが最も高かったころに発売されたとあって、国内販売本数はシミュレーションゲームとしては現在においても最高を記録しております。これほどまでに売れた理由はやはりゲームブランドとしては恐らく最大級の「ファイナルファンタジー」の名をタイトルに関していることが大きいでしょうが、ゲーム内容も高く評価されており、名実揃った内容であったことがヒットの要因でしょう。

 ではそんなこのゲーム一体どんなゲームかというと一言で言えば、「家畜に神はいない!」といったところでしょうか。このセリフはゲーム中にとある人物が叫ぶセリフなのですが、その殺伐ぶり、切り捨てぶりがプレイヤーによって高く評価されこの前もネットの掲示板で、「クレーマーにお客様は神様だろと言われたらどう切り返す」という問いに対し、「社畜に神はいない!」という書き込みをした人がおりました。現にこのゲームをやっている人間なら誰もが覚えていると言っていいセリフで、関係ないところでつぶやき相手の反応を見るだけでプレイしているかしてないかがわかるくらいです。

 簡単なストーリー内容を説明すると、中世ヨーロッパ、というか百年戦争とその後に起こった英王室の薔薇戦争をモデルにしたファンタジーなのですが、途中からは化け物に返信する人が出てきたりと私自身も非常に面白いと感じるストーリーとなっております。特に私に勧めてきた友人なんか、「これをやれば花園君もキリスト教を信じなくなる」と言ってくるくらいで、いわゆる教会こと宗教勢力の陰謀と暗躍が話の柱になっています。
 私は大学時代にその友人から借りることで一度プレイしましたが、ゲームの攻略が非常に難しい上にいまいち乗り気になれず一旦は放棄してしまいました。しかしその後、プレイステーションアーカイブスでダウンロード販売していることを知り、友人もいまだに勧めてくるもんだから思い切って買って今度はきちんとやり遂げました。

 エンディングを見終わった後の感想としてはストーリーに関しては言うに及ばず、というか非常に殺伐とした内容で知人などは「救いが全くない」というほどのハードコアな締め方で私も好感を持ちました。一方、ゲームシステムに関してはキャラクターをどう育てるか、どんな戦術で相手を倒すのかなどやりこみようがあって良くできていると思うものの、ストーリーを進める上で雑魚敵とのレベルアップが多くの場面で必要になり、しかもそれが長くかかるというのがやってて何とも苦痛でした。しかも後半にパーティに加入してくるメンバーに至ってはドラクエ6のドランゴ引換券ことテリーと同じく、全く能力が育っていないことから使おうにも使えないという扱いで、この辺はもう少し気を使ってくれてもいいんじゃないかと思いました。

 このほか特に書くことはありませんが現代のRPGと比べて、90年代のゲームはストーリー構成がしっかりしているという印象を受けました。今に始まるわけじゃありませんが、RPGに必要なのはCGではなく洗練されたストーリーであるということだとつくづく思います。なおストーリーのいいRPGとなると私なら、「ヘラクレスの栄光3」と「クロノトリガー」、あとスケールの大きさなら「真・女神転生2」といったところを挙げます。


2012年8月30日木曜日

戦時中に日本が犯した人体実験

 誠に恥ずかしいながら、今年の終戦記念日に載せられたニュース記事を見て初めて下記の事件の内容を知りました。

九州大学生体解剖事件(Wikipedia)

 事件の概要を簡単に説明すると、1945年5月に日本を爆撃するため九州に飛んできた米軍のB-29が日本側によって撃墜され、搭乗員の米国兵士12名が捕虜となりました。この捕虜の扱いに困った日本軍は九州大学の医学部教授らの提案に従い、12名のうち8名を生体解剖、いわば人体実験に使用することで殺害しました。
 生体解剖するに当たって麻酔などが使用されたかどうかは定かではありませんが、結局のところ実験大将となった捕虜らは生きて帰るなく全員死亡しました。戦後にGHQがこの時の捕虜の処遇を調査したことによって初めて事実が明らかとなり関係者らが一斉に逮捕されましたが、首謀者の一人である石山福二郎教授は獄中自殺したことから、周辺関係者5人に絞首刑が判決され、そのほか立ち会った医師ら18人が有罪判決を受けることとなりました。ただ判決後に朝鮮戦争が勃発したことから、対日感情を考慮した米軍によって絞首刑判決者は獄中自殺した1名を除くすべて恩赦を受け後に出所しています。

 この事件の矛盾点は関係者も手記に記してありますが、本来人の命を守るべき医師が実験と称して奪う側に回ったということです。殺害された米兵らは健康診断を受けるものと思っていたらしいですが、非常にむごたらしい結果となったというよりほかがなく、また事件が調査され裁判は行われたものの政治的判断から減刑されたというのもなんとも皮肉なものです。

 歴史に詳しい方ならそろそろ頭に浮かんでいる頃かと思いますが、戦時中に日本が関与した人体実験とくれば何をおいても真っ先にあの悪名高き731部隊が挙がってくるでしょう。

731部隊(Wikipedia)

 先日も知人に731部隊について講義を行ってきましたが、この部隊の所業について私くらいの世代の日本人は大概がその存在すら知らないでしょうが、事件の舞台となったここ中国の人間は意外に多くの人間が知っており、過去にはこの部隊に関連して大規模な日本製品ボイコット運動も起こっております。
 そんな731部隊というのはどんな部隊かですが、上記の九州大の事件と同様に人体実験を行った、それも長期にわたって比べ物にならない人間を対象に行っています。色々と真偽について現代で疑問が出ていますが森村誠一氏がまとめた著書「悪魔の飽食」によると、部隊があったのは中国東北部にあるハルビン市で実験の対象とされたのは中国軍の捕虜や逮捕されたスパイで、中にはロシア人も含まれていたそうです。私が覚えている内容ですと12歳くらいの少年が麻酔をかけられ意識を失った状態で手術台に運ばれてきて次に手術室から出てきたときはすべての内臓が取り出されていたということや、拘束した状態で真冬に水の入ったバケツに足を入れさせ、凍傷となる経過を観察したといった行為があったそうです。

 仮に人道に対する罪があるとすれば、先の九州大学の事件同様にこの731部隊の所業こそが最も当てはまると私は思います。しかも九州大の事件はまだ正式に裁判が行われたものの、この731部隊については人体実験データを米軍に提供することで関係者らへの裁判はおろか処分は一切行われずに放免となりました。ただ悪い行為は悪い結果につながるというべきか、この時のデータから開発された血友病患者への非加熱製剤は後に薬害エイズ事件を引き起こすことになります。

 731部隊に関して既に政府も中国に謝罪しておりますが、真面目にこの件に関して私は今後も中国に対して謝罪し続ける必要があると思います。何故謝罪し続ける必要があるのかというと被害者を出した中国に対する申し訳のなさ、行為の残虐さもさることながら、人間はたがが外れるというか集団の異様な空気に飲み込まれると、日常からは考えられない行為を平気で行ってしまえるという教訓を意識し続ける必要があるからだと思うからです。
 先日も私は意思の強さというか空気を敢えて読まないこと、空気に支配されない人間の必要性みたいなことをわけがわからない文章で書きましたが、人間というのは本当にちょっとした環境の変化で倫理観などが一気にすっ飛ぶ危険性があると感じます。宮沢賢治じゃないですが、たとえ人生で損し続けるとしても、本当にあるかどうかはわかりませんが自分は自分の意思を保ち続けていたいというのが密かな願いです。

2012年8月29日水曜日

野田首相への問責決議案可決について

 昨日はまた帰宅が夜遅くだったので今日に丹羽中国大使公用車のビーチフラッグ事件でも書こうかと思っていましたが、また日本の国会で動きがあったのでこっちを優先して書くことにします。それにしても会期末ということもあり、このところ政治ネタには事欠かない。

野田首相の問責を可決、3党合意批判で公明棄権(産経新聞)
<首相問責可決>焦点、9月の党首選へ(毎日新聞)

 敢えて産経と毎日の二社の記事をリンク貼りましたが、記事の質で見るなら今回私は産経に軍配を上げます。あまり同業の批判はどうかというか、もし自分がされたら短気なサイヤ人もびっくりなくらいに怒るのでしょうが敢えて苦言を呈すと、毎日の記事は問責可決という内容についてはあまり深く触れず、民主党、自民党それぞれの代表選の話を長々書いていて、どうも何を言いたいのか焦点がぼやけた記事になっているように見えます。しかもその総裁選話も政治家候補の名前を片っ端から挙げるだけあまり参考になるような話じゃないし。

 ひとまず本題に戻りますが、リンクに貼った産経の記事に書かれている通りに本日、野田伊首相に対する問責決議案がかつての福田元首相の時のように参議院で可決しました。ただこの問責決議案には強制力がなく、福田元首相時代も思いましたけど茶番としか思えず、こんなのやっても倒閣にあまりつながらないのだしもっと必要な議論を優先しろと野党には言いたいです。小泉元首相の時代は彼の発言がよくパフォーマンスだと言われましたが、この問責決議案こそパフォーマンス以外の何物でもないでしょう。

 ただ今回の問責提出はみんなの党とか中小野党が出すのはまだ理解できますが、今回この決議に自民党が賛成に回ったというのは私はどうにも腑に落ちません。産経の記事には書いてませんが午後7時のNHKニュースで自民党は今回の賛成理由について、「内政、外交面で野田政権は日本に対して大きな損失を与え続けている」と発表してましたが、TPPの問題でもそうですがこの手の議論に自民党は発言する資格は全くないと言っていいでしょう。まず内政というか財政についてはこれまで借金を重ねてきたのは自民党にほかならず、外交に関してもこれまで領土問題を棚上げにして問題を先送りしてきたし、挙句に今日出ている中国の新聞にもリアルに出てくるかの有名な「河野談話」を出した議員はどこの政党だと言いたいです。今の野田政権の外交が正しいかどうかは議論の余地があるものの、少なくとも今起こっている問題の種は野田政権が蒔いたものではなく自民党が蒔いたものだとははっきり言え、もうちょっとまともな賛成理由を出せよなと個人的に言いたいです。

 また今回のポイントは、自民党は野田政権の一体改革法案に対して賛成するというか協力することを公明党と一緒に合意(三党合意)していたという点です。こうした背景から今回公明党は決議を棄権しましたが自民党は野党と共に賛成票を投じており、民主党の前原議員が言っている通りにこれは明確な合意違反じゃないかと私も思います。前原議員はさらに踏み込んで、自民党が約束を破ったのだから近いうちに解散するという取り決めも無効化すると言っていますが、この点に関しては私も民主党の肩を持ち、もう無視してもいいと太鼓判を押します。
 そもそも解散時期を巡って自民党というか谷垣総裁の対応は見ていて呆れてきます。仮に合意を結ぶ前であれば一体改革法案に賛成する代わりに明確な解散時期を要求するのはあり、というか本来ならこの時期に要求するべきなのですが、合意を結んで衆議院で可決した後になって解散を約束しなければ参議院では賛成しないというのはなんか順番が違うのではと思えてなりません。挙句、具体的な時期こそ明らかにしなかったものの野田首相が一応解散を約束したそばから今回こうして問責決議に賛成するなんて、ちょっと都合よすぎないやしないかと思えてきます。

 更にもう一言を加えれば、今回の問責が終わってしまえば野田首相を攻撃する材料はもうなくなるのではないかと思います。これは即ち今後の政局のイニシアチブは完璧に野田政権が握ることとなり、解散の時期決定はもとより国会閉会後の外交などかなり好き勝手動けるようになるという予想に繋がります。どうもこのところ小沢一派を追放したのが効いているのか野田首相もかなり独自色を出せるようになってきており、その手腕をこちらとしてもぜひじっくり見てみたいところです。

2012年8月27日月曜日

平成史考察~牛丼の販売停止(2004年)

 昨日から始めたこの「平成史考察」ですが、今日は昨日の日本でのBSEに続く形で米国でのBSE発覚とそれに伴う牛丼の販売停止騒動について書いていきます。本当は昨日の記事にまとめて書きたかったのですが、思ったようなリブ告発の話に私腹を取られてしまい分けることとなりました。

 事の発端は2003年末、既にBSEを発症した牛が確認されていた米国に対して安全基準が緩かったことから、日本政府は米国産牛肉の輸入禁止措置を取りました。ちなみにこの2003年末で今思い出せることというと、確か12月23日に友達集めて秋刀魚を焼きながらクリスマスパーティをしたということです。この年の秋刀魚はいろんな意味でおいしかったが、3尾まとめて買ってきて3日連続で夕食に秋刀魚を食べた直後はなんか辛かった。

 話を戻しますが米国産牛肉の輸入が停止されたことを受け、主材料としてきた牛丼販売チェーン各社は文字通り大打撃を受けることとなりました。当初は備蓄があったため販売が続けられましたが、翌2004年には各社で販売を打ち切り、代替メニューとして豚丼をはじめとした新商品が販売されることとなりました。
 こうさらっと書くといまいち緊張感がないのですが、人間というのは食べられなくなるとわかると途端に食べたくなるというべきか、販売停止が発表されるや各店舗に「食べられるうちに食べておこう」とばかりに大勢の客が押し寄せる事態となりました。その時にどれだけ混乱したかをうかがわせるエピソードとして吉野家のウィキペディアを除くと、販売停止直後の2月には茨城県と長崎県の店舗でそれぞれ、「なんでやめちゃうんだヽ(`Д´#)ノ」と酒に酔った客が暴れて逮捕されております。どんだけ牛丼食べたいんだよって言いたいです。

 当時の私から見た印象ですが、代替メニューはやはり代替でしかなく、周囲を見ても牛丼を売っていた頃と比べて足を運ぶ回数は減っていたと思います。大体メニューの中でも初めに出てきた豚丼なんかは今でも販売されてそこそこ成功している方ですが、当時は吉野家、松屋、すき家ともにカレー丼とかハンバーグ丼とかいろんな新メニューを出してきましたが、やはりどれも定着しないというか次々と入れ替わっていました。私自身はあまり牛丼屋に行かない口だったので今思うともう少しメニューを試しておけばよかった気がします。

 恐らくこのように大体メニューでは以前の売上げが取り戻せなかったことから、ゼンショー陣営の松屋とすき家ではそれぞれ中国産、オーストラリア産牛肉を代わりに使うことで比較的早くに牛丼の販売を再開しました。それに対して吉野家は頑ななまでに米国産にこだわり、輸入が再開されるまで牛丼はとうとう復活しませんでした。これについては初めから吉野家の総意だったらしく、1980年に一度倒産した際にコストダウンのため安い食材を使うレシピにしたところさらに売上げが減少し、また従業員もやる気を失ったという苦い経験があったことから、何が何でも米国産レシピを守るという意気込みだったそうです。

 最終的には2006年に米国産牛肉の輸入が解禁されたことで牛丼は完全に復活し、この大手三社は現在も営業を続けるなど元の鞘に収まった形です。影響としては各牛丼チェーンのメニューの多様化が進んだことと、普段食べられる食品ほど食べられなくなると暴動みたいな状況になるという教訓でしょうか。
 なお日本で牛丼の販売が停止されていた2005年、私は北京に留学中でしたが北京の吉野家で牛丼を食べております。今思い出すにつけ、あの時食べた牛丼の牛肉はどこの国の物なのか、ミステリーです。

2012年8月26日日曜日

平成史考察~BSE騒動(2001年)

 以前から平成史をトピックごとにまとめて書きたいと考えていたので、本日より不定期にこの「平成史考察」という連載を開始します。イメージ的には昔やっていたテレビ番組「所さんの20世紀解体新書」みたいな具合で平成時代におけるヒット商品や象徴的な事件を自分の視点と共に扱っていこうと思っています。
 そんな栄えある第一回は、恐らく多くの人が「そんなのあったなぁ」と思うのではないかと思うBSE騒動を紹介します。

BSE問題(Wikipedia)

 BSEというのは正式名称は牛海綿状脳症で、通称として狂牛病と呼ばれております。ウイルス性の病気ではなく諸説出ておりますが現時点ではタンパク質の変異によって起こる病気とみられており、感染した牛の特定部位を食べることで人間も感染することが確認されております。といっても感染確率は非常に低く、また脳や脊髄といった特定部位以外であればほぼ感染しないといわれておりますが、この病気の何が怖いかというと艦船から症状が現れるまで5~15年以上はかかると言われており、いつどこで食べた物が原因なのか感染源がわかりづらい、知らないうちに感染しているという可能性が恐ろしがられております。
 このBSEが初めて大きく注目されたのはイギリスで、感染死亡者もイギリスに集中しております。なお余談ですがBSE感染牛が龍注していた頃のイギリスに渡航経験のある日本人は献血が禁止されており、時期が違ってもイギリスに渡航していればいろいろと細かく確認されます。私自身も2004年にイギリスに行ったことがあり、献血の度にきちんと申告して面談を受けておりました。

 このBSEが日本で初めて大きく取り挙げられたのは2001年で、国内で初めて感染牛が見つかったことからでした。感染ルートはイギリスで感染していた牛が処分された際、ミンチにされ肉骨粉と呼ばれる飼料となり、それを日本の牛が食べたことから感染したと言われておりますが可能性は高いと言ってもはっきり言って確証はありません。
 当時、一頭目が見つかった際のインパクトは非常に大きく、テレビ番組から書籍までBSEの症状やイギリスの事例の解説など文字通り一色となりました。またその後の追跡調査で立て続けに全国で感染牛が見つかり、感染牛を確認した獣医師が自殺するなど軽いパニックと言ってもいい状況だったと私も記憶しております。

 このパニックで影響を受けたのは言うまでもなく牛肉を取り扱っていた酪農家や外食産業で、各地の焼肉屋では閑古鳥が鳴きスーパーでも高級牛肉が安値で買い叩かれるなど、今思うと凄い状況でした。ちなみに地元の焼肉屋はこういう時こそ支えねばと当時の休日はうちの親父とよく訪れ、また高級牛には肉骨粉のような安いエサは使わないだろうから飛騨牛をお袋に毎日買ってこさせてたらふく食べてました。当時から十年経ちますがまだ症状は出てないから大丈夫だと考えてるけど。

 話は逸れましたが当時は国産牛を使った料理は完全に締め出されたと言ってもいい状況で、関連する業界では倒産が相次いだと言います。こうした状況から政府も救済策を出し、国産牛に限って政府が全量を買い取るという措置を出したところ、皮肉なことにこれがきっかけで雪印乳業のグループ会社であった雪印食品は倒産する羽目となりました。
 雪印食品はちょうどBSE騒動が起こる前年の2000年に雪印集団食中毒事件を起こしていたことから経営状況が悪く、制度を悪用する形で外国産の牛肉を国産と偽り政府に買い取らせようと図りました。もっともこの企みは雪印食品が偽装に利用しようとした冷蔵会社の西宮冷蔵から内部告発を受け発覚し、元々悪かった企業イメージが完全に潰れてしまいそのまま倒産へと追いやられることとなりました。ただこうした偽装工作は雪印食品に限らず、日本ハムも行っていたことから大なり小なりであちこちやられていたのが実態だと思います。日本ハムもこの時に企業イメージが相当悪くなりましたが、傘下球団のファイターズに2004年、新庄剛志選手が入団して劇的にイメージが刷新されたとうちの親父が分析してますが、私もこればっかりは親父の言う通りだと思います。

 少し話が長くなりますが、この時の牛肉偽装でハンナンの浅田満元会長も2004年に逮捕されることとなります。私も以前にブログで記事を書きましたが浅田氏は知る人ぞ知る部落団体の幹部で、彼が事件で逮捕されることはおろかメディアに名前が出ること自体がある意味奇跡だったという指摘があります。また私見ながら浅田元会長の逮捕以降、奈良、大阪、神戸の部落三都物語ともいうべき部落出身の市役所職員の問題行動が急にメディアで報じられるようになり、この牛肉偽装事件が一つのブレイクスルーとなったのではないかと私は見ております。

 あともう一件、これは雪印食品の事件ですが内部告発を行った西宮冷蔵ですが、告発後に偽装に関与したとして7日間の営業停止命令を受けることとなりました。営業再開後も取引先からの受注はなくなり、本当に変でおかしな話としか言いようがありませんが不正を許さずに内部告発をしたがゆえにそのまま休業へと追い込まれることとなりました
 私はこの事実を後年にテレビで報じられたドキュメンタリーで初めて知りましたが、正直に言ってショックでした。西宮冷蔵の社長によると、従業員が雪印食品の強い懇願を受けて独断で偽装工作に手を貸したそうですが、朝日新聞がそれを嗅ぎ付けて接触してきたことから初めて事実を知り、当初は雪印食品に「国産牛と外国産牛を間違えてしまった」と申告させることで穏便に済ませようと図ったそうです。ただこの提案を雪印食品は拒否し、告発すれば会社は多大なダメージを受けることはわかっていたもののそれでも告発に踏み切ったそうです。なお告発後、雪印食品の社員は謝罪に来られたそうで、社長が言うには「怒られるかと思っていた」そうです。

 その後の西宮冷蔵ですが、梅田駅前でカンパを募り見事に営業再開にこぎつけ現在も活動を続けております。ただ現在においてもそうですが日本は内部告発者を保護する法律がなく、むしろ情報遅漏罪で捕まりかねないくらいに法整備が遅れております。ウィキペディアを見ますとやはり今でも内部告発者の指名を告発対象者にばらすなどといった事例が相次いでおり、十年前から何も変わっていないのかとげんなりさせられます。先の部落問題といい、本筋とは別に現代社会に通じるものが多い事件だったというのがこのBSE騒動に対する私の感想です。

2012年8月25日土曜日

野田首相の評価と次回総裁選の予想

 今日はこの後引っ越しがあるのでささっとかける政治ネタを午前中に出しときます。それにしても政治ネタをささっとと言うのもなぁ。

 2002年の文系春秋に「小泉首相の通信簿」という各論者の小泉元首相への評価をまとめた記事があって結構気に入っており、今回もまた野田首相に対して私の評価をまとめようと思います。まず10段階評価で言えば7か8、パーフェクトでないにしろ高く評価しております。具体的な評価ポイントとしては以下の点が挙がってきます。

1、消費税増税
2、TPP交渉の参加姿勢
3、尖閣諸島への中国人活動家上陸事件に対する落ち着いた対応
4、小沢一郎の民主党からの追放
5、野党対策

 1と2に関してはこれまでも書いているので省略しますが、3についてはまさに完璧だったと大きく太鼓判を押してもいいくらいの見事な対応でした。繰り返しになりますが日中ともにこの問題でいがみ合っても得することはなく、しかも中国の経済成長が鈍化してやや微妙なこの時期に影響を与えるのは大きな損失につながりかねません。私が見る限り中国側もなるべく穏便に済ませるようなメッセージを出しており、それに野田首相はきちんと応えて立件せず活動家を送り返したことから2010年の通関停止みたいな事態を避けることに成功したのはほかの人が批判しても私は称賛します。ただ東京都の石原知事がなにやら上陸に意欲を示していますが、私としては前にオリンピック招致にも失敗しているし、石原知事は既に終わった政治家だと思います。もういい加減に静かにしていてほしい、というか政府の邪魔立てしないでほしいのが本音です。

 同じ外交だと今ちょうど韓国とあれこれ揉めていますが、この点でも発言と方針が例の李明博大統領の「天皇謝罪発言」から一貫しており私個人としては好感が持てます。首脳の親書を送り返すという韓国政府の行動はちょっと如何なものに思え、まだしばらくは日本は強気に押し続けていいでしょう。ネット上で誰かが「高岡蒼甫は時代が早すぎた」と言っていましたが、ほんとにそんな気がします。これも前に書きましたが、韓流エンターテイメントはこれで完全に終わりでしょうが、やらせっぽさが強く感じるブームだと思っていただけに私もこれから少し良くなるのではないかという気がします。

 4については解説するほどの物ではありませんが、一体改革法案で小沢一郎をはじめとしたグループを民主党から追放、といっても勝手に出て行ったのですが、私見ですが小沢がいなくなってからというものの野田首相は党内に妙な遠慮がなくなり、外交を始め積極的な発言をすることが増えてきているように思えます。また5の野党対策ですが、3党合意の破棄を迫ってきた自民党に対し妙な譲歩をしなかったのもなかなかと思え、解散をなかなか約束しないことから自民党などが今秋から委員会審議を拒否するようになりましたが、かつて民主党が審議拒否した際に強引に国会運営をしてきたのはほかならぬ自民党だったことを考えると、藤原拓海風に言うなら「譲る気分じゃねぇな」といった印象を受けます。

 逆に野田首相に対する不満点というか私が評価していない点は、財政規律という立場から増税して歳入を増やすのはわかるにしても、支出を減らす努力がまだ全然足りないという点です。代表的なのは子ども手当で、個人に配るという膨大な管理コストを支払うくらいなら保育所の整備や関連事業の職員らへの給与に補助金を出すべきでしょう。更に言えばかつての小泉政権のように、スライド式に社会保障費を削っていかなければ絶対に財政は持ちません。もっともこんな政策出したら支持率落ちて何も実行できないうちに政権倒れるので、必要性がわかっててもやれないのは十分理解できるし、それが民主主義の弱点というのもわかるのですが。

2012年8月23日木曜日

これまでにやらかした神経的に痛い体験

 このブログではたまにホラーゲームのレビューを書くことがありますが、ゲームに限らず昔からホラーやスプラッター映画を見る回数は多い方でした。ただ日本の幽霊的ホラーはあまり好みではなく、ハリウッドのスプラッター満載のホラーの方が映画ではよく見る方なのですが、この手の映画は如何に視聴者に対して「痛そう」と感じさせるのが肝だと思います。
 そんなことを今日考えてたら、せっかくだからこれまでに私が体験した「痛い」体験をちょっと紹介しようかなと突然思いつきました。最近固いネタばかりだったし、ちょっと息抜きがてら早速書いてきます。

1、バスタブに腰を強打
 これは大学時代の話ですが、確かパソコンで音楽聞きながら隣に声聞こえること前提で散々歌った後、テンション高いまんまシャワーを浴びてたら見事なまでに足がツルッと滑ってしまい、バスタブの思い切り腰を強打したことがありました。当たる直前、っていうか半分体が宙に浮いた状態で「これはマズイことになる」と感じたのですが、当たってみるとそれほど痛みはなく、「よかった、ちゃんと体鍛えてて」などと安心してたら、次の日当たりにじりじりと痛みが出てきました。全体重がかかってぶつかったんだから当然でしょうが。

2、ハードルで足の甲を強打
 これは小学生時代の話ですが、当時陸上部にいた私はハードルの練習をしてました。この競技はハードルとハードルの間をなるべく3歩で走らないといけないのですが、設置の仕方が悪かったのか、なんかその日はみんな3歩で渡ることが出来ませんでした。ただこの時から妙に負けん気が強い自分はなんとしても3歩で渡りきろうと無理矢理ジャンプしたのですが、やはり渡りきれずちょうどハードルを下から救い上げるように左足を強打し、マジで号泣するほど痛かったです。別に骨折までは至りませんでしたが、気のせいか当時ぶつけたヶ所は右足と比べると、はれているようになんか脹らんでます。

3、左足付け根の腫物除去
 これは高校時代の話ですが、座り方が悪かったとか自転車に乗ることが当時から多かったからかもしれませんが、なんか左足のお尻の付け根当たりがやけに腫れ上がりました。この状態で座ると痛みが出るほどだったので近くの整形外科に行ってみてもらったところ、どうもばい菌が入って晴れているようなので切って中の膿を出すこととなりました。
 切るだけとはいえ一応手術。尻を丸出しにしてベッドに横たわり、先に部分麻酔の注射をしてもらい実際見てないからわからないけどメスか何かで患部を切ってもらいましたが、これが滅茶苦茶痛かったです。なんていうか、包丁とか刃物がゆっくり刺さるってあんな感じかなって思うくらいの痛みで「麻酔いみねーじゃん」って心の中で激しく思いました。ただ膿を出した後は先ほどまでのはれが驚くくらいに小さくなり、その後の経過も順調でした。ただ問題だったのは、大体半年後にまた同じ症状起こし、もう一回切ってもらったということですが。

4、エアインディアの機内食食中毒
 これは大学時代の話ですが、インドに旅行した際に「空飛ぶ棺桶」というドラクエに出てきそうな異名を持つ航空会社、エアインディアの帰国便に乗った際、機内食が間違いなく食中毒ものでした。というのも機内食を食べた直後から自分と友人のお腹が痛みだし、気が付いたら機内のトイレに長蛇の列が出来上がっていました。けどエアインディアだったから、補償問題には一切ならなかったけど。
 当時飛行機に乗っている間も痛いっちゃ痛かったですが本当の地獄は帰国してからで、大体帰国から一週間くらいはずっとお腹が痛かったです。腹痛というのはなかなか収まらないから辛いのですが、この時は非常に長引いて友人ともども「きつい一週間だった」と今は振り返ってます。なおこの前、こっちの日系コンビニエンスストアのチキンカレーを食べた直後から腹痛が始まり、こちらも一週間近く悩ませられました。

5、木の枝で……
 これは小学生時代の話ですが、体育の時間にほかのチームがサッカーの試合をしている最中に脇でサッカーボールを蹴っていたのですが、ちょうどそのあたりに小さい木があり、これまたちょうど自分の背丈くらいにいい感じで枝が伸びてました。まぁ何が起きたのかというと、その伸びてた枝が見事に左目に直撃し、この時はほんと地面を転がりまわるくらいに悶えました。
 幸い刺さったのは白目部分で視力には影響なかったですが、当時鏡で見るとちゃんと刺さった痕というか傷口が確認することが出来ました。後から知りましたが眼球というのは圧迫神経とか熱を感じる神経がなく、全部痛覚だけらしいです。さすがにみっちり痛覚なだけありこの時の痛みは本当にシャレにならず、多分経験した中では断トツの痛みでした。なお刺さった時、「俺も伊達正宗みたいに独眼竜となるのか」とリアルに考えただけに、将来の楽しみな小学生だった気がします。

6、自然気胸の手術
 これは大学時代の話、っていうかほぼ万遍なくどの時代でも注意力が足りないのか生傷の絶えない人生送ってますが、就職活動中に肺に穴が開く気胸症状を起こしてしまいました。最初に痛みを感じた時はそうでもなかったのですが後輩が同じ症状を過去に起こしており、話を聞いて病院に行ったらまさにビンゴでそのまま即入院、手術と運びました。
 この気胸、何で起こるか原因はまだわからないのですが、若いやせ形の男しか起こらない症状です。医療系の仕事についている親戚からは「ほんま君やったらうってつけの体しとるわ」と言われましたが、少し脱線しますがスーツを買いに行ってウエスト合わせる度に、「凄い細い……」と言われ、先週も新しいベルト買って店員に調整してもらってたら「まだ合わないの!?」と言われるくらい細い体してます。
 話は戻って気胸ですが、ちょうど肺の上部辺りに痛覚が集中しているところがあって、手術は10分程度、しかも手術室じゃなくて普通のベッドの上でやりましたがこの時は麻酔でそれほど気にならなかったものの、麻酔が切れた後は文字通り地獄でした。痛みだけで気絶するんじゃないかと思うくらいで、ナースコールして麻酔量を増やしてもらいましたが、真面目にもう気胸は起こってもらいたくないです。

 なおこの気胸を起こした際は10日程度入院し、学校から近い病院だったので左胸から胸骨部にたまった空気抜くためのチューブ出したまま授業に出たりしてました。たださすがに就職活動は完全に休まざるを得ず、この時に本社での二次面接(多分最終面接)が決まっていたところがあったのですが、電話して入院の予定を伝えると、「後でまた連絡する」と言われたっきりなにも返事がありませんでした。
 さすがに一ヶ月経ったところでまた確認したら、やっぱり今回はお流れで……と言われました。当時はほかの選考者にも影響でるしなぁと思いましたが、この話をするとみんな、「それってひどくない?」て言いますし、自分でも改めて考えると予定日の翌週には退院して面接行けたんだから普通は待てるよなぁという気がしてきました。そこらへん、カノークスさんはどう考てるんだろ。っていうかこの時の担当者はきちんと上に報告してたのかな?

2012年8月22日水曜日

今日の中国ニュース雑感

 凄い忙しいというわけではないのですがちょっとちまちまやる作業があるので、今日も記事はさらりと書ける中国ニュースネタです。

 まず昨日に日本でも報じられたシリアでの邦人記者の殺害事件ですが、驚いたことにここ中国のメディアも大きく取り扱っており、中には一面で写真入りで報じているところもありました。無粋な話ですがほかの誰も言わないので私が言うことにしますが、殺害された記者が男性であれば中国はもとより日本でもこれほど大きくは取り上げたりはしないでしょう。
 あと今回の事件をきっかけにシリアの内戦に関する報道が急激に増えておりますが、事件発生以前からもシリアでは大きな内戦が起きているのに日本人の関心は薄過ぎるという人を何度か見かけましたが、変なこと言いますがシリアに関する話題なら日本の一般人は無関心でもいいのではないかと私は思います。というのも国と国との距離も遠いことから日本の外交に大きな影響を与える可能性も少なく、外交関係者や専門家ならまだしも一般人に対して「関心が足りない!」というのはやや酷な気がします。関心を持つべき話題、それこそ日本の社会保障政策やTPPに関しては一般人もいろいろ考えた方がいいと思いますが、必要以上に余計なことを考え込むのはあまり良くないとかねてから思います。無視すべき話題は無視し、考えるべき話題は考えるべきといったところでしょうか。

対日軍事衝突に準備を 中国紙、政府に要求(共同通信)

 もう一つ取り上げる話題はまさに今ホットな尖閣関係ですが、前にも書きましたがこの記事の引用元となっている「環球時報」は中国でも一番過激な新聞で、中国の世論を反映しているとなると非常に怪しい新聞です。にもかかわらずこの環球時報を引用する日系メディアは後を絶たないわけですが、何故それほど多いのかというと書かれている話題が過激でニュースになるからです。これは言い換えるなら実態からかけ離れていても関心が引ければいいというようなもので、こればかり引用しているメディアはそろそろ見下げようと私は考えています。
 ではほかの新聞はどうか。たとえば昨日月曜日付の新聞だと日曜日に中国各地で反日デモが行われたのは事実ですが、日本人数人が尖閣に上陸したことは報じてもデモについて報じる新聞ははっきり言ってほとんどありませんでした。これは自分の目でも確認しましたし、他のメディアも全く同じこと言っていたので自信が付きましたが、反日デモを写真入りで報道していたのは英字紙のChina dailyのみだけでした。

 私が思うに中国側も今回の件はブレーキをしっかり踏もうとしているように見えます。目下、ネット上では反日発言を自由に許していますが、主要メディアではあまり取り上げないように手配するなど締めるところは締めているようです。こうした中国側の対応に日本側はどう応えるか、そして環球時報の社説以外をどう報じるかというのが個性の見せどころでしょう。

 最後にちょっとあまりにも気に入ったので以下のニュースを紹介します。

【中国】日本製品ボイコット運動にキヤノンのカメラで参加した人物が話題に / 中国人「すごく中国らしい」(ロケットニュース)

 記事の内容を簡単に書くと、反日デモらしきものに参加してTシャツにも「日本製品ボイコット!」とはっきり書いているにもかかわらず、首にキヤノン製のカメラをかけている人が激写されてます。なんか中国人のコメントにも「中国らしい」と書いてあって、この人には悪いですが自分も爆笑しました。環球時報なんかよりこっちの方がずっと今の中国の実態を示しているような気がします。

文系の政治家、理系の政治家

 日本の大卒の政治家はいうまでもなく法学部や経済学部など文系出身が多いですが、中国の政治家は圧倒的に理系出身が多い、というより文系出資は正直レアです。なもんだから以前に中国人に対して日本は文系が幅効かせてるよと言ったら、「それで国回していけるの?(;゚Д゚)」と真顔で言われました。

 以前までこの違いは文化の差だとしてあまり意識はしていなかったのですが、このところ仕事であれこれ政府発表とか見るにつけ、理系出身が多いだけに技術分野の政策に関しては中国の政治家はよくわかっているのではないかと思うことが増えてきました。いくつか例を挙げると、たとえば3Gや4Gといった携帯電話の通信規格について中国では共産党の政権担当者が名前入りでよく発言しており、曰く「3Gは普及段階にあるし、ここで4Gに移行させたら設備投資が無駄になる」とか言う一方、一部都市では中国独自の4G規格であるTD-LTEの実験を続けるなど、なんていうか物の切り回し方がよくわかっている印象を覚えます。

 もう一つ例を挙げると、これなんか多分記事にしたのは中国で自分だけだと断言してもいいですが、ゲーム専用機の流通禁止措置です。中国では昔はファミコンからスーパーファミコン、プレイステーションまではゲーム機が自由に流通していたのですが、2000年から突如ゲーム専用機の国内流通禁止令を出してきました。もっとも個人が取り寄せる並行輸入に関しては現在も黙認されているのですが、何故禁止にしたのかというと中国国内のゲームソフト開発業者の技術が当時は低く、プレイステーション2やXボックスを国内解放したら海外のゲームメーカーによって駆逐される恐れがあると考えたそうです。この政策が功を奏したかどうかまではわかりませんが、中国ではパソコン向けオンラインゲームが韓国同様に発達し、現在はそこそこのノウハウや技術を持つように至っており、ことここに至って市場を拡大させるために禁止令を廃止するのではないかという報道が出てます。なんかソニーもこそこそ動いているようだし。

 ちょっと話が長くなりましたが、回しているのは官僚かもしれませんがこのように技術分野の投資や育成政策について非常にあれこれ考えがめぐらされている印象を覚えます。それに対して日本の政治家ですが、多くの国会議員はきっと3Gと4Gの区別がつかないばかりか、IT産業の育成なんて頭の片隅にすらない人も多いのではないかと思います。もはや死語と言ってもいいですが昔は技術官僚をかっこよく「テクノクラート」などと呼ぶ時期もありましたが、現代ではそもそも技術官僚という言葉すら目にすることがなくなりました。自分は文系出身で文系の優位性を常日頃からアピールしてやまないですが、もうちょっと理系出身も社会で登用すべきではないかとこの頃思います。もっともこういいながらも、鳩山由紀夫元首相と管直人前首相はともに理系出身だったことを考えると一抹の不安を覚えずにはいられないのですが。

 最後に中国の大学事情について、かつては理系に非ずば大学生に非ずというくらい理系が強く、文系に進学するのはロマンに生きる奴だとみられていたのですが、近年は日本同様に進学しやすい文系の方が人気が高くなってきております。それでも日本よりは理系が大事にされているけど。
 また政治家に関しても、これなんか私の友人が言ってましたが今の温家宝総理は中国地質大学出身なのですが、「あんな奴に流通経済の仕組みがわかるのかね」と資本主義経済下においては資質を疑う人もおります。逆に次に総理に就任することがほぼ確実視されている李国強は経済学専攻だったこともあり、その友人はやけに期待しております。

2012年8月20日月曜日

ごめんなさい産経さん

 以前に私は「ここ数日の産経の気になる報道」という記事で、7月に出た「丹羽大使が9月に更迭」という記事はどこも後追い報道してないから誤報ではないかと指摘しましたが、今日になってどうやらマジっぽいということがわかりました。

丹羽・中国大使交代へ 後任は西宮・外務審議官(朝日新聞)

 朝日新聞に限らずどのメディアも既に同じ内容を取り上げており、最初の産経の記事では9月と書かれておりましたが10月以降に交代する予定で既に後任として西宮伸一外務審議官の名前も挙がっております。交代時期に多少の違いはあれど、この事実を先月の時点で報道していたということは紛れもなく産経のスクープでしょう。疑っちゃたりして本当にごめんなさいです。