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2021年1月4日月曜日

憤懣やるかたない

 「R-typeディメンション」というシューティングゲームを買って自分もバイド化が進んでいるのか、最近やたらと攻撃的となっており、周囲からも「どうしたの最近?」とリアルで聞かれたりしていますが、それを考慮しても今日配信された記事の反応に関しては納得がいかないというか、認めることができません。


 今回、約3年ぶりに中国化粧品業界についてその動向をまとめたのが上の配信記事です。見ての通りあんまりアクセスよくなくて、ヤフコメにはなんか批判めいたコメントが多く書かれていますが、これ見ててマジで「んなこと言ってねぇんだよこのボケ!」などと会社でガチギレしていました。


 まずヤフコメ一番上にある企業別の売上高についてですが、データ自体はこの通りユーロモニターのデータを当初より取得していました。逆を言えば、敢えてこれは出しませんでした。その理由というのも、恐らく読者の大半はこれを見ても「資生堂」という単語以外に何も反応ができないという確信があったからです。
 表示名こそ上の画像は中国語表記のままですが、仮にアルファベットやカタカナ表記に切り替えたところで、女性はともかく男性は各化粧品会社、ブランド名について詳細を把握している人はほとんどいないと思います。逆にそうした主要ブランド名とその内容を把握している人は業界関係者で、その手の人たちは私がこのようなデータを見せずとも既に同じようなデータを見ている、または持っていると予想され、記事に出す必要性を感じませんでした。

 またこの化粧品業界は車と違って、フェイスクリームや口紅など商品ごとにその用途が異なり、単純に業界シェアだけでその実態が把握できるものでもありません。であれば今回の私の記事は日本の対中化粧品輸出がテーマであることを考慮すると全体主旨からも外れるし、そもそも今回の記事は計7枚というこれまでほとんどないほど図表の多い記事でもあることから、企業・ブランド別売上げ・シェアのデータは出しませんでした。っていうか気になるんだったら自分で調べろとか思います。

 それ以上に腹立つのは、冒頭の日本の化粧品輸出関連データについて「存在するのが当たり前」みたいにみられていることです。


 断言してもいいですが、今回私が出したデータは少なくともネット上では初めて具体的金額とともに公開されたデータで、よそには一つたりとも存在しません。何故かというと上記リンクの財務省貿易統計検索ページからいちいち概況品コードを打って、国別にも細かく検索しなおして出した生データを集計、編集したものだからです。普段でこそ私はシンクタンクや業界団体が出している統計データを引用しているものの、今回に関しては税関が記録している生データを一から加工して作っています。
 っていうか貿易データくらい業界団体も作ってまとめておけよと思えてなりません。

 地味に結構時間がかかっており、特に全体統計を出すだけでなく、記事の主旨が日本の化粧品輸出状況であることから、国別割合のほか対中輸出に関してはこれまた個別に、年度ごとにデータを割り出してグラフを作っています。大抵こういう記事では片側のみのデータが公開されやすいですが、この記事では中国国内市場データも入れており、普通ここまで一つの記事で網羅的にデータを出すなんてありえません。

 また今回の記事での最大のポイントはやはり「化粧品貿易黒字の拡大」であり、中国市場の動向の解説は「輸出さらに伸ばすにはどうすればいいのか?」という観点に集中させており、高級化粧品とメーキャップの動向のみ取り上げました。この全体方針においてどうして企業別売上高が必要になるのか、普通はそんな考えには至らないし、至るとしたら「化粧品」、「中国」という単語だけしか認識できない人間以外他ならないでしょう。記事の主旨や全体構成を無視して、自分が見たいデータ一つないという理由で記事内容を全否定されるというのはさすがに私も納得できず、敢えて言うなら和食屋に来て「ここにはパスタがない」と言われて悪く言われるような心境を覚えます。

 ただ最近、この手の妙な批判と、経済記事に対するおかしな反応ぶりをよく感じます。前述の通り、記事主旨とは関係なく自分が見たいと思う内容が一つないだけで全否定したり、考察ポイントと全く違いどうでもいい単語にやたら執着したりなどと、単純に読者のレベルが落ちているのではと記事を書いて、その反応見てて感じることが多いです。
 今回の記事も、「中国向けに化粧品輸出を伸ばしている国はほかにないのか?」という批判の仕方であれば私もなるほどと思うし、確かに入れておいたらよかったかもと感じたでしょう。しかしやれ企業別売上高がないとか、商品別売上高がないとか、記事主旨から遠いし到底3000字の枠に収められるわけない関係ない内容を引っ張って批判される限りにおいては、興味を持っているくせに自分で調べようともせず、他人の関係ない記事に物足りないなどと批判する自らの情けなさ、不甲斐なさを呪えなどと言いたくなります。

 挙句に、「中国国産化粧品は使いたくない」などと、これまた全く関係ない内容のコメントも非常に多いです。中国国内化粧品メーカーの動向や状況は確かに記事ネタとして成立する内容ですが、生憎私の記事は何度も書いている通り「対中輸出」であり、全く関係ないしだからこそ記事中でも触れていません。触れているのは中国市場で売行きが特に伸びている商品種類のみであり、国産化粧品ではなく、記事を読まずにああしたコメント書かれていることは明白でしょう。考えるだけでも一々腹が立つ。

 このブログなんかは読者に非常に恵まれていることもあって記事主旨から外れたコメントが来ることはないどころか、かなり深いレベルで自分の意図を読み取った上でいいポイントや付随する内容を指摘してくる方が非常に多いですが、やはりJBpressの配信記事に関してはその読者のレベルの低さに呆れかえることが少なくありません。真面目に高級紙のように読者のゾーニングがしっかりできなければ、そうした方面の深い経済記事内容とかは展開できないとこの頃強く感じます。
 同様に、最近日本の政治記事を読んでいてどれも物足りないというか、程度の低い内容ばかりで不満が多いです。最近一切読まなくなってしまいましたが、文芸春秋などはその辺がよくできてて深い政治記事にありつけたものの、やっぱああいう雑誌じゃないとその手の記事は期待できないものかと悩むところです。

 どちらにしろ、記事はアクセス稼いでなんぼであり、あまりアクセスを稼げていない今回の記事は失敗と言えば失敗です。もう次回分の記事は先々週暇だったので2時間でぱっと書き上げましたが、多分今回の記事よりは健闘することは確実で、手を抜けば抜くほど記事が読まれる現状には我ながら心苦しさを覚えてなりません。

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