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2021年6月21日月曜日

元寇一発目


 というわけでまた自分の記事紹介ですが、朝自宅出る際に確認してからこれまでずっとJBpressのサイト内アクセスランキングでずっとトップですので、終日1位はもらったも同然でしょう。過去2回の記事は外してたのでほっと一息ですε-(´∀`*)ホッ
 もっとも今日は新着記事が少なかったという幸運に恵まれたということが大きいでしょう。宿敵ムンジェインも出張ってこなかったし。

 記事解説に移ると、例によって夏の歴史特集をどうするかと4月ごろから真剣に考え始め、これまでの経験から最低でも教科書で基礎知識を覚える範囲の内容じゃないとアクセス稼げないと思え、尚且つ中国が絡んでくる歴史ネタだと自分の強みが発揮できるのではという風に絞っていったところ、ちょうど去年にゲームの「ゴーストオブ対馬」がヒットして、知名度が上がりつつある元寇がいいのではと思いつきました。割とこの辺の発想は我ながら見事だったと思います。

 そもそもこの元寇、記事にも書いていますが近年になって新発見が相次いでおり、実際に乗り入れられた高麗船とかも海底から見つかったりしているなど地味にホットな話題です。尚且つ中国が絡む、っていうか攻め込んできた当事者でもあるので、その辺の事情はこの後の第3回でまとめています。

 記事を書くに当たってはやはり根拠づけできる資料が必要だと考え、前々からターゲットに入れていた服部英雄氏の「蒙古襲来」を読もうと決めたものの、誤算だったのはこの本の電子書籍版がなかったということです。仕方ないのでハードコピー版をわざわざ日本の親父に連絡して取りよせ、読み込んだうえで執筆に臨みました。
 なお親父はなか卯の牛丼パック詰め合わせセットのダンボール箱に本を入れて送ってきましたが、これがびっくりするくらい「蒙古襲来」のサイズにぴったりはまっててびっくりしました。

 こうして資料を揃えて万端とばかりに記事を書こうとしたのですが、読んだ人ならわかるでしょうがこの本はガチの学術本で、記事に仕立てるためのストーリー立てで苦しみました。最終的には目立つトピックとして第1回は一騎打ちと残虐行為に絞って書きましたが、思ってた通り後者の残虐行為に対するヤフコメが多くなりました。
 記事にも書いていますが、モンゴル軍が対馬などの住民の手のひらに穴開けて、数珠つなぎにして船のへりに並べたという表現は私は事実ではないと考えています。根拠としてはこの証言をしているのが日蓮だけなのと、はっきり言ってこの行為を行うには以上に手間がかかるし、戦場でわざわざやるのかと思うとあまりそんな気しません。そもそも手のひらに穴を開けて鎖を通して吊るしたら、多分体重で肉そげて落ちると思うし。

 この数珠繋ぎに関してですが、自分が認識する限りだと何故か3年くらい前あたりから急にネットで言われるようになりました。ついでに書くとそのつなげられた捕虜に日本兵は構わず矢を射かけたとか、腐乱した牛馬の死体をモンゴル軍の船に投げ込んできたという説もネットに見られますが、どれもこれも原典史料は明記されておらず、「元側の記録」としか書かれていません。どの元の史料かもわからず、また内容もなんかコピペっぽさを感じるだけに、現時点で自分は上記の説に対して疑念を持っています。

 以上を踏まえてこの記事では徹底して「史料の信憑性」をテーマに書いているところがあります。八幡愚童訓の信憑性については服部氏の指摘に沿いましたが、数珠つなぎに関しては自分の意見として日蓮だけの証言で事実認定はどうかとはっきり書きましたが、後悔はありません。やはりこの元寇関連の史実に関しては、「史料にあるから」だけで事実認定してはならないでしょう。少なくとも複数リソースを比較して、その史料が他の部分でどれだけ整合性を持つかを前提に語る必要があり、そういう主張もできたということでこの記事にも満足しています。

 もっとも次の第2回は苦しみながら書いたので内容にあまり自信がないです。第3回は盛り上がりに欠けるけど、多分日系メディアとしては初の事実を盛りだくさんで載せているからまぁアリだと思うのですが。

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