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2022年10月10日月曜日

EVタイヤ記事の裏側

タイヤ業界にも“電動化”の波、中国で激化する「EV用タイヤ」開発競争(JBpress)

 というわけでまたいつもの自分の記事紹介ですが、執筆していたのは先週の連休中で、取材にかける時間も取れるからなんか腰を据えて書くネタないかなと考えていた最中、いつものように「タイヤマルゼン」の歌を歌っていたらふと、タイヤの記事、それもEV用なんか面白いかもと閃きました。冗談のように聞こえますがマジです。
 なおタイヤマルゼンのCM動画はしょっちゅうスカイプで友人にも送っています。若干ウザがられているけど気にしません(・ω・)ノ

 それで記事の中身ですが、割と着眼点通りにタイヤにもEVシフトが起きていて、日系も今回取材で取り上げたダンロップを始めOEタイヤだけでなく交換用タイヤでもEV用タイヤ製品を出すようになってきています。また静粛性など燃料車用タイヤと明確に異なる機能が要求されることから、書いてて非常に楽でした。特にプロットとかもあんま立てずに取材した内容をつらつら書くだけで済みました。

 ただその取材ではひと悶着というか、なんでと感じる点がかなり多くありました。当初、EV用タイヤを調べ始めた際にこちらのETICという会社の解説記事が非常に参考となったのでぜひ紹介したいと思い、引用していいか電話で尋ねようと思ったら電話にでんわで、仕方ないのでメールでも聞いたらこっちも返信なしでした。まぁ慣れてるけど。でもって嫌がらせするためにさっき「あの件どうなってんの?」ってまたメール送ったった。

 次に、日系タイヤメーカーにもその動向を聞こうと思ってまず昔電話取材したことのあるトーヨータイヤさんのリリースについている広報への電話番号にかけたところ、こちらも電話に誰もでんわでした。しかも2拠点とも。
 恐らく、電話の発信番号が海外だからわざと取らなかったのではないかと疑っています。どちらにしろ、電話にでない広報って色々やばいようにしか思えず、ちょっとこの会社についても疑問を持っています。

 トーヨータイヤが駄目だったので今度は既に日本市場でもEV用交換タイヤを販売しているブリヂストンさんに朝一で電話かけて広報につないでもらったところ、専門担当者から折り返すというので、今日中には返事もらえそうかと聞いたら問題ないとのことでした。そのため、いつ電話が来ても取材対応できるようお外が晴れたお休みなのに自宅でずっと待機し、気がついたら日本時間で夕方5時になりました
 休日を電話待ちだけでガチで潰された恨みからまた電話をかけたところ、「既に担当者には要件は伝えてある。後ほどまた連絡させる」という返事でした。っていうかその場で電話出ろよ。

 その後、電話から数分後にあらかじめ伝えておいたメールアドレスにその担当者らしき人からどんな質問なのか、掲載媒体どこなのか、掲載日はいつなのかが尋ねられたので、締切明後日だから明日午前中に電話で回答できるかと返信打ったところ、「無理、じゃあ取材辞退する」と断られました。
 実際はメールの中身はまだ丁寧な書き方でしたが、メール打ってる暇あるなら約束通り電話かけて来いよという気がしてなりませんでした。その方が意思疎通も早いんだし。

 それ以前に、そこまで込み入った内容でもないのに尋ねられてすぐ回答できない広報って何なんだと、いろいろ疑問に感じました。最近報道の現場にいないけど、自分がいた10年前とかだったらこんな対応された場合、「お宅の広報は随分と無能なんですね」とはっきり言う記者も珍しくありませんでした。自分がいない間に日系企業の広報の質が下がっているのだろうか。

 そんなこんなでちょっとアレな対応され続け、最後の手段とばかりにダンロップこと住友ゴムさんに電話をかけたところ、すぐその場で広報担当が取材に応えてくれ、また「実際の売れ行きはどう?」と聞いたら「ちょっと待って、今すぐ調べるからその間にこちらの質問に答えて」的に話しながらすぐパソコンで調べたのか、中国自動車メーカーの納入社数を教えてくれました。
 細かい点を話すと、従来の燃料車用タイヤとの価格差はどんなものかとも尋ねたのですが、住友ゴムとしてはメーカーや小売店に卸していて実際の小売は行っておらず、またオープン価格として出しているため、価格についてはきちんと把握しておらず回答できないと言われました。言われてみればその通りと私も納得できる回答で、非常にしっかりされた広報の方だという印象を持ちました。ぶっちゃけこれが普通なんだけど、これまでの他のところが今回はひどすぎました。

 ただ、最後に住友ゴムに電話かける際は、「住友ゴムなら大丈夫だろう」という確信を実は持ってたりします。というのも、財閥系企業はどこも広報がしっかりしており、きちんとその場で必要な質問に答えてくれるし、込み入った話も調べた上で回答してくれるからです。そうした財閥系への信頼は今回においてはまさに想定通りとなり、無事に取材を終えて記事にまとめることが出来ました。

 実は内心、記事中に引用している中国市場の主なEV用タイヤ製品の図表の中にブリヂストンのタイヤ製品も入っているのですが、上記の塩対応もあったことから、ブリヂストンのタイヤだけ図表から消しとこうかなと考えたりもしました。まぁさすがに子供っぽいし、地の文では一切取り上げずに住友ゴムさんはプッシュしようって結論になりましたが。

 そんな取材の裏側だけでこんないっぱいかける記事でしたが、内容的にはかなりニッチな話題だし、最近のJBpressの読者はウクライナ戦争を始め経済系より政治系記事の方が人気出やすいこともあり、内容はそこそこ面白いと思うし自信もあるけど、アクセスは稼げないだろうと予想していました。それでもこの業界に興味のある人、センサーのある人にこういう情報もあるよと伝えればいいかと思って出したところ、なんかJBpress内のアクセスランキングでさっき見たら2位に入ってて、意外と読まれててビビりました。

 そういう意味では、記事内容的にもアクセス的にもかなり満足度の高い記事で、今度また中国自動車市場記事を書く際にリンクつけられるだろうから、いいタイミングで出せた記事だと自己評価しています。

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