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2017年10月24日火曜日

堕ちなければわからない

 今の職場でも真冬にコートを一切着ない男として有名なため気温が下がるにつれて周りから、「今年もコート着ないの?」と聞かれることが増えてきました。もちろん着ません。
 多分体の放熱量が他の人と比べても異常に高いからでしょうが私自身も夏より真冬の方が好きなだけあって基本が低い方が動きやすく、今現在も窓開けっぱなしですが非常に涼しく気分がいいです。なので好きなことをそのまま書きます。

 結論から言えば、堕ちるところまで堕ちなければわからないでしょう。そしてそれは2020年の東京五輪後を待たなければならず、その後でも果たして現実を直視できるのか私には疑問です。
 かつてNHKから取材を受けたときにこのブログでは様々な政策提言をしていて日本を盛り上げたいというような意識が見られると向こうの記者に指摘されましたが、決して間違いではないものの果たしてそれでいいのかという疑問はもう何年も持ち続けています。というのも下手な延命策を取るよりいっそ激しく叩き潰した方がこの際目が覚めるのではと思うことが多く、外科手術的には思い切って切断した方が本体にはいいのような具合です。

 決して最近になってからというわけではありませんが、やはりこうしていろいろ記事書いたり各種の意見を聞いてたりすると、明らかに現実を無視したというか意図的に視線をそらした意見や主張が見受けられます。一人二人ならともかく割と多いし、またメディアもかねがね言っているように海外報道に関しては正直なめているところもあって、壊滅的です。
 ならばこそ、敢えて叩き潰す側に回って一刻も早く叩き潰した方が、犠牲者というか犠牲になる年代は少なくて済むのではないか。この疑問は何年にもわたり持ち続けていますし、ハゲタカのモデルとなった米ファンドで活動していた人の言葉も間違いじゃなかったなと思えてきます。

 自分の経験から言っても、理論的にいくら言っても理解できないという事柄は確実に存在し、失敗を経ないと絶対にわからないっていう者も少なくありません。だからこそ、というより実際に多くの人が体験してみないとわからないと思うこともあるだけに、もうこの際かなと言いたいわけです。
 もっとも自分の完全に独立して生きているわけじゃないのでえらそうなこと言える立場ではありませんが、今後の時代について悲観するよりかはどこまで落ちてどんな風な混乱が起きるのかと観察めいた視線で楽しんでみる方がお得ではある気がします。

2017年10月23日月曜日

ゲームレビュー「ダンジョントラベラーズ2」

 Youtubeの動画開いた際にあべりょうの歌の広告が流れるのがただただ不快です。

ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印(アクアプラス)

 大分前ですが面白いと評判だったので上記の「ダンジョントラベラーズ2」というゲームを購入していてつい最近にやり始めてみました。このゲームは美少女ゲーム大手のアクアプラスが、開発にスティングという会社を迎えて作ったゲームで、ジャンルとしては3DダンジョンRPGに入ります。タイトルには「2」と入っていますが前作は美少女ゲームの「To Heart2」というゲームのスピンオフゲームで、ゲームのジャンルや骨格こそ同じであるもののストーリーや世界観間でつながりはないと聞いていたので、前作をやらずにこちらから購入しました。

 やってみた感想はというと、面白くないというわけではないものの全体として作りが異常にチープです。正直、10年くらい前に作られたゲームかと疑うようなチープさです。

 ゲーム全体としては3DダンジョンRPGなだけに3Dダンジョンを探索しながら魔物を倒していくというオーソドックスな内容なのですが、全体的に敵キャラが強いものの、レベル上げたら割と楽勝になってしまうほどゲームバランスがやや偏っています。またそのゲームバランスに影響を与える装備品についても、恐らく個別にパラメーターを設定するのが面倒だったのか知りませんが、基本的に出てくるアイテムは非常に限られており、それを「+10」などと数字を足すことで区別しています。
 具体的に例を挙げると、「ショートソード」の元々の攻撃力が12だとすると、「ショートソード+10」の攻撃力は22になります。こんな感じで、ゲームを進めるごとに+の後の数値は段々と上がっていくわけですが、逆を言えば後半に至っても「ショートソード」という名称の武器が延々と使われ続けており、なんていうか名称で萎えます。ほかも「ロングソード」、「スタッフ」、「ハンドアクス」などしかなく、これらが前半から後半にかけてプラス値が変わるだけでずっと使い続けなきゃいけないし。

 ただ、この辺はダンジョンRPGの特性上ということでまだ妥協できますし、ほかの同じジャンルのゲームでも見受けられる措置です。それ以上に自分がやっててチープさを感じたのは、戦闘での演出です。
 戦闘画面は基本的に画像が動くことがなく、攻撃時も斬撃が「ザシュッ」的に横に流れるような演出しかなく、「邪聖剣ネクロマンサー」(1988年)の頃と何も違いがありません。ドラクエとかならそれがもはや伝統なので特に問題ではありませんが、このダンジョントラベラーズはどちらかというとキャラのビジュアルを売りにしているゲームなだけに、特定の攻撃に際してはキャラのカットインを入れるなどできなかったのかと思えてなりません。しかもそのキャラビジュアルも、特定イベントCGを除くと基本立ち絵しかないし。

 そしてなんといっても自分が気になったのはBGMです。もうびっくりするくらいチープで、素人の自分ですら安い音源を使っているのが聞いててわかります。音源が安いなら安いでメロディーで挽回するのかと思いきや、これまた全然シーンに合っていないしょうもない曲ばかりで、折角スティングにはいいコンポーザーいるのになんでこんなダサい曲使うんだろうと深刻に不思議だと感じる水準です。
 ついでにと言っては何ですが、ストーリーも見ていて非常にアレです。美少女ゲームメーカーなんだから王立メイド隊とか騎士団なのに女性キャラしかいないとかはこの際目をつぶるとしても、突然性格が豹変した主人公の上司は一目見て、「ああ、魔人が乗り移ったんだな」と、すぐわかるくらい展開が読めます。しかもそんな豹変した上司を見て主人公らは訝しみこそするものの本格的に怪しいとは思わず、プレイしていて「おいおい」と突っ込みたくなること請け合いです。ダンジョンも次から次に提示されるものをただ回るだけだし、主人公もギャルゲーによくありがちな典型的なくらい個性のないキャラだし、挙句に主人公以外の男性キャラはほぼ皆無という、いくら美少女ゲームメーカーとはいえこれはどうかなと思う世界観です。

 いいところとしては各キャラごとにスキルを自由に設定できて、組み合わせによっては無能になったり、戦闘が楽になったりと大分変ってくるので工夫のし甲斐があるところです。これを除けばレアアイテム探索もないし、基本一本道のシナリオなので、言っちゃ悪いですがあまり出来がいい作品とは思えません。

 ただこのように私が思うのも、同じ3DダンジョンRPGというジャンルで先に日本一ソフトウェアの「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」というゲームを遊んでいたということが大きいかもしれません。はっきり言ってこちらは近年稀にみる名作もいいところで、戦闘システムからBGM、演出、そしてプレイ中に何度も唖然とするような先の読めない展開が続くストーリーはすべて一級品でした。特に最終盤、ストーリー冒頭で聞いた声の主がその姿を現した際は真面目に手が震えるほどの衝撃ぶりでした。
 またBGMも非常に印象に残る者ばかりで、今でもたまにYoutubeで聞くくらい優れています。特に某ダンジョンのBGMは耳からしばらく離れなかったし。

 このルフランと比べるとダンジョントラベラーズ2はいかにも安っぽく作られているようにしか見えず、キャラゲーなのにキャラもルフランほど立っておらず、強いて言えば声優の赤崎千夏氏の演技が悪くないかなかと思っていたら、赤崎氏はルフランにも出演していました。もう何もいいところないじゃんかこれ。
 でも真面目に、3DダンジョンRPGをPSVitaで遊ぼうっていうんなら、絶対的にルフランの方がおすすめです。

2017年10月22日日曜日

共産党は保守?

 先日、最近炭水化物ダイエットに取り組んでいるツッコミの鋭い後輩と食事中に共通の知人について私が「あの人は地に足がついていないから」といったところ、「花園さんがそれいいます?」とまたすぐ突っ込まれました(´;ω;`)

 話は本題に入りますが、既に投票は終わりましたが今月の文芸春秋では総選挙特集が組まれており、その中には作家の橘玲氏も寄稿した記事も入っています。内容はほの一般的なライターと違ってやや斜めな視点で各種選挙要因を分析していて面白く、中でも年代別の政党に対する意識の分析は見事だと思いますが。
 その分析は具体的にどのようなものかというと、一言で言えば「共産党は熟年層では革新、若年層では保守とみられている」というものです。

 現実的な目線で見るならば、この場合は若年層の見方の方が正しいと言って間違いありません。もはや滅亡状態にある社民党を除けば、結党当初からの護憲を叫び続けているのは共産党です。一方、憲法改正はもとより各種新規政策の導入に意欲的な自民党については若年層は革新、熟年層は保守という風に見ており、こちらも言葉通りに解釈するならば、やはり若年層の見方の方が正しいでしょう。

 では何故、実際に主張としては完全な保守である共産党を熟年層は革新勢力とみなすのか。結論から言えば「昔からそういい続けてきたから」というのが大きいように思え、いわば、「保守は自民、革新は社民、共産」という価値観に固まったまま動いていないだけでしょう。その上で共産党を支持する熟年層は、自らを革新勢力と考えているかもしれませんが実際には既得権益維持を目指す保守なのかもしれません。

 また、同じ記事では若年層の政治意識について明確に、「自民への支持意識が高い」と指摘しています。理由は何故かというと、若年層からしたら政治に期待することは自らの就職が最も強く、近年の実体はともかくとしてアベノミクスによる求人増加は彼らの願望に適っており、むしろ他の政党に政権を引き渡すことで雇用が不安定化することを恐れていると分析しています。
 この分析については私も完全に同感で、またどこかは忘れましたが選挙中にも全く同じ指摘をする記事が出ており、若年層は上記の理由から「革新=自民」を応援していて、SEALDsなどはむしろ少数派でしょう。こうした若者の自民支持について以前はネット右翼などという言葉とともに若者の意識の右傾化と説明する人が多くいましたが、実態としては経済的な損得勘定の方が大きかったとみるべきでしょう。

 以前、っていうかこのブログを始めた当初私は、「もはや右翼、左翼という対立構造は現代では成立しない」と主張し、あれから数年、っていうかもう10年経っていますがむしろあの時より現代の方がこうした傾向は強まってきています。今回の選挙にしたって共産と自民であれば保守対革新という構図はまだ通じますが、他の野党と自民であれば争点らしい政治的主張はほとんどなく、どっちかと言えば暴言で問題となった豊田真由子議員(他を差し置いて落選速報がもう出てる)など、議員個人の人格が信用できるかどうかの方が政治的主張や観念よりも重きが置かれた選挙だったような気がします。
 小池都知事率いる希望の党も当初でこそ争点を作ろうと、小泉元首相と会った上で「反原発」を掲げましたが、それ以外の政策はほぼ無きに等しく、昨日の記事に書いたように自民も希望も立憲も「子供手当は拡充する」という、全会一致なら早くやれよと言いたくなるような争いのない選挙だった気がします。なもんだから希望と立憲は安倍首相の人格批判、自民と立憲は小池都知事の人格批判をやってただけにも見え、なんていうか「このハゲー」的に不毛でした。いっそのこと、「不毛選挙」と呼んでもありかもしれません。

 それにしても豊田議員については選挙中もしょっちゅう取り上げられていて、あの発言のインパクトはやはり凄かったのだと再確認させられました。今年の流行語に「忖度」ともども確実に入ると思いますが、授賞式には来てくれるのだろうか?

2017年10月21日土曜日

児童手当の累進性強化の提案

 近くの家具屋で革張りでひじ掛け付きの椅子が500元(約8,600円)で売っており、一週間悩んだ上で買ってしまいましたが、元もそんな広くない部屋なのにやけに豪華な椅子おいて部屋狭くならないかなと今少し心配です。既に到着して組んでいますが、今までパイプ椅子だったこともありいろいろと違和感があり、ゲームの中で小さい軍艦ほど設計が難しいですが、狭い部屋もまたインテリアは難しく、且つ決まればものすごく勝手が良くなる気がします。
 座り心地は物凄くいいから、動画とか見るのにはよさそうですが。

 さて本題ですが、 現在選挙真っただ中ということもあって各政党がいろいろ公約を掲げていますが、もはやマニフェストすら死語となり、もともと日本は公約達成率をきちんと分析して報じる大手メディアも少ないことから、なんか政治家も有権者も「どうせ実行しない」ことを前提に演説とか聞いているような気がします。
 そんな真面目に取り扱われていない公約の中でも、有権者が注目しているように感じる政策としては児童手当関連だと思います。特に子育て世代からすれば生活に直結する内容であり、各政党もその辺わかっているのか携帯電話通信会社のキャンペーンの如く、「向こうが高校無償化ならこっちは大学無償化だ」、「ならばこっちはさらに現金までつけちゃうぞ」みたいな感じで、財源についてはほぼガン無視した上でサービス競争が繰り広げられています。

 確かに、少子高齢化は日本にとっても非常に大きな問題であるだけにその対策に力を入れるというのは間違いではないでしょう。しかし、お金に余裕があるならいざ知らず現在の日本の財政は文字通り火の車、を通り越して「マッドマックス~怒りのデスロード」みたいな状況で、何でもかんでもお金を出していいわけではなく、なるべくなら節約しなければならない状況です。そのような観点に立つならば、今本当に議論すべくはどの政党がどれだけ児童手当を多く出すのか、ではなく、どんな児童手当プランが少子高齢化に効果があるのかであるような気がします。
 言うまでもなく、お金を多く積めば積むほどそりゃ効果はあります。しかし同じ金額でも、積み方によってもその効果は変わってきます。現状、もうお金ないから児童手当は廃止ねなんて言える状況ではないことから、最も効果のある効率的な児童手当プランこそみんなで知恵を出し合うべきじゃないかと言いたいわけです。

 ではどんなプランがいいのか。結論から言うと見出しに掲げた累進性を強化したプランがいいと私は考えています。児童手当で累進性とは何か、また変な表現を自分でも使ったと思いますが、要は子供を多く産めば生むほど恩恵が大きくなるという仕組みを指します。

 あまりこの方面には詳しくないのですが現在の児童手当でもこうした累進性は既に存在していて、具体的には第3子から支給される児童手当の金額が加算されるようになっているそうです。とはいってもその加算額は中学生までの合計で、

******************
第1子/第2子であれば…

・15,000円×36ヶ月×540,000円
・10,000円×108ヶ月×1,080,000円
・10,000円×36ヶ月×360,000円

合計1,980,000円


第3子以降であれば…

・15,000円×36ヶ月×540,000円
・15,000円×108ヶ月×1,620,000円
・10,000円×36ヶ月×360,000円

合計2,520,000円(育ラボ記事から引用。勝手ながら申し訳ありません。)
******************

 以上のように、第3子以降だと第1、2子と比べ約50万円上乗せされるという計算です。
 私の案としてはこの累進性をさらに強めることで、「いっぱい生んだ方が絶対得じゃん」と思わせる方向にもっていきたいわけで、そうした姿勢を強く出すためにも大胆な政策が必要な気がします。

 ではどんなプランがいいか。パッと思いつく限りだと、児童手当の支給額は第1子、第2子のテーブルを第3子以降にも適用する形で統一して維持した上、第3子以降なら大学までの学費すべて国負担とかありなんじゃないかと思います。というのもすでに各政党が大学までの学費も国負担とする公約を掲げており、それだったら敢えて第1、第2子は家計負担で据え置いた上、第3子からは半端ないボーナスをつけた方がいいと思い、こんなプランがほんと突然、昼飯買いに行く途中で浮かんできました。

 ただし、このプランを導入するに当たっていくつか前提が必要となります。一つは大学の学費設定で、このプランを悪用する形で必要以上に学費を値上げする大学に対する価格統制を強化し、適正な価格を維持すること。もう一つは、加計学園系列大学をはじめとするいわゆる「Fランク大学」という教育水準が低く、ほぼ無試験で誰でも入れる大学を淘汰しておくことです。こうしておかないと制度を悪用する輩が出てきそうなのと、効率的な資金投入が阻まれる恐れがあるからです。
 あと、私大医学部に関しては支給学費に上限をつけた方がいいかもしれません。学費が非常に高いことからさすがに第1、2子と比べ非常に不公平な制度となりかねず、この点だけは例外扱いにした方がよさそうです。
 まぁそれなら、他の一般大学に関しても支給額上限(年間150万円以下?)をつければ、不当に値上げする大学も防げてベターかもしれません。

 最後に、「これだと家計の事情で進学したくともできない第1、2子が不公平では?」という意見が出てくるかもしれませんが、私なりに言わせてもらうと、第1、2子にも平等に金配って子どもが増えるかと言えば疑問なのと、手段を選んでいるほど今の日本の状況は緩くない、といったところです。無論、第1、2子への奨学金なども整備する必要はありますがあくまで家計負担として、第3子以降を生むメリットを強調するべきだと言いたいです。
 また古い話を持ち出すと、昔は一家から一人大卒を出すために他の兄弟が犠牲となる形で修飾したりするケースが後を絶ちませんでした。そうしたことを考えると上のような反論は、今の日本の逼迫した財政状況を考えると、といった思いがしてきます。菅野直もまさにそんな口で海軍行ったっていうし。

2017年10月19日木曜日

西室泰三の逝去について

 一昨日、シャワー浴びた後で上半身裸で窓開けながらゲームしてたせいか、昨夜は熱っぽく頭痛もひどかったのでブログ休んでゲームしてました。ゲーム中も頭痛かったので、11時くらいで切り上げて寝ましたけど。

故・西室泰三氏 異色の経歴ながら東芝でなぜ力を持てたのか(NEWSポストセブン)

 さて本題ですが、東芝、東証の会長を経験した西室泰三が逝去していたそうです。あまり財界に詳しくないといまいちわかりづらい人ですが、日本の財界ではトヨタの奥田碩氏ほどではないですが非常に有名且つ権力の高い人であり、且つ現在の東芝にまつわる問題の元凶を作った人物です。
 そんな西室泰三について上の記事はその訃報とともに業績と過失について紹介したものですが、一目見て非常に優れた記事であるように感じました。ぶっちゃけこの点でもって記事書いてもいいのですが、簡潔かつ必要な内容はすべてまとめてあり、ここ数ヶ月で見た中では最も優れた記事のように思えます。

 話は戻りますがこの西室泰三の過失は何かと言えば、東芝で院政を敷いたことに尽きます。社長退任後、後任の社長として会計不正を主導したとみられる西田厚總氏を指名し、西田氏以降についても自分の意向によって社長人事を決めていたとされ、こうした身内固めが会計不正の影響を拡大したことは間違いありません。
 また自分も今回記事を読んで思い出したわけですが、西室泰三は東証の会長もやっていたわけで、そう考えると非常に因果深いなと思えてなりません。すでに東証は東芝の監理銘柄指定を外して通常の上場状態に戻すことを決めていますが、あれだけの会計不正を、しかも期日以内に財務諸表を公表できなかったばかりか実質的な不適正意見を受けているにもかかわらず、「問題なし」とお墨付きを与えて上場を維持するなど正気の沙汰ではありません。前にも少し書きましたが、東芝の役員経験者諸共、東証の関係者も逮捕起訴すべきだと私は思います。もしこの論理が通るならば、今後上場廃止できる企業はありません。

 このように今回の問題の主役ともいうべき東芝、東証の二つでトップを経験した西室泰三がここで亡くなるというのが因果深いと思うわけですが、真面目に今の東芝の現状についていくらかコメントを聞いてみたかったものです。もっとも東芝に限らず日産や神戸製鋼も今非常に荒れた状態にあるだけに、他の関係者に聞いてみても面白い話が聞けるかもしれませんが。
 予言として言いますが、恐らく大企業の、それも技術不正は今後もまだ出てくるかと思います。自分も品質管理していた際にうすうす感じていましたが、下請けに対してはやけに細かい検査を支持しながら、案外大手メーカーでは杜撰な品質管理体制を敷いているように見えます。叩けばいくらか埃が出てくるでしょう。

 それにしても日産は今日、全出荷停止を決めましたが、ディーラーとかどうすんだろう。また日産工場の検査職員もあきれたことやってたなとみていて思います。次回もこれでやっぱ記事書こうかなぁ。
 ちなみに明日JBpressでまた記事出ます。個人的に次の記事はどう反応されるか楽しみです。

2017年10月16日月曜日

ブラック企業対策としての新規採用停止

最終関門の品質保証担当まで積極改ざん 神鋼不正品問題(朝日新聞)

 上の記事を読んだ、「朝日新聞はすごいな」と心底思いました。客先への検査証明書発行は品質保証担当以外ができるわけないんだから、最初の発表の時点で品質保証がこの事件の主犯だということがわかるというのに、わざわざわかりきったことを改めて記事にしてくるくらいですから。
 っていうか本気で、朝日の編集部には製造の流れを少しでもわかっている人いないのだろうか。誰にも見咎められずにこんな記事出せるなんて、恐れを知らぬ暴挙もいいところでしょう。

厚労省“ブラック企業リスト”にヤマト運輸が追加 計476社に(IT media)

 話は本題に入りますが相変わらず読みづらいITメディアの記事ですが、厚生労働省がまたブラック企業リストに追加したそうです。しかし最初でこそ数十社で読む側も、「えっ、あそこブラックやったん?」とみる気にもなりますが、さすがに476社ともなると注目が薄れるというか、内定をもらった企業がブラックかどうかじゃないかの確認でもしないかぎり、読む気が失せる量になってきました。恐らく今後も増えていったとしても、世間の注目はどんどんなくなり掲載されることのデメリットは自然消滅するかと思います。

 そんな風に思いながらこのリストを活用したもっとブラック企業に効果的な対策はないものかと考えたところ、さっと浮かんできたのは見出しにも掲げた新規採用の停止でした。やり方はごく簡単、このリストに載っている企業は一切の新規採用手続きを停止させられ、社会保険など諸々の手続きをすべて禁止にするという措置です。

 正直に言って現在リストに載せるのはあまりブラック企業対策としては効果がなく、また先ほど書いたように今後どんどんその少ない効果も薄れて行くかと思います。ならばこのリストと連動した処分を課す方がいいと思えました。ならば何が一番効果的かとなると、人事にも絡むのだし新規採用の停止が効果があるように思え、労働環境の改善が認められてリストから外されるまで停止すれば、企業側としてはブラック企業予備軍もかなりビビるのではないかと思います。

 ブラック企業の特徴としては労働環境が悪く、従業員の入退社が非常に多いということが特徴です。そこへこの新規採用手続きの禁止措置が来てしまうと余計に人員は圧迫され、かといってそこで既存従業員の負担を増やして対応しようとするとブラック企業の認定が外れなくなり、採用停止ができない状態が続き、弱り目に祟り目みたいな悪循環が起こって下手すりゃ経営破綻まで一直線となります。言い換えれば、ブラック企業の淘汰粛清にもつながります。
 それだけにこの措置は乱発してはならず、実行に当たっては事前に何度かの警告を経た上でやるのがベターでしょう。ただその措置の強烈さもあるだけに、警告だけでも多くの企業は震え上がり、労働環境改善について真剣に取り組むよう促せる気がします。

 特に大手企業では、新卒の一括採用シーズンにこれ食らうと人事部としては大打撃です。まぁ私としてはそういう会社も年に数社選んで、新卒一括採用制度を破壊して中途採用やシーズン外採用を促すのもいいと思っているのですが。

 中国にいるからかもしれませんが、なんか日本の政策を見ていてどれも実効性に乏しいものばかりな感じがします。例えば環境汚染対策についても、中国の罰則は報告が1日遅れるごとに罰金がどんどん積みあがるという恐ろしいシステムになっており、やはりこの政策は聞いているのか前よりも環境対策に企業も慎重になってきています。今に始まるわけじゃありませんが、中国のことを「人治社会」などという日本の方が法治をなめてるだろと言いたいです。

2017年10月15日日曜日

中国電子マネー普及の「偽札が多いから」という理由について



 最近金遣いが荒く、昨日は上の写真にあるキーボルダーをダイソーで10元/個で大人買いしてしまいました。でもって今日も果たして必要なのかなと思いながらも、掛け布団カバーとモップ用雑巾を購入したのですが、一部決済には電子マネーによるモバイル決済で済ましており、自分もほんとこういう支払い方に慣れたなという気がします。

 こうした電子決済は中国では感覚的に2015年頃から普及し始め、2016年には使わない人はいないくらい爆発的に広がりました。現2017年に至ってはもはや完全なインフラと化しており、今更電子決済禁止にもなろうものなら社会はきっと大混乱に至るでしょう。
 こうした中国の電子決済事情は日本のニュースでもよく取り上げられているのを確認できますが、読んでて気になることとして「中国で電子決済が普及した理由は社会に偽札が多いからだ」というものがあります。結論から言えばこの理由については違和感があるとともに恐らく間違いだと思われ、何故こうした根拠が挙げられるのかと言えばむしろ日本側にとある理由があるからではないかと睨んでいます。

 まず前提として、確かに中国では偽札が非常に多いです。一方で日本とは違って各商店や銀行などでの偽札チェックは非常に細かく、大体100元、50元札(約1,600円、800円)単位で偽札チェック用の機械にかけられるので、仮に受け取ったとしてもすぐにそれが偽札だと消費者も提供者も気づきます。小売各店ではもしかしたらこうした偽札被害を掴まされることも多いかもしれませんが消費者側においては、地方だとわかりませんがそんなしょっちゅう掴まされることはなく、よほど怪しい露店主や変なおじさんからでない限りは偽札かどうか疑うことはありません。

 その上で電子決済が普及した背景について周りの中国人に話を聞いてみると、ほぼ異口同音に「便利だから」の一言しか返ってきません。私自身としてもこの便利だという理由の一点のみで電子決済を利用しており、飲料自販機など小銭出したりするのが面倒な支払いにおいては実際便利この上ありません。
 もっとも、電子決済だとお金を使った気がせずついつい消費が増えてしまいがちなので、100元超の支払いに関しては私は敢えて現金で支払うように心がけています。

 政府や商店主側の立場であれば確かに偽札対策の意味合いも込めて電子決済を奨励、取り入れているのかもしれませんが、こと普及の立役者たる消費者側においては偽札云々は電子毛債を利用する理由どころかハナから眼中にもありません。仮に、「政府としては偽札対策の意味合いも込めて電子決済を社会に奨励している」という書き方であればまだ理解できますが、「中国は偽札が多いから電子決済が好まれる」という書き方だと実態とかけ離れている印象があり、はっきり言ってしまえば現実を見誤らせる、ミスリードさせる書き方になると断言できます。

 では何故日系メディアはみな判で押したかのように偽札について触れるのでしょうか。やや深読みしすぎかもと自分でも思う部分もありますがそれでも敢えて言うと、「便利だから」という理由しかない現実を認めることができないからではないかと思います。
 これはどういうことかというと、「非常に便利で誰もが一気に飛びつき社会でばっと普及した日本にはないサービスが中国で流行っている」とは書けない、書きたくない、書いたら反発食らうかもという事情がライター、メディアの間であるのかもしれません。だからこそ、「偽札が多い」という特殊な事情背景をつけ、さも「日本とは条件が違うから」という理由というか言い訳が求められたのかもしれません。

 今この記事を読んでいる方は違和感を持たれるかもしれませんが、私自身は大真面目に偽札が多いという理由を頑なに繰り返す日系メディアの主張がいつも不思議に見えてならず、また中国人の友人らに話しても、「普及したのはただ便利以外の何物でもないじゃないか」という返事が返ってきます。そのような、便利この上ない日本にはないサービスが中国で生まれ、普及したという現実を、もしかしたら無意識的に受け入れられない、もしくは反発があるのではと、誇張するわけではなく本気で私は思っています。

 どう受け取るかは勝手ですが、少なくとも言えることは電子決済普及に関して「偽札が多いから」というのは絶対的にNGであり虚報もいいところです。この言い回しを使うメディア、ライターについては現地の実態を見ていないか、別の思惑があるかを疑った方がいいでしょう。
 その上で、私がこのような挑発的な言い方をするのはほぼ毎回理由なくやることはまずないと、今回はサービス的に事前予告しておきます。それでも反論がある方は心待ちしているので是非お寄せください。

 以前こちらで私の記事の読者とも会って話しましたが、現在中国事情について取り上げる日系メディアは星の数こそあれども、実際私のように中国現地で生活しながら書いている人は意外と少ないという指摘がありました。この指摘には私も同感で、日本にいながら中国のことについて書いている人の方が圧倒的に多いと思います。
 私も威張れるほど中国の草の根の生活に身を置いているわけではありませんが、この点においては他のライターと比べても一日の長とは言えるでしょう。