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2024年10月26日土曜日

ルックバックの映画面白かった(´・ω・)


 なんかこの前行ったラーメン屋に貼られていた警察のシールなのですが、書かれている内容を翻訳すると、「ケンカはダメ、負けたら病院、勝っても牢獄」という内容で、なかなかいいフレーズというかユーモアが感じられたので撮影しました。っていうか勝ち負けをはっきり分ける辺り中国らしい。

 話は本題ですが今日から中国で公開されている日本のアニメ映画の「ルックバック(中国語:蓦然回首)」を見に行きました、また朝一だったので観客は自分ともう一人だけでした。
 この作品は知って売る人には早いですが「チェンソーマン」の作者の藤本タツキ氏の短編を原作とした映画で、日本でも6月に公開されています。原作の漫画は私も読んでて単行本も買っているのですが、漫画ならではの特殊な表現を効果的に使用しているほか、他の同業者からも絶賛されている通りクリエイターの生みの苦しみめいたものを上手に表現していることから非常に高い評価を得ています。

 そういったわけで今回映画化もされたわけですが、前述の通り漫画ならではの表現が使われているため、私自身は映像化しにくい作品だと考えていました。それだけにそういった場面をこの映画ではどういった風に表現するのかが気になっていたのですが、特に違和感なく、アニメーションとしてうまく落とし込めていました。
 また監督の押山清貴氏のインタビューによると、主人公が雨の中スキップするシーンはやや原作とは異なる動き方にして見せたが、それ以外は原作をなぞるように、作者の意向を確認しながら作ったそうです。最近、っていうか昔からですが、原作を変な風に改変して失敗する作品も少なくないですが、先ほどのきちんと映像に落とし込むという点といい原作を余計に変えず、それでいて違和感のない場面で自分の色を見せる辺りは大した監督だと正直思いました。

 特に自分が感心したのは音響方面で、極力BGMを排したのは自分のイメージともぴったりでした、BGMのある所も非常に場面とあっていて、多分一番評価できるところなんじゃないかという気がします。

 このほか声優の演技についてですが、主役二人に関しては全く問題なく、特に京本役の人は今後伸びしろがあるのではという期待感を持ちました。しかしモブこと脇役に関しては正直に言ってびっくりするくらいの棒読みで、敢えて目立たせないためそのような演技指導をしたのかもしれませんが、下手過ぎて逆に悪目立ちしているような感すらありました。なんであんな下手な演技でそのまま通したのか、この映画における唯一の不満点となりました。

 以上が私の感想ですが、まだ公開初日とあってあまりメディアも報じてないですが、中国でもこの作品は売れると睨んでいます。こう考える理由としては、中国人は日本人以上に下手な友情物に弱く、ストーリーが受け入れられやすい点が第一に挙がります。
 第二の点として、前述の通りこの作品は漫画家などのクリエイターから非常に高い評価を得ていますが、こうしたクリエイターの生みの苦しみを描くような作品が中国だとほとんどないためです。日本では同じく漫画家を目指す少年二人組を描いた「バクマン」などがありますが、中国だとこの手の作品はあまりなく、実際友人の中国人も「バクマン」を見て凄い新鮮に感じたと話してました。

 それでいてですが、中国人自身は割とクリエイター気質というか、一つの作品に全身全霊で打ち込もうとするような人間が少なくないです。こうした人はカメラ趣味系に多い気がしますが、そうした作品を作る側に立ったストーリーがあまりないだけに、このルックバックを見て共感を覚える中国人も少なくないというか「こういうのを見たかったんだ(´;ω;`)ウッ…」という人が多いのではと思っています。
 この辺、今後の中国の報道を見て反響などをまた書いていきます。

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