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2024年11月24日日曜日

最近の日本経済に対する私見

 最近の政治経済のニュースは103万円の壁ばかりです。もちろんこれは悪いことではなく、むしろ長らく行われてこなかった制度改革について文字通り国民全体で議論しており、このネタに火をつけた玉木氏には自分も陰ながら評価しています。

 そんな政治状況とはお構いなしにあまり話題に挙がってこない日本経済について話すと、なんだかんだ言いつつ賃金は上昇傾向が続き、業績も悪いという話はあんまり出てこないなど見た目だけなら日本経済は若干好調なように見えます。
 ただ知人によると、このところの企業の業績改善はほぼすべて円安に伴う為替差益によるもので、実質的な成長を遂げている企業はほとんど少ないそうです。自分もこの見方に同感で、何故かというとこっちの中国にいる日系企業の業績の悪化ぶりがかなり大きいからです。

 昨日書いた記事でEV化に伴って自動車部品の多くが使われなくなることに触れましたが、内装部品をはじめ、EV転換しようがしまいが影響を受けずに使われ続ける自動車部品を作る日系メーカーにおいても、業績が悪化している会社を多く見ます。背景理由としては中国のEV化は既存の内燃車のパイを奪う形で進行しており、なおかつEVメーカーの多くは中国資本で、サプライヤーも日系よりも中国系が優先される傾向にあります。そのため日系部品メーカーにとってはEVでも使われる部品を作っていたとしても、中国市場におけるシェアは落ち、業績が悪化しているというわけです。

 中国市場が異常の通りだとしてほかの市場はどうかというと、東南アジアの成長市場ではここ数年、中国系EVが多く進出するようになり、こっち方面でも日系が勢いを持つという話を聞きません。これらを総合すると自動車業界に関しては、日本国内を含めどっかの市場で成長しているという話はあまり聞かず、このところの連結業績もやはり上記の通り為替差益によるものではないかという風に考えているわけです。

 自動車以外の産業に関してもほぼほぼ同じようなものですが、唯一観光業だけは来日客数の増加でプラス成長を実際に遂げているとみています。もっともその分だけ観光公害も起きているわけですが、製造業の成長に伴う電力不足などのように、産業の成長にインフラが追い付いていないが故の問題だと思え、成長産業なだけに観光インフラの拡充にやはり日本は努めるべきでしょう。
 それ以外の産業に関してはエレキはシャープの悪決算をはじめもはやほぼ死んでおり、自動車もドイツよりはマシだけど落ちてはいないものの成長が難しくなっているだけに、ほかに日本が頼れる産業ときたら素材くらいになってきています。

 ただ半導体に関してはグローバル再編にうまく乗りつつあり、韓国や台湾とうまくすみ分ければ新たな雇用を創出する可能性があるとみています。それ以外の産業だと、成長というよりギャップを埋めるような形で、IT赤字の圧縮、即ちGoogleなどに頼っているITサービスを国産で補う対策を進めるだけで、海外に流出する現金をかなり持ち返せるのではないかと思います。
 波も来ているというか欧州もGAFA規制にノリノリだし、日本でも「Amazonは止めて楽天やヨドバシを」みたいなムードを作れば、それだけで日本経済には大きなプラスになると思います。少なくとも、FacebookとXはそろそろ規制し、中国ほどじゃないけど犯罪対策としてちゃんと履歴の終えるSNSをもっと普及させるべきでしょう。まぁSNSはLINEがあるだけ日本はまだマシか。

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