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2025年1月29日水曜日

松戸市胡録台のトラムルート案(ニトリ・ヤマダ電機ルート)


 相も変わらず松戸市民にしか刺さらない松戸駅東側にある胡録台へトラムを通すルートの検討記事です。前回記事では胡録台を縦断する幹線道路にそのままトラムを通す案を検討しましたが、結論から言えば駅前まで到達するには道路幅の狭い坂を経由しなければならず、しかもその先にある線路を跨ぐ陸橋付近は渋滞の頻発地点であり、トラムを通すことにより渋滞が悪化する懸念からあまりいいルートではないと判断しました。

 そもそもこのトラム導入案における最大の難所は、前述の坂の手前にある、上記地図で言えば真ん中よりやや左側の黄色い南北線こと国道6号線でしょう。主要道路であることからそもそもトラム縦断すら許してくれない可能性もあるうえ交通量も多く、ここをいかにスムーズ且つ影響なく通すかが最大の論点になってきます。
 そこで先日の実地参観では、直線ルートは前述の理由からほぼ難しいとすぐ感じたため、この6号線を突破することのみを考慮したルートも検討していました。結論から書くと、以下のような迂回ルートが6号線突破においては最適案じゃないかと考えます。

青色が本線、緑色が支線

 以上が、6号線突破に特化したトラムルート案です。件の6号線突破箇所ですが、上の地図ではトヨペットの下部分で、より詳細な地図だと以下の通りです。


 見ての通り、6号線の突破箇所となるのはニトリとヤマダ電機の間を通った先にある小道です。実際の現場写真もあります( ・´ー・`)

交差点の南側から見た光景(右手前にニトリ、右奥にヤマダ電機)

ルート案上にあるニトリとヤマダ電機間を通る小道

ニトリ

 ルート案にあるこの細い小道ですが、すぐ近くに大きな交差点と信号があり、その信号と連動させてトラムを通すようにすればさしたる6号線交通の阻害をせずにトラムを通せるのではないかと思います。またこの小道は迂回路も作りやすく、トラム専用道路としてしまうことも可能じゃないかと思います。そして何より、この小道を超えた先が胡録台特有の高低差を攻略するうえでカギとなります。

小道の先にあるやばい坂(左側には公園)

 上の小道を通った先にはこの写真のように、大きな高低差のある坂、というよりほぼ崖みたいなところに出ます。写真の左側には歩行者や自転車が下るための坂の遊歩道がありますが、高低差はかなりきついです。
 ただこの下は写真にある通り公園や駐車場などとなっており、比較的用地の融通が利きやすいように見えます。高低差は確かにありますが、盛土を施してなだらかな坂とすることでトラムを通すこと自体は可能であると感じられ、この坂をトラムが突破することこそこの計画の柱でもあるだけに、非常に可能性の感じられるルートだと私は思いました。

 ただこのルートは6号線突破においては最良だと思うものの、ルート事態にいろいろ問題があります。


 上は最初の地図ですが、見ての通り本線となる青色のルートは胡録台にかすってしかいません。メインとなる胡録台の住人が使うには外れたルートで、その点で利用者の規模でマイナスとなってしまいます。
 もっとも、中央署から6号線へと至る道はここも結構激しい坂で、なおかつURの団地など戸数の多いマンションが南東側にかなり集中して建っています。この辺の住民も激しい坂のアップダウンに苦しんでいるであろうと考えると、トラムが通ればその利便性は大きく高まることが期待されるため通す価値が全くないわけではないですが、難しいところです。

 ならばこの青いルート本とし、当初の直進ルートを支線として引いてみてはどうかというのが緑のラインですが、ぶっちゃけこれだと運行管理が大変になるだろうし、また複線でトラムを通すのは難しいことを考えると運送効率も大きく落ちてしまうでしょう。そのためこの支線案はほぼ実現不可能で、主要目的である胡録台の住人が恩恵を受けないという本末転倒な事態となってしまいます。

坂を下った先にある松戸駅南までのルート

 また前述の坂を下った先のルートも問題ありありです。上の写真のようにこのルートの道路は幅が狭く、また戸建て住宅がかなり密集して建っています。住人の立場に立つなら騒音にもなるだろうからトラムなんて通してほしくないだろうし、また無理やり通す場合でも一般車は通行禁止などの措置が必要となります。
 またそうまでして通したとしても、最終的にたどり着く終点は松戸駅からかなり南にある地点が限度です。ここから松戸駅へ向かうにしても依然距離があり、なおかつこの付近も道路渋滞がいつも激しく、そこへトラムを入れようものならマジで交通マヒを引き起こしかねません。

 以上をまとめるとこのルートの以下の通りです。

  メリット
・6号線を大きく阻害せずに突破可能
・高低差を克服できる
・281号線沿いの住人に大きな恩恵をもたらす

  デメリット
・胡録台に住む多くの住人に恩恵をもたらさない
・6号線より先の道路にトラムを通すことはほぼ不可能
・終点が松戸駅から離れている

 こんな感じで、はっきり言えばこのルートは先の直進ルート以上に実現不可能だと言わざるを得ません。にもかかわらず何故こんな写真とともに紹介したのかというと、やはり281号線沿いの住人にも松戸駅までの交通手段が必要だと感じ、トラムと言わずバスとかでもっと運航できないものか、そのルートを考える一助になればとの思いからです。正直言って胡録台以上にUR団地の住人は松戸駅から切り離されており、あれだけの戸数を考えると商圏を無視できない存在に思えます。でもって、目の前の坂は相変わらず急だし。

 個人的にはニトリとヤマダ電機の間にある小道とその先の崖に至るルートはいじくりようがあるというか改善ポイントがあるように思います。残念ながらトラム用のルートとしては使えないものの、何か別の方策で活用してもらいたいものです。
 そんなわけで、最後となる次は本命ともいえる聖徳大突破ルートを紹介します。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なるほど、そうきましたか。
確かに、胡録台にはかすってしかいませんが、野菊野団地やマミーマート近辺に住んでいる方々にとっては利用しやすいかもしれません。

ニトリとヤマダ電機の間を通って6号線を突破し、第一平和保育園の前の通りに突入していく流れは全く予想しておらず、思わず膝を打ちました。独創性を感じます。

第一平和保育園の前の通りだけは、ルート案として提案されるのではないかと予想していました。坂もなく、直線で、車の通りも少なく、なぜか歩道が広いので、歩道を削ってトラム用の軌道は作りやすいのではないかと思っていました。もっとも閑静な地区なので、お書きになったように、住人の立場に立つならば、トラムによって生じる騒音と生活道路をふさがれるようなプランは受け入れがたいと思います。

しかし、いろいろとプランを考えて検証してみることは価値あることだと思います。
聖徳大突破ルート、ワクワクしてきました。
突破しちゃってください。

花園祐 さんのコメント...

 こと独創性に関してはこの2本目の記事のルートがピカイチだと自分も思っています。あのニトリとヤマダ電機の間の道路に気が付いたときは、マジで天啓を得たと思ったほどでした(´・ω・)
 最後の3本目の記事も先ほどアップしたので、良ければまた感想くださいねщ(゚Д゚щ)プリーズ