周防正行氏が監督した映画の「それでもボクはやっていない」を自分は公開時に映画館で見ていました。このところ盛り上がりを見せている邦画は当時は氷河期そのもので、ハリウッド映画に完全に負けていたこともさることながらテレビ局主導で有名事務所のタレントを入れるキャスティングありきの駄作が目白押しだったこともあり、私自身も邦画という時点でその映画を見るのをやめていたほどでした。
そんな中、この映画に関しては当時痴漢冤罪が問題になっており、私自身もその他の冤罪事件への関心を持っていたことから興味を持ったため確か友人と一緒に見に行ったのですが、映画として単純に面白い作品であるとともに社会的啓発内容も多く、ああこうして映画でここまで打ち出せるのかと強く感心したのを覚えています。辛口で評点が80点を超えることがほとんどない超映画批評の前田有一氏もこの映画に対しては98点という好評価をつけており、その評論コメントは私も見ていて納得するまとめ方となっています。
そんなこの映画、並びに「Shall we ダンス?」などでプロデューサーを果たした関口大輔氏が冤罪事件に巻き込まれて解雇され、あのワーナーブラザーズ相手に裁判をしていたという事実は目を疑うものでした。
事件の詳細は上のフラッシュの記事リンク先を見てくれる方が手っ取り早いですが簡単にまとめると、関口氏は根も葉もない経費流用の疑いをかけられて問答無用で解雇されたのですが、その後に解雇事由となった事実がそもそも存在しなかったにもかかわらず解雇が取り消されなかったどころか、業界関係者にワーナー関係者自らが悪評を振りまいていたため裁判を起こし、2年の歳月を経て不当解雇が認められたことが報じられています。本人も語っていますが、冤罪がテーマの映画のプロデューサーがまさか冤罪に巻き込まれたという冗談のような出来事があったようです。
この記事を見るまでこんな事件が起きていたとは全く把握しておらず、また結審を経て寄せられた周防監督などのコメントからも本来このような冤罪と関口氏は無縁のような人物に見えるのですが、こんな人ですらこのような災難がふりかかるという事実に驚きを覚えました。同時に、これほど悪意に満ちた濡れ衣にすらワーナーはまともな対応もできないのかと呆れ、だからパラマウントに買収されるほど落ちぶれたのだという妙な納得感を覚えました。
以前私はある友人に、「こっちが何もしなければ絶対に殴られたりしないとか思ってないよな?」ということを口にしたことがあります。何が言いたかったのかというと、たとえこちらが手出しせず、敵対的態度をとらなくてもトラブルに巻き込まれることがあり、そうならないためにも、というよりそうなったときには好むと好まざるになく闘わなければならず、そうした覚悟を常日頃より持っておけと伝えたかったためです。
今回の関口氏の例はまさにこの典型で、どれだけ善人であろうとこのような無用な騒動に巻き込まれるものかと改めて感じました。ただ報道内容が事実なら、そのような不幸に屈さず戦い抜いた関口氏には敬意を覚えるとともに、本当に排除すべき人間は誰なのかを問うためにこそこの記事がもっと読まれることを望んでいます。フラッシュの人もいい取材するなぁ。
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