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2018年3月22日木曜日

なろう系に代表される異世界転生物小説について

 ブログ書く気なかったけどなんか落ち着かないので書きます。落ち着かないとなんで文章書こうとするのか自分でもよくわかりませんが。

 さて唐突ですが数年前より自作小説投稿サイト「小説家になろう」が流行り始め、その中でもいわゆる「異世界転生」ものとされるジャンルが特に人気を得ているようです。この異世界転生物というのはその名の通り、現代的な世界に生きていた主人公がある日突然異世界に召喚、転生されて、ファンタジーな世界で思わぬ活躍を遂げるというような内容です。
 私の感覚だと90年代初頭に流行っていたジャンルだと思うのですが、先祖巡り的なものなのか現代においてまた再び流行り出してきたなという風に考えています。もちろん流行りだから価値がないというつもりは全くなく、小説というものはどれだけ売れたか、人気か、読まれたかですべての価値が決まると言っても過言ではないと思っているので、売れているというのであればこうしたジャンルを扱う作家は実力者と言えるでしょう。

 そんな異世界転生物ですが、「異世界に転生したら○○だった件」みたいなタイトルが散見されます。これを見てもし私が書くとしたらとどんなタイトルかなと考えてみたところ、「中国に転職したらブラック企業だった件」とか「中国で記事書いてたら反日認定された件」になるかななどとすぐ浮かんできましたら、リアル過ぎてかえって売れないだろうと即判断しました。書けっつったらかなりディープに書ける自信あるけど。

 話は戻りますがこうした異世界転生物をはじめとするなろう系小説は一般にはライトノベル、ラノベなどと言われ、どちらかと言えばポップな若者向けジャンルとして、オッサンやおばさんが読むのには向いていないように扱われます。しかし売れていること、そして文学というメタな理論で考えるなら果たしてどうかなと思い、むしろ「文芸小説」と呼ばれる小説と比べて文学的な価値を比較したらどっちが価値があるのか、やや皮肉っぽくこの辺を眺めています。

 そういうわけで、なんか久々な思想物の記事となるでしょうが、次回では「そもそも文学的とはどいう意味なのか?」というメタな理論について書いていきます。意外とありそうでないジャンルだと私でも思います。

4 件のコメント:

川戸 さんのコメント...

なろう系はライトノベル小説とも異なった、異世界転生というテンプレートを持ったジャンルですね。なろう系を見慣れない多くの人は、ほぼ同じような世界観の作品がいくつも投稿されていてあまりに陳腐だという感想を抱きますし、前に私もなろう系を読んですぐ飽きてしまったのですが、なろう系を嗜む人は如何にテンプレを上手くアレンジするかという点を評価するそうです。例えば主人公がスライムという設定で、そのまま異世界転生のテンプレに落とし込む事で高く評価されたりします。なろう系異世界小説は設定ありき、設定が重視されているジャンルなので芸術的価値はあまり評価されていないと思われます。
ティーンエイジャーを対象とするジャンルをライトノベルがない時代の単語でジュブナイルと呼称するそうですが、設定重視の傾向はジュブナイル小説に共通する気がします。小説を書くのが好きな若い人は設定を凝る人が多そうだから。

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

「異世界転生」小説によく使われるのが「白人酋長」という設定です。 これは 銃やライター
をもった白人が、未開の(技術レベルが圧倒的に劣っている)村に行きます。 村人達は高度な
知識や銃(文明の利器)の力を見せつけられ、 白人を英雄としてあがめるという内容です。

特に異世界もので多いのが中世西洋、いわゆるドラゴンクエストのような世界観の作品が多い
という事です。 これは日本人(特に10代)にとっては中世西洋はよく知らない世界です。
という事は、物語の舞台背景の設定に気を使わなくてもいいわけです。 実際の中世西洋には
ない制度や文化、物品をだしても読者には突っ込まれないです。 これが、昔の日本が舞台
の作品ではこうはいきません。 例えば、昼間の江戸の町で、黒装束の忍者が歩いていうと
いう描写は、日本人であればおかしいとすぐに気づくでしょう。

あと 1980年前半に 富野監督が 『聖戦士ダンバイン』というアニメを作っています。
これは異世界に召喚された主人公が巨大ロボットに乗って戦うというお話でした

花園祐 さんのコメント...

 言われてみると確かにこの手の小説は設定、世界観に非常にこだわりますね。自分が十代だった頃は「ともかく人気出るキャラを動かせ。他の要素なんてくそくらえだ!」問い言わんばかりにキャラクター優先主義でしたが、やはりそのころとは現代は差がある気がします。

花園祐 さんのコメント...

 「異世界に転生したら聖戦士だった件」ことダンバインは確かに転生物としては原点ともいう作品かもしれません。自分も途中までビデオ借りてみてましたが、あの第4次スパロボでの無双っぷりが非常に印象的です。
 白人酋長、ファンタジー設定についても同感です。やはり適当でも許されるのと、見慣れなさから重宝されるのがこれら要素だと思いますが、最近見ていて思うのはこれらもだんだん使い古されていないかということで、もっと新しい世界を誰か開拓しないか期待してます。