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2020年11月2日月曜日

大阪都構想案再否決について

 昨日の選挙で否決された大阪都構想案ですが、率直に言って否決されてよかったんじゃないのというのが本音です。

 大阪都構想案に対する私の見解はちょうど五年前の選挙開票時に書いた記事で書いた通り、っていうかあれから五年も経ているにもかかわらず訴える政策内容に何も変化がないというのは別な意味ですごいといったところです。この辺は五年前の記事にて、

「確かにこの投票ではイメージ先行で具体的な政策中身については各政党もあまり話題にしてこなかったというのは間違いありません。特に旗振り役の維新の党でこれが顕著で、なんでかっていうと細かく検証するとあまり目に見えたメリットが出てこないということが有権者にわかってしまうと本人らも自覚していたのではと思える節があります。」

 という風に書いていますが、今回の選挙はさらに輪をかけてイメージ先行であったと指摘されています。
 さすがに日本国内の現場にいなかったのでリアルな空気感は図りかねますが、ネットでの反応を見ていると維新の会側は今回の都構想の実現の暁には大阪市が消滅するという事実をひた隠しにしていた節があるようです。仮に事実だとしたら、それは維新の会が堂々と言えない事情、改革に伴うデメリットが大きく存在すると自供しているようなものでしょう。実際、この点を選挙直前に反対派が大きく喧伝して説明したことが、賛成派の切り崩しに大きく買ったとも指摘されています。まぁ有権者もそれまでこの事実を知らなかったってのもまた不安にさせられますが。

 五年前にも述べた通り、この大阪都構想自体が元々政策としての効果よりも維新の会のシンボル的役割を担うことを期待されて作られた政策であり、中身自体はほとんどない、というよりも予算デメリットの方が大きい政策でした。早いとこ放棄すればいいだけなのに放棄したら維新の会は存在意義や結党意義を失いかねないとしてこれまで掲げ続けられた側面が見られ、正直五年前に否決された時点で維新の会は終わるのかと思いましたが、今回はどうなるかやや先が楽しみです。

 大阪都構想について批判するのはいい加減にして別の地方自治政策に目を向けると、この大阪都構想が出てきたせいなのかすっかり下火となったのは道州制議論です。それこそ維新の会は大阪都構想ではなく近畿で一つの政策意思決定機関について議論してればよかったんじゃないかと個人的に思います。
 それこそ大阪以外の周辺自治体も巻き込むような議論にすれば発展の余地があるものの、大阪という狭い枠内に自ら陥っていったようにもみえ、こんな感じでなにを書いても大阪都構想の批判になってしまいます。

2 件のコメント:

都構想消極的反対派 さんのコメント...

都構想反対が優勢になった出来事があります。
https://mainichi.jp/articles/20201026/k00/00m/040/061000c
大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算

都構想に関わった人間は誤報と騒ぎますが、その後の維新の対応が最悪で、松井市長は大阪市財政局長を呼び出し、会見を開かせて謝罪させたのは権力者に屈したと言う証明にしかなりませんでした。
毎日新聞の記事が誤報なら、スマートに反論できたのに、上記のような行動でしか取れず、ただ賛成と反対を割らせてなにがしたかったんだろうと言う気持ちです。

花園祐 さんのコメント...

 コメントありがとうございます。
 詳しい懸賞は5年前にやっていますが、どう考えたって区制にしたところでコストが削減されるはずなく、むしろ増える可能性しかないんですよね。そのあたりを維新の会の広報とか見ても曖昧にぼかしているところがあり、彼らも本音ではわかっているのでしょう。
 むしろ今回の選挙では、有権者があまりにも事態を把握せずに投票しようとしていた点が自分にとっては驚きです。政治なんてそんなもんだと言えばその通りなんですが。