かつてこのブログで私は、平成期にゼロ金利政策が行われながら実質的に日本国内の経済循環というか投資促成にはあまり効果を果たさなかったと主張しました。というのも平成中期から日系企業、特に製造業は中国をはじめとする国々への海外進出を重視するようになった、というより日本国内市場が成長しないので日本国内には投資せず、ゼロ金利で得た融資の大半を海外に投資していました。
そのためゼロ金利で企業は確かに融資を受けるものの、受けた融資は国内には流れず、ほかの国に投資されて現地での雇用拡大にしかつながらなかったという見方です。まぁその投資で得たリターンこと配当金は日本本社に回ってくるので全くのマイナスというわけではないですが、そうして得た配当金も大体ほかの国の投資に使われてたでしょうが。
以上の分析からゼロ金利政策はグローバル化された現代においては景気浮揚に対しあまり効果がないのではと考えていたのですが、これは日本経済が製造業中心だったからこそ起こった話で、そうじゃなければ効果あるのかなと最近思うようになってきまいた。何が言いたいのかというと現在、日本の主力産業はマジで転換しつつあり、観光産業がかなり大きなウェイトを占めるようになってきています。
さすがに自動車産業にはまだ追いついていませんが、エレキと比べるならあっちは全く成長性がないのに対し、観光産業はまだ成長性もあるうえ、雇用吸収力も絶対的に高いことから、もはやエレキ以上に観光産業は日本にとって重要だと考えます。
その上で先ほどの話に戻りますが、製造業と違い、観光産業の投資対象は日本国内にほぼ限定されます。海外への投資に使うとしたら現地旅行代理店などの拠点くらいなもので、9割以上は宿泊施設や運送手段などの整備に使われ、それがそのまま雇用拡大にもつながります。その点で言えば、投資を促すためのゼロ金利政策が日本国内へダイレクトに使われる意味でも、観光産業が盛り上がってきた今になって初めて効くようになったように感じます。
これは逆を言えば、景気拡大をする上ではやはり国内にどれだけ投資を起こすかが重要で、先ほども書いたように海外進出というか海外に投資が使われる産業を応援してもあまり意味がないのかもしれません。先ほど書いたように確かに配当金収入は手に入りますが、少なくとも海外投資では雇用拡大にはつながらず、失業者対策には効果がないどころか、今の自動車産業のように国内産業の空洞化を招くかもしれません。
言いたいことをまとめると、金利優遇政策は国内投資に限定させること、または観光業のように国内にしか投資できない産業に限定させる方がいいかもしれません。観光業以外だとインフラなど建設産業もありますが、こっちは外貨獲得には貢献しないため、優先度で言えばやっぱここでも観光業となるかもしれません。
もっとも観光業は景気の影響を受けやすいというデメリットがあるという人もいるかもしれませんが、この点についても思うところがあるのでまた次回にでも。
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