ブログとかそういうレベルでこうしたモデルを提唱するのなら仮説提唱としてありじゃないかとは思いますが、何のデータも分析もなく、一切の検証家庭を省いて本にして出すというのは果たしてどうかというのが、一読して覚えた感想です。更に言えば、この提唱されたいじめモデルには何の発展性もないように思えます。
具体的には、「このモデルのいじめにはこうした対策がグッド」とか、そういったモデルの応用例が何も書かれていないためです。若干、こういった人間関係にはいじめが発生しやすいのでこうした構造になら似あ要に気を付けるべし見たいには書かれていますが、OBなど学外の人間が絡むケースなんかどうしようもなく、本当に作者はこの本で何が言いたかったのか、マジで「こんなモデル考えたよ!」とだけ言いたかったのかで疑問です。はっきり言って、主観も明らかに強いし。
その上でこの本読んで思ったこととして、いじめ対策というのは発生前より発生後の方が重要だなということは自分で思いつきました。前述の通り、元先輩などのOBや学外の不良集団が絡むいじめだと学内で事前に発生を防ぐことは非常に難しいです。であれば発生後にどういった対策を行うことで、自殺に追い込むなどの暴行や脅迫への発展を防げるのか、こういった対策手段とかをまとめる方がいじめ対策としては有意義なんじゃないかという気がします。
現実に行われているものとしては、いじめ加害者と被害者の引き離しは良く行われていると思います。この引き離しがどれほど効果を上げるのか、また効果を上げない場合の要素とは何か、そういったものを私は知りたいのですが教育関係者はあんまこの辺について言及することがないような気がします。
またいじめ発生後に採用した結果、劇的にいじめを消失させたようなエクセレンスケースなども、あんまり世の中で見ない気がします。ぶっちゃけ作者も言っているように、いじめ問題の議論は基本的に関係者の主観に基づく主張でしか議論されておらず、まずやるべきことは以前にも書いた通りに事例データを収集することに尽きます。犯罪にまで発展したケースと、そこに至る前に沈静化したケース、またいじめがよく起こるクラス状況と加害者と被害者関係や属性、議論の前にこういったデータをまず収集しろと言いたいです。「いじめの構造」の作者にも。
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