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2016年2月28日日曜日

龍華寺へ訪問(上海市内)


 このブログを読んでおられる方には早いですが、昨年末から中国人にスチール棒で殴打されてこめかみから出血したり、引っ越し先にネット回線がリアルに存在しなかったり、ネット回線契約したら業者が住所を間違えて入力したため危うく工事できなかったりなどと、我が事ながらあまりにも運気に見放されていると感じる日々が続いております。後輩からも、「あなた憑かれてるのよモルダー」と、最後の「モルダー」とまでは言われていませんがなんか悪霊か何かに取りつかれているのではないかと心配されるほどで、自分自身もかなり早くからその可能性を疑ってきました。
 とはいえこちら上海で悪霊が嫌がるようなパワースポットがあるかとなるとこちらもまた疑問で、何かそういうところないかなと探してみたところ、「ここがイチオシ」という具合に紹介されていたので、上海市内でも最も古いお寺とされる龍華寺へ朝から行ってきました。

正面入り口を入ってすぐの所
 
 龍華寺は上海市の中心部南にある所で、地下鉄11号線の「龍華」という駅のすぐ近くにあります。中に入るには10元払ってチケットを買う必要がありますが、チケットと交換で火にくべる線香もらえるので比較的良心的です。
 上の写真は入り口を入ってすぐの所で撮ったものです。撮影しながら、「撮影する写真には女性をなるべく入れるように」という、香港記者時代の上司のアドバイスを思い出しました。


 ちなみに寺のすぐそばには「革命烈士公園」というでかい公園&展示施設もあります。こっちは無料でしたが、展示内容がやや細かく網羅し過ぎなように思え見ていてそれほど楽しめませんでした。


 この写真は「羅漢殿」と書かれた建物の中ですが、「俺の知っている羅漢とは違う……」と思って写真撮りました。日本で羅漢というとアメコミに出てきそうなムキムキでごつい男たちですが、なんか中国だと違うのかもしれません。


 仏像前の祭壇ですが捧げられているお供物見て、「パイナップルか、いいもん食ってるな」と思いました。


 境内の脇でなんかいろいろ燃やしていました。煙と煤の量が半端じゃなく、風下に立つと少しきついくらいの燃えっぷりでした。

 お参りの効果があるのかどうかは今後に委ねるとして、何気にそこそこ長い期間住んでおきながらですが上海市内にこんなお寺があるということを今まで全く知りませんでした。上海市の仏教寺院というと市内中心部にあってショッピングモールに囲まれている静安寺がメジャーで私もそこしか知りませんでしたが、案外近くにこういう古刹もあったんだと正直驚きでした。
 やっぱり以前と違って自転車があるため、行動範囲が格段に広がった上海生活が展開されています。ちなみにこのお参りの後は帰り道にあったからIKEAに寄ってみたところ、食堂の余りの混みっぷりに疲労する羽目となりました。

2016年2月27日土曜日

中国の住宅価格が上昇し続けてる件について

 引っ越しを終えて二週間経ちようやく落ち着いてきたものの、落ち着いてきた今だからこそ買いたいものがたくさん出てきて今日は朝から夕方までニトリで日用品買ったり、ジャンクなPCパーツ屋でWIFI発信機を買ったり、立ち寄ったスーパーで6元(約108円)で2.5リットルのコーラ買ったりとほぼずっと買い物をし続けていました。ついでに自転車屋にも寄ってもはや顔なじみとなった店員に挨拶交わすと共にギアを少し調整してもらうというおまけつき。
 こんな感じでずっと走り回っていたら上海人の友人から、「是非これを書いてくれ」とメッセージが送られてきました。普段はどうでもいいことを要求してくることが多いのですが今回提示された話題は中国の住宅価格についてで、ちょっと面白いデータも添付されてて面白いと感じたので、今日はこの話題について書きます。

 中国の住宅市場がバブルといわれて幾星霜。以前にも取り上げていますが中国が嫌いな人たちは毎年のように、「中国の住宅バブルは今年中にはじける」と言い続けるとともに毎年その予想を外し続け、最近になってからだとさすがにというかようやく反省したのか商売にならなくなったのかあまりこういう言質も見なくなってきました。具体的に言うと「爆買い」という言葉が出始めた頃から中国バブル崩壊論も減少してきたように思え、やはり中国批判が商売になり辛いというか障害になってきたというのが一番大きな背景でしょう。
 では実際の所はどうかってことですが、今回上海人が送ってきたデータというか記事がまさにそれで、2016年1月における都市別の住宅価格変動データでした。そのデータをそのまま引用すると、

「2016年1月における上海市の公営住宅を除く新築住宅の1平米当たり成約価格は前年比24.9%上昇の3.59万元(約64万円)、深圳市では同74.27%上昇の4.65万元(約83万円)だった」

 以上のように、上海市では去年の1月から今年の1月で1.25倍に、深圳では1.74倍になったと報じられているとのことです。
 さすがに数字でかいんでほんまかいなと思い裏取りをしたところ、このデータはこのところ急激に拡大している中国の不動産サービス大手「鏈家房地(正式名称は北京鏈家房地産経紀有限公司でみんな鏈家と呼んでる)」が出したデータだったようで、以下の記事にほかの媒体が出したこのところの住宅価格データと共にまとめられています。


 少し脱線しますが「華爾街」というのは「ウォール街」の中国語訳です。だけど記事の出典元のニュースサイト「華爾街見聞」はWSJことウォール・ストリート・ジャーナルとは無関係だし、第一本部も上海にあるとのことでまたいつものかと思いました。

 話は戻りますが、香港であれば下手な政府データよりも大手不動産サービス大手がまとめた司教データの方が信用できるのですが、中国本土だとそうもいかないというか鵜呑みにできないところがあります。なので今度は中国の国家統計局を訪れてみたところ、タイミング良いというか昨日26日に毎月出ている70都市住宅価格変動統計データの1月版が出ていました。

2016年1月份70个大中城市住宅销售价格变动情况(中華人民共和国国家統計局)

 書かれている中国語は簡単だしデータは図表にまとめられているので中国語がわかる方は直接サイトを見てもらった方がいいかもしれません。
 こちらのデータは中国国家統計局が毎月出しているものなのですがこちらによると上海市の公営住宅を除く新築住宅価格は、前月比で2.2%、前年比で17.5%の上昇をしており、深圳市も前月比で4%、前年比で51.9%の上昇とまとめられており、鏈家のデータほどではないにしろ大幅な上昇を続けているというデータが出ています。っていうかこんなの見てたら、日本の住宅価格上昇なんてどうでもいいことのように思えてきます。

 もう少しデータについて補足すると、これほどまでに急激に上昇した背景としては春節という中国のビッグイベントが影響しており、住宅にしろ車にしろ、高額な買い物は春節直前に行われることが多いためこの時期の伸び幅は他の月よりも明らかに大きいことがあります。
 また上海と深圳以外の都市についてですが、北京や広州、武漢といった主要都市でも上昇が続いておりますがいわゆる地方都市こと三級、四級都市ではほぼすべて下落しており、主要都市と地方都市とで明確な差が出始めてきたと各記事で指摘されており、私も同意見です。とはいえ主戦場である主要都市では上がってるんだから、バブル崩壊とはとても言えない状態でしょう。

 なおたまたまですが、この前私がお世話になった不動産屋のおばちゃんから前の部屋の敷金を受け取りに行った際に最近の市況はどうかと何故か聞いたところ、やはり新築住宅の人気は高く価格も上昇する一方で、よく売れている価格帯としては7000万元(約1億2600万円)当たりだと教えてくれました。金額を聞いて呆然とする私に対しおばちゃんは、「もし必要になったら相談しなさい。安くていい物件を探してあげるわ」と力強く言ってくれましたが、「いや、そんな金額無理やってヾ(゚Д゚;)」と恐縮することしかできませんでした。

とんかつ屋でのご飯おかわり記録

 今日は仕事を終えてから上海高島屋に寄って、そこの7階にある「かつくら」というとんかつ屋さんで晩ご飯食べてきました。一体なんでこの店に立ち寄ったのかというと、実はここ、上海高島屋がオープンした初日に私が取材したお店だからです。
 上海高島屋がオープンした初日はオープン前から記事書いて取り上げていた私も訪れ手は見たのですが、ぶっちゃけ高島屋側のプレス向け広報があんましっかりしておらず館内のしょうもない説明ばかりで記事に書くネタが乏しく、補填するネタをどうにか用意する必要がありテナントとして入居したこの店の関係者らしい人が背広で歩いていたらすぐさま声かけて、話聞いてそのまま記事に取り入れました。何気に海外店舗第一号店だったので、記事に仕立てやすく本当に助かった。

 このような関わりもあってか取材で世話にもなったんだし、なるべく売り上げに貢献してあげたい気持ちもあって先月に上海へ越してきてから割とよくここへは立ち寄っています。もちろんここのとんかつの味自体が舌に合っていることもあるのですがそれともう一つ、この「かつくら」には実は学生時代からずっとお世話になっているという因縁もあったりします。

 知ってる人には早いですが「かつくら」の本店は京都にあって、京都市内の繁華街やデパート内には割とよく出店していて見かけることも多いお店です。無論、学生時代を京都で過ごした私もこのお店の存在は早くから認知していたものの、このブログでも何度も書いておりますが学生時代の私はリアルに金が無く、そんな威張るほどしょっちゅう立ち寄っていたわけではありませんでした。
 何度も書きますが学生時代の私は本当にお金が無く、食費も極限まで削った生活をしていたためほぼ毎日暇さえあれば夕ご飯に何を食べようかと必死でシミュレーションするほど深刻に餓えていました。お菓子でも「きのこの山」を買うくらいなら100円のビスケットを買った方がお腹にたまると友人同士で情報を交換し合い、たまにはチョコレートの味を感じたいと思いつつもきのこの山をあきらめビスケットでよく我慢しておりました。

 そんな万年金欠飢餓状態の私でしたが、資格試験の前日などここぞというところではおいしいもの食べて気合を入れることがあり、そうした場面でこの「かつくら」をよく活用しました。一体何故ここで「かつくら」を選ぶのかというと、このお店はご飯とみそ汁と千切りキャベツがおかわりし放題だったからです。
 初めて「かつくら」を訪れた日、時間帯も覚えてるけど確かお昼前でした。あらかじめ情報を得ていた私は緊張しながら店の扉をくぐり一番安いロースとんかつ定食を頼み、注文した品物が出てくるとまずゆっくりととんかつ一切れを口に入れ、でもって茶碗に盛りつけられたご飯を全部食べて即おかわりを申し出ました。ご飯のおかわりが出てくるまでの間に味噌汁とキャベツを口にして、ご飯が出てくるとまたとんかつ一切れを食べて茶碗に盛りつけられたご飯を……ということを繰り返し、結局その日はご飯を五回おかわり、キャベツとみそ汁をそれぞれ一回ずつおかわりして、「一体どれくらいぶりだろうこの感覚は……」と思うくらいに久々の満腹感を覚えました。なお近くのテーブルにいたカップルはマジで私の方をちらちら見ていました。

 このように外食とはいえ半端ない量を堪能できることから学生時代に思い切り食うと決めた時はこの「かつくら」を頼り続けていました。一回親父が遊びに来た時も一緒に「かつくら」を訪れましたが、この時も五回くらいご飯をおかわりしたので親父がえらい驚き、その後もよく話題に出されます。っていうか店員に、お櫃ごとご飯ちょうだいって先に言えばよかったかもしれません。

 以上のような体験というか学生時代の借りもあって、未だに私の中でとんかつ屋とくればこの「かつくら」が一番のお店だという妙な信条があります。なお上海高島屋の「かつくら」ではご飯を最初からお櫃でくれるのですが中に入っている量はそんなに大した量ではなく、ちょっとつめればお茶碗一杯に収まる量です。別に今は学生時代ほど餓えた生活しているわけじゃありませんが、食べ慣れた味(豚肉は安徽省と山東省から取り寄せてるとのこと)ということもあって、お櫃二杯、感覚的には一合くらいのお米食って、あと味噌汁とキャベツも一回ずつおかわりして今日は帰りました。
 その気になればご飯はもう一合食べられたなということと、学生時代だったら「孤独のグルメ」の出演オファーにも堂々と対応できただろうと思いながらエスカレーターで下っていきました。

 なおその帰り、日本の品々を打っている高島屋の特設コーナー寄って何故か南部鉄器の急須を428元で購入。前からすごく欲しかったのですが、マジ頑張りすぎている自分へのご褒美として思い切ってついに購入してやりました('∀`)

2016年2月26日金曜日

ルターは何故、宗教改革に取り組めたのか?

マルティン・ルター(Wikipedia)

 最近歴史物の記事書けてないので、前から書きたかったルターについて書きます。
 さてルターといったらキリスト教の宗教改革の嚆矢を放った著名な人物としてお馴染みですが、彼は元々宗教家になろうとしていたわけではなく、当初は法律家を目指して法学を学んでいました。そんな彼が何故キリスト教の修道士へと進路を鞍替えしたのかというと、なんでもある日おうちに帰る途中で雷雨に遭って、「お願いだから雷落とさないで。僕、修道士になるから!」と言ったことがきっかけで、その日を境にすっぱりと法学の道をあきらめて修道会に入ったとのことです。

 このエピソードからしても、どうもルターは堅物というか真面目過ぎる人物だったのではないかと伺えます。将来を期待してた両親などは上述の進路変更に大反対だったそうですが、「俺はもう約束してしまったんだ」といって話を聞かず、そのまま突っ走るようにして修道士へ、そして神父になってしまうのですから、真面目過ぎるだけじゃなく無駄に行動力もある人物だったのだろうと勝手に推定しています。

 そんなルターが宗教改革に取り組むきっかけになったのは、世界史履修者ならみんなお馴染みの贖宥状です。これはお金に困った一部の教会が献金を集めるために、「贖宥状を買えば罪が許されて天国いけるよ♪」と売り出したことにキリスト教内部からも批判が起こって議論となったという問題で、何もルターだけでなく当時の多くのキリスト教関係者が疑問を呈しているのですが、実際に堂々と批判するという行動にまで打って出たのはルターほか数名だけだったそうです。
 キリスト教会側もこの贖宥状に関しては多少負い目があったのか当初はルターをなだめて穏便に議論をまとめようとしたそうですが、教会側から提示された和解案をルターは悉く拒否しながら公開討論や是正を求め続け、結果的に教会並びに神聖ローマ帝国は彼のありとあらゆる権利を剥奪したばかりか公然と命すら狙う事態にまで発展します。

 幸いというかルターには彼を支持する領邦君主がいたため彼らの保護を受ける形で活動を続けることが出来、保護下にあって隠遁していた最中にそれまでラテン語でしか書くことを許されなかった聖書をドイツ語に翻訳した上で当時出来たばかりの活版印刷法によって大量に広まり、彼が書いたドイツ語がそのまま中世ドイツ語のスタンダードとして定着します。
 なお余談ですがこの時の初版本のことを「グーテンベルク聖書」と呼び、早稲田大学にも一冊あるって聞いたことがあります。まぁ私が見ても読めないけど。

 ここで本題に戻りますが、一体何故ルターはそれほどまでに迫害を受けながらアグレッシブな活動を続けられたのでしょうか。私が思うに、一つは最初に書いたように彼が真面目過ぎる性格で不正を一切許せなかったからと、二つ目としては初めから神学一辺倒ではなく途中まで法学を勉強して進路変更したからではないかと考えています。言い換えるなら、若い頃に別の世界を見ていたからということです。
 よくいろんなことを体験すると視野が広がるから何にでもチャレンジした方がいいと世の中言いますが、実際にこれをやるとなると骨が折れるもので、特に専門的領域の訓練に一旦入ってしまうとなかなか引き返せないというか別方面へチャレンジしようという気が薄れます。大学でも専攻を変更する人はそんなにいないでしょうし、ましてや文系から理系へ移転する人となると確実にレアです。

 現代ですらこの通りですが中世はこの傾向がもっと強かったというか修道士になる人は小っちゃい子供の頃から修道院に入り、その世界を知らないまま修道会の中で全部完結する一生を送ったと言います。こうしたタイプはあまり内部に対して疑問を持たないというか持ったとしても上部には抵抗しない傾向があるとされ、ルターはこの点で青年期までとはいえまだ外の世界を知っていたということが大きかったのではと私は見ているわけです。

 このような「外の世界を知っているか否か」ということに何故着目するのかというと、旧日本陸軍の教育システムでも同じことが指摘されているのを前に読んだことがあるからです。旧日本陸軍(海軍もそうだが)では13~16歳が入学する陸軍幼年学校を卒業後に陸軍士官学校へ入学し、ここを出ると晴れて軍の士官なれるという教育システムでした。ただ、陸軍士官学校の入学者の大半は幼年学校の出身者であったものの、少数ですが外部からも生徒を募集しており、一般高校(当時の名称だと中学校)の出身者でも非常に狭き門ではあったものの入学することは可能でした。
 で、こういってはなんですが、そうした外部出身者の士官ほど優秀な将軍が多かったりします。主だったものを上げると、

栗林忠道:硫黄島の戦いを指揮。太平洋戦争で米軍が最も評価した日本の指揮官の一人。
宮崎繁三郎:インパール作戦を指揮。野戦指揮では陸軍最強との呼び声も。
今村均:ラバウル方面司令官。陸大も主席で卒業しておりラバウルを終戦まで持ちこたえる。

 三人とも天性の軍人ともいうべき見事な指揮ぶり、並びに戦略眼を持っておりましたが、三人とも幼年学校を出ていないというのはもはや偶然ではないと思います。何事も一つの世界に邁進することが重要だと言われますが、全否定するつもりはない物の、やはり外の世界も体験しておくことも重要だとルターと合わせて思う限りです。

2016年2月24日水曜日

民主、維新の政党合併について

 既に各所で報じられている通りに民主党と維新の会が明後日にも政党を合併する予定だそうです。両政党はかねてから合併を視野に入れた選挙協力を重ねてきており今回の合併も早くから予想されていたものではありますが、それにしてもこれほど同床異夢というべきか政策案の摺合せなくくっつくというのは色々考えさせられ、これまでの民主党と同じく党として統一した政策意思は今後も期待できないだろうと私は見ています。

 そもそもの話、民主党と維新の会では憲法改正などの面で政策方針に大きな隔たりがあり、のっけから上手くやっていけるのかというと今からでも非常に不安です。では何故政策方針に隔たりがあるにもかかわらず両党は合併に踏み切ったのかというと、言ってしまえば選挙対策が何よりの理由でそれ以外はもはやないと断言してもいいでしょう。
 現行の小選挙区比例代表並立制では小選挙区選挙はまだしも比例代表選挙では政党が多いと互いに票を食い合って小政党ほど立場が弱いです。そのため中小政党同士で選挙区を譲り合王というのがこのところのホットなテーマで、その中には共産党まで入っているというのだから世の中は本当に変わった気がします。当初、民主党は共産党を加えての野党連合をも考えたというか言い出したくらいですから、政策の違いなんてもうどうでもいいという態度が透けて見えます。

 こうした状態でもあることから、恐らく両政党の合併効果というのは全くなく終わってしまうと私は予想しています。橋下前大阪市長がいればまだ違ったでしょうが彼の方はしばらく政治から離れるようですし、そもそも国政進出にミスったこともあって多分フリーな立場を今は謳歌したいのではないかと思えます。なのでちょっと気が早いですが、次の選挙も自民党は安泰で議席数でも大きな変化は起こらないでしょう。

 最後にもう一つ付け加えるとこの前不倫で辞職した宮崎元議員について、あの辞職劇を見てつくづく自民党の派閥は力を失ったなぁと感じました。彼が所属していた派閥の長である二階議員は当初、関係者への謝罪だけで済ませ辞職させる意図はなかったものの党執行部の一喝を受けて庇えなかったと各所で報じられていましたが、恐らくこれは事実だと思います。
 かつての自民党は党執行部以上に派閥の方が実質的に力が強く、派閥が庇えば首相といえどもおいそれと党所属議員の去就を決めることが出来ませんでしたが、現在の安倍首相と菅官房長官のコンビは文字通り党内をびしっと仕切っており官邸の力がかつてと比べると随分増したものだと思えます。

 元々、小選挙区比例代表並立制は金権選挙と派閥政治の打破を目指して導入された選挙制度でしたが、この制度がどれだけ効果があったかは議論の余地があるものの現実に今では執行部が強い権力を保持するに至っております。もっともこれはただ単に菅官房長官がやり手だからというだけかもしれませんが、なんでも文字通りに官僚を「殴って蹴って言うこと聞かす」という人らしいし。

中国市場への日本酒売り込みの無益さ

 先日、後輩と友人が大好きなAPITAという上海市内にある日系スーパーを訪れた際、たまたまですが鹿児島県が地元の特産品を持ってきて特設コーナーで販売していました。かるかん(猫餌にあらず)があったら買って帰りたいなと思って私も眺めてみましたが生憎それはなく、仕方ないので懐かしさもありボンタンアメだけを一箱買って帰りましたが、あくまで私の見た感じだと一番主力として持ってきていたのは芋焼酎や日本酒なお酒類だったと思います。
 しかし、ここで厳しいことを言いますが、そもそも論として中国で日本酒を売り込むのは根本的に間違い、というよりも海外市場で拡販すること自体がやはり無理がある気がします。今日はリアルで10時間くらいぶっ通しで翻訳やり続けて頭がボーっとするので、手早く書けるこのネタについて少し解説します。

 ここで言うのもなんですが、上海や香港で開かれる物産展に出店する地方業者については記者時代に何度も取材しており、多分その回数は数十回を優に超えます。それだけにどの地方の業者がどういう物を持ち寄るか、どういう傾向があるのかはもとより、売込みが上手かったり戦略がしっかりしている地域などについても把握しているという自信があります。なおアジア市場で熱心というかやり方が一番上手いのは何気に長崎県です。
 話は戻りますがどの地方も地元の特産品を持ち寄るものの、果物がある県はやっぱり果物を持ってきてそこそこ受けも悪くないのですが、これはという特産品がない県となると決まって持ってくるのは地酒こと日本酒か焼酎です。でもって、はっきり言いますがどこも余り受けはよくないです。

 一体何故日本酒を持ってくるのかというとほかに売り込むものがないというのが大きいのと、日本らしくてほかの国や地域には存在しない商品だと考えるからだと思います。ただお酒という分類でいえばどの国でもアルコール飲料があるだけに、テコ入れすれば日本酒が売れるかもという期待があって持ってきているのではという気がしますが、残念ながら海外市場では日本酒はどう頑張っても売れることはないというのが私の見解です。

 何故かというと理由は非常に簡単で日本酒に合う料理が海外にはなく、刺身や寿司を始めとする日本食としか合わせて飲めないからです。アルコール飲料は基本、料理とセットにすることで大量に消費されるものですが、その酒にあった料理が無ければ単独で飲む量はたかが知れて、ましてや普段見慣れないアルコール飲料を率先して飲むくらいだったら身近なビールなどを手に取るのが常でしょう。
 日本人の立場からすると日本酒はごくありふれたアルコール飲料ですから抵抗はそんなにありませんが、中国人や香港人、アメリカ人などからすると全く異世界の飲み物で味や香りに慣れてないことから一口目からグビグビ飲む人となるとかなりレアでしょう。それこそ中国の白酒(バイチュウ)や紹興酒を初見から抵抗なく飲める日本人となると恐らくほとんど存在しないでしょうし、このようにアルコール飲料というのは地域性が強く出やすい飲み物だったりします。

 唯一例外といえるのは先ほど挙げたビールとワインで、これは飲み合わせの良い食べ物が比較的豊富であることとクセがほかのアルコール飲料と比べて小さいことから世界中いたるところで愛飲されるようになったと考えられます。しかし、はっきり言いますが日本酒は明らかにこれらとは別で、飲み合わせられる料理は日本食に限定され、外国の料理で飲み合わせられるものなんて私の知る限りまず有りません。無理矢理例を作ると、

・北京ダック+日本酒
・カレー+日本酒
・ハンバーガー+日本酒
・パスタ+日本酒
・ピロシキ+日本酒

 恐らくどれも、これじゃない感がはなはだ激しい組み合わせに見えるでしょうし、実際この組み合わせで出された料理がなんか普段よりおいしく感じられない気すらします。「刺身+日本酒」だったらまだすとんと落ちますが、それはあくまで日本食との組み合わせで日本人だから感じられるものであるため、外国人からしたらそうは問屋は降ろさないでしょう。いくら寿司料理が世界的に受け入れられている立派な日本料理だとしても、日本酒にまで手を出す外国人はそんなにはいません。
 基本的に日本酒は魚の生臭さを払うのにいいアルコール飲料であるため、生の海鮮料理以外には実はそんなに組み合わせの幅はないのではないかと考えています。まぁ醤油味となら何でも合うと思うけど、それも外国人からしたら塩分が強い料理に思われてるのかもなぁ。

 ざっと上記のような考えから私は日本食はまだ海外で展開できる余地があるとは思うものの、日本酒は海外ではほぼ全く展開できないし、出来るとしてもそれは日本食がいつでもどこでも食べられるほど世界で一般的になることが前提でまだずっと先の未来になると見ております。なので地方の都道府県が海外に物産を売り込む際はもう日本酒はあきらめて、他の物に注力した方がいいというのが私の意見です。
 では具体的にどんなものが海外で展開するのにいいかというと、一番は先ほどもあげた果物で、二番目となると案外和牛じゃないかと思っています。この辺は九州の都道府県が長年頑張ってくれた回もあって香港などでは鹿児島牛や宮崎牛が見事ブランド化に成功しており、地元での認知も決して低くありません。また中国本土においても「神戸牛」のブランドは非常に深く浸透しており、現実には中国への和牛輸出は制限されていますが、日本旅行で是非食べておくべき料理としてよく紹介されていることもあってこちらも認知度は高いです。

 もっとも、中国人が牛肉の味に一度でも慣れちゃったら世界中から牛肉が無くなる恐れがあるだけに、普通に売り込んでいいものかとなると少し悩み所ですが……。

2016年2月21日日曜日

中国のニトリを訪れて、及び日中の脚の長さの違い


 引っ越し先の部屋でパソコンを置いて作業するのに使うちょうどいいテーブルがなかったため、上海市内にある「お値段以上」でおなじみのニトリへ訪れてみました。


 場所は地下鉄「中山公園」駅前の兆豊広場というショッピングモールで、ここの2階と3階にかけてニトリが入居しています。上の写真は携帯のカメラで自動ピント調節をオンにしていなかったためやや露光気味ですが、一応モール入口から撮った感じはこんなもんです。


 店内をいくらか回ってみて候補となったのは99(約1800円)元の折り畳みデスクと199元(約3600円)の完全パソコン向けデスクでした。どちらも組み立て式だから家に持って帰る分には問題なさそうでしたが、199元のはキーボード引出し、プリンタ用天板がついていたものの、どっちも多分使わねぇなぁと思った上に部屋の関係上、背が低い(天板がない)方がいいと思ったので99元の折り畳みデスクにして配置した後の写真が上の写真です。個人的に言わせてもらうと、パソコンデスクはごてごてしたのではなくシンプルであればあるほどベターでしょう。
 あとはチェアを買うか買わないかですが、暫定で買った物入れにもなる上の椅子でもいいかなって割り切り感が出ております。

 そんな私のインテリア話は置いといてニトリについて書きますが、この日は土曜日ということもあって2階の日用品コーナーは午前中から割と客が入っておりました。まぁまぁ繁盛しているなと横目に見ながら3階の家具コーナーを見に行ったところ、ちょっと意に反してと言うべきかほとんど客が入っておりませんでした。日本でもどっちかっていうと日用品コーナーの方が明らかに賑わってるので別に中国に限るわけでもないし時間帯が悪かっただけかもしれませんが、それにしてもほんとにお客さん少ないなぁとしみじみ思いながら眺めていたところふと、

「テーブルの脚の長さが短いような……」

 という、妙な考えがよぎりました。
 これは完全に私の直感で感じた意見ではあるものの、私の目から見てニトリに置かれてあるテーブルの脚の長さは中国で売られている他のテーブルと比べてやや短いように感じました。実際に寸法を測って比較したわけでなくほんと印象での違いかもしれませんが、思い当たる節が全くないわけでもありません。

 日本がいわゆる「床文化」であるのに対して、中国は古代からずっと「椅子文化」の国だったりします。日本は畳敷いて床に座って生活するのを基本としますが中国ではそういう文化は全くなく、畳ですらニトリの店内以外で見ることなどありません(売ってた。欲しかった)。
 そうした文化的な背景からか、これは断言して言えますが平均的な脚の長さは日本人よりも確実に中国人の方が長く、女性も日本と比べると中国の方が脚線美を強調する人が多いし実際に中国人は「金瓶梅」の時代から伝統的に足フェチです。なお以前いた知り合いの日本人駐在員は脚フェチだったので中国はたまらないという感想を述べておりました。

 そうした文化的、身体的な差を考えると、テーブルの脚の長さも日本より中国の方が標準的に長いのではないのかという考えがもたげてきます。中国で暮らしている私の目から見てもニトリに置かれているテーブルはなんか脚が短いように感じるし、ましてや胡坐かいて使うような床置き用テーブルに至っては見ていて「これは売れへんやろう」と思うだけに、もしかしたら日系家具企業にとって中国市場における一つのウィークポイントなのではないかと思えてきたわけです。
 恐らく、素人の私ですら思いつくことなのですから本業の方々も把握してはいるんじゃないかとは思います。しかし店内に置いてある商品はほぼすべて日本語で書かれた包装がされてた上に私が買ったデスクもついていた説明書はそのまま日本語だったことから、恐らく商品は中国で作られているのもあるかもしれませんが基本的に日本で売られているものと同じ仕入れルートで、中国の店舗用に包装や中身を変えるなどの措置を採っているわけではない、というよりもそんなことしたら余計なコストを食うだけに仕入れルートを下手に分けたりしていないというのが実情なのかもしれません。そのため、中国の店舗でも脚の長さに違いがあると把握しながら日本と同じ商品を並べているのではと推測します。

 なお以前に蘇州のニトリを訪れた際に少し店員と話す機会があって、「景気はどないでっか?IKEAはんに負けとりゃしません?(京都弁)」と、尋ねたところ、「IKEAさんと比べられるときついですね(;´∀`)」と、正直に話してくれました。その店員曰く、やはり中国史上だとIKEAのブランド力は半端なく高く突き崩すのはなかなか難しいそうです。

  おまけ
 うちの名古屋だけでなく広島にも左遷された親父の子供の頃のあだ名は「座高一」だったそうです。私もそんな身体的特徴をしっかり継承してしまったのかクラス内で座高は高い方でした、二代目は襲名しなかったけど。

2016年2月20日土曜日

一昨日見たカオスな夢

違いの分かる猫といい車

穴があったら入りたい

 また本題とは一切関係ないですがこの前見つけて気に入っている写真なのでここにも貼っておきます。最新のWRX STIということもさることながら、猫のどや顔表情が何とも言えません。
 そんなわけで本題ですが、今夜は一昨日の晩に見たちょっとカオスな夢についてありのままに書こうと思います。

 夢の場面は夜、車に乗っているところから始まります。走っている場所は親父の左遷先である名古屋市内で、一緒に乗っているのもうちの親父で、運転手も親父です。何もこれは夢の中だけじゃなく私はリアルでペーパードライバーななもんだから日本にいるときはいつも親父に運転させているのですが、正直に述べると中国だと走行車線逆だから久々にハンドル握ると逆走しそうで怖いのもあります。
 乗っている車はワンボックスで、恐らくコンパクトカーのサイズだったと思います。そうして車を走らせていると前方で警察が我々の車を止めるよう指図するのでいったん停車した所、「ちょっと調べさせてほしい」といって改めに来ました。車の前までやって来た警官の顔を見ると、「あれ、〇〇さんじゃないですか?」と私が言うのですが、やってきた警察官は旧知の人物で、私が最初に入社した会社の指導役だった先輩社員でした。向こうも私を見て驚きながらも久しぶりと返事するのですが私の方はというと、「貿易事務員から警察官って転身ぶりがまた凄いな」、「なんでロンゲなんだろう?」、ということを口には出さずに頭の中だけで考えます。

 その先輩と私が一言二言話すとそのまま警察らは我々の車を改めて、「これはなんだ?」といって車内の一部を指さします。指さされた場所は運転席ドア裏側のサイドボードで何故か真っ赤に染まっているのですがこれについて親父が、「実はここに来る前に猫を轢いてしまって……」と説明し、警察もその説明に納得して「気を付けるように」といって解放してくれました。猫を轢いてどうして車の内側に返り血がつくのかという点については夢だからかみんなスルーです。
 再び車が走り出す横で私は、以前にも「我が一族と猫」という記事で書いたように私の一族と猫は因縁深い関係にあり、猫を殺すことは一族にとって観音様の顔に唾を吐きかけるにも等しい最大のタブーであるというだけに、「なんてことをしでかしやがって……」と、親父を横目に見ながら怪訝に思ったところで夢から覚めました。

 久々にカオスな夢を見たなぁと思いつつその日の出発支度を済ませていつものように家を出たのですが、その日たまたま最寄駅近くの芝生に犬の死骸が転がってて、見開いたままの血走った目と目が合っちゃって久々にリアルホラーを感じたというかマジビビりました。毛並からして多分野良犬とかじゃなく飼い犬で、バイクか何かにはねられて死んだんじゃないかと思いますが、その日見た夢と相まってなんか奇妙な偶然性を覚えました。
 なおその後電車に乗っている最中、マッドシティの潜伏先にある冷蔵庫と洗濯機の残存価額と廃棄処分回収費をあれこれシミュレートしていましたが、あの犬の見開かれた目がなかなか脳裏から離れずちょっと気分悪かったです。帰り道もその場所避けて帰ったし。

2016年2月19日金曜日

丸山議員の発言について

黒い新幹線、4月29日運行開始 世界最速の芸術鑑賞、乗車は2通り(乗りものニュース)

 また本題とは関係ありませんが上のニュースみて、白から黒に機体切り替えたら強奪されるのではと妙に懸念してしまいました。Zガンダムの見過ぎかな。

「日本が米国の51番目の州に」 自民・丸山氏が発言(TBS)
自民・丸山和也参院議員の参院憲法審査会での発言詳細(朝日新聞)

 そんなわけで本題ですが、今日のこのニュースはリンク先を選ぶのにやや苦労しました。というのもほとんどのメディアがやや見当違いな批判をやらかしてて、問題の本質が見えなくなっていたからです。
 結論から述べると丸山議員は辞職するべきだと思うし、自民党もこの際この人を切ってしまった方がいいでしょう。でないとまた何か確実にしでかすだろうし。

 事件の詳細は他の報道に譲りますが、大方の報道では「オバマ大統領は黒人で奴隷の子孫」といった発言をあげつらって批判しています。曰く、奴隷という言葉が差別的で同盟国アメリカを馬鹿にしているなどという感じで書かれていますが、この書き方について私は、そもそもオバマ大統領の先祖は黒人奴隷ではなく留学生としてハワイに来たわけだから少なくとも「オバマ大統領が奴隷の子孫」というのは明らかな認識違いで、この一点をとっても見当違いな発言だなと思います。
 しかし今回の失言の本質はこの点にあるのではなく、むしろその前の発言にあるでしょう。ちょっと報道メディアの名前を忘れてしまいましたがどっかが一社だけ「むしろ問題はこっちの方だろう」と指摘していましたが、私も同感というか、この奴隷発言の前にある、「例えば、日本が米国の51番目の州になることに、憲法上どのような問題があるのか」という発言の方が腑に落ちません。

 発言全文を見る限りですと丸山議員としては日本が米国の一部になれば安全保障は万全になるし、人口比的にも日本人の割合が大きくなるから米国議会の議席も多く取れる上に奴隷出身のオバマ大統領がなれたくらいだから日本人でも大統領になれるかもと言いたいようですが、馬鹿言ってんじゃねぇよこのクソガキがといったところです。アングロサクソンがそんな甘っちょろい展望を許すわけないというのはもとより、日本という国家の独立性を放棄したっていいじゃないかと言わんばかりのこの姿勢を、日本の国会議員が持っているという事実に呆れる限りです。
 まぁ、普段から独立放棄をネタみたいに主張している共産党や社民党、山本太郎議員なんかは今更気にしませんし彼らはそういうもんなんだと割り切っていますが。

 仮にもし、米国の傘下に入らなければならないほど日本の安全保障が脅かされたり危機的な状況にあるのであればこうした議論は必要でしょうが、果たして今この状況で必要かといったら全く必要性は感じられないし、むしろ日本の独立性をどうやって維持していくかという議論の方が大事でしょう。
 こうした点と共に私が個人的に気に入らないのは、この発言が憲法審査会で出てきたことです。発言全文によると日本が米国に併合されるに当たって憲法上、どんな問題があるのかと問うかのようにして発言したそうですが、世界中どこの国で他国に併合されることを想定した憲法、ならびに憲法解釈が存在するのか、逆に私が問いたいほどです。丸山議員の発言の前後まではわかりませんが、内容からしてあまりにも突飛だし恐らく脈絡なく言い出した内容ではないかと思え、断言してもいいですがこうした発言をこんな場所で突然言い出すっていうことは普段から主張したくて仕方がない意見だったのでしょう。言い換えれば日本はアメリカに併合されるべきだという思想を持っていると疑わざるを得ず、仮にそうだとしたら文字通り売国奴以外の何物でもないでしょう。

 ちょっと記憶が曖昧で具体的にどんな発言だったか忘れてしまったのですが、丸山議員は以前にもなにか頓珍漢な発言をしたことがあったように思え、確かその時に私はこの人は早く死ぬならなるべく早く死ぬべき人間だろうと思ったことを記憶しています。今回の発言を見る限りだと、あながち間違った判断じゃなかったなと改めて思えました。この手の人間はどうせ反省しないしまたぞろどっかでくだらない発言をすると思われるだけに、分をわきまえ議員を辞めてもらいたいというのが私の個人的な意見です。っていうか本人も好きなようだし、国外追放して米国にでも送るのがベターじゃないかな。

  追記
 自分と同じく発言の前半部を問題視して取り上げたメディアはデイリースポーツで、コメント主は東国原氏でした。案外しっかりした指摘するなこの人も。

東国原「謝罪ではすまない」丸山議員発言を徹底糾弾!人種差別より「51番目の州」について(デイリースポーツ)

2016年2月17日水曜日

今勢いを感じる男性俳優

 去年頃から上海市内のスーパーでも「ウコンの力」が売られるようになったのですが、この商品を見る度に私は戦国武将、もといキリシタン大名の高山右近を連想し、「右近の力」の半分以上はキリシタンパワーだろうと内心信じています。
 その高山右近ですが、何でも最近バチカンに認められてこのほど福者に認定されることがほぼ決まったそうです。確かに細川ガラシャと並んで中世日本における代表的な殉教者だし「振興のためなら領土も捨てる」を地で行ってもいるので、本人も今頃あの世で盆踊りでも踊りながら喜んでいるんじゃないかと思います。

 ここで話が変わりますが一昨年に放映された大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、この高山右近の役を生田斗真氏が演じていました。高山右近は黒田官兵衛のキリスト教入信において強い影響を与えたとされるだけになかなか出番の多いキャラでしたが、このドラマの中での生田氏の演技は私の中で強く印象に残り、「きっと身近に高山右近がいるとしたら実際にこんな姿だったのでは」と思わせられるほどの息を飲む演技ぶりでした。
 それだけ印象に残ったのもあって個人的に生田氏の経歴をドラマ放映中に調べたりもしたのですが、調べてびっくりというかこの人もジャニーズ事務所の在籍者、もといアイドルで、同じドラマで主役張った岡田准一氏といい、いつからジャニーズはこれほど演技達者な俳優を多く抱えるようになったのだと改めてこの事務所の凄さを思い知らされました。まぁ逆を言えば、SMAPの面々はそんなに演技上手いと思えないわけなんですが。

 同じく「軍師官兵衛」では黒田長政役を松坂桃李氏が演じる形で出演していましたが、この人も若いのに演技達者な人だと密かに評価している俳優さんです。前々から各所で演技力が評価されてはいましたがいまいちじっくり出演作を見ることが無く、名前が特徴的なのでどんな演技をするのかなと思っていたら「日本のいちばん長い日」に出演していて、この映画でじっくり見ることが出来ました。
 この「日本のいちばん長い日」で松坂氏が演じた役は畑中少佐という人物ですが、実はこの人物こそ映画を見る前に、「誰があの人物を演じるのだろうか?」と私が最もキャスティングを気になっていた人物でもありました。どういう人物であるかはリンク先のウィキペディアの記事を見た方が早いですが、要するにポツダム宣言直前にクーデター起こして戦争を継続させようとした軍人の中心人物で、クーデターが失敗に終わった8月15日早朝にピストル自殺していますが、歴史上もっとも融通の利かない軍人を体現しているかのような人物であります。
 そんな畑中少佐を松坂氏が演じると知って果たしてどんなものかと期待にワクワクしながら眺めましたが、よくもまぁこれだけ演じ切れるものかと、具体的には額に血管が浮かび上がらんばかりに怒鳴りちらしながら上官に迫ったり、陸軍参謀独特の仰角90度のお辞儀をしたりと、まさに前評判通りの見事な演技ぶりを見せてもらいました。

 以上の二名は私が知っている若手俳優の中でも一際抜きんでているというか、キャスティングされているだけでも出演作を見てみたいと思う男優です。しかし、こと男性俳優で今一番誰が上手いかと言われれば私の中で上がってくるのはこの二人ではなく、今旬なディーン・フジオカ氏でもなく、ほかならぬ伊勢谷友介氏だったりします。
 伊勢谷氏は映画の「カイジ2」で初めてその演技を見ましたが、主役の藤原竜也氏のイケメンらしからぬクズキャラぶりな演技もさることながら、いけ好かない感じの気取った敵役をこれでもかといわんばかりに演じており見終わった後に、「一体誰なんだこの俳優は?」と思って生田氏同様にすぐ経歴を調べた俳優です。元々高く評価されていた俳優なだけにその後も伊勢谷氏は話題作に出演し続けていますが、恐らく私だけではないでしょうが最も凄いというか恐ろしい演技ぶりだったのは間違いなく映画「あしたのジョー」で演じた力石徹役でしょう。

 この映画ではボクサーを演じるということから主演の山Pこと山下智久氏同様に相当なトレーニングを積んで出演され、どちらも体脂肪率を出演前から極端に落として撮影に臨んだそうですが、「力石といったら過酷な減量」と言われるあのシーンもきっちり伊勢谷氏は演じ切っています。実際にあのシーンの撮影数日前から絶食していたそうで、「水ー!」って叫ぶシーンなんか聞いててちょっと怖かったし、減量後の体重測定シーンに至っては文字通り幽鬼のような姿を見せ、鬼気迫る演技とはああいうのを指すのだと思います。実際に聞いてるとやや演技馬鹿というか妥協をせずにのめり込む体質の人らしくて、あの役にしてこの俳優ありだなというのが私の感想です。
 なお山Pも非常にしっかり身体作って演技しており、アイドル使った古い漫画の復刻映画と舐めてかかっていたらいい意味で不意打ち食らいました。

 何もこの記事に限るわけじゃないですが、「ウコンの力」からよくこんな俳優談義に話題を発展させるもんだなと自分で書いてて呆れます。実際、普段の会話でも小さなとっかかりから大きく話題を変えるのが非常に得意ですが。

2016年2月15日月曜日

シャープのターニングポイント

安倍首相が衝撃の告白! 昭恵夫人にペット用サプリを飲ませてた… ペットフードへの軽減税率適用めぐり応酬(産経新聞)

 ここ数年の政治家の発言の中で一番衝撃的な発言でした。安倍首相もトークが上手くなったもんだ。

シャープ再建は、もう手遅れ 失われた4年間の愚策 (ダイヤモンド)

 本題に移りますが普段はけったくそに馬鹿にしているダイヤモンドの記事ですが、上記リンク先の記事はなかなか良く書けているというかほかの経済記者が書かない部分まできちんと踏み込んでいて読ませられました。書かれている内容としては直接読んでもらった方が早いですが、私が従来から主張しているように「今のシャープには守るべき技術など既に存在しない」ということと、社運を賭けたターニングポイントは4年前の2012年だったというのを中心にして書かれており、自分の主張に近いということも大きいでしょうがこのところのシャープ関連の記事では一番よく正鵠を射た内容のように思えます。

 後者の内容について筆者の主張としては、2012年春の時点でシャープは自力再生が不可能だとはっきりわかっていたと踏まえ、その段階でどうしてホンハイ精密とより深い提携をしなかったのか、または銀行からの融資を得て抜本的な改革に取り組めなかったのかが問題となり、結果的にこの4年間は金と時間の空費にしかならなかったと切って捨てています。中々厳しい意見ですが私にもその通りに思え、特に当時はシャープだけでなくパナソニックとソニーも数千億円単位の巨額赤字をこさえましたが両社ともに文字通り血肉を削る抜本的な改革を実施して現在では見事に黒字回復を遂げております。それこそただ単に、「技術力の差」があっただけかもしれませんが、同じ業種で同時期に赤字をしていただけに、「経営力の差」の方がこの4年間ではっきり出たというのが私の見方です。
 にしても、パナはともかくソニーはよく巻き返したな。

 逆の視点で言うならば、シャープは4年前に何をすべきだったのでしょうか。これははっきりしているというか当時の時点で多分誰でもわかったはずでしょうが、当初の計画通りにホンハイとシャープ本社できっちり提携するか、液晶部門を売り払うかの二択、要するに今シャープが天秤にかけているホンハイ案と産業再生機構案のどちらかだったということです。付け加えるなら、太陽電池部門ももう市場が傾いていたし切り離して売却することも条件と言えそうですが。
 結局のところ、とにもかくにも決断が遅かったに尽きるでしょう。4年前に実行すべき案を今更実行するよりも、4年前に実行した方がいいに決まっています。しかも4年前のホンハイとの提携交渉時、シャープはホンハイに対して市場価格より明らかに割高な金額で株式出資を求めましたが、余所の会社とは言えなんて横柄な態度だと内心思いました。折角金出してくれるというのに悪条件を求めるなんて何考えてるのか本気で意味分かりませんでしたが、結局それで揉めて堺工場のみの出資にとどまって現在に至ったわけです。

 よく自分はせっかちで決断を焦りやすいと言われますが、私に言わせれば日本人は全体的に決断が遅すぎるというか決断に当たってスピードの価値を全く省みないところがある気がします。もちろん決断に当たってじっくり熟考できるに越したことはありませんが、早ければ早い方がいい決断の方が世の中確実に多いです。また決断が早ければ早いほどその決断が間違っていた際に引き返す時間的余裕も得られますが、日本の場合だと散々決断を先延ばしにして結局身動き取れなくなる会社が多過ぎます。だから自分も、焦りすぎだと言われても日本人から言われる分には気にも留めません。
 最後に決断の速い会社として私の中で上がってくるのは、ユニクロ、日立、富士フイルムの三社です。この三社は構造改革の決断が半端なく早過ぎて、こういってはなんですがあまり日系企業らしくないなぁとすら思います。

  おまけ
 私は三国志マニアですが、三国志マニアなら「横柄」という言葉を聞いてすぐ「王平」という武将が目に浮かんできて、同様に身体測定で「胸囲」という項目を見ると即座に「伯約」という字がでてこないといろいろ駄目でしょう。

2016年2月13日土曜日

再引っ越しの完了

 ところどころ過去記事で書いていますが、先月1月に私は上海で転職して昆山から引っ越してきました。最初の引っ越し先は昔住んでいたサービスアパートメントで、ここは住所証明を取るためだけに一ヶ月間だけ契約して住み(実際に住んだのは二週間だけだが)、その後で同じサービスアパートメント内で別の部屋を契約して引っ越しました。
 しかし、引っ越した後で気が付いたのですがその部屋というかそのサービスアパートメントはネット用の回線設備がリアルに存在せず、通信会社各社を回ってあちこちから断られながらどうにか接続できたのは2M/bpsという、今時こんな通信速度の回線あるのかと疑いたくなるようなレベルでした。ついでに近くにある高速道路の騒音がひどい、もとい窓周りの気密が明らかに弱い上、寒かった日には窓枠がリアルに氷結するなどしたのですぐに引っ越しを考えました。

 早速その部屋を手配してくれた不動産屋のおばさんに話したところ親身に相談に乗ってくれ、すぐに近くで新しい部屋を紹介してくれました。念のためほかの所もいくつか回りましたが結局、最初に最初に紹介してもらった部屋が一番いいと判断して契約の意思を伝え、大家と契約書を結び、昨日今日でようやく引っ越しも完了しました。ちなみに今日は上海人が親父さん(+VWの車)を連れて手伝いに来てくれたので引っ越し自体はすっごい楽でした。
 今度の部屋は大家の部屋を一部間借り、といっても入り口からドアを隔てていますが、ネット回線は大家が契約しているものをそのまま使わせてもらえたのでネット代は完全無料となりました。速度も明らかに前の所より早くて助かりますが、VPNはこのところ全体的に遅くなっているので日本の一部サイトを見るときはそんなに差はないかなという状態です。もちろん、それでもこの速さは大いに助かるけど。

 この前の記事にも書きましたが今回はその不動産屋のおばさんから親身にサポートしてもらい、本当に感謝のしようがありません。既に菓子折りを二回届けていますが、今後も何かあれば買って持って行かなければと思うくらい支援してもらい、新しい部屋の家賃代、ネット契約に関してもほぼ完全にこちらの要求を通してもらえました。
 でもって引っ越し先の今の部屋ですが、リフォームしたばかりでやたらきれいで逆に落ち着きません。家電はもとより壁なども全部塗り直されてて新築と言ってもいいくらいの部屋状態であり、壁とか床とか傷つけないように気を使います。ただ、木製の食卓が備えられていてパソコン用デスクもないから最初はそこにパソコン老いて作業しようかと思ったらなんか目線がおかしく、試しに丸いガムテープを置いたらコロコロと毎回同じ方向に転がっていく始末で、足回りがどうも緩いせいか明らかに偏ってました。さすがにそんな机の上で長時間パソコンに向かったら疲れるだろうと思い、今現在は小さい引出しの上にパソコン無理矢理のっけてタイピングしています。

 それにしてもこれでようやくというか1月からの激しい混乱に終止符が打てて、自分の上海での生活もようやく一息つけそうです。想定外のトラブルがあまりにも多過ぎたというかまるで何かに狙い撃ちされているかのように不運につきまわされた一ヶ月間だったと思います。
 別にこの短期間に限らず自分の人生全体でも、明らかにほかの人よりついていないというか本人に起因するわけでないトラブルに巻き込まれることが平均より確実に多いと我ながら自負しています。特に不良品を掴む割合は半端なく高いと思え、かつてはPSVita本体を入れるポーチが明らかにおかしな臭いしてて交換したこともありますが、この方面の受難は続いているというかまた今日も少しトラブルがありました。

 事の起こりは何も今日じゃないのですが、先日自転車を購入する際に前方を照らすライトをUSB充電式で一緒に購入しましたが、これが何故か電気つかない、っていうか充電できないという凄い代物で、旧正月明けとなる来週末にも返品できないか購入したGIANTのお店に行こうかと考えています。
 これだけなら別に記事にするまでもなかったのですが、今日上海市内に無数にあるダイソーのお店に友人といって引っ越しに伴って必要なものを適当に買いそろえたのですが、その中に自転車用ライトが10元で売っていたので折角だからと思い購入してみました。でもって自宅で封を開けたところ、「結束バンドもなければ締結具もないぞ?」と、すぐにその奇妙さに気が付きました。ハンドルに巻きつけるプラスチックベルトはあるもののそのベルトを固定するバンド、金具類が何故かなく、裏面の説明によると固定ネジがついているとありますがそんなの全く有りません。

 初めから固定ネジなど存在しないのか、たまたま私が選んだライトについていなかったのかは知りませんが、自転車用ライトひとつで二つ連続不良品を引き当てる男なんてきっと世界広しといえど私一人でしょう。幸いというか気持ちに余裕があるのでそれほどショックはありませんが、やっぱり何かついているかもしれないのでこんど上海市内でお祓いの出来るお寺にでも行こうかなと検討中です。

2016年2月12日金曜日

自民議員の謝罪会見三連発について

 まるで狙いすましたかのように、というより報道を分散させるために敢えて合わせたのでしょうが本日、自民党議員三人がそれぞれ別々に謝罪や訂正会見を行いました。

1、「根拠ない」発言を撤回=除染基準めぐり―丸川環境相(時事通信)

 内容については割愛しますが、これは完全に丸川環境相が憶測で物を言ってしまったのが振動だと思われます。もちろん政治家たるもの憶測で物事を言うべきではありませんが、かといって物凄い目くじら立てるべき発言でもないしこうしてすぐに撤回と訂正を行っているのですから、似たようなことを繰り返さない限りは気にしなくてもいいのではというのが私の意見です。

2、宮崎衆院議員が辞職願=16日に許可、4月補選へ(時事通信)

 育休取っておきながら不倫をしてしまっただけに、これは本当に言い逃れのない行為なだけに議員辞職することも仕方ないでしょう。恐らくこの辞職は本人の申し出というより自民党執行部によって引導を渡されたものかと思われますが、評価すべきは自民執行部の迅速な対応ぶりで、先日の甘利前経済産業相の辞任といい危機管理が以前と比べて格段によくなっております。
 逆にというかこの宮崎議員の辞職によって逆大手をかけられたのが民主党、もとい細野議員でしょう。ネット上でも盛んに指摘されていますが細野議員はかつて山本モナ氏と路上でチューしているのを激写されており、自民は責任取って辞めたのに細野議員は何故なにもしないんだという構図が出来上がってしまったわけです。まぁ路上でチューする時点で危機管理はあってないようなもんですけど。

3、恣意的運用を否定=電波停止命令言及で―高市総務相(時事通信)

 これも細かい事実内容は割愛しますが、本当はもっと議論を深めるべきニュースはこっちの方だと思えるだけに扱いの小ささにやや不満を覚えます。
 論点となった政治的公平性ですがこれは誰かによって決められるものではないだけにこれを理由として挙げること自体ばかげています。しかし、「あからさまな捏造や印象操作を加えた放送」であれば話は別で、これに関してはむしろ今より厳しくして明確な処罰規定などを今のうちに盛り込むべきではないかとかねがね私は主張しています。

 特に最近はネットを中心に検証が進められていますが街角での街頭インタビューに同じ人物、もとい劇団員が何度も出てきていることは有名ですし、また討論番組でも明らかに偏った人選のされ方や翻訳字幕の改変なども現実に起きており、こうした行為は誰がどう見ても事実を捻じ曲げる行為であるだけにそれこそ一週間など期間を定めた停波処罰などで規制すべきでしょう。

 こうした事実報道とともに、放送倫理面でもやっぱり処罰が無ければテレビ局は反省しないなと思う節があります。どこか絡めて報道するかなと思っていたらどこもやらなかったので個人的に非常に残念だったのですが、この高市総務相の停波発言があった同日、TBSの音声掛がマラソンコースに乱入するというとんでもない暴挙をやらかしております。TBSは以前にも男子ゴルフの石川遼選手が出場したツアー中にゴルフカートで観客を轢くという有り得ない事故を引き起こしており、報道機関としてあるまじき行為を繰り返すなどまるで反省する態度が見られません。
 こうした放送局に対してBPOは注意するだけで何も制裁は加えておらず、もはや自浄作用は期待できないのではと私は見ています。報道機関を過剰に縛ることはもちろん反対ですが、かといって野放しにしたまま公共の利益を損害させるなど以ての外であって、こうした方面の規制議論が今後盛り上がればと陰ながら祈ってます。

AELAのしょうもない派遣関連記事

嫁に愛してると言ったらガラスに突進→嫁父に「お前は鳩か!」と怒られるwwwww(気団まとめ)

 また本題と関係ありませんが今日初めて読んだコピペでしこたま笑ったので紹介することにします。「お前は鳩か」といった嫁父のようなツッコミ力がほしい。

増殖する「中高年派遣」34万人の悲鳴(AELA)

 でもって本題がこちら。先程友人が「読んでみろ」といって送ってきてくれましたが、既に私も読んだことのある記事でした。派遣問題を取り上げてるなどれどれと読んではみたものの、なんていかここで取り上げられている人は別に派遣だから解雇されるのかと言ったらちょっと違うように思え、パワハラとか年齢面とかの影響が大きいように思え、ぶっちゃけ派遣関係ないよねと当時思いました。っていうか正社員でも中高年なら同じような扱いされてクビ切られることだってあるのに、派遣というくくりでわざわざ語る必要があるのかと思える記事内容で、言ってしまえば中途半端な記事だなと思いました。

 友人としても同じような感想を持ったとのことで、「恐らくこの記者はマージン率の公開義務すら知らないだろう」と切って捨てていました。私としても真に切り込むべき論点はそこにあると思うだけに、派遣問題を取り上げながらマージン率の公開如何を無視しているということは単純に知らないのでしょう。前にも一回述べましたが、こういう記事は記者じゃなくて新聞社に来ている派遣社員自身に書かせるべきでしょう。

  おまけ
 さっき蘭州ラーメン屋行ったら韓国人に韓国語で声かけられました。前に親父から「韓流っぽい」と言われたシャツ着てたからかなぁ……。最近、マジで韓国人に間違えられる回数多くなってきて嫌なのですが、以前は中国人に間違えられてやたら早口の中国語でまくしたてたのでそれよりはマシかもしれません。

2016年2月11日木曜日

芋ようかんが食べたいε=ヽ( ゚Д゚)ノ

 ネット回線が2M/bpsしか選べないことから現在住んでいる部屋は明後日にも引き払い、明日明後日の二日間かけて近くの別の部屋に引っ越すこととなりました。新居のカギは明日にも大家から受け取る予定で、今度の部屋は大家の部屋の間借り(入り口から分かれてはいるが)ということもあるので何か挨拶の品でも持って行こうと昼寝から目覚めた後、欠伸を繰り返しながら地下鉄乗ってショッピングモールへと行ってきました。
 地下スーパー近くをぶらぶら歩いて眺めていたところ、あるコーナーの一角に「ちょうどいい」お菓子がショーウィンドーに飾られていました。飾られていたそのお菓子のラベルには「長崎ケーキ」と中国語で書かれてあるカステラで、お値段も118元(約2124円 1元=18円で計算、最近レートがややこしい)と100元前後という予算にもぴったり収まる金額です。一目で気に入ったのと、日本の歌詞を中国人に食べさせたらどうなのかという反応が知りたいという欲求もあり、大家と一連の引っ越しで親身になって支援してくれた不動産屋のおばちゃん向けにと二箱を注文して帰りました。
 どうでもいいけど私が注文した直後に別の客が来て、なんか店員の姉ちゃんが必死になって急いで包装してくれました。

 それにしても「長崎ケーキ(长崎蛋糕)」とはなかなかいったもんだなぁと感じさせられるネーミングです。よくカステラはポルトガル伝来のお菓子と言われながらも実はポルトガルにもスペインにも同じお菓子はなく長崎の完全オリジナルなお菓子というだけに、変に「カステラ」という音を入れるよりもこのネーミングの方がずっといい気がします。
 でもってカステラは棒状で売られていることが多く、単純にお土産として持ち運びしやすく、しかも相手先で切り分けやすいという特徴があります。ゼリーなど個放送されているお菓子も決して悪くはないですが、不特定多数の人間に配るお菓子としてはこうした棒状の方が有利というのは否めません。

 と、カステラについてあれこれ語りましたが、本音を言えば本当に欲しかった和菓子はこれではなく、ほかならぬ見出しに掲げている「芋ようかん」が出来ることなら欲しかったです。

 芋ようかんもカステラ同様に棒状で、しかも切り目がないため不特定多数へのお土産としては非常にリーズナブルな形状をしております。また数ある和菓子の中でも屈指の甘さを誇り、練って作られるもんだから少ない量で半端なくお腹にたまるというかすぐ満腹感を味わえる上、濃いめの緑茶との相性も桁違いにいいです。
 中国でもさつまいもはスイーツ(死語)の材料としてよく使われていますが、どちらかというとぜんざいやかき氷に混ぜたりすることが多く、芋ようかんみたいに練って凝縮するようなことはありません。それだけに中国でもこれ売り出したら案外面白いんじゃないかな、もとい、自分が食いたいからどこか本格的に売り出してくれないかなと密かに考えていて和菓子を扱っているお店とかをちらちら見てはいるものの生憎まだ中国で目撃したことは一度もありません。勝手な想像ですが、日持ちしないというのが芋ようかんの弱点でその点から海外だと展開し辛いのかもしれません。

 ちなみになんで急にこんな芋ようかんに対する熱い情熱を語り出したのかというと、一つは中国人へのお土産として持って行ってみたらどうなのかと気になるお菓子であったということ、二つとして今かなり甘いものに私が餓えているせいだと思います。この一週間で二回も自転車で100km走行を行ったことからか体の代謝がおかしくなっており、やたら甘いものが食べたくてコーラの消費量が急激に増えていることはもとより、今日トイレにまたがった瞬間に実感しましたが尻の方の肉が明らかに増えてるというか体がでかくなっている気がします。実際ここ数日間、走って疲れて体だるいから食べてはぐーぐー寝る日々続いてるし、芋ようかんさえあればもっとパワーアップできたかもしれません。

2016年2月10日水曜日

今日の自転車100km走行について

 三日前の日曜日に約100km走って体調悪くしたのに、懲りずに今日も約100km走ってきました。前回は虹橋空港付近から私が前住んでいた昆山市へ、実質西へ一直線に走るというルートでしたが今回は方角を南に向け、また虹橋空港付近から杭州湾こと海を目指して一直線に走りました。

 朝8時40分くらいに自宅を出発。三日前の走行が影響してまだお尻が痛みますがそこは我慢してサドルにまたがります。ルート的にはほぼ南へ一直線で道も聯華南路をひたすら走るだけ。域は割と好調でこの分なら早く終わるかなと思っていたところ、第一の関門に当たる黄浦江こと川が邪魔してきました。
地図を見るとフェリーがあるとのことなので早速フェリー乗り場へと向かったところ、チケット売り場で前にならんでいたおっさんがチケットを買いもしないのに窓口のおばさんと何故か長々と話し始めたので持ってたバナナを頭めがけて投げつけたくなりました。上海市内とは言えかなり南の郊外であるため、なんていうか中心部と比べると明らかに民度が落ちているのを感じました。

フェリーの中。ロードバイクが珍しいためか周りからやけにじろじろ見られた

 ひとまずそこをぐっとこらえてフェリーに乗りこみ川を渡るとと再び出発。地図にははっきり書かれていませんでしたがちょうど走ったあたりは上海化学工業区だったためあちこちに煙もくもくな煙突備えた工場がやたら見られるのと、工業地帯らしく中途半端な工事で放置されている道路や建物が散見されました。

 フェリー乗り場から下りてそこそこの距離を走り、化学工業区内の敷地にそのまま突っこみました。入り口ゲートに守衛立ってて入れるか心配でしたが無視したところ何も言われずに入れましたが、海までもう少しというところで再びゲートがあってそこは守衛に止められ突破が出来なかったものの、迂回すれば海の見える岸壁に行けると教えてもらい、その案内に従って再び走り出しました。
 教えてくれた道はどうも、砕石とか廃棄物を運ぶ道だったようで舗装もされておらずかなり凸凹で泥濘の多い道でしたが、その先にはきちんと岸壁があってようやく海を見ることが出来ました。もっとも中国の海は日本と違って茶色いからあんまきれいに感じないけど。

杭州湾が臨める岸壁から 

すぐ後ろはめっさ工業地帯 

 この時点で12時40分を回っていましたが、往路は真正面からの向かい風だった文復路は追い風になってきっと楽になるだろうと予想しており、その予想通りに往路の倍近くの速度で復路は走り続けることが出来ました。もっともまた疲労が出てきて、特に左膝が乗り始めから痛かったのにますます痛くなってちょっと情けない走り方となっていましたが。
 途中でケンタッキーによって昼食を取り、その近くでたこ焼きも売ってたので一緒に食べました。なおたこ焼きの値段は6個で15元(約300円)、8個で18元(約360円)でしたが、6個だけ頼んで堪能しました。

 昼食を取る以外は一切休憩せずに走り続け、最終的には3時45分に帰宅できました。帰宅してから2時間半ほど横になって睡眠を取り、その後ふらふらと起きてから近くの喫茶店で晩御飯食べて、シャワー浴びて、軽く背中を揉みつつ今この記事書いています。
 走り切った感想を述べると、川を越える辺りまでは距離的にも全然余裕だし途中途中でいくらでも補給が利くルートでしたが、川を越えて工業地帯へ入る辺りからは殺伐とした風景が延々と広がり続けるなど、心理的にも体力的にも急にハードさを増しました。もし上海市内からサイクリングで行くなら川越えの直前あたりでやめておき、虹梅路の先にある「浜江公園」当たりを目指す方が分なんじゃないかなという気がしました。人いないし平坦だしで工業地帯は自転車で走ってて楽っちゃ楽ですが、昆山の工業地帯と比べるとやけに今回の工業地帯は殺伐とした印象を覚えました。


 携帯のカメラ性能が悪いためやや移りが悪いですが、この写真の靴は私の靴で、見ての通り右足側だけがやけに真っ白です。これは岸壁目指して泥濘の多い道を自転車下りて歩いていたところ、突然「バシャッ」っという音と共に一瞬で靴が泥まみれになってしまったためです。このところ全く雨降ってないのに何であんなにぬかるんでいたのかミステリーですが、おかげでアウトレットで買ったこの靴がえらいことになってしまいました。
 これでも一応、泥かかってすぐティッシュで泥をぬぐっているのですがそれでもきれいにならず、結局さっき軽く水洗いしました。あとズボンと靴下も靴ほどではないものの少し泥がかかり、一応水で流したけどあした洗濯しないといけません。これさえなければ完勝ムードだったのになぁ。

産経の「魅せる」政治記事

 昨夜久しぶりに友人と会話した際、向こうから以下のニュースについて話しを振られました。

【政界ゲス不倫疑惑】イクメン装いつつ身重の妻を裏切った宮崎謙介議員の自覚なき言動の数々… 政府・自民党も怒り心頭(産経新聞)

 このニュースについて私は一応耳にしていたものの詳しい内容は把握していなかったので、「ほんと今年はニュースが多い年だね。SMAP解散で大騒ぎしたのが遠い昔に思える」と、すぐ話題を切り替えてしまいました。でもって上記の記事を読んでみて改めて内容を知ったのですが、中々この産経の記事はよく書かれていると唸らされました。
 まず事件の内容について簡潔に書かれてあり、概要をすぐに理解できました。日本の政治部記者というのは記者としての文章力や取材力以前に議員や官僚といった交友関係、言うなれば人脈で評価されることが多いため、はっきり言ってしまえば記事文章が非常に読み辛い上に見当違いな内容を主題に置いて書く記者が多かったりします。なおこれは余談ですが、関係会社に転籍した政治部記者が、「俺は絶対に頭を下げない!」と言い出して客先とトラブル起こしたということを以前に知り合いから聞いたことがあります。

 なもんだから私は政治部出身の記者をそれほど評価しておらず、真に実力がある記者は一に科学部記者、二に経済記者で、取材力だけなら芸能記者という風に勝手なランクをつけています。しかしこの記事を書いた水内茂幸氏という記者はなかなかにポップな文体で記事を書いており、内容が内容だからってのもありますが政治記事というよりはもはや完全に芸能記事みたいに仕上げています。夫側である宮崎議員の経歴や過去のトラブルをまとめているだけでなく妻側の金子議員についてもその人となりを紹介しており、一記事で全体像が把握できるうえに読んでて楽しませられることもあって、「産経の政治部にはこんな記者もいたのか」とつくづく思ったわけです
 とりわけ、末尾のこの一文は秀逸です。

「しかも身長168cm、バスト90cmの巨乳タレントと…。なめてんじゃね〜ゾ。」

 あくまで個人的な意見ですが、このニュースで何が一番重要かって言ったらこの不倫相手となる女性の特徴でしょう。他社のお堅い政治記事にはまず書かれることない情報でしょうが、それを外さずに書き切っているのは見事の一言に尽きます。

2016年2月9日火曜日

政策金利のマイナス金利導入についての解説

<長期金利>初めてマイナスに 一時-0.010%(毎日新聞)

 今日も日経平均が900円超も下がるなど大幅下落となりましたが、なんかこのところこういう乱高下が普通に多いからもうなんか慌てる気持ちにすらならなくなりました。一応今日の下ぶれについて理由を追うと上記リンク先記事に書いている通りに長期金利、言い換えれば日本国債の金利が史上初めてマイナスに突入したことが主因で、後は欧州の株安と北朝鮮のミサイル発射が副因ではないかとみています。

 ほかの記事にも書いていますが長期金利がマイナスになるとはどういう事なのかというと、日本政府が発行している国債を投資目的で1万円で購入したところ償還期限を迎えると9900円になって、増えるどころか減ってしまう金利状況の事を指します。実際にはそうはならないでしょうが短期で取引している分には買えば買うだけお金が目減りする状態なのでまぁ異次元っちゃ異次元です。

 今回何故長期金利がマイナスへと突入したのかというと、その背景は間違いなく日銀が先週にマイナス金利政策を導入すると発表したことにあるでしょう。日銀がマイナス金利を導入する先は政策金利(公定歩合)で、これは「民間銀行が日銀から日本円を借りる際の金利」を指しています。ほかにもっといい解説サイトがあるでしょうが一応簡単に説明すると、UFJとかみずほなどみんなにお馴染みの民間銀行はどこも日銀から日本円を借りて、借りた日本円を民間に貸すことで業務を回しています。そのため民間銀行は日銀からお金を借りるかわりに日銀へ金利分の利息を支払わなくてはならず、この民間銀行から日銀への金利のことを政策金利と呼びます。
 仮に政策金利が5%だったら、民間銀行は5%より高い利率で他の人に日本円を課さないと儲からなくて潰れてしまいます。しかし政策金利が1%だったら民間銀行は利率が2%でも3%でも儲かるため、実質この政策金利が動くことによって民間銀行のローン利率も変動してくわけです。

 これまで日本はゼロ金利政策と言ってこの政策金利が、0.5%とか0.25%に設定されており、民間銀行からしたらタダでお金が借りられるので低い金利で他の人にも貸せて利ざやを得ることが出来ました。しかしこの政策金利が仮にマイナス、それこそマイナス0.5%にでも設定されたら、民間銀行としては日銀からお金を借りれば借りるほどお金(資産)が増えていくことになりますし、その上で他の人に貸す際に金利を取ればさらに儲けられることになります。
 道義的な問題は置いといて日銀は何故マイナス金利にしてまで民間銀行に日本円を借りさせようとするのかというと、市場にお金を流通させ、だぶつかせ、デフレ(物価が下がる状態)から脱却してインフレ(物価が上がる状態)に持ち込みたいからです。人間お金が有り余ると必要のない物でも高くで買っちゃうみたいに、流通するお金の量を増やすことでバナナの値段もプレイステーションの値段も給料の値段も揃って引き上げたいというのが日銀の狙いです。

 とはいえ、政策金利にマイナス金利を入れるというのはG8の先進国では日本が初めてで、他にやっている国と言ったらスイスくらいしかありません。そのスイスは日本より先にマイナス金利を導入していますが導入してからどうなったのかという報道が日本でなされないのが非常に不満ですが、どちらにしろ前例のない世界なので前例を捜したり、セオリーを無理に適用しようとすること自体がナンセンスでしょう。
 私としては現在の日銀の姿勢を支持する立場にあり、そもそも今の世界金融を取り巻く状況は過去に例のない事態と言ってもよく、従来の方法を適用するのではなく手探りで新しい手段を対症療法的にぶつけていくしかない状態です。そういう意味ではこのマイナス金利導入も思い切った手段であるものの何もしないよりかはやってみる価値があると思うだけに、たとえ株価が乱高下しようとも私が日銀を支持する立場を変えることはありません。

 ほんとは今日の株価についてだけ書こうかなと思ったら、随分とまた変な方向に記事が流れていきました。ま、でも、たまにこういうどうでもいい金融記事書いてみたくなるのですが。

2016年2月8日月曜日

昨日の自転車100km走行について


 先月、マジ頑張り過ぎな自分へのご褒美として新しい自転車を購入しました。
 前に昆山で乗っていた自転車は購入から一年乗り続けましたが引越しの際に持って行くのがやや面倒だったのと、別の自転車にも乗ってみたかったことから知人へと譲ったので、上海市内で今後使っていくようにと新たに自転車を購入したわけです。

 今回購入した自転車のメーカーは前とおなじくGIANTです。ほかのメーカーも試していようと思い最初にスペシャライズドのお店へ訪れましたが、「明後日この店閉めるんだ」と、セールをしている理由を店員が教えてくれましたが、いくら安いからって今後のメンテナンスを考えると購入に踏み切れず、結局すぐ隣のGIANTに行きました。ちなみにそのお店の周辺は上海市内でも自転車乗りが多いとのことで、すぐ近くにはMERIDAの店もありました。行かなかったけど。



 でもって買ったのが上の自転車、あんまり名前チェックしてないけど多分「GIANT DEFY3」。パーツ諸々と合わせて5000元(約100000円)の所を4200元(約84000円)に値下げしてもらって即日購入しました。なんでこれにしたのかというと以前に昆山で乗っていた「GIANT OCR3300」が3400元くらいで買ったので、これより値段的にワンランクアップさせた物に乗りたくて、予算的に4000~5000元のラインにこれがあったからです。値段の差ってのがどれくらいなのかを確かめたいのがむしろ大きかったかも。

 そんなわけで試乗とばかりに今回、上海市の虹橋空港周辺から昆山市内中心部まで片道約50km、往復100kmの走行へと繰り出したわけです。最初の写真は昆山に入ったばかりの所、具体的に言えば昆山経済技術開発区内の道路で見事なくらい地平線まで人も車も何もない光景でしたが、こんな感じの道路を延々と走っていました。もっとも写真じゃ見え辛いけど真ん中のあたりにある赤い点は赤い服着た女性で、バス停で一人ぽつんと待っていましたが無事にバスに乗れたのかなあの後。

 話はサイクリングに戻りますが朝9時過ぎに出発してまずは境界線付近にある安亭という場所を目指しました。逆ルートというか昆山市内から安亭まではサイクリング部と共に何度も行ったことあったのですが上海市内からのルートはこれが初めてで、地図であらかじめチェックした通りのルートを沿って全く迷うことなくたどり着けました。
 ただ、思ったより時間がかかったというか安亭に着いたのは11時前でした。てっきり1時間くらいで来れてそこから昆山市内の方が遠いのかなと思っていましたが、実際は逆で安亭までの道のりの方が長かった感じがします。なお安亭付近には地下鉄もあればショッピングモールもあり、上海市内のはずれとはいえなかなか栄えているというか郊外型の住宅地という印象を覚えました。

 そっから境界を越えて昆山へ侵入。そっからはひたすら工業地帯を抜けるというルートでところどころ、「ああ、ここ前に通ったな」と思いつつ無心で漕ぎ続けました。ただ市内中心部に近づいてきた辺りで、その日の朝は食パン一枚(生)しか食べてなかったこともあって急激にお腹すいてヤバくなってきました。安亭で休憩取ろうかなとも思ったけどそしたらお昼ご飯の時間に昆山市内へつけないと無駄に焦ってノンストップで来たツケがここにきて、ふらふらしながらもどうにか12時半ごろに昆山市内中心部にたどり着けました。

 昼食は春節休暇中にも開いていた日本料理屋で、しょうゆラーメン大盛り+ギョーザ+半チャーハンを残さず食べて飢えからようやく解放されました。餓える度に思いますが二次大戦で兵隊に補給なしで戦わせた日本軍の指揮官はマジアホだと思うし、その中で戦っていた兵隊に強い同情心を覚えます。本当に餓えると、体力は体感で十分の一くらいしかでません。

 昼食を食べ終えると休憩もそこそこに再び自転車にまたがり復路へと出発。往路が強風ではなかったものの向かい風だった分、復路は追い風で楽になるかなという期待がありましたが、確かに往路よりは速度が出たもののあんまり速度アップにはつながりませんでした。往路でスタミナ切れした反省からギアは低めで割かしのんびりと走り続けましたが、乗り始めとあって低速ギアの調整がやや悪く、具体的には二速を入れるとチェーンが上手くはまらず異音を鳴らし続け、また口から「ファックファック」と呟くながら二速を避けつつ三~四速で走り続けました。逆に上の高速ギアの噛み合わせは抜群に良く、びっくりする位がちっとはまってたのは爽快でした。

 3時半くらいに安亭に着き、「無駄に焦るな」と自分に言い聞かせてバーガーキングで休憩。ポテトとコーヒーだけ頼んで30分くらい休憩して再びレッツゴー。往路と同じく、昆山~安亭よりも安亭~虹橋までの方が明らかに長く感じ、「おうちはまだかいな?」と呟きつつ5時20分に無事帰宅しました。そのままどこかに夕食でも行こうかと考えましたが、昼に大盛りラーメン食べたことからお腹がすかず、結局コンビニ弁当だけ買って夜9時にレンジでチンしてそれ食って終いにしました。

 明けて今日、めっちゃ体がだるかったです。足の筋肉痛は全くなく、O脚だからかやや膝の外側が少し痛みましたが正午にはその痛みも抜けたものの、右側頭部がずっと痛くて昼過ぎに昼寝を取るなどしましたがこっちはなかなか治りませんでした。
 昼寝を終えた後に「一体何故なんだ?」と少し考えてみて、自分は利き足が左であるため自転車走行中は通常やや左側に重心が傾いており、それをバランスとるためハンドルを握る右腕で支えた状態が続くのではと思い、もしかした右肩から右腕の疲労が原因ではと閃いてこの箇所にマッサージした所、大分調子戻して元気になってブログ書けるようになりました。いやまぁ、頭痛薬飲んだのも大きいのかもしんないけど。

 最後に今回新しく買った自転車について感想を述べると、車重は明らかに前の自転車と比べて軽く、軽く障害物に当たった際などふわっと浮かぶ感覚があって「車体ごと飛ぶのでは?」と最初感じたほどでした。しかし走行に関して述べるとそれほど極端な差はなく、長距離を走っていて特段速いとか加速がいいとか、前の自転車との差はそれほど感じませんでした。もう少し短い距離とかなら加速や速度の持ちの良さが感じられたかもしれませんが、長距離走行なら少なくとも大きく性能が変わるってほどではないような気がします。
 ただちょっと今回の自転車でミスったなと思ったのは、自転車を駐輪時に立たせるためのサイドスタンドです。普通ロードバイクにはこんなの付けないのですが私は付けないと気が済まないというか不便に感じるのでつけてもらいましたが、これがペダルの回転中に何度も左足かかとに当たって邪魔くさいのなんの。前の自転車では一回もそんなことなかったので多分取り付け位置が悪いか、スタンド自体のでっぱり部が大きいせい(前のと比べて明らかにでかい)であることが原因だと思え、休み明けにでも自転車屋に行って相談しようかなと思います。順回転する際はそんな当たることはないんだけど、逆回転したり停車する際などはほんとよく当たり、前ほどアクロバティックな乗り方はできないのがやや苦痛でした。

 それにしても100km程度でこんなに疲れるとは思いませんでした。なんか体感的には140km位走ったような気がするのですが、中国の地図だから縮尺おかしいのではと勝手に疑ってます。

2016年2月7日日曜日

北朝鮮のミサイル発射が早まった理由

 今日は自転車で約100km走って疲れてるので短くまとめます。

 報道されている通りに北朝鮮がまたミサイルを発射し、沖縄上空を越えて太平洋にまで飛んだそうです。このミサイルの性能については専門家に聞くしかないでしょうが発射時期について私の方から述べると十中八九、中国への遠慮から今日になったと思います。
 というのも中国は明日から春節に入るため、言うなれば明日は中国にとって元旦に当たります。人間誰しもお祝いムードの時に水差されたらカチンと来るでしょうし、直前に中国の公館が北朝鮮を訪問して「言うべきことを全て言ってきた」とコメントしたそうですが、私が考えるに恐らく、ミサイル発射の抑止と共に撃つのだったら春節期間を外せと言ったのではないかと思います。それにこたえる形で大晦日の今日に発射を実行したのかなと思いました。

 とはいえ、中国側としてもやっぱり楽しくはないでしょう。一応、大晦日の今日から長期連休に入っていますがこんな時期にミサイル飛ばされたらクリントンでなくても頭に来るはずです。中国人としても近年は北朝鮮に対して、「余計なトラブルを起こす国」という印象が国民にまで広がっていますが、それでも各国の制裁協議において中国はまだ北朝鮮を擁護するのではないかと思うものの、果たしてそれがいつまで続くかは私にもわかりません。

 っていうか100km位余裕と思ったのに、なんでこんなに時間食ったんだろう。地図の縮尺とかおかしくね?

2016年2月6日土曜日

鴻海がシャープ買収にこだわる理由

 

 昨夜はこのガチャピンの光学迷彩が気になり過ぎたため、昨夜書いた記事で一番大事な内容を書きそびれてしまいました。それにしてもここ一ヶ月くらい、こんなに大笑いすることなかったなぁ。あとこのお天気お姉さんの対応の仕方は本当に素晴らしい……。

 昨夜は「鴻海によるシャープの買収について」という見出しで鴻海精密工業によるシャープの買収についてあれこれ背景なり展望なりを書きました。書くべき情報はあらかた書きましたが一つ書き忘れたことがあり、これはほかの日系メディアが一社たりとも指摘しないというか触れもしないのでそっちも疑問なのですが、そもそも何故鴻海はこれほどまでにシャープを買収しようとするのか、この点がよく理解できず友人と一緒に頭を抱えました。

 鴻海は数年前の時点でシャープの堺工場に出資していますが、当初はこの際にシャープ本体へも出資、あわよくば買収しようとも動いておりました。当時のシャープであれば確かにまだ液晶の生産技術は他社よりリードしていたし何よりも堺工場はできたてほやほやで設備などもよく、出資するだけの価値は私から見てもありましたが、現在においては状況は変わっており少なくとも数千億円を支払ってまで救う価値があるかと言えば採算的にやや疑問を感じる経営状態です。
 昨日の記事にも書いた通り、確かに鴻海はI-Phoneを筆頭に液晶を用いる製品を多数生産していることから今回の買収は垂直統合となり、原価の圧縮だけでなく生産調整も行いやすくなるなどメリットが全くないわけではありません。しかし6000億円強ともいえる金額を支払うほどの価値があるかとなるとやはり疑問で、また買収後にシャープの経営が果たして再建できるのか、下手したら余計に赤字を生み続ける可能性もあるのではと考えるとややリスキーです。にもかかわらず何故ここまで買収にこだわるのか。2000億円くらいだったらまだ理解できたのですが。

 この点が本当にわからなくて昨夜も友人と一体何なんだろうかなどと議論しつつも、結局答えは出てきませんでした。この点だけは謎のまま、なんて昨日の記事に付け加える予定だったのですが今日になってちょっと事態が変わったというか、全く根拠もないただの私の直感が告げる一つの仮説でしかないものの、一つの考え方を閃いたのでそれをここに記します。結論から述べると、真の狙いは液晶ではなく太陽電池だったのかもといったところです。

 鴻海のCEOであるテリー・ゴウ(郭台铭)はかねてから記者に対して、「シャープの赤字は太陽電池部門が主犯で、この不採算部門を切り離せば再建は可能だ。シャープブランドもシャープの法人格も維持した上で再建してみせる」と話していました。この主張自体は至極もっともな意見で太陽電池業界は世界規模で深刻な不況が4年くらい前から続いており、生産量で世界最大手だった中国のサンテックパワー(尚德太陽能電力有限公司)も、一時期はニューヨーク市場にも上場してましたが不況の煽りをモロに受けて破綻へ至りました。
 なのでテリー・ゴウの意見に私は納得、っていうか何故シャープはもっと早く太陽電池部門をリストラしなかったのかとも思っており、くそくだらねぇことばっかしか言わない日本の銀行関係者とかアナリストなんかよりずっとこの人の方がまともなこと言ってるし信頼できると思って今回の買収を歓迎する気持ちで見てたわけです。

 しかし、今日昼飯食って歩きながらふと気が付いたこととして、シャープの太陽電池部門が切り離されるとして一体どこが買うのだろうかと考えたところ、まず日系他社は太陽電池市場が不況であることから絶対に買わないだろうと踏んで、となるとやはり中国企業……もしかして中国ファンドか……といったところまで考えが行ったところで、「もしかしてテリー・ゴウは中国政府の指示を受け、シャープの太陽電池部門を中国資本に引き渡す密命でも帯びているのでは?」という考えに至りました。

 私はかねてからシャープについて、「言われている程この会社に技術はない」と言い続けました。今でもこの考えに変わりはないのですが、こういう時に言う「技術」というのは液晶技術を指しており、太陽電池となると話は別です。シャープは太陽電池の変換効率(光を当ててどれだけ電力に変えられるか)で一時期はずっと世界最高記録を出し続けており(この前どっかに抜かれたというニュースは見たが)、太陽電池の研究技術であれば世界最高水準にあると私は見ております。ただ先ほども言った通りに太陽電池は市場が不況であることからお金にはならずシャープに限らずどこも太陽電池で赤字を作ってる状態なのですが、中国であればたとえ事業が赤字であってもシャープの研究技術を欲しがる可能性が高いと思っています。
 というのも中国はエネルギーや半導体などの分野で世界シェアを握り、かつてのレアアースのように出荷量をコントロールすることで外交のカードにしようとするところが見て取れ、特に半導体関連は中国政府指導者に理系が多いこともあって並々ならぬ情熱を燃やしていて実際この分野への投資は赤字だろうと何だろうとお構いなしとばかりにつぎ込んでいます。太陽電池も半導体の一種であることもさることながら不況の現状でも政府が中国国内の太陽電池メーカーを熱烈に支援し続けており、世界シェアを必死で高めようと補助金をつぎ込んでいます。

 そんな中国からしたら、今すぐお金にならないとしてもシャープの太陽電池の研究技術は高い金払ってでも欲しいと思うのでは。あくまで仮説ですがこんな考え方が今日思い浮かんできたわけです。そもそも鴻海のテリー・ゴウ自体がいわゆる政商で中国政府とのパイプも強いだけに、好き勝手にドラマチックな陰謀論を組み立てるとしたら内心有り得なくもないかなぁと追加でさらに思うわけです。特に根拠も何もないですが少なくとも私にとってすれば、この理由であれば鴻海がシャープ買収にこだわったのも少しは理解できるかなと思えます。

  おまけ
 この記事書く前に友人へこの話題を振った際、こんな会話がありました。

「そもそも鴻海のトップは政商で中国政府にも近い。えっと名前は……レリー・ゴウだっけ?」
「似てるけどちょっと違う!」

鴻海によるシャープの買収について

 既にあっちこっちでニュースになっているのでニュース記事リンクを貼りませんが、本日シャープので開かれた取締役会では、台湾の鴻海精密工業の出資を引き受ける方針が決定されたとのことです。かねてから官制ファンドこと産業革新機構と鴻海のどちらの出資をシャープは引き受けるのか議論されており、先週まではほぼ産業革新機構側の案でほぼ決定と言われながらも鴻海がこの度出資額を6000億円強にまで引き上げたことから、見事に逆転ホームランとばかりにこのディールを物にしました。この鴻海によるシャープの事実上の買収について私の意見を述べると、シャープにとっても日本にとっても一番望ましい形に落ち着いたんじゃないかと考えております。

 私が何故このような意見を主張するのかというといくつか理由がありますが、一番大きなものとしては、取引として考えるのであれば高い値段を出した側が勝つべきだという商売原則上の正当性です。産業革新機構はうろ覚えだけどシャープの出資行に対して2000億円の債務放棄を行わせた上で1000億円程度の追加出資で合計3000億円のバリューを提示したと報じられているのに対し、鴻海が今回出してきたのは6000億円強と実質二倍です。もちろん金額が大きくとも再建案に中身が無ければ意味はないですが、それにしたってお金はあるだけある方がいいに決まっています。なお私の友人は以前、「お金イコール幸せじゃないけど、幸せになるためには最低限お金が必要だよ」と言ってました。
 そしてシャープに出資する銀行団にとっても、返済期限の引き伸ばしなどの要求はあるかもしれませんが産業革新機構と比べると債務法規することが無くなり、言うなれば銀行側は2000億円の融資残高を捨てずに済みます。銀行団からすればこの上なくありがたいでしょうし、日本全体でも2000億円のキャッシュフローを潰さずに済むのだから、平等性という点から考えると私は前から鴻海案の方が理に適っているように考えていました。

 次に再建案の中身です。鴻海案ではあくまで自力再生を図るとのことで収益の見込みがない太陽電池部門のみを切り離した上で、シャープブランドを存続したまま再建に取り組むとしています。目下の大赤字部門である液晶部門についてはシャープの顔であることから切り離しはしないとのことですが、鴻海は液晶パネルを使用する携帯電話やパソコンなど電化製品を作るメーカーでもあるので垂直統合の効果は確かに得られるしその点ではいくらか期待はできます。
 逆に産業革新機構案は液晶部門を切り離して国内競合のジャパンディスプレイに統合させるという計画でした。しかし腑に落ちないというか非常に癇に障った点なのですが、仮にジャパンディスプレイと統合させるとなると同社の液晶パネルの国内シェアは確実に八割を超すと見られ、その場合に独禁法は適用されないのでしょうか。国策だからとかそういうもんではなく完全に市場を独占させていいものか、また日本国内はよくても海外市場で独禁法が適用され合併が認められない可能性もあり、合併手続きが長引く恐れもあることから私はこの案に対して非常に疑問を感じていました。それ以上に一切この手の話をしないマスコミには驚きを通り越して呆れていましたが。

 また液晶部門の切り離し自体は別にいいと思うし再建案としてはよくわかる内容なのですが、昨年にシャープの銀行団が出した再建案は液晶どころか不採算の太陽電池部門も切り離さず、むしろその太陽電池部門を強化して収益を再建するという、どこの馬鹿が考えたクソ案だと言いたくなるようなひどい内容が出されていました。産業革新機構入りとなるとまた銀行団が口を出す恐れ、もといセンスのない経営者がでしゃばる可能性も感じられたために、それだったらグローバル市場で戦ってる外資経営者の方が絶対にマシだろうという確信がありました。

 ここで一番最初の平等性についての話に戻りますが、鴻海の買収話が出るやネット、っていうか普通にマスコミも、「海外に技術流出する恐れが……」などと否定的に書き立てていました。断言してもいいですがこのようなことを主張してた連中は本気で技術流出を懸念しているというより、ただ単に外国企業によって日系企業が買収されることにアレルギーを持っているだけでしょう。
 そもそも、今のシャープに流出するような技術があるのでしょうか。イグゾーだがイクゾー(ナイトハルト殿下)だか知りませんが、店頭に並んでいるテレビの液晶を見て一目でシャープの液晶だと気づくような人はいるのでしょうか。なんだかんだ言いつつLGとかスカイワース、TCLなども技術上げてきているし、パッと見だと区別つかないんだからシャープの品とか技術が特別だと言われても疑問符が付きます。おまけに、ジャパンディスプレイは来年あたりからとんでもない液晶パネル作ると言っているし。

 これはこの件に限るわけじゃないですが、日本はもっと市場を外国に開放するべきだと思います。外資というと毎回悪者のようにされて批判されますが、その外資によって、むしろ外資でなければ救えない会社や従業員だっているのです。りそな銀然り。
 自分なんか中国にいるから特に強く感じますが、やっぱり会社にも多様性があった方がよく、日本式経営ではなく米国式、中国式、インド式経営の方が肌に合う労働者もおれば相性のいい業種だってあるだろうし、外からの新鮮な風を受け入れる形で今回の鴻海の買収劇もはっきりとした結果が出るまでゆっくり見守ってほしいというのが偽らざる私の信条です。

  おまけ
 今日のニュースにあった、ガチャピンの光学迷彩には本気で爆笑しました。

2016年2月3日水曜日

中国外食市場における鍋料理

 この前の日曜もまた例の上海人と一緒に部屋探しに不動産屋を回った後、一緒に焼き鳥屋へ行きました。訪れた焼き鳥屋はその日に初めて訪れた店でしたが値段はリーズナブルであるものの友人は前に二人きりで訪れた焼き鳥屋の方がおいしかったと文句言いつつ、店内のテレビに何故か映されている「孤独のグルメ」のDVDを見てました。
 今後の展望などについてそこそこ話して帰る前に何か締めとして頼もうかとメニューを開き、その日はたまたま雪が降るほど寒い日だったのであったかい物をと思ってキムチ鍋を頼んだのですがこれがなかなかおいしくて、「焼き鳥作るより鍋作るのが向いてるじゃん」と言いながら舌鼓を打っていました。なんか前にも、ラーメンのがおいしい焼き鳥屋が新宿にありましたが……。

 などと思いながらふと店内を見回したところなんかどのテーブルにも鍋料理が並んでて、店内全員で鍋パーティやってるような状態になってました。恐らくその日が寒かったからだとは思いますが、中国人もこういう日本料理店で鍋料理を抵抗なく食べるんだなぁとちょっと気になりました。
 その点を友人に振ると私の意見に同意し、要因としては中国には「火鍋」という鍋料理が普及しているので鍋料理自体にはとても慣れており、しかも日本と違って夏にも火鍋を口にするので日本人以上に鍋料理を愛好している節があるのではと話し合いました。

 ここで少し話は変わりますが、記者時代に取材したある会社で面白い話を聞いたことがあります。悪い話しじゃないので実名出しますがその会社は物語コーポレーションといってこんな会社名なのに外食チェーンの運営会社なのですが、この会社が中国進出第一号店として「鍋源」という火鍋料理屋をオープンさせた当日に取材へ赴いていろいろ話を聞いたところ実に中国市場を研究しているなと驚かされました。曰く、「中国は地方によって人気な料理が異なるが、唯一火鍋だけは全国どこでも食べられている」と述べ、中国人に一番受け入れられやすい料理であることから火鍋屋でオープンすることにしたそうです。
 なおこの会社は自分が取材した中で一番印象深い会社で、現在上海市内で上記の「鍋源」の店舗数も順調に増えております。

 このエピソードからもわかる通り、あんまり知られていませんが中国人は案外鍋料理が好きだったりします。実際どこ行っても通常の火鍋に加えてキムチ鍋とか魚鍋が置いてありますし、日本料理屋もそうした事情を反映してかやっぱり鍋料理をセットして、なんかこのところはラーメン屋でも見かけたりしてなりふり構わない状態だなと密かに思ってます。なおちゃんこ鍋だけは唯一、日本料理屋でしかみかけないのですが、やっぱり訪れると中国人客も大勢来ていて認知が深いなと改めて感じさせられます。
 具体的に何が言いたいのかというと、これから中国に進出しようとする外食チェーンは鍋料理についてあらかじめ案を持って乗り込んできた方がいいと言いたいわけです。先程の物語コーポレーションの人が言ったように中国は地方によって好まれる味や料理が変わり、四川と湖南では辛さの種類が違うとか、上海は醤油ベースだとかいろいろありますが、鍋料理は具材とタレを複数用意しておけば全国どこにでも打って出られる上、珍しい鍋料理があれば中国人も興味を示す可能性があります。なんかあまりこの点を指摘する話を見なかったので、興味ついでに書いてみました。

2016年2月2日火曜日

派遣会社がなくなれば直接雇用が増えるのか?

 また一連のマージン率関連記事で申し訳ないのですが、友人から「生温いぞ!」と言われ、私自身もちょっと優しく書きすぎたなと思う部分があったので、それ以外の諸々も含めてちょこっと補足するような具合でもう一本記事を書きます。本当は中国の外食事情とかについて書きたいのですが。

 この前の土曜に書いたマージン率の調査記事で私は、去年の調査記事はいくつかのサイトに引用されたもののそのうちの一部サイトではやや偏った引用のされ方をして正直に不快だったと書きました。それは具体的にどのような引用だったかというと私が調査して出したマージン率の数字の引用の仕方で、何故か平均値(26.8%)には一切言及せず最高値(50.0%)だけを引用して、「派遣会社は何もせず派遣社員の報酬の半分をピンハネしている」などと書きたてるというものでした。
 実際にはこのマージン率から福利厚生費などを派遣会社が負担するのですから上記のような書き方は明らかに事実とは異なり、ましてや平均値には触れず派遣会社全体でマージン率が50%であるかのように書くことはこの業界への誤解を広げかねず、極言すればデマゴーグといっても差し支えないでしょう。正しい情報をきちんと公開せず偏った情報だけ流すという点で言えば、そのブログ主は義務付けられたマージン率を公開しない派遣会社と態度的にそう変わりない気がします。

 もちろん普通に記事が引用される分には光栄ですしプロフィール欄にも書いているように何も断りがなくても全然気にしませんが、私の作ったデータで捻じ曲げられた情報を発信されるというのであれば不愉快この上ないし、それを正す責務も自分にはあるでしょう。表現者として上を目指すならばそうした誤った引用すらできない記述をやって見せろと言いたいところですが、毎日こうやってブログ書いててもまだそんな水準には達せられてないので、やはりこうして一つ一つ新たに発信していくしかないのが現状です。
 直接名指ししてもいいのですが、今回は警告にとどめておいて次回何かあれば直接批判することにします、現実でも殴り合いを含めて喧嘩するのに何もためらいないし。

 と、ここで話をいったん区切って少し話題を変えますが、上記のような捻じ曲げた引用の仕方をしたサイトは複数あり、どちらも派遣会社は社会のダニで不法に儲けており存在自体なくなればいい、なくなれば直接雇用がもっと増えて労働者は助かるみたいな主張につなげていました。しかし断言してもいいですが、彼らにとっての社会のダニの派遣会社が日本からなくなっても日本で直接雇用の正社員は増えることはないでしょう。っていうか十年くらい前に終わっていると思う議論をなんで今更しなきゃいけないんだとちょっと書いてて今思いました。

 絶対的な事実として、企業の側からすれば同じ業務をやらせるにしても派遣社員を雇う方が正社員を雇うよりも支払うコストが大きくなります。正社員なら月30万円で済むところを派遣社員ならば40万円かかるという具合で絶対的なコストは派遣社員の方が上です。にもかかわらず何故企業は派遣社員を雇うのかというと、いざとなったらすぐに契約を切って解雇できるからで、逆を言えば正社員は売上げが落ちるなどして任せる仕事がない状態になっても解雇などで雇用調整することが出来ず、重石のような負債となってのしかかるリスクがあるというわけです。
 では何故正社員を解雇できないのか。法律解釈にもよりますが労働法で解雇条件が定められておりその条件を満たすのが難しいと考えられているため、どれだけ会社に損害与えても、問題ある社員でもおいそれと解雇が出来ないという認識が日本では強いです。加えて雇用の流動性が低く転職市場も海外と比べそれほど大きくないため、従業員側も負担が大きいブラック企業でも生活のためには我慢して働くため、いろんな意味で悪循環になってるわけです。

 突きつめれば雇用の流動性が日本だと低すぎるために派遣社員が企業に求められるわけです。ならば派遣社員をなくすためにはどうすればいいのかですがこれははっきりしており、正社員の特権を失くせばいいだけで、要するに解雇条件を緩和するなどして雇用側が簡単に解雇できるようにすればいいわけです。そうすれば企業はコストの大きな派遣社員よりもどこも率先して正社員を雇うようになり、それどころか真面目に働こうとしないのに会社にしがみついている問題ある社員も一掃されるでしょう。
 私はもう何年も前から上記のような考えに則って、「正社員という概念自体をもうなくして、みんなが派遣社員になれば日本人はみんな幸せになるよ。少なくとも派遣を批判している人たちは」と主張し続けてきました。そもそも東シナ海を股にかけて働いている私からすれば日本の労働市場の方が異常に見えて仕方なく、何故ブラック企業が存在するのか、何故有期雇用契約じゃないのか、何故労働契約書を書面でしっかりサインしないんだとか疑問でいっぱいです。しかも本人たちがその異常性に気付かずというか気づいていない振りして自分たちにだけ都合のいい意見や主張ばかり展開しているのが一番疑問です。

 この辺りはリツアンSTCの野中社長と考え方が一致しましたが、日本の労働市場における最大の欠陥は雇用の流動性が低いという点に集約出来ると思います。ではこれを改善する、流動性を高めるにはどうすればいいかとなると現状況下では派遣雇用を発展させることがまだマシな着陸点だと思え、ルールを徹底して健全に発展させるためにも情報公開が不可欠と考えたからこそわざわざマージン率の公開率を調べたわけです。なので直接本人にも言いましたが、派遣業界は大手が三つくらいに集約されればいいと思ってるしその中の一つに御社をぶちこみたいと話し、まともな派遣会社を育てたいし応援したいと伝えました。
 ってか書きながらつくづく思いますが、一連の調査で一番ミステリーなのは中国で暮らしている私がわざわざ日本のマージン率を調べている点でしょう。普段から行動怪しいけど。

2016年2月1日月曜日

優良派遣事業者認定制度の欺瞞性

 昨夜私はもはやこのブログのメインコンテンツになりつつある派遣業界のマージン率の2016年版調査記事をアップロードしました。調査結果についてはかなり長文となりましたが記事中にほとんど載せてあるのでこれ以上はとやかく言うことはありませんが、派遣会社各社のマージン率を調査している傍ら、何度も目に入ったというか気になる言葉が一つありました。その言葉こそ、見出しに掲げている「優良派遣事業者認定」という言葉です。

厚生労働省委託事業 優良派遣事業者認定制度公式サイト(一般社団法人人材サービス産業協議会)

 マージン率の調査中、一部の派遣会社ホームページにて「優良派遣事業者に認定されました」という言葉と共に上記サイトにある「優」という文字が描かれた認定ロゴマークが、割と誇らしく前面に貼られている会社を数多く見かけました。一体これは何なのか、少なくともこんな制度を自分は聞いたことないぞ(中国で生活しているんだから当たり前だが)と思って調べてみたところ、どうも厚生労働省が新たに作った派遣会社に対する認定制度だとのことで、その意義としては以下のように書かれてあります。

「派遣会社は優良な事業者であると認定され、派遣社員や派遣先企業は信頼性のある派遣会社を選択できるなど、派遣元・派遣先・派遣社員にメリットがあります。」(上記サイト「認定制度について」のページ内既述を引用)

 要するに、まともな派遣会社を認定することによって派遣社員からすれば所属先を選ぶ一つの指針となり、認定された会社は自社のPRに使うことが出来る「双方良し」な制度だと言いたいようです。なるほどなぁと思いちょっくら調べてみたところ現時点で85社が優良派遣事業者として認定されており、このうちマージン率など公開が義務付けられたデータをきちんとホームページ上で公開していた会社は27社、割合にして31.8%(3社に1社)で、さすが優良派遣事業者に認定された会社達だけあってこの前の私の調査で対象となった派遣会社全体の公開率18.0%(5社に1社)を大きく上回る数値です。
 なんとなく想像がついていたというか、ホームページ上に認定マークをでかでかと出している会社に限ってマージン率データを出してないことがやけに多かったので、「ああ、やっぱり……」という具合でこの結果を眺めました。っていうか、「本来の調査だけでも忙しいってのに余計な仕事作りやがって厚生労働省は……」などとブツブツ文句言いながら認定された会社の公開状況をいちいち調べていました。

 なお別に他意はございませんが、優良派遣事業者に認定されている85社の中には派遣大手のスタッフサービスさんも含まれております。

優良派遣事業者が「優良」ではない理由(マイキャリア)

 マージン率調査に執念燃やした私個人としてはマージン率をきちんとホームページ上で公開していない時点で優良どころかファッキンな会社で何を見て優良だと認定したんだかと言いたいところですが、いろいろネットで調べていたらなんと同業者からもこの制度に疑問を呈する声が出ていました。これには私もびっくり。
 上記サイトは日本リックが運営するマイキャリアという求人情報サイト内の記事なのですが著者名が書かれていないものの業界関係者らしき人物の記事のようで、この制度の概要から認定過程を説明するとともにその目的に対する実効性については、「当たり前の人材派遣サービスを提供している派遣事業者を認定する制度に過ぎない」と、切って捨てています。少なくとも、当たり前の情報すら公開しないほど情報公開に消極的でも認定が出ちゃう制度であることは間違いないでしょう。

 そもそもこの認定過程一つとっても厚生労働省が直接管理しているわけではなく、一番最初のリンク先サイト運営主に当たる一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が委託を受けて行ってるとのことで、どうみたってこれ天下り団体にしか見えません。もうなんかいろいろ説明するのも疲れてきたので思い切ってぶちまけると、何から何まで不完全で腐った制度であるようにしか思えないというのが私の感想で、派遣社員の方々にはこんなもん信じるなと言いたいし、とっとと廃止されればいいのにとすら思う制度だって言いたいわけです。

 最後に今年の一連のマージン率調査過程における愚痴をぶちまけさせてもらうと、この調査を行った期間に私は転職を一回、引越しを二回(しかも中国で)こなしててプライベートも含めて超激動な一ヶ月間でした。友人からは負担が大きいからマージン率調査は先に延ばせとアドバイスしてくれたものの、「去年も1月にやってるんだから今年も同月にやらなければ意味がない」などと一切耳を貸さずに強行し、久々に自分で自分の頭がおかしいと思いました。なお以前に同じことを思った体験はこの時の体験です。
 しかも二回目の引っ越し先ではネット回線がなかなか用意できず、しかも苦労して引っ張ってきたのは2M/bpsという「こんな回線存在するの?」と疑うくらい貧弱なもので、こんな回線速度にもめげずにマージン率を調べるため各社ホームページ回ったというのは我ながらよくやったなという気がします。しかもスケジュール押してたから実質、先週土日の二日間で三分の二位調べたし。

 ただ、いい意味で常に緊張感があったためか精神的、体力的にダウンすることはなく、むしろかなりエネルギッシュに次々と襲いかかる問題を蹴り倒しながらクリアできたという実感はあります。もっともネット回線に関しては以前の記事でも詳しく書きましたが本当に有り得ないほどのトラブルに見舞われ続け、この間に友人の上海人には何度も泣き言を言っては愚痴を聞いてもらいました。向こうもいい迷惑だったでしょうがその度に、「大丈夫、なんとかなるって( ´∀`)」と慰めてもらい、彼にはマジ感謝してもしきれません。
 でもこの前彼と一緒にご飯(湖南料理、めちゃ辛かった)食べに行ってお勘定する際に半額の120元(約2400円)出したら、「いつもおごってもらってるから、いいって今日は( ´∀`)」とお札を突っ返されたところ、返ってきた手元のお札は20元だけで、「だったら普通に120元受け取りゃいいのに(・∀・;)」と思ったのはここだけの内緒です。

2016年1月30日土曜日

人材派遣業界のマージン率とそのデータ 2016年版

 昨年一月、私は個人的な興味から人材派遣業界のマージン率を調査し、そのデータを整理した上で統計結果と全データをこのブログに公開しました。予備調査的なものは2014年4月にもやっておりましたがその時はサンプル数がまだ少ないものでしかなく、またほかに同じような調査を行っている人間は皆無であったため実質的にこの分野の調査は私が去年に初めて開拓したと自負します。

 「派遣会社のマージン率」という元々の着眼点がよかったのとほかに同じことをしている人が誰もいなかったということもあり、幸いにも去年の記事はそこそこ受けて他のサイトにも引用されたりもするなどこのブログの記事の中で一番世の中に読まれる記事となりました。執筆前に、「絶対調査して書くべきだ」と太鼓判を押してくれていた友人からは当然の結果、いやむしろまだ反響が足りないとまで言われた上、「来年も継続してやるべきだ」などとかなり早くから継続調査を薦められ、また去年の記事を通して知り合った人たちも同じことを言い、恐らく他にも求めている人たちはいるんだろうなぁという妙な期待感は一応は感じていました。
 また前回調査ではわざと脇を空けるように隙を作ってみせておきましたが後追い調査をする人間はおろか取り上げるマスコミすら現れず、多分ほっといたら本当に一発こっきりで終わりかねないという懸念もあり、正直な感想を言えば最初は紛れもない好奇心で動きましたが事ここに及んでは多少の義務感も感じざるを得ません。

 などとまた前置きが長くなりましたが、去年の調査をベースにして今年も人材派遣企業各社のマージン率をまた一人で全部調査してやりました。ご託はいいでしょうし早速調査結果とデータの解説に移ります。


  調査概要
・調査期間:2016年1月3日~1月25日
・調査対象企業:一般社団法人 日本人材派遣協会(JASSA)の登録企業と派遣大手企業数社
・調査サンプル企業数:579社
・リストアップ事業所数:1,082拠点
・調査方法:インターネットを使い該当情報の有無を各社ホームページ上で確認する


  調査結果 ※括弧内の数字は昨年の調査データ
・マージン率の公開率:18.0%(19.1%)

≪マージン率≫
・平均値:29.3%(26.8%)
・最大値:旭化成アミダス株式会社 IT事業グループ 51.0%(50.0%)
・最低値:株式会社インテリジェンス 中国支社 12.0%(11.6%)
・前期比変動幅平均:+0.7ポイント

≪労働者派遣に関する料金の平均額(8時間)≫
・平均値:16,509円(前回未調査)
・最大値:株式会社メディカルリソース 名古屋支店 45,108円(〃)
・最低値:株式会社シグマスタッフ 大宮支店 7,847円(〃)

≪「派遣労働者の賃金の平均額(8時間)≫
・平均値:11,457円(前回未調査)
・最大値:株式会社メディカルリソース 名古屋支店 28,376円(〃)
・最低値:株式会社プレステージ・ヒューマンソリューション 山形事業所 6,400円(〃)


  データ注意事項
1、マージン率で少数点第二位以下の数値は四捨五入処理を行っている。
2、マージン率が「0%」以下の事業所は統計目的上、各種計算では除外対象としている。
3、マージン率数値は各社が発表している直近年度のデータを引用。
4、2014年12月末より以前のデータしか公開していない企業は原則、「×」評価として扱った。
5、公開データの対象期間が明らかでない会社は原則、「×」評価として扱った。
6、データに「平成26年度実績」としか書いていない拠点は対象時期不明瞭として「×」評価。
7、本社で派遣事業を行っていない企業は便宜上、適当と思われる事業所を「本社」として扱う。
8、上記調査結果はあくまで一個人の手作業によるもので、調査手段や解釈の変更によって数値が変動する可能性があるということをご了承ください。

・調査データPDFファイルのダウンロード
(2017年版データの公開につき配信停止、必要な方はご連絡ください)



  解説
≪マージン率の公開率下落について≫
 マージン率を始めとして人材派遣会社に公開が義務付けられている情報をホームページ上で公開している会社の割合は前回調査時の19.1%から1.1ポイント落ちて、今回調査では18.0%となりました。一見すると公開している会社が減っているように見えますがこれには理由があり、前回調査時は公開しているマージン率などのデータの採取対象期間についてデータの頭数を集めるという目的から厳しく見たりしませんでしたが、今回調査では注意事項の5と6に書いてあるように対象期間が不明瞭であったり、「平成26年度データ」としか書いていない会社は直近のデータであるかどうか判断しかねるため、原則「×評価(非公開企業)」として扱いました。
 なおデータの対象時期が不明瞭であっても、去年に取得したデータから更新した跡が見られる会社に関しては「△評価(データが不足)」として扱い、統計に加えております。

 このようにデータ対象時期を厳しく見るという処理をしたことから公開率は下がりましたが、去年も公開していた会社はちゃんと更新して公開を続けており、逆に公開していなかった会社は依然と公開していないといのが大概で、実態的にはあんま去年と変わりがないというのが私の見方です。もちろん更新をやめてしまった会社もあれば、今年からちゃんと公開するようになった会社も見られましたが。
 どちらにしろ、公開が義務付けられた情報をきちんとホームページで公開しているのは5社中1社というのは寂しい限りです。こういう会社から淘汰されるべきでしょう。


≪平均マージン率の上昇について≫
 今回調査で出たマージン率の平均値は29.3%と、前回から2.5ポイント上がりました。これにもちょっとした背景があり、一言でいえば去年はマージン率が高くてたくさん拠点を持っている会社が今回新たに統計へ加えられ、マージン率を引き上げたためです。詳細は後述しますが、特殊技能者や技術者派遣を専門に行っている派遣会社のデータが今回新たに加えられ、これらは拠点数が多い上にマージン率も比較的高かったためデータのなかった前回と比べて平均値を大きく引っ張りました。

 では業界全体でマージン率は去年と今年とでそれほど変化がなかったのかというと、そうとも言えないという根拠が調査結果にある「前期比変動幅平均」というデータです。これは前回調査時にデータを公開していた会社に限定して前回と今回のマージン率の差を出して平均化したものですが、その結果たるや+0.7ポイントでした。あくまでこの調査結果に限って言える結論ですが、この数値は去年と今年でマージン率は業界全体で0.7ポイント上昇したということを示しており、過去一年間はやはりマージン率は上昇傾向にあったと考えられるでしょう。


≪労働者派遣に関する料金、派遣労働者の賃金≫
 前回調査時にも認識していましたが、マージン率ともども「労働者派遣に関する料金」、「派遣労働者の賃金」の一人当たり平均を公開することも派遣会社に義務付けられております。前回調査では作業の手間を省く、マージン率の公開率に目を向けさせるという目的もありましたがそれ以上に、料金賃金という金額データであるため変な引用のされ方をされる恐れがあったため敢えてデータを取りませんでした。今回は周囲の勧めもあって統計を取ってみたのですが、これがなかなかに面白い結果を生みました。
 まず時給に換算すると「労働者派遣に関する料金」は約2,063円、「派遣労働者の賃金」は約1,432円となります。これが高いか安いかはまだ検討の余地はありますが、今回調査の最低値は時給換算だと前者が約980円、後者が約800円となり、なんていうか最低時給スレスレな金額となるわけです。まぁそれで合意できてるのなら何も言うつもりありませんが。

 逆に最高値はどうなのかですが、これに関しては単独で取り上げた方が価値があります。というのも今回調査で「労働者派遣に関する料金(8時間)」が3万円以上の数値を叩きだしたのは株式会社メディカル・プラネット、株式会社メディカルリソース、株式会社メイテックの3社のみです。また「派遣労働者の賃金(8時間)」が2万円以上だった拠点となるとメディカルリソース、メイテックの2社のみとなります。
 これらの派遣会社は上記の派遣料金、賃金が明らかに高額で他社を突き放しており、特にメディカルリソースとメイテックは多数の拠点を保有しながらそのどれもで同じ水準を保っています。その一方でこれらの会社のマージン率は40%前後あり、これも全体平均を大きく上回っております。

 ある意味今回の報告で一番肝心な内容になりますが、派遣料金・賃金の高さはマージン率と確実に相関します。統計ソフト持ってないから相関係数とか出せないけどデータ表を見ればこの傾向は明らかに見て取れ、現に上記三社のデータはバッチシこの傾向に沿っております。
 一体何故相関するのかというと、マージン率には会社が従業員のために負担する福利厚生費や技能研修費なども含まれるからです。前回調査記事でもこの点を口を酸っぱくして説明して、「マージン率が高い=即悪」という図式は成り立たないと強く訴えたつもりでしたが、私の記事を引用したサイトによってはただマージン率が高い会社をあげつらってはピンハネがひどいなどと批判するだけのサイトもあり、正直言って見てて不快でした。
 翻って先程の三社を見てみると、メディカル・プラネットとメディカルリソースはともに医療従事者を、メイテックはエンジニアを専門とする派遣会社です。これらの派遣は工場のライン工や事務スタッフと違ってマッチングが難しい上に研修にもお金がかかります。そうした点を踏まえると通常の派遣会社とは明らかに毛色が異なる会社であり、ただマージン率が高いというだけで叩くというのは以ての外でしょう。

 なおこのマージン率の解釈について今回、リツアンSTCの野中社長から丁寧でわかりやすい解説をいただいたので、この記事引用しようっていう人は最低限これだけは読んでから引用してください。

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「マージン率に関する解釈と今後の展望」
 私はマージン率の問題は次の2つに集約されると思っております。1つは世間で思われている「マージン=派遣会社の儲け」との誤解。もう1つは現派遣法で公開が義務化されているマージン率は会社(事業所)の平均であって、決して個人のマージン率ではない点の2つです。

 まず「マージン率=派遣会社の儲け」についての誤解ですが、弊社の実際の数字をまじえてご説明いたします。弊社の派遣エンジニアの2015年11月度の派遣料金の平均は630,000円でした。これに対して派遣社員の給料平均は470,000円で、マージン率は25.4%となります。
 ただ、このマージンの中には社会保険料の会社(事業主)負担の経費や派遣社員に対する研修費用なども含まれております。このため派遣会社の儲けとしてのマージンを知るには、この派遣社員に関わる経費を差し引いて考えなければなりません。

 この経費の中で最も顕著なものは健康保険や厚生年金などの社会保険料の会社負担額です。あまり知られておりませんが社会保険料は労働者と会社で折半で負担します。
 例えば毎月の給料明細から社会保険料が5万円引かれたとするのならば、会社も同額の5万円を負担して合わせて10万円を年金機構などに納めております。弊社の場合、11月度の社会保険料の1人当たり平均は61,000円で、当月の派遣料金に対して10%ほどになります。つまり、この派遣社員に関わる経費を差し引いた割合、弊社の場合ですと15.4%が「会社の儲け」としてのマージンだといえるとかと思います。

 そして、次の問題は現派遣法で公開が義務化されているマージン率は「会社平均」であって決して「個人のマージン率」ではありません。平均は、個々の値を足し合わせてその個数で割って得られた数字にすぎません。
 例えばA君のマージン率は40%、B君のマージン率は30%、C君のマージン率は20%、でも会社平均のマージン率は30%になってしまいます。派遣社員の方が最も知りたいのは会社の平均マージンではなく自分自身の情報です。それにも関わらず会社平均では、自分自身のマージン率は一向に見えてこないのです。

 今後は、会社平均という曖昧な情報より個々人の派遣契約の内容を開示することが必要かと思います。なぜなら私たち派遣会社は労働者の労働対価を直接の収益源としているからです。だからこそ他の事業分野よりも情報がクリアーでなければなりません。

 派遣会社の情報公開が進めば今後は派遣会社自身の色分けがはっきりしてくると思います。給料にこだわる方は還元率がいい派遣会社のA社、スキルアップを目指す方は社内研修が充実しているB社、クライアントの正社員になりたい方は紹介予定派遣が充実しているC社など、派遣会社の特色が明確になるかと思います。そうすれば労働者も派遣会社を選びやすいしネガティブで語られるこの業界も少しは社会のお役に立てるのかもしれません。

㈱リツアンSTC 野中社長よりの寄稿
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≪大手派遣会社の公開状況≫
 ある意味こちらも真打ち。去年もあげつらいましたが大手とされる派遣会社のマージン率などのデータの公開状況ですが、去年はスタッフサービスさんを除いてホームページを確認するだけでしたが今回はホームページ上で公開していない大手各社にメールを送って、「陽月秘話の花園祐じゃ!データちょうだい!」と要求してやりました。その驚きの結果は以下の通りです。

≪ホームページ上で公開している会社(´▽`)≫
・アデコ:去年は見られなかったが今年はホームページで公開していた。
・インテリジェンス:以前からホームページで公開している。
・テンプスタッフ:系列ともども以前からホームページで公開している。

≪データを提供してくれた会社( ・∀・)≫
・ザ・アール:即日ですぐデータを提供してくれた。
・マンパワーグループ:連絡してからすぐデータを提供してくれた。
・メイテック:即日ですぐデータを提供してくれた。

≪返信はしてくれた会社┐(´д`)┌≫
・パソナ:データは拠点にあるので拠点に来てくれと遠回しな公開拒否。
・ニチイ学館:今夏のホームページ公開に向け準備中のため遠慮。

≪無視してきやがった会社(#゚Д゚)y-~~≫
・ジェイコムホールディングス:無視、返信すらなし。
・スタッフサービスさん:無視、返信すらなし。
・フルキャスト:無視、返信すらなし。
・マイナビ:無視、返信すらなし。
・リクルートスタッフィング:無視、返信すらなし。

 以上のように、はっきりと対応が分かれました。

 提供してくれた会社は、見ようによっては脅迫文にしか見えない文面での要求にもかかわらず総じて協力的で返答時期も早く、この場を借りて改めてお礼申し上げます。まぁホームページ上できちんと公開してくれればこれ以上ないんだけど。
 ニチイ学館について詳しく述べると、こちらでは今夏のホームページ公開に向けあれこれ編集中とのことでそれまで待ってほしいと返答があり、私としてもデータを集めることよりもそうした情報公開を促すことが第一の目的であるため「うん、おっけー」とハーフタレントのように返答しました。

 で、公開してくれなかった会社ですが、まさかマジで何も返答なく無視されるとは思いませんでした。遠回しな公開拒否ですが一応返信くれたパソナなんかまだまともな会社なんじゃないかと思える始末です、いやマジで。
 特にスタッフサービスさんには去年にもメール送ってその時はこちらも、「お近くの拠点で」という回答拒否でしたが一応は返信くれたのに、今年に至っては他社同様に無視してきました。お互い知らぬ仲でもないってのに何なんだよこの対応はと思い、悔しいからデータファイルの中でスタッフサービスさんだけ太文字にしてやりました。

≪メイテックについて≫
 今回の調査で一番やり取りが多かったというか多くなったのはメイテックさんで、「送ってもらったデータ入っているZipが開けない(/Д`)」という私からのうざい問い合わせにも真摯に対応していただきました。
 メイテックさんのところの拠点は前述したように派遣料金・賃金が非常に高い一方でマージン率も平均を大きく上回っていますが、これについてはメイテックさんも気にしてるのかメールで、「社員エンジニアにはお客様との対価についてすべてオープンにしております」と言及した上、「定年60歳に到達した社員エンジニアも2015年9月末現在で累計151人に達した」と述べ、数ある派遣会社の中でも定年に到達する社員がいるのは唯一メイテックだけだと誇っていました。実際に私も余所で定年に達する派遣社員がいるという話は聞いたことが無く、この話は真実だと思います。

 やや持ち上げ過ぎな気もしますがメイテックさんに関しては以前から何度か噂を聞いており、2008年のリーマンショックの際も派遣会社各社で派遣先の無くなった派遣社員の解雇が溢れた中、メイテックだけは解雇へと踏み切らずに抱え続けたというエピソードを人伝に聞いており、実際この広報部とのやり取りをしていて噂に違わない印象を覚えました。記者経験者の口から言わせると、案外広報部を見ればその会社の特徴というか性格はわかるものです(トヨ〇さんは官僚的だとか)。

 何度も言いますがマージン率が高いから即ひどい会社というわけではなく、あくまでマージン率は一つの比較指標であってその他のデータとも多角的に比較、検討する必要があります。少なくとも言えることはネット上で公開する手段を持ちながら公開しない会社は情報公開に熱心ではなく、さらに公開を要求したにもかかわらず無視するような会社は企業姿勢として如何なものかということ、そして今回の調査から導き出せた結論としては、

・マージン率の高さは派遣料金・賃金の高さと深く相関する
・派遣料金・賃金が低いにもかかわらずマージン率が高い所は要注意

 この二つの結論は一般化してもいい結論じゃないかと自信を持って主張します。
 この結論に至れたのもメイテックのデータが大いに参考になり(見ていて気が付いた)、勝手ながら本調査に最も貢献してくれたMVPとさせていただきます。

 また記事中では言及していなくとも、きちんとホームページ上でデータを公開して引用させていただいた各社に関してはここで改めてお礼を申し上げさせていただきます。公開しない企業が多い中、孤高を保って公開し続けるその姿勢は真に見本たる姿勢であり、他の誰も評価せずとも私は一人でもこれらの会社に強い賛辞を贈り続けるつもりです。

 以上、非常に長い長文となりましたが本調査報告を終えます。「優良派遣事業者認定」の欺瞞性、調査中の苦労話についてはまた次回の記事でしつこくやるので興味があればそっちも読んでください。

2016年1月29日金曜日

日本仕様のステルス機

国産初のステルス実証機公開 2月、初飛行へ 防衛省(朝日新聞)

 Yahooニュースのヘッドラインに載っていた上記ニュースですがこの見出しを見た際に私は何故か、機体全体に般若心経が書かれた飛行機を想像してしまいました。でもってキャノピーだけが書かれてなくてここを狙われると弱いみたいな解説記事を期待したのですがリンク先の実機写真はさにあらず、やっぱそんなことないかと思いつつ少し残念に思いました。

 しかし実際問題、般若心経を魂込めて書けばレーダーくらいどうにかなるんじゃないかという気がしますし、日本政府は予算懸けてでもこうした霊能力に満ちた戦闘機の開発を試してみるべきでしょう。試作機の型番は敢えてつけるとしたら「Hei-K ホーイッチ」なんかだと具合がよく、どうせ予算じゃ米国に勝てるわけないんだし、斜め向いた方向の兵器開発にチャレンジしてみるのも日本らしくてありかもしれません。

池内博之、20代美女との三軒茶屋焼き肉店デートを目撃(週間女性PRIME)

 また全然先の内容とは関係ない話題ですがこの記事中にある、「そんな池内が、なぜ三軒茶屋で飲んでいたのだろうか。」という記述について、「なんで三軒茶屋で飲んじゃいけないんだよ」という突っこみコメントがYahooに入れられてあってちょっと笑えました。確かになんでだよなぁ。
 それこそ誰か芸能人がマッドシティこと松戸で飲んでたら、「なぜ松戸で飲んでいたのだろうか。」と書かれてしまうのでしょうか。でもまぁ書いていて、確かにマッドシティで飲んでいたらなんでだろうって気が湧いてきます。

2016年1月27日水曜日

甘利大臣の献金疑惑について

 なんかこう政治記事書いてないなと思うので今ホットな政治話題なので甘利大臣への献金というか収賄疑惑について私の所見を述べます。結論から言えばクロじゃないかと考えています。

金銭授受疑惑 甘利大臣秘書の“UR威圧録音”入手!(週刊文春)

 この事件もネタ元はベッキー不倫と同じ「センテンススプリング」ですが、一体文春はどうしてこうもスクープを物にするのかこのところの取材力には目を見張るばかりです。ちなみに上海の日本人社会の間でもベッキー肯定派と否定派がきっかり分かれているのが笑えます。この前会った以前お世話になった人なんかは全力でベッキーを擁護して、「一番悪いのはあの男の方だ」と主張してやみませんでした。

 話は戻りますが今回の疑惑は建設会社からお金を受け取った甘利大臣、もしくはその秘書がURに口利きをして仕事をあっせんしたというわかりやすい構図です。中国だとこんなのは日常茶飯事なので最初見た時はリアルに、「え、これの何が悪いの?」と本気で思ってしまった私ですが、日本だったらもちろんいけないことです。
 受け渡したとする金額は直接が100万円で、関連費用を含めるならさらに1200万円が上積みされると報じられており、近年の特捜を見ていると1000万円を超えるか超えないかが一つのボーダーとなっている節があるだけにこの金額だと確実にそれに引っかかるラインなので認め辛い金額といったところでしょう。

 で、この件について何故私がクロだと思うのかというと、大した根拠ではありませんが甘利大臣の態度です。はっきり言って物凄い動揺ぶりで、「あ、痛い所突かれてるんだ」と見て取れた気がしました。また言い訳の仕方もしどろもどろで、逆に時間が経つにつれどんどんと不利な証拠が現れ続けるなど完全な防戦を強いられており、安倍首相は一応庇ってはいますが恐らく現段階でもう次の人間を誰にするか選抜しつつ身体検査をしているんじゃないかと思います。

 一応、甘利大臣に関しては身内の自民党からも批判されながらTPPの交渉担当としてよく頑張ってまとめたと私は評価していますが、まぁこの件が本当ならTPPもひと段落したことだしそろそろ引いたら、体調も良くないらしいしと声をかけてあげたいです。仮に授受された金額の合計が1000万円以下ならその実績と能力を買って残ってほしいと考えたでしょうが、この金額なら世論は許さないだろうし、さっきも言ったように健康問題を抱えていることもあるので政権運営的には切った方がプラスじゃないかというのが私の見方です。安倍首相には以前、松岡農水大臣の例もありましたし。

 それにしても疑惑を突き付けられてああもしどろもどろになる態度は政治家としてちょっとどうか、やはり昔の政治家は悪いことをたくさんやってましたが、「だからなんだ」と言わんばかりのふてぶてしい態度は人物的には今の政治家より上だったでしょう。もちろん悪いことはやらないに越したことはありませんが、いかんせん政治家が小粒になってきているというのは残念な話で、何事にも動じないような政治家がもう少し増えてもらいたいというのが密かな希望です。

女性が見る視点

 人知れず私が読んでて気に入っている漫画の中に、「森田さんは無口」という四コマ漫画があります。この漫画は、「このままでは過労死するのでは」とガチで心配されるほどここ数年アニメやゲームに出演しまくっている「ざーさん」こと花澤香奈氏の主演でアニメ化も果たしておりそこそこ人気な漫画なのですが、この前ふと読む機会があってそれから非常にはまっており、つい先日も新しい単行本を買いました。
 この漫画はどういう内容なのかというと、言ってしまえばありていな女子高生のゆるふわ系四コマですが、最も特徴的なのはタイトルの通りに主人公の森田さんが極端に無口で、実際に漫画の中でも一言も発声することがなく、あっても声にならない悲鳴などしかありません。全くしゃべらない主人公でありながらきちんと話はオチがつき、そこそこリズム感よく読めるので手持無沙汰になるとすぐ開いて読むほど(電子書籍で)気に入っているのですが、この漫画の二巻にちょっと気になった内容というかセリフがありました。

 森田さんとその友達が初詣に神社へ訪れたところ、たまたまそこで巫女さんのバイトをしている同級生と鉢合わせになります。森田さんらを前にその同級生は、「こういうバイトしてるとよく写真撮られるのよ。男って、本当に夢見てるよね」と話し、「ところで、なんでこのバイトにしたの?」と森田さんの友人に聞かれると、「時給が良いから」って即答します。
 そんな同級生を見て口には出さないけどあれこれ考える癖のある森田さんは、

(女って本当に現実見てるよなぁ……)

 と、心の中だけで思うわけでした。

 ほかにも見ていてなるほどと思う話はたくさんありますが、二巻を読んでて一番印象に残ったのはこの話でした。この漫画を読んでて作者の方は本当に観察力のある人だとよく思わさせられるのですが、まさにこの話の言う通りに男は夢を見て、女は現実を見るってのは凄く納得します。
 などと思っていたら、すいかさんが自分のブログでまさにそれを象徴するかのような話を書いていたので読んでて爆笑したわけです。

人はそう簡単には変わらない。(すいかのブログ)

 内容については是非皆さんの目で読んでもらいたいのですが、これ読んでやっぱ女は現実しか見てないんだなって再確認できました。逆に男はやっぱりロマンとか誇りを追っかけちゃうもんだからしばしば自滅しちゃうんだなぁって気がします。

 などとしょうもない話でまたブログを埋めたわけですが、紙幅が余ったのですこし豆知識というか私が女性と会話する際に使うある必殺技を披露しようと思います。そんな大したものではないですが女性と話す時に、「どの芸能人が整形をしているのか?」という話題を振ると女性の側は半端なく盛り上がり、大体30分は一方的に誰が怪しいとか、あいつは目元を絶対改造しているなどとずっと話し続けてくれます。特に話す話題がない時はこの話題を振ればそこそこ相手できるので密かに重宝してたりします。
 ちなみに、男の私は別に誰がどんな整形してようが実はあんまり気にしなかったりします。逆を言えば女性は気になるというか整形する人を腹の底で許さないというか認めないのかなぁ。

2016年1月26日火曜日

基礎教育と高等教育

 たまたまなのかもしれませんがこのところ、やけにお店で釣銭を間違えられることが多いです。以前はこういう事は中国だとほとんどなかっただけに、なんか詰め込み過ぎてかえって基礎教育レベルを落としているのではないかと邪推しています。
 あまり他に言っている人は多くないですが中国が近年に大幅な経済成長を遂げられた理由として、基礎教育レベルが地味に高かったという点は非常に大きかったと私は考えています。ほかの国、特にヨーロッパ辺りに行くと外国人は本当に暗算が出来る人がほとんどいなかったり、割り算すらおぼつかないような場所も珍しくはないのですが、こと中国に限ればこの手の計算は非常に早いだけでなく正確で、身なりの汚い店員ですら卒なくこなしてたりするのを見ると世界的に見て基礎教育レベルが高いのではと留学時代に強く印象に残りました。またそうした暗算だけでなく、割と学ぶ姿勢もよく出来てるというか技術指導に対して熱心に聞く姿も結構大したレベルだと考えています。

 このまま中国の基礎教育について書き続けてもいいのですが少し話題を変えると、よく友人が米国について、「基礎教育を放棄しておきながら、一番うまみのある高等教育を独占している」と非難しています。具体的に言うとハーバード大学などの事を指しており、ここに世界中から優秀な留学生がやってくることを言っています。

 前提として話すと、基礎教育と高等教育はその目的や目標はまるで別です。基礎教育が社会一般で求められる知識を教えるのに対して高等教育はイノベーションを生み出す発見力、観察力、想像力を鍛えるものです。国家として旨味が大きいのはもちろん後者で、技術革新や発明が起こればそりゃもう願ったりかなったりです。しかし高等教育に耐えられる人材を生むため、拾うためには基礎教育を疎かにしてはならず、こちらの方面にも一程度の予算を振り分ける必要があるわけです。

 米国の基礎教育レベルは断言してもいいですが日中よりも下です。三角関数も高校では教えないというし、多分ほかの分野でもいろいろ見ている限りだとおぼつかない感じがします。しかしそうであるにもかかわらず何故各研究分野で最先端を走るのか、世界的にも名門とされる大学を持ち続けられるのかというと、才能のある人間を飛び級などで拾い上げる制度があることも大きいですが、それ以外にも先程述べたように自国で高水準の基礎教育を受けてきた優秀な人材を留学生として取り込むという、おいしい所だけ独り占めにする手法を取っていることも見逃せないでしょう。
 そうした米国の現状について先程の友人は、「ハーバードは貧しく優秀な留学生と、彼らのスポンサーとなる裕福な白人の出会いの場なんだよ」と、皮肉っていますが、あながち間違えじゃないし昔の日本もそういう場所があったよなぁと私も思います。

 何故それだけ優秀な留学生が米国に集まるのかという理由は説明を省略してもいいとは思いますが念のため触れておくと、最高水準の研究費と予算、そしてスタッフが集まっているからです。ノーベル賞を取った江崎江玲於奈氏もやはり研究環境の理由から米国に渡ったと言いますし、この点で米国を抜き返すのは並大抵のことではないでしょう。

 話しは日本に戻しますが、日本の場合は戦後なんか特にそうですが上質な研究環境を用意することが出来なかったため、高等教育よりも基礎教育に力を入れていたことは歴史を見る限り間違いありません。その結果、日本は全体で高い教育水準を持つに至りそれが優秀な従業員を生み出して高度経済成長のサイクルを作ったと言えますが、自分が思うにこれは人件費がまだ低く大量生産が要求される発展途上過程において機能したサイクルであって、先進国となった現代においてはもはや機能しないサイクルだと見ています。同様に、中国もこれまでは通用したもののもはや基礎教育レベルの高さは経済に貢献しないかもと言いたいわけです。

 言うまでもなく、人件費が上昇し経済も大きくなった後の国家において求められるのはイノベーションであり、それを生み出すためには高等教育が非常に重要です。基礎教育よりも高等教育にもっと重心を移すべきというのを結論にしたいところですが、果たしてアメリカさんに人材を引っ張られないような環境を作れるのか、そう考えるとなかなか不安というかうまくいかなそうだというのが本当の結論です。

2016年1月25日月曜日

今日気になったニュース

 ちょっと現実逃避したくなってきたので、今日見ていて印象に残ったニュースを紹介します。

わが家は地獄に変わった…「太陽光パネルで熱中症」”室温52度”(産経新聞)

 当事者の方には申し訳ないですが、リアルなソーラ・システム(ガンダムに出てくる兵器)じゃないかと思いました。ただこのニュースに限らず太陽光発電関連だとどれもこれもバッドニュースしか見ないような気がしますし、何気に私自身も山肌にあんな黒々としたものが並んでると景観的に不快感を覚えるため、あまりいい印象を持っていません。

【悲報】女子大生、飼い亀を氷漬けにする(アルファルファモザイク)

 この記事見て、今日本気で腹抱えて笑い続けました。また亀さんも見事なまでに氷漬けになってるし……。氷漬けになっても死なないんだからやっぱ亀ってタフだなと思います。

2016年1月24日日曜日

猫一族の悪夢

猫戦闘機(アンサイクロペディア)

 猫一族とは上記のアンサイクロペディアの記事に紹介されているように、太平洋戦争を中心に活躍した猫の猫による猫のための艦上戦闘機シリーズを指します。記事中の記述を引用すると、

「猫をベースにした理由は、愛らしい外見が兵士の精神をリラックスさせる効果があること、方向感覚や上下感覚に優れ必要とあれば飛行中にすぐに足を下に向けることができるということ(猫は常に足を下に向けて落ちる)、夜目が利き夜間戦闘に向いていること、九つの命を持つため被弾してもすぐ復活して飛行を継続できることなどが挙げられている。」

 とあり、このような特徴を備えた猫戦闘機は日本のゼロ戦相手に健闘しました。

 というのはもちろん冗談ですが、太平洋戦争時に米海軍が運用したグラマン社製の戦闘機には実際に「〇〇キャット」という愛称が付けられ、これらの戦闘機を総称して「猫一族」と呼ぶのはミリオタの間では一般的だそうです。
 この猫シリーズには以下の機種が分類されています。

・F4Fワイルドキャット
・F6Fヘルキャット
・F7Fタイガーキャット
・F8Fベアキャット
・F-14トムキャット

 実際に日本の戦闘機と主に戦ったのはF4FとF6Fの二機種です。開戦当時はF4Fが主力として使われたものの旋回性などといった格闘性能においてゼロ戦に遠く及ばなかったことから出撃しては毎回やられて返ってくるという惨憺たる有様だったそうです。ただ性能では及ばなかったF4Fですが持ち前の頑丈なボディ、並びにパイロットを守る防弾装甲のおかげで被弾こそしてもパイロットが戦死に至る確率はゼロ戦より低く、素人から熟練パイロットまで細く長く生きる秘訣となりました。

 そして後からやってきたのがF6F。こちらは「ヘルキャット」と言われるだけあって格闘性能でもゼロ戦に大きく劣ることなく、またF4Fの時代から定評のあった頑丈さがさらにパワーアップされて機銃で少しくらい撃たれてもビクともしないという恐ろしい性能となり、いくらか誇張はされてはいるでしょうがゼロ戦とのキルレシオは1:19と、一機のF6Fの撃墜に対しゼロ戦は十九機の撃墜が必要だったというデータも出ています。
 F6Fの特徴は先にも述べた通りにF4Fからさらに装甲が頑丈になったという点ですが、装甲が増した分だけ重量も増えているものの、そこはアメリカさんらしく大馬力のエンジンを取って付けてカバーしています。装甲といいエンジンといい技術的にもコスト的にもハイレベルな仕様ですがそんな戦闘機ですら量産して運用してしまうあたり、当時のアメリカの工業力がどれだけ進んでいたかが伺えます。実質、二次大戦においては兵士や将軍の質以上に工業力の差が勝敗を大きく分けるキーだった言っていいでしょう。

 ほかの猫一族については実はそんなに知らず、せいぜいF-14がトム・クルーズの出世作である「トップガン」に出てくるという事しか知りません。

 なのになんでこんな記事書き始めたのかというと、実は単純にF6Fが好きだったからにすぎません。昔書いた「ダイハツ ストーリア」に関する記事にも書いていますが、無駄を徹底的に省き必要最低限な機能を厳選した製品にこそ美は宿る、「シンプルイズベスト」という美的信仰を私は持っており、このF6Fも「頑丈」、「よく飛ぶ」の二つ以外の要素を全部切り捨てたかのような無骨なデザインが自分の感性に物凄き響き渡ります。
 実物の写真を見てもらえばわかりますがF6Fはレシプロ機としてはかなりずんぐりむっくりしたデザインになってて、見ていて「ほんとにこれ飛ぶの?」という疑問すら湧いてきます。実際重すぎて着艦時によく主脚折ったらしいけど。

 なもんだからこの前取り上げた「零式艦上戦闘記弐」というゲームでもしょっちゅうこのF6Fを日本軍側で使って米軍と戦ってます。時に英軍とも。
 逆にというか、ゼロ戦は優秀な戦闘機だったということはもちろんわかってますがあのデザインはそんなに好きじゃないというか、薄っぺらい装甲を見ていて非常に不安に駆られるデザインのように感じます。秋水は大好きだけど。

 最後に、日本ももっと兵器に愛称をつけるべきじゃないかと思います。軍艦などは古い地名を使ってそれなりに格好いいですが戦闘機は型番で呼んでばかりなので、アメリカが猫なら日本は犬とか使ってみてはどうかと思いさりげなく候補を集めてみました。

・秋田
・土佐
・柴
・豆柴
・十石
・日本狼
・紀州

 っていうかほとんど地名そのまんましかありませんでした……。
 無理矢理かっこよくするなら、「紀州ワイルドドッグ」、「土佐ヘルドッグ」、「豆柴ミニチュアドッグ」、「秋田ブリザードドッグ」とするべきかなと思いつつ、なんかどれもあんま強そうに感じられないからやっぱ無理か……。

2016年1月23日土曜日

一週間ぶりの更新

 緊急でメールによるアップロードを行った前回記事でも書いてあるように、引越し先でネットトラブルに見舞われたために一週間も更新が空きました。これほど空くのって何年振り?

 結論から述べると、引越し先にはシャレや冗談ではなくネット回線が存在しませんでした
 今回私は昔上海に住んでた頃に使ってたサービスアパートメントを再び契約して先週土曜に引っ越しをしたのですが、ネット回線を引くため通信会社を訪れたところ住所を見せるだに、「こちらの住所はサービス外です」と断られてしまいました。
 中国の通信会社は中国電信、中国聯通、中国移動の三社があり、上海市内であればこれとは別にケーブルテレビサービスをしている東方有線という会社がネット回線サービスも行っています。最初に私は引っ越し前に中国聯通を訪れたところここはのっけから、「ここの住所には回線がないから無理」と断られ、引っ越しをした当日になって今度は中国電信に行ったら同じ回答で、その後行った中国移動も無理と言われる始末。唯一、東方有線だけが「2M/bpsの回線なら引けるけどあまりにも遅いのでお勧めできません」と言われ、私もそりゃそうだと思い、ひとまず部屋の管理を担当する不動産屋に相談へ行きました。

 その不動産屋(個人)からは知り合いの業者に頼めば4M/bpsの回線を年間1200元で引けると教えてもらいました。東方有線の契約なら2Mで500元、4Mなら600元なのでその知り合いの業者は市場価格の二倍と極端に割高ですが背に腹は代えられず頼み、この回線は先の月曜に接続できるはずでした。
 しかし月曜当日になって不動産屋から連絡があり、「身分証の関係で引けなくなった」と言われました。身分証がどう影響するんだよと文句を言いたかったものの、「10M/bpsなら明日引ける。料金は年間2000元だ」と今度は言ってきたので、マジ忙しい状態でもあったのでもう一回頼みました。

 そして明くる火曜日、「回線の問題で今日は繋げられない。明日なら大丈夫」とまた言ってきたので、もういいと断り支払った2000元を返すよう伝えたところ散々向こうからは文句言われました。出来ると言って二度も出来なかった分際なんだから、コップでも頭めがけて投げつけてやればよかったなと思います。きっとあのまま頼んでも、回線自体ないんだから永久に繋がらなかったでしょうし。
 ついでに書いておくと、2000元払えばほかの通信会社なら100M/bpsが契約できます。どう考えたって10M/bpsであの値段は法外過ぎるし、そのくせ仕事は遅いときたもんだ。

 もうここまで来たらしょうがないから入居してまだ一週間も経ってないけど引っ越そうと決意はしたものの、ネット回線は一時的とはいえ繋げておかないとなりません。となると残された選択肢は東方有線の2M/bpsです。腹くくって水曜日に仕事終わった後直接営業所行って、土曜日に開線工事に来るよう依頼して、でもって土曜の今日に工事の人間が来ました。そして、接続作業を終えずに帰っていきました。
 一体何があったのかというと契約時に東方有線の人間が私の住所を間違えて入力していたようで、私の手元にある自筆の契約書には正しい住所が書いてあったものの工事の人間がシステムに指示された住所の部屋番号はそれとは異なっており、間違った住所だと工事が出来ないというお役所事情で何もせず帰っていきました。さすがにこの事実を知った際は全身で、「何故だっ!」と三越の元会長みたいに中国語で叫びました。こんな例え引用した所で、同年代で意味分かるのはマッドシティの友人だけだろうけど。

 もうさすがに今日つながないとヤバいので急いで東方有線の、契約した所とは別の営業所行って理由を説明し、登録住所を修正した上で今日中に工事をしてくれとかなり粘りました。向こうの窓口の人も困ってましたが粘って粘って、最初に工事に来た人間に無理やり電話させてもう一回自宅へ来てもらうまで何とか事を運びました。そこまで取り付けた後で営業所から自宅まで走って戻りましたが、5~6kmくらいの距離を時間にして35分でかなりフルに走り切って息も絶え絶えに自宅に戻り、どうにかネットを繋げさせました。
 ちなみに先週の土曜も通信会社三社の営業所を一日で全部回りましたが、途中途中で携帯で地図を見ながら走って回ったので合計して10km位は歩いたり走ったりを繰り返しました。我ながら無駄に体力が有り余っているなと思います。

 そして現在、覚悟はしてたもののやっぱり通信速度はシャレにならないほど遅いです。しかもなぜかタブレットPCだと接続できないのが不思議で、WIFIルーターは以前から使ってるのと同じものなのだから信号拾えないはずないのにミステリーです。
 でもって今日は半端なく寒いので暖房をつけましたが、空調の真下ならあったかい風来るけど、部屋の中全体だと1℃たりとも室温が上がってません。自分もこれまでいろんな中国の部屋入ったけど、ここまでひどい部屋は今までありませんでした。また金かかるし大家も敷金返してくれないだろうけど、なるべく早く引っ越したいものです。今年ものっけからこういう自分とは関係ない所でやたらとトラブルに巻き込まれる当たり、あまり運気はよくないかもしれません。

  補足
 以前このサービスアパートメントに住んでいた時はネット回線があり、東方有線で確か20M/bpsの回線を入れていました。今日来た工事の人間はLanケーブルではなくケーブルテレビに使う回線をルーターにつけてた当たり、どうやらマジでネット回線設備をこのサービスアパートメントは取っ払った模様です。何を考えてそんなことしたのやら。

  補足2
 暖房をつけたと書きましたが、今冬に暖房つけるのはこれで多分二回目です。知ってる人には早いですが私は極端に寒さに強く、出勤時もスーツの上にコートは絶対に着ません。そんな私でも今日の寒さはさすがに応えるのでつけてみたのですが、さっき確認したらこの暖房、勝手に停止してるし……。

2016年1月19日火曜日

生存情報と更新一次停止の連絡

 現在引越しに伴う想像を超えたネットトラブルのためブログの更新ができません。毎日何かしらのトラブルで開線日が一日ずつ延長する有様で、現時点の予想では明日には(本当はおとといだったのに)開線する予定なので、また問題が起きたらそれだけブログの更新が遅れます。にしても、まさか引越し三日目で再引越しを決断する羽目になるとは。

2016年1月14日木曜日

ワーテルローとロスチャイルド

 私が日本で最も芸術的ともいえる戦争は賤ヶ岳の戦いだと考えており、というのもこの戦いでは羽柴軍、柴田軍の双方が高度な駆け引きと共に一時間単位で軍略を練り、本当に数時間差で羽柴軍が劇的な各個撃破に成功して勝利した戦いであるからです。数千数万の軍隊がぶつかり合う戦争では将軍一人がどれほど早く決断しても実際の軍隊はそれほど迅速には動けませんが、この戦いはまるで詰め将棋のように自軍と敵軍がどのように展開するのかを綿密に読み合っているため記録を読むだにいろいろと興奮します。

 さてこの「芸術的ともいえる戦争」という言葉ですが、この言葉はプロイセン軍人であり戦争学の祖ともいうべきクラウゼヴィッツがその著書「戦争論」にて使用した言葉で、この言葉が使われた戦争というのはクラウゼヴィッツも従軍してその目で目の当たりにしたアウステルリッツの戦いでした。このアウステルリッツの戦いはオーストリア、ロシアの連合軍とフランス軍がベルギー付近でぶつかった戦いで、兵数で劣るフランス軍が敵軍を敢えて手薄にした右翼に誘い込んだところを狙いすましたかのような中央突破で瓦解させ、完膚なきまで討ち果たした戦いでした。そしてこの戦いでフランス軍を指揮した人物というのもあのナポレオン・ボナパルトでした。

 ナポレオン自身がかなり若い頃から如何に決戦で完膚なきまで叩くか、叩くためにはどうすればいいのかを徹底して研究しており、その末にたどり着いたのがクラウゼヴィッツの言う「決勝点」こと勝敗を決める決定的なタイミングで動くという結論だったようで、このアウステルリッツの戦いでも部下の将軍に、「あの丘まで何分で着く?」、「20分です」というやり取りから計ったように15分後に突撃させ、ほぼ時間ピッタリに部隊を移動させて撃滅に成功しています。この戦いに限らずナポレオンの戦争では臨機応変に動くというよりもあらかじめ想定していた戦場、状況に自分と敵軍を当てはめ、初めから計画していたプラン通りに部隊を動かし勝利を決めるというパターンが多く、実際に彼の戦歴を見るとその勝率はかなり桁違いな数字に達するはずです。

 しかしそんなナポレオンも政権末期頃ともなると判断ミスが明らかに多くなり、特に彼が最後錦を取ったワーテルローの戦いは大敗こそしたもののほんの少しでも判断が違えば史実とは異なりフランス軍が英、普軍を圧倒していたと予想されています。

ワーテルローの戦い(Wikipedia)

 この戦いで英軍を率いたウェリントンは後に首相となってクリミア戦争に臨んだりもするのですが、この人もこの人で若い頃から明らかに戦争に強く、逆境においても敵軍を跳ね返すなど桁違いの指揮官でした。しかしそのウェリントンをしてこのワーテルローの戦いは何度も敗戦を覚悟して紙一重の勝利だったと話していたそうですが、彼の本国である英国も相手があのナポレオンとってこの戦闘でどうなるのか非常に戦々恐々としていたそうです。
 当時どれだけ注目されていたのかをうかがわせるエピソードとして、ロンドン株式市場の混乱という話があります。当時から英国では株式市場が成立しておりそこでは英国債も取引されていたのですが、このワーテルローの戦いの結果は最初、「英軍敗退」と誤った誤報が英国に伝わってしまったそうです。そのため英国債は一気に暴落したのですが、ネイサン・メイア―という銀行家は独自の情報網からこのニュースは誤報で本当は英軍が勝利していたという情報を掴んでいました。ネイサンはこの暴落時にすぐには買い入れず、逆に自身が保有していた国債を放出してさらに債券価格が値下がった所で一気に買い集め、勝利したという本当のニュースが英国に伝わるやネイサンがかき集めた国債は再び高騰して彼は巨額の利益を得たと言われています。

 この話は創作という説もありますが、ネイサン・メイア―・ロスチャイルドというロスチャイルド家の祖が存在したことは事実で、昔っからこの一族は抜け目ないんだなぁもうとか思う始末です。

2016年1月13日水曜日

提供者側の権利保護について

 先程、パズドラで初めて「アテナ」が取れました。あんなに興奮したのって小学生以来じゃないかな。そのせいでブログ書く時間がだいぶ遅れちゃったんだけど。

 なわけで今日もまた簡潔に記事をまとめそうなのですがこのところ日本のニュースを見ていて思うこととして、一般的に商取引では消費者側が弱者であるとみられ消費者を保護するためにクーリングオフといった制度や、消費者問題に対応する消費者庁などの機関が設けられておりますが、消費者を守るのはもちろんである一方、サービスや商品を提供する側の権利も何かしらで守る必要があるのではと今日突然思いつきました。
 突然思いついたといっても前振りが無かったわけではなく、確か一昨年にあった事件だと思いますが店員の態度が気に食わないと言ってコンビニに来た客が店員と店長に土下座を要求した上、勝手にお詫びの品だとして煙草を強奪したという事件がありました。もちろんこの後でやらかした客は逮捕されましたが、ここまで極端な例でなくてもこの頃は変に勘違いした消費者がサービスの提供者を脅迫したり暴行する事件は日の目を見ないだけでもっとたくさんあるはずです。駅員への暴力も社会で認知されることがこの頃増えて少し減りましたが、それでも普通に考えたら有り得ないと思うくらい依然として多いです。

 一体何故こうした事件が起きるのか、モンスタークレーマーはどうして発生するのか。背景としては「お客様は神様です」という妙な言葉が誤って浸透してしまったためだとかいろいろ言われますが、一社会学士としての意見を述べるなら消費者の保護程度がやや強すぎるというか提供者の保護が無さすぎるためではないかと思います。それこそ土下座要求をしてくるクレーマーに対して店員が暴言を言ったり、手を出したりすれば店員の側が逆に捕まる可能性もあり、また暴行を受けたからといって同じく店員が反撃したとしても果たして正当防衛が認められるのか確固たる自信が私には持てません。

 最初にも書いた通りに消費者は法規などで保護すべき対象であるということは私の中で揺るぎません。しかし消費者だけ保護し続けることによって無駄な弊害も生まれると思え、また何かある度に毎回警察を介入させるというのも社会資源的にはもったいないという気がしてならず、それであれば提供者側を守るような法規を設けるのも一つの手段ではないかというのが私の言いたい内容です。社会における権利の強さは割合的に、「消費者:提供者=6:4」ぐらいが私の中の理想ですが、「客主提従」は実はあまり好きではないだけにやはりある程度対等な方がいいと思えます。

 では提供者を守るためには具体的にどのような法規を設けるべきなのか。まずは不当な要求や脅迫を行ってくる客に対しては取引、サービスを拒否する権利を確立することで、引っ掴んで店内や施設内から追い出すといった強制的な排除権も認めるべきではないかと思います。クレーマーってのは文句言うくせにやたらと居座ろうとしますし。
 そして客からの暴力についてですが、これにはもうはっきりと反撃してもよいとするお墨付きを与えるべきでしょう。もちろん過度な反撃は過剰防衛として制限するべきですが、日本人というのはただでさえ相手が反撃できないとわかるや途端に狂暴になる傾向があるだけに、勘違いしているクレーマーへプレッシャーを与えるためにも何かあったら逆に反撃してもよい、「当方に迎撃の用意あり!」と言えるような権利があった方が案外社会が回る気がします。

 難しいのは何をされたら反撃してもよいかの線引きですが、殴られる、蹴られる、唾吐かれる、物投げられる辺りをされたら即OKで、なるべく監視カメラや証人となる目撃者を備えることを推奨条件にすればいいような気がします。次にどこまでやり返していいのかですが、一つの線引きラインとして何故か思い浮かんだのは「アームロック」で、アームロックまでの反撃であればやってもよいことにして一連の法規を「アームロック法」と称すれば普及にもいいんじゃないかとなんか一人で悦に入っていました。
 それにしても現代日本において、アームロックはもはやプロレスラーや格闘家の技というよりも個人輸入商の必殺技として定着しつつあるのはなんか妙だなぁって思いつつも、家具を輸入するに当たってはまずアームロックが出来るようにならなくてはならないことにすれば日本はもっとすごい国になるのではと、また道歩きながら変なこと考えてました。

2016年1月11日月曜日

国を愛する教育の是非

 昨年末の余力有り余っている時に愛国心についての記事を書きましたが、この記事では私は愛国心はやっぱり政治用語だからその感情の矛先となる国家とは「政府」であって、国土や文化も関係ないとは言わないけどやっぱり矛先が違うと主張しました。なので仮に国土や文化を愛する気持ちを言い表すなら「愛国心」とは言わず「愛郷心」などと言葉を変えて表現するべきだとも主張しましたが、こちらはあくまで個人的な意見であるためそこまで確固たる価値観に基づいて言ったわけじゃありません。
 で、今日取り上げたいテーマとしては後者の愛郷心の方で、国土や文化といった範囲で自分の国を愛する気持ちを育てる教育をやるべきか否かです。結論から言えば私は反対で、そういう教育はまかり間違ってもやるべきではないとこっちは真面目に主張します。

 こう主張する理由は大きく分けて二つあり、一つ目としてはそもそも教える価値があるのかについて疑問だからです。普通の人だったら、こういってはなんですが生まれ育った国や地域を愛するようになるのはごく自然なことで、程度の差こそあれ愛する気持ちは何もしなくても根付くと思います。それを教育で伸ばそうとしたってそもそもどこまで伸びるのか、案外初めから持っている気持そのまんまで終わってしまうんじゃないのかと考えます。

 もう一つの理由が今回の本題ですが、こういう感情というのは私は「北風と太陽」のようなものだと考えており、変に気持ちを強くさせようという教育を施すとかえって反発心が生まれて、むしろ嫌悪感を持つ人間を増やしかねないのではと懸念しています。なんでこんな風なこと思いついたのかというと戦前の愛国心教育と戦後の自虐史観を自分の中で比較し、どちらもその教育方針に反発する層を一程度作っていたのではと思えたからです。
 戦前に関してはちょっと時代がずれますが、戦後生まれの世代から社会主義闘争が始まって強烈なアンチ国家主義者が大挙して出てきています。一方、こちらは私の時代とも被りますが自虐史観が盛んだった頃には、「なんでそこまで悪く言われなきゃいけないんだ」という具合で、ネット右翼に代表されるような戦前の賛美すら行う層が確実に生まれてきました。
 また比較的最近の話でも、テレビで日本礼賛番組が一時期続出したことに対してネット上で反発する声がいくらか見えましたし、かくいう私も正直に言ってあまりいい気分はしませんでした。日本のいいところを紹介されるのは決して気分が悪くなることではないですが、それでも量が多かったり、またしょうもない点でも勝っていると喧伝されるとなにがやねんという気持ちが少なからず芽生えてきます。

 話しは戻りますが過去の教育方針に反発した層もそれが多数派になったとは言えませんが、やはり感情を押し付けるような教育というのは反発心を育てかねない危険性を含むようにも感じられ、それであるなら露骨な愛郷教育みたいなのはよして、「日本は世界と比較するとこんな感じですよ~」って具合に、太陽みたく軽く説明する程度にとどめるのがベストではないかと個人的に思います。第一、自国を愛する気持ちを教えることは他国を卑下する感情をも生みかねないとも思えますし。

 なんか最近短い記事にまとめることが多いように思えるのでもう少し続けると、感情を「育てる」教育なんてのは本来なくて、本質的には「煽る」教育なのではとこの頃思います。だからといってノータッチにすべきだとは思いませんが、やはり教育というのは知識を授けることで感情を何かの方向に持って行こうというのは並大抵の成せる業ではないのかもというのが今日の私の意見です。

2016年1月10日日曜日

中国で広がる携帯決済

 このところ、具体的にはここ半年の間でコンビニやスーパーに「微信支付」と書かれた標識を見る機会が増えてきました。「微信」とは中国版LINEというか露骨にLINEをパクったもので、こちらを流行らせるために本家のLINEのアクセスを中国政府は遮断したという噂すらあるのですがこの微信の普及率は半端なく、大人も子供もおねーさんもほぼみんな使っててスマホにあまり慣れていない日本人駐在員のおじさんもこの微信だけは普段の連絡にも使うだけに使い慣れてたりします。

 それで最初の「微信支付」ですが、これは微信に付属された電子決済をするための機能です。イメージ的にはおサイフケータイと同じで、使ったことないので詳しくはないですがどうも携帯電話にQRコードを表示させてそれをレジスキャナにかけると決済が完了するような仕組みのようです。
 もともと中国は銀行カードをデビッドカードとして使用してあちこちの決済に頻繁に使う習慣がありましたが、このところはそうしたカード以上に携帯電話を使って決済する人が明らかに増えているような気がします。それこそコンビニからスーパー、デパート、飲食店に至るまで携帯をかざして決済する人が多く、むしろ現金で払っているのを見る機会が少なくなっているとすら思えます。

 ここで特に強調したいのは普及の早さです。半年以上前には先程の「微信支付」はほぼ全く見ませんでしたが、現在は上海だろうが昆山だろうが都市の大小に関係なく使用する人がたくさんいます。それ以前からも先ほどの銀行カードや「アリペイ」こと「支付宝」というアプリを使用して決済する人は多かったものの、それでも今ほど携帯決済する人は多くはなかったはずです。
 勝手な意見を述べると、そもそも中国は偽札が多く現金を使うことに一程度のリスクがあります。また最高額紙幣も100元(約2000円)と交換価値が低く、値段の高い物を買おうとしたら何枚もドバっと出さなくてはならない面倒さもあり、そうした背景がこうした電子決済の普及を後押ししているのかもしれません。政府としても電子決済の方が管理しやすそうだし、この動きを歓迎している節もあります。

 日本のおサイフケータイは今はどうだか知りませんが以前はハードに準拠した機能でしたが、中国の場合はアプリに準拠した機能であるため、恐らく今後も広がると思います。これまでクレジットカードがそれほど普及していませんでしたが、今後はこうした携帯昨日での電子決済がメインストリームとなって行くのではというのが私個人の勝手な予想です。

2016年1月8日金曜日

世界の王貞治を殴り倒した男

 先日も取り上げましたが半藤一利氏と加藤陽子氏の「昭和史裁判」という対談本をこの前読み終えたのですが、全体の内容の面白さもさることながら中に一つ、とんでもない話が混ざっておりました。

 その話は半藤氏が語りだした内容なのですが、戦前の日本では中国人をいくらか舐めて見ていたということについて話し、なんでも半藤氏が子供のころ住んでいた地域にあの「世界の王」こと王貞治氏も住んでいたそうです。年齢は半藤氏の方が一回り上だったのですが地域で他の子どもと遊んでいると、「一緒に混ぜて」と幼い王氏が寄ってきたそうです。なので一緒に相撲取って遊んだそうなのですが半藤氏曰く、「小っちゃい癖に足腰がやっぱ強かった」そうで将来を予感させるような子供だったそうですが、相撲の取り方が押し相撲一辺倒だったのが半藤氏には気に食わず、

「相撲ってのは相手が押したら引き、引いたら押すという駆け引きが重要なんだ。お前のようなチャンコロはそんなこともわからないのか!」

 といって、思いっきり引っぱたいたそうです。っていうか当時の風潮を紹介するためとはいえこういう話を今の時代にする半藤氏も凄いと思いますが。なお後年、半藤氏は王氏と直接会う機会があったそうですが「幸い」にも向こうはこの時のことを覚えていなかったそうです。もっとも覚えていたら会ってくれなかったでしょうが。

2016年1月7日木曜日

中国の照明は何故暗い

 また忙しいこともあって(主にパズドラ)手抜きな記事ですが、中国の照明はどこ行っても暗いことが多いです。特に暗いのは住宅で賃貸で引っ越すとどこも暗くて、「全然みえへんがな」と何故か関西弁で愚痴が出てくるほどです。これは何も私が入る部屋だけじゃなく中国の住宅一般に言えることで、この前私が入っているサイクリング部内でも話題となりみんなして、「暗いよなぁ」と共感し合いました。

 何故暗いのか、一つは照明のタイプが電球ばかりで日本でよくある蛍光灯タイプが少ないということ、二つに取り付けられている電球の明度が明らかに低くて光源が弱いということに尽きます。実際、明るい照明が取り付けられているところはそこそこ明るいのですが、私が前いた部屋なんて電気つけてるのに薄暗過ぎて、「俺、目がまた悪くなったのかな?」と本気で錯覚しました。明るいところ行ったらちゃんと見えるのでまだ目は大丈夫でしょう。
 住宅だけでなく商業施設でも暗いところは多い、というか平均的に暗く、変な話ですが私なんて日本に一時帰国するとどこも照明が眩しすぎて、「何で日本はこんなに明るいんだよ」と標準語で洩らします。作ってるわけでなく、こういう時は何故か標準語が出てきます。

 そんな私に言わせるなら、確かに中国は照明が暗すぎると思いますが、逆に日本は照明が明るすぎるのではと思うところがあります。中国なんて街灯(あっても暗い)がほとんどない所も珍しくなく夜になると窓から見る景色は大都市でも比較的暗いのですが、日本だと自販機ですら煌々と光り輝いているためみんなが寝静まる時刻にしては明るすぎる、もう少し暗い方が返って体にいいのではと思う節があります。さすがに日本でも田舎行ったら違いますが、なんというか闇が全く感じられないのも変な話です。

 なお通常生活する上では中国の暗い照明でもそんな苦労しませんが、パソコン周りはさすがに暗すぎると画面も見え辛ければキーボードも打ち辛いのでよくありません。暗いからといって画面の明るさを上げると暗い中で輝きだすのでむしろ見え辛いというか目が痛くなります。
 なので昔から中国でパソコン使う時は勉強机よろしく、学習机に付けるような蛍光灯を備えさせています。今使っているのは表面が赤い蛍光灯でそこそこ気に入ってますが、安物がたくさんあるのはいいけどもうちょっとデザイン性効かせた大人が使っても格好いい蛍光灯とかないかなとなんだか今日思いました。

2016年1月5日火曜日

老人の体力について書いた記事

 昨年末、また知り合いというか以前メールでやり取りした中国人の記者から質問があり、この前中国は国民の健康・体力の測定調査結果を出したが日本で似たようなものはあるのか、あるのならばその歴史と目的などについて記事を書いてほしい、もちろん中国語でという依頼があり、二つ返事で引き受けることにしました。今回は締切が依頼から二日後の午前中でしたが幸いにして時間がありたっぷり時間をかけて調べた上で最初に日本語で、引き続いて中国語で記事を書いて確か894文字の記事に仕立てて送ったと思います。後1文字削れば「893」な文字数だったのにってのを覚えてるし。

 書いた内容としては中国では4年に一度だが日本では1964年以降毎年行っており、でもって中国は基準体力というのがあって合格率が何%か世代別、地方別に出しているが日本はそんなのはないものの、中国と同じでどこの地域の子供が運動能力高いのか、平均越えしているのかに注目するっていうのをまとめました。ただこれだけの内容だとなんか捻りないなと思って、記事の趣旨自体が日本人から見た日本紹介、そして日中の違いだと思ったので、私個人の視点にやや偏ったかもしれませんが、「日本では子供の体力以上に老人の体力についてこのところ注目が増している」という内容を付け加えました。

 これはどういう事かというと、文部科学省が実施している「体力・運動能力調査」の前回発表では70歳以上の老人の体力が過去最高を記録したということが報じられていたのを覚えており、なんとなくですが今の日本は子供以上に老人の体力、そして体力向上に関心が高いからではないかと思ったからです。念のために関連するキーワードでいくつか検索してみたところ実際に同調査では子供の体力がどう変化したかより老人の体力について書かれたニュース記事が多く見つかり、またどういう運動が効果的なのか、週どれくらいの運動が健康にいいかなどといったコメントも見つかり、少なくとも独りよがりの意見ではないだろうと考えこうした内容を紹介するように記事へ入れ込みまいsた。

 その上で、どうして日本人が老人の体力変化を気にして、また政府も盛んに老人の健康維持方法を紹介したりするのかというと少子高齢化が背景にあると説明し、日本はじきに老人でいっぱいになるからなるべく介護などに手間取られないよう老人全体の体力向上が国家として急務な課題である上、老人ではない成人も自分たちが老いた時に自由に動けられるかを気にする人が多い(うちの親父のように)から関心が高まっていると書きました。でもって最後に、「何故年取った時に自分で自由に動けられるのかを気にするのかというと、彼らが老人になる頃には彼らを助けてくれる若者が日本でほとんどいなくなっているからだ」という皮肉聞かせた一文でまとめて、原稿を送信しました。

 全体的に皮肉っぽい内容になったなと思いつつも、意外と的確に事実を突いた一言だったかもしれないと最後の一文については後から思えてきました。私が述べたようにこれからも老人は増えるし、その一方で老人を支える若者は減っていって、老人となる人は若い人に助けてもらうことは人数的に不可能となることが目に見えており、まさに自分の身は自分で支えるしかない時代が来る気がします。政府もある程度それがわかっているから暗に自助努力してもらうよう健康維持についてこのところ広報が増えているようにも見え、恐らく今後も増え続けるでしょう。
 私としては自助努力っていうのがアメリカっぽく感じるだけに別にいいんじゃないって気がしますが、果たしてほかの日本人はどう思うか、それこそさっきの私の一言をぶつけてみれば反応がわかるかもしれないとか思ったりもしました。ただ真面目な話、もはやこの未来は不可避であると私は考えているだけに心配であるなら今からなら遅くないから健康を維持することに注力したらどうかというのが、海外で暴れ回って「花園さんの体力パネェ」って後輩に言われ続ける私からの提案だったりします。

2016年1月3日日曜日

日独伊三国同盟が結ばれた背景

 先日、「昭和史裁判」(文春文庫)という半藤一利氏と加藤陽子氏の対談本を購入して読みました。この本は戦争史となると軍人ばかりが取り上げられるのに対して文官はどうか、具体的には広田弘毅、近衛文麿、松岡洋右、木戸幸一、○○○○の五人が戦争前、戦争中にどのような行動を取ってどれだけ戦争責任があったのかを整理していくというものでなかなか面白かったです。
 ただこの本の中で私が一番注目したというかなるほどと感じさせられたのはほかでもなく、見出しに掲げた日独伊三国同盟がどうして結ばれたのか、何故日本が参加したのかという背景について得心がいく説明がなされていた部分です。

日独伊三国同盟(Wikipedia)

 日独伊三国同盟についてはもはや説明不要で、いわゆる二次大戦における枢軸国側の中心三ヶ国の間で結ばれた軍事同盟です。この同盟、そして反同盟側の構造は終戦まで変わらず、事実上世界の大戦構造を決定づけた同盟だったと言っても十分でしょう。
  そんな歴史的にも意義深い同盟を日本はどのような背景で結んだのか、また狙いはなんだったのかという動機についてWikipediaでは以下のように記述されています。

「既に日中戦争で莫大な戦費を費やしていた日本は、蒋介石政権を支援するアメリカと鋭く対立していた。 日本政府は日独伊防共協定を強化してドイツと手を結び、アメリカを牽制することで、日中戦争を有利に処理しようとしていた。また日本がアジア太平洋地域の英仏蘭の植民地を支配することを、事前にドイツに了解させる意図もあった。実際、外務事務当局が起案した「日独伊提携強化案」には、前述した地域が日本の生存圏内にあることをドイツは認めるべきという趣旨のことが明記されている。」

 私が高校時代に教えられた内容としては上記記述にある冒頭の、「米国への牽制」が大きな理由だと説明されました。しかし当時の私としては何故ドイツと手を結ぶことが米国への権勢につながるのか、そもそも日本とドイツじゃ距離がありすぎて共同戦線を張ることもできないのではなどと少なからず疑問に感じました。まさか太平洋と大西洋から米国本土を挟撃できるわけなんかないんだし。
 一方、以前に読んだ本では米国への権勢以外にも松岡洋右は「四ヶ国同盟」を構想していたという説がありました。これは日独伊の三ヶ国にソ連を加えた四ヶ国で米英に対抗するというような内容で、少なくとも松岡洋介がこの構想を持っていたのは確かですが果たしてこれだけの理由で本当に同盟を結ぶのか、そもそも結ぶのなら初めから三ヶ国でスタートする必要なく最初からソ連も巻き込んでいるはずではなどとちょっと腑に落ちませんでした。

 まどろっこしい言い方はやめて今回読んだ内容を率直に書くと、日本は三国同盟を結んだ1940年の時点で二次大戦はもうすぐ終戦すると考えていたからという説が唱えられていました。一体これはどういう事かというと、既にフランスを陥落せしめたドイツ軍は時期に英軍も降伏に追いやり、ドイツを中心というか主役で一次大戦後のパリ講和会議のような講和会議が開かれると政府内で予想しており、その会議でアジア、特に中国大陸における権益をなるべく多く得られるよう早めに戦勝国側につく、つまりはドイツに擦り寄っておく必要があるという観点から三国同盟を結んだと書かれてありました。

 私は今まで聞いてきた三国同盟締結に関するどの説明より上記の説明が一番合点がいき、軍事的にはほとんど何も恩恵が得られないドイツと結んだということも理解できるし、また日本がこのような行動を取ったというのも一次大戦時の日英同盟という前例があったことからも十分あり得ると思えます。そしてもう一つ、他の説明に多く書かれている「米国への牽制」についてはほとんど頭になかったという指摘も合点がいきます。
 半藤氏と加藤氏も当時の政府、軍部はともに中国との戦争を如何に終結させるか、それもなるべく多くの権益込みでと考えており、蒋介石政権との交渉を打ち切った手前、講和会議に懸けるしかないという思いが強かったと指摘しています。その上で三国同盟が結ばれることによって米国側が態度を硬化させるということはほとんど想定しておらず、昭和天皇を始めとした何人かの人物は同盟締結によって米国との関係悪化を懸念したものの大半は、「これで戦争も終わる」という楽観的な考え方をしていたため締結直後に米国が日本への屑鉄禁輸措置を取ってきたことにむしろ驚いたそうです。これも状況を比較するにつけなんとなく理解できるというか、「どうしてこの程度で米国は怒り出すんだ?」という戸惑いが当時の政府幹部から見てとれます。
 もっとも米国側からすれば同盟国である英国が必死でドイツ軍と戦っているそばでドイツ側に就くんだから、そりゃ怒るに決まってるんですが。

 結局、実際の歴史では日本の目論見は崩れて英国は降伏せず、またドイツは英国に加えソ連とも開戦し、日本も日中戦争を終えることが出来ないばかりか南部仏印進駐を起こして米国との関係をより悪化させた上で開戦へと至り、敗戦へと続くこととなります。敢えて苦言を呈すならば勝ち馬に乗ろうとしたばかり情勢を読み間違えた、特に独ソ開戦を読めなかったというのは日本外交史において最も致命的な失敗だったといっても差し支えないでしょう。楽しておいしいとこどりってのはやっぱなかなかうまくいかないもんですね。

2016年1月2日土曜日

「秋水」と呼ばれた戦闘機

 昨年のある日突然、「戦闘機で戦いたいな、それもレシプロ機で」という妙な願望が持ち上がってきました。なんでこんなこと急に思いついたのか我ながら全く意味不明ですが、早速手持ちのPSVitaで遊べる範囲でそういうゲームないのか調べたところPSPの「零式艦上戦闘記2」というのが割とよさそうだったなので日本に一時帰国した際に購入、インストールしておきました。

 このゲームは二次大戦時に活躍した機体を中心に空戦や艦爆陸攻を楽しむゲームなのですが、一通りプレイしてみた感想としてはグラフィックが初代PS並に粗いのはファミコン世代に育っている私からするとそんな気にするほどではないものの、単純に操作が難しいというべきか最初プレイして投げ出したくなるくらいの難しさがちょっとアレかなぁと思いました。実際の空戦もそうなんだから文句言う方がおかしいでしょうが戦闘機同士のドッグファイトとなると敵機が射線に入るのは本当に一瞬で、撃っても撃ってもなかなか当たらないしそうこうしてたら燃料なくなるしで、慣れないうちは二度目だけど投げ出したくなりそうでした。艦爆や陸攻に至っては命中させるだけでも一苦労なのに、外すと魚雷と爆弾の補充が遅くなるというデメリットはきつ過ぎる。
 ただ慣れれば適応できないっていうレベルではなく、実際私もすべての面を一応はクリアできました。隠し機体はまだ全部出し切れていない、というか攻略サイトがほとんどないから出し方がわからないのですが、陸攻する面はB29使った絨毯爆撃すれば何とかなるとわかってから突破口は開きました。

秋水(Wikipedia)

 などと長々ゲームの説明してきましたが、このゲームに登場する機体の中で一番驚いたというか印象に残ったのが、上記リンク先で解説されている「秋水」という戦闘機です。恥ずかしながらあまりこういった航空機についてはほとんど造詣がなく「XB-70 バルキリー」という機体が格好いいなと思うだけだったのですが、この秋水に関してはゲームで登場するだに、「なんなんじゃこんか飛行機?」と変に西郷さん入った言葉が口を突いて出てきました。

 私の方で簡単に解説すると秋水とは日本で唯一製作された、プロペラではなくロケットエンジンで飛ぶロケット推進戦闘機です。史上唯一運用されたロケット推進戦闘機「メッサーシュミットMe163」をドイツが開発したことにより、当時同盟関係にあった日本はこの戦闘機の技術資料をドイツから供与してもらいました。ただその資料の大半は潜水艦で運んでいる最中に米軍によって潜水艦が撃破されたため届かず、一部の資料のみが航空機で日本側へ届けられました。
 はっきり言って「こんな飛行機もあるよ!」っていくらいしか資料なかったそうですがそこは日本御得意の創意と工夫でいろいろごまかし、なんだかんだ言いつつロケットエンジンを組み上げることはできたそうです。ただ燃やす燃料こと推進剤の開発には苦労したそうで、当時理研にいた日本で三番目の女性博士の加藤セチも開発に加わって試行錯誤を繰り返したとのことです。別に加藤さんが悪いわけじゃないんだけど、理研の女性博士というとどうしてもOBKTが頭に浮かんでしまう……。

 すったもんだの末、秋水の試作機は二機完成しましたが試験飛行で一号機は離陸はしたものの空中でエンジンが停止して墜落し、テストパイロットも救出時は息があったものの翌日亡くなっております。レシプロ機の開発においては当時としても目を見張る技術を持っていた日本の研究陣でしたがジェット機においてはその技術は全く別分野となりほとんど生かせられず、離陸から4分程度と言われる航続時間の極端な短さもあって秋水の開発は結局頓挫することとなりました。
 なお秋水について荒蒔義次陸軍少佐は、「(他の飛行機はどれもへっちゃらだけど)秋水だけは怖かった」という証言を残しております。

 さてなんでこんな秋水に私は魅せられたのかというと、一言でいえばその外観フォルムです。こちらのサイトに復元モデルの写真が載せられておりますが、まるでロケットミサイルに無理やり羽とコックピットをくっつけただけのようなやっつけなデザインぶりがかえって新鮮で、自分の感性に物凄く触れました。っていうかゲームで操作していても、飛ばしているこっちの方が見ていて不安に感じる飛行機でした。

 最後にまたゲームの話に戻ると、レシプロ機の戦闘ゲームはちょっと工夫すればすごく面白くなるような気がします。リアル志向の人には申し訳ないのですが初心者を阻んでしまう操作性の難しさをカバーする、それこそオート&追尾ロックとか、弾薬爆弾の自動補給システムとか入れたりして、もう少し入りやすいゲームを誰か作ってくれないかなと期待してます。まぁ調べたらPCゲームだといろいろあるようですが、ガンダムゲーみたいにパイロットも特徴づけた奴で遊んでみたいです。