故人なので敬称は省略しますが稲森和夫は中国でも非常に人気、っていうか同じ東アジア圏の人に受け入れられやすい経営哲学をまとめていることから、他の人も書いているように関連書籍はほんとあちこちで売られています。中国の反応はあんま見ていませんが、明日辺りはトップで報じられるでしょう。
私個人としては、京セラが案外離職率が高かったり、京都ブラック企業四天王に入っていることから、言っていることとやっていることが結構差があったりする点で人格的にはあまり評価していませんでしたが、その経営手腕に関しては文字通り現役最強、三国志で言えば第一次北伐時における趙雲的な無双振りだったと評価しています。
特に圧巻だったのは経営破綻後のJALの再生劇で、いくら出す膿が多かったとはいえあれほど短期間にJALの経営を立て直し、また社員の意識をかなり前向きに戻したのは文字通り唖然としました。何気に、稲森和夫のJARLへの引き込みが民主党政権時における最大の功績だと言っていいでしょう。
またもう一つ彼のエピソードとして、若かりし頃の孫正義を土下座に追い込んだという話が個人的に好きだったりします。その辺の下りは佐野眞一氏の「あんぽん」に書かれてありますが、本当に笑顔を絶やさないまま冷酷に商売敵を一刀の下に斬り殺せる人間なんだと、その冷徹な打算ぶりには実際恐怖感を感じました。ことビジネスに関しては、本当に厳しさと冷酷さを兼ね備えた最高級の人物だったでしょう。
ただそんな現役最強格がこの世を去ったことは、なかなかに寂しさを感じるものがあります。一応、存命中ならトヨタの奥田碩氏もいますが彼は第一線からは既に離れています。キヤノンの御手洗富士夫氏なんかはまだ頑張っているので、今現役最強といったら多分この人じゃないかと思います。奥田氏同様に一線から離れてはいるものの、もし残っていたらスズキの鈴木修氏が最強だったとは思いますが。
ちなみに以前は評価していなかったけど最近評価を高めているのは、地味に楽天のミキティこと三木谷氏だったりします。割と競争の激しいEC業界で未だに上位一角を占めているのは大したものだと思え、専横を振るうようになってきたAmazonへの対抗馬としても今後も頑張ってほしかったりします。
2 件のコメント:
三木谷氏の楽天は平成の時代に創業した企業ですね。世間一般的には
ソフトバンクは平成の時代に大成長したように思われていますが昭和
の時代に創業しています。 今楽天の携帯事業は苦戦していますが
何とか盛り返してほしいものです。 それに三木谷氏はまだ若いため
ここ数年間はよほどの事が無い限り後継者問題はないでしょう。
それよりも日本電産(NIDECに社名変更予定)の後継者問題が心配
です。関潤社長は結局やめさせられました。ここまで後継者が出て
こないのであれば、SF映画のように永守重信氏の人格をコンピュー
ターにコピーさせて、彼亡きあとはAIを後継者にするしかないので
はとひっそり思います
日本電産は今後も後継者問題が続くでしょうね。にしても関社長は日産裏切ってきたのにこの結末とは、本当に世の中どう動くかわからないもんです。
業界関係者ならわかるでしょうが、日本電産に恨み持っている人はそんな少なくないので、ちょっとした風向き次第でまたなんか大きく動くかもしれません。
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