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2025年7月3日木曜日

コロナ禍以降に陰謀論者が増えた背景

 昨日の記事で大学を卒業したか除籍されたかを区別できない人はいないみたいに書きましたが、記事書き終えた後で出身学部を聞かれて「立教野球部!」と答えた故長嶋茂雄ならもしやと思うところがありました。


 今日たまたま上の記事を読んだのですが、これを見てちょっと思うというかある仮説が浮かんできました。

 記事の内容自体は選挙期間中、世論を誘導しようしないように報道を控える傾向にあった新聞やテレビなどのオールドメディアに対し、SNSでは選挙や候補についてあることないこと報じまくり、それらに対してオールドメディアが黙っていることから陰謀論を信じる人が増えたといったことが書かれてあります。この点について筆者は、選挙期間中でももっとメディアは発信すべきだし、記者も主観的意見をもっと述べたほうがいいと書いてあり、この点について私も同意します。
 というか読者の側としては情報の最前線にいる人がどう思っているのかを聞きたいわけで、変に遠慮して差しさわりのない事実だけ報じられても困るといった感情を持つものだと私は思います。無論、ジャーナリストが自分の意見を流行らせようなどと言う野心をあまり持つべきではないものの、どう見てもおかしい、矛盾があるような発言に対しては「こりゃおかしいだろこいつ」的に、個人的見解と踏まえた上で発信することも必要だと思います。

 この辺、JBpressでは記者というよりコメンテーターというポジションを選び、自分の主観的意見も良く載せていました。自分の実感としては、やはりそういった主観的意見を読者も評価してくれたのではないかと思っています。

 話を戻しますがそんな一時期はやたら批判していたプレジデントの記事(実際、6年くらい前はヤバい記事が多かった)を読んで、陰謀論がコロナ渦以降に増えた背景というのは明確な根拠があるのではということに気が付きました。
 これも主観的意見と取られるかもしれませんが2020年のコロナの流行以降、明らかに日本国内で陰謀論が力を増したと私は考えています。具体的には反ワクチン運動や上の記事にもあるようなディープステートとかで、これらと比べるとHAARPなんて全然かわいいもんだったと思えて仕方ありません。っていうかこの単語、まだ覚えてこういう風に使っているのも自分くらいでしょう。

 このコロナ以降の陰謀論に関しては、コロナによる外出制限や他人との接触不足などコミュニケーション不足を原因とする指摘をよく見ます。これらも確かに影響してはいると思うのですが、だったらかねてから引きこもり層に陰謀論者が多くなるはずで、今問題となっているように家族のある人たちが陰謀論にはまって家庭を崩壊させるなどの状況を踏まえると、ちょっと違うような違和感を前から思っていました。
 じゃあ何が原因なのかというと端的に言えば、これまでネットにあまり接触してこなかった人が接触するようになったことが、最大の要因じゃないかと思います。

 この思い付きのきっかけは、以前にある信仰を持つ高齢の方から聞いた話です。なんでも、その仏教系の団体ではコロナ流行期に読経会も制限されるようになり、代わりにオンラインでの読経会が開かれるようになったそうです。するとそれまでスマホすら触ったことのなかった高齢者をはじめとする人たちも、このオンライン読経会に参加するために必死で操作を覚えるようになり、今ではオンライン会議の招集から設定、さらにはSNSまで自在に駆使するようになったそうです。

 ここまで極端な例でなくても、コロナ以降に対面回避のため様々なオンラインツールが社会に普及するようになり、それまでネットと縁のなかった、または使っていてもごく限られた機能しか使わなかった人たちが一気にネットの使い方を覚え、習熟したという事実は間違いないと断言できます。しかし、コロナ以前からネット利用に慣れた人と比べると、こうした層はネットリテラシーに疎いままネット上の情報に触れるようになったのでは、というのが今回の思い付きというわけです。
 つまり、ネット上の情報をデマかどうかを判断できるほどネットリテラシーがなかった人たちは、以前はネットそのものをあまり使ってなかったため影響を受けなかったものの、コロナをきっかけに使うようになってデマ情報に触れるものだからそれを鵜呑みにしてしまい、結果的に陰謀論を信じる人が増えたのではというのが、私の見方です。

 このように考えるのもネットがサービスを開始し、2ちゃんねるが影響力を持ち始めてた2000年前後も、結構似たような状況が起きていたということを思い出したのもあります。あの当時は今以上にアングラな雰囲気があり、表に出ない情報が2ちゃんねるとかでは書かれていると信じ、陰謀論者になる、身内受けしかしない情報に染まる人間が結構多くいたように思います。なんでそうなったのかといえば単純にネットリテラシーが低かったとしか言いようがなく、情報の検証や判断が全くできず、過激な意見ほど耳を傾けてしまう人が多かっただけです。
 多かれ少なかれ、どの人も最初にネットを使い始めたころには似たような体験がいくらかあるのではと思います。

 その上で話を戻すと、コロナ以降に陰謀論者が増えたというよりかは、陰謀論に抵抗力のない人もネットを使うようになったというのがより現状に則した見方じゃないかと思うわけです。最初のプレジデントの記事を見て、そこに出てくる陰謀論を信じる人も単一の情報ソースに依存しているように見え、複数の情報ソースを比較、検証はおろか、そもそも検索すらおぼつかないように見えますし。
 さらに言えば、コロナ以降に陰謀論に染まった人というのはやや年齢層が高い人が多いように思え、この点もそれまでネットに触れることが少なっかた層じゃないかと思う要素です。楽観的な意見を述べれば、今後もネット利用を増やしていけば自然とリテラシーも高まり、「あの頃は若かった」的に思い直してくれる可能性もあるため、ある意味で今くらいが陰謀論のピークで、もうしばらくしたら徐々にこの手の人は減ってくんじゃないかと思います。戻ってこれない人は何人かいるでしょうが。

 にしてもこの点を考えると、今後は中学生くらいのネットを使い始める子供がこうした陰謀論に一時的とはいえ染まることが増えてくんだろうなとも思います。中二病的に早いうちにイタイ体験してもらってリテラシー積んでもらうのもベターですが、こうしたリテラシー教育も今後学校とかでしてかなければならないと考えると、なんか教育が難しくなった時代に入ったとも思えてきます。

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