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2023年11月6日月曜日

埋まらない電車内広告

 今回の日本滞在中に山手線に乗ったところ、電車内広告が広告欄全てを埋めておらず、一部で空きがあることを見つけました。これは少なくとも過去自分が乗ってきた中で史上初であり、広告業界もとうとうここまで来たかという感があります。
 山手線以外であれば、車内広告が埋まっていないことは過去、っていうか10年くらい前の段階でも目撃しています。しかし利用者数で抜群の運送力を誇る山手線で車内広告が埋まっていないのは前述の通り初めてで、スポンサーがここまでつかない時代を自分の代で見ることになるとは予想もしていませんでした。

 車内広告が激減した理由は大きく分けて二つあり、一つはスポンサーの広告出稿意欲が下がっていること、二つ目はスマホの浸透によるものでしょう。かつてと比べ新聞やテレビ広告も大きく市場が縮小しており、看板をはじめとする実体広告に至っては言わずもがなです。その代わり浸透してきているのがスマホを中心としたWeb広告であり、特に電車内においてはかつてはただ風景を眺めるしかなかった空間が、スマホによってオンデマンドでニュースやサイトを閲覧することができ、視線的には車内広告よりもWeb広告に目が行くようになっています。

 実際どれだけの売り上げなのかはやや図りかねますが、この車内広告の激減は鉄道会社にとってもかなりの痛手になるのではないかと思います。その痛手はどこで補填するのか、乗車料金に反映されるのかという話にもなってくるだけに、果たしてこの現状は利用者にとってもいいことなのかとやや思案に暮れるところもあります。特に地方鉄道に至ってはただでさえ存続が危ぶまれる状態に陥っており、広告のあるなしは生き死にをも左右するのではないかと思います。

 なお山手線に関しては全部は埋まってはいないものの、一応8割がたは埋まっています。とはいえかつて中吊り広告の主役といった週刊誌の広告はかつてと比べると少なく、それも両面ではなく片面だけというパターンも多いだけに、実質的には往年と比べ5割くらい全体広告収入が落ちているのではないかとみています。
 一方、山手線以外の路線に至ってはほぼ全部自社広告という車両が目立つ、っていうかほとんどです。かえってローカル線のほうが地元の病院とかが広告出してて多いように感じるほどですが、たぶんこのままいくと車内広告は病院か人材会社の二択になっていくのではないかと予想しています。

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