前回の記事の「今、国民はどんな政策を求めているのか」の記事では私の目から見た日本国民が求める政策の優先順位を書きましたが、今回はそうした国民のニーズに対して私個人が今政府に求める政策の優先順位案を紹介しようと思います。
余計な前置きは一切いらないので、早速その順位を示すと以下の様になります。
一位、司法制度改革
二位、農業問題対策
三位、公務員制度改革
四位、税制改革
五位、財政再建
こうして並び立てると、相変わらず自分は堅い性格をしているのだなと思わせられます。
まず第一位に司法制度改革を持ってきたのは今だったら私も話しやすいのですが、日本の刑事裁判での有罪率は99.9%と、佐藤優氏に言わせると旧ソ連ですた達成できなかった輝かしい数字を誇るだけあって冤罪率が非常に高い傾向があります。今月に釈放された足利事件の菅家氏に始まり、映画「それでもボクはやっていない」にて取り上げられた痴漢冤罪など、日本は真っ当な一般市民をいとも簡単に犯罪者にしてしまう司法環境にあると言わざるを得ず、特に痴漢事件についてはその場で罰金を払えばそれで済むところを容疑を否認して裁判にすると長い間拘留された挙句に数年の懲役刑が課せられるなど明らかに刑罰のバランスが崩れています。また痴漢に限らず自動車の事故についても、飲酒をした上での危険運転致死傷罪よりもそのまま逃げてしまうひき逃げの方が刑罰が軽い今の状態では、同じ捕まるならひき逃げの方がという逃げ得を食い止めることは出来ません。
またこれは欧米からの日本の評価としてよく聞く話ですが、日本は以前まで合法とされていた行為が突然予告なしに違法となって取り締まられるため、うかつに法を信用して行動することができないそうです。この例ではホリエモンが捕まったライブドア事件とその後に起きた日興コーディアル証券の事件が顕著で、どちらも同じ子会社との架空取引の計上という容疑でライブドアでは社長以下何人も逮捕されたのに対してライブドアより粉飾額の大きかった日興コーディアル証券では誰も逮捕されなかったという異例の結末を迎えています。
元々、政治という言葉に使われる「政」という漢字は公正に物事を裁くという意味で、実際に古来では政治とは裁判をすることでした。よくバスケットボールでは「リバウンドを制する者はゲームを制す」といいますが、私は「信賞必罰を制するものは政治を制す」という信条があり、内外にはっきりと基準を示すことが政治において何よりも重要な行為だと考えています。その基準を示す上で最も重要な役どころにある司法が上述の通りに日本はガタガタで、この点をほかの何にも優先して叩き直すことが私は一番重要だと思っています。
特に無辜の人間を取り締まる冤罪ほど社会の上で残酷な行為はないと私は考えています。
次に第二位の農業問題ですが、これはタイムリミットが大分限られて来ていることから高い優先順位としました。日本の農業は20年前頃からおじいちゃんとおばあちゃんばかりがやっていると高齢化が懸念されましたが、20年経った今だとそのままおじいちゃんとおばあちゃんがスライドして年を取っただけで若年の農業就労者は一向に増えてきませんでした。
これが何を表すのかというと、このまま行けばあと十年ほどで現役の農業就労者が一挙にいなくなり、日本の持つ農業技術と農地がそのまま受け継がれないまま自然消滅してしまう可能性があるということです。技術については言うまでも無いですが農地というのは常に手入れを入れなければならず、数年も放ってたりするとまた元の耕地にするまでに莫大な時間と労力がかかります。
こうした事態を防ぐためにも今のうちに農業継承者を作る必要があり、たとえバラマキと揶揄されてでも私は生活保障などを盛り込んで国家の大事を為す食糧生産を守らねばならないということから、財政再建より高い二番目にこの農業問題を持ってきました。
三位以下については前の記事でも少し触れているのでちょっと省略します。多分どれも解説を始めたらとんでもなく長くなりそうですし、税制改革についてはまた今度に個人寄付、献金の問題と合わせて書く予定がありますし、基本的にこの三つは同時平行で進めなければならない問題なので一個の問題ととってもよろしいでしょう。
逆にランク外となった政策について、例えば前回の記事で国民が求めているであろう最たる政策として挙げた「年金問題」をここで私が挙げなかったのは、そもそもの話として私が年金を受け取るつもりがないし友人と同様にもらえないだろうと考えているからです。一応引退世代の何かの助けになればと今も私は年金を払っていますが、自分は元々20歳まで生きられれば御の字だと思っていたので65歳まで生きるなんて今でもとてもじゃないですが考えられません。こうした思想背景の周囲とのズレからランク外となりましたが、私からすると現代の若者が40年くらい先の収入について心配することの方が不思議でしょうがありません。まぁ社会保険庁のサボタージュは問題だとは思いますし、公務員制度の弊害の集大成ともいえるべきところなので改革する価値はあるとは思いますが。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2009年6月30日火曜日
2009年6月29日月曜日
今、国民はどんな政策を求めているのか
昨日を以って事実上都議選前の解散総選挙は解散から選挙までを挟む日程の都合上なくなり、政治評論家の三宅久之氏に言わせると任期終了まで二ヶ月を切った選挙は任期切れとみなされることを考えると、麻生内閣はかつての三木内閣に続いて史上二度目の任期切れ解散内閣となることが確定しました。この時点においてはもはや首相の解散権は何の意味を持たなくなり、それゆえか自民党内の各議員らも「麻生降し」こと麻生氏の退任を公然と主張するようになってきており、私の目からしても何を以って党内を引き締めるのか手段が浮かばない状態にまで麻生首相は追い込まれています。
そんな選挙間近のこの時期、週末は各政党の幹部がいろんなテレビに出ては各政策を強く訴えていましたが、そもそもの話で国民は一体どんな政策や課題の対処を求めているのか、そういった議論は残念ながら私には見えてきませんでした。それこそ各政党が主張している政策を片っ端から今挙げていくと、政治と金の問題、社会保障、経済問題、子育て支援などなど、どれもこれも政策ごとにばらばらで一体何を優先して取り組んでくれるのか、最低限なにだけをやってくれるのかがまだ見えてきません。
あまり他の評論家の人たちはいいませんが、私は政策において「一体何を優先するのか」という優先順位や実行する順番というのが非常に重要だと思っております。
一例を上げるとこれは民主党の主張ですが、財政再建をするに当たってまず国の無駄遣いを減らさなければならない。しかしその無駄遣いを無くそうにも天下り先を確保しようとする官僚たちは抵抗するので、まず公務員改革をしなければならず、公務員の人事制度などを変えてから財政問題に取り組もう、というような感じです。
仮にこの順番が逆であると、歳出を減らそうとしても公務員の激しい抵抗にあって全く進まないばかりか政策が骨抜きになる可能性もある、っというかそうだったのがここ五年間の政治です。このように実行する順番をひとたび間違えると全く政治が動かないばかりか逆の結果を生んでしまいかねません。
また政治の恩恵を受ける国民の側もあれこれ必要な政策をまとめて実行してくれるのなら文句なしですが、そんなのはGHQじゃないと無理なので具体的に何から実行してもらうか潜在的な政策の優先順位があり、政治家としてはその優先順位を機微に読み取ることが求められております。
そこで今日はややおこがましいものの、私から見て今の日本国民がその実現性はともかくとして一体何から政治家に取り組んでもらいたいのか、私の視点から優先順位を予想してみようと思います。前置きが長いのでもうちゃっちゃと載せてしまいます。
・国民が求める政策の優先順位
一位、年金問題
二位、景気回復
三位、雇用問題
四位、財政再建
五位、汚職の解明
あくまでこれは私の独断と偏見で持って、日頃のニュースの報道やそれに対する国民の反応を見て作った順位票なので、ゆめゆめ盲信しないようお願いします。
まず一位はなんといっても年金問題で間違いないでしょう。この問題は老いも若きも揃って将来に対する大きな不安として抱えている問題で、選挙に対する影響も過去の安倍政権時の様子を見ていると圧倒的に高く、また問題が官僚の腐敗やサボタージュが大きく影響しているために深刻さで言っても文句なしにナンバーワンな課題です。
二位の景気回復は次の三位の雇用問題とも関わってきますが、エコノミックアニマルと呼ばれるだけあって日本人の経済に対する執着心は何気に世界的に見ても異常に高い方でしょう。もっともそれは失職後の社会保障があまりにも不十分……といっては最近問題化しつつある生活給付の不正受給問題があるので、失職後の社会保障が複雑かつ不公平であるために経済問題と雇用に強く目が行くのは自然かもしれません。
四位の財政再建はこれまで借金が膨らみつつものんきに構えていた日本人も、さすがに国債だけで一千兆円が見えてきた現在に至ってようやく意識が向いてきたような気がします。それこそかつてはタブーであった消費税増税についても私の見る限りかつて程の抵抗感が薄れ、「それが財政再建につながるのであれば」と肯定的な意見も目に見えて増えてきたことから四位にしました。
最後五位の汚職の解明は本当はランク外でもよかったのですが、敢えて五位に入れました。この問題となると小沢一郎氏の西松事件が代表的ですが、私は割りと日本人はこういう点に対して忘れっぽいところがあると思うので、それこそ党首を代えても小沢の傀儡だとか問題に対して説明がなっていないと当初は言われたものの現在に至っては西松事件の続報を探すだけでも一苦労です。
なおランク外の政策や課題をいくつか挙げると、外交や安全保障といったものがありますが、やっぱり内向きな正確なだけにあまりこういった分野に日本国民は興味がない気がします。それこそかつてのイラク戦争時であれば話は別ですが、今起きていることといえば北朝鮮問題くらいしかないし。
今日の自民と民主の党首討論でも主に交わされたのは経済問題に対する言い合いでしたが、私は敢えてこの時期に「年金問題の完全解明」を強く主張した政党が選挙で有利になると思います。政策の中身も具体的かつわかりやすく、年金情報を不正にみたことのある旧社会保険庁職員(半数以上が見ていたそうだけど)は全員解雇するなど、割とねらい目な内容だと思うのですが。
追記
この記事を書き終えた後にSophieさんよりご指摘も受けましたが、すっかり少子化対策や教育問題、児童手当てといった子供の問題を入れるのを忘れていました。この問題は景気が悪化してから本格的に火が付いたことを考慮して、順位的には景気回復と雇用問題の間の2.5位くらいが適当だと考えています。
そんな選挙間近のこの時期、週末は各政党の幹部がいろんなテレビに出ては各政策を強く訴えていましたが、そもそもの話で国民は一体どんな政策や課題の対処を求めているのか、そういった議論は残念ながら私には見えてきませんでした。それこそ各政党が主張している政策を片っ端から今挙げていくと、政治と金の問題、社会保障、経済問題、子育て支援などなど、どれもこれも政策ごとにばらばらで一体何を優先して取り組んでくれるのか、最低限なにだけをやってくれるのかがまだ見えてきません。
あまり他の評論家の人たちはいいませんが、私は政策において「一体何を優先するのか」という優先順位や実行する順番というのが非常に重要だと思っております。
一例を上げるとこれは民主党の主張ですが、財政再建をするに当たってまず国の無駄遣いを減らさなければならない。しかしその無駄遣いを無くそうにも天下り先を確保しようとする官僚たちは抵抗するので、まず公務員改革をしなければならず、公務員の人事制度などを変えてから財政問題に取り組もう、というような感じです。
仮にこの順番が逆であると、歳出を減らそうとしても公務員の激しい抵抗にあって全く進まないばかりか政策が骨抜きになる可能性もある、っというかそうだったのがここ五年間の政治です。このように実行する順番をひとたび間違えると全く政治が動かないばかりか逆の結果を生んでしまいかねません。
また政治の恩恵を受ける国民の側もあれこれ必要な政策をまとめて実行してくれるのなら文句なしですが、そんなのはGHQじゃないと無理なので具体的に何から実行してもらうか潜在的な政策の優先順位があり、政治家としてはその優先順位を機微に読み取ることが求められております。
そこで今日はややおこがましいものの、私から見て今の日本国民がその実現性はともかくとして一体何から政治家に取り組んでもらいたいのか、私の視点から優先順位を予想してみようと思います。前置きが長いのでもうちゃっちゃと載せてしまいます。
・国民が求める政策の優先順位
一位、年金問題
二位、景気回復
三位、雇用問題
四位、財政再建
五位、汚職の解明
あくまでこれは私の独断と偏見で持って、日頃のニュースの報道やそれに対する国民の反応を見て作った順位票なので、ゆめゆめ盲信しないようお願いします。
まず一位はなんといっても年金問題で間違いないでしょう。この問題は老いも若きも揃って将来に対する大きな不安として抱えている問題で、選挙に対する影響も過去の安倍政権時の様子を見ていると圧倒的に高く、また問題が官僚の腐敗やサボタージュが大きく影響しているために深刻さで言っても文句なしにナンバーワンな課題です。
二位の景気回復は次の三位の雇用問題とも関わってきますが、エコノミックアニマルと呼ばれるだけあって日本人の経済に対する執着心は何気に世界的に見ても異常に高い方でしょう。もっともそれは失職後の社会保障があまりにも不十分……といっては最近問題化しつつある生活給付の不正受給問題があるので、失職後の社会保障が複雑かつ不公平であるために経済問題と雇用に強く目が行くのは自然かもしれません。
四位の財政再建はこれまで借金が膨らみつつものんきに構えていた日本人も、さすがに国債だけで一千兆円が見えてきた現在に至ってようやく意識が向いてきたような気がします。それこそかつてはタブーであった消費税増税についても私の見る限りかつて程の抵抗感が薄れ、「それが財政再建につながるのであれば」と肯定的な意見も目に見えて増えてきたことから四位にしました。
最後五位の汚職の解明は本当はランク外でもよかったのですが、敢えて五位に入れました。この問題となると小沢一郎氏の西松事件が代表的ですが、私は割りと日本人はこういう点に対して忘れっぽいところがあると思うので、それこそ党首を代えても小沢の傀儡だとか問題に対して説明がなっていないと当初は言われたものの現在に至っては西松事件の続報を探すだけでも一苦労です。
なおランク外の政策や課題をいくつか挙げると、外交や安全保障といったものがありますが、やっぱり内向きな正確なだけにあまりこういった分野に日本国民は興味がない気がします。それこそかつてのイラク戦争時であれば話は別ですが、今起きていることといえば北朝鮮問題くらいしかないし。
今日の自民と民主の党首討論でも主に交わされたのは経済問題に対する言い合いでしたが、私は敢えてこの時期に「年金問題の完全解明」を強く主張した政党が選挙で有利になると思います。政策の中身も具体的かつわかりやすく、年金情報を不正にみたことのある旧社会保険庁職員(半数以上が見ていたそうだけど)は全員解雇するなど、割とねらい目な内容だと思うのですが。
追記
この記事を書き終えた後にSophieさんよりご指摘も受けましたが、すっかり少子化対策や教育問題、児童手当てといった子供の問題を入れるのを忘れていました。この問題は景気が悪化してから本格的に火が付いたことを考慮して、順位的には景気回復と雇用問題の間の2.5位くらいが適当だと考えています。
北京留学記~その三、中国の大学
これからしばらく中国の大学についてあれこれ解説をしていきます。中国留学を考えている方にとっては非常に有益な情報となるので見ていて損はないでしょう。
まず中国の大学にいえることはとにもかくにも大きいということです。そりゃ国土も人口もすべて日本の十倍以上なんだから当たり前といえば当たり前ですが、それを考慮しても日本の学生から見れば向こうの大学は大きいです。具体的に何が大きいかといえば敷地面積は言わずもがなで学内の施設や寮もたくさんあり、運動場もいっぱしの観戦試合とかも可能な位に大きいです。
一言で言って中国では大学それ自体がひとつの街であり、学生と教員たちの経済圏として成立しています。居住者である学生や教員は学内の寮に常に千人単位で居住しており、その居住者相手に寮を含めた学内の各施設もそれぞれ独立して運営されています。
一つ一つ例を挙げていくと日本の大きな大学同様にスーパーもあれば夜遅くまで開いているコンビニ店もあり、レストランも学生食堂のように安くて多く出るところもあれば値段が割高であれどもそこそこのパーティも出来そうなのもあり、韓国料理店やムスリム料理店といったエスニックレストランもありました。もちろん夜中でもやっているバーもあって、私はそこでロシア人にウォッカを飲まされたわけなのですが。
これらはもちろん私のいた北京語言大学の例なので必ずしもどこも同じだとは言い切れませんが、少なくとも私が北京滞在中に見てきた各大学ではどこも似たようなもので上記のような店はありました。特に中国屈指の名門大学の北京大学に至れば売店はもはやデパートの売り場のようで、文房具からブランド品に至るまでなんでもかんでも揃っていて驚かされました。
そんなわけなので、特に予定がなかったりすると二、三週間くらいは大学の敷地から一歩も出なくてもそれとなく過ごせてしまうため、春休みのように外が寒かったりするとまるで引きこもりのように寮の中でずっと過ごす時期もありました。もっとも学外からなかなか出ないのはなにも学内ですべて完結できてしまうほかにも、劣悪な北京の交通による影響も少なくありません。北京の交通の悪さについてはいくら北京を愛している中国人でもはっきりと「悪い」というくらいよくなく、ただでさえ人が多すぎるためにバスなり地下鉄なりを利用するとすぐにぎゅうぎゅうになって一回の外出で使うエネルギーは日本の比じゃありませんでした。タクシーを使うのならばそういうこともなくてごくごく楽に移動できるのですがお金もかかるのでそれほど乗り回す気にもなれず、そのため北京を観光し終わった後は無駄に体力を使わないために私はあまり外出する事はありませんでした。
まず中国の大学にいえることはとにもかくにも大きいということです。そりゃ国土も人口もすべて日本の十倍以上なんだから当たり前といえば当たり前ですが、それを考慮しても日本の学生から見れば向こうの大学は大きいです。具体的に何が大きいかといえば敷地面積は言わずもがなで学内の施設や寮もたくさんあり、運動場もいっぱしの観戦試合とかも可能な位に大きいです。
一言で言って中国では大学それ自体がひとつの街であり、学生と教員たちの経済圏として成立しています。居住者である学生や教員は学内の寮に常に千人単位で居住しており、その居住者相手に寮を含めた学内の各施設もそれぞれ独立して運営されています。
一つ一つ例を挙げていくと日本の大きな大学同様にスーパーもあれば夜遅くまで開いているコンビニ店もあり、レストランも学生食堂のように安くて多く出るところもあれば値段が割高であれどもそこそこのパーティも出来そうなのもあり、韓国料理店やムスリム料理店といったエスニックレストランもありました。もちろん夜中でもやっているバーもあって、私はそこでロシア人にウォッカを飲まされたわけなのですが。
これらはもちろん私のいた北京語言大学の例なので必ずしもどこも同じだとは言い切れませんが、少なくとも私が北京滞在中に見てきた各大学ではどこも似たようなもので上記のような店はありました。特に中国屈指の名門大学の北京大学に至れば売店はもはやデパートの売り場のようで、文房具からブランド品に至るまでなんでもかんでも揃っていて驚かされました。
そんなわけなので、特に予定がなかったりすると二、三週間くらいは大学の敷地から一歩も出なくてもそれとなく過ごせてしまうため、春休みのように外が寒かったりするとまるで引きこもりのように寮の中でずっと過ごす時期もありました。もっとも学外からなかなか出ないのはなにも学内ですべて完結できてしまうほかにも、劣悪な北京の交通による影響も少なくありません。北京の交通の悪さについてはいくら北京を愛している中国人でもはっきりと「悪い」というくらいよくなく、ただでさえ人が多すぎるためにバスなり地下鉄なりを利用するとすぐにぎゅうぎゅうになって一回の外出で使うエネルギーは日本の比じゃありませんでした。タクシーを使うのならばそういうこともなくてごくごく楽に移動できるのですがお金もかかるのでそれほど乗り回す気にもなれず、そのため北京を観光し終わった後は無駄に体力を使わないために私はあまり外出する事はありませんでした。
2009年6月28日日曜日
北京留学記~その二、入寮~
前回の記事では私の留学先の北京語言大学に着いた所まで書きましたが、今日はその後に行った入寮手続きの話を書きます。
基本的に中国での外国人留学生は大学構内の寮に最初は住む事になります。これは学生の安全を確保すると共に大学側が外国人学生を管理する意味合いも込められていてかつては留学中の住居について選択の余地はなかったようなのですが、最近ではこの点については緩和されているので知人を頼っていきなり学外のアパートメントを借りることもできるようになっています。しかしそれでも大半の学生は最初に寮に住む事になるので、この入寮時に中国風手続きの洗礼も浴びることとなるのです。
私は当初、留学先の北京語言大学は外国人に対して中国語を教える目的で作られたというだけあって外国人の多い大学だから、中国語ができなくとも英語ぐらいは通じるだろうという甘い期待を持っていたのですが、それは所詮は甘い期待だったと思い知らされたのがこの入寮手続きでした。
私が入寮予定の寮にようやくたどり着いてみると、ちょうど新入生の入学シーズンともあって寮の受付はえらく込んでいました。前の人の手続きが終わって私の番になるといきなり受付の人に、「自分はこれこれこうで、入寮予定の者ですが」と英語で言ってみたのですがこれが全く通じず、しょうがないので日本で受け取っていた寮の手続き書類を見せるやひったくられるように取られて、その後は勝手に手続きを行ってもらいました。
そうしてしばらく待っていると受付の人に番号札を渡され、まるで追い立てられるかのように受付から出されました。恐らくその番号の部屋が自分があてがわれた部屋なんだろうと考えてその部屋がある五階まで、エレベーターが無いので重たいスーツケースを抱えながら階段で向かってようやく着いてみると、なんとドアが開かない。この時点でようやく気が付いたのですが、まだ部屋の鍵を受け取っていませんでした。
盗まれたら事なのでまた重たいスーツケースを抱えて一階へ行き、受付の人に向かって中国語ができないのでまた英語で、「ザ、ドアーワズロックド」と、鍵がロックされているくらいはわかるだろうと言ってみるのですがやはり通じず、たまたま近くにいた日本人留学生の方に私の意を翻訳してもらってようやく部屋のスペアキーを得ることが出来ました。
元々寮の部屋の鍵は相部屋であっても二人で一つを共用して、最後に外出する一人が受付に渡して管理するというシステムなのですが、この時はたまたま相部屋の相手が当時は一人で部屋を借りていたために、このシステムを守らないで受付に鍵を預けずに外へ出ていたためにこんな妙な事が起きたわけです。スーツケースを抱えて五階まで一往復半もさせられた私からすると、そもそも鍵を一人ずつ持たせずに共用にするのが問題だし、それ以前に外国人留学生専用の寮なんだから簡単な英語くらいは理解してくれよというのが当時の素直な感想でした。
なおほかの中国留学生の方のブログや掲示板のコメントを見ると大抵が私のように入寮時にいろいろと苦労をしているようで、これまた私と同じように既に留学して半年とか一年経っている人に助けてもらったという書き込みをよく見ます。そういう意味では最初に言ったように、留学生にとってこの入寮手続きが一つの洗礼に当たるのだと私は思うわけです。
基本的に中国での外国人留学生は大学構内の寮に最初は住む事になります。これは学生の安全を確保すると共に大学側が外国人学生を管理する意味合いも込められていてかつては留学中の住居について選択の余地はなかったようなのですが、最近ではこの点については緩和されているので知人を頼っていきなり学外のアパートメントを借りることもできるようになっています。しかしそれでも大半の学生は最初に寮に住む事になるので、この入寮時に中国風手続きの洗礼も浴びることとなるのです。
私は当初、留学先の北京語言大学は外国人に対して中国語を教える目的で作られたというだけあって外国人の多い大学だから、中国語ができなくとも英語ぐらいは通じるだろうという甘い期待を持っていたのですが、それは所詮は甘い期待だったと思い知らされたのがこの入寮手続きでした。
私が入寮予定の寮にようやくたどり着いてみると、ちょうど新入生の入学シーズンともあって寮の受付はえらく込んでいました。前の人の手続きが終わって私の番になるといきなり受付の人に、「自分はこれこれこうで、入寮予定の者ですが」と英語で言ってみたのですがこれが全く通じず、しょうがないので日本で受け取っていた寮の手続き書類を見せるやひったくられるように取られて、その後は勝手に手続きを行ってもらいました。
そうしてしばらく待っていると受付の人に番号札を渡され、まるで追い立てられるかのように受付から出されました。恐らくその番号の部屋が自分があてがわれた部屋なんだろうと考えてその部屋がある五階まで、エレベーターが無いので重たいスーツケースを抱えながら階段で向かってようやく着いてみると、なんとドアが開かない。この時点でようやく気が付いたのですが、まだ部屋の鍵を受け取っていませんでした。
盗まれたら事なのでまた重たいスーツケースを抱えて一階へ行き、受付の人に向かって中国語ができないのでまた英語で、「ザ、ドアーワズロックド」と、鍵がロックされているくらいはわかるだろうと言ってみるのですがやはり通じず、たまたま近くにいた日本人留学生の方に私の意を翻訳してもらってようやく部屋のスペアキーを得ることが出来ました。
元々寮の部屋の鍵は相部屋であっても二人で一つを共用して、最後に外出する一人が受付に渡して管理するというシステムなのですが、この時はたまたま相部屋の相手が当時は一人で部屋を借りていたために、このシステムを守らないで受付に鍵を預けずに外へ出ていたためにこんな妙な事が起きたわけです。スーツケースを抱えて五階まで一往復半もさせられた私からすると、そもそも鍵を一人ずつ持たせずに共用にするのが問題だし、それ以前に外国人留学生専用の寮なんだから簡単な英語くらいは理解してくれよというのが当時の素直な感想でした。
なおほかの中国留学生の方のブログや掲示板のコメントを見ると大抵が私のように入寮時にいろいろと苦労をしているようで、これまた私と同じように既に留学して半年とか一年経っている人に助けてもらったという書き込みをよく見ます。そういう意味では最初に言ったように、留学生にとってこの入寮手続きが一つの洗礼に当たるのだと私は思うわけです。
私の歯について
ちょっと古いニュースですが、中国でのニュースでこんなのが以前にありました。
・中国、窓の鉄格子を歯で噛み切って侵入してた強盗(エルエル)
いかにも中国らしいトンデモニュースで素晴らしいのですが、このニュース記事の中で以下の記述に私は注目してしまいました。
「彼は山間部の村で育ち、固いクルミの実を歯で割っている内に現在のように鋭く強靱な歯に育ったと話したそうです。」
そりゃ鉄格子を歯で噛み切るくらいなんだからクルミくらい平気で当たり前なのでしょうが、実を言うと私もクルミの殻を歯で割ることが出来ます。おなじクルミ系の話題だと今は無き韓国ノムヒョン前大統領が祝賀会かなにかでクルミの殻を歯で割ろうとしてネットニュースで笑われていましたが、見ている私からすると「なにがおかしいの」と当時思ってました。
これは今絶賛連載中の「中国留学記」でもいずれ書くことになる、私の相部屋相手だったルーマニア人のドゥーフェイがある日クルミを買ってきて私にも分けてくれました。そのドゥーフェイは机の角でクルミを叩き割るところを私はいつもどおりに口の中に入れて歯で噛み割ったら、「おい、歯とか大丈夫なの?」とわざわざ心配して聞いてきました。当の私はというとクルミは歯で割るのが自然だと思っていたので、「何をそんなに驚くの?」というような感じで聞き返しましたが、後でいろいろ聞きまわったらやっぱり私の方が少数派だということがわかりました。
さすがに鉄格子にまでチャレンジするつもりはありませんが、私の歯は至極丈夫なようです。
・中国、窓の鉄格子を歯で噛み切って侵入してた強盗(エルエル)
いかにも中国らしいトンデモニュースで素晴らしいのですが、このニュース記事の中で以下の記述に私は注目してしまいました。
「彼は山間部の村で育ち、固いクルミの実を歯で割っている内に現在のように鋭く強靱な歯に育ったと話したそうです。」
そりゃ鉄格子を歯で噛み切るくらいなんだからクルミくらい平気で当たり前なのでしょうが、実を言うと私もクルミの殻を歯で割ることが出来ます。おなじクルミ系の話題だと今は無き韓国ノムヒョン前大統領が祝賀会かなにかでクルミの殻を歯で割ろうとしてネットニュースで笑われていましたが、見ている私からすると「なにがおかしいの」と当時思ってました。
これは今絶賛連載中の「中国留学記」でもいずれ書くことになる、私の相部屋相手だったルーマニア人のドゥーフェイがある日クルミを買ってきて私にも分けてくれました。そのドゥーフェイは机の角でクルミを叩き割るところを私はいつもどおりに口の中に入れて歯で噛み割ったら、「おい、歯とか大丈夫なの?」とわざわざ心配して聞いてきました。当の私はというとクルミは歯で割るのが自然だと思っていたので、「何をそんなに驚くの?」というような感じで聞き返しましたが、後でいろいろ聞きまわったらやっぱり私の方が少数派だということがわかりました。
さすがに鉄格子にまでチャレンジするつもりはありませんが、私の歯は至極丈夫なようです。
ドラゴンクエスト6での不可思議現象
「ドラゴンクエストシリーズ」といえば日本人なら知らない人はほとんどいないとまで言われるゲームシリーズですが、このシリーズでの「ドラゴンクエスト6」では3にあったダーマ神殿による転職システム、5にあったモンスターを仲間にする二つのシステムが実装されていました。私としては各キャラクターに個性のあった5の方が好きだったのですが6の転職システムによって基本的にどの特技、呪文も一人のキャラクターが覚えることが出来るようになって、そのせいかこの6は私の中ではあまり評価の高くない作品です。
しかしその一方、誰でもどんな特技と呪文を覚えられるということからこの6ではいろいろと面白い現象を確認することが出来ました。その代表例とも言えるのが、スライムによる特技です。この6が出た当時に小学生であった私たちの間では、人間キャラでも「どくのいき」とか使えるというのはなんだかおかしいよねと言い合っていたのですが、こうして年を取った後になると人間キャラ以上にスライムの特技の方が気になるようになってきました。
まず一番不思議なのは、スライムによる「せいけんづき」です。この「せいけんづき」を使用した際に戦闘画面に出てくるメッセージというのは、
「スライムはこしをふかくおとし、せいけんづきをはなった」
こんな具合なのですが、見ているこっちからすると「スライムに腰? そもそもどうやって殴るの?(゚Д゚;)」と意識してみると結構頭を抱える内容です。
やはり一頭身キャラクターゆえか、格闘系の特技をスライムが使うと次々と齟齬が生まれてくるため、このほかにも「まわしげり」や「とびひざげり」など考えれば考えるほど悩んでしまう特技がたくさんありました。また格闘系にかぎらず「いてつくはどう」でも、
「スライムはゆびさきからいてつくはどうをはなった」
などと、どこに指があるのか体の部位を考えてしまうメッセージが次から次へと生まれていきました。ただこういうのもなんですがいちいち細かく作ってもしょうがないですし、こういうメッセージを敢えて変えずに他のキャラクターと共通のメッセージを出すというのはかえっていいと思います。
このドラクエ6と同じように共通メッセージゆえにおかしな内容が出てくるほかの例では、こちらも有名なの「信長の野望シリーズ」における親から子への教育メッセージがあります。
このシリーズでは大名の子供が同じ城などにいる際に起こる親子の指導イベントというものがあり、そのイベントでは講義中にトイレのために席を立った子供に対して、「天下国家のための講義をしている最中に席など立つな、尿など漏らしてしまえ(゚Д゚)!!」と叱るメッセージが出てくるのですが、このシリーズでは定期的に大名の娘が成人してきて、外交道具として使うか、他の武将と同じく戦ったりできる「姫武将」として使うかが選択できます。それで仮に娘を「姫武将」として使っていると、他の息子同様に先ほどの指導イベントが起こるというわけで、
「席など立つな、尿など漏らしてしまえ(゚Д゚)!!」
「えっ……ちょっと女の子には厳し過ぎない(゚Д゚;)?」
信長の野望をやってる最中に全く意図せず出てきたこのメッセージを見たとき、リアルに顔文字のような顔になりました。
しかしその一方、誰でもどんな特技と呪文を覚えられるということからこの6ではいろいろと面白い現象を確認することが出来ました。その代表例とも言えるのが、スライムによる特技です。この6が出た当時に小学生であった私たちの間では、人間キャラでも「どくのいき」とか使えるというのはなんだかおかしいよねと言い合っていたのですが、こうして年を取った後になると人間キャラ以上にスライムの特技の方が気になるようになってきました。
まず一番不思議なのは、スライムによる「せいけんづき」です。この「せいけんづき」を使用した際に戦闘画面に出てくるメッセージというのは、
「スライムはこしをふかくおとし、せいけんづきをはなった」
こんな具合なのですが、見ているこっちからすると「スライムに腰? そもそもどうやって殴るの?(゚Д゚;)」と意識してみると結構頭を抱える内容です。
やはり一頭身キャラクターゆえか、格闘系の特技をスライムが使うと次々と齟齬が生まれてくるため、このほかにも「まわしげり」や「とびひざげり」など考えれば考えるほど悩んでしまう特技がたくさんありました。また格闘系にかぎらず「いてつくはどう」でも、
「スライムはゆびさきからいてつくはどうをはなった」
などと、どこに指があるのか体の部位を考えてしまうメッセージが次から次へと生まれていきました。ただこういうのもなんですがいちいち細かく作ってもしょうがないですし、こういうメッセージを敢えて変えずに他のキャラクターと共通のメッセージを出すというのはかえっていいと思います。
このドラクエ6と同じように共通メッセージゆえにおかしな内容が出てくるほかの例では、こちらも有名なの「信長の野望シリーズ」における親から子への教育メッセージがあります。
このシリーズでは大名の子供が同じ城などにいる際に起こる親子の指導イベントというものがあり、そのイベントでは講義中にトイレのために席を立った子供に対して、「天下国家のための講義をしている最中に席など立つな、尿など漏らしてしまえ(゚Д゚)!!」と叱るメッセージが出てくるのですが、このシリーズでは定期的に大名の娘が成人してきて、外交道具として使うか、他の武将と同じく戦ったりできる「姫武将」として使うかが選択できます。それで仮に娘を「姫武将」として使っていると、他の息子同様に先ほどの指導イベントが起こるというわけで、
「席など立つな、尿など漏らしてしまえ(゚Д゚)!!」
「えっ……ちょっと女の子には厳し過ぎない(゚Д゚;)?」
信長の野望をやってる最中に全く意図せず出てきたこのメッセージを見たとき、リアルに顔文字のような顔になりました。
2009年6月27日土曜日
北京留学記~その一、北京到着~
ついにこいつを出す日が来ました。
今日から超大型連載として、私の中国留学記をこのブログで連載して行きます。留学記自体は帰国後に既に書いていたのですが内容には自信があるものの、これまであまりおおっぴらに公表したりせず親父と中国語の恩師、そして何故かうちの会社の役員にだけしか見せていませんでした。このブログを始めた当初もメインコンテンツとしてすぐに公表するべきかとも考えたのですが何故だか決心がつかなくこれまでずるずると伸び、最終的に今週に至り踏ん切りがつく形で連載を決めました。
基本的に文章は出来上がっていて後はブログの文体に合わせてちょちょっと手を加える程度なので恐らくはこれから毎日更新していけると思います。そういうわけで2005年9月から2006年7月までの私の中国留学記、どうぞご覧ください。まず一発目は北京に到着した日の出来事です。
成田から飛び立ち約三時間、今まで行った事のあるどの国よりもフライト時間の短い移動で2006年8月30日、中国北京にある首都国際空港に私は到着しました。お袋の実家のある鹿児島県まで約二時間ということを考えるとこの短さではほとんど国内を旅行しているような気分でしたが、ところがどっこい行き先は海外でしかも中国。これは後付けですが、今まで行ったことのあるどの国よりも英語が通じない国です。留学するとはいえ私が中国語を習っていたのは大学での週三の授業だけで、果たしてこれで中国現地でやっていけるのかと不安は全く無かったといえば嘘になります。
そんな不安いっぱいの行きの飛行機の中でたまたま私の隣に座っていたのは二十台ぐらいの中国人男性で、しかも当時の私のホームグラウンドである京都に留学していた方でした。留学するもんだからもちろんその人は日本語がペラペラで、話を聞くとなんでも仕事の通訳で日本に来ていてその帰りだったそうです。私がこれから留学に行くことを伝えるといろいろと話が弾んで空港に着くまで雑談を続けたのですが、彼の話で聞いてて面白かったのは、「中国人と大阪人はよく似ている」といった分析でした。
というのも騒がしい性格、と書くとあちこちから文句が来そうなので、開放的な性格、標準よりやや大きな声、物事にあれこれ首を突っ込みたがるところなどが大阪人と中国人でそっくりだと言っており、留学を終えた今になってみると私もおもわずうなずいてしまうような鋭い分析です。
そうこうしている内に飛行機は空港に到着し、正直言って恥ずかしい話なので載っけるべきかどうか少し悩みましたが隠すよりネタにしたほうが絶対いいのでこの際書いてしまいますが、ついて早々いきなり偽タクシーに捕まってしまいました。ほんとに恥ずかしい限りなのですが、タクシーを捜すのが面倒くさくてガイドブックにも注意するようにと書いてあったのに呼び込みタクシーに対し、この際これでもいいかとほいほいと乗り込んでしまいました。
まぁいざ法外な料金を要求されれば「警察まで」と頼めばなんとかなるだろうと考え、そのまま私の留学先である北京語言大学まで行ってもらったのですが案の定、空港から市内まで相場が百元(1500円)のところを四百元(6000円)を要求されてさすがに殴り合いになるという雰囲気こそなかったのですが、お互いに自分の提示する額を言い合って長々と口喧嘩をしてしまいました。当時は全然中国語ができない状態だったので一方的に英語でこっちは文句を言い、また向こうは向こうでこっちのわからない中国語でまくし立てる始末でした。
その後30分くらい互いに言い合いを続けて最終的に日中間でも使えるということで持参してきたNOKIAの携帯電話を見せたところ急に相手が大人しくなり、四百元のところを三百元まで要求額を下げてきたところで私も首を頷きました。もっともこの時のの件は非常に反省点の多い失敗で、自分から寄って来る怪しいのを相手にしたことや変に妥協してしまうのは後悔が募るということをまず学びました。
ちなみにその後留学中に他の外国人学生に話を聞いてみるとほかのみんなも大抵同じような経験をしており、ひどい場合では1000元(15000円)位も取られている留学生までいました。
そんなこんなでしょっぱなから波乱含みの留学生活でしたが、留学を終えた今だと「まぁたくさんあるうちの一つだよね」と思えてしまいます。もう四年も前の留学体験ですが、書いていてまだ昨日のように思い出せるというのは本当に貴重な体験が出来たからだという気がします。
今日から超大型連載として、私の中国留学記をこのブログで連載して行きます。留学記自体は帰国後に既に書いていたのですが内容には自信があるものの、これまであまりおおっぴらに公表したりせず親父と中国語の恩師、そして何故かうちの会社の役員にだけしか見せていませんでした。このブログを始めた当初もメインコンテンツとしてすぐに公表するべきかとも考えたのですが何故だか決心がつかなくこれまでずるずると伸び、最終的に今週に至り踏ん切りがつく形で連載を決めました。
基本的に文章は出来上がっていて後はブログの文体に合わせてちょちょっと手を加える程度なので恐らくはこれから毎日更新していけると思います。そういうわけで2005年9月から2006年7月までの私の中国留学記、どうぞご覧ください。まず一発目は北京に到着した日の出来事です。
成田から飛び立ち約三時間、今まで行った事のあるどの国よりもフライト時間の短い移動で2006年8月30日、中国北京にある首都国際空港に私は到着しました。お袋の実家のある鹿児島県まで約二時間ということを考えるとこの短さではほとんど国内を旅行しているような気分でしたが、ところがどっこい行き先は海外でしかも中国。これは後付けですが、今まで行ったことのあるどの国よりも英語が通じない国です。留学するとはいえ私が中国語を習っていたのは大学での週三の授業だけで、果たしてこれで中国現地でやっていけるのかと不安は全く無かったといえば嘘になります。
そんな不安いっぱいの行きの飛行機の中でたまたま私の隣に座っていたのは二十台ぐらいの中国人男性で、しかも当時の私のホームグラウンドである京都に留学していた方でした。留学するもんだからもちろんその人は日本語がペラペラで、話を聞くとなんでも仕事の通訳で日本に来ていてその帰りだったそうです。私がこれから留学に行くことを伝えるといろいろと話が弾んで空港に着くまで雑談を続けたのですが、彼の話で聞いてて面白かったのは、「中国人と大阪人はよく似ている」といった分析でした。
というのも騒がしい性格、と書くとあちこちから文句が来そうなので、開放的な性格、標準よりやや大きな声、物事にあれこれ首を突っ込みたがるところなどが大阪人と中国人でそっくりだと言っており、留学を終えた今になってみると私もおもわずうなずいてしまうような鋭い分析です。
そうこうしている内に飛行機は空港に到着し、正直言って恥ずかしい話なので載っけるべきかどうか少し悩みましたが隠すよりネタにしたほうが絶対いいのでこの際書いてしまいますが、ついて早々いきなり偽タクシーに捕まってしまいました。ほんとに恥ずかしい限りなのですが、タクシーを捜すのが面倒くさくてガイドブックにも注意するようにと書いてあったのに呼び込みタクシーに対し、この際これでもいいかとほいほいと乗り込んでしまいました。
まぁいざ法外な料金を要求されれば「警察まで」と頼めばなんとかなるだろうと考え、そのまま私の留学先である北京語言大学まで行ってもらったのですが案の定、空港から市内まで相場が百元(1500円)のところを四百元(6000円)を要求されてさすがに殴り合いになるという雰囲気こそなかったのですが、お互いに自分の提示する額を言い合って長々と口喧嘩をしてしまいました。当時は全然中国語ができない状態だったので一方的に英語でこっちは文句を言い、また向こうは向こうでこっちのわからない中国語でまくし立てる始末でした。
その後30分くらい互いに言い合いを続けて最終的に日中間でも使えるということで持参してきたNOKIAの携帯電話を見せたところ急に相手が大人しくなり、四百元のところを三百元まで要求額を下げてきたところで私も首を頷きました。もっともこの時のの件は非常に反省点の多い失敗で、自分から寄って来る怪しいのを相手にしたことや変に妥協してしまうのは後悔が募るということをまず学びました。
ちなみにその後留学中に他の外国人学生に話を聞いてみるとほかのみんなも大抵同じような経験をしており、ひどい場合では1000元(15000円)位も取られている留学生までいました。
そんなこんなでしょっぱなから波乱含みの留学生活でしたが、留学を終えた今だと「まぁたくさんあるうちの一つだよね」と思えてしまいます。もう四年も前の留学体験ですが、書いていてまだ昨日のように思い出せるというのは本当に貴重な体験が出来たからだという気がします。
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