「(ドラクエ1の主人公は)彼自身はロトの子孫ではあるものの初期段階ではそれを証明するものを持っていません。そのため『ロトのしるし』という証明書がない状態では勇者として認められない事もありました。」
このコメントを見て、「そもそもドラクエ1の主人公は本当にロトの子孫だったのだろうか?」という疑問がもたげました。
上のコメントで片倉(焼くとタイプ)さんが言っている通り、この主人公はゲーム開始時に伝説の勇者であるロトの子孫を名乗ってラダトームの王様の竜王討伐に名乗りを上げています。しかし、ロ度の子孫であることを示すものは何も持っておらず、伝説の剣や鎧はおろか、その最大の証明にもなるロトのしるしすら持っていません。
それどころか初期装備に至ってはゼロ、つまり全裸というホームレスさながらの恰好で、「龍が如く」でもこんなやばそうな格好した奴はなかなか見ません。っていうかどう見ても食い詰め者が宛てもなくやってきたようにしか見えないいでたちです。何を以って自分がロトの子孫だと主張したのか、むしろ逆に全裸だからこそ子孫であると主張してきたのかもしれず、いろいろ意味不明です。
それでも最終的には竜王を倒すのだから腕っぷしに関しては認めざるを得ないでしょう。しかし、彼自身が本当にロトの子孫であったということを示す要素は何もなく、一応ロトの剣とかを装備出来ますが、果たしてドラクエ1のロトの剣がドラクエ2のロトの剣、ドラクエ3の王者の剣と同じものかについては実際に議論があります。
まずドラクエ2のロトの剣は攻撃力は同じ40ですが、これより強い武器が他にもたくさん出てきて、最強の武器ではありません。この点については「ロトの剣が劣化した」とか「技術が進歩したから」などと言われていますが、そもそも同一の武器でない可能性があります。
次にドラクエ3の王者の剣ですが、この武器はどうぐとして使うとバギクロスが使えるものの、ドラクエ1と2のロトの剣にはそんな便利な機能はありません。この一点だけでもいろいろ怪しい。
上記点を踏まえると、ドラクエ1の主人公が装備できるロトの剣というのはこれも自称しているだけではないかという可能性があります。少なくとも、彼が先祖だと主張するロトが使っていたものと同一のものである根拠は何もありません。このように考えると、「ロトの子孫と詐称したやたらケンカの強い野郎」であったのが真相のように思えてなりません。
ついでに書くと、前述の通りドラクエシリーズは日本人の血統主義の権化のようなストーリーですが、ライバルのFFシリーズは1から3までは割とガチな庶民が主人公でした。4から月の民、5は伝説の戦士の息子、6は群像劇(雪男)となりますが、7に至って自称ソルジャーの一般兵士と突然庶民に先祖返りします。
ただこうやってみると、ドラクエシリーズとは対極なくらい庶民キャラがFFシリーズは多いです。13も『「光速」の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士』と言いつつただの警備員だったし、でもって「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」だし。真面目にドラクエもたまには、ガチな庶民を太閤秀吉みたいに活躍させる作品を1回くらい作ってみたらどうだとか思います。