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2024年2月29日木曜日

ビッグサプライズな大谷さん

 今日行われた政治倫理審査会こと政倫審では、現役の首相としては恐らく初となる岸田総理自身が出席し、かねてから取りざたされている自民党派閥の裏金問題について質問に回答しました。色々意見はあるでしょうが、政倫審を公開するか否か、また出席を拒んでいた安倍派議員らに対し岸田総理が自ら出席し、公開すると表明したことにより、会議形態はもとより出席を拒んでいた議員らも出ざるを得なくなり、スムーズに事が運ぶようになった点は評価できると私は思っています。

 といった政治トピックもあった今日でしたが、そんなことよりメジャーリーグの大谷選手です。すでに報じられていますが、結婚していたことを明らかにしました。

 正直言って岸田総理の政倫審出席なんてどうでもよくなるようなビッグニュースで、全然そういう噂も出ていなかっただけに驚くとともに、変な女に騙されたりしないかいろいろ心配していたのもあって非常にうれしいニュースです。率直に言えば、皇室関係者の結婚のニュースなんかよりずっとうれしく思うし、これほど多くの日本人に祝福される結婚というのは近年ないでしょう。同じサプライズだった羽生弓弦氏のケースはその後もああなったというのもありますが、なんか「絶対に触れるな」的な感じがしてここまで盛り上がらなかったし。

 真面目に今の日本にとって大谷選手は国民統合の象徴のような存在であるだけに、変なスキャンダルとか出てほしくないし、また岩手県民にはサイヤ人の遺伝子でも混ざってんのかと思うくらいの恵まれた運動能力を後世に伝える意味でも大谷選手の結婚は意義深く感じます。今シーズンは打者専念ということもあってさらなる記録の達成も期待されるだけに、公私ともに恵まれた1年となるよう陰ながら祈っています。

2024年2月27日火曜日

中国でnoteのアクセスが禁止に

前評判では絶賛の嵐、でも市場で売れなかったトヨタ・iQ(前編)(後編)(ロボティア)

 というわけでまた自分の書いたプロジェクトE(nd)の記事です。書いたの1月で内容をかなり忘れたころにアップされたのでそんな思い入れはないですが、なんか午前だけでPV数は7000行ったと連絡ありました。個人的にはiQのイメージを持たせるためにNボックスなどの全長を細かく書いたのが良かったかなと考えています。

 さて話は本題ですが、直近の日本のブログサービスとしては最も勢いがあると思うnoteが春節の前後から、中国でアクセスできなくなりました。ほかのブログサービスの多くもアクセス禁止となっているので今更感はあるのですが、FC2とかなんかは最近アクセスできるようになってたりしていただけに、何故ここでnoteを禁止するのかがいまいちよくわからない処理に感じます。
 何気に知り合いもこのnoteに、っていうか自分が進めてnoteで記事を書き始めていただけに、自分のせいじゃないけど若干申し訳なさを感じています。

 この手の中国のインターネット規制を自分は自宅でVPNを使うようになってからはあまり意識しなくなり、Yahooのトップページは開くけど検索はできないというのもMSNを駆使することで会社ではどうにかなってしまっているので、この2、3年くらいは本当に気にならなくなっていました。それが今回はnoteで、普通に仕事中とかでもたまに検索にヒットして開くこともあるブログサービスなだけに、否が応でも気になってしまいます。

 なおVPNに関しては年々速度が上がってきており、かつてはどう頑張っても200kbpsが限度だったのに、最近は時間帯によりますが2Mbpsもたたき出すので、ネットに関する快適性は地味に上がっています。ただネット認証を使うサービスなんかはVPNでもどうにもならないケースが多くこの点では不便を感じますが、早く中国も先進国並みにオールフリーなインターネット社会を実現できればいいねと上から目線で思ったりします。
 端的に言って、こうしていろいろ情報を規制して批判を押さえつけるというのはそれだけ政府が自己の政権基盤に自信を持っていない現れでしょう。台湾が議会制民主主義を確立しているのと比較するにつけ、この点で大陸の中国はいったい何年遅れているんだという風に思えます。

2024年2月26日月曜日

商品陳列で疑問を覚えるヨドバシカメラ、見直してきたビックカメラ


 最近よく手が痛くなるのでハンディマッサージャーを購入。上の写真は左手に使ってる時の写真ですが、何となくロックマンになった気分がします。


 それで最近本題ですが、上のまとめ記事ではヨドバシカメラがなんか妙な商品を売っていることが取り上げられていますが、ちょっと自分も最近のヨドバシカメラについては思うことが多いです。具体的には、明らかに品質的におかしな商品を何食わぬ顔で陳列棚に置いているという点です。

 私がこのようにヨドバシカメラに疑問を持ったのは数年前でした。その時に購入したのはバッファローの無線マウスと革張りのマウスパッドでしたが、前者は過去の記事でも触れていますが、無操作が続くとスリープに入り、そこから再び操作するとスリープは切れるものの、何故かマウス操作に対する反応速度が勝手にデフォルトに戻り、カーソルスピードが物凄い変わってしまうという特段の不具合を抱えていました。明らかに普段使いに支障をきたす謎な仕様であり、これ以降はバッファロー製品の品質を疑うようになって何一つ買っていません。
 もう一つの皮張りのマウスパッドはマウスを載せて動かしたところ、マウスパッドごとそのまま動き出すというマウスパッドの機能を何一つ果たさないマウスパッドでした。完全な欠陥商品であり、いったいどうしてこんなものを売ろうと思ったのか、そしてそれを仕入れる業者がいるのかと疑問に感じました。

 どちらもヨドバシカメラで購入したものですが、ヨドバシ側は商品を仕入れる際にこれほどの欠陥商品を認識していたのか。仮に認識していないとしたら、陳列する商品に対して何も確認していないのかとこちらでもまた疑問に感じ、それから徐々に疑うようになりました。

 とはいえ商品陳列数は多いし自転車もプラモも見られることから日本に行った際には立ち寄るのですが、前回立ち寄った際にいろいろ商品を探していて、再び疑問に思う点が出てきました。商品陳列数は多いのですがどれもこれもこれはと思う商品が見当たらず、なんか「何でもあるが欲しいものだけがない」と言われたかつてのダイエーを少し思い出しました。
 また商品陳列数は多いものの似たような商品ばかりで、商品性能で見た場合の幅が異常に狭く、探すのが手間なのに探してもいい具合の商品が見つからないという感覚も覚えました。またその陳列の仕方も、なんか探しづらいというかごちゃごちゃな感じしたし。

 などといろいろ不満を感じつつも夕方に品川で会う予定だった友人らとの約束時間までまだあったことから、その足でビックカメラにもよったところ、こちらは店舗規模の差もあるとはいえ商品陳列数は少なく、小ざっぱりした感じがしました。でもって少ない商品ながら機能や用途ごとにきちんと分かれた商品がおかれてあり、探しやすいし比較もしやすく、何となくこれまでビックカメラのCMソングが好きじゃなくてあんまり寄ってこなかったけど、悪くないじゃんと見直すに至りました。
 特にタブレットPCの新調を考えていたので、タブレットPCコーナーでいろいろサイズなどの種類がしっかり分けられてあるのは非常に助かりました。もっとも散々検討した結果、結局買ったのは不織布貼りのマウスパッドだったけど。お金がかからなくて集めてるだけで楽しいからマウスパッドはついつい買ってしまう(´・ω・)

 言いたいことを端的に述べると、最近のヨドバシカメラは小売店として地味に重要な、いい商品を選別した上で陳列するという機能が欠けてきているような気がします。はっきり言って無駄なくらいに陳列する商品種類を増やしており、中にはクレームを出されても仕方のないような明らかな欠陥商品すらも紛れ込ませており、店側も消費者側も得しない事態を自ら招いているように見えます。
 逆にその点でビックカメラはよく販売する商品を精選しているように見え、今後秋葉原行ってみ淀橋にはいかず、ビックカメラで購入していくつもりです。まぁノートパソコンに関しては、近くのエディオンがやたら高性能なのをえらい安値で売ってくれるのであそこで買うのですが。

2024年2月25日日曜日

外国人投資家比率が高いという懸念について

 このところ絶好調で史上最高値も更新した日本の株価ですが、関連ニュースの反応を見ると外国人の持分比率が30%を超えるなど上昇していることについて、懸念を示す人が多いです。で以ってその手の人たちは政権批判もあるのでしょうが、

「ちょっと株価が落ち込み始めたら外人はすぐ手を引く」
「裏切るような連中に持ち上げられただけの株価」
「最高値といっても全然価値がない」

 などと、外国人投資家比率の上昇が乱高下を引き起こす懸念要因として否定的に語る内容をこのところよく見ます。ただこの手の主張に関して敢えて言わせてもらうと、非常に差別的な主張であり見解であるように見えます。一体何が差別的なのかというと、まるで日本人投資家が市場を読めないかのような前提で語っているという点です。

 結論から言うと、市場が落ち込んだり不安要素が出てきた場合、外国人投資家に限らず日本人投資家だって株を手放すに決まっています。下げ相場で株価を買い支えようとする日本人投資家がいるかと言ったらいるわけなんてありません。もしそんな輩がいるとしたら愛国心とかどうこう以前に、投資家として明らかに終わってるでしょう。
 またファンドなどの機関投資家に至っては顧客から預かった資金で運用しなければならず、クライアントファーストで利益を出すことが何より大事です。にもかかわらず変な愛国心とやらで日本株が下がった際に顧客の金で買い支えようものなら、いろんな面で問題が大きいでしょう。むしろ顧客の資産を保持しなくちゃいけないんだから、速攻で売り抜けるファンドの方が倫理的に正しい気がします。

 そうした観点から、落ちるときには日本人だって売り逃げるんだし、外国人投資家が今の日本株式市場で増えているということについて、特に問題視していません。意図的に日本の株価を貶めようとする輩もいるかもしれないという人もいるでしょうが、その場合起こるのは自爆営業もいいところで、そんな市場主義に反したおかしな行動取る奴なんてどうあがいたって多数派になるわけないんだし、ほっといてあげなよと言ってあげたいです。
 むしろ重要なのは、日本人であろうと外国人であろうと投資家に対し、今後も価格が上昇するという期待を抱かせるような政策と環境を用意し続けるということ、あと予測が困難になるような不安要素を作らないということが、株式市場において求められます。また外国人比率が増えているということは、それだけ外国人の目から見ても日本市場が魅力的と思われているのだから、それ自体はなんも悪いことなんてあるわけありません。

 そういう意味では、外国人比率の上昇に懸念を示す人はその時点でパーな人だと私は思っています。根拠なく勝手に不安を覚えてそれを周りにも煽ろうとする辺り、普段から周りによくない事吹き込んでる人なんだろうと勝手に想像しては無視しています。

墓場に現れる男

 セミの鳴き声が喧しい夏の夜、その日私は友人に誘われて、近くの墓場へと肝試しに行きました。誘ってきたくせに怖がる友人を引っ張りながら墓場の奥へと進むと、ある場所から、一種独特な空気のようなものを感じるようになってきました。

 このままいくと何かが起こる。そのような直感を感じた私は一瞬帰ろうとしたものの、そばにいる友人に弱気を見せまいと、かえって強気なふりをして一歩前に進みました。その瞬間、私の近くにあった墓石の後ろから突然、小太りの男がぬっと現れてきたのです。
 その男はぼろぼろな上着を着ており、私たちを見つけるとにたにた笑いながら近寄ってきて、こう口にしました。






























「ワイルドだろぉ」


 また仕事中、何故か以上の無駄なショートストーリーを思いついたので備忘録代わりに書くことにしました。いったい何故こんなショートストーリーを思いついたのか、真面目に仕事してんのかといろいろ疑いたくなりますが、少なくともいえることとしては私の中で杉ちゃんのマイブームはまだ続いているということでしょう。
 ちなみに興が乗って調べて、「我很狂野」というのが「ワイルドだろぉ」の中国語訳になるということがわかりました。非常に応用が利くというか、仕事でミスったときとかおなか壊したときとかでもこれ言えば何となく場が持ちそうないい言葉だと思え、今度中国人相手にも「我很狂野」と使ってみようかと画策中です。

2024年2月22日木曜日

日経平均が過去最高値を更新

 日本経済にとって超久しぶりに明るいニュースというか、本日日経平均の終値がバブル以来、っていうか史上最高値をついに更新しました。かねてより日本の株価は上昇傾向を示しており、また好材料もそろってて下がる要素もなかったので時間の問題だとは見られていましたが、何となく「楽しみをすぐに取りやがって(´∀`*)モウ」みたいな感じに思ってた以上に早かったという印象があります。

 先日書いた記事、というより去年からずっと私は日本は今景気が絶好調だと書き続けていますが、いまだに「好景気が実感できない」と言っている日本人が多いことに内心呆れています。今日の最高値更新のヤフコメの記事でも「スタグフレーションになってる」などとしたり顔して書いてる人間もいましたが、物価上がって給料下がったというのなら、社会じゃなく自分自身のせいだということに早く気付くべきでしょう。
 その給与に関しても大手企業は軒並みベアアップに応じる姿勢を示しており、中小企業ではなかなか難しいかもしれませんが、周りが上がっていけば上げざるを得ないだろうし、また転職が盛んになるというか人材市場が今後活発化していくと思われ、そうなった場合は時間経過で確実に上昇が見込めるだけに割とこの辺も私は楽観視しています。

 もっとも、生活保護世帯や年金世帯に関しては金額の変動がほぼないだろうから、物価が上がった分は文字通りダメージになってくるでしょう。この点に関しては行政と相談するか、せっかくリモートワークも広がったのだから、自宅などで可能な範囲で対応できる仕事を見つけていくしかないでしょう。

 話を戻すと、いまだ好景気を実感できない日本人ははっきり言えば自分の給与しか見れない近視眼的な人間であるか、そもそも景況感がわからない不感症的な人間じゃないかと私は思います。日本に住んでない分際で言うのもアレだということは百も承知ですが、一昨年秋の段階で私は日本の景気は今後非常に拡大するだろうし、街中の人々の顔も非常に明るくなっていて好景気だと指摘していました。タイムラグを置いて日本に来たからかえってわかったのかもしれませんが、ずっと日本で生活していたらむしろわかるだろうというのが私の正直な気持ちであり、それがわからずただ自分の環境だけで日本は景気が悪いままと考えるのは、さすがにどうかという気持ちを覚えます。

 そのうえで、やはりデフレの時代を経験してきた身からすると相対的にインフレというのはいい環境だと思います。この辺は日本なんかよりずっとインフレの激しかった中国で暮らしてきてもそう感じましたし、何よりインフレだと社会の変化に対応できない旧態依然とした企業が淘汰されやすく、恐らく今後ブラック企業も、転職市場の活発化によって以前に比べ減っていくという期待感も持っています。

 敢えて今後の日本経済の不安点を述べるとしたら、万博の混乱と地方議員の暴走で政権能力のなさを露呈してきている維新の会などの変な野党が政権を取るくらいじゃないかと思います。自民党も派閥裏金問題をはじめ問題が多いですが、野党に比べればずっとマシです。
 その裏金問題も、一応完全無視というわけじゃなく、安倍派を一掃したいのが本音でしょうが岸田総理も森友・加計学園問題に比べればきちんと対応しようという姿勢は感じます。

 そのうえで、改めて考えると安倍元総理は本当にやりたい放題だった上、経済政策も頓珍漢もいいところだったと思います。こう言っては何ですが、いいタイミングで死んだと思いますが、わざわざ政党綱領まで変えて三期目なんかやらず二期目でしっかり引いていればもっと勝ち逃げできたのにとも思います。プーチンとかもそうだけど権力者というのは引き際が本当に肝心で、吉田茂とか岸信介なんかはその辺が非常にうまかったなと感じます。

2024年2月21日水曜日

中国側から見た倭寇

 この前デザインをリニューアルしたヤン坊とマー坊は「ヤクザのヤン坊、マッポのマー坊」で、二人はおいつ終われる関係にあると脳内設定しています。

倭寇(Wikipedia)

 それはさておき今日のお題ですが、この前ふと気になったことから中国語媒体で倭寇について調べてみました。なんで調べようと思ったのかというと、日本側の倭寇に対する見方や解釈で中国側と相違がないかという風に思ったのと、自分の経験からもしかしたら、中国側の方がこの手の解説が充実しているからじゃないかと思ったかからです。結果から言えば、自分の想定通りでした。

 まず日本側の見解、特に前期倭寇は日本人が主体であったのに対し後期倭寇は中国人(当時は明)が主体であったとする学説に関しては、中国側もほぼ全く同じ見解を持っているようです。後期倭寇に関して中国でも具体的な中国人指導者名を挙げ、日本人もいただろうが末端の構成員に過ぎないという風に解説していました。

 次に中国側の解説を見てなるほどと思った点を挙げると、日本人が主体であった前期倭寇に関して、その正体は海賊というよりも南朝方の残党だったのではという説明がありました。
 倭寇が活動した室町時代初期、日本は南北朝の動乱時代にあり、九州は特に南朝の勢力が強い地域でした。その南北朝時代は三代将軍の足利義満によって終止符が打たれますが、敗北して土地を取られたり、中央地域から逃れてきた残党らが海賊となり倭寇となった説を挙げていました。

 この説の真実味がある点として、足利義満が日明貿易を開始するにあたり、明側からの倭寇取り締まりの要請に応じた点が挙げられていました。義満にとってすれば明との貿易で得られる利益は非常に大きいうえに、倭寇を取り締まることは南朝の残党勢力掃討にもつながるだけに、一石二鳥だったからこそ明側の要請に快く応えのではという風に説明されていて、私としては非常に納得感のある説明に思えます。

 一方、この前期倭寇の段階でも中国人主体の倭寇団体が存在していたという風に中国側では説明しています。その勢力というのは明、正確にはその開祖の朱元璋と中国統一前に天下を争った張士誠の残党たちで、彼らも日本人らと組んで海賊行為を行っていたとしています。

 そんな前期倭寇ですが日明貿易の開始とともに幕府の取り締まり、恐らく名将と名高い今川貞世の九州統治が働くようになって一時消失したそうですが、義満が死んで四代目の義持の時代になると日明貿易が打ち切られ、それに伴い倭寇取り締まりもなくなって再び活動するようになったそうです。その後倭寇は後期倭寇へと変わっていくのですが、最終的には豊臣秀吉の九州平定が成ったことで治安が回復され、倭寇の拠点であった九州の島々でも取り締まりが行われて完全に消失したとされています。
 なお中国の歴史書では豊臣秀頼の朝鮮出兵も「倭寇」と表現していたそうですが、単純に当時の日本蔑視からくる言葉で、海賊としての倭寇を表しているわけではないと中国側でも解説されています。

 それでこの倭寇ですが、まぁ単純に食うに困って海賊行為をしていたのはわかるのですが、その実入りはどんなものなのかというのがちょっと前から気になっていました。この点について中国側の解説(百度百科)によると、中国と比べて当時の日本ではまだ工業が発達しておらず、衣類などの軽工業製品が異常に高値で売買されていたそうです。具体的には、恐らく銀本位での価値でしょうが、中国での売値に比べ日本での売値は十倍くらいも差があったそうで、だからこそ中国沿岸で強奪してでも日本に物を売りに行こうという海賊が現れたということになります。

 またこれは倭寇について、日本国内ではあまりその被害について触れられないという理由の裏付けにもなると思います。中国側での倭寇の被害は相当なもので、単純な経済的損失だけじゃなく鎮圧に向かった軍隊が逆襲にあって指揮官が何人も死んでたりするそうです。そうした被害の話は日本国内ではあまり聞かれないだけに、「倭寇を止めて」という明側が室町幕府に要請した話も私は子供の頃、いまいちピンときませんでした。
 倭寇からすると日本は強奪した品物の販売先にあたるため、盗難品を横流しすることはあっても襲うことはなかったのでしょう。むしろ襲うことに何のメリットもなく、また日本側からしたら正規の貿易で仕入れるよりも盗難品を安く手に入れられたであろうことから、倭寇取り締まりに対し抵抗する商人や勢力もいた可能性があります。

 このように考えると倭寇というのは、当時の経済貿易を見るうえでも非常に重要な指標足りうる気がします。また倭寇自体、私は日本人とか朝鮮人、中国人のどれであったかという議論はそもそも大きなトピックだとは思えず、現代のように国家意識がはっきりなかった時代なのだし、もっと単純に環東シナ海系住民として捉え、当時のこの地域における人や物の流動を調べる対象として研究すべきじゃないかと思います。

 しかし日本側において、ほぼ確実に倭寇の根拠地であったと推察される対馬や壱峻島はあまりこうした倭寇関連の研究に熱心ではない、というより博物館などを見る限りだとむしろ隠そうとする傾向すらあります。やはり海賊行為だから後ろめたさがあるのではないかと思いますが、当時のあの一帯がどうであったのかを調べるためにも、ありったけの夢をかき集めて研究を盛り上げてもらいたいです。
 もっともこれは対馬と壱峻島に限るわけじゃありません。色々な解説を読む限りだと、沖縄などの島々も倭寇がいたとされ、恐らく九州の沿岸地域においても倭寇の拠点があったと思われます。こうした地域でも探し物探しに行くように、地域の海賊史を調べてほしいです。

 以上のような後ろめたさからやや乗り気でない日本と比べると、被害記録も残している中国の方が倭寇に関して詳しく調べられる気がします。私自身も結構関心を持っているテーマなだけに、今後も何か中国語媒体で発見があったらどんどんここで書いていくつもりです。