上の記事見て、「ああやっぱ」という気持ちになりました。というのもこの「金田一37歳の事件簿」、回を追うごとにやばいくらいつまんなくなっていったからです。
単行本が2巻まで出ている頃に自分も買い始めて読みましたが、最初の方はそこそこ面白く、特に回目の京都を舞台にした事件の話はよくできていると感じたほどでした。そんな感じで途中までは面白くなっていったものの、後半に行くにつれて話はどんどんつまらなくなり、トリックも「こいつが犯人じゃん」と読んでる途中にすぐわかるくらいお粗末な物ばかりとなり、途中からは新刊は発売日には買わず、セールが始まってから買うようになりました。
一体なんでつまらなくなったのかと言えば、トリックがしょうもなくなったからと言いたいところですが実際のところ推理物でトリックの良しあしは面白さにそんなつながらないと思います。それよりも舞台というか人間関係のストーリー構成の方が重要で、このストーリー構成がこの漫画だとどんどん悪くなった印象があります。
端的に申し上げれば、「これお前がやらなくてもいいじゃん」という話になっていきました。
序盤こそはブラック企業に勤める主人公が行く先々で事件に巻き込まれ、かつての人脈や現在の社会人としての立場や経験、態度を活用して推理していく展開が見られました。しかし話が進むにつれて事件内容が外界との連絡が立たれたクローズドサークルが舞台となる話が増え、こうした環境では上記の「社会人となった金田一」ならではの話の展開が一切ありませんでした。むしろ高校生時代の金田一に立ち位置が近くなり、まるで「金田一少年の事件簿」の焼き直しのような話が延々と繰り返されていくようになりました。
おまけに妙な犯人というか「お前ヤバいやろ」的に逆恨みで人殺す犯人ばかりになったり、オカルトっぽく死人がイタコみたいに話し出したり、読んでて(。´・ω・)?みたく理解に苦しむシーンが増えていきました。極めつけは全シリーズから出ている高遠というキャラで、完全にメアリー・スーみたいなキャラになって遠隔で人殺すなど贔屓も対外にしろよと言いたくなってきました。
ぶっちゃけ自分が編集だったら、この漫画の人気を立て直そうというならいきなりこの高遠の死刑執行シーンをぶちこんで、こいつの存在をなかったことにしたことでしょう。間違いなくこのキャラがこの漫画のガンでした。
改めて述べると推理物は漫画にしろ小説にしろ、トリック以上に人間関係や舞台が重要です。せっかくこの漫画では高校生から社会人となった主人公がその立ち位置を変えて新たに事件を推理する形式に切り替えたにもかかわらず、クローズドサークルというその切り替えを完全に台無しにしてしまう展開をえらく繰り返し、話をどんどんつまらなくしてしまったというのをはっきり感じました。
ほんと後半はヤバいくらいつまらなかったし、犯人も「私が犯人です」ってタスキをかけている様にすら見えたし。