話は阪急デパートになりますが、ここに限らずこの1ヶ月デパートやショッピングモールなどの商業施設ではどこも人で溢れていて、密かに驚いていました。平日昼間でも喫茶店では主婦層らしき女性らによって満席でなかなか座れず、販売店の方でも多くの人で賑わい、一体何故これほど客が来ているのに日本人は好景気だといわないのかが余計不思議に感じました。
それと同時に十年前と完全に逆転したというか、日中で商業施設、特にデパートの人の入りようが現在また正反対になっているということも痛感しました。具体的には、現在中国のデパートではあまりにも客が来ず、閑古鳥が鳴いて閉鎖するところも少なくありません。
十年前であればこの状況は逆で、日本はまだ中国人の爆買いブームが起こる前でどこのデパートも売上の落ち込みが続いており、「消えゆく業界」などと語られていました。反対に中国は経済成長を追い風にデパート、ショッピングモールともにどこも大賑わいで、私も十年前に日本のデパートを訪れた際はこんなにも人がいないものかと中国とのギャップに驚いていました。
しかし現在はその状況は完全に逆転しています。外国人観光客も多いとはいえ前述の阪急デパートでは日本人客も少なくない、というより大半を占めており、下手な観光地よりは中国語などの外国語はあまり耳にしませんでした。
ちなみにその前々日に訪れた奈良で利用したタクシーの運転手は、「今日の奈良公園は絶対日本人より外国人のが多かった」と話していました。
話を戻すと、以上のように活況を呈す日本と違って中国では、比較的建設から日が浅いショッピングモールはまだ別ながら、古くなったショッピングモールやデパートではマジで人が来なくなり、テナントが入らず空いたスペースがあちこちにあって目立ち続けています。こうした状況は中国の近年における不景気も大きいでしょうが、それ以上に要因としてでかいように思うものとして、異常に発達してしまったネット通販ことECショッピングの影響があると睨んでいます。
日本でもECはもはや一般的で、二十年前と比べるなら利用したことない人はもはやほとんどいないといっても過言ではありません。しかし中国では日本以上にECが発達しており、送料も消費者負担はほぼゼロという手軽さもあり、マッチ一本買うのにもネットを使って自分でお店に買いに行かないという人も珍しくありません。
ちなみに私がネットで買うのはUSBハブなどPC周辺機器が一番多いです。日本だと2000円以上はするUSBハブが中国だと500円くらいで気軽に買えるのと、あんまり場所取らず収集できることから同じ機能の周辺機器を何故かやたらと買い込んでいます。
また話を戻すと、何となくこの以上に発達したEC社会によって、中国の実体小売はもはや成り立たないくらいにまで苦境に追いやられているのではないかというように見えます。商品だけでなく食材や調理済み料理まで中国はスマホ一本で注文でき、お店へ行って買い物するという人がマジで日本と比べると少ないです。それこそ、いろんなお店を回って商品を吟味するような人となるとレアキャラとなってくるでしょう。
日本のデパートが現在のように今後も活況を呈するかはまだわかりませんが、中国に関しては今後もずっとデパートには人が戻ってこないような気すらします。そう考えると、中国政府は個人消費を促すため現在あれこれと手を打っていますが、それらの政策はECの異常発達によってあまり奏功しない可能性があります。それ以前に、個人消費がネットに集中し過ぎて外出→電車→商品購入→外食などといった外出によって連鎖的に生まれる消費も発生しづらくなっているかもしれません。まぁ昔の日本もデパートに人いなかったんだから、あまり人のこと言えませんが。
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