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2017年5月31日水曜日

書評「東芝解体 電機メーカーが消える日」

 

 いつもAmazonの商品バナーは下部につけていますがたまには商品説明もかねて上からつけてみようと思います。まず結論から言えば非常に「買い」な本で、日系エレキ業界の現状を量る上では文句なしにお勧めできる内容です。

 この本は私が「総理」というダメ本読んで勧めてくれた友人に文句言った後、「これならどうだ?」と訪問販売のセールスマンのように続けて勧められた本です。著者の大西康之氏はこれ以前にも「会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」という本を読んでおり(勧めたのはまた例の友人)、その内容と取材ぶりにはかねてから評価していたのでこの本も言われるがままに手を取りました。

 概要を簡単に話すと日系エレキ業界(電機と言わないのはシステムメインの富士通も入ってるから)の成り立ちから現状、そして何よりもその「親方日の丸」な構造について詳しく解説されており、さらに東芝やソニー、シャープなど各大手企業について個別に現状と今後について分析がなされています。長年エレキ業界に携わっていたという筆者名だけあってどのようにして紹介されている大手がのし上がり、そして衰退していったのかについてライブ感たっぷりに描かれてあり、特に富士通のニフティ売却について明確に「悪手」と評した上でその理由と背景を説明している点についてはよそではあまり見られない分析なだけに、読んでて大いに唸らされました。

 そうした個別記事もさることながら、前半部に書いてある日系エレキ業界の構造こそがやはりこの本の肝でしょう。説明されてみるとごくごく当たり前の事実なのですが、逆を言えば指摘されない限りは気づきづらい「親方日の丸」の構造について、NTT(電電公社)と東電を頂点とする親子構造によって説明しており、具体的に述べるとNTTと東芝がそれぞれ通話料、電気料金という自分たちで自由に価格設定できる実質的な税金によって設備投資を行い、それらをNECや富士通、東芝や日立が受注することで成り立っていたと喝破しています。
 しかしいうまでもなくこの構造は既に崩れており、それらがエレキ企業の衰退を招く一因となったと指摘しています。言われてみれば本当に簡単な構造ですが、恥ずかしながら自分は今の今までこうした構造を意識することがなかっただけに強く感銘を受けました。

 このほか見どころとしてはソニーの出井時代について肯定的な評価がなされている点や、エレキの中で唯一の勝ち組と言われている日立の収益構造が先細っているという現状があり、内容的にはおっさんも学生もエレキ業界についてしっかり学べる内容になっています。
 本来は少しは批判したりしないと書評として成り立たないのですが、この本については私から批判できる点は何もありません。前に読んだ三洋電機の本も見事でしたがそれ以上の鋭さを持って書かれており、あとがきにもありましたが著者の集大成的な本だと思えるので興味がある方はぜひ手に取ってもらいたいと思います。

  おまけ
 勧めてくれた友人に感想を伝えた際、第一声は「最初に出てきたお魚さんの絵がいい」でした。何故あそこでお魚さん使ったのかちょいちょい不思議ですが、不思議と私の心はがっちり捉えられてしまいました。

2017年5月30日火曜日

コメダ珈琲上海店

 (邪魔やおっさん)

 (こっち見んな)

 前から噂には聞いてはいたものの足を運んだこととがなかった上海のコメダ珈琲店に一昨日行ってきました。写真下のキャプションは私の心の声です。

 コメダ珈琲とは愛知県在住なら言わずもがな、最近は東京周辺にも増えてきていてマッドシティこと松戸にすら存在する日本の喫茶店チェーンのことです。私自身は名古屋で何度も訪れているだけでなくマッドシティ店にも友人といったことがあり勝手知ったる喫茶店ですが、特段ひいきにしているわけでなくメニューを覚えている程度の店という感覚です。
 なお、やはり喫茶店チェーンで一番評価しているのは京都のイノダコーヒです。あそこは他の喫茶店関係者に聞いても、「イノダには勝てない……」とみんな口を揃えて言います。


(店内は日本とまんま)

 場所は上海高島屋の隣にあるオフィスビル一階で、入り口は正面からではなく高島屋の地下鉄側一階入り口の脇から入った方が近いです。

 レイコー大は32元(約480円)

割と既視感の強いメニュー

 ざっと見た感じは日本の形態をそのまま持ってきている感じで、言い換えれば中国向けのローカライズはあまり見当たりませんでした。なお上記の写真にはありませんがシノワールも置いてあったもののそれ以外の甘味系メニューはほぼなく、ケーキとか食べようと思っていたのでこの点は個人的に残念でした。

 この時所持金が心もとなかったのですが携帯決済することができて一安心であったものの、それ以上はこの日はもうお金が使えず、家にずっと籠ってました。お金がない辛さを学生時代ぶりに思い出してます。

2017年5月29日月曜日

「総理」レビューとジャーナリスト山口敬之氏の疑惑

総理(Amazon)

 つい先日、というか先々週に上記の本を読みました。この本を手に取ったきっかけは友人からの猛プッシュを受けてのことで、「単独の政治本でこれほど好評なレビューが集まることはまずない」とまで言われて購入はしたものの、当時タブレットPCを故障により紛失していたことからなかなか読めず、新たにファーウェイのタブレット(性能めっちゃええけどビックカメラの店員、パスポートのこと聞いてくれたらよかったのに)を購入したことからようやく先々週に読むことができました。
 読了後、上記の勧めてくれた友人にさっそく感想を伝えましたがその内容というのも、「一体何故こんな本を俺に勧めたんだ?」という、自分でもかなりびっくりするくらい辛辣なものでした。さすがにストレートでここまでは言わず、「正直、勧められもののそれほど評価できない。というより、一般に読まれるべき本ではないしむしろ『読むなこんなもん!』というべき対象だ」というくらいやんわりとは言いました。

 私が何故これほどまでに辛辣な感想を持ったのかというと、政治解説本として単純に恐ろしく質が悪いからです。書かれている内容というのも筆者の山口敬之氏と安倍首相、麻生大臣との距離や関係性についてしかなく、途中に至っては、「あの政治的決断は自分が両者のメッセンジャーをやったからなされたんだぞ」という具合ではっきり書かれているところがあり、言い換えれば安倍首相と距離が近いことをあからさまに自慢する内容すら書かれています。

 一応、消費税増税先送りや総裁選再出馬の前後については詳細に書かれてはいますが、これらに関しては他の政治本でも十分把握できる内容だし、後者に至っては安倍首相をよく見せるために露骨なミスリードすらなされています。
 具体的に言うと、安倍首相が何故一度降りた総理の職を再び目指したのかという点について山口氏は、「東日本大震災と中川昭一の死が影響した」と指摘していますが、これは政治家の分析としては大いに間違っていると私には思います。まず東日本大震災について「影響を受けた」という政治家はたくさんいる、というか思想や感情に影響を受けていない人は日本人全体を含めてまずおらず、それた大多数の人たちと安倍首相の間では何が違うのかが書かれていません。強いてあげれば、「被災地訪問に山口氏が同行していた」という点だけが異なり、こう書くことで安倍首相の話を引き立てられるからでしょう。

 次に中川昭一の急死についてですが、確かにこれは安倍首相も少なからず影響を受けていますが、私が見るに現在の安倍首相のメンタリティに最も強く影響させた死は間違いなく松岡利勝でしょう。覚えている人には早いですが戦後初めての現役大臣(農水)の自殺にまで発展し、やはり今の安倍首相を見ていてリスク管理や大臣クラスの失言に対し、松岡自殺事件を意識していると思う節が多々見られます。中川昭一の自殺はお涙頂戴になりますが松岡利勝の自殺は安倍首相を貶める書き方になるから敢えて全く言及しなかったのではないかと私は見ています。

 そのほかこの本の欠点を述べると、安倍首相と麻生大臣しか政治家が出てきません。恐らくこの二人以外にあんま友達がいないのと、だからこそこの二人に利用されたんじゃないかなと思うのですが、文章を読んでいても安倍首相の政敵となる相手、具体的には石破氏に対してはやや辛辣な書き方が見え隠れしています。言い換えれば、安倍首相の忖度を受けて書かれた本じゃないのかなと思えてならず、内容からして読んでて事実を見誤る要素がふんだんに盛り込まれ、必要以上に安倍首相を持ち上げる記述があるため正直言って私は不快感を覚えました。
 唯一評価できる点を挙げるとすると、日本の政治記者というのはしばしば派閥単位で志向を巡らせることが多く、政治家個人単位で分析したり書いたりすることは案外少なかったりします。それら一般の政治記者の本に比べると派閥の話がほとんど出てこず安倍首相個人を中心に据えて書かれているため、観点としては悪くはありません。もっとも派閥単位で書けるほど人づきあいがなかっただけかもしれませんし、安倍首相個人を語る上では彼の御母堂を無視するというのは私の中ではありえませんが。昭恵夫人に対してすらも全く言及されていないし。

 それがためAmazonのレビューで好評意見が多いというのも、私からすればやや奇妙に移りました。何人かは私と同じような感想を持っており上記に挙げた点についても指摘されている人がいましたが、この本を評価した方々についてはもっといい政治解説本があるのだからそっちの方を読んだ方がいいのにと思えてなりません(友人を含め)。
 具体的には、文芸春秋にある赤坂太郎氏の定期コラムが一番簡潔でいいでしょう。これ書いている人は朝日新聞の記者だという噂がありますが、すでに十年以上も同じ調子で書かれていることを考えると複数人のペンネームかもしれません。

「私はレイプされた。不起訴はおかしい」著名ジャーナリストからの被害訴え、女性が会見(BuzzFeed Japan)

 そんな具合で友人に対しても遠慮なく不満をぶつけるくらいフラストレーションたまっていたところ、出てきたのが上記疑惑です。事件の訴え自体はその友人からも知らされていましたがこうしてトップニュースになるあたり本人もニュースな男になったじゃないかと感心しています。
 件の疑惑が真実であるかどうか私には判断する根拠や術はもちろんありません。ただ先ほどの本の内容、特に自分と安倍首相の近い関係をジャーナリストでありながら自慢するという記述の仕方を見る限り、自尊心が高い上に何か自慢せずにはおられず、思想に偏向がある人物のように私は感じたため、疑惑が事実であっても何も驚きがありません。

 繰り返しになりますが、政治家との距離を自慢するというのは私の価値観ではジャーナリストとしてまずあり得ない行為で、友人や記者仲間とかに自慢するだけならまだしも、堂々と本に書いてしまうあたりは正常じゃない気がします。私個人としては、こういう方にはあまりジャーナリストと名乗ってもらいたくないというのが結論です。

2017年5月28日日曜日

今そこにある危機

 中国は5/30(火)の端午節という祝日に無理やり日、月、火という連休に絡ませるため、昨日5/27(土)は出勤日で普通に仕事がありました。この土曜の出勤日分が月曜への振替にすることが国によってきめられているのですが、中国ではこういう妙な祝日の差配が多く地味にむかつきます。
 もっとも連休前とあって土曜は有休をとる人も多い上に社会全体も連休モードのため仕事が忙しくなるということはないのですが、私の方は抱えている案件があったため割と午前中は集中して仕事したものの、午後は手持ち無沙汰になったため次の原稿の調べものとかしていました。

 そしたら突現携帯にメールが来て、見てみると銀行からでした。なんでも三連休中に銀行システムアップデートをやるため連休中はATMでの引き出し等ができなくなるとの通知でしたが、「何故直前の前日に通知する?」というのが気になったものの、敢えて深く考えないようにして仕事に戻りました。
 ただこの時、財布の中身がやや心もとない状態だったことを思い出し、連休中ともなれば何かにお金使うかもと思って一応夜のうちに引き出しておこうかとは気には留めていました。そして仕事が終わってあらかじめ約束していた元同僚と市内で夕食を取った後、夜十時に自宅近くのATMに寄って引き出そうとしたところ、何故かATMの小部屋がロックされてて開きませんでした。

 見てみると張り紙があり、メール通知に書かれていた内容に加えて、「ATMは27日夜8時以降は使えなくなります」という文言が書かれていました。聞いてねぇよこんなこと!
 もっと早く下ろしておけばと後悔先に立たず。しかもこの時困ったことに、ただでさえ心もとない金額だった財布の中身が元同僚との夕食でさらに目減りし、リアルに80元(約1200円)しか残っていませんでした。このままだと連休越せないのではと激しく焦り、何か手はないかと思って試してみたのは携帯電話アプリのウォレットへのチャージでした。

 このアプリとはWe Chat(微信)というLINEをパクった決済機能付き中国アプリですが、銀行カードとリンクさせることで日本のSUICAみたいに携帯からお金をチャージすることができます。早速試してみたところ無事にチャージができ、まずは100元をチャージしました。
 これで少し安心して、連休中に何か支払いがあっても携帯アプリから決済すればいいと思っていったんはそのまま自宅に帰りました。しかし自宅に帰った後、もしかして翌日からはこのチャージや、銀行カード経由での携帯決済もできなくなるのではと思い直し、携帯電話のアプリ内にもっと金額をチャージしておこうと思って追加で300元チャージすることにしました。いったんアプリ内にチャージしておけば銀行カードとは関係なく決済できるので、普段はアプリ経由の銀行カード直接決済を行っているものの、保険としてアプリ内ウォレットへのチャージを追加したわけです。

 結論から言うとこの決断は正しく、翌日からは携帯アプリからも銀行へのアクセスは完全にできなくなりました。仮にウォレットへのチャージを忘れていたら、ガチで80元だけで連休3日間過ごす羽目となっていたでしょう。
 っていうかそもそも何故システム止めるという通知を前日にするのか、もはや怒る気にもなりませんが日本だったらニュースになることが中国ではニュースにならないし激しい混乱も起こらないあたりこの国はおおらかだと思います。それにしても結構冷や汗かいたことはもとより、明日も明後日もあんまりお金使えないから家に引き込まらないとなというのがいろいろ気をもたげます。

2017年5月25日木曜日

中国人事トラブル記事の反応

本当にあった、中国の人事トラブルに関する怖い話(JBpress)

 また定期ネタですが、一昨日公開された自分が書いた記事についてです。っていうか掲載日をすっかり忘れていてYahooニュースの雑誌ランキングを見て公開されていることに初めて気が付き、なんていうか昔に「太閤立志伝5」というゲームで鉄砲作って「ビームライフル」と名前を付けてしばらくした後、見知らぬ銃を拾って鑑定士に見せたら「これはビームライフルでござるな」といきなり言われて驚いたのを思い出しました。

 さてまた例によってYahoo配信記事のコメントを眺めたわけですが、これまでの記事に比べると比較的納得感があるというか、今回はきちんと自分のメッセージを受け取ってくれている人が多いなと感じました。記事内容については直接呼んでもらいたいのですが、この記事を読んだ反応によっては厳しい評価を下さざるを得ないというのが結論です。

 まず本文中で私は紹介したトラブルについて「極端なものばかり」と書いていますが、実はこれは真っ赤な嘘で、敢えて正しい言い方にするなら「(日本人から見れば)極端なものばかり」になります。この程度の人事トラブルなんて中国では日常茶飯事で、さすがに最初の例、記事中では遠慮して会社名を挙げませんでしたが上海にあるオリンパスのオフィスで従業員が刺されて大量出血したというのは都市部だと珍しい方ですが、解雇時に従業員がいろいろやらかすというのは中国では日常茶飯事です。というより、日本以外の国では日常茶飯事です

 Yahoo記事のコメントを見ているとちゃんとこの辺のことをわかっている人が多いのか、こうした人事トラブルは海外の現場ではごく普通で、むしろ日本の方が特殊だと指摘しているコメントが思いのほか多かったです。私の価値観でもその通りで、今回取り上げた人事トラブルは中国が特別だから起こるのではなく日本以外の海外ではどこでもこうした例はあり、むしろ意外に捉えてしまう日本人の方がイレギュラーです。

 コメントを見ると海外駐在経験をしたと思われる人のコメントも散見され、上位に入っているコメントを引用させてもらうと、以下のようなものがあります。

「今まで5ヵ国の発展途上国で仕事してきたけど、これが普通な気がするな~。
中国人は頭も良く、悪知恵付いてるから厄介そうではあるが。
まあ、日本が特殊と思った方がいいよね。」

(以下、上のコメントへの返信)
「そう思いますね。パワハラや追い出し部屋に従業員をいれて精神的に追い込んで退職に追い込むような方法は日本でしか通用しない。社畜というほど従順な日本人従業員と警察が真面目に働いてくれるという前提があっての事です。
そういう環境を悪用する日本企業もまた腹立たしい存在だ。
日本も銃の保持を許可されるようになれば、パワハラも減るかもしれませんよ。アメリカ人が銃を持つ自由を主張するのもわからなくはありませんね。」

「日本人は日本と外国は同じようだと考えているが、日本だけが特殊だと思ったほうがよい。日本人は正直、誠実を好み、裏切ったり約束を破ると良心の呵責にさいなまれる傾向にある。だが東西を問わず多くの外国人はどうもそうではないようだ。」

 正直に言えば、上記のようなコメントを見て少しホッとしました。基本的に私は「わかる人だけに伝えればいい」というスタンスですが、わかる人が全く存在しないとなるといろいろ不安になるというか、ちゃんと世界と日本を相互に比較できる人間が日本国内にいるのかという点での不安はやや解消されました。
 逆にはっきり言和せてもらうと、今回記事に書いた例を見て意外に捉えてしまったのであれば、日本国内にずっといるなら別にいいですが、井の中の蛙のような価値観と言わざるを得ません。

 このようにきつい言葉をなぜわざわざ書くのかというと、この記事のもう一つの裏テーマを強く主張したいからです。その裏テーマというのも、日系企業の人事のレベルが世界的に見ても極端に低いと思うという点です。

 上記の通りに世界の会社では解雇などによる人事トラブルで命を狙われたり逆恨みされたりすることはいくらでもあり、それだけに人事担当職は相応のタフネスや決断力などが高く求められます。しかし日本の場合は従順や素直を通り越して愚鈍なまでに抵抗せず、給与交渉を含めてあまりにもされるがままです。それに甘えてか日系企業の人事は営業や製造などと比べても他社と比較される機会が少ないこともあり、私から見てあまりにも仕事してないというか責務を果たしていないようにすら思えます。
 逆を言えばそういう意味では日本の人事部は改善の余地があるということにもなり、私自身も派遣問題とかいろいろ関わってきましたが日本の産業全体で「人事部とは何か?」というのをこの記事を通して少し考えてもらえればなと思って書きました。ついでに、日本の労働者もさすがに刃物で刺したりはよくないけど、バット持ってガルベスみたいにもっと暴れたりしてでも要求や主張を行うべきだとも言いたいです。もっともガルベスはピッチャーで、審判相手にやったのはボール投げだからバット関係ないけど。

 最後にこの記事に出てくる物流会社の駐在員ですが、この人は私の直接の知人で、記事中ではやられ役となっていますが現実では中国人も真っ青なことを平気でやってしまうこてこての大阪人です。中国語は使えませんがそんなのお構いなしに中国人相手でも一方的に日本語でまくしたて、きちんとできなかったら、「なんで日本語わかるやつ通して聞かんかったんや!」とまくしたてるそうです。
 そのほか雨天の中で車を運転中、歩行者に水かけるなと言ってるのに速度を落とさず脇の歩行者に水をかけた中国人運転手に対し、「なに笑っとんじゃボケ!」と言って助手席からいきなり殴り飛ばし、その場で車から降ろして解雇したこともあったそうで、やっぱこれくらいじゃないとこっちで管理職やっちゃだめだよなといつも深く感心させられます。つっても、ほかの大阪人からしてもあの人は特別だとよく言われてますが。

  おまけ
 今回のコメント欄で一番呆れたのは、

「これ、去年の夏の事件なのに、なぜ今頃話題になるの??」

 というコメントでした。この記事は人事トラブルをテーマにしたコラムであって事件速報の報道記事でないのに、なんでこんなこともわからない上にわざわざ文字にして残すのか理解に苦しみました。マジこんなことまでいちいち言いたくないんだけど私も。

2017年5月24日水曜日

与謝野馨氏の逝去について

「キッズウイーク」導入を=安倍首相「親子の時間必要」―教育再生会議(時事通信)

 本題とは外れますがまた思い付きのような無駄な政策を挙げてと上のニュースを見て呆れました。第一、「プレミアムフライデー」ともども、いちいち横文字使ってんじゃねぇよと言いたくなりますが、こうした横文字が使われる背景は何かしら後ろめたい理由とか別の思惑が混ざっている証左だと思います。多分この政策も、子供というよりかは学校現場の教師などから休日を増やせという要請があったから出てきたのではないかと睨んでいます。

【訃報】与謝野馨元衆院議員(78)が死去(NNN)

 それで本題ですが、最近自民党が復党を認めたという報道があって奇妙だと思っていましたがこういうことだったのかと納得しました。言い方が悪いですが既に死にかけていたこともあって温情として認めたのでしょう。

 与謝野氏については過去の私のブログを検索してもらっても度々登場する人物で、そこそこ長くブログを続けていることもあってなんかだんだん登場人物が減ってきたとも思えてきます。何故かこの記事に与謝野氏が何度も出てきたのかというとやはり政界においてもキーマンたる重鎮でその存在を無視できない政治家だったからです。

 そんな与謝野氏への私の評価を述べると、まず上記リンク先の記事にも書かれている通りに政策通であったことは間違いありません。比較的オールラウンドにどの分野にも通じており、特に財政分野に関しては自民党内きっての財政再建派で、私も同じ志向を現在も持ち続けていますが与謝野氏の発言や主張には納得させられたりすることも多く、その政策案などにもきちんと論理的裏付けもあって高く評価し続けてきました。

 ただ政治家として見た場合、正直なところあまり評価できません。何故かというと致命的なまでに政局勘が悪い人だったからです。
 自民党時代は年季を重ねるに連れて何度も閣僚入りするなど、その高い政策知識から周囲からも頼られる人材でしたが、一方で派閥というか周辺の仲間づくりはそれほどうまくなく、自民党内でもウマが合っていたのは比較的誰とでも仲良くできる故鳩山邦夫くらいだったのではないかと思います。また総裁選に出たタイミングや、政局に関する意見などを聞いていてもどれも疑問符を持つものばかりで、政治家として強く求められるタイミングを見極める方面の能力はかなり絶望的であったとみています。

 それがはっきりと露呈したのはわかっている人にはもうお判りでしょうが、自民党を離党した挙句に民主党政権で閣僚入りした時です。

 与謝野氏が何故自民党を離党したのかについては私もよくわからず、当時聞いた説では当時の自民党総裁の谷垣氏とソリが合わなかったという意見がありましたが、果たしてこれだけで離党するのかとなると疑問で、この方面でだれか情報があったら教えてもらいたいです。
 ただこの離党、そして民主党政権入りは、当時としても既に民主党の失政ぶりが目立ち批判も増えていた時期だということを考慮すると、火中の栗を拾うどころではなく、燃えている家の中へわざわざ消火器を取りに行くかのような理解できない行動であったと私自身は見ています。実際、この離党で民主党の菅直人政権時こそ特命大臣に就任こそしたものの、その後は本人の病気による政界引退もありましたが完全に過去の人扱いで、自民党が与党に返り咲いてからはますますその傾向が強まっていきました。

 何も何でもかんでも政治家は時局に追随すべきとは言いませんが、与謝野氏の場合はあまりにも時局というか政局を無視というか全く見当違いの方向に動くことが多く、それが政治家としてはあまりにも致命的過ぎたというのが私の評価です。とはいえ一時期は総理候補(あの時は誰も出なれたかもしれないけど)にも名を挙げられるだけの重鎮となったことは間違いなく、今回の訃報を聞いて私も、「ああ、この人も逝ったか」と思うほどは寂しさを覚えた人物です。
 謹んで、ご冥福を申し上げます。

2017年5月22日月曜日

自殺率統計に関する代表的なミスリード

安倍首相「朝日新聞は言論テロ」に「いいね!」 朝日記者が官房長官に事実関係ただす(産経新聞)

 本題と関係ないですが上記記事について、なんでこんなことに朝日もいちいち目くじら立てるのか見てて呆れます。第一、こんなこと指摘する朝日の記者どもは自分の記事内容とかに「いいね」とか押してないのかってんだ。
 なおここだけの話、自分がJBpressに書いた記事のYahoo配信記事のコメントとか見て、まともな批判ならともかく頓珍漢に記事内容を批判するコメント書く奴に対して何度も×マークをクリックしたくなりますが、さすがに筆者本人がやったらそれはまずいと思って我慢してます。同様に、〇マークについても一切クリックしていません。

 話は本題に入りますがこの前の記事で私は、日本が自殺が大きな社会問題であるかのように仕立て上げようと厚生労働省が統計操作をしているということを指摘しました。私自身は自殺者は死にたがってるんだから素直に死なせてやれよと思うのですがそれはさておき、こうした自殺を過剰に煽り立てる世論操作は今に始まることではなく十年以上前からこういったことは盛んで、今日はそういった際に用いられる代表的フレーズを紹介します。

「日本は先進国の中で自殺が最も多い」
 これなんかもっとも代表的なフレーズですが、結論から言えば間違いです。自分は十年以上も自殺統計見ていますが日本の自殺率がロシアを超えたことは一度もなく、厚生労働省の価値観ではロシアは先進国ではないようです。
 なお最近だと韓国にも抜かれており、どうも抜かれたあたりからこのフレーズが使われる機会は減っていった気がしますが、今でもよく知らない人がそのまま引用しているのを見るので個人的になんとなく不満です。

「日本の若者の死因一位は自殺」
 日本に限りません。病気することが少ない若者は、よっぽど治安が荒れてて殺人が多いところでなければ世界中どこでも死因の一位は自殺です。むしろこれは治安がいい、感染症が少ないということを意味するので「日本の若者の死因一位は自殺なんだよ。やったね!」と喜ぶべきフレーズでしょう。

「日本では若者の自殺が増えている」
 これは事実で、少子化にもかかわらず自殺数、率ともに確か増えていたと思います。ただ、それでも自殺者の圧倒的多数は50台以上の高年齢層によって占められているのですが、政府の自殺対策はやたらと若者向けアピールが多く、なんとなくですが「若者に自殺されたらまずいけど高齢者はこのまま減っていってほしい」なんていう思惑があるのではないかと疑っちゃいます。
 っていうかこういうこと平気で書くあたり自分って怖いな。

「日本は昔から切腹など自殺に対する意識や習慣が強く、自殺大国だ」
 上位30位には入りますが上に上がいくらでもおり、自惚れるなと言いたいところです。第一、切腹の習慣がなかったロシアやリトアニアは常に上位をキープしているあたり、あんまこういった思想や習慣は関係ない気がします。自殺大国と名乗るからにはせめてトップテン入りしてから言うべきでしょう。

 以上が主たるフレーズでいくらかは見たことがある人も多いのではないかと思います。なお厚生労働省が自殺率を引き上げて今後世界トップテン入りを目指すというのならいい方法があり、検死もっとしっかりすれば一気に跳ね上げられる可能性があります。というのも日本は異常死に対して検死医が不足していることもあってほとんど検死を行っておらず、相当件数の自殺が病死として片づけられているという現状をよく耳にするからです。
 逆に検死によって自殺件数が減る要素もあり、いわゆる「エクストリーム自殺」に分類されるケースがそれで、誰がどう見たって他殺にしかみえない案件が警察が捜査に乗り気でない、っていうかサボる目的で無理やり事故死に分類されることもあります。それだけに日本の世界自殺トップテン入りはまだまだ遠そうです。

 なおこの記事は敢えてふざけた文体で書いています。自殺に関しては深刻にとらえて社会問題と認知すればするほど増えていくという傾向があり、変に自殺対策とかで真剣に議論するよりかは、「どうやったら自殺が増えるのか?」という逆の観点から少しふざけて議論した方が減少に効果があると個人的に考えるからです。