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2019年7月31日水曜日

ニトリ・インチャイナ

ニトリが中国で苦戦する理由(日本経済新聞)

 残業から帰ってきたら友人がこの記事提示してきたので解説を含め紹介します。記事に書かれている内容は見てもらえばわかりやすいですが、ニトリが中国で苦戦しているということについて書かれてあり、友人は、「これってマジ卍?」という具合で自分に聞いてみたようです。私が読んだ印象としては、ある程度事実だと思うものの必ずしもこの通りではないという気がします。

 まず第一に伝えるべきこととしては、中国でニトリは家具屋か雑貨屋かで言えば、雑貨屋としての側面が強いように思えます。というのも休日暇な時(この一ヶ月はほぼずっと仕事で冷静に計算したら40連勤くらいしてたので行けなかったが)は自転車を走らせるのにいい距離ということもあってよく上海市内のニトリに通っていますが、家具コーナーと比べると雑貨コーナーのほうが明らかに人が多く、購入する客層もやはりこっちをメインに訪ねてきている気がします。
 でもって家具コーナーに居る人達を見ると、割とみんな思い思いに椅子やソフアに寝っ転がって、楽しげな感じしてあまりショッピングに来ているように見えない、っていうかどう見てもただ休んでいるようにしか見えません。おまけに定期的に観察していると、「在庫処分」という札の書かれた値札を見ることが多く、なんとなく商品の回転が悪いように見えます。

 一方、雑貨コーナーの方はというと割と盛況というか、寝具なんかだと実際に手にとってレジに持っていく人の姿をよく見ます。またオーダーメードカーテンのコーナーも人が多く、私も規格品のカーテンを買いましたが他の店のカーテンと比べても遮光性などが優れていて割といい感じで商品に競争力を感じます。
 上記記事では、同じく中国展開している「無印商品」と比べブランドイメージが固定されていないと指摘していますが、たしかにブランドイメージは主力が家具なのか雑貨なのかはっきりしないところはあるものの、この所上海の無印見ていると以前と比べて客が減ってきているように思え、こと雑貨に限ればニトリのほうが勢いを感じます。無印に関してはやはり値段が高すぎるように思え、それに比べるとニトリはまだ手頃感もあり、中国人消費者もそういったものを感じ取っているのかもしれません。

 あと記事で気になったのは、ニトリは中国進出に向け長く準備してきたと書いていますが、だからなんだと内心思います。というのも以前このブログでも書きましたが、商品の組立指示書などが日本語でしか書かれていない物が多く、本気で中国で商売する気あるのかよと見ていて疑問に感じます。雑貨に関しても同様で、パッケージが完全日本語だけというのも珍しくありません。
 また家具に関しては非常に致命的と思えるくらい日本人仕様です。これも前に書きましたが、やはり文化圏によって椅子やテーブルの高さは変わってきて、床文化の日本と違って椅子文化の中国だと椅子やテーブルの高さが日本よりやや高くなります。にもかかわらず日本の仕様としか思えない椅子やテーブルが堂々と並んでたりして、市場調査以前の問題じゃないかと見ていて思えます。

 もし仮に私がニトリにアドバイスするなら、家具に関してはもっと真剣にやれと言って、雑貨に関しては記事に書かれている通りややブランドイメージがはっきりしないところがあるので、主力商品をもっと強く打ち出してイメージを植え付けろと言いたいです。目下のところ主力となっているのはやはり寝具で、実際に店舗でもNクールなどを前面に打ち出しているのでニトリもその点はしっかりわかっているようには見えます。
 ちなみに今年、ダニ対策としてベッドでは寝ず、床で寝られるようにニトリでフロア畳買うことを検討していましたが、同僚のアドバイスでベッドにシーツは敷かず、マットレスの上に敷くクッションの上で直接寝て、そのクッションを定期的に洗濯機で丸洗いするという荒業でダニの被害を極端に減らすことに成功しました。そのせいでフロア畳の購入は流れ、代わりにアピタでゴザ買ってきて床に敷いて、たまにこの上でゴロゴロしています。

 でもって自覚しましたが、やはり日本人は床の上で生活すべきです。パソコンデスクも座卓仕様にしようかとまた検討しています。

2019年7月30日火曜日

不発

 本題と関係ありませんがダルビッシュが某テレビ番組の一コーナーが終わるよう神龍(シェンロン)に頼みたいと発言しましたが、もし間違って青龍(アサショウリュウ)が来ちゃったらどうなるのかと想像して一人で笑ってました。まぁ朝青龍に頼んだら案外願い叶えてくれると言うか番組ボロボロにしてくれるんじゃないかという気がしますが。

陸軍を身内で固めた親玉、長州閥は「山縣」閥だった(JBpress)

 それで本題ですが、昨日に出した先週に続く歴史記事二本目ですが、あまりアクセスはよくないようです。長州閥というテーマ自体は悪くなかったと思うのですが、やはり間口の狭さは否めず、いまいち貢献できなかったのは残念です。
 気に入っているポイントとしては、前にこのブログでも書いたように伊藤博文は大久保利通を、山縣有朋は西郷隆盛をそれぞれ師事していたことをはっきり書いたという点です。長州閥のツートップの二人の源流は、実は薩摩閥の大物にあるとはっきり指摘したのは他にはあまりないと思います。

 あと長州閥をテーマにしていますが、横糸としては実は陸軍の系譜をこの連載では追っています。日本陸軍というか国民皆兵の概念を最初に構想したのは大村益次郎とされ、彼の死の後で山縣を始めとする奇兵隊出身者はその構想の実現を図ろうとしたものの士族の抵抗から果たせず、最終的に西郷に出馬してもらって徴兵令を実現したという経緯となっています。
 そしてその徴兵した兵士を大規模な実践に初投入し、完成させたのがあの西南戦争と言われ、皮肉なことですが徴兵制の完成にも西郷は関わっていると言えます。

 こうして完成した国民皆兵制を引っさげその後も活動したのが山県有朋とその取り巻きである長州閥となるのですが、皮肉にもその長州閥が滅ぶこととなったのも陸軍の動きからでした。というわけでこの続きは来週月曜の三回目を読んでください。

2019年7月28日日曜日

変化そのものを敵視する日本人

 先日、知人の中国人と日韓関係の悪化について話題が及んだ際、「根本的に韓国人はプライドが高いから格下に見られることが我慢できないのだろう」と私が話し、そのまま続けて、「一方、日本人は平穏を至上とするため、変革を起こそうとしたりする相手に対して強烈な敵意を抱くことが多い」となんの気もなく述べた所、案外いいところを突いているような気がしました。

 以前このブログで、日本と米国の創作ヒーローの大きな違いとして、米国のヒーローは理想の実現を目指して行動するのに対し日本のヒーローは特に理想は持たず、平和な日常を守ることを第一に行動する。そのため、日本のヒーローが相対するのは基本、日常を乱そうとする連中となり、見方によっては敵側の方が理想というか次の新たなビジョンを持っていることが多いということを書いたことがあります。上記のような背景から、日本のヒーローと同じように基本巻き込まれ型の主人公であるスパイダーマンは日本でも人気を得やすいのかと考えています。

 話は戻りますが、やはり先程の私の見方といい日本のヒーロー像といい、日本人は根本的に平穏を守ることを第一の目的として持っていると思う節があり、今現在よりもいいライフスタイルが得られるかもしれないけど、それが何がしかの変化を伴うものであれば拒絶するようなところもあるのかもしれません。いわば変革そのもの自体を嫌っており、変革しなければ死ぬことがわかっているのしても、場合によってはそれでも変革を拒否する可能性すらあります。
 また企業活動などを見ていても、どうしても変革に迫られる場合は、その変化の速度をなるべく落とそうと、段階的にだったりスピードダウンさせようとする動きもあるように見えます。少なくとも、「やること決まってるんだしテンポアップしよう!」というセリフは、普段日本人から聞くことは私はありません。旅行の日程でも、9月に行くか10月に行くか二つの選択肢を用意したら私と違って十中八九10月を選ぶと思います。
 なお何故私は9月を選ぶのかと言うと、なにかトラブルがあって行けなくなった場合、9月だったら10月に変更可能なのに対して当初10月を選択すると逆はないからです。

 では、そもそも何故日本人は変化を嫌うのか。一つは変化そのものへの対応が鈍く、できることなら今現在の状態を維持したいという意思が強いことと、もう一つとしては変化しないことが正しいという概念があるように見えます。いわば、いい大学(高校)を出て、大企業に就職し、終身雇用で働き、マイホームを買ってという、完了がよく作る人生すごろくのようなレールに乗った人生こそが至上の人生で、一つでもレールを外れたら全否定するように、定まった生き方を幸福モデルとして持っていることも大きい気がします。
 何も日本人でなくても、変化の激しい人生は誰もが嫌がるでしょう。ただ日本の場合は先程の人生すごろくモデルを、実際には現在もはや達成困難だし完全に崩れたモデルであるにも関わらず、未だ捨てきれずに幸福モデルとして持ち続けて自縄自縛に陥っているようにすら見えます。まぁある意味それが理想だというのなら、理想を必死で追いかけているというふうにも見えなくもありませんが。

2019年7月27日土曜日

キーボードと爪切り

 先週末は一ヶ月ぶりくらいに何も仕事しないで住む週末となりようやく山を越したと思っていたら、金曜の昨夜に緊急対応案件がいきなり持ってこられ、今日も朝からずっと自宅で仕事していました。明日も今日ほどじゃないけど仕事する必要あるし゚(´・ω:;.:...

 あんまり元気もないので楽な内容を書きますが、仕事でもプライベートでもほぼ常に四六時中キーボードを叩いています。一日の打鍵数が一万回を超えることも珍しくなく、先月なんかはそのせいで手を開くだけでも痛くなる事態に陥りましたが、先週は右腕全体が痛いというか肩が上がらなくなりました。
 そうしたことはさておき、地味に中国で暮らしてて面倒だと思うのがキーボードです。というのも、日本と中国ではキーボードの規格が異なっており、一部キーの配置が異なっているからです。

 当初は日本から持ってきたキーボードを自宅で使っていましたが、打ちすぎたのか壊れたので中国で現地調達した所、告辞されているキーと表示される記号が一部異なっていて、最初慣れるまでは結構大変でした。OSの方の設定を中国規格キーボードに変えれば済む話なのですが、やはりなれたキー配置ということもあって日本語キーボード配列のままで今も自宅で打っています。
 問題なのは会社で、こちらは完全中国式のキー配列で、設定のそのままです。そのため自宅と会社でキー配置が違うので、結構頻繁に打ち間違えたりします。具体的にはコロンとカギカッコの位置が少しずれているのと、アットマークの位置が大きく異なっていますが、今ではある程度違いを覚えて対応できています。

 あと記者時代はそうでもなかったのですが、今の仕事に入ってからは頻繁に爪を切るようになりました。理由はなぜかというとキーボードに爪が引っかかるからで、自宅などは爪でこするように叩く「K」のキーの刻印はほぼ完全に摩耗して消えています。刻印が消えるだけでなく実際に打っていて違和感があるのと、平常時ならまだしも今のように消耗した状態で爪がキーボードに当たると結構しびれると言うか、素直に痛いです。
 そのため少しでも爪が伸びるとこのところはすぐに切っています。あまりにも切る回数が増えたもんだから、これまで100円ショップの爪切りしか使っていませんでしたがいいもの買おうと前回の日本旅行時に薬局でやや高いやつ(千円くらいだったような)を買ってみました。高いだけあって実際に使い心地がよく、切れ味がシャープなのとヤスリ部分が削りやすくて割と気に行っています。

 さて明日、髪を切りに行く時間はあるかな(ヽ´ω`)

2019年7月24日水曜日

千葉のマッドシティ「新松戸まつり」

 すでに途絶えたと思われていたこのマッドシティこと松戸ネタですが、探せばまだまだあるもんです。なおたまに思い出したかのように「松戸」でニュース検索しては、夜な夜な松戸出身の友人と、「今日のネタはこれだ!」みたいに共有しあっています。だいたいどれもマイナーなニュースだけど、同郷同士だからいやに盛り上がります。

今年も「新松戸まつり」開催へ グルメとライブパフォーマンス /千葉(みんなの経済新聞)

 そんなわけで今回のネタですが、新松戸まつりです。なお上の記事は先々週の記事ですが、記事が配信される段階ですでに祭りが開催されるのに見出しに「開催」と書くこのライターは未熟以前だなと思います。

 そんなダメなライターは置いといてこの新松戸まつりですが、はっきり言えば子供の頃は毎年行っていました。この辺のエリアでは規模の大きな祭りで、通りに出店がずらりと並ぶもんだから子どもにとっては楽しいことこの上ない祭りで、割と毎年楽しみにして通ってました。
 あと確かあれは小6の頃でしたが、当時この新松戸駅近くの塾に通ってたのですが、地元故か祭りの出店に同じ塾の友達がいて、なんか盛り上がったのを覚えています。

 知ってる人には早いですが、この新松戸というエリアは松戸市中心部からやや離れて昭和後期に作られた新興ベッドタウンです。特筆すべきは宇宙開発団体など国の研究機関の社宅が数多く立てられたことで、住人の中には結構ハイレベルな人が多くいたりします。
 そうしたバックグラウンドもあってかこの新松戸祭りは今年で33回目とのことで、ここまで長く続いたのと、割と昔から盛り上がっていたのにも影響しているのではないかと見ています。

 ちなみに余談ですが、今ちょうど吉本興業のお家騒動で盛り上がっていますが、その余波から昔関係出演者に無断、ノーギャラで発売された「さんまの名探偵」というファミコンゲームがにわかに脚光を浴びてて、まとめ掲示板でよく名が上がってきています。このゲームですが確か自分が小1だったころ、この新松戸まつりにて中古ゲーム屋の「わんぱくこぞう」が出店を出し、というかワゴンセールをやってて、「さんまの名探偵」もワゴンの中で確か500円位で売られていました。
 このゲームをうちの姉貴はかねてから欲しがってたのですが、すでに一通り祭りを回ってたせいでもらってた小遣い、確か当初千円だったと思いますがそれをすでに使ってて、300円位しか姉の手元に残っていませんでした。なので自分からも集金しようと残額を確かめてきましたが、自分はもう100円しか残っておらず、僅差で買えなかったことから「お前の金遣いが荒いせいだ」と何故か自分が姉に責められました。今更ですが身勝手な言い分です。

 なおそのわんぱくこぞうはそれから数年を経て潰れましたが(場所はダイエー脇のテナントビル)、多分最後にそこで買ったのは「ブレスオブファイア2」で、正月のお年玉で買ってたから1995年1月までは経営していたはずです。

2019年7月21日日曜日

上海の伊藤潤二風お化け屋敷



 昨日は吉本芸人の会見について記事を書きましたが、その裏では上海市内のショッピングモールで開催中の、伊藤潤二風お化け屋敷に行ってきました。なお伊藤潤二風とは書きますが、別に勝手にやっているわけではなくちゃんと関連方面から許可を得たイベントです。

お土産屋。富江グッズがいっぱいだった。 

 入場料金は140元(約2200円)で入れるお化け屋敷で、一回に付き五人くらいが入り、いろんな演出のある迷路のような構造のルートを進むというアトラクションです。入場に際しては荷物のほか、撮影、というよりかは明かりとして使われるのを避けるためか携帯電話も預けさせられました。

意外と並んだ行列

 こんな間口の狭いアトラクションにどれだけ人が来るのかと思いきや、開催から一ヶ月近く経っているのに結構お客が来ていて素直に驚きでした。なお一回につき五人ずつ入り、その五人が出てくるまでは新しい入場客は入れないため、回転がやや悪いところはありました。

 私は女性二人組、男女のカップルとともに入場となりましたが、全体的な構成で言えば伊藤潤二作品、もとい日本ホラー漫画史上に冠する名ヒロインこと富江と、カルト的な人気を誇る「双一シリーズ」の双一が強くフィーチャーされて、アトラクションともども土産物屋でもこの二人のグッズが特に多かったです。
 ちなみに首吊り気球のキーホルダーはちょっと欲しかった。

 中のアトラクション内容を簡単に説明すると、マジびっくりするくらい真っ暗な部屋と廊下で組まれており、冒頭の箇所なんてルート沿いにある縄を頼りにしないと一歩も進めないくらいの暗さでした。案内人役は双一で、演者が漫画さながらの嫌味ったらしい喋り方(中国語)で次にどうすればいいかとか、この先何がまっているのかを教えてくれます。
 うまい演出だと思ったのは、途中で一人ずつ学校のロッカーに入るよう強制されます。そのロッカーには覗き穴があり、そこで富江の初出作品のある名場面が繰り広げられるのを見ることが出来ます。
 なおその演出は見終わった後で次の部屋に進めるようになってますが、ロッカーに閉じこもっていたら危うく他のメンバーに置いてきぼりくらいそうになりました。

 個人的には非常に良い演出と舞台で、各部屋に置かれているオブジェなども良く出来ており、伊藤潤二ワールドをよく再現されている用に思えます。それ以上に収穫だったのは、一緒だった女の子がある所で悲鳴を上げたのですが、「ああ、中国人も悲鳴をあげるときは『キャー』って言うんだな」と、一人で納得感を覚えていました。

 なお前日にこのアトラクションのPRサイトを送ったらマジビビってた同僚に上の写真の一部を送った所、「もう何も送ってくんな」と言われました(´;ω;`)
 個人的な見方ですが、やはり日本人と比べると中国人の方が怖がりな気がします。もっともそれはこうした怪奇漫画を始め、ホラー系文化が日本で異常発達したという背景からではないかと思いますが。

2019年7月20日土曜日

闇営業問題の会見について

 既にあちこちでビッグニュースとして報じられていますが、既に闇営業に絡んだとして批判されていた雨上がり決死隊の宮迫氏と、ロンドンブーツ1号2号の亮氏が吉本興業の静止を振り切って両者単独で謝罪会見を開きました。各反応を見ると両者に対する世間の見方は非常に好意的であり、またこれまでの報道内容や吉本興業の発表内容と齟齬のある内容も語られており、非常に大きく盛り上がっています。
 発言内容や齟齬内容の詳細については割愛しますが、世間の見方をひっくり返したという意味では近年稀に見るほど成功した会見ではないかと思います。

 個人的に気になった点としてはやはり、吉本興業の対応ぶりに関する発言です。口裏合わせなや圧力を匂わす内容が明かされており、これらの点について状況から、あと普段の行いから言ってほぼクロだとは思いますが、敢えて確認するとしたら既に契約解除こと追放されたカラテカの入江氏に聴取を取るのが一番ベターな気がします。人任せで申し訳ないけどどこか取材してくれないかな。
 かつて「たかじんのそこまで言って委員会」で、ゲストが公明党の母体は創価学会と断言したり、ジャニーズ事務所の名を挙げて批判したりと、東京と比べると大阪のテレビ局はタブーが緩いところがありますが、それでも吉本興業の黒い面については誰も発言することはありません。

 大分前にそのへんを文藝春秋が取り上げていますが、吉本興業は一時上場していたものの2009年にMBOを行って非上場企業に戻り、これにより業績などは現在公開されていません。では現在の財務実態はどうなのかと言うと、実際は非常に厳しい状態だと案に言われています。稼ぎ頭は公然ながら明石家さんま氏ですが、そのさんま氏はかつて「沖縄で映画祭やってる場合か?」という発言をしたことがあるそうです。
 これは、会社自体が火の車だと言うのにこんなイベントで無駄金を使ってどうするという、いわゆる「どん判金ドブ」のような指摘とされており、実際にテレビで見ていてもかつて島田紳助氏に次ぐような存在は今の所属タレントにはなく、収益が非常に悪化しているのではと思う節があります。

 ちょっといやらしく突っ込むと、それに拍車をかけたのはダウンタウンの松本氏の映画製作ともいわれ、最近映画を作らなくなったのも本人がやる気なくしたのか、実力を自覚したのか、よしもとが金出せなくなったのかのどれかでしょう。

 話は戻りますが、タブーの薄い関西テレビ業界においてもよしもとの暗黒面を突くのはタブーとされ、これまで批判されることはありませんでした。しかし先日、まるでジャニー喜多川の死を待っていたかのように公正取引委員会が、特定事務所がテレビ局に圧力をかけてはならないとの理由でジャニーズ事務所に勧告を行うなど、この辺のルールが今変わりつつあります。
 そこへ来て今回の会見騒動ときたもんです。案外、これを気にいろいろと業界の勢力図が変わってくるのかもと思え、長い目で見たら歴史の転換点になるかもと少し期待してみています。

 真面目によしもとに関しては、明石家さんま氏が引退したら恐らく経営が成り立たなくなると思います。そう考えると、いい時期にある意味改革が迫られているのかもしれません。

 最後にこの騒動で誰が一番得したのかと言うと、地味に参院選を控えた自民党と公明党ではないかと思います。先日の京アニの放火騒動といい、選挙終盤にかけて連続して大きなニュースが出たことで政治関連報道が一気に減少しています。ただでさえ論点がなくポジションすらはっきりさせられない野党でしたが、他のニュースに関心を取られて自民・公明がこのまま圧勝することになると予想しています。