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2022年10月12日水曜日

静寂が訪れつつある上海

 今日会社に出社したら、なんかすごい静かでした。気にせず普通に仕事開始しても同僚がなかなか来ないのでどうしたものかと思ってWeChatみてみたら、昨夜に会社から「コロナが広がっているから明日から自宅勤務で」と通知が来てました。まぁ自分以外にも気にせず出社した同僚もいましたが。
 でもって指示通りに自宅勤務した同僚には「会社来ちゃった。明日から本気出す(自宅勤務に)」とよくわからないメッセージを送ったりしました。ぶっちゃオフィス静かでめちゃ集中して仕事できた。

 上記のような措置は自分の会社だけでなく、どうやら他の上海市内の会社でも広がっているようです。実際、今日の地下鉄はいつもと比べて空いており、朝からなんか人が少ないなと密かに感じてました。それもそのはずというか、このところ上海市内では国慶節の連休明けで帰省して戻ってきた人がたくさんいるためか、あちこちで市中感染者が確認され、なんかのデスゲームみたく市内各地で封鎖エリアがどんどん増えてきています。
 なお感染者と言わず濃厚接触者が出ても、その住居周辺が封鎖されます。今年前半と違って団地全体が封鎖されることはないのですが、マンションとかだと住んでいる建物1棟が丸ごと封鎖されるため、あちこちで巻き込まれ封鎖に遭った人の声が聞かれます。それ以上に感染者が出た、または立ち寄った商業施設がまたあちこちで封鎖されており、この点で小売業者の方々には強い同情心を覚えます。

 上記のような状況はまだ日系メディアは報じてませんが、多分明後日当たりには報じられるんじゃないかという気がします。なんていうか今の上海は本当に不気味な静けさを持ち始めており、あちこちで集団PCR検査が行われているほか、なんか外を歩く人も少し緊張感を持ってたり、今のうちとばかりにやたら外ではしゃぐ人を見かけます。
 近くのコンビニに至っては店の前に大量にミネラルウォーターを山積みしており、実際コンビニに来た人も「これいくら?」と値段確かめて買うなど、封鎖に備えた動きを見せています。私自身も同僚に「お互いに買いだめしないとね(´・ω・`)」と言ったところ、「もう封鎖なんて起きない!起きてほしくない( ;∀;)」という返信が来ました。

 あと関係ないけど先月出した冷凍チャーハンの記事がまた環球網さんに翻訳してもらいました。っていうか中国でJBpressのサイトは既にアクセス禁止されてVPNなしでは見れなくなっているけど、それでも自分の記事を読んでこうして紹介してくれてマジ感謝です(´∀`*)ウフフ

2022年10月10日月曜日

EVタイヤ記事の裏側

タイヤ業界にも“電動化”の波、中国で激化する「EV用タイヤ」開発競争(JBpress)

 というわけでまたいつもの自分の記事紹介ですが、執筆していたのは先週の連休中で、取材にかける時間も取れるからなんか腰を据えて書くネタないかなと考えていた最中、いつものように「タイヤマルゼン」の歌を歌っていたらふと、タイヤの記事、それもEV用なんか面白いかもと閃きました。冗談のように聞こえますがマジです。
 なおタイヤマルゼンのCM動画はしょっちゅうスカイプで友人にも送っています。若干ウザがられているけど気にしません(・ω・)ノ

 それで記事の中身ですが、割と着眼点通りにタイヤにもEVシフトが起きていて、日系も今回取材で取り上げたダンロップを始めOEタイヤだけでなく交換用タイヤでもEV用タイヤ製品を出すようになってきています。また静粛性など燃料車用タイヤと明確に異なる機能が要求されることから、書いてて非常に楽でした。特にプロットとかもあんま立てずに取材した内容をつらつら書くだけで済みました。

 ただその取材ではひと悶着というか、なんでと感じる点がかなり多くありました。当初、EV用タイヤを調べ始めた際にこちらのETICという会社の解説記事が非常に参考となったのでぜひ紹介したいと思い、引用していいか電話で尋ねようと思ったら電話にでんわで、仕方ないのでメールでも聞いたらこっちも返信なしでした。まぁ慣れてるけど。でもって嫌がらせするためにさっき「あの件どうなってんの?」ってまたメール送ったった。

 次に、日系タイヤメーカーにもその動向を聞こうと思ってまず昔電話取材したことのあるトーヨータイヤさんのリリースについている広報への電話番号にかけたところ、こちらも電話に誰もでんわでした。しかも2拠点とも。
 恐らく、電話の発信番号が海外だからわざと取らなかったのではないかと疑っています。どちらにしろ、電話にでない広報って色々やばいようにしか思えず、ちょっとこの会社についても疑問を持っています。

 トーヨータイヤが駄目だったので今度は既に日本市場でもEV用交換タイヤを販売しているブリヂストンさんに朝一で電話かけて広報につないでもらったところ、専門担当者から折り返すというので、今日中には返事もらえそうかと聞いたら問題ないとのことでした。そのため、いつ電話が来ても取材対応できるようお外が晴れたお休みなのに自宅でずっと待機し、気がついたら日本時間で夕方5時になりました
 休日を電話待ちだけでガチで潰された恨みからまた電話をかけたところ、「既に担当者には要件は伝えてある。後ほどまた連絡させる」という返事でした。っていうかその場で電話出ろよ。

 その後、電話から数分後にあらかじめ伝えておいたメールアドレスにその担当者らしき人からどんな質問なのか、掲載媒体どこなのか、掲載日はいつなのかが尋ねられたので、締切明後日だから明日午前中に電話で回答できるかと返信打ったところ、「無理、じゃあ取材辞退する」と断られました。
 実際はメールの中身はまだ丁寧な書き方でしたが、メール打ってる暇あるなら約束通り電話かけて来いよという気がしてなりませんでした。その方が意思疎通も早いんだし。

 それ以前に、そこまで込み入った内容でもないのに尋ねられてすぐ回答できない広報って何なんだと、いろいろ疑問に感じました。最近報道の現場にいないけど、自分がいた10年前とかだったらこんな対応された場合、「お宅の広報は随分と無能なんですね」とはっきり言う記者も珍しくありませんでした。自分がいない間に日系企業の広報の質が下がっているのだろうか。

 そんなこんなでちょっとアレな対応され続け、最後の手段とばかりにダンロップこと住友ゴムさんに電話をかけたところ、すぐその場で広報担当が取材に応えてくれ、また「実際の売れ行きはどう?」と聞いたら「ちょっと待って、今すぐ調べるからその間にこちらの質問に答えて」的に話しながらすぐパソコンで調べたのか、中国自動車メーカーの納入社数を教えてくれました。
 細かい点を話すと、従来の燃料車用タイヤとの価格差はどんなものかとも尋ねたのですが、住友ゴムとしてはメーカーや小売店に卸していて実際の小売は行っておらず、またオープン価格として出しているため、価格についてはきちんと把握しておらず回答できないと言われました。言われてみればその通りと私も納得できる回答で、非常にしっかりされた広報の方だという印象を持ちました。ぶっちゃけこれが普通なんだけど、これまでの他のところが今回はひどすぎました。

 ただ、最後に住友ゴムに電話かける際は、「住友ゴムなら大丈夫だろう」という確信を実は持ってたりします。というのも、財閥系企業はどこも広報がしっかりしており、きちんとその場で必要な質問に答えてくれるし、込み入った話も調べた上で回答してくれるからです。そうした財閥系への信頼は今回においてはまさに想定通りとなり、無事に取材を終えて記事にまとめることが出来ました。

 実は内心、記事中に引用している中国市場の主なEV用タイヤ製品の図表の中にブリヂストンのタイヤ製品も入っているのですが、上記の塩対応もあったことから、ブリヂストンのタイヤだけ図表から消しとこうかなと考えたりもしました。まぁさすがに子供っぽいし、地の文では一切取り上げずに住友ゴムさんはプッシュしようって結論になりましたが。

 そんな取材の裏側だけでこんないっぱいかける記事でしたが、内容的にはかなりニッチな話題だし、最近のJBpressの読者はウクライナ戦争を始め経済系より政治系記事の方が人気出やすいこともあり、内容はそこそこ面白いと思うし自信もあるけど、アクセスは稼げないだろうと予想していました。それでもこの業界に興味のある人、センサーのある人にこういう情報もあるよと伝えればいいかと思って出したところ、なんかJBpress内のアクセスランキングでさっき見たら2位に入ってて、意外と読まれててビビりました。

 そういう意味では、記事内容的にもアクセス的にもかなり満足度の高い記事で、今度また中国自動車市場記事を書く際にリンクつけられるだろうから、いいタイミングで出せた記事だと自己評価しています。

2022年10月9日日曜日

地方分権どこ行った?

 最近中国の政治体制の移り変わりを歴史的に追っていて、三省六部とかおもしれーなどと一人で言ってて周りを困らせています。っていうか三省六部って、中国人も多分知らないだろう。
 ただ一言で政治体制といっても、その国家に与える影響は絶大です。中国戦国時代で秦が途中から一人勝ちするようになったのも、法家の商鞅がいち早く法治国家体制を築いてその後も維持したからで、ぶっちゃけこれ一つで秦が全国統一するに至る原因になっています。

 そこでふと日本の状況を振り返って、このところ政治体制について何か転換めいたことやっていたかなと思い起こしていたところ、見出しに掲げた地方分権という言葉をここ数年全く目にも耳にもしていないことを思い出しました。
 地方分権とは呼んでその字の如しに中央が持つ権限を地方自治体に分散させ、より現場に近い者たちが現場の物事に対応するのが効率がいいという観点から一時期流行りました。それこそ私が覚醒時代だった頃なんかは割とあちこちでこの議論がなされ、その後の東国原宮崎県知事、橋下大阪府知事が就任するとますます盛り上がっていました。しかし現在、上記の通り私はこの言葉をこの5年くらいは全く目にしていません。

 ニュース検索したところ、一応直近でも地方議会や中央議会でも議論はされてて白書とかも出されているようですが、やはり検索した内容を見る限りあんま盛り上がっていません。ではなんで地方分権議論が盛り上がらなくなったのかというと、大きく分けて理由は二つあり、一つは明確に安倍政権の影響によるものでしょう。
 安倍政権の期間は軍事や外交の積極天展開を旗印に、常に中央政府が権限を強化し続けていました。維新の会などが一時期は地方政治を強化しようとしていましたが、彼ら自身も徐々に中央寄りの思考になっていき、今現在で維新の会を地方代表みたいに考える勢力はあまり多くない気がします。昔はまだそういう風に見られたころがあったと思うのですが。

 もう一つの理由が、地方に権限を委譲できない深刻な理由が顕在化してきたためです。はっきり言えば、地方議会や行政機関がめちゃくちゃな状態で、彼らに権限を渡したらただでさえ先細っている税収が余計なものに使われかねず、余計な混乱を招くことが目に見えてきたからでしょう。
 具体的には、かつての岐阜県知事は県内のあちこちに自分の銅像立てまくってましたし、夕張市に至っては財政破綻し、京都市もあれだけの観光資産を持ちながら財政がかなりやばい状態になっています。

 なお京都市については転入人口の多くが税金の取れない学生という負い目があると誰か指摘してましたが、京都の学生は低賃金での労働力となっており、税金が取れない以前に府に対する貢献は桁違いに大きなものがあるように見えます。そもそも学生いないと、京都市の不動産業界破綻するだろうし。

 話を戻すと、自分の目から見て今こんな状態だというのに地方分権なんてアホなことできるかというのが、全体的な見方になりつつある気がします。もちろん、頑張っている知事や市長などもいるでしょうが、日本の場合は伝統的に国民が地方政治よりも中央政治に関心を持つ、っていうか地方政治なんて誰も省みないところがあるため、地方政治が暗黒面に落ちていても何も手を打たないでしょう。
 私自身、地方に財源を与えるくらいならまだ中央が権限を持っていた方が有益だと考えています。とはいえ中央一極化、地方荒廃が進むのは望ましくなく、パソナみたく企業を地方に持っていくのが一番ベターだと思うので、地方にのみ法人税減税を認める策なんかは支持しています。

 具体的には人口上位5位の都道府県は現行の法人税率を維持し、これ以降は10順位ごとに一律で法人税を減税していき、企業本社の地方移転を促すようなイメージです。実際応じる企業がどれだけあるかはわかりませんが、今や日本は労働力の安い国となりつつあるので、場所にこだわらない外資なんかは低税率の都道府県に進出してくる可能性は低くないでしょう。
 まぁ今の日本じゃこんな政策実行できないから言えるのですが。

2022年10月7日金曜日

フィルムを持ち歩いていた時代

戦場写真はどうやって撮影、メディアに配信されているのか?(JBpress)

 自分の主戦場ことJBpressで、どういう伝手かわからないけど戦場カメラマンの渡部陽一氏が寄稿していました。内容は主にフィルムカメラからデジタルカメラへの移行期である2000年前後について触れており、デジカメに移行する前は常に大量のフィルムを持ち抱えて戦場に入らなければならず、時には密輸業者に間違えられたことなどが書かれています。

 自分まだ子供だった頃はフィルムカメラを実際手に取っていた世代であり、またデジカメへの移行も目の当たりにしています。そんな自分からすると渡部氏の苦労話はまだ肌実感のある話なのですが、男百個ともいうフィルムを抱えて戦場を走り回っていたというのを聞くとなかなかにその苦労が偲ばれます。
 実際渡部氏もデジカメが普及し始めた頃、これは便利なものだと思ってアメリカ人にならって自分もすぐ調達しようとしたそうです。しかし調達しようにも高解像度のデジカメは当時まだ高く、仕方なくフィルムカメラをしばらく使っていたということも書かれています。

 そのデジカメですが、この2022年においてはとうとうレンズすらなく、全部半導体で処理するミラーレスカメラが大勢を占めるようになり、ニコンやキヤノンも確か去年は一眼レフカメラの新製品を一つも出していなかったと思います。カメラ屋の最後の牙城たる一眼レフカメラすらも今やその存在は危ういのですが、そのデジカメ自体もスマホに搭載されているカメラの性能向上に伴い、市場は長年縮小を続けています。
 かくいう私も10年前に買った富士フイルムのコンデジはここ数年全く手に取っておらず、さっき久々に開けてみたらシャッター部分が多分手の脂のせいかやたらべたべたするようになっていました。洗えば何とかなりそうだけど、それ以前に電池がもうへたっててほとんど充電できない。

 実際私自身も、記事に使う写真やブログに挙げるプラモの写真はこのところ全部スマホで撮影しており、あんまデジカメを使う機会がないです。ただそうは言うものの、このところプラモの写真を撮り続けてようやく気が付きましたが、やはり接写だとスマホのカメラはやや弱いというか、輪郭部などがぶれやすく、また光の加減に対する調整もデジカメと比べると顕著に弱く、拡大に至っては比較できないほどの差があります。
 そういうわけでコンデジでもスマホよりはもっといい写真撮れるので買いなおして使ってみようかなと思い、さっきAmazonを除いだところ、もはやコンデジはほとんど商品が流通しておらず、品目数が極端に少なくなっていることに今更ながら気が付きました。

 仕方ないので富士フイルムの交換用電池を調達するか、中古の製品で新たに仕入れなおすか、そんな好きじゃないけどソニーのカメラにするかで少しお悩み中です。さすがに一眼レフだと持ち運び大変だし。

2022年10月6日木曜日

曹操はいつ簒奪を考えるようになったのか

 例によって中国史の再復習している最中、曹操はいつから漢朝に対する簒奪心を覚えるようになったのかが気になってきました。

 お話の三国志演義の中だと曹操は登場シーンからして野心満々な人物に描かれ、その後の行動や発言にもブレなく、本来主である献帝に対しても不遜な態度を取りまくります。しかし実際の史実で見ると、少なくとも若年時は尊王の志も高く、朝廷に対する意識も周囲より高いと伺える行動が見られます。
 具体的には、一番最初の反董卓連合結成時の行動です。董卓を叩くため各地の諸侯が結託するも、みんな自分の兵を失いたくないから率先して戦おうとしない中、自ら進み出て董卓軍と戦ったのは孫堅と曹操だけだったそうです。もっとも曹操はすぐ負けたのに対し、孫堅は呂布相手にも打ち勝って、董卓が長安に逃亡するきっかけになるほどの大活躍を見せましたが。

 少なくとも上記の時点では、もしかしたら打算あってのものかもしれませんが、朝廷に対する深い忠誠心を持っていたと思える節があります。実際そうした姿勢を見せたからこそ、漢朝復興を目指す荀彧などの名士が曹操の陣営に参加するようになったとも言え、実際に曹操配下の人材は曹操を助けるというより、曹操を通して漢室を復興させることが目的だった人物が少なくありません。

 しかしその後の歴史を見ると、曹操は皇帝である献帝の皇后を、彼女の父親が生前に曹操の暗殺を目論んでいたという理由で処刑し、また荀彧との決裂の原因にもなった「魏王」という爵位を受けるなど、漢朝に対する露骨な簒奪プレイを見せるようになります。最終的に彼は「周の文王でやめとくよ(´・ω・`)」といって、自分自身は止めの簒奪はやらずに最後の一手は息子の曹丕に任せていますが、上記発言が出る辺りは確実に簒奪の意思を持っていたと言っていいでしょう。

 仮に曹操が反董卓連合時点ではまだ忠節を残していたとしたら、一体いつから彼は漢室に見切りをつけるようになったのか。考えられるポイントはいくつかあります。

・董卓軍に敗北した際
 前述の通りに曹操は孫堅とともに果敢に董卓軍に挑むも惨敗し、その後連合から離脱して勢力の充実化を図るため引きこもっています。この間に戦ったのは自分(と孫堅)だけだったことや、こんなに頑張っているのに報われない等の思いから、漢室への忠誠をなくした可能性が考えられます。

・献帝保護時
 董卓が死んで李確らが支配するようになった長安から逃亡した献帝は曹操によって保護され、これ以降は曹操が朝廷の権威を思うがままに使えるようになります。この段階で漢室を再興させるよりも、好きなだけ利用して天下取ったろ的に野心を拡大させた可能性もあるでしょう。
 ただ、保護当初から献帝は早々によってないがしろにされていたことを自覚していたようで、「敬う気がないならとっとと退位させてくれ」と献帝自身が早々に述べたと伝えられています。これ以降、曹操は献帝に会うのを控えるようになったとされ、状況から考えると献帝保護以前から既に忠誠心を失っていたと考えるべきでしょう。

・暗殺事件発覚時
 曹操には二度の暗殺計画が企図されており、一つは董承によるもの、もう一つは伏冠によるもので、どちらも献帝の指示によるものされています。どちらの事件も発覚時に関係者は妊婦を含む一族もろとも処刑されていて曹操の怒りぶりは傍目にも相当なものだったと伝えられていますが、恐らく曹操もその指示役が献帝だということを知っていたとされ、担いだ神輿の上から殴られそうになったという思いから、この辺で愛想が尽きたというか忠誠を失った可能性もあるでしょう。
 まぁそれ以前からかなりやりたい放題だったからこそ、暗殺が企図されたわけなのですが。

 自分の見方だと最初の董卓軍敗北時が可能性としては高い気がしますが、人情的には暗殺事件がきっかけという可能性も捨てきれません。それ以前に、曹操はハナから漢室簒奪の意思を持っていたという従来の見方も否定できないわけですが、この辺は曹操本人に聞くよりほかがありません。

2022年10月5日水曜日

その差はふすまにあり

 8月までと違い9月は比較的仕事が落ち着き、会社でもゆったり過ごす時間が増えたのですが、翌手が空いた時にライフルホームズで奈良市とマッドシティこと松戸市の物件情報を見ていて、会社用PCにもブックマークしています。なんでこんなことしているのかというと家賃相場とかが動いている用を見るのが単純に楽しいのと、間取りを見て、自分ならどんな風に内装を整えるかを考えるのが楽しみだからです。

 もっぱら見る間取りとしては2DKまたは2Kで、これだとリビング二つあるから片方を生活・仕事用、もう片方を趣味用(半客間)として内装を整えられるからです。2LDKでもいいっちゃいいのですが、2LDKだと二つある部屋のうち片方が広く、もう片方が狭いというパターンが多く、上記の様に部屋の用途を分けるなら2DKで探す方がいい感じの物件をみつけやすいです。

 このほかの検索条件としてはやはり歴史好きとあって和室は外せない、っていうか寝るときは常に畳の上で寝たいという個人的嗜好から、和室のない部屋はその時点で除外しています。まぁやろうと思えば、フロア畳を敷き詰めて無理やり和室を作れないこともないのですが。
 ちなみに中国には床の上に布団を敷く文化なぞなく、いつもベッドの上で寝ています。別に悪いわけじゃないのですが、やはりベッドがあると寝るとき以外も部屋の面積を大きく占有されるので、布団をたたんで敷いて押し入れに入れるまたは半ソファ代わりにする方が利便性がいい気がします。

 話を戻すと、やはり奈良市と松戸市(具体的には松戸駅周辺)で比べると同ランクの部屋でも松戸市の方が家賃が高くなります。マッドシティの分際で生意気だと思うほか、松戸市のぶっけんひゃ家賃が高い割には魅力的な部屋は実は少なく、室内写真を見ても「ああどんな家具を置こうか」などというワクワク感があんまり昂じてこない部屋が多いです。
 その点、奈良市は県警の質がガチ低いけど家賃も安い上、室内写真を見ていても趣を感じるというか、ああこの部屋とか住んでみたいと感じる部屋が多かったりします。特に上記に挙げた和室の質感で言えば圧倒的にマッドシティを上回っており、一体なんでこれほど奈良市の和室の方がいいと感じるのだろうと前から自分でも不思議でした。

 いろいろ分析した結果を述べると、一つは窓の配置が大きい気がします。松戸の物件の場合はそのままベランダに出られる開口の広い窓が多く、採光性とかレイアウトを完全に無視しているケースが多いです。反対に奈良市の和室は採光重視な開口の小さい窓が割といい感じな箇所に取り付けられていることが多く、この窓配置一つでもマッドシティの文化度の低さが見て取れます。

 そしてもう一つの要因が、見出しに掲げたふすまです。和室の入口、または別の部屋との仕切りにふすまが使われているのはどちらも同じですが、松戸の場合はほぼ100%といっていいくらいふすまに何の模様もありません。基本白かアイボリー一色、若干変哲のない戸板にも見えなくもないです。
 それに対し奈良の部屋は、白一色のふすまもないわけではないものの、ほとんどの物件の室内写真に出てくるふすまには稲穂や山景など何らかの模様が入っていることが多く、このふすまの模様一つでも雰囲気が全然変わるというか、落ち着きさがまるで違います。

 我ながら細かいと感じる点ですが、やはりふすまの模様一つあるかないかで言えばある方が和室の趣は大きく変わってくる気がし、絶対あった方がいい気がします。恐らく奈良のオーナーはその辺をちゃんとわかっているのか、ふすまも含め和室の最低限の部屋作りをあらかじめ行っているのではないかと思います。
 それに対しやはり歴史的な重みの違いが大きいと思いますが、文化度で劣る松戸のオーナーは恐らくふすまにはコスパしか考えず、何のへったくれもない無地白一色を選んでいるのではないかと思います。ふすまは閉じている時は壁の一部となるだけに、目立ちすぎる色や模様はさすがに控えた方がいいと思うものの、薄い模様は和室そのものを映えさせるだけに入れない手はないと思います。

 このような目線で改めて両市の物件を比較すると、やっぱり松戸の物件は所々コスパ重視で手抜きと感じる点が少なくなく、それほど多くはないものの物件写真の撮影の仕方一つとってももっとまじめにやれと思う物件もあります。写真の撮影角度や網羅性は結構重要な気がします。

 はっきり言えば、やはり文化度で言えば自分は関東より関西の人の方が高いと感じており、部屋に関しては細かい点で多少コストがかかっても必要な措置を取り、安易な作りにはしない気がします。関東の人は逆に、機能性を重視するので部屋の間取りの有効利用面では強いものの、やはり無味乾燥とした部屋にしてくるなと思います。

 かつて学生時代に自分は住んでいた部屋に、ともかく物を置かず、座った状態で目線より高い位置に何か視界に入らないように努めていました。その部屋は割と友人らからは好評で、自分の部屋よりも落ち着くといった友人までいましたが、割と部屋の内装はその管理主の文化度が如実に出る空間だと思います。
 そういう意味では、やはり将来はマッドシティよりも奈良市に隠遁すべきかと思いつつ、マッドシティの物件も「大改造をするなら」というコンセプトで未だに眺めています。

久々に龍華寺


 次のJBpress用の原稿も書き終えて時間があり、封鎖期間と繁忙期に失った体力を取り戻すため、また川沿いとかをサイクリングしながら、気がついたら上海市内にある龍華寺についていました。
 連休中とあって人の数は多く、寺側もBGM付きでお経を境内で流し続けるなど行楽モードでした。


 この寺は入場料はいりませんがさすがに悪いと思って線香を買ったのですが、見ての通りお線香もスマホ決済が徹底されています。さすがにお賽銭箱はまだ残っていましたが、これからATM同様になくなり、スマホ決済でお賽銭入れる形になるかもしれません。

お線香の臭い嗅いで塔を見ると落ち着く

境内の端っこの方で猫がいたので撮影

ぶっちゃけかなりでかい


 首をかいているかわいい姿を撮ろうとしたらなんか妙な表情で撮影してしまった。でも実際にふてぶてしいというか偉そうな雰囲気を出している猫で、一通り周囲の人に撮影させたら「はいおしまい」的に入場客が入れない場所に帰っていきました。