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2025年12月11日木曜日

やっぱ中国は焦ってる?

 このところ毎夜、セールで買った悪魔城ドラキュラゲームボーイアドバンスコレクションを夜な夜な遊び続けています。Steamでキャッスルバニア系のゲームを遊びだしてからこの手のゲームが急に好きになり、満を持して本家キャッスルバニアこと悪魔城ドラキュラに手を出しましたが、やっぱ相性いいのかもしれません。
 ちなみにこれ以前に遊んだことのあるこのシリーズのゲームは、ゲームボーイのタイトルだけだった気がします。「月下の夜想曲」とか遊んでおけばよかったのに。


 上のニュースは今朝の時点で報じられてて出勤前に眺めたのですが、一見して「ああ、中国は相当焦ってるな」という気がしました。何故かというとすでに中国は日本への渡航注意報を何度も出しており、また政府が圧力かけて旅行会社の団体ツアーを中止させるなどあの手この手で日本の観光業に嫌がらせを続けているのですが、にもかかわらず再びこのような誰が見ても効果のない注意報を出した当たりよほど手に詰まっていることの顕れでしょう。それでもわざわざ出したのはやはり、当初期待していた結果や効果が得られないゆえの焦りとみています。

 そもそも中国政府の一連の嫌がらせの目的は、高市政権の支持率低下を狙ったものとみて間違いありません。まず観光業でダメージを与えて日本国内の政権批判を高めるという目論見だったのでしょうが、現時点で日本の観光業に目立った影響は出ておらず、株価も全く下がっていません。そして肝心の高市政権の支持率もほぼ変化なく、各所で指摘されているように中国国内の旅行会社を干し殺す結果しか生んでいません。
 中共ともなると数値目標の達成が厳しく求められる組織なだけに、上記株価と支持率の不動は担当者にとってかなり堪えるものだと思います。それゆえに、もはや意味をなさないと思うけど地震に絡めてまた注意報を出してみたのでしょうが、かえって中国側にもう手がほとんどないという手の内を明かすだけにしかなっていないように見えます。

 まぁ最初に出した、「クマ出没注意」の渡航警報に関してはなんも間違っていなかった気がしますが。

 私の予想だと、かなり手段が狭まってきている中国が今後採り得る手段としては、日本への送金規制かなと考えています。と言っても一般企業の送金ではなく中国人個人の日本国内における不動産購入資金や会社設立資金の送金で、中国国内に金を回す目的もかねて今後何かこの辺で規制してくるかもしれません。
 もっともこのところ中国人の日本の不動産購入には日本人もかなり懸念しているので、やったところで高市政権への支持率には響かず、それどころか日本人の習近平に対する支持率も跳ね上がるかもしれません。私個人としても、このところの日本の不動産価格高騰は若干懸念しており、冷えピタみたく熱を冷ますためにも中国側で金融規制やってくれたらむしろ助かる思いがします。

 あと蛇足かもしれませんが、今回の一連の嫌がらせで中国側の最大の誤算は日本と台湾の関係がむしろ前より良くなってきている点じゃないかと思います。そもそも中国と台湾の関係を邪魔していると中国が最初に主張してきたのですが、結果的には一連の嫌がらせで日本と台湾の関係をより結び付けてる節があり、これは普通に中国にとってもかなりの痛手な気がします。
 その上でもし中国に対し日本も嫌がらせしようってんなら、日台関係の好調ぶりを見せつけることに尽きる気がします。さすがに頼清徳総統の日本招待をやると中国もマジギレするでしょうが、日台の実業家によるビジネスフォーラムとか盛大に開いたら、中国側もこのところの無駄な嫌がらせを思い直すかもしれません。

 なおもしこのフォーラムを開くとしたら、私だったら東京でも台北でもなく、敢えて広東省広州市でやるでしょう。実業家同士のフォーラムを規制するのは景気の悪い中国にとってもかなりダメージが大きく、且つ香港に近い広州で日台関係の充実ぶりを見せつけるというのが、中国側の視点に立った場合に私が一番嫌だと思う事態です。
 この際だから中国でコンサート開けない芸能人たちも、代わりに台湾でコンサート開きまくったりすればいい気もしてきました。

2025年12月4日木曜日

この際、高市首相はもっと中国を怒らせた方がいいかも

 いくつか書きたいネタがありますが基本的にいつもその時に一番書きたいネタを書くようにしてこのブログのモチベーションを高めているので、今日は若干自分でも書き過ぎじゃないかと思っているまた中国ネタです。

 かねてよりこのブログで私は、日系メディアの中国経済に関する悲観的報道は間違っているということを主張してきました。どう間違っているのかというと、彼らが報じている以上に今の中国経済はずっとヤバく、その危険性や問題性をきちんと伝えきれていないと感じるからです。
 何気に凄いおいしいネタだと思うのにどこも取り上げないなと思う点として、中国は四半期ごとにGDPを発表して順調に数%ずつ成長していることをアピールしていますが、その一方で税収はこのところ右肩下がりに減少しており(非税収入を含む歳入はプラス)、GDP成長しながら税収減も果たすノーベル賞級な奇跡を実現しています。狙ったって普通出来ないだろうこんなの。

 一応言い訳としては減税しているからなどといえますが、この2年くらいは大規模な減税政策はなく、一応控除しきれなかった税金資産を期末とかに還付する政策の範囲を広げてはいますが、この政策自体は以前からやっており拡大範囲もそこまで広くなく、単純に既存税制の収入が落ちているだけです。

 こんな点一つとってもかなりヤバいのですが、それ以上に問題なのがかねてから主張しているように不動産業界の不良債権です。ここで正直に書くと、私は今年初めくらいに覚悟きめてこの不良債権処理に本気で取り掛かっていたら、まだ3、4年くらいの不況で何とかなるという希望を抱いていました。
 しかし今年も既に年末に至っていますが、現時点においても不動産業界の不良債権対策は何一つ実施されませんでした。日本人にもわかる恒大不動産の問題が明るみに出た2020年から既に5年も経過していますが、問題ある大手不動産会社の破綻処理は一つも行わず、また抜本的制度改革も実施しないまま無為に時間を過ごすだけでした。この間、恒大だけでなく碧桂園や万科などのほかの大手不動産会社でも社債償還が期日通り果たせなくなるなど債務懸念が拡大しており、事態は刻一刻と悪化しています。

 前述の通り、私は今年がある意味中国にとってラストチャンスの年だと考えていました。しかしここに至っても中国は何一つ対策を打たなかったことから、中国経済の完膚なき破綻はもうほぼ確定したと考えています。本気で対策すれば3、4年の苦境で済んだ問題を放置した結果、最低でも10年以上の不況期をこれから迎えることが今年にほぼ確定したようなものだとみています。
 何故放置したのかというと、恐らく中国人は「不況」というものを体験したことがなく、実感が湧かないからだと思います。実際、「恐らく今年が中国人が笑っていられる最後の年だ」と友人の中国人に話しても、「これ以上失うものなんてないじゃないか。既にもう不況の底だよ」と言われました。悪気はないというのはわかりますが、恐らく本当の意味の不況を体感したことがないからさらに底が割れるという事態を想像できないのだと思います。こんな具合に、どれだけ経済がおかしくなるかが理解できなかったからこそ放置したと私は見ています。

 その上で話を高市総理にもっていくと、このところずっとワイドショーを独占しているように中国は高市総理に対し「嫌なこと言った(# ゚Д゚)」と難癖付けて日本にたくさん嫌がらせしています。ただこの際だし、高市総理はもっと中国を逆なでして、それこそ頼清徳総統を日本に招待するくらいしてもっと中国に対日制裁や在中日系企業への嫌がらせを増やしてもらうように仕向けた方がいいのではないかと思うようになってきました。
 このような嫌がらせをされれば言うまでもなく在中日系企業の業績は悪化し、ここで働く私の仕事や給与にも影響しますが、これから底なしの不況に沈む中国から今のうちに離れた方が、死ぬ人間は少なくて済むのではと思う節があります。中国事業の縮小や撤退は確かに大きな痛手を伴いますが、このまま下手に中国事業を残すよりは総合的に見てマシじゃないかと本気で思っています。よほどの奇跡でも起きない限り、今後中国は製品ではなく不況を輸出する立場になると思え、中国と関係が薄いほどその影響も薄められると予想しています。

 その中国の不況が本格化するのは来年か再来年かと私は見ており、そのきっかけは日本と同じく証券会社を含む大手金融機関の破綻か増税かのどちらかだと思っています。可能性的に高いと思うのは増税で、冒頭にも書いたように既に中国の税収は落ち込み始めているのに対し、年金を含む社会保障費用は今後ますます増大ペースを歩むことから、早く増税しないとこっちでもヤバくなります。何か象徴的な一手がきっかけとなってダムが崩壊するような事態が来ると予想しています。

2025年11月29日土曜日

最近における中国の一般人の対日感情



 今日はこちらのKV-2という戦車のデフォルメキットを作ってました。デフォルメキットではあるものの、実寸と寸法比率は実はそんなに変わらない超絶2頭身な戦車だったりします。異形さで言えば、史上最高ではないかと思って前から作る気満々でした。

 さて本題ですが今日なんかやたらとほかの人にも説明する機会が多かったので、最近の中国人の日本に対する反応というか日本人が大好きな空気感を書いてきます。説明するまでもなく、最近中国政府は高市政権に対してはっきりってヒステリックなくらいに批判を繰り返しており、そのやたら激しい情熱は収まる気配すら見せません。なんでも今日なんか、上海で開かれていたアニメイベントで歌手の歌唱中に突然機材や照明を消したとのことです。

 そんな具合に歴代で見てもかつてないほどの反応を中国政府は見せていますが、一般人はどうかというとぶっちゃけ冷めてます。もちろん高市総理に対していい感情はみんなあまり持っていないですが、かといって反日デモを起こしたり、日本人を見かけたら襲い掛かったり、罵倒したりと言ったりすることは少なくとも上海では見られません。実際職場でも自分たち日本人は肩身の狭い思いをすることないし、政府同士の関係は悪くなってはいるけどだからと言って中国人全体で対日感情が悪化しているようには全く見えません。

 最低限としてはっきり言えることは、かつての2012年ごろの尖閣諸島問題の頃と比べると現在は全く状況が異なっています。当時は一般中国人も日本への怒りをむき出しにしていたし、日本車を中心に襲撃もよく行われていました。それと比べると現在はそうした行動で示すこともなければ、自分たちが率先して日本を批判しようという素振りすら見えません。

 以上を踏まえて述べると、このところ日系メディアが報じている中国人の日本旅行予約のキャンセルについても、旅行者個人がキャンセルしているわけじゃないのではと思う節があります。じゃあ何なのかというと、政府に言われて旅行会社がツアーを全部取りやめているように私には見えます。全部が全部とは言いませんが。


 またそのキャンセルの影響についてですが、はっきり言えば日系メディアの報道は全く信用できません。というのも観光地や施設によって中国人への依存度はそれぞれ異なり、依存度が高いところに聞けば「大きい」と答えるのは当然だからです。それこそこれまで中国人と欧米人が半々な宿泊施設とかなら、キャンセル後にこれまで受け入れきれなかった欧米人を入れられる可能性もあるのだし、そうした立場によるゆがみがどの報道見てもあまり反映されていない気がします。

 敢えて言えば、日本にある中国系観光会社や宿泊施設、それに白タクは確実に影響を受けていると断言できます。もちろん中国でも日本国内をメインとする観光会社も打撃を受けているであろうし、そう考えると中国政府のセルフ経済制裁のように見える節すらあります。

 私の個人的見解としても、かつてと比べると日本に来る観光客は多様化しており、また先日奈良を回った時も中国人の数は少なかったもののそれ以外の国からの観光客はめちゃ多かっただけに、今回の中国の対日批判で日本の観光が受けるダメージなんて微々たるものというか、無視できるくらいな気がします。
 日本人自身ももう忘れているでしょうが、ほんの10年前の爆買いブームでは日本製の炊飯器や紙おむつ、粉ミルクが売れに売れて、ベビー用品に至っては日本人が国内で買えないくらいの状態でした。しかしこの三商品は既に日本ブランドは中国でも凋落しており、以前のように中国人がこぞって買うような商品ではなくなっています。まぁ中国で出生児数が減っているのもありますが。

 もちろんこれらベビー用品を売ってた日系メーカーや象印とかは以前より中国で稼げなくなっているのは事実であるものの、それはついさっき起きたわけではなく数年前からの話です。爆買い時代に中国が日本観光を制限していたら話は別だったでしょうが、今現在でこういうことしてもそこまでの影響はもはやないとしか言いようがありません。それだからこそ、「お前ほんま何がしたいねん」と中国に政府には言いたくなってきます。

 その上で日本政府には、中国人は煽らずに、中国政府のみを煽り続けるという戦略が一番功を奏すのではないかと言いたいです。まぁ無視することが一番ですし、尖閣に何かしてきたら米軍艦と一緒にあの辺り回れば大体収まるでしょう。
 っていうかこの一連の流れ、トランプ大統領が「台湾問題に米国は係わらない」と言ったと習近平が誤解したことにすべて起因しているのではないかという気がします。本当に言ったかもしれないけど、米軍部は別の見方を持っているとは考えず短絡的に日本を追い込めると思っていろいろ失敗しているように見えます。

2025年11月27日木曜日

香港の高層ビル火災を見て思い出す2010年の上海マンション火災

 昨日に続きなんか妙に見出しが長いですが、日本でも香港の高層ビル火災が大きく取り上げられているかと思います。中国でも反応は大きいです。

2010年上海マンション火災(Wikipedia)

 この火災のニュースを見て真っ先に思い出したのが、上の2010年に上海で起きたマンション火災です。何故私がこの事件を思い出したのかというと、この上海での火災が起きる少し前、中国への転職活動で上海に自分が滞在していたからです。しかも火災事故現場から比較的近いホテルで滞在していて土地勘も少しあっただけに、発生当時は既に上海を離れていたもののこの時の火災は強く覚えるようになりました。

 そうした経緯もさることながら、今回の香港の火災と同様に上海での火災も外壁にめぐらされた竹の足場が火回りを早めた原因として指摘されている点も共通しています。香港の火災では竹の足場のほかにも防護ネットも可燃性であったと報じられていますが、日本ではまずないでしょうが、中国ではこうした竹の足場はよく使われています。
 ただ今回の火災のように、かねてから火事になった場合は炎を広げるとよく指摘されていました。実際に2010年の上海での火災でこの点が大きく取り上げられ、私自身の実感で話してもこの2010年は上海の街中でこうした竹の足場があちこちに見られたもののその後は徐々に減っていき、今ではもはや鉄骨の足場の方が多くなってきています。ただそれでも街中を走っていると、たまにまだこの竹の足場を見ることはあります。

 私の予測で述べると、恐らく今回の香港の火災を受けてさすがに中国もこの竹の足場の使用をそろそろ禁止するのではないかという気がします。竹だったら原価も安いし使用後は燃やせばすぐ処理できるメリットは確かにあるものの、こうも歴史に残るような大規模火災を引き起こしているとなると、高層ビルに関しては規制が必要なのではないかと私も思えてきました。
 前述の通り、上海ではすでに鉄骨の足場が主流となりつつあります。鉄骨は鉄骨で重いけど別の現場での再利用は可能であるだけに、今後転換が進んでこうした火災が減ることを切に願います。

2025年11月24日月曜日

中国でビジネスホテルの閉館相次ぐ?

 去年はパソコン周りは座卓にしてましたが、足は楽だけど腰の負担が大きいと感じたので今年はそれ以前のように椅子机形式にしたものの、なんか足元がめっちゃ寒くてビビりました。電気毛布あるけど座卓と違ってひざ掛けや肩掛けとして使うとめっちゃコードが絡むため、足元あっためるヒーター買おうか悩みまくってます。

 話は本題ですが、なんかこの数ヶ月くらいで私の自宅近くにあるビジネスホテルが2軒も閉館していました。このうち1軒は通勤途中にあって、急にトイレ行きたくなったらここに駆け込もうと前から目をつけていたものの、いざ実際にその時が訪れたら1階フロントにはトイレがないホテルだったため、「ケチなホテルめ( ゚д゚)、ペッ」などと逆恨みしていたホテルでした。
 そんな個人的なうらみはらさでおくべきかは置いといて、基本的にホテルは飲食店や小売店と比べると私の中では潰れにくいというイメージがあり、実際に中国でホテルが営業を停止する場面はこれまでほとんど、多分ゼロに近いほど見たことがありません。それだけに立て続けに2軒も閉館する場面を見て、これが偶然なのかどうかが非常に気になったわけです。

经济型酒店大败退(读懂财经)

 上二つのリンクは中国語の経済記事ですが、どちらもこのところのビジネスホテル業界の不振ぶりについて詳しく書いています。特に象徴的な事件として、中国ビジネスホテルチェーンとしては非常に名の通った布丁酒店(プリンホテル)が3期連続の債務超過によって今年に上場が取り消されていたそうです。経営状況は改善を見せておらず、またここに限らずほかのビジネスホテルチェーンも苦戦が続いているといった内容が記事で解説されています。
 もう少し深堀すると、ビジネスホテルの空き室率がこのところ高まっており、各チェーンホテル会社はビジネスタイプのホテルの新規建設を抑制するとともに、既存ホテルの改装を行ってミドルハイタイプへの転向を図っているそうです。この背景としてはビジネスタイプでは価格しか強みがなく値上げ余地が低いのに対し、ミドルハイタイプなら値上げ余地もある上に独自性も持たせられるためと説明されています。また値上げはホテル運営会社にも、旅行代理店にも収益アップにつながるため、双方から歓迎されるそうです。

 その上でビジネスホテル業界の苦境に関して上の方の記事では、家電製品などと比べるとホテル業界への国の補助金はほとんどない上、価格を下げたところで宿泊需要が増えるわけでもない点を指摘しています。実際、「普段より値段が安いから……」という理由でホテルに泊まろうとする人はいるわけではなく、単純にこの業界の需要は出張や旅行といった人の移動がなければ生まれません。そのため記事では、全体景気の不況により人の移動そのものが低下していることも背景にあるのではと示唆しています。

 かねてから私は中国の不況は日系メディアが報じるどころのレベルではないと指摘し続けていましたが、個人消費に関しては日本の90年代同様に意外と下がらず、全体景気は後退しても消費拡大はしばらく続くと予想しており、実際中国もそうなっています。ただ本当に不況であればB2B方面で明確な影響が出ると思っていたのと、商業不動産も早くに影響が出るのではと考えていました。
 その商業不動産の代表と言えば商業ビルとホテル業で、つい2週間前にも同僚とホテル業界どうなんだろうという話を持ち掛けたばかりでした。その時に「そういえばうちの近くのホテルも閉まってた」と思い出し、そしたらそのあとすぐにもう1軒のホテル閉館が起きたので、ますます怪しむようになったわけです。

 コロナ流行が終わったとは言え中国国内の景気後退が激しいのと、日本と比べて以前より外国人観光客が中国では増えていないように見え、自分の想像以上に中国のホテル業界はダメージを受けているかもしれません。そもそも中国大都市部はホテルの乱立が激しく、今回はビジネスホテル事情のみを軽く調べてこの記事書いていますが高級ホテルも案外似たような状況にあるのではないかと危惧しています。逆にこの機に中国でチェーンホテルビジネスをやりたいと思っている企業や経営者にとっては、買収進出の絶好のチャンスとなるかもしれません。

 っていうか閉館したホテルの跡地がまた問題になって来るかもなぁ。それにしてもこのネタは我ながらよく気が付いたし、日本人でこうして記事化しているのも自分くらいでしょう。

2025年11月22日土曜日

中国が高市総理への批判を繰り返し続ける理由


 友人から送ってもらったので上の「如果歴史是一群猫」という歴史漫画キャラクターの猫戦車作りましたが、レゴブロック形式なので簡単に組上がるかと思いきややたら苦戦しました。特に今日は6時から起きて自転車こいだりするなど動き回ったせいで、これ作ってた最後の方は餓えとの戦いでした。

 話は本題ですが以前収まりを見せずにヒートアップを中国の高市総理批判ですが、いろんな人がコメントする中で一番参考になったのがこの記事に寄せられた益男知佐子・九州大教授のコメントでした。せっかくなのでそのまま引用すると、

益尾知佐子

国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

見解中国は数年に1回、米国の同盟国を標的に激烈な政治攻撃を仕掛けてきた実績があります。今回は、高市氏の首相就任前から国内メディアを使って彼女へのネガティブキャンペーンを展開していました。そこに高市氏が不用意な発言をし、中国の大阪総領事が「首を斬る」という反応をした。本来、この外交官の書き込みが問題なのですが、今回はこれを逆手にとって反日攻撃を仕掛けています。事件は偶発的ですが、そこにはもとから燃焼性の高いガスが溜められていました。 問題は習近平体制がなぜここまでするのかです。経済や対外関係の面で、ここまでの大騒ぎはむしろマイナス。なので、おそらく中国の国内政治に理由があるのだと思います。米国とは事を構えたくないので、手頃な相手を使って国内を政治的に引き締めているのでしょう。中国の周辺環境が悪いほど習近平体制は続投しやすくなります。原因は中国国内にあるので、容易に収束しないと思います。


 このコメントでも指摘している通り、どちらかというと日本側の発言や行動というより中国国内での支持拡大、国民昂揚といった国内を原因に中国は日本を繰り返していると思う節があります。

 またもう一つの要素として前から気になっていた点を述べると、なんか今回の中国の日本批判と日本への嫌がらせはやけにペースが速いというか、事前に準備していたのではないかと思っていました。その疑問について上のコメント見て気づいたというか思ったのですが、多分高市総理の存立危機事態発言以前の段階から日本への批判、貿易方面の嫌がらせパックをはじめから準備していたのではないかとみています。なんでそんな準備していたのかもったいぶらずに指摘すると、発足時点から高市政権を批判してできるだけ早く退陣してもらおうと中国は考えていたのではと推測しています。

 一体何故中国は高市政権ができた段階からなるべく批判して、早く潰そうとするのか。一言で言えば高市政権を安倍政権のような極右政権と考え、中国にとって望ましくない政権だと、まだ高市総理が何もしていない時点から捉えていたのではないかとみています。こう思う理由としては中国側の発言や動きで、発足前の段階から高市氏のことを「安倍の後継者」などと呼んで非常に警戒していました。極めつけは先日のAPECでの習近平の態度で、関係をどうこうする以前になんか高市氏との接触をやたら避けようとしているような素振りであると、主観に過ぎませんが私には感じました。
 この二つの要素を考えるに、発足前の段階から高市政権のことを「ポスト安倍政権」と捉え、何らかの口実を作って徹底的に批判してなるべく早く政権から降りてもらおうと画策していたのではというように思えてきました。

 仮にこの通りであれば恐らく今回の存律危機事態発言を高市総理がしなかったとしても、別の発言や行動を無理やりこじつけて口実にして、中国は激しい日本批判を行っていたのではないかという風に私は思います。その場合、たとえ今回中国が要求する通りに高市総理が先の発言を撤回したとしても、今度はまた別の口実で中国は日本批判をしてくる可能性が高いだけに、現時点では高市氏が発言を撤回しない方がいいだろうと私は考えています。何故なら中国の目的は日本に謝らせることではなく、高市政権を降ろすことにあるからです。

 その上で、以上の推測が正しいなら今後も中国は延々と対日批判を繰り返し、尖閣諸島編上陸を試みるなど挑発的行動をエスカレートしてくるかもしれません。日本としてはいちいち相手にせず、先の国連の死文化済みの敵国条約の件と言い、中国側の発言の誤りを指摘し続けるのが一番ベストだと思いますが、敢えて外交において中国が最もやられたら痛いと感じる嫌がらせをするならば、個人案としては台湾の頼清徳総統をある人物に会わせるよう斡旋するのがいいと思います。その相手というのも、ウクライナのゼレンスキー大統領です。

 ロシアと中国がタッグを組んでいるのは周知の事実であり、またともに武力行動による領土線変更や支配を目論んでいるのも共通しています。そのロシアから狙われ、実際に攻撃を受けているウクライナの代表が、同じく中国の脅威にさらされている台湾の代表と並んでツーショットを取るというのは、「強国に脅かされている当事者たち」という事実を強く強調できるのではないかと思います。
 その際、この二人だけでなくEUの首脳や日本の総理も一緒に並び、自由と民主を必ず守るなどという声明を出せば、中国にとって一番腹立たしい写真が出来上がるような気がします。その上で日本としては、「中国と台湾の平和且つ民主的統合を望む」ということを発言してやれば、中国としても日本を批判し辛くなって(民主的統合を否定することになるため)、余計楽しくなるでしょう。

 以上色々語りましたが、恐らく日本側が何やったところで高市政権が続く限りは中国は対日批判をし続けるでしょう。だったらこの際、中国がどこまで日本を批判できるのかを試す意味で、高市総理が毎日台湾友好を口にしてみるのもありかもしれません。またある意味でハードルを上げるチャンスとも言え、これを機に普段は中国相手にできないことをいろいろやって、後々に「じゃあこれやめてやるから代わりにこっちの条件を飲め」とばかりに駆け引き手段にしてみてもいいでしょう。
 どちらにしろ、何しようが中国は対日批判を今後しばらくはずっと続けるとみていいでしょう。止まるとしたら、中国でまた日本人襲撃事件が起きた時くらいでしょう。

 つうか中国の言葉にいちいち反応するだけ無駄なので、もっと日本はクマのニュースを重視すべきでしょう。中国の発言はクマ以下だと言ってやれば、向こうもばかばかしくなってくるでしょう。

2025年11月16日日曜日

台湾統合を自ら遠のかせている中国


 昨日買ってきて早速作ったMig-27です。知らない人に説明するとこの機体、米国のF-14などをまねてロシアが作った可変翼機で、機体はすごいコンパクトなのはいいけど逆を言えばコンパクトだから可変翼にする必要性があまり感じられない機体です。

 話は本題ですが若干クマニュースに負けている感がある例の中国との存立事態発言問題ですが、そもそもの話というか発端はやはり台湾有事です。この台湾有事ですが、中国が習近平政権に入ってから周りを気にせず台湾に対する軍事統一を主張するようになってきたことから、徐々に米国や日本で警戒されるようになってきました。中国側は米国や日本が台湾に対する危機を煽っていると主張していますが、少なくとも私の目から見て一番危機を煽って台湾周辺を賑やかしているのは中国自身にほかなりません。
 そんな現在と比べると、習近平政権の前の胡錦涛政権の頃はまだ穏やかなものであったとともに、ある意味で台湾統合の可能性が最も高い時期であったように思えます。具体的な時期で言えば、2010年前後です。

 2010年頃、既に大陸と台湾の経済関係は非常に色濃く、互いになくてはならない経済パートナー関係になっていました。そのため以前は大陸との直行便がなく、ビジネス関係者が台湾と行き来するにはわざわざ香港を経由するしかなかったのですが、2003年からは台湾と中国本土の間で直行便も飛び交うようになり、人的交流もどんどん盛んとなっていきました。
 当時のある台湾人の話を引用すると、旅行で外国に行って入国審査でパスポートを見せると中国本土のパスポート違うことから、担当官によっては「これは偽造だろう!」と言われることも多いだけに、この際早く中国本土と統合してほしいという意見を述べていた人もいました。台湾人の側でも、もう一緒の中国になってもいいのではと思っている人が、全員とは言わずともかなり多くなってきていたじきだったという気がします。

 そのように和やかなムードが醸成されていたのが一変したのは2014年に起きた、香港での反政府デモ事件です。この事件で香港の民主派主義者が弾圧され、保護するとしていた自治権もほぼ骨抜き化され、自分の知る限り「一国二制度」という単語はこれ以降、日系メディアから見ることがなくなった気がします。
 一応、インターネットの自由など大陸本土と比べ香港にはまだ自由の幅が広いものの、2014年以前と比べると締め付け、特にメディアへの規制は明らかに強くなっており、また経済力の低下もあって香港のフェードアウトはこの10年でかなり進んだ気がします。

 2010年くらいまでは台湾に対して中国も、香港のような一国二制度方式での統合を内々で示唆していたような気もしました。そして台湾人も、一国二制度方式ならもう一緒になってもいいやという雰囲気だったように見えます。
 しかし前述の香港の事件を受け、台湾の人たちも考え方を一変させたというか風向きが変わった気がします。そこへきて習近平が軍事的制圧も辞さないことを公に発言するようになり、台湾人の独立意識を強めるとともに米国も台湾への支援をそれ以前よりも強化していくようになってきています。

 こう言っては何ですが、習近平は何がしたいのか見ていてわかりません。占領を目論む地域には普通、硬軟合わせた手法を用いるのが当然で、ロシアもウクライナに対しては長年そのような工作を続けてきました。飴と鞭のように軍事的な恫喝をする傍らで「素直に従ったらいいことあるかもよ」と、甘い顔を同時にするのが常套です。具体的には先の一国二制度や自治権などが台湾にあってもいいなどと匂わせたり、少なくとも台湾統合を果たすまでは香港には手を出さないなど、やっと伽良かったと思う手法はいくらでもあったのに、今の台湾の指導者を指名手配するなど、恫喝だけを強めています。これで従おうとする人間がいるとしたら、プライドも根性もない犬のような人間だけでしょう。

 前述の通り、2010年ごろは台湾にも統合の機運が確かに高まっていました。あのまま経済交流を強化し続け自治権の確約などを打ち出していれば、もしかしたら今頃は統合もなっていたのではないかと思う節すらあります。
 しかし習近平政権以後の恫喝によって、実際に台湾に行ったこともなければ詳しく調査していませんが、少なくとも2010年と比べると今は大陸への統合機運はかなりしぼんでいるように見えます。そのため、今中国が台湾を統合しようなら本当に軍事制圧しか手段がなくなってきているように見えます。

 しかしこの10年で見ても、ドローンの活用も含め軍事上では防御側がそれ以前よりますます有利になってきている気がします。また米国もF-16を台湾に供与するなど台湾側装備もどんどん良くなってきており、中国も兵器開発を強めているものの、私の見立てではロシアみたく市街地にバンバンミサイルを飛ばすことはできない気がします。
 以上を踏まえると、平和的な統合の可能性をかなぐり捨てた上に、軍事的イニシアチブもどんどん弱める中で台湾有事を叫び、日本や米国を批判する中国は一周回って滑稽であるように見えます。前述の通りきちんと硬軟織り交ぜる工作を取るならともかく無意味に危機感だけ煽って対策準備する時間を相手に与えるなど、何考えてるのか意味わかりません。やるんだったら何も言わず、むしろ「台湾有事なんて起きるわけないじゃん(*^▽^*)」なんて言いながら不意打ち的に行動を開始すべきであり、中途半端な手法を取って自ら台湾統合を遠のかせているのが今の中国である気がします。

2025年11月15日土曜日

中国式戦車茶道

 今朝は8時半に起きて顔を洗い、朝食食べてニュース見て洗濯物干した後、プラモ屋まで自転車で行こうと計画していました。ところがそのファーストステップの顔を洗うところでつまづいたというか、蛇口から水が出てきませんでした
 何が起きたのかというとちょうど自分の住んでる団地で今、老朽化したガス管の交換工事が行われており、数日前より団地敷地内を業者の皆さんが掘り返して工事をやってくれていました。恐らくその工事の関係で水も一時止められているのだとすぐ合点がいったのですが、顔自体はウェットティッシュが自宅にあるからそれで拭けばいいものの、朝からお茶飲めないとなると水分的に良くないなと思い、せっかくだからとそのまま外に出て近くのマクドで朝マクドすることとしました。

 そうしてマクドで朝食を食べている最中、いつものように心身の健康を維持するため敢えて物欲を刺激するよう淘宝のおすすめ商品一覧をざっと眺めていたところ、目を引く商品がプッシュされてきました。

 
 百聞は一見に如かずですがこの商品が何なのかというと、戦車の形をした急須です。言われてみて初めて自分も気づきましたが、戦車と急須は形状が似通っており、確かにそのままの形で急須にすることができそうです。最もその点に気づいたからと言って、実際に急須にして作る奴なんているわけねーだろと誰もが思うところ、マジで作ってしまうのが中国人というべきなのかもしれません。マジリスペクト。

 個人的にはめちゃ心を打つ商品で実際に手に取ってみたいものの、仕方ないとはいえ値段がやや高め(通常の急須なら400~600円くらいのところ、上の写真のは6000円&3200円)なのと、中国式な急須なせいか一回で入れられるお湯の量が少ないサイズとなっており、多分普段使いだとあんまり活躍しなさそうなので、多分今後も購入しないと思います。
 誰かにプレゼントとして使うならありかもしれませんが。

 ただ真面目に、日本の茶道教室とかでいきなりこれ出されたら生徒やお客はマジビビるとともに凄い感銘受けること間違いないでしょう。中国には茶道はないものの茶芸といって、体系化されてはいないもののお茶でのもてなしマナーというのはあります。そういうところでさりげなくこんな一品だしたら誰もが人気者になれるでしょう。
 あとアニメのガルパンことガールズパンツァーでは茶道や華道っぽく女性のたしなむ稽古事に「戦車道」ってのがある世界ですが、こんな茶道具あれば戦車茶道としては成立するかもと思います。

2025年11月13日木曜日

中国領事の斬首発言問題で無意味に拡大させる中国

 いちいちリンクはつけませんが、先日の薛剣・駐大阪総領事の高市首相に対する斬首発言について、なんか中国は今日、「そもそも高市総理が台湾をめぐる問題について言及したことが悪い」などと公式に批判しました。これ見て私が何を思ったのかというと、中国は外国に駐在する領事だけでなく国内にもまともな外交官がいないのかということと、その人材不足はかなり深刻なところまで来ているなという感想でした。

 私の主観で述べると、少なくとも高市総理の台湾有事は日本にとっての存立危機事態という発言には何も問題がないと思います。というのも台湾周辺は日本にとって石油をはじめとする重要なシーレーンであり、日本がこの紛争に対し軍事的に直接関与する、しないに係わらず、発生した場合は国家的にも何かしら対応に迫られることになるのは必定です。
 というか日本に限らなくても、周辺で戦争が起きた場合に存立危機事態に入らない国なんてほぼないでしょう。それにそもそも中国自身が台湾への軍事行動を辞さないとかねてから平気で放言していることも考えると、これに備えない周辺国はただの馬鹿以外の何物でもありません。

 その上で話を戻すと、例の斬首発言に対して日本政府は比較的大人な対応を取ったかと思います。さすがに発言を放置することはせずに公式批判をした後、一部の日本人が求めているペルソナノングラータに指定しての国外追放までの手続きは一切進めませんでした。
 私自身、あの発言は十分に国外追放処理が取られても仕方のないようなものだったと思うものの、かといって無駄にことを大きくする必要もなく、日本が大人な態度を見せた上で中国も「業務上の理由」で総領事を交代させればすべて丸く収まると思っていました。

 ところが中国はそのような阿吽の呼吸は取らず、むしろ「日本で大阪総領事が批判にさらされている」などとしたうえで、高市総理の発言をあげつらって公式に批判してくるに至りました。せっかく日本側が事態を鎮静化させようとしているにもかかわらず、空気を読まずに無駄に燃料を投じているように見え、なんていうか元々外交はうまくない国だとは思っていましたが、最近はさらに輪にかけて下手になってきていると感じた次第です。

 なお中国側では個人ブログを除いて、一般メディアは斬首発言については一切触れていません。なので一連の流れも、

高市総理の存立危機事態発言
↓↓↓
薛剣・駐大阪総領事が高市総理を批判
↓↓↓
日本側が薛剣・駐大阪総領事に逆批判
↓↓↓
中国政府も一緒になって日本政府を批判

 という風な流れだと説明していて、肝心の斬首発言については触れないというか明確に報道規制しています。

 ただあの斬首発言が出たときに自分が真っ先に思ったこととしては、「これ、中国国内で外国の領事が習近平に向かって同じこと発言したら、問答無用で中国は襲撃かけてくるだろうな」ということでした。でもって「こんな恥知らずな国の連中めが!(# ゚Д゚)」などと激しくいきり立って延々と批判を繰り返してくるのも目に見えていますが、そうした態度を取らずに毅然と批判するだけ日本はずっと大人だと思います。
 逆に中国は、自分がやられたら絶対タダでは済まさないような無礼な発言をした自国の外交官に対し、こうしてかばうような姿勢を取ってしまうあたり外交のバランス感覚を完全に失っているように見えます。まだ王毅氏が日本大使だった頃は日本のことを批判しつつもちゃんと落としどころを探るような態度も見せていて、外交の駆け引きが上手だといつも感じていましたが、今の中国の外交はただただ下手であるという印象しか覚えません。

 今回丸く収められた事件をこうして無駄に炎上させたことから、現状で落としどころも見えないし、もしかしたらこの問題はまだしばらく続くかもしれません。もっとも長引かせたところで困るのは中国自身で、日本としては中国以外からも観光客はたくさん来てるし、逆に中国から日本へ移民する人たちは増えていて、中国政府がここで日本に対するヘイトを高めたところで何も損するものはないでしょう。

 最後に上の方で書きそびれたけど、中国が急に総領事をかばって日本を批判し始めたのは米国のトランプ大統領がこの発言に対して不問にしたことが最大の理由でしょう。逆を言えばそれだけトランプ大統領のことを恐れているように見え、日本や韓国に対しては舐め腐っているのが本音だということでしょうが、日本からすれば中国に付け込むチャンスはかなり増えてきていると言える気がします。相手を侮る国ほど、対応しやすい相手はいません。

2025年11月12日水曜日

中国上映を控え現地で盛り上がってきた鬼滅の刃

 本題と関係ないですが刑事容疑で告発された兵庫県知事の多くの疑惑について今日まとめて起訴を見送ることが発表されました。考えすぎかもしれませんが立花孝志氏の逮捕とあまりにもタイミングが良いいように思え、何かしら関係者に思惑あってのことではとちょっと勘繰りたくなります。もっとも告発された容疑に関しては確かに証拠が多いとは言えないし、起訴しても有罪に持ち込めるかと言ったら微妙な案件であるため、起訴見送りについてはそこまで不自然だとは感じません。


 というわけで本題ですが、中国でまだ公開されていなかった鬼滅の刃の映画が明後日11/14から公開される予定となっており、既に前売券の売り上げが約1.2億元(約25億円)となっており、以前に外国映画として記録を作った「スラムダンク」の記録をすでに追い抜いていると報じられています。

 詳しく追っていたわけじゃないですが以前聞いたところによると、今回の鬼滅の刃の映画は中国では当初、公開されないという風に観測されていました。理由は内容が暴力的であることが指摘されており、実際に以前に公開された無限列車に関しても中国では映画館公開はされませんでした。そのためこの作品のファンは本土での観劇は無理と考え、わざわざ香港まで見に行ってたほどです。
 ちなみに映画館では公開されていないものの、動画配信サイトでは鬼滅の刃はちゃんと正規ライセンス版が配信されているので、中国のファンはテレビ公開シリーズを含め作品を視聴することはできました。

 話を戻すと当初は上映に乗り気じゃなかった中国が何故ここで公開にこぎつけたのか。敢えて憶測で話すと、それだけ中国映画界が困っていたからじゃないかと私は見ています。
 去年ごろから中国は映画業界が不況であることが度々報じられており、期待の反日映画も「南京照相館」はヒットしましたが、もう一つの「731」に至っては初動で大顰蹙かってそっと消える始末でした。なお「731」は既に公開終わってますが、「南京照相館」の方はまだ公開しているところがあります。

 何となく米国のマーブル作品もかつてほどの勢いがなく、また中国国産映画も全然振るわなないことから、中国の映画館はこのところどこも客が入らず、難儀しているというのを映画好きの友人などからもかねてから聞いています。またニュース報道でもそうした映画界の苦境がよく報じられており、そのような窮状だけに、かつては上映を拒否したものの中国でもファンは多く、公開しさえすれば観客を確実に大量動員できる見込みが高いことから、今回ジョーカー的に鬼滅の刃がこうして公開に至ったんじゃないかと推測しています。少なくとも前売り段階でその目論見は当たっており、私自身も実際に公開されれば大ヒットとなり、文字通り中国の各映画館を救うことになる可能性が高いとみています。

 映画館側も気合入っているというか、自分が普段通っている自宅近くの映画館では明日の24時、つまり明後日の0時きっかりから初回の上映を予定しています。座席予約も半分くらい既に埋まっており、この時間帯の上映でこれだけ来るのなら土日とかマジヤバい事態になる気がします。多分今週末辺りから日系メディアも取り上げて、「中国で鬼滅が大ヒット!」みたいな言葉を連呼するでしょう。同じく中国で今公開されている「小林さんちのメイドラゴン」はスルーして。

 なお私は鬼滅の刃は漫画は全部読んでますアニメにはそこまで興味がないため、今のところ見に行く予定はないです。先週はプレデターを見たけど、今週末は「グランドイリュージョン3」でも見に行こうかと検討中です(´・ω・)

2025年11月3日月曜日

中国の高市総理に対する反応

 1冊77円のセールをやっているので久々に漫画の「バスタード」を購入しました。この漫画は19巻までは買ってたけどそれからはあまりの進行の遅さと、新刊が発売されても気づかなくなったので読まなくなってましたが、現在出ている巻まで一気買いして改めてこの作者の作画力の高さに驚きました。日本の漫画家の中で最も絵がうまい人を挙げるとしたら私の中ではやはり「ベルセルク」の三浦建太郎が来ますが、萩原一至氏はこれに次ぐような気がします。
 やや皮肉ですが、どちらも作画にこだわるあまり作品は未完結で(恐らくこのまま永遠)、ジャンルもダークファンタジーで共通してますが。

 話は本題ですがふと気になったので中国の高市総理に対する反応を見てみようと急に思い立ち、先ほど関連ニュースをざらっと見てみました。これまで中国でニュース検索するときは百度を使っていましたが、去年あたりからなんかニュース検索の質が劇的に落ちて、実際さっきも高市総理の直近6ヶ月間のニュースは4本しかヒットせず話にならなかったので、新狼(Sina)のニュース検索を使ってみました。こっちはちゃんと直近のニュースもたくさんヒットしてくれて、今後はこっちをメインで使うこととします。

 それで肝心の内容ですが、日系メディアはよく中国は高市氏の右派的思想を警戒しているなどと報じることが多いですが、私の見方は若干違います。ニュース記事を見ている限りだとまだどういう人物であるか読みあぐねている、言い換えると敵か味方かを判別している最中なんじゃないかと思います。
 逆を言えば石破前総理については若干カモっぽく見ていた節があります。

 その上で総理就任からこれまで期間が短いものの、その外交力の高さには素直に驚いているように見えました。先のトランプ大統領との会談、そしてAPECにおける立ち回りなどで各国首脳から好意的な反応を引き出したほか、目立つパフォーマンスぶりを見せており、これまで中国もノーマークだったとはいえここまで良質な外交を展開できるのかというような論調が見えます。
 それもあってか台湾関係者と会ったことについて中国はすぐさま強く抗議してきましたが、これまでの総理も台湾関係者としょっちゅう会ってるのにここまで拒否反応を示したことは、それだけ高市総理の外交力を恐れているというか警戒している表れだと思います。右派的性格もさることながら、台湾と接触されると中国がまずいと危機感を持ってきたと言ってもいい気がします。

 また靖国参拝を見送ったり、韓国大統領との会談も和やかに終わらせたことについて、「比較的現実感のある政治家」という風に評してたりしました。この点については自分も同感ですが、こうした論調を見るに正式就任前と比べるなら中国はやや警戒感を薄めているように見えます。噂されているほど話が通じない奴じゃないといった感じで。

 それ以外に関しては「高市ノミクス(中国語だと「高市経済学」)」の中身はどうとか経済政策に関する報道がいくらか目立ちます。まぁ自分に言わせればせっかくなんだし「習近平経済学」とやらについて中国メディアに解説してもらいたいのですが。
 マジな話、不良債権を無駄に拡大し続けさせている中国の経済政策方針に中国人ももっと目を向けるべきでしょう。それこそ3年前にしっかりやってりゃ今頃状況は好転していたんじゃないかと思うのですが、マジでこの3年くらいで社会における負債は倍くらいに広がっているのではとも疑っています。日本の経済政策語ってる暇あったら、もっと自国の経済政策に危機感持てよと言いたいです。

2025年10月3日金曜日

中国のスタバで客離れが起きた背景




 連休三日目、普通に最高気温が30度超える日が続いていて今年交換したばかりのエアコンが大活躍する日々です。今日は朝ゆっくり起きてからあらかじめ買っておいたマルヨンことF-104のデフォルト飛行機作った後、近くのスタバに行って「スパイファミリー」の最新刊を読んでました。
 何気に、私はこれまでスタバのコーヒーはやや香りが強いように感じてあまり好んでいなかったのですが、最近になってシャーベット状のフルーツジュースや抹茶ラテなどのコーヒー以外のメニューが意外においしいと気づき、歩いて行ける範囲にお店もあることからよく通うようになりました。ただ通うようになったのはこうしたメニューの再発見もさることながら、以前と比べて来客数が多くなくなって席に座りやすくなり、且つ静かに落ち着いていられることの方が大きかったりします。


 上のような記事が出ているなど、このところスタバの中国事業については売却がうわさされるほど芳しくない観測が度々出ています。前述の通り私の目から見ても以前と比べてスタバに通う人は明らかに減少しており、そのおかげで私のようなタイプも通うようになってきてはいるものの、事業としてはやや細くなってきているようです。
 では一体何故中国でスタバが流行らなくなってきているのか。理由は色々あって、逆にスタバが強みとなる理由はほとんどなくなってきているのが現状です。

 まず第一に、ライバルとなる喫茶チェーンがめちゃ増えたことに尽きます。ネットで注文してデリバリーサービスに運んでもらうのをメインとしたラッキンコーヒーやマナーコーヒーなど、店舗内の雰囲気より低価格でネットサービスに特化したコーヒーチェーンがこのところ強い勢いがあり、街中で槍を投げれば上のどれかにあたるくらい氾濫しています。私自身も何度か利用しましたが、単純に価格だけでもスタバの半分近くで、また味もそこまで悪いという印象は受けませんでした。
 この価格についてですが、やはり中国人に話を聞くと「スタバは高すぎる」という声をよく聞きます。トールサイズで大体30元(約600円)くらいなのですが、マナーコーヒーとかだとこれがマジで約15元(約300円)位となります。またこれまでスタバのコーヒーをありがたがって飲んで来た層もコーヒーの味をある程度理解してきたようで、スタバに対して「まずくはないけど値段ほどの価値は感じない」という風に見ている印象を受けます。まぁいいかえると、昔スタバが流行ってきたころのほかの中国の店が出すコーヒーはマジでまずかったのは事実ですが。
 さらに付け加えると、やはり単純にデフレによる低価格帯への嗜好の移動もあると思います。質や価値よりも低価格での納得感を中国人も優先するようになっており、落ち着いた店内よりもデリバリーで安いコーヒー飲めればそれでいい的に、割り切り感が出始めてきています。

 以上のような価格面の要因のほか、デリバリーサービスの普及もかなりデカいです。やはりスタバが強かった要因としては「スタバで飲むのはおしゃれ」というブランドというかプレミアム感です。これが先のデフレの影響で求められなくなり、それどころかいちいち店にまで行って飲むのがめんどくなり、ネットで注文してデリバリーで家まで持ってきてもらうというのが最近の中国におけるコーヒースタイルになりつつあります。
 なおこの点については、未来の日本の姿でもあるような気がします。こうした小売サービスにおける中国の革新は日本よりも進んでいてウーパーなどのサービスも中国に遅れてやってきた感があるので、今後日本でもデリバリーでコーヒー飲むのが一般化するかもしれません。
 もちろんスタバもネットで注文できればデリバリーに運んでもらうこともできます。しかしほかのしんこコーヒーチェーンの方が価格も安く、お店の雰囲気に左右されないならばやはり価格の影響力がより強いでしょう。

 以上のように中国のスタバは逆風となる理由はたくさんあるのに対し、ほかのチェーンに対する強みがほとんどないような状況です。私としては混みあわなくなったので逆に今のスタバの方が好きですが、このままの状況だと今後ますます厳しくなることが想像されます。
 なおスタバに限らず、以前はよく見た「一茶一座」などとする喫茶チェーンも減ってきています。単純に流行の交代の影響ともとれる節があるだけに、スタバもマーケティングというかイメージを一新するアクション次第では復活もあるのではないかと思っています。

2025年9月21日日曜日

映画「731」に対する中国の反応

 この週末は気温も下がって天気も良かったので、部屋からほとんど出ずにずっとプラモとゲームをして優雅に過ごしました(´∀`*)ウフフ


 で、作ったのがこのキングタイガーことタイガー戦車タイプ2です。一応、Mengのデフォルメ版のキットなのですが割とプロポーションよく、角度によっては通常版のキットに見えなくもないです。


 接着剤いらずのキットですが製作中に車軸一つを折ってしまうミスをやらかしたりしましたが、全体としては前のデフォルメ版3号戦車よりはパーツ整合性がよく、楽しく作れました。


 それで話は本題ですが、先週木曜日から日本でも色々報じられている731部隊を取り上げた「731」という映画が中国で公開されました。この作品の公開以前からも「南京照相館(南京写真館)」という南京大虐殺をテーマにした国威発揚映画が人気を博していたことから、昨年相次いだ日本人襲撃事件もあり、中国における在留邦人に対する暴行事件などが増えるのではないかと懸念されていました。

 先のリンクにある通り私は「南京写真館」については既に見に行っており、映画単体としてよくできているし面白いと素直に感じました。そんな私ですが今回の「731」に関しては公開前から現在に至るまで見に行こうという気は全然なく、ほとんど毎週映画見に行ってて今週はほかに見たい映画もあるわけでもないにもかかわらず、見に行くことはありませんでした。
 一体何故「731」を見に行く気がないのかというと、単純にあらすじとか見ても面白そうに感じなかったからです。「南京写真館」の方はキービジュアルとか南京市の写真館で隠れ潜むというあらすじが面白そうだと感じ、何より上海ロックダウンを経験していて外の出れない苦しさを体験していることもあり、この映画ではその辺がどう描かれるのだろうかという点で興味がありました。

 それに対し「731」の映画紹介とか見ていると、731部隊を例に日本の残虐さがどれだけひどかったかなどと言うアピールが強く、その残虐さをどのような筋立てで見せようというのかがあんまり伝わってこず、キービジュアルを見ていても魅力を覚えませんでした。10月の連休中によっぽど暇だったら見に行こうかとは思いますが、現状はそんな感じであまり乗り気じゃありません。

 では実際に見た人たちの反応はどうか。まず大衆点評というウェブサービスサイトの批評を見るとものすごい長文で10点満点をつけて絶賛している人が多く見られました。大体どれも日本はどれだけ残虐で世界に害をなしてきたか、この映画はそれらについて大きく振れているなどいったことが延々と書かれてあるのですが、よくよくみると映画そのものの内容についてはあんまり触れていないというのが多かったです。
 低いスコアをつけるレビューも見られましたが、友人によると大衆点評はサクラレビューも多いから、好評価レビューが多くてもあんま信じるなということでした。でもってその友人に勧められた批評サイトの豆評を見てみると、こっちは「期待外れ」っていう意見が圧倒的に多かったです。

 豆評の評価が低いレビューの具体的内容を見ると、まずストーリーが悪く、ロジックからしておかしいというものが目立ちました。時代考証も同様に悪く、この点でしっかりしていた「南京写真館」とは雲泥の差と書く人もいました。
 そして俳優の演技に関しても低評価が多く見られます。「南京写真館」なんかは私が見ていてもみんなすごくいい演技をしていたと感じたのですが、それと比べるとこの「731」では「コメディじゃねぇんだよ!」という厳しい意見すら見られます。

 一部引用すると、「731部隊の悪行はありのままに表現すべきであり、娯楽になどしてはならない」というかなり怒りのこもったレビューも見られました。これに限らず、全体として「もはやコメディア映画」などと評価する声が多く見られ、いわゆる反日ドラマ的なわかりやすい悪役が正義役に成敗される的なちゃんとしたら歴史ドラマとするならあり得ない展開ぶりを批判する声が目立ちます。
 「俺は愛国者だ」という前置きを踏まえながら「だがこの映画は大きな期待外れだった」と続くレビューが多く、ぶっちゃけ豆評のレビューではこの映画の良いところを探し出す方が難しいくらいでした。

 私はこの映画が当初予定の7月から公開延期になったことについて当時、中国政府の日本への気兼ねとか国民感情とかそういうのではなく、ただ単に映画内容が歴史考証とかで問題が多かっただけではと書きましたが、今こうしてレビューを見ているとやはりこの通りだったような気がします。このまま低い評価が続くのであれば10月にも入ればすぐに忘れられそうなので、あんま日本にいる人はこの映画について気にする必要はないのではとも思います。

 なおこの映画を批判する批評の中には、「この映画は日本人の残酷さ、中国人の心強さを表現しきれていないヽ(`Д´)ノプンプン」というのもあって、「そういう見方もあるのか( ゚д゚)ハッ!」と思わせられました。

「中国の景気悪化=中国企業の弱体化」ではない

 このところ景気が落ち込み始めている中国は数年内にさらなるどん底に落ちるという予想をかねてよりこのブログで展開していますが、ここ数ヶ月の上海や国家統計データ状況を見ていて、こうした予想は確実だという意識を強めています。ただその一方、今後中国の経済が破綻して中国の効力は落ちるものの、中国企業の勢いが弱まるかと言ったらそうではなく、今後も世界で勢いを増し、国際市場において日系企業をより淘汰していくだろうと見込んでいます。

 こうした見方を理解する上でいいモデルケースは、「失われた10年」こと1990年代におけるトヨタです。90年代当初のトヨタは「トヨッタ♪」という音声流れる素朴さあふれるCMをまだ展開しており、また実力はあるけど本社が地方にあって価値観がやや閉鎖的だなどと「田舎大名」とも呼ばれていました。
 しかし90年代、特に1995年に「世界のヒロシ」こと奥田碩氏が豊田家以外で初めて社長に就任して以降は急激にグローバル化路線を広げ、それまでやや米国に偏っていた国際販売を一挙に世界中へと広げ、今日の「世界のトヨタ」を築ぎあげました。はっきり言えば奥田以前と以後でトヨタは全く別の会社です。

 この間、日本国内は前述の通り「失われた10年」でどの大手企業の業績も悪化し続け昔日の勢いを失っていきました。伸びていたのはデフレの恩恵を受けた小売系、特に飲食系くらいで、小売でもダイエーなんかは破綻しました。
 では何故日経済が悪化していたのにトヨタはでかくなり続けたのか。結論から言えば国内市場が落ち込むのを尻目に海外市場で稼ぐようになったからです。トヨタはこの間、国内市場でもシェアトップを維持し続けていますがそれ以上に海外売上高を拡大し、田舎大名から世界のトヨタへの華麗な転身を決めています。

 こんな具合で、今後中国経済が破綻するとしても、海外で稼げる力のある中国企業は失った国内売上以上に海外売上を稼いで拡大を続けることでしょう。むしろ今見ていると有力な中国企業ほど国内市場の先行きをにらんでか、海外現地生産拠点を設けたりするなどグローバル展開に熱心であるように見えます。中国政府もこうした動きを応援しており、製造業に関しては恐らく今後中国国内の雇用は減るでしょうが企業の海外展開が加速するでしょう。

 でもって、こうした中国企業の海外攻勢を受け、既に海外市場のシェアを削られている日系企業はさらに打撃を受けることになると思います。主な業界としてはやはり建機が一番割を食うように思え、自動車も新エネルギー車のシェアが広がるにつれて既存燃料車でも日系のシェアが削られると思います。電池に関してはもはや言わずもがなです。

 何となく中国経済破綻を期待したうえで、「これでまた日系の天下が来る」などと述べる人をネットで見るのですが、そんなのははっきり言って幻想です。国家経済が悪化するとしても、その国籍の企業の業績が悪化するとは限らず、むしろ国内の不足分を国外で埋めようと海外展開を加速するきらいすらあるため日系は余計苦境に陥るとみるべきでしょう。中国経済の弱体化を中国企業の弱体化と同一視することはかえって危険です。
 昔から言っていますが、敵失を期待するような連中には勝利など来ない。

2025年9月15日月曜日

これから訪れるだろう中国企業の継承問題

 今日、何気なく中国人の同僚と今後の悲観的な中国経済の予想について話をした際、これまでこのブログで語ってきたことのほか、中国企業の継承問題もこれからぼつぼつ始まるだろうという見方を見せました。

 以前にも少し触れたことがありますが、現在の中国の大手民間企業の社長は基本的に創業者です。市場経済を取り入れる改革開放が本格的に始まったのが1980年代で、この時に20代とか30代で旗揚げして現在も経営を司っているという人が多いのですが、さすがに年齢的にもそろそろ交代というか継承を考えなくてはならない時期に来ています。
 香港企業の場合、基本的に分割相続で兄弟が三人いたらものの見事に三分割しちゃい、その後に兄弟間の骨肉の争いがおっぱじまるのが常です。それに対し中国はこの点一人っ子政策のおかげで兄弟が少なく、兄弟間で争い合うケースは比較的少ないというメリットがあります。

 ただその一方、兄弟はいないものの愛人はいるというケースがめちゃ多く、実際に息子に相続させた後で「私にも遺産くれるって言ってた(# ゚Д゚)」的に愛人が吠えてくる例が既に結構起きています。この橋をしたら中国人の同僚もめちゃ爆笑して、「日本人なのによく知ってるね(*´∀`)」と言ってくれました。
 仮に愛人が単独で居るならまだしも、愛人との間に隠し子もいたらこの手の相続はさらに揉める可能性が高いでしょう。最近はDNA鑑定で血縁関係もはっきりわかるだけに、大企業継承で内紛がこれからあちこちで頻発すると予想します。

 さらに付け加えると、平穏裏に継承ができたとしてもその子供の資質にも不安が残ります。いわゆる富二代というか戦国期を生き抜いた父親と比べると大半のケースではダウングレードとなることは確実で、そもそも才覚あるなら中国なら親の会社を引き継がずに自分の会社を立ち上げるもなので、今後の継承により中国企業の勢いはかなり落ちる可能性が高いとみています。日本でもダイエーなんかまさにそうでしたし。

2025年9月12日金曜日

中国人に日本での就職を勧める日々


 上の記事で中国の労働人口の激減予測と就職氷河期について書かれていますが、最近マジで日本語使いの中国人に会うと、「お子さんは日本の大学に留学させた方がいいですよ」と確実に進めています。理由は一にも二にも就職で、日本の大学を出て日系企業に就職させる方が安全安心確実だからです。

 あんまり重ね合わせ過ぎてはいけないと思いつつも、マジで現在の中国は日本の90年代の生き写しであることにビビっています。時期的にも2025年の中国は1995年の日本と瓜二つで、実体経済はまだ楽観視した雰囲気があるものの、若者の就職面ではもはや完全に氷河期に入っており、さっきも中国人の友人とこの話題で話してました。
 天津に住むその友人によると、就職先がなく親と一緒に働く子供が多いそうで、タクシー運転手の家庭では昼は父親が、夜は息子が運転しているそうです。また情報系の大学を出て就職したものの、会社が倒産して父親の内装業を手伝うという息子もいるそうで、これはこれで親孝行な感じもします。

 とはいえ雇用が改善する兆しは一切見えず、また現在比較的活発な個人消費も、日本も95年当時はCDでミリオンセールがいくつも出るなど歴史的にも最も個人消費が活発でした。これらが暗転したのは97年のことだったので、中国も2027年あたりで実体経済が一気に落ち込むのではないかと予想しています。
 なお中国の個人消費を支えているのはやはり淘宝ことネットショッピングです。これがあるからどんな地域にもいつでも商品を手ごろな価格で売ることができるのですが、その選定として異常に低い運送料があります。もし仮に今後運送料が高騰したら、全商品の価格に上乗せされ個人消費が冷え込む可能性もあるのではと危惧しています。

 話を元に戻すと、諸悪の根源ともいうべき不動産業界の不良債権についてはマジ完全に放置されたままです。これをどうにかしないとどうにもならないのですが、「景気が良くなったら対処しよう」という日本と同じ過ちを完全に繰り返しています。っていうかもはや、現実逃避しているような気すらします。

 話が行ったり来たりしてますが、2年後辺りに想定される事態として日本と同じく増税が来るのではとみています。既に中国の地方財政は破綻していて、各地でサラ金の取立みたいに日系企業とか外資企業に何年も前の指摘事項を引っ張り出してきては税務局は追納を要求しています。そういう動きを追える立場にあるのですが、マジで見ていてその強引さには驚くとともに、切羽詰まった感が強いです。
 こうした状況から早ければ来年にも日本の消費税に相当する増値税、または法人税の税率を引き上げてくるのではないかという気がします。っていうかそうしないと国が持たないレベルまでもはやきており、その増税が引き金となって個人消費も冷まし、真の氷河期を迎えるとみています。

2025年8月27日水曜日

直接戦っていない国ほど末端の兵士を批判しようとする

中国、台湾を非難 抗日戦争での共産党の役割否定は「冒涜」(ロイター)

 暑くてほかにやること浮かばずゲームもする気ないので記事を書き続けますが、上の記事を読んでというか前からちょっと思うところがありました。

 大分前に何かの記事で読んだのですが、硫黄島の戦いに参加した日本、米国の元兵士が何かのイベントで対面することがあったそうですが、彼らは互いに会うなり大泣きして抱き合ったそうです。それだけこの硫黄島の戦いは双方の兵士にとって苦しい戦いであったと記憶されており、敵味方を超えてあの時あの場に立っていたという事実のみで深い共感と同情を持ちあったと言われています。

 以上のような話は何も硫黄島や日米間に限るわけじゃなく、ほかの国とかでもよく聞きます。同じ日米だと日本のエースパイロットの坂井三郎が戦後に自分を撃墜し損ねたパイロットと会うなり「このへたくそ!」と言って互いに大笑いしたと言いますし、米独や独仏とかでもそういったことがあるというのを聞きます。
 なんでそうなるかというと国同士の戦争とはいえ末端の兵士からすればどちらも高級士官によって戦場に叩き込まれるだけで、敵同士として戦ったとはいえ戦場で戦った兵士同士からすれば「同じ場所で戦い合った者同士」という共感が得られるのではないかと思います。

 実際にというか、戦争を起こした相手国の政治、軍事指導者が恨まれることはあっても、相手国の兵士そのものをその後も憎み続けるというのは案外少ない気がします。日本ですら原爆を落としたB-29のパイロットやその家族を批判したりする話は聞かないし、米国側も勝者の余裕もあるでしょうが、軍事指導者などを除けば現代においてそこまで日本を批判することなく、一兵士に至っては自分も記事を書いた藤田信雄のように、戦後に称賛するにも至っています。それもこれも、「戦争というのは指導者の責任であって、末端の兵士には責任がない」という前提があるのと、前述の通り苦しい戦場を共に共有したからでしょう。

 それに対してというのもなんですが、中国も韓国も戦争指導者以前に末端の日本人兵士を殊更批判することが多い、というか近年ますますこの傾向が強くなっている気がします。以前はそれこそA級戦犯への批判が多かった気がしますが、なんか最近は日中戦争に関して「どこそこで日本の兵士がこんな残虐行為をした」などと並べ立てたりして、批判がそうした行為を指示した士官ではなく、どんどん末端の兵士へと向けられるようになってきていると感じます。
 なんでこうなるのかというと冒頭のロイターの記事でも指摘している通り、現在の大陸の中国が日本と戦争をしたという実感を持っておらず、近年はその傾向に拍車がかかっているからじゃないかと前から思うところがありました。韓国に至っては日本はそもそも戦争しておらず、だから指導者よりも末端の兵士をあげつらうのだとはっきり感じます。

 実際のところ日中戦争で日本軍は解放軍とも戦闘をしていますが、やはり主力として戦っていたのは国民党軍です。中国共産党自身も一昔前はあの時代は国民党との戦闘を中心に語っていましたが、近年は「中国として日本と戦っていた」という主張が強まってはいるものの、前述の通り日本と戦っていた実感を連中も持っていないように見え、だから「日本の兵士にこんなひどいことされた」と被害ばかりあげつらい、解放軍がどのようにして日本軍との戦闘を優位に進めたりとか勝利したとかにはあんま触れないんじゃないかと勝手に考えています。
 マジでこの辺の話は見ない、っていうかその辺は国民党軍の話になってしまうだけでしょうし。それだからこそ、被害の話に終始するんでしょう。

 実際に戦っていないのだから兵士同士の共感もなく、大所高所での判断ができず無駄に指示されるだけだった末端の兵士への批判を強めるようになっており、こうした傾向は「実際にはあんま戦っていない」という事実を側面的に証明しているかのようにすら見えます。そもそも何度も書いていますが、末端もそりゃ現地で略奪や残虐行為はしたでしょうが、真に責任あるのは指導者たちで、そこを批判せず末端だけ批判してもしょうがないというか未来につながりません。その辺を今の中国政府や韓国の運動家は理解していないから、膨れ上がったヘイトが変な方向に向かうんじゃないかとやや皮肉っぽく見ています。

2025年8月15日金曜日

歓迎すべき中国の反日主張の過熱

中国外相、日本は歴史直視し「正しい選択」を(ロイター)

 先日自分も感想を書いた「南京照相館(南京写真館)」に言及する日本語記事も増えていますが、それに合わせるかのように上のリンク先記事のように、このところ中国政府が日本を非難する発言や主張を増やしてきています。トランプ大統領就任時には「一緒に戦おう」的な親書を送ってきたのを考えるとかなりの転向ぶりですが、これはトランプ関税がそれほど中国にダメージを与えておらず、「日本と仲良くしなくてもいいじゃん」的に思い直したせいもあるでしょうが。
 もっとも、こうした中国の対日批判に対して日本人はもっと歓迎すべきで、「もっと言え!щ(゚Д゚щ)カモーン」的に叫んでもいい気すらします。何故かというと、対日批判しないといけないほど中国が追い詰められてきている証左でもあるからです。

 中国の現状ですが、貿易に関してはそこそこ好調で、第一次トランプ政権の頃とは違って米国への輸出依存を避け、半導体も必死になって自分で作るようになったことから前述の通りトランプ関税でそこまで深刻なダメージは負っていません。むしろトランプ関税はカナダやブラジルなど米国の同盟国ほど痛手を受けており、米国に対するデカップリングは今後ますます進むだろうし、それが回り回って中国にも追い風になってきているのかもしれません。

 ただ輸出は好調ではあるものの、中国経済自体はかなり危険というか不穏な空気が徐々に強くなってきています。一例を出すと、先日クリーニング屋の店員に「景気はどうだい?」と尋ねたところ、「去年よりはいい」という答えが返ってきました。深読みすると、「去年は最悪で、今年は好調とは言えないがまだマシ」というのが本音だったんじゃないかと思います。


 上の記事は自分が一目置いている王青さんの記事ですが、ここに書かれているようにこのところ中高級飲食店の閉店が本当に目立ちます。自分の家の近くにあったランドマーク的な高級料理店も閉店し、その跡地は解体されることもなく放置されています。ショッピングモールとかも空きテナントが絶賛増加中で、新たに入るとしてもリーズナブルで安価な飲食店ばかりです。
 前々から書いていますが、中国は景気浮揚のために家電や自動車の買替補助金をばらまいていますが、かつてとは違い市場がある程度飽和した現在においてこれらの補助金政策は数年先の需要を先食いする悪手としかなりません。以前から2年後の2027年あたりに副作用が出てえらいことになると予言していますが、このところその予測に対しますます確信を強めているというか、足元の景気の悪さが徐々に顕現してきているように感じています。

 そこで話を戻すと、そもそも余裕がある状態なら他国をいちいち批判したりしません。米国もそうですが国内で社会不安が広がっているからこそ政治家というのはそのヘイトを他国に向けるものです。日本も景気が悪化した90年代が、自分の知る限り最も反米意識が強かった時代だったように思えます。00年代はそれが中国、韓国に向きましたが。
 中国も、この1年くらいでなんか急に対日批判を強めるようになってきた気がします。日本人襲撃事件が起きるたびに一旦ストップしますが、去年の蘇州の事件の前辺りもなんか急に日本批判を強めていったような気がしており、つくづく反省しない連中だなという気がします。

 もっとも前述の通り、対日批判を強めるということは中国国内の経済、社会不安が増大していることの表れと判断していいです。いくら日本を批判しようが、中国の影響力は低下していくことになるのだから日本人はあまり気にしなくて構わないし、何なら冒頭に書いたように「苦しいんだね、もっといいなよ(´∀`*)ウフフ」的な態度を取った方がいいと思います。それこそ日本が中国の批判に言い返すどころか逆にこうした態度を取っていると、中国側も「なんやねんこれ(;´Д`)」みたいに次第に馬鹿らしくなって、かえって対日批判を収ていくような気がするし。

 ただ真面目に、今は嵐の前の静けさみたいな状態ですが、今後の中国はマジ茨の道が待っています。若者の雇用問題も全然好転していないし、不動産不況はむしろ色濃くなっているのに何の対策も打ち出せておらず、無駄に放置して時間を経過させて事態をむしろ悪化へと導いています。
 それ以上に本当の意味での導火線になると自分が思っているのは年金です。日本以上に膨大な人口を抱えて、日本以上にハイペースな少子高齢化が進む中国で、既存の年金政策が維持できるとはとても思えないし、制度にメスを入れようものなら若者の高齢者も揃って大ショックを受けてそれこそ暴動にも発展するのではないかという気がします。まだあまり言及する人もいませんが、中国人自身も薄々年金に対する不安を持ち始めており、それが今の社会不安につながっているように見えます。

 恐らく今後としては90年代の日本みたく少年犯罪が激化して、それが社会不安を強めることになると予想しています。すでにその萌芽は見られており、先の女子中学生いじめ事件のように、社会、家庭内の不安が子供にも影響してきている気がします。
 もっともこの事件に関して中国は素晴らしいというかいいなと思ったのは、いじめ被害者に対しその家族だけでなく、周辺の大人たちも一緒になって学校などに抗議しているという点です。まだ中国は子供の教育は社会(コミュニティ)が共同で担うものだと認識しているように思えます。

 日本は先の広陵高校の事件でも被害者の家族は当初孤独な戦いを強いられ、大ごとになった今も自分を含めネット上でソイヤ!ソイヤ!と騒ぐのが主で、広陵高校に集まって顧問や校長をみんなで引きずり出すところまでいかないあたりは中国人ほど熱く激しくないなという気がします。まぁどっちがいいのかってなると議論の分かれるところですが、自分はどちらかと言えば中国のようにみんなで悪い奴を物理的にとっちめる方が好きです(´∀`*)ウフフ

2025年8月10日日曜日

映画「南京照相館(南京写真館)」の感想

 昨日も上海は最高気温35度で暑く、家にいたくない一心で何か見に行く映画がないかと探すもこれという映画がなく、もうそれだったらこうしてブログの記事ネタにもなるだろうという判断から南京大虐殺をテーマとする「南京照相館(南京写真館)」を見に行ってきました。


 本題と関係ないけど上のリンク先の中島恵氏はJBpressで書いた自分の記事によくコメントしてくれていたので、当時「もしあったらアイスくらいおごんなきゃ(´・ω・)」ということをブログに書きましたが、いまだその宿願は果たせずにいます。

 話は本題ですがこの映画、あらすじを簡単に説明すると日本軍の南京占領に始まり、街中のいたるところで虐殺が行われる中、日本軍に殺されそうになった郵便配達員の主人公が保身のために自分は写真館の従業員で、写真の現像ができると偽ります。これを聞いてちょうど記録写真の現像先を欲しがっていた日本兵が彼を保護し、彼とともに市内の写真館へと赴いてフィルムの現像を依頼するのですが、主人公は前述の通り配達員のため現像なんて出来やしません。
 翌日までに現像を依頼されながら困っていたところ、写真館の地下に家族とともに潜んでいた本来の写真館の主が現れ、主人公に現像技術を伝授します。これを受け主人公も日本軍から支給される食べ物を家族と分けながら彼らを匿い、占領下における南京市からの脱出を図っていくという筋立てになっています。

 まず映画全体の感想を述べると、上の記事でも観客の評価が高いとされているだけあり非常によくできた作品であると感じました。俳優の演技からカメラワークまでどれも素晴らしく、またBGMも重苦しいものを使う一方、全く使わない無音の場面も効果的に使っていて、上映時間中に中だるみすることは一切ありませんでした。
 ストーリーに関しては上記の通りで、私個人の印象を述べると占領下で外に出たりばれたりすると殺されるという緊張感ある展開はかつての「ホテル・ルワンダ」とか、ユダヤ人迫害系の映画に近い印象を覚えました。こうした映画同様、隠れ潜む家族らの存在がばれそうになる展開は緊張感があるとともに、写真館の外で繰り返される虐殺場面はさらにそれを引き締め、先に展開がどんどん気になるような仕上がりになっていました。

 歴史考証については自分も専門家ではなくここで行うつもりはありませんが、少なくとも南京が占領され、市外への外出が制限された当時の住民の状況はこんなものだったのだろうという印象は覚えました。生殺与奪権が握られ、食料を含む物資もほぼ全て取り上げられ、残って生きていくことはできないのに脱出もできないという閉塞感は想像に難くありません。
 特に私の場合、あの2022年の上海ロックダウンを生き延びた経験があります。命の危険が脅かされたわけではなく南京の例とは大違いではあるものの、外出や物資の制限がされる環境がどれほど厳しいかという一端を見ているだけに、当時の南京市の住民を思うと胸の痛い思いがしました。

 またリンク先の記事でも書かれているような残虐描写に関しては、これは指摘の通りだと思います。日本兵が生首を掲げるシーンもあれば河畔で大量に機関銃掃射するシーンもあり、流血シーンは枚挙に暇がありません。この辺はソフトにするかハードにするかはそれぞれメリット、デメリットがあると思うだけに、どっちがいいか悪いかは一方的に決めつけられないでしょう。「プライベートライアン」も、あの冒頭のシーンがあってこそと言われますし。
 ただ子供の視聴に関しては確かに避けた方がいいのではと思う節があります。具体的には小学生以下にはちょっときついシーンが多いと思え、その辺のレーティングであれば必要な気がします。

 このほか今回自分が見に行ったのは午後の上映回でした。いつも早朝にほかの人が見ないような映画ばかり見ているため、館内はいつも10人以下というごく限られたマニアの集いみたいな感じで映画を見ているのですが、今回は話題作で時間帯もお昼時とあって8割がたの席が埋まっており、普段と違う環境で若干緊張感がありました。それとともに、上映開始日から日が経ってるのにこれだけ見に来る人が多いということは本当に人気であると感じました。

 最後に、映画のラストシーンで主人公が日本語で日本兵に対し、「あなたたちは友達じゃない」というセリフを述べるのですが、このセリフが中国政府の主張なのかなと邪推したくなる気になりました。そもそもこの映画、中国政府が作った国策映画と言ってもいい布陣であり、民間が作るのならともかく政府がこういう映画を作るあたりが中国らしいなという覚えをします。
 なおこのセリフについて自分の中国人の友人は、「過去のことであり未来の私たちには関係がない」と自分に行ってくれました。ちなみに今回この映画を見に行く前にその友人に見に行ったかと尋ねたら見ていないと話しており、自分が見に行ったことを話すと「日本人なのによく見に行くな(;´・ω・)」と言われました。

2025年8月1日金曜日

中国蘇州市の日本人襲撃被害事件について

 気のせいかもしれませんがなんか最近ニュース多くて、ほぼ毎日ブログを書かされているような気がします。6月とかマジでブログで書くネタなくて一時期困ってたほどなのに、なんなんだろう今年の夏は。


 それでちゃっちゃと本題に移ると昨日起こった蘇州市で日本人が襲撃された事件についてですが、この事件を私が知ったのは今朝で、蘇州に知り合いの多い同僚が「なんか昨日また事件が起きらしいよ」と教えてくれました。そしてこの段階で、また後出し孔明になりますが襲撃内容は殴打の可能性が高く、被害者は大人だろうと推測していました。
 なんでこのように思ったのかというと、もし刺傷であれば日系メディアや現地コミュニティがもっと大きく反応して、友人に教えられるまでもなく私のところにも情報が入ってくるはずだと考えたからです。同様に、被害者が子供であればその辺が大きくクローズアップされるはずで、特に年齢層に言及されていない時点で大人だろうとここはかなり強く確信を持っていました。

 事件内容については上のリンク先にあるようにすでに下手人も捕まったとのことなので私の方から特に語ることはありません。なのでこの事件に絡めて同僚から聞かれた質問とその回答を書くことにします。

 まず「何故また蘇州なのか?」というのが大方の日本人の疑問じゃないかと思います。蘇州とくれば先の日本人親子が刃物で襲われ、かばった中国人女性が亡くなるという痛ましい事件の記憶がまだ新しいだけに、今回の事件を受けてまた蘇州かと多くの人が思ったことでしょう。蘇州でこうも立て続けに日本人への襲撃事件が起きたことは単純に偶然としか言いようがありませんが、その偶然の確率を高めている要素は確実に存在します。
 第一に、蘇州は日本人が非常に多く住んでいるエリアで、その規模は上海に次ぐ水準です。何故かというと単純に日系企業が多く、また沿岸部で交通の便が良くてそこそこ発展しているため住みやすく、日本人向けの病院や学校も比較的整備されているからです。ただそれは上海や北京も同じ条件なのに蘇州ばかりでこうも起きるのかという別のファクターとしては、

・上海や北京ほど警察力が高くない
・上海や北京以上に流れ者が多い

 というのが大きいと私は考えます。蘇州も大都市ですがそれでも上海や北京ほどには重要度は高くなく、治安を管轄する警察への政府の力の入れ方も一段低いものになります。またもう一つの流れ者が多いという点ですが、上海も地方から上京してきた労働者がたくさんいますが、比較的頭脳労働者が多いのに対し、蘇州とかだと工場も多いだけに素性の知れない人間が寄り集まりやすい傾向があります。こうした要素が重なって、蘇州でこうも事件が繰り返し起こっているのだと思います。

 次にほかの人が語らない話をすると、恐らく今回の事件を受けて中国の政府や警察は日本人を守ろうとしていないのではと思う人もいるかもしれません。実態はどうなのかについて意見は分かれるでしょうが、私個人の見解としては中国の警察も傍観しているわけではなく、相次ぐ通り魔事件に対して対策を一応は実施しているのではないかとみています。

 そもそも先の事件も今回の事件も完全な通り魔的犯行で、未然に防ぐことは不可能であるし、日本国内でもなんか最近やたらと通り魔事件が起きており、根絶は無理としか言いようがありません。それでも中国、少なくとも上海で私が見ている限り、何となく以前に比べて街中で治安維持に動く警察官が増えているとはっきり感じ、特に目立つのが地下鉄です。

 上海の地下鉄ではどの駅の改札前にもXメン、じゃなくてX線装置があってそこで荷物チェックしなければなりません。以前はこの荷物チェックが結構なぁなぁで、装置に通すそぶりをして通さずに通過する人も多く、駅員もあまりそういう人をとがめていませんでした。
 それが去年の年末辺りから、朝のラッシュ時間帯で数日おきに警察官がわざわざ改札前に立ち、きちんと駅員が荷物チェックをしているか細かく見張るようになりました。それを受けて駅員も以前よりも厳しく荷物チェックするようになり、警察官がいる場合は心なしか礼儀正しく「荷物チェックをお願いします」、「ありがとうございました」と言うようになりました。以前はけだるそうに腕動かすだけだったのに。

 たまたまですが今日の帰宅時も、改札前でどうも荷物を通さずに無理やり通過しようとした人がいたようで、警察官が大声で「おい、お前!」と言って制止していました。普段ないから自分を含めみんなその警察官の方に向いていました。

 こうした荷物チェックが果たしてどれだけ犯罪抑止に効果があるのかは未知数ですが、少なくとも依然と比べると上海の警察が通り魔犯罪抑止としての対策を実施ているの見て取れ、相次ぐ事件に対し傍観しているわけではないと思います。車を暴走させ何人も亡くなった事件が起きた広州でも、同僚によると事件後は街中にたくさん警察官が立ち、ピリピリした雰囲気だったと聞きますし。

 もちろん対策しているからと言って事件が起きても中国警察に責任はないというつもりはなく、私個人としても自分も他人事じゃないだけに、治安維持に頑張ってほしいというのが本音です。ただ先にも言った通り、どれだけ対策しても通り魔事件を根絶するのは不可能であり、被害を受けるかは神の采配としか言いようがありません。
 それでも敢えて気になる点を挙げると、日本人以外の外国人もこうした被害を受けているのかという点です。もし自分が見ている報道の通り昨年以来日本人ばかりが通り魔事件の被害を受けているとしたら、日本政府ももっと強気になって中国政府に抗議すべきでしょう。逆にほかの外国人もこうした被害を受けているとしたら、最近中国メディアが「日本人優先」という言葉で「日本人ファースト」という排外主義が蔓延ってきていると報じていますが、あんま人のことばかり言ってんじゃねぇぞという文句も付け加えていいかもしれません。

 もっとも中国のことだから、「中国で中国人を優先して何が悪い」、「これからも今までも中国人第一」、「むしろ世界全体で中国人優先」と開き直ってくるかもしれませんが。