先日自分も感想を書いた「南京照相館(南京写真館)」に言及する日本語記事も増えていますが、それに合わせるかのように上のリンク先記事のように、このところ中国政府が日本を非難する発言や主張を増やしてきています。トランプ大統領就任時には「一緒に戦おう」的な親書を送ってきたのを考えるとかなりの転向ぶりですが、これはトランプ関税がそれほど中国にダメージを与えておらず、「日本と仲良くしなくてもいいじゃん」的に思い直したせいもあるでしょうが。
もっとも、こうした中国の対日批判に対して日本人はもっと歓迎すべきで、「もっと言え!щ(゚Д゚щ)カモーン」的に叫んでもいい気すらします。何故かというと、対日批判しないといけないほど中国が追い詰められてきている証左でもあるからです。
中国の現状ですが、貿易に関してはそこそこ好調で、第一次トランプ政権の頃とは違って米国への輸出依存を避け、半導体も必死になって自分で作るようになったことから前述の通りトランプ関税でそこまで深刻なダメージは負っていません。むしろトランプ関税はカナダやブラジルなど米国の同盟国ほど痛手を受けており、米国に対するデカップリングは今後ますます進むだろうし、それが回り回って中国にも追い風になってきているのかもしれません。
ただ輸出は好調ではあるものの、中国経済自体はかなり危険というか不穏な空気が徐々に強くなってきています。一例を出すと、先日クリーニング屋の店員に「景気はどうだい?」と尋ねたところ、「去年よりはいい」という答えが返ってきました。深読みすると、「去年は最悪で、今年は好調とは言えないがまだマシ」というのが本音だったんじゃないかと思います。
上の記事は自分が一目置いている王青さんの記事ですが、ここに書かれているようにこのところ中高級飲食店の閉店が本当に目立ちます。自分の家の近くにあったランドマーク的な高級料理店も閉店し、その跡地は解体されることもなく放置されています。ショッピングモールとかも空きテナントが絶賛増加中で、新たに入るとしてもリーズナブルで安価な飲食店ばかりです。
前々から書いていますが、中国は景気浮揚のために家電や自動車の買替補助金をばらまいていますが、かつてとは違い市場がある程度飽和した現在においてこれらの補助金政策は数年先の需要を先食いする悪手としかなりません。以前から2年後の2027年あたりに副作用が出てえらいことになると予言していますが、このところその予測に対しますます確信を強めているというか、足元の景気の悪さが徐々に顕現してきているように感じています。
そこで話を戻すと、そもそも余裕がある状態なら他国をいちいち批判したりしません。米国もそうですが国内で社会不安が広がっているからこそ政治家というのはそのヘイトを他国に向けるものです。日本も景気が悪化した90年代が、自分の知る限り最も反米意識が強かった時代だったように思えます。00年代はそれが中国、韓国に向きましたが。
中国も、この1年くらいでなんか急に対日批判を強めるようになってきた気がします。日本人襲撃事件が起きるたびに一旦ストップしますが、去年の蘇州の事件の前辺りもなんか急に日本批判を強めていったような気がしており、つくづく反省しない連中だなという気がします。
もっとも前述の通り、対日批判を強めるということは中国国内の経済、社会不安が増大していることの表れと判断していいです。いくら日本を批判しようが、中国の影響力は低下していくことになるのだから日本人はあまり気にしなくて構わないし、何なら冒頭に書いたように「苦しいんだね、もっといいなよ(´∀`*)ウフフ」的な態度を取った方がいいと思います。それこそ日本が中国の批判に言い返すどころか逆にこうした態度を取っていると、中国側も「なんやねんこれ(;´Д`)」みたいに次第に馬鹿らしくなって、かえって対日批判を収ていくような気がするし。
ただ真面目に、今は嵐の前の静けさみたいな状態ですが、今後の中国はマジ茨の道が待っています。若者の雇用問題も全然好転していないし、不動産不況はむしろ色濃くなっているのに何の対策も打ち出せておらず、無駄に放置して時間を経過させて事態をむしろ悪化へと導いています。
それ以上に本当の意味での導火線になると自分が思っているのは年金です。日本以上に膨大な人口を抱えて、日本以上にハイペースな少子高齢化が進む中国で、既存の年金政策が維持できるとはとても思えないし、制度にメスを入れようものなら若者の高齢者も揃って大ショックを受けてそれこそ暴動にも発展するのではないかという気がします。まだあまり言及する人もいませんが、中国人自身も薄々年金に対する不安を持ち始めており、それが今の社会不安につながっているように見えます。
恐らく今後としては90年代の日本みたく少年犯罪が激化して、それが社会不安を強めることになると予想しています。すでにその萌芽は見られており、先の女子中学生いじめ事件のように、社会、家庭内の不安が子供にも影響してきている気がします。
もっともこの事件に関して中国は素晴らしいというかいいなと思ったのは、いじめ被害者に対しその家族だけでなく、周辺の大人たちも一緒になって学校などに抗議しているという点です。まだ中国は子供の教育は社会(コミュニティ)が共同で担うものだと認識しているように思えます。
日本は先の広陵高校の事件でも被害者の家族は当初孤独な戦いを強いられ、大ごとになった今も自分を含めネット上でソイヤ!ソイヤ!と騒ぐのが主で、広陵高校に集まって顧問や校長をみんなで引きずり出すところまでいかないあたりは中国人ほど熱く激しくないなという気がします。まぁどっちがいいのかってなると議論の分かれるところですが、自分はどちらかと言えば中国のようにみんなで悪い奴を物理的にとっちめる方が好きです(´∀`*)ウフフ