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2019年9月30日月曜日

甲斐宗運の記事

 最近赴任してきた新しい同僚が登山が趣味だと言うので、「埼玉の山は道迷いが多いそうですね」と話しかけたら、「なんで登山してないのにそんなに山に詳しいの?」と言われました。そしたらすかさず別の同僚が、「この人は何にでも詳しい」とフォロー入れてくれました。

主君のために息子も殺す!甲斐宗運の忠烈無比な生涯(JBpress)

 そんなわけで今日出たこの記事ですが甲斐宗運です。熊本の人は地元に甲斐神社などもあって知ってる人も多いですが、そうじゃない人は信長の野望やってないとまず知らないでしょう。逆に、信長の野望やってたら阿蘇家という弱小勢力の中で極端に高いパフォーマンス発揮する人がいて妙に印象に残ってるはずでしょう。

 今回この人の評伝書こうと思ったのはいくつか理由があり、まず他にあまり取り上げる人がいなかったからです。執筆前に知識つけようとなにか解説本の類がないか探しましたがそれすら見つからず、完全に郷土の英雄に甘んじていたので、それなら素人の自分が紹介してもありかと思いました。
 次に、戦国時代の九州自体があまり取り上げられない傾向にあるため、島津、大友、龍造寺からなる三強のパワーバランスを書く上でも丁度いい位置にいる人物だと思ったからです。本文にも書いていますが、阿蘇こと熊本県はちょうどこの三強に取り囲まれた位置にあり、実際に各豪族はこの三強に時には協力し、時には誘いに乗ったりと激しい外交が繰り広げられていたそうで、そこらへんが面白いと思いました。
 最後に、実質的に島津ストッパーの役割を果たしてその九州統一を阻んだという功績も、もっと知られていいかなと思いました。

 なお最初は甲斐宗運と阿蘇家の浮沈をテーマに書きましたが、友人から流れが分かりづらいと言われ、自分も反省して甲斐宗運によりテーマを絞って書き直しました。結果的には文章はこれでだいぶ良くなりました。

 明日から中国は一週間の連休(その代わり昨日は出勤日)に入るので、また家でプラモ作る日々が始まりそうです。

2019年9月29日日曜日

深夜の格闘

 一昨日の出来事を書いた昨日の記事について後輩から「おぞましい」という論評を受けましたが、一昨日ほどじゃないけど昨夜も一波乱ありました。

 それは私がシャワー浴びようと服脱いで浴室に入った時でした。シャワー室を隔てるガラス戸を引いたところ突然「ガタンッ!」と大きな音がして、何かと思ったらなんかガラス戸が引きづらくなりました。ガラス自体はひび割れとか一切なく割れたわけではないのになんでとか思っていたら、ガラス戸をレールに吊る金具が外れていることに気が付きました。

 日本の浴室におけるガラス戸は底部に滑車のついた引き戸、若しくは同じく底部滑車で折れ曲がりながらスライドするものが一般的だと思いますが、中国だとガラス戸の上部を金具でレールにつなぎ、底部がやや浮いたガラス戸が多い気がします。今まで住んだ家は大体これだったし。
 上部を金具で吊るとはどういうことかと言うと、頭よりやや高い位置にレールがあり、このレールの上を滑る滑車が備えられています。この滑車に対応しガラス戸の上部両端にもボルトを通す穴が空けられており、この穴にボルトを通して、90度に折り曲げられた鉤括弧型(「のような形)の鉄でできた金具を介して滑車とつなぎます。接続方法を図持すると以下の通りです。

       滑車(レールの上)
          ↑
ガラス戸(下に吊る)→「

 滑車と金具はネジで繋がれており、このネジをどれだけ巻くかで吊る高さが変わってきます。今回はこの滑車をつなぐネジが緩み、ガラス戸片側で金具から外れたことが原因で外れた事がわかりました。となるともう一度金具と滑車をネジでつなげればいいわけですが、ネジの位置上、一旦ガラス戸から金具を外さないと繋げられなさそうでした。
 仕方ないのでまずガラス戸からボルトを抜いて金具を鉤括弧上の金具を外すことにしましたが、よく見るとボルトはナットによって固定されており、これを外すためにはどうみてもレンチが必要です。しかしレンチなんて自宅に置いておらず、何かで代替効かないかと思って探したところ、ハサミの柄をとりあえず使うことにしました。意外といけた。

 こうしてナット、ボルトを外してガラス戸の片側から一旦金具を外し、緩んだネジを金具で滑車につなぎ直してまたガラス戸を金具につけようとしましたが、先ほどから書いているようにガラス戸は金具によって吊られます。つまり、金具につけるに当たってはガラス戸を持ち上げて浮かせながら繋げる必要があるわけです

 ガラス戸は両サイドで金具に繋ぎ止められるため、片側は外れているもののもう片側は固定されているため重さは半分です。とは言え、ガラス戸を持ち上げつつボルトを挿してナットをつけなければならないため必然的に、片腕でガラス戸を持ち上げつつボルトを回してナットを取り付けるという作業が要求されました。片側で固定されているとは言えガラス戸は結構重量あり、それを持ち上げつつボルトを正確に通してナットを付けるなんて、普通二人がかりでやる作業です。しょうがないからやったけど。

 ちなみにこの間、既に服を脱いでいたので全裸で30分くらい格闘し続けました。ガラス戸は案の定重たくて片手で持っててプルプル震えてボルト通らないから、床側にスポンジ置くことで高さを固定し、片腕で微調整しながらボルト通しました。でもって滑車につなぐネジも割とすんなり固定できて、前と比べても安定性増した気がします。
 なおその夜、左脇の背中部分がなんか痛みだしてきました。多分左手一本でガラス戸を持ち上げたりしたせいで、普段使わない筋肉使ったなと思いながら夜寝ました。

2019年9月28日土曜日

最後の聖戦

 今いる部屋は住み始めてから既に三年半も経過していて自分にしては居住期間が非常に長くなっているます。ただこの部屋、これまでの三年間では全く見なかったゴキブリが今年の春頃から異常に湧いて、夏真っ盛りなんか帰宅するとともに台所を這っているゴキブリを何匹か殺すという毎日を繰り返していました。今年の夏だけで確実に千匹超は殺しており、ゲームの世界なら「そなたこそ、真の三國無双よ!」とファンファーレが鳴っていたことでしょう。

 無論何も対策をとっていなかったわけじゃなく、コンバット置いたり虫が忌避しやすい匂いをマイたりしていましたがいまいち効果が薄く、最終的には風呂用洗剤が手っ取り早く且つ殺すのに適しているという結論に至って発見する度に射殺していました。発見箇所は玄関開けてすぐの台所に集中しており、またドアの隙間から入ってくるところも見ていたので発生源はドアの向こう側とほぼ断定していましたが、ちょっとした事情からこの箇所に手を入れることはこれまで叶いませんでした。

 というのも、私の住んでいる部屋は玄関だけ共通しているシェアハウスみたいなところで、肝心の玄関の管理は私側でなかったからです。
 簡単に説明すると、玄関ドア開けると二つドアがあり、片方は私の部屋へ、もう片方は大家の部屋に繋がっています。このうち大家の部屋は昨年に娘夫婦が孫を産んでその育児を手伝うために大家が娘夫婦の家近くに引っ越したため、あとから別の一家が賃貸で入ってきました。共通玄関スペースには靴箱などがあり、私がもともと使っていなかったこともあってあとから来た一家が使い始めて、自然とそのスペースの管理も一家がやるようになりました。

 そのためゴキブリの発生源は共通玄関スペースと断定しつつも、隣の一家の靴箱を勝手に開けたり掃除したりコンバット置いたりするのは流石にためらいがあり、これまで自分の部屋の玄関間際を前線として対処するしかありませんでした。元々大家が住んでいた頃はゴキブリなんて三年間で一回か二回しか見なかったのだから、ちゃんと対処すれば出ないのにとやるせない気持ちでいっぱいでした。

 それが昨日、連休前で仕事がなく振替残業時間も溜まってたので会社を午前で切り上げて帰宅すると、隣の部屋から何やら物が運び出されていました。なんとなく察しがつきましたが夕方頃には業者らしい人も入ってきて、どうやら隣の一家が引っ越すようであることがわかりました。
 夜にもなると完全に引き払われ、靴箱も一切合切物がなくなっており立ち去ったことが確定しました。となるとやることは一つ、今まで手を付けられなかったこの共通玄関スペースへと前線をすすめるしかありません。

 早速、といっても午後三時から夕方六時まで昼寝して、何故かそれから自分の部屋を掃除して、レトルトのカレーうどん食べてから共通玄関スペースに入りましたが、案の定というか自分の予想通りでした。靴箱の中自体はそれほどでもなかったものの、天井近くのメーターなどが収納されている戸棚を開いてみると、ゴキブリの糞が大量に散乱していました。もっとも逆を言えば、この箇所を徹底的に洗い出せば駆除も可能だという自信も強まりました。
 そのため、まずは玄関スペース床、靴箱の中を掃除して、踏み台持ってきて戸棚の中も掃き掃除してから拭き掃除を行いました。この間、戸棚内にはネット用のルーターも入ってて、これをどかしながら拭き掃除するのが地味に面倒でした。

 その後、なんとなく悔しい思いがあったから大家に掃除前と掃除後の写真を送って、「前の一家が掃除して行かなかったから俺が掃除しておいた」とメッセージを送り、戸棚内に一つ、床に一つコンバットを置いた上で、殺虫剤を噴霧し、更には虫が忌避する匂いを撒いて置きました。今年の夏ずっとに渡った戦いに終止符を打つべく、全力で殺しにかかると決めてあらゆる手段をこの一点に投入しました。
 なお、掃除開始をしたのが夜八時で、ここに至ったのが夜十一時でした。三時間ぶっ通しで掃き・拭き掃除、防虫処理をしていて、終わった時には踏み台の上に立ったり降りたりしたせいか膝が痛かったです。

 またここで一工夫を少し加えており、主なゴキブリ発生源と思しきメーターの入っている戸棚の扉を敢えて開いたままにしておきました。理由は二つあり、ゴキブリは密閉した空間の方が湧きやすいのと、敢えて開放することで戸棚の中から敢えて外に誘い出すという目的でした。
 この目論見はどうなるかやや賭けでしたが、結果的には大当たりでした。掃除完了後、数分おきにドアを開けると戸棚から出てきたゴキブリが壁を這っており、見つける度に風呂用洗剤で射殺しました。夜十一時から十二時にかけてのわずか一時間で、中型を十匹くらいこれで射殺しました。

 そして明けて翌日、中はどうなっているかなとドアを開けてみたら、床の上にはコンバットによるものと思しきゴキブリの死骸が五匹もあり、わずか一晩で十五匹も労なく抹殺に成功しました。
 季節もすでに秋に近づいていることもあって以前より部屋の中で見ることは少なくなっていましたが、それだけにこれだけの量を一晩で排除できたのはかなり明るいニュースです。前述の通り以前は全く目撃しなかっただけに、今のうちにちゃんと叩いておけば今後は安泰という意味で今は非常に気分も明るいです。

 なおゴキブリは今年だけでしたが、ダニに関しては前にJBpressで記事にもしたくらい毎年悩まされていましたが、今年は実はあまり被害がありませんでした。その理由というのも、ベッド付近に余計な湿気を溜め込まないよう思い切ってシーツを取っ払い、且つベッドにしくマットと掛け布団を定期的にまるごと洗濯機で洗っていたことが功を奏し、いつも蜂の巣のように穴だらけになる太ももが今年は綺麗なまま終わりました。
 その一方で今年はゴキブリの大量発生に悩まされ、特に真夏の忙しかった頃はその処理に軽く鬱になりつつ、一匹も目撃せず殺せなかった時は逆にイラつくという闘争本能に溢れる状態に追い込まれました。つくづく自分の中国生活は、虫に悩まされる毎日だと痛感します。

2019年9月27日金曜日

BUZZAP!からの返事

 前に「好ましくない引用のされ方」にて、私の派遣業界マージン率のデータが何故か本記事ではなく二次配信先のLivedoorニュースの記事にリンクを付けられて引用された挙げ句、記事内で別の出所から引用されたマージン率データがやや怪しいということを書きました。この点について記事を出しているBUZZAP!へどういうこっちゃねんと問い合わせをして一週間、何も返事なかったのでもっかい同じところへ問い合わせた挙げ句に記事内のコメント欄にも同じ内容を書き込んでやったらやっと返事来ました。以下がその内容です。

*********************
> 花園祐様
>
> お世話になっております。BUZZAP!編集部です。当サイトの記事につきまして、貴重なご指摘誠にありがとうございます。
>
> 派遣会社各社の公開しているマージン率が企業別ではなく事業所別とのご指摘に沿い、当該記事の内容を修正致しました。
>
> また記事の内容とクオリティにご納得いただけなかったとの事で、花園様のデータを引用した最終段落については、リンクと共に削除致しております。
>
> なお、花園様の記事のリンク先がLivedoor様となっていた理由としては、JBpress様と違い現時点においても無料で全文公開されており、より多くの読者が花園様の記事の結論部分まで参照できるように配慮したためです。
>
> 出典の明記については、元記事の文章を直接引用する場合は行っておりますが、ある事実や記述の元を示すのみの場合については基本的にリンクのみで対応致しております。
>
> 以上、御多忙の折とは存じますがご確認いただければと存じます。
>
> BUZZAP!編集部
*********************

 この返事に対するさっき送った私の回答は以下のとおりです。

*********************
BUZZAP!編集部 ご担当者様

ご返信ありがとうございます。
この度問い合わせさせていただいた花園祐です。

まずは各質問にお答えいただき、ありがとうございました。
引用先サイトがLivedoorニュースだった理由は何となくそうかもなという気はしていましたが、
全文が表示されるとはいえ、孫引きだからこそ出典に関しては明記すべきではないかと
私自身は考えていました。仮に一部しか見れないとはいえ、JBpressへのリンクだったら、
私も何もいいませんでしたし。

また引用された内容についてですが、私の個人ブログではJBpressの記事以上に
詳細にデータを公開しております。引用された記事の元データはこちらです。

http://imogayu.blogspot.com/2017/01/blog-post_23.html

なお2018年版データも同様に公開しています。

https://imogayu.blogspot.com/2018/01/blog-post_29.html

以前は「派遣 マージン率」で検索すれば私のブログ記事が一番上にヒットしたものですが、
最近はそうでもないことから今回そちらの編集部が見逃されたのは仕方のないことと
考えております。

ちなみに参考までに書いておくと、派遣企業大手のメイテックの事業所別平均マージン率は
どこも40%を超えており、業界水準を大きく上回っています。しかしメイテックの悪口を言う
派遣の人間はまずこの世にはおらず、むしろその姿勢を褒める人は同業者をはじめ数多くいます。
理由は私の記事にも書いていますが、このようにマージン率は数字だけ切り取って見ても
各社の姿勢や問題点は見えてこず、逆に派遣業界に対しあらぬ誤解を招く恐れの方が高いです。

あと以前ネタ振りしてやったマイニュースジャパンもそうでしたが、なんかこの派遣の問題だと
どこもやたら大手企業、特に竹中氏のいるパソナを叩こうとしますが、
細かい実態やデータを比較した場合、本当にやばいのはライクスタッフィングと
ニチイ学館の二強でしょう。書いてて蛇足な気がしますが。

やや脱線しましたが、この度は私の要請に対応して引用部分を削除してもらい、
誠にありがとうございました。今後も何かあれば今回のようにご対応いただければ幸いです。

以上、よろしくお願いします。
*********************

 ひとまず返信してくれた上に引用部分を削除するなど対応してもらったのでこの点は非常に感謝しています。ただ記事内容について回答でも書いた通り、派遣業界はマージン率だけ切り取って見ると誤解を招く恐れが高いという点があります。
 マージン率のデータ化をした張本人である私がいうのもなんですが、あくまでマージン率は派遣業界並びに企業を見る上での一指標に過ぎず、これだけ見てあれこれ議論するのはかえって危険です。ただ重要な指標であることには間違いなく、業界実態を俯瞰した上で関係者が興味を持てるよう頑張ってデータ化はしましたが。

 そういう意味でBUZZAP!の記事は最初に見た段階からやや危険な内容と私自身は感じました。マージン率について議論するなとおこがましいことは言うつもりはないものの、見る人がこの業界について誤解を招く書き方がなされているように見え、そこに私の記事が引用されたらたまったものではないということから今回動いたわけです。いつもならリンク引用程度なら気にしませんが。

 なおマージン率調査は今年からやらなくなりましたが、先日とある人物から去年までのデータを業界分析に使いたいので提供してほしいという申し出がメールで送られてきました。個人的にこの申し出は非常に嬉しく、わざわざ元データのExcel版で全データを提供しましたが、私自身本来こういった方面であのデータは活用してほしかったです。
 現状見るところ、私の調査を引き継ぐような形でマージン率調査をやっている人は見かけません。もしかしたら数年立てばシンクタンクなどがやり始めるかもしれませんが、多分今年か来年辺りからは公開データの更新をサボる企業が続出するように思え、もし自分がやるとしたらそのタイミングかなと考えています。

2019年9月25日水曜日

青海省と甘粛省の写真

 先週水曜より中国西部の青海省と甘粛省へ友人と旅行に行き、結構ハードスケジュールであったのと旅行前から納期に追われ疲弊していたので、このブログにしては珍しく更新が滞りました。今日もあまり調子がよくない、っていうか朝起きてお茶沸かそうとしたら目の前でゴキブリの卵が破裂して小さいゴキブリが産卵というか散乱するという憂き目にあったので、写真だけ紹介します。
 なおゴキブリは箒で叩き殺し、卵を抱えたままよたよたしていた親ゴキブリは風呂用洗剤かけて殺しました。「慣れていくのね、自分でもわかる……」という言葉が浮かんでくるくらい、何の解釈もなくゴキブリを淡々と殺せるようになってきました。


青海省にある塩湖。固まった塩の上を歩ける。 


 チベット教(ラマ教)寺院

 同上

同上 

ムスリム寺院。中国の少数民族の回族は基本ムスリム。

甘粛省の山奥。砂山に緑地化が少しずつ進んでいる。

2019年9月20日金曜日

セブンイレブンの迷走

セブンイレブン、税込100円の商品を3個買うと合計301円になるシステム導入(痛いニュース)
セブン、ついに客数減サイクル突入か…セブンペイ中止事件が痛手、24時間営業見直しも(ビジネスジャーナル)

 何も狙って探しているわけでもなく、上記のようなセブンイレブンに関するネガティブニュースを目にすることが多いです。セブンペイの問題は言わずもがな、フランチャイズ店との営業時間をめぐる論争なども世論的にはセブンを非難する声が多く、現在もコンビニ業界の実質的世界王者であるものの、その前途に関しては暗雲が垂れこめていると言っていいでしょう。

 それにしても急激と言うか、こうしたセブンへの批判はここ二、三年内に噴出してきた感があります。背景としてはやはりセブンイレブンどころか近代コンビニの生みの親と言っていい鈴木敏文氏の引退があるようにしか思えず、前述の是文平問題に関しても、「鈴木敏文だったらどう対処していたのだろうか」と内心思いました。
 実際にと言うか、ファミマやローソンと比べると近年のセブンは経営者の顔が見えないような気がします。セブンペイの問題でも会見を見る限りIT方面にあまり詳しくなさそうな人が上に立っており、このところの問題も経営者の質による面が大きいように見えます。

 一方というか、多少贔屓があるもののファミマは今後伸びてくると思います。理由としては非常に単純で、以前に取材をしたときに広報の担当者が非常に優秀な人で、こんな人材がファミマにはいるのかと唸らされました。少なくとも企業防衛面に関しては、ファミマは何も懸念がないと私は断言できます。

 ただこの前中国のコンビニ市場を調べた際、なんとなく日本のコンビニ市場はとうとう頭打ちしてきたなという実感を覚えました。これまで少子化で人口が減りながらもコンビニ市場規模が拡大していたのは、大学生と独身者が増え続けたことでコンビニ利用が増えていたからだと思います。ただこれらの動きももう頭打ちしたというか、独身者数も限界を迎えつつあり、業界全体で癲癇が求められてくる時代かもしれません。

2019年9月18日水曜日

コンパクトデジタルカメラの今後

 明日から使う可能性があるので自慢の富士フイルム製コンパクトデジタルカメラを今充電中ですが、自慢のといいながら引き出しから出したのは実に数年ぶりな感じがします。マジな話、二年くらい使ってないような。

 というのもスマホのカメラ性能が今非常に良すぎるため、私に限らず一般記者たちも現場ではスマホで撮影した写真を記事に使ってたりするそうです。何気にスマホだと撮影後、すぐに転送できるというメリットもでかいですが。
 それこそ現代っ子にはわからないでしょうが、昔連載されていた漫画の「GANTZ」を見るとあおり運転の容疑者みたくガラケーで撮影する場面がありますが、漫画ながら画質が悪く描かれてて改めて見ると良い描写だなと感心しました。実際、ガラケー時代の画像なんて話にならないくらいひどく、データ転送のパケット代も相まって敢えて低いレベルにしてたんじゃないかと思うくらいでした。

 とは言え、最新のスマホカメラを使っているとやはり物足りなさを感じる点は多いです。具体的には倍率面でのハンデが大きく、私の実感だと3から4倍位が限度で、私の自慢の富士フイルム製コンパクトデジタルカメラの20倍と比べるとその差ははっきりでます。また撮影速度も劣っており、記者時代は「ともかく枚数を撮るように」と言われていただけあって同じ被写体を何枚も撮る身からすると連続撮影機能がないとやはり物足りません。またそれ以上に、撮影時の手持ち感というか、固定具合も大きいです。
 あと最近気がついたのですが、スマホカメラは光の反射に弱い、それと接写だとピントがずれやすく背景とのズレ具合が大きくなる特徴があります。これなんか自宅で作ったプラモを撮影していてよく感じますが、その点ではやはりまだコンデジでも専用カメラのほうが上でしょう。

 ただこうやって持ち上げて入るものの、一眼レフカメラですらミラーレスに押され苦しいというのに、コンデジに至ってはもはや市場が成立するのかと疑問視するくらい市場では厳しいという声をよく聞きます。十年一日とはいいますが一時は平成三種の神器とまで呼ばれたもののスマホカメラに押されて淘汰されているのが現状です。
 私自身も自慢の富士フイルム製コンパクトデジタルカメラは七年前に購入したもので、これでも十分な性能を持っていることを考えるとなかなか買い換えようという気にはなりません。割と性能が持ってしまうという点からいっても買い替え需要はデジカメには起こりづらいでしょう。

 それこそ今後大きなイノベーションでも起こらない限りはコンデジの将来は厳しいでしょう。正直に言ってカメラ機能と携帯性に関しては他の製品に負ける一方なので、むしろ逆に付加機能を増やしたほうがいいかもしれません。まぁそれもスマホのが強いのが実情ですが。

2019年9月16日月曜日

あまり喜べない

中国市場で激突、日系コンビニチェーン三国志(JBpress)

 というわけで今日出た中国コンビニ記事二弾目ですが、一応アクセスランキングでは上位についていますが連休のため今日配信された記事はこれだけなので、正直素直に喜べません。コメント数も少ないし、記事内容自体は着眼点がいいと思うだけに書き方が悪かったのかなと反省してます。

 さてこの記事では中国の場合はサプライチェーンの整備が日本と比べ大きな課題に鳴ると指摘してますが、記事中にははっきり書いていないものの、これによって日系コンビニの最大の強みである商品開発力がほぼ封じられているということを暗に述べています。何気にこの記事でも少し出している「まるごとバナナ」なんかはコンビニスイーツの走りとなった商品で、ある意味で日系コンビニの商品開発力を代表する商品でもあることから今回写真付きで載せました。
 なおこの前出ていた記事によると、コンビニスイーツに押されて洋菓子店の廃業が相次いでいるという報道がありましたが、これに関しては内心、どうなのかなという気はします。全く影響がないわけではないものの、少子化、人口減のほうが大きいように思っています。

 あまり他に書くことないけどもう少し付け加えると、私も中国で長く生活していますがやはり上海ばかりにいるので中国のコンビニ業界はファミリーマートが圧倒的に強いと正直信じていました。しかし今回この記事を書くにあたって調べてみたら、他の地域ではローソンやセブンが強いところもあると知り、中国はなかなか一都市だけで全体を把握できないという点を改めて実感しました。
 ちなみにかつて私は実家近くがセブンだったのでセブン信者でしたが、前の職場受け取りの記事でファミマに取材かけた際、その広報のあまりの対応の良さに心服してからはファミマ信者に改宗しました。

2019年9月14日土曜日

AIに仕事を取られると心配している人たちに

 最近チェスだけでなく将棋や囲碁でもAIがトッププロたちに勝利するようになり、この方面の進化が著しくなってきています。ちなみにこういったAIとトッププロたちが対局する度に、「勝つのは人かマシーンか」というかつて「ウッチャンナンチャンのこれができたら100万円」における「電流イライラ棒」冒頭で語られる決り文句を思い出します。「電流イライラ棒」も、AIにやらせてみたらいまどき面白いかも。

 こうしたAIの発達に合わせて最近、「AIに今後仕事を取られる職業」といった特集が前よりも増えてきたように見えます。筆頭としてあげられているのは金融ですが、確かにこの方面はヒューミントに左右されるディールでなければAIにやらせた方が正確だし、AI発達の影響を強く受けると私も思います。
 一方、何気に私が一応本業としている職業も、こうした特集でAIに取られる仕事の筆頭としてよく挙げられています。私の職業に関しては上記の金融が挙げられるよりもずっと早く、っていうかかなり昔からAIに仕事を取られる職業として挙げられてきているのですが、少なくとも今現在においてはまだまだ実現は先としか言いようがなく、実際に仕事を取られるような状況は発生していません。

 その上で私から言うと、「代行できるものなら早く代行してくれ……(ヽ´ω`)」と本気で願っています。なんでかっていうと、それくらいマジ忙しくて仕方ないからです

 業務効率化できる範囲も限られているため単純にマンパワーが要求される職業で、経験者であればあるほど強いだけに新人が入って来づらく、来ても使えるようになるまではある程度育成しなければならず、その育成にもマンパワーが強く要求され作業量が増えるという悪循環であり、でもって入ってきても新人はすぐ辞めちゃうという状況が割とどの会社でも起こっています。
 またその業務内容も専門的すぎるため、成果物を検収する人間がその質が高いか低いかを判定できず、上の人間によっては高い実力者であっても評価されず、その逆に低い実力にも関わらず場所によってはめちゃ高く評価されたりして、評価基準がかなりまばらでもあったりします。なので業務経験が豊富だと鳴り物入りで移ってきても、その職場のレベルによっては「聞いていたものとは違う」的な状況にもなったりします。

 そんな背景から今現在の私の職場もやたら忙しく、誇張ではなく本気でAIが代行できるってんなら早く代行してほしいと、仕事を取られる当事者でありながら取られることを願っています。自分がそれで職にあぶれるとしても、会社全体で業務が回せて今の忙しさから開放されるならそうなったほうがいいとすら思うくらいの状況です。

 その上でAIに仕事を取られると心配している人たちについていうと、ちょっとまだ追い込まれ足りてないんじゃないのかと勘ぐっています。前述の通り私の仕事の場合は、よく仕事が取られるといいながらも実際には全然その段階に来ておらず、むしろAIに業務支援してほしいような状況ですが、今後仕事が取られると心配している人の話を聞いていると、なんとなくまだ業務に余裕があるというか、単純な業務に終止しているような印象が否めません。なのでそういう人たちに向かって言うと、仕事をAIに取られると今から心配しているのなら、AIどころか別の人に仕事を取られることを心配したほうがいいのではと内心思っています。

2019年9月13日金曜日

好ましくない引用のされ方

 前から気になっていた「ギャルと恐竜」という漫画を買って読みましたが、近年稀に見るくらい読んでて癒やされる漫画です。あと読んでて思ったけど、ギャルキャラって見たこと思ったことをすぐ口に出すからツッコミキャラとしては非常に優秀な気がします。

【派遣大国ニッポン】拡大し続ける「派遣」は日本を食い潰すのか(BUZZAP!)

 本題ですが上の記事は後輩が私に知らせてくれたものですが、記事末尾にある派遣企業のマージン率の公開比率数値に関して、私の記事が引用されています。引用自体は別に悪いことではないのですがその引用の仕方がザルというひどいもので、出典名が明記されていない上に、リンクとしてつけられているのは一次配信先のJBpressではなく、何故かlivedoor NEWSになっており、敢えて言えば孫引きのようなされ方をしています。

 また記事内にも疑問符のつく記述が見られ、具体的には派遣大手企業のマージン率を各社毎に記述していますが、マージン率というのは事業所ごとに公開されるものであり、会社単位では通常公開されないし、されていたとしてもあまり意味のないデータになります。敢えて会社単位でマージン率を表示するなら、「25~30%」みたいに範囲表示するのがベターでしょう。
 他の派遣に関する説明に関しても正直公平性に欠ける記述が見られ、なんで今回時に引用されるのだろうかと不満を覚えるものがあります。そういうわけで先程、以下のテキストを送りました。

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 はじめまして、私はフリージャーナリストの花園祐というものです。
去る9/7、貴サイトで公開された「【派遣大国ニッポン】拡大し続ける「派遣」は日本を食い潰すのか」(https://buzzap.jp/news/20190907-haken-japan/)という記事の末尾にて、私が以前JBpressで執筆、配信した記事を引用されていますが、テキストにリンクをつけるだけで、出典などを明記されなかったことはなにかご理由があるのでしょうか?またそのリンク先も、配信元のJBpressサイト内の記事ページではなく、二次配信先のlivedoor NEWSを用いられているのも何故でしょうか。中国メディアですら、私の記事を翻訳、配信する際は出典を明記してくれるのですが。
 このほか、記事内にて派遣会社大手のマージン率数値を表記されていますが、少し調べれば誰でもわかりますが、派遣会社各社が公開するマージン率は事業所別であり、企業単位ではありません。にもかかわらずそちらの記事内では各社名に対し単独のマージン率数値しか表記しておらず、読者に誤解を招く恐れが高い書き方ではないかと見受けられます。かつて私が独自に調査したデータを引用されていることもあり、こうした表記をされた理由について納得の行く説明を伺いたい次第です。はっきり言えば、あやふやな情報や説明と合わせて、私のデータを引用されたくないのが本音です。
 最後に、「なお2017年時点ではマージンの公開義務を果たさない派遣会社が3/4を占めていましたが、その後の状況はどこまで改善したのでしょうか?」という記述がありますが、結論から言えばやや改善されています。その辺りについても、2018年に配信した記事で書いてあります。
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 それにしても毎回思いますが、我ながらフリージャーナリストと名乗るのはどうかなと感じてます。正確に言うなら「兼業ジャーナリスト」若しくは「世を忍ぶ仮の姿がジャーナリスト」と言ったところですが、よくこんな生き方を数年間やってるなとつくづく思います。
 返信があればまたブログで紹介します。

2019年9月11日水曜日

今にして思えば

 最近家の近くのラーメン屋に週一で通っていますが、そこのラーメンが気に入っている(めっちゃ薄味の鶏ガラ醤油がある)こともさることながら、昔通いたくとも通えなかったという過去が遭ったりします。

 私はだいたい2011年から上海周辺に出没するようになり、2013年は日本にいたものの、2014年にはまた舞い戻っており、北京での留学を含めるとかれこれ10年近く中国での生活経験があります。2011年から2012年にかけても上海におり、当時済んでいたのは今住んでる家から大体200メートルくらいのサービスアパートメントで、何気に今住んでるエリアは累計で6年近くも住んでて昔あった八百屋とかそういうのとかもよく暗記しています。
 で、その昔あった八百屋があったくらい昔に上記の通っているラーメン屋もありました。正確には今の経営地とは別で、建物が取り壊されることとなって今の場所に数年前移ってきたのですが、前に店があった時は職場からも近く、たまに会社の人と昼食食べに行くときに使っていました。でもって、プライベートではほぼ全く使うことはありませんでした。

 というのも当時は会社設立資金を貯めるために非常に倹約した生活を送っており、食費は基本1日30元(約400円)と決め、外食には頼っていたものの当時一番食べていたのは5元の蘭州ラーメンでした。あとファミマの12元のカレー弁当。
 一方、そのラーメン屋は一杯40元近くするので、行った時点でいろいろアウトと言うか予算オーバーするため、たまに行きたいと思っても必死で我慢して、付き合いで誰かと行く場合を除いて通うことは一切ありませんでした。

 そして現在においては、そこそこ生活も安定して、別にまた会社作る気もないので会社設立資金も貯める必要がなく、また何より記者だった頃に比べると格段に賃金もマシになっているので、気兼ねなく件のラーメン屋に通って、ラーメン+ご飯で50元くらい行っても平気で支払えます。もっとも以前と比べると中国全体で物価がかなり上がっており、5元だった蘭州ラーメンもいまだと12元くらいするようになり、前とあまり値段の変わらない日本食は相対的にお得感が上がってるというか安くなってる気がしますが。

 今にして思えばいくら金を貯める目的とはいえ、昔は相当無理をしていたなという気がします。昔からも今でもケチなのは変わりありませんが、それでも当時のケチっぷりは常軌を逸していたと言うか、よくあれでストレスでおかしくならなかったものだと思うくらい色々無理していたように思えます。それとともに、昔と比べて自分も豊かになるとともに軟弱になってきて、前は死にそうになるほどのたうち回ってから初めてつけていたエアコンも普通に帰宅とともにつけるようになっています。
 もっとも、それでも電気代は年間で確か700元(10500円)くらいですが。冬には一切エアコンを使わずリモコンすらしまってしまうのが大きいのかな。

2019年9月10日火曜日

海亀は日本に還らない

 中国では「海亀族」という言葉があり、これは米国の大手企業で働いた後、中国に戻ってきて起業するエリートを指すのですが、実際にこうした経歴を持つ中国の実業家は多く、社会的な影響力も低くありません。なおアリババのジャック・マーはあの時代の実業家にしては珍しく、こうした米国帰りという経歴なしにビッグな経歴になっており、中国の実業家の中でも割とレアなタイプです。

 さてこの海亀族、単刀直入に言えば日本だと余り見受けられないと言うか目立ちません。一応、米国の大学を卒業してから日本で起業した孫正義氏がいますが、木星帰りのニュータイプならぬ米国帰りの新人類という経歴は近年、私は見たことがありません。
 ではなぜ海亀は中国に帰ってきて、日本には帰ってこないのでしょうか?

 いくつか仮説を展開すると、中国の場合だと市場が大きいということが文字通り大きいでしょう米国の超大手企業に入ったけどあまり出世できない見通しとなった場合、それこそ十数年くらい前でネットを中心にあらゆるサービスが後れていた中国では、米国の最先端のネットサービスを紹介、輸入するだけでビッグビジネスが狙えました。鶏口となるも牛後となるなかれじゃないですが、米国企業で一部とは言え得たノウハウを持ってくるだけで商売は成功し、なおかつ市場も大きいから当たった場合のキャッシュフローはめちゃでかいという点は、野心ある起業家にとっては十分な帰国理由になるでしょう。

 一方、日本も90年代なんかは米国のネットサービスを輸入してITバブルに乗っかる人もいましたが、2000年代に入ってからはそうした勝ちパターンで成功する人も減り、どちらかと言うと既存IT大手が強くなっていく一方という世相だった気がします。また中国と違って、日本の場合は成功したとしても中国ほど実入りはでかくなる、それだったらむしろ三下のままとは言え米国の超大手企業に居続けるほうが個人としては幸せかもしれません。
 特に、起業家ではなく研究者であればそうした傾向はもっと強まるでしょう。これは中国も同じで、優秀な研究者は中国国内には起業家みたく帰ってくることはあまりありません。

 では日本で優秀な起業家、というかエリートを引っ張ってくるにはどうすればいいのか。結論から言うとありません。
 むしろ逆に昔と比べ海外への渡航、就職がやりやすくなり、日本国内より初めから海外を目指す人も増えているので、実態的には前よりもっと海外流出が増えていることでしょう。先日も大学生の子供を持つ人に最近の大学生の進路と言うか人生設計はどんな感じと聞いたら、

「優秀な人ほど海外の研究機関、企業を目指そうとしている。そしてその下は、地方公務員を目指そうとする。」

 という回答で、私の肌感覚でも恐らくこんな感じだろうと思います。
 先程行った通り、中国の場合は市場があるから一攫千金目当てのエリートは愛国心がなくても帰ってきます。しかし日本の場合は中国ほど市場がなく、愛国心に訴えるしかエリートは帰国する理由はありません。また研究者に関しても、日本国内よりも海外の研究機関の方がよっぽど魅力的で引っ張ってくるのは難しいでしょう。

 唯一日本が持つ帰国手段としては、世界的にまだ競争力のある企業での最先端の研究現場くらいでしょう。これに待遇がつけば、その分野に志のある人は来るかもしれませんが、その待遇がつかないから問題です。
 なお最近になって新卒に年収一千万くらいの待遇で募集をかける日系企業とかが大々的に発表していますが、これは間違いなく失敗すると断言します。理由は言わずもがななので敢えて説明はしません。

2019年9月8日日曜日

都道府県別の賃貸募集物件数

 先日ふと、「都道府県別の空き家件数とかどうなんだろう?」と思い立ったので調べました。密かにこういった、思い立ってすぐに実行する行動力は自慢できる気がします。

都道府県 物件数 比率
北海道 92,756 5.7%
青森 3,319 0.2%
岩手 1,778 0.1%
宮城 16,324 1.0%
秋田 2,845 0.2%
山形 1,789 0.1%
福島 4,384 0.3%
東京 218,699 13.4%
神奈川 128,668 7.9%
千葉 82,093 5.0%
埼玉 85,926 5.3%
茨城 28,503 1.8%
栃木 28,539 1.8%
群馬 15,958 1.0%
山梨 5,394 0.3%
長野 18,858 1.2%
新潟 12,273 0.8%
富山 5,469 0.3%
石川 5,648 0.3%
福井 1,813 0.1%
愛知 105,016 6.4%
静岡 61,728 3.8%
岐阜 13,834 0.8%
三重 18,593 1.1%
大阪 199,373 12.2%
兵庫 97,536 6.0%
京都 80,438 4.9%
滋賀 15,063 0.9%
奈良 13,557 0.8%
和歌山 7,885 0.5%
岡山 30,712 1.9%
広島 31,465 1.9%
島根 1,407 0.1%
鳥取 2,818 0.2%
山口 7,843 0.5%
愛媛 25,289 1.6%
香川 17,446 1.1%
高知 3,602 0.2%
徳島 9,623 0.6%
福岡 77,245 4.7%
佐賀 5,638 0.3%
長崎 3,666 0.2%
熊本 7,234 0.4%
大分 5,967 0.4%
宮崎 9,471 0.6%
鹿児島 10,486 0.6%
沖縄 4,768 0.3%
合計 1,628,739 100.0%

 今回調べたのは不動産仲介サイトのライフルホームズに表示される、都道府県別賃貸募集物件数です。なお先日友人と「ライフルホームズの『ライフル』ってどう思う?」と聞いたら、「NRAとの関係があるのでは?」というMMRっぽい見解を受けました。

 話は戻しますが、まず募集件数トップはもちろん東京(218,699件)で、逆に最低は岩手県(1,778件)でした。改めてこの二者を比較するとその差の大きさに驚きます。あと調べて個人的に印象に残ったのは愛媛県(25,289件)で、広島県(31,465件)から大きく離れていないなど、意外に多いなと言う印象を受けました。四国内でもトップだし、よく愛媛県松山市は香川県高松市と四国最強の座を争っていると聞きますが、県の規模というか勢い的には愛媛なのかなとちょっと思いました。

 もちろんこのデータは面積や人工にも左右されるだけに各都道府県の経済規模とかを表すわけではありませんが、全体としてこんな感じなんだなというのは割と掴めました。具体的には、やはり東京(+神奈川、千葉、埼玉)や大阪(+京都、兵庫)といった大都市周辺は20万件超の空き家があり、極端なことを言えば規制などによってこれらの物件を排除できれば相当数の空余地が区画整理によって得られる可能性があります。
 また日本は今後少子化と核家族の限界化によって空き家問題は加速すると思われ、こうした賃貸物件の価格下落を引き起こす可能性があります。価格を維持するためにはどうすればいいかといえば単純に母数を減らすことが最も効果的であるだけに、上記にも書いているように規制を設けることによって入居者の少ない物件などは統廃合させるほうが日本の不動産市場にとってもプラスになるのではないかという気がします。

 規制方法としては耐震基準、建築年数などに照らして行い、賃料の安価な物件から追い出された人が困らないよう、区画整理によって得た空余地で公共住宅の整備も一緒に求められるとおもいますが、自分的にはやらないよりは一気にやったほうが総合的にはプラスな気がします。

2019年9月7日土曜日

ポスト文大統領に対する期待の異常

 現在の日韓関係の報道やコメントとかを見ていると、日本側は政策関係者から一般市民までひっくるめて、今のムンジェインこと文大統領とはまともな外交ができないと匙を投げており、私もこれには同意します。そのため次の大統領になってからとばかりに、早くに文大統領が弾劾されることを期待する意見やコメントがよく見られますが、私の意見としてはやはりこれは楽観的過ぎて危険だと思います。何故かと言うと、次の韓国大統領が革新ではなく保守勢力から出たとしても、日本に対する反日的スタンスを維持する可能性が高く、米国との軍事的関係は改善されるとしても、対日外交は恐らくほぼ全く改善しないと考えるからです。

 このように考える理由としては複数あり、一つは前の朴槿恵前大統領の存在です。保守勢力から出た大統領ですが就任当初より告口外交という、今や韓国勢力が行うものとしては一般化した日本の悪口をひたすらあちこちで言い続ける外交を始めた当初の人物であり、多かれ少なかれ反日的行為を行った大統領はこれまでもいましたが、それまでと一線を画す反日行動をとった張本人です。
 この朴槿恵前大統領自身、そしてそれを指示した当時与党の保守勢力はこういった日本バッシングに対してあまり異議を唱えていたようには思えず、むしろ報道レベルでは喝采していたように見えます。今の韓国の反日行為は革新の文大統領だから、という構図はやはり間違っているように思え、程度の差こそあれ今の韓国は日本に係るものすべてを全否定するかのような立場を取り、大統領も与党勢力も変わったとしても、恐らくこの姿勢に変化は見られないでしょう。

 次に、韓国の政治を動かしているのはなにかといえば結局大衆で、言ってしまえばポピュリズムだからです。

 私が見る限りかつて韓国は、「きちんと誠意ある態度で日本は謝ってほしい。それさえしてくれればそれでいい」と、従軍慰安婦などの問題について言っていたように記憶します。それが今では、「日本はかつて悪いことをしたのだから未来永劫永遠に韓国に謝罪し続けなければならない」、「過去に謝罪したからと言って今現在もその謝罪の心がなくなっては意味がない」、「被害者である韓国に対して日本がなにかものを言える立場ではなく、韓国の出した結論に従うべき」などと、かつてと比べると主張や意見が先鋭化しているように思え、恐らく今後ますますこの傾向は強まるでしょう。
 先鋭化した理由は色々あるでしょうが、韓国自身の社会不安が何気に一番大きいのかと思います。理由は、半日意識が特に強い層というのが就職難で生活が困難な若年層だと指摘されているからで、日本でも一部ネット右翼などはニートなどに多い(実態は不明)と指摘されていますが、韓国社会で特に不安定な層が排他的になると仮定した場合、この層はその後も量産され続けた上に年齢が高まれば更に傾倒していくと考えるからです。

 話を戻すと、突き詰めると政治エリートの仕事とは国民に負担を課して国家に貢献するのが一般的です。古くは三国干渉だったり、日露戦争の賠償金放棄だったり、国民とその生活にとってはマイナスであっても国家としてはプラスとなる外交の妥協というものは多い、というかそれが普通で、こうした国民に嫌われる決断をどれだけできるかが政治エリートは問われます。逆に大衆に都合のいい政策を外交に反映するとなると、国家としては外交で大きな損失を受けることとなり、回り回って国民生活にも支障をきたすことのほうが多いでしょう。

 翻ってみて、韓国の場合はこうした政治エリート的判断が普通には行なえません。財閥への継投策は行われるものの、外交に関しては大衆の意見がそのまま反映されやすい、というより反映しなければ政治家らが持たない傾向があり、こうした傾向は近年ますます強まっているように見えます。皮肉なことですが、朴槿恵前大統領の弾劾デモはこの流れに一役買っています。
 となると、韓国国民が反日意識を持っているとしたら、政治家らはそれがどれだけで国家としてメリットとなるとしても反日政策を実施せざるを得なくなるでしょう。このように考えた場合、文大統領が退陣したとしても、次の政権が対日関係改善に動く可能性は低いと思われます。

 もしどうしてもそんな韓国の姿勢を変えたいというのなら、一番ラクなのはヘイトの矛先を変えることです。これ以上は言わぬが花でしょう。

2019年9月5日木曜日

ロシアから見たロシア遠征

 今週、長谷川哲也氏の漫画「ナポレオン 覇道進撃」の最新刊が発売され、陰鬱なロシア遠征がこの巻で終わりました。このあとはライプツィヒの戦いに続くわけですが、今回この漫画を見てナポレオンのロシア遠征で今まで知らなかったことが多かったとひどく痛感しました。
 具体的には、ロシア軍はずっと焦土戦術を取っていたと思っていましたが、実際にはモスクワ入場直前にボロジノの戦いが発生しており、ここで両軍ともに惨憺たる損害が発生しており、一次大戦以前で最も人が死んだ会戦などと呼ばれていることも初めて知りました。

 ただそれ以上に興味深かったのは、ロシア側の目線もしっかり描かれていたことです。ロシア遠征と言うと基本ナポレオンの視点でしかこれまで語られることがなく、退却時にフランス軍がどれだけ死んだかとか、そういったところしか私も今まで見てきませんでした。
 ではロシア側からの目線で見るとどうなのかですが、感想としては日本の元寇のような感じだったのかなと思いました。ロシア側としては大陸封鎖令を破ったことで圧倒的大群のフランス軍に攻められ、国土が荒らされる中、焦土戦術という首都モスクワすら焼く非常な作戦をとりつつも見事に撃退したこの戦争は実際に、ロシアでは大祖国戦争と呼ばれてナショナリズム高揚の際にはよく引用されるそうです。

 同時代であっても、レフ・トルストイの「戦争と平和」はこのロシア遠征をテーマに描いており、女帝エカチェリーナを除き貴族勢力が強かったロシアで皇帝権力が増して絶対君主制が確立した景気にもなっているだけに、国家形成という意味では非常に重要な戦争だったと言えるでしょう。

 話は漫画に戻りますが、個人的に興味を持ったのはロシア軍総司令官のミハイル・クトゥーゾフのキャラクターです。このロシア遠征時は既に高齢だったものの、若い頃はロシアとの戦争で軍功を上げていたことから国民の人気は絶大で、当初総司令官だったバルクライが不人気ゆえ引きずり降ろされたあともバルクライの焦土戦術を踏襲し、モスクワにフランス軍を閉じ込めて見事ロシアを逆転へと導いています。
 なおロシア遠征時のロシア軍にはほかにバグラチオンという有名な将軍もいますが、中にはこの名前を来てピンとくる人もいるのではないかと思います。というのも、二次大戦における独ソ戦でそれまで守勢だったソ連軍が反転攻勢をかけてドイツ軍を分断させた作戦名が「バグラチオン作戦」で、この作戦名は実際にボロジノの戦いで戦死したバグラチオン将軍から取られています。

 話はクトゥーゾフに戻りますが、ロシア領内からフランス軍を撃退したあと、意気高くそのままプロイセンと組んでフランスを完全に叩こうとロシア軍が遠征を準備する中で寿命死しています。漫画内でもその場面が書かれてあり、実力を認めるものの折り合いの悪かったロシア皇帝アレクサンドル一世が申し訳なさげに、「今まで、自分は悪い上司だったと思う。君の人気と功績にずっと嫉妬してきた」と病床のクトゥーゾフに語りかける場面はさすがは長谷川哲也と思わせられる演出でした。

 ただ、このロシア遠征で最高の場面はどこかというのなら、和睦を諦めモスクワからフランスへの帰国をナポレオンが決断した際、「やがて誰もが地獄を見る」というナレーションを振った次のページにて、

「そしてミシェル・ネイは伝説となる」

 と書かれたページが一番胸に来ました。具体的にどういう意味か知りたい方はぜひWikipediaのページをご覧ください。

2019年9月4日水曜日

PS Vitaは何がまずかったのか

 さっき家帰ってきてラーメン作って食べてりんごも食べたけど、ぶっちゃけ餓えで気絶しそうです。なんだろう、風邪引く前なのかな。後で羊羹食べよう。

 話は本題ですが、先日日本にいる名古屋に左遷されたうちの親父に、「ニンテンドースイッチライトを予約して。請求はスイス銀行へ」と連絡出しました。これまで私は携帯ゲームだとソニーのPS Vitaを使ってきましたが、既にこちらは生産中止が発表されている餓えに後継機も発表されていないことから、今後についてはもはや一切期待のしようがありません。またゲームソフトメーカー側もVitaがなくなるという状況にあっては携帯ゲーム機は実質ニンテンドースイッチ一択(3DSも一応あるが)となるため、今後こちらで発売する公算が高いでしょう。

 そもそも何故Vitaは生産中止で後継も出なかったのか。結論から言えばあんま売れなかったからで、PSPは大成功したのにVitaではその成功を引き継げませんでした。では何故Vitaは失敗したのかと言うと、自分から見てもいくつか理由が見て取れます。

1、ハード設計
 はっきり言って欠陥もいいくらいハードの設計はミスっていました。発売当初にVitaは「背面タッチパッド」という機能をウリにしていました。これは何かというとVita本体の背部をタッチすることでボタンとなる機能なのですが、実際にこの背面タッチパッドを使おうとすると指がどこに当たるのか正面からは見えず、また両端を持って支えているのに背面にタッチしようと指を動かしたら本体を取り落しそうになるなど、位置的におかしい配置でした。
 その上、じゃあ使わないでおこうと放っておいたら、ゲームプレイ中にたまたま背面に指が触れてしまい、暴発するというケースも多々有りました。その結果というべきか、初期に発売された以外のVitaのゲームではそもそも背面タッチパッドを使わないようになっており、メーカー側も暴発が多い上に何の役にも立たない操作機能とみなしていた節があります。

 逆にもしこの背面タッチパッドなど付けずL2・R2ボタンを付けていたら、PS3やPS4のコントローラーと全く同じ入力機能を備えることができ、ソフトの移植や操作感なども向上していたと思います。そういう意味では根本的にハード設計を間違えていたとしか言いようがありません。

2、セーブデータの保存
 あまり言及されませんが、Vitaはゲームデータの保存が異常としか言いようないものでした。
 他のゲーム機同様にVitaのゲームソフトはダウンロード購入できるのですが、一回ダウンロードして、クリアして、他のゲームを入れるのに容量が足りなくなったから削除すると、自動的にクリアデータなど過去のセーブデータも一括で消去されてしまいます。そのため後で以前遊んだゲームを遊び直そうとしても、データが消えているので「一からニューゲーム」するしかなくなります。

 対策としては一般PCにアプリを入れてデータを保存させる、またはPS3などにデータをコピーしておくという方法がありますが、そんな面倒くさいことさせるくらいならどうしてセーブデータだけ別途保存するようにしなかったのかが疑問でなりません。何がすごいかってこれ、以前のPSPでは問題なく別途保存することができていた上、VitaでもPSPソフトのセーブデータはゲーム本体を消しても残しておくことができるという点です。
 ダウンロード販売が主流というのにこのセーブデータの扱い方は理解しようにもなく、真面目にこうした仕様にした人間はあまりにも配慮が足らず、Vitaが失敗した要因の一つだと本気で思います。

3、ソニー謹製のゲームソフトがクソだった
 結論から言うと「フリーダムウォーズ」というゲームですが、これはソニーが外注で作った、任天堂系に流れたPSPの立役者である「モンスターハンター」のような役割を担わせようと開発したクソゲーです。発表会でなんか「祭り」がテーマだと大層なこと言ってたそうですが、ゲーム内の各仕様が店でまとまりもない上に欠陥が多く、無駄に続編を匂わせようとして電波なシナリオになってしまったりした哀れなゲームです。
 開発費だけはたくさんかけられていたのかキャラの造形やグラフィック、ムービーなどは非常にハイレベルであるものの、それ以外のゲームの根幹があまりにもクソすぎて十人が十一人(生霊)揃ってクソと言わしめるゲームでした。

 私もクリアしましたが擁護のできないクソゲーだったものの、敵キャラを増やしたり、戦闘ルールをもう少しユーザーフレンドリーにすればすごい化けそうな可能性は感じました。実際他の人も「糞だったが続編には期待したい」という声も見られたのですが、どうもこのフリーダムウォーズがコケたあたりからソニーはVita事業に対して匙を投げたと言うか急にやる気なくしているので、こうした期待にも答えることはありませんでした。

4、ラインナップ
 理想を言えば、やはりソフトラインナップをもっとしっかり考えておくべきだったような気がします。私の実感で言うと、ターゲット対象年齢がやや高めのゲームが多く、小学生くらいでも遊べるゲームが最初から最後まで少なかった気がします。こうした層をもっと取り込んでおけばよかったのと、あと対象年齢が高く設定されたことからなんか遊んでて、似たようなゲームばかりが多かったようにも思います。
 特に後期に至っては腐女子向けのアドベンチャーゲームが乱発されたりして敗北ハードのセオリーを歩んでいましたが、もっと正統派のアドベンチャーとかアクションがあればなとよく思ってました。まぁそれ以上に、PSNのUIが糞すぎて購入意欲も失せるところがありましたが。


 ざっと上げるとこんなもんですが、なんだかんだいいつつVitaだとPS時代やPSP時代の過去のソフトをダウンロードして遊べるので、今後も一応持ち続けることにはなると考えています。それよりもニンテンドースイッチライトで何を遊ぶか、さしあたってバイオハザード4、5、6のセットでも買おうかと検討しています。
 っていうか夏働きすぎたから長い休み取りたいけど、未だに忙しいから休み取れない(´Д`)

2019年9月2日月曜日

コンビニ記事の裏側

夏でもおでん、中国のコンビニは日本とどう違うのか(JBpress)

 そういうわけで今日配信の自分の記事ですが、正直なところあまりアクセスはよくありません。ショックではないものの、この記事でもだめなのかという点でなかなか驚きであり、もっと精進しないといけないなと反省しきりです。

 個人的にはすごい気に入っており、中国コンビニ市場というニッチだけど潜在力の高く、なおかつ日系が主役といういい市場を見出したと思え、引用した情報も日本のビジネスマンにとってもそこそこ参考となる指標を選んだつもりでした。
 特に注目すべきは、中国のコンビニ市場規模は日本の約三分の一という点で、小売市場全体であれば中国は日本の数倍まで来ているにも関わらず、コンビニ市場は逆に小さいというこのギャップは高い潜在成長力を暗に示しています。もっとも、早々簡単に拡大できない背景もあり、それは次号の後編で書いています。

 元々この記事は一本で行く予定でしたが、ドラフトを友人に見せたところ詰め込み過ぎとの指摘を受けたので二本に分けた背景があります。私自身も一本では文字数制限から書ききれない点が多く、中国コンビ市場の特徴の前編、日系コンビニ企業の中国市場動向の後編に分けてスッキリしたと感じたので、この決断は良かったと思います。
 もっとも読まれなければ元も子もないわけで、そういう意味ではもっとこの前編も工夫すべきだったかもしれません。

 というわけで、後編に期待です。

2019年9月1日日曜日

寛政の改革後のような中国の世相


 安くてパーツ数が少なくすぐ作れると思って四式こと疾風を作りました。レシプロ機は何気に初めてですが、購入から製作開始まで何故か疾風ではなく飛燕を買ったとずっと勘違いしてて、飛燕と紫電改ならぬ飛燕改とは呼ばない五式のWikiの説明とか見ていて心躍らせていました。

 さて話は本題に入りますが、

  白河の清きに魚もすみかねて もとの濁りの田沼こひしき

 この狂歌をみてすぐに寛政の改革だとわからなければマルクス主義的にはアウトです。この狂歌は江戸中期に寛政の改革を主導した松平定信を批判した狂歌とされ、その意味としては当初は田沼意次が老中だった時代の賄賂政治からの脱却を図り、そのクリーンさで期待されていたものの、賄賂自体は減ったが寛政の改革が始まってから社会統制が厳しくなって生きづらくなった上、経済も悪化し、今思えば賄賂はあっても田沼時代の方が良かったなぁという世相を述べたものとされます。ちなみに作ったのは大田南畝です。

 なんでこの狂歌を引っ張り出したのかと言うと、今の中国の世相にピッタリ当てはまり、一般中国人も似たようなことを言っているからです。具体的には、「江沢民、胡錦濤時代は賄賂が飛び交っていたけど、景気良かったなぁ」、「習近平政権になってから汚職の取締が激しくなったけど、その分経済は前ほど良くない」、「昔はむちゃくちゃだったけど、案外楽しかったなぁ」といった感じです。
 もっとも、その江沢民、胡錦濤時代の汚職ぶりは激しく、当時にあっては重要な社会問題の一つとして認知されており、習近平政権以後に汚職摘発が進んだ際はみんな拍手喝采でした。現在においてもかつてと比べれば汚職は確実に減っており、賄賂に関する話題も以前より大分減っている気がします。ただ汚職が減った世の中にみんな慣れてしまったのか、前ほど摘発があっても拍手喝采はしなくなりました。

 また経済に関しても、日本なんかと比べれば半端なく高い経済成長率を中国は維持していますが、それでも江沢民時代のように二桁成長はもはや実現不能な時代となっています。給与の上昇幅も今と比べれば昔はベース金額が少ないこともあってものすごく高い上昇率で、生半可に当時を知っている人からすると、毎年数%の昇給では不満に感じるでしょう。真面目に昔の中国は三年位で給与は倍になっていたと聞きます。

 ただ、仮に昔みたく汚職を見逃せば景気は良くなるかと言ったらそれはまずありえないでしょう。そういう意味では低・中成長時代を迎えることとなってしまった習近平政権は以前と比べられるため不幸だと言えますが、汚職に限らない社会統制に関しては市民が不満に感じるのも無理がないでしょう。
 具体的に言うと、海賊版DVD屋などは摘発を受けて現在殆ほとんどなくなってきており、また風俗店はおろか、キャバクラのような飲み屋も二、三年前から摘発されるようになって今じゃ大分減ってきています。日本人駐在員の間でも、前と比べて中国での楽しみが減ったという声がよく聞こえますが、元々酒の飲めない自分からしたらあまり影響がないのでその当たりの感覚はなかなか共有できません。

 こうした実態店舗に限らず芸術や文物に関しても統制は強まっており、アニメなども暴力描写があれば公開させないなど審査が厳しくなってきています。まぁ公式に「低俗」と認定されながら「五等分の花嫁」のアニメは配信されていましたが。

 最後に日本の側について言うと、日本ではこういう社会統制は随分見られなくないというか逆にフリーすぎるような気がします。せいぜい言って最近物議を醸したのも酒鬼薔薇の手記出版くらいで、それ以外に芸能や風俗関連で摘発例は全く聞かず、それはそれでどうなのかなと思う節があります。具体的に言うと山場CMとかチャリティーではない24時間番組など。