2017年10月31日火曜日

平成史考察~自殺サイト殺人事件(2005年)

部屋から異臭、荷物運ぶ姿=「まさかこんな」住民ら絶句―アパート遺体(時事通信)

 やや不謹慎ではありますが、久々にまた香ばしい事件が起きたなという感想を持ちました。それにしても最近の神奈川県は障碍者施設襲撃事件といい、大量殺人事件がやたら起きているような気もします。
 この事件の詳細については今後操作や報道が進むにつれて明らかとなっていくでしょうが、現状ではまだ不確実な面も多いだけに余計な言及は避けようと思います。ただ現在までに報じられている、自殺志願者をネット経由で誘い出したとされる供述をみて、私の中で真っ先に思い浮かんだのは下記の事件でした。

自殺サイト殺人事件(Wikipedia)

 事件発覚当時、その内容からかあまり大きく報じられてなかったような気もするので(筆者はこの時期北京に留学中)、事件内容を覚えていない人の方が多いのではないかと思う事件です。内容をごく簡単にまとめると、自殺志願者が集うサイトで当時流行っていた集団自殺を持ち掛け、一緒に自殺するためにやってきた女性、男子中学生、男子大学生を悉く拷問の末に殺害していたという事件です。
 犯人の男には拷問癖、というよりは窒息して苦しむ姿に興奮するという性癖があり、誘い出された被害者らは三人とも何度も窒息によって気絶されては無理やり起こされ、再び窒息させられるという行為を繰り返された挙句殺害されており、その過程は写真や動画で撮影されていたそうです。

 今回、というより内心では以前からこのブログでも取り上げたいと考えていた事件ですが、何故取り上げたかったのかというといろんな意味で考察の余地が含まれた殺人事件であると思えたからです。ポイントは大きく二つあり、一つは自殺サイトを手段として経由していること、もう一つは窒息マニア且つ白のスクールソックスマニアという特殊な性癖を持つ犯人であることからです。

 前者については筆者も学生時代に何故かレポート調査対象としてやけに調べたことがあり、2004年にワンボックスカー&練炭を使った集団自殺が発生してから増えた自殺サイトが、自殺ではなく他殺に用いられたという事実が興味を引きました。意外というよりかは起こるべくして起こったなと思ったのが正直な感想であるとともに、殺人と自殺幇助の線引きについて考えさせられるとともにもちろんこの件は殺人であるが)、今後もこうした殺人への応用が続くのかなと一人でいろいろ考えていました。

 そして後者についてですが、前述の通りにこの事件の犯人には他人が窒息して苦しむ姿に興奮するという異常性癖があり、尚且つ白のスクールソックスに対しても異常に関心を持ち、被害者は拷問の過程で白のスクールソックスを無理やり履かされていただけでなく、この事件以前にも犯人は白のスクールソックスを履いた友人の首を絞めるなどして何度も逮捕されています。
 これらの犯人の特徴を以って単純に異常者と割り切るのは簡単ですし実際にその通りな異常者なのですが、個人的に私が興味を持ったのは、犯人自身がこの性癖の異常性について自覚しており、尚且つそれでも欲望に抗えなかったという点です。

 この点については裁判中に犯人自身が、その問題性を自覚して何度か自殺を試みたものの未遂に終わり、その後欲望を満たすために犯行に及んだと語っています。またどうしてこのような異常性癖を持つに至ったのかという過程についても比較的詳細に語られ、ほぼ確実とみられる因果関係も明らかとなっており(幼少時の父親の折檻と、中学生時代の教育実習生)、あくまで供述に頼るのみではあるものの話として聞いてて筋が通るというのが、他の異常殺人と比べても一線を画しています。
 様々な供述から犯人自身は自分の所業について一定の罪悪感を感じているように思われ、現実に事件発覚のきっかけとなった女性に対する殺人以外の二件の殺人については疑われていない段階で犯人自ら自白しており、裁判でも減刑にはつながらないまでも自白が認定されています。しかし公判中も拘置所内で暴行事件を起こすなど際立った暴力性はとどまらず、また自らこの性癖は矯正不可能で復帰の見込みはないことを認め、有言実行とばかりに一審での死刑判決に対して弁護団が行った控訴手続きを自ら取り下げ、一刻も早い死刑執行を望んでいることを示していました(2009年に死刑執行済み)。

 繰り返しになりますが、私はこの事件の犯人について自らの異常性を認識し、問題性を自覚しながら幾度となく犯行を繰り返した点が興味深いと思え、異常犯罪における犯人としては非常にレアな存在だったと見ています。その上で不謹慎な言い方ですが、最終的な死刑執行はやむを得ないにしろ、もう少し生かしておいた上で犯罪研究の貴重なサンプルとして研究する価値もあったのではないかと内心では考えています。
 現在までの供述によると、今回の座間市の犯人も8月末から何人も殺害してクーラーボックスに保存しておくなどなかなかの異常性を見せています。そしてそんな異常者でありながらあっさりと犯行を認めたということからも、価値の高そうなサンプルだと早くも期待しています。

 最後に一応言っておきますが、不謹慎であることは認めつつも研究価値については将来の犯罪研究のためということが第一です。こうした研究から犯罪に走りそうな候補を早めに検出し、また矯正の可能性や手段を探るkとは社会的にも価値があるからこそこういうことを言うのであって、決して野次馬根性で面白がっているわけではありません。
 だからこそ同じ自殺サイト、というよりネットを経由したこの自殺サイト殺人事件と、共通点とかどうなのかなという意味で敢えてこうして記事にしてみました。まぁ現時点で言えることとしては、自殺するなら変に誰かと一緒にやろうとすると一方的に殺される可能性があるから、なるべく一人で頑張ってした方がいいってことくらいですが。

2017年10月29日日曜日

スバルの検査不正ニュースの衝撃(テンプラ)

 前回に引き続き、スバルの検査不正ニュースについてスバルとは全く関係ないところの話をします。それにしても前回はこの見出しで、朝日新聞記者の自動車に対する無知ぶりを批判するという恐ろしい記事だったなぁ。
 結論から言えば、この事件について全く論点の違う意見をいう人が多くみられます。でもってその論点の異なった意見は異なっているだけに間違っているように私には思えます。

スバルも発覚!! 「無資格者検査問題」の3つの要所(ベストカー)

 事件の要点についてはベストカーがよくまとめてくれているので上のリンク先を見てください。簡単に言えば日産とスバルで完成検査員資格を持たない人間が法定の完成検査を行っていたことがばれたことで大きな問題となっているわけですが、この事件についてネット上で反応を見ていると、

「これまでも同じような検査体制で大きな問題は起こっていないじゃないか」
「検査自体はきちんと行われているのだから安全上は問題ない」
↓↓↓
「だからこの問題はそもそも大騒ぎする問題なのか?日産もスバルもいい迷惑だろう」

 的な意見がいくつか見られました。論法としては、「安全上は問題ないのだから別にいいじゃん」という感じです。
 しかし私の見方は違っており、検査自体がしっかり行われているとか、安全上問題がないかではなく、規定を破っても問題ないとする社内風土にこそ欠陥があるとみています。

 言うまでもなくこの完成検査は国の法規定で定められており、実際に日産とスバル以外の他のメーカー(実際怪しいけど)ではきちんと規定に沿って実施されています。しかしこの二社では法規定手順を守らず、またコンプライアンス上問題がないかという確認すらも怠っていたということになる上、日産に至っては問題発覚後も気にせずに無資格者の検査が続行されていたということからも、「法は法だけど面倒なら破ってもしょうがない」という認識が少なくない人間、それこそ工場単位で持たれていたと言っても過言ではないでしょう。

 ヒヤリハットの法則ではありませんが、綻びというのはほんの些細な点から大きく広がっていきます。実際、内部統制上の不正事例でも、最初はちょっとしたミスや誤解を犯していながら特に問題とならなかったことからどんどんと大規模化して大きな不正案件となることも少なくありません。検査手続きにおいても同様で、「見逃しても事故が起きないから」という態度が後でどんな問題に発展するのか、そうした抜ける意識を根絶するためにも規定に対しては絶対的に従う必要があると私には思えます。

 逆の例と言っては何ですが、昨年に三菱自動車で発覚した燃費不正事件の際にスズキも法規定に沿った検査方法を実施していなかったことが分かりましたが、この件ではスズキは法規定よりもずっと厳しい燃費検査を行っており、法規定の検査方法に合わせたところ前より表示燃費が向上するという恐ろしい結果を叩き出しました。この場合も確かに法令違反っちゃ違反ですが、スズキは法令以上の厳しい検査に自ら臨んでおり、なおかつ国の燃費検査の方が明らかに欠陥や無駄な手間の多いやり方で、スズキの件もあってか検査方法を国も今変えようとしていることから私はこの件でスズキを批判するつもりは全くありません。っていうか凄いぞスズキ!

 しかし今回の日産とスバルの件は、安全上問題がないにしろ、明らかに「法令なんて知るか!」と言わんばかりの対応なだけに、もっと批判されてしかるべきだと思います。さらに言えば、法定検査ですらこんな態度であることからこの二社の他の検査も案外どんなものかと、それこそ社内風土的に少し疑っています。
 個人的に非常に不思議なのは、完成検査員はメーカー内部での認定資格で、祖に認定基準もメーカーごとによって異なるとのことですが、人手が足りないならばなぜ認定基準の方を変えなかったのかが理解できません。日産に至っては無資格者が有資格者の印鑑を勝手に押印して検査書を出していた事例もあったそうですが、印鑑管理の点でもこの会社は内部統制に問題が多そうです。

2017年10月27日金曜日

スバルの検査不正ニュースの衝撃(仮)

スバルも無資格検査 日産不正受け社内調査 群馬製作所(朝日新聞)

 今朝上記リンク先のニュース記事を見て大きな衝撃を受けました。具体的に言うと、「えっ、インプレッサが小型車だって(;・∀・)ハッ?」ってな感じで。

 問題の箇所は末尾から二番目の段落にある「小型車の『インプレッサ』や、スポーツ用多目的車(SUV)の『XV』などを生産する主力工場だ。」という記述です。結論から言えばこれは明確な記述ミスです。あらゆる角度からクロを白くする作業で分析を試みましたがどの角度からも角が立つ書き方で、自分以外に突っ込む人おらんのかいなとという点でもなんかいろいろと複雑になりました。

 車種について知っている人には早いですが、「インプレッサ」というのはスバルの主力車種であり近年の同社の躍進を支えている、主に米国市場で販売が伸びているベストセラー車です。タイプ(車型)としてはセダンとハッチバックの二種類がありますが、まぁ国内市場と表向きイメージを考えるならば「セダン」と言い切ってもアリだと思います。そもそも「ハッチバック」という言葉自体が最近自動車業界でも使われなくなりつつあるし。
 それでこの車ですが、はっきり言ってかなりでかいです。特に最近のモデルチェンジではメイン市場の米国に合わせてどんどん大型化しており、以前はともかく最近は一応の姉妹車種であるレガシィとも区別つかなくなるくらい巨大化しており、他の同じクラスのセダンと比べても大き目なサイズです。

 セダンとしてむしろでかい方にもかかわらず何故朝日はインプを「小型車」と書いたのか。恐らくナンバーによる区分こと車幅区分で小型車と書いてしまったのだと思います。

乗用車(Wikipedia)

 上記のWiki(今年は2000円寄付したから気兼ねなくリンク貼れる)の記事中でも開設されていますが日本の乗用車区分では、

・全長:4,700mm以内
・全幅:1,700mm以内
・全高:2,000mm以内
・総排気量:2,000cc以内

 以上の条件にすべて収まれば「小型車」に分類され、逆にこの条件を上回りトラックなどの条件に合致しなれば「普通車」として区分されます。この区別はナンバープレートを見ればわかり、小型車の場合は一番上にある3桁の分類番号が「5」から、普通車は「3」から始まることからそれぞれ「5ナンバー」、「3ナンバー」と言って区別されています。
 この区別はかつてでこそ税金面で小型車(5ナンバー)が有利であったことから自動車メーカーも一番条件に引っ掛かりやすい全幅を敢えて1,700mm以下に抑えていましたが、昨今は制度も変わり必ずしも小型車が税制面で有利となるわけでなくなったことから(排気量のが重要)、プリウスなど一部車種ではモデルチェンジに合わせて5ナンバーから3ナンバーに移行する例があります。

 こうしたことから、恐らく一般的には「小型車」か「普通車」かで自動車を区別したりすることはあまりないと思いますし、ましてやニュース記事でわざわざこの基準で区分をすることに意味は全くと言っていいほどありません。それこそこの基準で区分するとしたら、インプだけでなくフィットやデミオなど他の一般的な大衆車も「小型車の~」という枕詞になるし、軽自動車も「小型車のミライース」という風に書くこととなるわけで、こんな書き方だと違和感ありまくりな上に読者が変な誤解をする恐れすらあります。
 その上、前述の通りにインプは車型としてはセダンに属し、なおかつ同クラスででかい方の部類に入ります。それこそ「フィット」などが属すコンパクトカーという車型なら「(車型としての)小型車」という表現が使えないこともありませんが、インプを小型車と呼ぶにはどうしても上のナンバーによる区分でしか説明することができません。

 仮にインプだけの引用であれば「小型車のインプレッサ」と書くことも、はっきり言って非常に不自然ですがギリギリ認められます。しかし今回の朝日の記事ではその後で、「SUVの『XV』」とも書いています。インプに対してはナンバーによる区分で「小型車」と書いているくせに、その直後にXVに対しては車型としての区分表現である「SUV」という表現を使っており、前と後ろで基準が異なっています。もしナンバーによる区分基準で統一するならXVに対しては「普通車の」と書かなければなりませんが、「普通車のXV」ってまぁ見ていてほんと不自然な書き方です。

 これは私の推測ですが、恐らくこの記事書いた朝日の記者はそもそもインプレッサがどんな車か全く知らず、とりあえずネットで検索かなんかして他紙の記事で「小型車のインプレッサ」と書いてあるのを見つけてそのままコピペしたんだと思います。私もこの辺実際に見ていますが、記者というのは表現について、自分の感性等よりも同業他社がどう書いているかを参考にし、それをそのまま全く疑わず鵜呑みにする傾向が強いです。
 実際私も検索したところ、産経とか東洋経済も全く同じく「小型車のインプレッサ」と書いています。まぁまだこちらは「SUVのXV」とは書いていないから通ることは通るけど、書いてて違和感感じないのかなこの人ら。

 ややきつい言い方をすると、冒頭の記事を書いた朝日の記者、並びにそれを通した編集は自動車について多分全くわかってない人なのではと思います。そんな人間が自動車業界のニュース書いてどうするんだと、見ているこっちが不安になってきますし、出稿前に「基準バラバラじゃねぇか」とどうして誰も気づかないのか不思議で仕方ありません。
 そもそも件のインプレッサはトヨタのクラウンとカローラ、日産のスカイライン、ホンダのシビックなどに続くくらい長期に渡り生産、販売されているスバルの看板車種で、こと4WDの性能に関しては上位車種に当たる「WRX」は恐らく世界最高クラスな車です。知人に至っては、戦場を選ばない取り回しやすさと総合的なポテンシャルから、「GTRよりWRXのが速い」とまで言うくらいだし。

 そんなある種過剰性能気味な、多少車に興味ある人だったら誰もが知っていてもおかしくないくらいの知名度を持つ車種だと私には思え、そのインプレッサに対し「小型車」と平気で書いてしまう不作法は見上げたものです。それこそスズキの「キザシ」とか、ダイハツの「アルティス」くらいにマイナー激レア車種だったら多少書き間違えても私もしょうがないかなと思えるのですが。



 ……ここまで長く書いておきながらなんですが一応念のためにインプの諸元表を確認してみたところ、現行のインプの全幅は1,775mmあり、ナンバー基準であっても小型車には分類されないことが分かりました。っていうか3代目(現行は5代目)インプの時点で1,700mm超えており、これだとナンバー分類上は「普通車」であり、どっからどう攻めてもインプは「小型車」にならないことに気づきました。
 だとすると最初の朝日の記述は完全にNGだし、産経や東洋経済の記者もいろいろと怪しいってことになります。ほんま日本の経済記者大丈夫か?普通に「セダンのインプレッサ」と書けばいいだけだってのに。

  おまけ
 ダイハツの「アルティス」とは、トヨタの「カムリ」がダイハツ向けにOEM販売されている車種です。しかし、そもそもOEM元のカムリ自体が日本国内じゃ全く売れずに知名度、人気がない激レアな車種であり、OEMでダイハツに出されている事実自体が車好きであっても多分ほとんど知られていないという超激レア車です。っていうか日本でカムリをOEMで出す必要あるのか、それならマークXとかの方がよかったのではと思うくらい誰得なOEM取引です。
 しかし、珍しいもの好きな私としては逆にこのアルティス乗ったら面白そうかもと思い、一時期熱心にカタログとか眺めていたことがありました。それこそティターンズのパイロットなのにエゥーゴのディジェに乗っているような感覚味わえるかなとか妄想していて、もし日本帰って車購入する機会あれば多分また真剣に検討すると思います。

2017年10月25日水曜日

怪しいからこそよく売れる

 今日ふと尾上縫とかどうしてんだろうと思ってネットで調べてみたら、3年くらい前に死んでいたそうです。

尾上縫(Wikipedia)

 多分私と同年代でこの人知っている人は知らないでしょうから簡単に説明すると、尾上縫というのはバブル期に世間を騒がせたいわゆる詐欺師です。具体的にどんな詐欺したのかというと金融機関からの不正融資引き出しなのですが、その経過というのが時代を反映していて個人的には面白く、私も名前まで覚えてしまいました。
 元々は料亭の女将だったのですが株や競馬の予想が悉く当たると評判になったことから次第に占いが本業となっていき、一時期は大手証券会社や銀行の社員がこぞって通い、「当たるぞよ~」とか「今は待つぞよ~」など怪しさ満点のお告げを繰り返しては来場者から尊敬のまなざしとともに平伏されていたそうです。

 しかし資産運用がうまかったというよりかは時代が良かっただけで、自ら運用していた株はバブル崩壊とともにどんどんと焦げ付き始め、Wikiの記述を引用すると、「89年の延べ累計額では借入が1兆1975億円、返済が6821億円で、270億円の利息を支払った。」とのことで、この年の運用損益は実質約-50%という状態でした。
 それにしても上記の金額を見ていると、いくらバブル期とは言え個人で数千億の融資を得た上で運用できたとはアホな時代だなと思えてなりません。まぁそんなあほな時代を経たから今審査とか厳しくなったのでしょうが。

 こうした有様はもちろん表向きは隠していたものの金融機関もだんだんと怪しみ、融資に慎重となっていきます。そこで尾上縫は懇意の金融機関関係者と組んで架空の預金証書を作り、これを担保とすることで新規融資を引き出すという詐欺を繰り返しながらどんどんと焦げ付かせていき、ある日ガツンとばれて牢屋に入ったわけです。なおその後留置場で自己破産手続きを取り、負債総額は4300億円と個人としては当時の史上最高額を叩き出したそうです。
 そんな尾上縫ですが今年包装されたテレビ番組の調査で2014年頃に亡くなっていたことが確認されたそうです。まぁなんていうか、悪い奴は結構しぶとく生きるなって感じです。

 個人的にこの事件で面白いと思うのは、変なガマの像に向かって祈ったりするなど怪しさ満点なおばさん相手に、高学歴の証券マンとかがこぞって通って平伏していたという事実です。しかも彼らがお告げと聞いていた内容はおばさんの場当たり的予想にしか過ぎず、実態から根拠、背景に至るまで何一つ合理的なものがなく滑稽窮まりません。
 しかし逆に言うならば、怪しいからこそみんな信じたのかなとも思うわけです。

 古い話を出すと、原爆投下直後の広島では人骨の粉末がケロイドなどに効くというデマが流れて実践する人も多かったそうです。もちろん人間の骨にやけどを治すような効果はなく、これ以前に同じような意見が提唱されたわけではないのですが、パニックもあったとはいえ何故かその時の現場では信じられたそうです。
 こうした例に限らず、一見すると怪しさ極まりないものの、時と条件とかが合ってしまうと何故か根拠なく信じられたり、商品も売れたりする傾向がある気がします。いわゆる疑似科学などはこの典型で、効能などの宣伝とかマーケティングとかではなく怪しいからこそ売れるんじゃないかとひそかに見ています。

 このように考えると商品やサービスに対して、いくらかの怪しさを付け加えたり意図的に醸し出したりすることはマーケティング上でも有用なのではないかとも思えてきます。それこそいかにも素人っぽい芸人に、「これ効くよ、ほんとほんと、お願いだから信じて!」みたいに訴えさせたりとか。誰かこういう「怪しさマーケティング」について専門的に研究してくれないかな。

 なお最近でこういった怪しさ満点な商品とくれば、露骨な疑似科学商品ですが「水素水」でしょう。ただ私としてはちょっとこのネーミングはシンプル過ぎるような気もして、もっと仰々しい名前の方が売れたような気がします。
 敢えて私が売り出すとしたらそれこそ、「超水素水」、「伝説巨神水素水」、「ハイメガ水素水」などともっと凝った名前にしていたことでしょう。

2017年10月24日火曜日

堕ちなければわからない

 今の職場でも真冬にコートを一切着ない男として有名なため気温が下がるにつれて周りから、「今年もコート着ないの?」と聞かれることが増えてきました。もちろん着ません。
 多分体の放熱量が他の人と比べても異常に高いからでしょうが私自身も夏より真冬の方が好きなだけあって基本が低い方が動きやすく、今現在も窓開けっぱなしですが非常に涼しく気分がいいです。なので好きなことをそのまま書きます。

 結論から言えば、堕ちるところまで堕ちなければわからないでしょう。そしてそれは2020年の東京五輪後を待たなければならず、その後でも果たして現実を直視できるのか私には疑問です。
 かつてNHKから取材を受けたときにこのブログでは様々な政策提言をしていて日本を盛り上げたいというような意識が見られると向こうの記者に指摘されましたが、決して間違いではないものの果たしてそれでいいのかという疑問はもう何年も持ち続けています。というのも下手な延命策を取るよりいっそ激しく叩き潰した方がこの際目が覚めるのではと思うことが多く、外科手術的には思い切って切断した方が本体にはいいのような具合です。

 決して最近になってからというわけではありませんが、やはりこうしていろいろ記事書いたり各種の意見を聞いてたりすると、明らかに現実を無視したというか意図的に視線をそらした意見や主張が見受けられます。一人二人ならともかく割と多いし、またメディアもかねがね言っているように海外報道に関しては正直なめているところもあって、壊滅的です。
 ならばこそ、敢えて叩き潰す側に回って一刻も早く叩き潰した方が、犠牲者というか犠牲になる年代は少なくて済むのではないか。この疑問は何年にもわたり持ち続けていますし、ハゲタカのモデルとなった米ファンドで活動していた人の言葉も間違いじゃなかったなと思えてきます。

 自分の経験から言っても、理論的にいくら言っても理解できないという事柄は確実に存在し、失敗を経ないと絶対にわからないっていう者も少なくありません。だからこそ、というより実際に多くの人が体験してみないとわからないと思うこともあるだけに、もうこの際かなと言いたいわけです。
 もっとも自分の完全に独立して生きているわけじゃないのでえらそうなこと言える立場ではありませんが、今後の時代について悲観するよりかはどこまで落ちてどんな風な混乱が起きるのかと観察めいた視線で楽しんでみる方がお得ではある気がします。

2017年10月23日月曜日

ゲームレビュー「ダンジョントラベラーズ2」

 Youtubeの動画開いた際にあべりょうの歌の広告が流れるのがただただ不快です。

ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印(アクアプラス)

 大分前ですが面白いと評判だったので上記の「ダンジョントラベラーズ2」というゲームを購入していてつい最近にやり始めてみました。このゲームは美少女ゲーム大手のアクアプラスが、開発にスティングという会社を迎えて作ったゲームで、ジャンルとしては3DダンジョンRPGに入ります。タイトルには「2」と入っていますが前作は美少女ゲームの「To Heart2」というゲームのスピンオフゲームで、ゲームのジャンルや骨格こそ同じであるもののストーリーや世界観間でつながりはないと聞いていたので、前作をやらずにこちらから購入しました。

 やってみた感想はというと、面白くないというわけではないものの全体として作りが異常にチープです。正直、10年くらい前に作られたゲームかと疑うようなチープさです。

 ゲーム全体としては3DダンジョンRPGなだけに3Dダンジョンを探索しながら魔物を倒していくというオーソドックスな内容なのですが、全体的に敵キャラが強いものの、レベル上げたら割と楽勝になってしまうほどゲームバランスがやや偏っています。またそのゲームバランスに影響を与える装備品についても、恐らく個別にパラメーターを設定するのが面倒だったのか知りませんが、基本的に出てくるアイテムは非常に限られており、それを「+10」などと数字を足すことで区別しています。
 具体的に例を挙げると、「ショートソード」の元々の攻撃力が12だとすると、「ショートソード+10」の攻撃力は22になります。こんな感じで、ゲームを進めるごとに+の後の数値は段々と上がっていくわけですが、逆を言えば後半に至っても「ショートソード」という名称の武器が延々と使われ続けており、なんていうか名称で萎えます。ほかも「ロングソード」、「スタッフ」、「ハンドアクス」などしかなく、これらが前半から後半にかけてプラス値が変わるだけでずっと使い続けなきゃいけないし。

 ただ、この辺はダンジョンRPGの特性上ということでまだ妥協できますし、ほかの同じジャンルのゲームでも見受けられる措置です。それ以上に自分がやっててチープさを感じたのは、戦闘での演出です。
 戦闘画面は基本的に画像が動くことがなく、攻撃時も斬撃が「ザシュッ」的に横に流れるような演出しかなく、「邪聖剣ネクロマンサー」(1988年)の頃と何も違いがありません。ドラクエとかならそれがもはや伝統なので特に問題ではありませんが、このダンジョントラベラーズはどちらかというとキャラのビジュアルを売りにしているゲームなだけに、特定の攻撃に際してはキャラのカットインを入れるなどできなかったのかと思えてなりません。しかもそのキャラビジュアルも、特定イベントCGを除くと基本立ち絵しかないし。

 そしてなんといっても自分が気になったのはBGMです。もうびっくりするくらいチープで、素人の自分ですら安い音源を使っているのが聞いててわかります。音源が安いなら安いでメロディーで挽回するのかと思いきや、これまた全然シーンに合っていないしょうもない曲ばかりで、折角スティングにはいいコンポーザーいるのになんでこんなダサい曲使うんだろうと深刻に不思議だと感じる水準です。
 ついでにと言っては何ですが、ストーリーも見ていて非常にアレです。美少女ゲームメーカーなんだから王立メイド隊とか騎士団なのに女性キャラしかいないとかはこの際目をつぶるとしても、突然性格が豹変した主人公の上司は一目見て、「ああ、魔人が乗り移ったんだな」と、すぐわかるくらい展開が読めます。しかもそんな豹変した上司を見て主人公らは訝しみこそするものの本格的に怪しいとは思わず、プレイしていて「おいおい」と突っ込みたくなること請け合いです。ダンジョンも次から次に提示されるものをただ回るだけだし、主人公もギャルゲーによくありがちな典型的なくらい個性のないキャラだし、挙句に主人公以外の男性キャラはほぼ皆無という、いくら美少女ゲームメーカーとはいえこれはどうかなと思う世界観です。

 いいところとしては各キャラごとにスキルを自由に設定できて、組み合わせによっては無能になったり、戦闘が楽になったりと大分変ってくるので工夫のし甲斐があるところです。これを除けばレアアイテム探索もないし、基本一本道のシナリオなので、言っちゃ悪いですがあまり出来がいい作品とは思えません。

 ただこのように私が思うのも、同じ3DダンジョンRPGというジャンルで先に日本一ソフトウェアの「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」というゲームを遊んでいたということが大きいかもしれません。はっきり言ってこちらは近年稀にみる名作もいいところで、戦闘システムからBGM、演出、そしてプレイ中に何度も唖然とするような先の読めない展開が続くストーリーはすべて一級品でした。特に最終盤、ストーリー冒頭で聞いた声の主がその姿を現した際は真面目に手が震えるほどの衝撃ぶりでした。
 またBGMも非常に印象に残る者ばかりで、今でもたまにYoutubeで聞くくらい優れています。特に某ダンジョンのBGMは耳からしばらく離れなかったし。

 このルフランと比べるとダンジョントラベラーズ2はいかにも安っぽく作られているようにしか見えず、キャラゲーなのにキャラもルフランほど立っておらず、強いて言えば声優の赤崎千夏氏の演技が悪くないかなかと思っていたら、赤崎氏はルフランにも出演していました。もう何もいいところないじゃんかこれ。
 でも真面目に、3DダンジョンRPGをPSVitaで遊ぼうっていうんなら、絶対的にルフランの方がおすすめです。

2017年10月22日日曜日

共産党は保守?

 先日、最近炭水化物ダイエットに取り組んでいるツッコミの鋭い後輩と食事中に共通の知人について私が「あの人は地に足がついていないから」といったところ、「花園さんがそれいいます?」とまたすぐ突っ込まれました(´;ω;`)

 話は本題に入りますが、既に投票は終わりましたが今月の文芸春秋では総選挙特集が組まれており、その中には作家の橘玲氏も寄稿した記事も入っています。内容はほの一般的なライターと違ってやや斜めな視点で各種選挙要因を分析していて面白く、中でも年代別の政党に対する意識の分析は見事だと思いますが。
 その分析は具体的にどのようなものかというと、一言で言えば「共産党は熟年層では革新、若年層では保守とみられている」というものです。

 現実的な目線で見るならば、この場合は若年層の見方の方が正しいと言って間違いありません。もはや滅亡状態にある社民党を除けば、結党当初からの護憲を叫び続けているのは共産党です。一方、憲法改正はもとより各種新規政策の導入に意欲的な自民党については若年層は革新、熟年層は保守という風に見ており、こちらも言葉通りに解釈するならば、やはり若年層の見方の方が正しいでしょう。

 では何故、実際に主張としては完全な保守である共産党を熟年層は革新勢力とみなすのか。結論から言えば「昔からそういい続けてきたから」というのが大きいように思え、いわば、「保守は自民、革新は社民、共産」という価値観に固まったまま動いていないだけでしょう。その上で共産党を支持する熟年層は、自らを革新勢力と考えているかもしれませんが実際には既得権益維持を目指す保守なのかもしれません。

 また、同じ記事では若年層の政治意識について明確に、「自民への支持意識が高い」と指摘しています。理由は何故かというと、若年層からしたら政治に期待することは自らの就職が最も強く、近年の実体はともかくとしてアベノミクスによる求人増加は彼らの願望に適っており、むしろ他の政党に政権を引き渡すことで雇用が不安定化することを恐れていると分析しています。
 この分析については私も完全に同感で、またどこかは忘れましたが選挙中にも全く同じ指摘をする記事が出ており、若年層は上記の理由から「革新=自民」を応援していて、SEALDsなどはむしろ少数派でしょう。こうした若者の自民支持について以前はネット右翼などという言葉とともに若者の意識の右傾化と説明する人が多くいましたが、実態としては経済的な損得勘定の方が大きかったとみるべきでしょう。

 以前、っていうかこのブログを始めた当初私は、「もはや右翼、左翼という対立構造は現代では成立しない」と主張し、あれから数年、っていうかもう10年経っていますがむしろあの時より現代の方がこうした傾向は強まってきています。今回の選挙にしたって共産と自民であれば保守対革新という構図はまだ通じますが、他の野党と自民であれば争点らしい政治的主張はほとんどなく、どっちかと言えば暴言で問題となった豊田真由子議員(他を差し置いて落選速報がもう出てる)など、議員個人の人格が信用できるかどうかの方が政治的主張や観念よりも重きが置かれた選挙だったような気がします。
 小池都知事率いる希望の党も当初でこそ争点を作ろうと、小泉元首相と会った上で「反原発」を掲げましたが、それ以外の政策はほぼ無きに等しく、昨日の記事に書いたように自民も希望も立憲も「子供手当は拡充する」という、全会一致なら早くやれよと言いたくなるような争いのない選挙だった気がします。なもんだから希望と立憲は安倍首相の人格批判、自民と立憲は小池都知事の人格批判をやってただけにも見え、なんていうか「このハゲー」的に不毛でした。いっそのこと、「不毛選挙」と呼んでもありかもしれません。

 それにしても豊田議員については選挙中もしょっちゅう取り上げられていて、あの発言のインパクトはやはり凄かったのだと再確認させられました。今年の流行語に「忖度」ともども確実に入ると思いますが、授賞式には来てくれるのだろうか?

2017年10月21日土曜日

児童手当の累進性強化の提案

 近くの家具屋で革張りでひじ掛け付きの椅子が500元(約8,600円)で売っており、一週間悩んだ上で買ってしまいましたが、元もそんな広くない部屋なのにやけに豪華な椅子おいて部屋狭くならないかなと今少し心配です。既に到着して組んでいますが、今までパイプ椅子だったこともありいろいろと違和感があり、ゲームの中で小さい軍艦ほど設計が難しいですが、狭い部屋もまたインテリアは難しく、且つ決まればものすごく勝手が良くなる気がします。
 座り心地は物凄くいいから、動画とか見るのにはよさそうですが。

 さて本題ですが、 現在選挙真っただ中ということもあって各政党がいろいろ公約を掲げていますが、もはやマニフェストすら死語となり、もともと日本は公約達成率をきちんと分析して報じる大手メディアも少ないことから、なんか政治家も有権者も「どうせ実行しない」ことを前提に演説とか聞いているような気がします。
 そんな真面目に取り扱われていない公約の中でも、有権者が注目しているように感じる政策としては児童手当関連だと思います。特に子育て世代からすれば生活に直結する内容であり、各政党もその辺わかっているのか携帯電話通信会社のキャンペーンの如く、「向こうが高校無償化ならこっちは大学無償化だ」、「ならばこっちはさらに現金までつけちゃうぞ」みたいな感じで、財源についてはほぼガン無視した上でサービス競争が繰り広げられています。

 確かに、少子高齢化は日本にとっても非常に大きな問題であるだけにその対策に力を入れるというのは間違いではないでしょう。しかし、お金に余裕があるならいざ知らず現在の日本の財政は文字通り火の車、を通り越して「マッドマックス~怒りのデスロード」みたいな状況で、何でもかんでもお金を出していいわけではなく、なるべくなら節約しなければならない状況です。そのような観点に立つならば、今本当に議論すべくはどの政党がどれだけ児童手当を多く出すのか、ではなく、どんな児童手当プランが少子高齢化に効果があるのかであるような気がします。
 言うまでもなく、お金を多く積めば積むほどそりゃ効果はあります。しかし同じ金額でも、積み方によってもその効果は変わってきます。現状、もうお金ないから児童手当は廃止ねなんて言える状況ではないことから、最も効果のある効率的な児童手当プランこそみんなで知恵を出し合うべきじゃないかと言いたいわけです。

 ではどんなプランがいいのか。結論から言うと見出しに掲げた累進性を強化したプランがいいと私は考えています。児童手当で累進性とは何か、また変な表現を自分でも使ったと思いますが、要は子供を多く産めば生むほど恩恵が大きくなるという仕組みを指します。

 あまりこの方面には詳しくないのですが現在の児童手当でもこうした累進性は既に存在していて、具体的には第3子から支給される児童手当の金額が加算されるようになっているそうです。とはいってもその加算額は中学生までの合計で、

******************
第1子/第2子であれば…

・15,000円×36ヶ月×540,000円
・10,000円×108ヶ月×1,080,000円
・10,000円×36ヶ月×360,000円

合計1,980,000円


第3子以降であれば…

・15,000円×36ヶ月×540,000円
・15,000円×108ヶ月×1,620,000円
・10,000円×36ヶ月×360,000円

合計2,520,000円(育ラボ記事から引用。勝手ながら申し訳ありません。)
******************

 以上のように、第3子以降だと第1、2子と比べ約50万円上乗せされるという計算です。
 私の案としてはこの累進性をさらに強めることで、「いっぱい生んだ方が絶対得じゃん」と思わせる方向にもっていきたいわけで、そうした姿勢を強く出すためにも大胆な政策が必要な気がします。

 ではどんなプランがいいか。パッと思いつく限りだと、児童手当の支給額は第1子、第2子のテーブルを第3子以降にも適用する形で統一して維持した上、第3子以降なら大学までの学費すべて国負担とかありなんじゃないかと思います。というのもすでに各政党が大学までの学費も国負担とする公約を掲げており、それだったら敢えて第1、第2子は家計負担で据え置いた上、第3子からは半端ないボーナスをつけた方がいいと思い、こんなプランがほんと突然、昼飯買いに行く途中で浮かんできました。

 ただし、このプランを導入するに当たっていくつか前提が必要となります。一つは大学の学費設定で、このプランを悪用する形で必要以上に学費を値上げする大学に対する価格統制を強化し、適正な価格を維持すること。もう一つは、加計学園系列大学をはじめとするいわゆる「Fランク大学」という教育水準が低く、ほぼ無試験で誰でも入れる大学を淘汰しておくことです。こうしておかないと制度を悪用する輩が出てきそうなのと、効率的な資金投入が阻まれる恐れがあるからです。
 あと、私大医学部に関しては支給学費に上限をつけた方がいいかもしれません。学費が非常に高いことからさすがに第1、2子と比べ非常に不公平な制度となりかねず、この点だけは例外扱いにした方がよさそうです。
 まぁそれなら、他の一般大学に関しても支給額上限(年間150万円以下?)をつければ、不当に値上げする大学も防げてベターかもしれません。

 最後に、「これだと家計の事情で進学したくともできない第1、2子が不公平では?」という意見が出てくるかもしれませんが、私なりに言わせてもらうと、第1、2子にも平等に金配って子どもが増えるかと言えば疑問なのと、手段を選んでいるほど今の日本の状況は緩くない、といったところです。無論、第1、2子への奨学金なども整備する必要はありますがあくまで家計負担として、第3子以降を生むメリットを強調するべきだと言いたいです。
 また古い話を持ち出すと、昔は一家から一人大卒を出すために他の兄弟が犠牲となる形で修飾したりするケースが後を絶ちませんでした。そうしたことを考えると上のような反論は、今の日本の逼迫した財政状況を考えると、といった思いがしてきます。菅野直もまさにそんな口で海軍行ったっていうし。

2017年10月19日木曜日

西室泰三の逝去について

 一昨日、シャワー浴びた後で上半身裸で窓開けながらゲームしてたせいか、昨夜は熱っぽく頭痛もひどかったのでブログ休んでゲームしてました。ゲーム中も頭痛かったので、11時くらいで切り上げて寝ましたけど。

故・西室泰三氏 異色の経歴ながら東芝でなぜ力を持てたのか(NEWSポストセブン)

 さて本題ですが、東芝、東証の会長を経験した西室泰三が逝去していたそうです。あまり財界に詳しくないといまいちわかりづらい人ですが、日本の財界ではトヨタの奥田碩氏ほどではないですが非常に有名且つ権力の高い人であり、且つ現在の東芝にまつわる問題の元凶を作った人物です。
 そんな西室泰三について上の記事はその訃報とともに業績と過失について紹介したものですが、一目見て非常に優れた記事であるように感じました。ぶっちゃけこの点でもって記事書いてもいいのですが、簡潔かつ必要な内容はすべてまとめてあり、ここ数ヶ月で見た中では最も優れた記事のように思えます。

 話は戻りますがこの西室泰三の過失は何かと言えば、東芝で院政を敷いたことに尽きます。社長退任後、後任の社長として会計不正を主導したとみられる西田厚總氏を指名し、西田氏以降についても自分の意向によって社長人事を決めていたとされ、こうした身内固めが会計不正の影響を拡大したことは間違いありません。
 また自分も今回記事を読んで思い出したわけですが、西室泰三は東証の会長もやっていたわけで、そう考えると非常に因果深いなと思えてなりません。すでに東証は東芝の監理銘柄指定を外して通常の上場状態に戻すことを決めていますが、あれだけの会計不正を、しかも期日以内に財務諸表を公表できなかったばかりか実質的な不適正意見を受けているにもかかわらず、「問題なし」とお墨付きを与えて上場を維持するなど正気の沙汰ではありません。前にも少し書きましたが、東芝の役員経験者諸共、東証の関係者も逮捕起訴すべきだと私は思います。もしこの論理が通るならば、今後上場廃止できる企業はありません。

 このように今回の問題の主役ともいうべき東芝、東証の二つでトップを経験した西室泰三がここで亡くなるというのが因果深いと思うわけですが、真面目に今の東芝の現状についていくらかコメントを聞いてみたかったものです。もっとも東芝に限らず日産や神戸製鋼も今非常に荒れた状態にあるだけに、他の関係者に聞いてみても面白い話が聞けるかもしれませんが。
 予言として言いますが、恐らく大企業の、それも技術不正は今後もまだ出てくるかと思います。自分も品質管理していた際にうすうす感じていましたが、下請けに対してはやけに細かい検査を支持しながら、案外大手メーカーでは杜撰な品質管理体制を敷いているように見えます。叩けばいくらか埃が出てくるでしょう。

 それにしても日産は今日、全出荷停止を決めましたが、ディーラーとかどうすんだろう。また日産工場の検査職員もあきれたことやってたなとみていて思います。次回もこれでやっぱ記事書こうかなぁ。
 ちなみに明日JBpressでまた記事出ます。個人的に次の記事はどう反応されるか楽しみです。

2017年10月16日月曜日

ブラック企業対策としての新規採用停止

最終関門の品質保証担当まで積極改ざん 神鋼不正品問題(朝日新聞)

 上の記事を読んだ、「朝日新聞はすごいな」と心底思いました。客先への検査証明書発行は品質保証担当以外ができるわけないんだから、最初の発表の時点で品質保証がこの事件の主犯だということがわかるというのに、わざわざわかりきったことを改めて記事にしてくるくらいですから。
 っていうか本気で、朝日の編集部には製造の流れを少しでもわかっている人いないのだろうか。誰にも見咎められずにこんな記事出せるなんて、恐れを知らぬ暴挙もいいところでしょう。

厚労省“ブラック企業リスト”にヤマト運輸が追加 計476社に(IT media)

 話は本題に入りますが相変わらず読みづらいITメディアの記事ですが、厚生労働省がまたブラック企業リストに追加したそうです。しかし最初でこそ数十社で読む側も、「えっ、あそこブラックやったん?」とみる気にもなりますが、さすがに476社ともなると注目が薄れるというか、内定をもらった企業がブラックかどうかじゃないかの確認でもしないかぎり、読む気が失せる量になってきました。恐らく今後も増えていったとしても、世間の注目はどんどんなくなり掲載されることのデメリットは自然消滅するかと思います。

 そんな風に思いながらこのリストを活用したもっとブラック企業に効果的な対策はないものかと考えたところ、さっと浮かんできたのは見出しにも掲げた新規採用の停止でした。やり方はごく簡単、このリストに載っている企業は一切の新規採用手続きを停止させられ、社会保険など諸々の手続きをすべて禁止にするという措置です。

 正直に言って現在リストに載せるのはあまりブラック企業対策としては効果がなく、また先ほど書いたように今後どんどんその少ない効果も薄れて行くかと思います。ならばこのリストと連動した処分を課す方がいいと思えました。ならば何が一番効果的かとなると、人事にも絡むのだし新規採用の停止が効果があるように思え、労働環境の改善が認められてリストから外されるまで停止すれば、企業側としてはブラック企業予備軍もかなりビビるのではないかと思います。

 ブラック企業の特徴としては労働環境が悪く、従業員の入退社が非常に多いということが特徴です。そこへこの新規採用手続きの禁止措置が来てしまうと余計に人員は圧迫され、かといってそこで既存従業員の負担を増やして対応しようとするとブラック企業の認定が外れなくなり、採用停止ができない状態が続き、弱り目に祟り目みたいな悪循環が起こって下手すりゃ経営破綻まで一直線となります。言い換えれば、ブラック企業の淘汰粛清にもつながります。
 それだけにこの措置は乱発してはならず、実行に当たっては事前に何度かの警告を経た上でやるのがベターでしょう。ただその措置の強烈さもあるだけに、警告だけでも多くの企業は震え上がり、労働環境改善について真剣に取り組むよう促せる気がします。

 特に大手企業では、新卒の一括採用シーズンにこれ食らうと人事部としては大打撃です。まぁ私としてはそういう会社も年に数社選んで、新卒一括採用制度を破壊して中途採用やシーズン外採用を促すのもいいと思っているのですが。

 中国にいるからかもしれませんが、なんか日本の政策を見ていてどれも実効性に乏しいものばかりな感じがします。例えば環境汚染対策についても、中国の罰則は報告が1日遅れるごとに罰金がどんどん積みあがるという恐ろしいシステムになっており、やはりこの政策は聞いているのか前よりも環境対策に企業も慎重になってきています。今に始まるわけじゃありませんが、中国のことを「人治社会」などという日本の方が法治をなめてるだろと言いたいです。

2017年10月15日日曜日

中国電子マネー普及の「偽札が多いから」という理由について



 最近金遣いが荒く、昨日は上の写真にあるキーボルダーをダイソーで10元/個で大人買いしてしまいました。でもって今日も果たして必要なのかなと思いながらも、掛け布団カバーとモップ用雑巾を購入したのですが、一部決済には電子マネーによるモバイル決済で済ましており、自分もほんとこういう支払い方に慣れたなという気がします。

 こうした電子決済は中国では感覚的に2015年頃から普及し始め、2016年には使わない人はいないくらい爆発的に広がりました。現2017年に至ってはもはや完全なインフラと化しており、今更電子決済禁止にもなろうものなら社会はきっと大混乱に至るでしょう。
 こうした中国の電子決済事情は日本のニュースでもよく取り上げられているのを確認できますが、読んでて気になることとして「中国で電子決済が普及した理由は社会に偽札が多いからだ」というものがあります。結論から言えばこの理由については違和感があるとともに恐らく間違いだと思われ、何故こうした根拠が挙げられるのかと言えばむしろ日本側にとある理由があるからではないかと睨んでいます。

 まず前提として、確かに中国では偽札が非常に多いです。一方で日本とは違って各商店や銀行などでの偽札チェックは非常に細かく、大体100元、50元札(約1,600円、800円)単位で偽札チェック用の機械にかけられるので、仮に受け取ったとしてもすぐにそれが偽札だと消費者も提供者も気づきます。小売各店ではもしかしたらこうした偽札被害を掴まされることも多いかもしれませんが消費者側においては、地方だとわかりませんがそんなしょっちゅう掴まされることはなく、よほど怪しい露店主や変なおじさんからでない限りは偽札かどうか疑うことはありません。

 その上で電子決済が普及した背景について周りの中国人に話を聞いてみると、ほぼ異口同音に「便利だから」の一言しか返ってきません。私自身としてもこの便利だという理由の一点のみで電子決済を利用しており、飲料自販機など小銭出したりするのが面倒な支払いにおいては実際便利この上ありません。
 もっとも、電子決済だとお金を使った気がせずついつい消費が増えてしまいがちなので、100元超の支払いに関しては私は敢えて現金で支払うように心がけています。

 政府や商店主側の立場であれば確かに偽札対策の意味合いも込めて電子決済を奨励、取り入れているのかもしれませんが、こと普及の立役者たる消費者側においては偽札云々は電子毛債を利用する理由どころかハナから眼中にもありません。仮に、「政府としては偽札対策の意味合いも込めて電子決済を社会に奨励している」という書き方であればまだ理解できますが、「中国は偽札が多いから電子決済が好まれる」という書き方だと実態とかけ離れている印象があり、はっきり言ってしまえば現実を見誤らせる、ミスリードさせる書き方になると断言できます。

 では何故日系メディアはみな判で押したかのように偽札について触れるのでしょうか。やや深読みしすぎかもと自分でも思う部分もありますがそれでも敢えて言うと、「便利だから」という理由しかない現実を認めることができないからではないかと思います。
 これはどういうことかというと、「非常に便利で誰もが一気に飛びつき社会でばっと普及した日本にはないサービスが中国で流行っている」とは書けない、書きたくない、書いたら反発食らうかもという事情がライター、メディアの間であるのかもしれません。だからこそ、「偽札が多い」という特殊な事情背景をつけ、さも「日本とは条件が違うから」という理由というか言い訳が求められたのかもしれません。

 今この記事を読んでいる方は違和感を持たれるかもしれませんが、私自身は大真面目に偽札が多いという理由を頑なに繰り返す日系メディアの主張がいつも不思議に見えてならず、また中国人の友人らに話しても、「普及したのはただ便利以外の何物でもないじゃないか」という返事が返ってきます。そのような、便利この上ない日本にはないサービスが中国で生まれ、普及したという現実を、もしかしたら無意識的に受け入れられない、もしくは反発があるのではと、誇張するわけではなく本気で私は思っています。

 どう受け取るかは勝手ですが、少なくとも言えることは電子決済普及に関して「偽札が多いから」というのは絶対的にNGであり虚報もいいところです。この言い回しを使うメディア、ライターについては現地の実態を見ていないか、別の思惑があるかを疑った方がいいでしょう。
 その上で、私がこのような挑発的な言い方をするのはほぼ毎回理由なくやることはまずないと、今回はサービス的に事前予告しておきます。それでも反論がある方は心待ちしているので是非お寄せください。

 以前こちらで私の記事の読者とも会って話しましたが、現在中国事情について取り上げる日系メディアは星の数こそあれども、実際私のように中国現地で生活しながら書いている人は意外と少ないという指摘がありました。この指摘には私も同感で、日本にいながら中国のことについて書いている人の方が圧倒的に多いと思います。
 私も威張れるほど中国の草の根の生活に身を置いているわけではありませんが、この点においては他のライターと比べても一日の長とは言えるでしょう。

2017年10月14日土曜日

眠れない夜は寝なくていい

 つい先日、ダウンロードしたまま一度も遊んだことのなかったゲームをやろうと思ってPSVitaの2枚あるメモリーカードのうち普段使わない方を久々に入れて起ち上げたところ、何やらデータがおかしくなっていてゲームが起動できませんでした。仕方ないので該当のゲームを削除したところ、「完全に削除しきれませんでした」と表示された上、ゲームのデータ分が丸々そのままシステムメモリ使用量に乗っかり、メモリーカード全体で容量が全く増えないという妙な事態に発展しました。
 数メガ単位ながらともかく普通に2ギガ分の容量が消すこともできないままメモリーカードに残ってしまい、「こんなんどないすんねん!」と腹立ちながらソニーのカスタマーサポートへメール打ちました。

 結果から言えばこの問題は解決でき、翌日にカスタマーサポートからメモリーカードのフォーマット方法を教えてもらい、それに従ったところ通常通り動作するようになりました。っていうかメモリーカードのフォーマット方法が分かりづらい気がする。

 問題は最終的に解決したものの、カスタマーサポートへ連絡したその日の晩は非常にイライラしていました。何気にこの際、フリスクみたいなラムネ菓子が手元にあって奥歯でガリガリ噛み締めていましたが、怒り抑えるに奥歯で噛むのって結構有効だなと感じました。
 でもってその日の晩、布団に入ったものの案の定というかあまりよく寝られませんでした。ただ、寝られなかったということ自体にはストレスは感じず、「やはりあの記事の言う通りなのかもしれない」などと妙な納得感が頭をよぎり、翌日は睡眠時間が短いにもかかわらず割と気分良く起きられました。

第81回 不安で眠れない夜に​も意味がある​ 嫌な記憶を弱める不眠(ナショナルジオグラフィック)

 この記事によると、ストレスなど不安を抱えた状態で眠り辛くなるのは、睡眠によって悪い記憶が固定化されるのを防ぐ効果があると指摘しています。そもそも記憶というのは睡眠を経て固定化されることは種々の実験から明らかであり、この指摘はそれを応用したものですが、なかなかに説得力を感じていたこともあってか実際にストレスフルな状況であまり眠くならなかったという体験をして、尚且つあまり眠れなかったにもかかわらずその翌日はそんなに調子悪くなかったため、身を以て更なる納得感が得られました。

 よく夜に寝ようと思ってもなかなか眠れないと気分が悪くなりがちですが、開き直って眠れないには上記のように理由があるのだと思えば案外すんなり受け入れられます。またそういう夜は眠れないからストレスになるのではなく、ストレスがあるからこそ眠れないというケースが多いとも考えられ、ストレスを軽減させるために眠くならないとも考えられます。
 先ほどの夜もまさにこんな風な思考の展開をしたため、多分自分の中ではうまくストレスを制御できたのではと思います。ここで話を終えてもいいのですが今日ふと自転車乗りながらに思ったこととして、「眠らずに働くサラリーマンとはなんぞや」というのがありました。

 たとえば、私なんか1日7時間は眠らないと気が済まず、休日もしょっちゅう昼寝するくらい睡眠が好きなため、1日の睡眠時間を減らしてでも残業を繰り返すようなサラリーマンとか全く理解できないしなりたくもありません。体力的にも自信がなく、睡眠時間を減らしたら私の場合は十中八九能力も激減するでしょう。
 しかしそうした短い睡眠時間でも働き続けるサラリーマンたちは、「そんなに寝なくても大丈夫」、「それほど眠くならない」などと話す人もいます。この発言、特に後者について先ほどの話を加味すると、もしかして激務によって常にストレスフルな状態だから眠くならないのでは、という考え方が浮かんできました。皮肉な話ですが、忙しくて辛い状態であればあるほど体が睡眠時間を減らそうとして、結果睡眠が減りながらも働き続けられるようになるかなと思った次第です。

 またオチに困る話の持ってきかたしましたが、眠れない夜は悪い記憶が固定されてしまうので無理して眠らなくてはいいとは思うものの、激務状態で眠くならないというのもまた考え物だと言いたいわけです。そう考えると、今の自分はまだ激務状態に置かれてないってことになるわけですが、深く考えずに早く寝ようと思います。

2017年10月12日木曜日

わかりやすい記事を書くコツ

 またどうでもいいですがこれまでPCにしか使わなかった、中国のネット検閲をかいくぐるVPNを最近タブレットにも使うようになったのですが、VPN名は自由に決められることから何故か「愚地独歩」(マンガに出てくる濃いキャラ)とつけてしまいました。何故この名が出て来たんだろう、っていうかサブのVPNも「花山薫」だし。

EV時代を前に、中国が世界の「車載電池」工場に(JBpress)

 こちらは昨日に出した私の記事ですが、選挙戦の話題が盛り上がっているからアクセス上位は難しいと睨んでいたものの、一応1日を通して2位につけたのでそこそこ満足しています。
 この記事について友人がNewspicksについたコメントを見て、「わかりやすいと言っている人が多いね」と感想を言ったのですが、「そらそやで」と当たり前だと言わんばかりに私は返事しました。実際自分でも、この手の記事にしてはわかりやすくできているという実感がありましたし。

 一体何故この記事が多くの人にわかりやすいと受け取られたのかというといくつかからくりがあります。
 一つは、記事内容が「車載電池(実質、リチウムイオン電池)」について書いてある癖にその筋の専門家でもない私自身が書いているからです。この手の技術系の記事というのは往々にして専門家が書くことが多く、その場合は読者もある程度技術知識を持っていること前提で書かれてしまうことが非常に多いです。書いてる本人にとっては当たり前なこと書いてるつもりかもしれませんが、専門用語を書き並べられるとそれだけで読者にとっては大きな負担となり、またそれらについて説明を加えるにしても、言葉を省略しがちになってしまうのでこういう技術系の記事は門外漢にとってはハードルが高くなりがちです。

 一方、今回私は実質2日間でこの記事を書いており、リチウムイオン電池業界の現況、中国電池市場の状態などマジで一から勉強しました。ほぼ素人同然と言ってもいい私が書いているだけに、門外漢であっても読み取れるような平たい内容、最低でも、自分自身が読んでわかるくらいに各用語や現況、技術内容を細かく説明しながら解説するよう心掛けました。冒頭のリード文の直後に数あるリチウムイオン電池種類とその性能差について解説+図表を付け加えたのも、本来ならば中国電池市場とは無関係なため入れなくてもよかったのですが、これがあるのとないのとでは読者の負担がまるで違うと判断したことから入れました。

 こうした技術系記事に対する特殊な配慮に加え、今回わかりやすいと評価されたもう一つの要因としては、単純に私の文章表現テクニックの力でしょう。元々、難しい内容を解説するのは昔から得意で、前に書いた歴史記事でもわかりやすいというコメントがたくさん書かれたことから、こうした解説系のわかりやすさにおいては秀でる側に入るのではないかと思っています。
 では私の文章のどういったところがわかりやすくなるのかというと、細かいところを言えば単語の選び方や助詞の使い分けなどがありますが、突き詰めて言うと文章の構成こそがわかりやすさを左右する最大の要因です

 文章の構成とは何かというと、話題の順番だと考えてもらえばいいです。具体的に今回の記事をモデルにすると、以下のような構成となっています。

1、リード文(記事全体の概要のおさらい)
2、電池種類の解説
3、中国電池市場のマクロデータ
4、中国電池メーカーの競争状況
5、主流な電池種類の動向
6、世界市場で見た中国市場の位置

 一見すると当たり前のように見える構成ですが、実際は執筆前にあれこれ思案を重ねて練りに練って組んでいます。
 例えば、2番の「電池種類の解説」を省略する、もしくはおまけ程度に末尾に持ってくるとします。実際そういう風な記事書く人もいますが、この記事でそれをやってしまうと5番の「主流な電池種類の動向」でいきなり「リン酸鉄系リチウムイオン電池」や「三元系リチウムイオン電池」という単語が出てきて、読者側からすればいきなりパンチ食らうように読解上で負担を被ります。そうならないよう、敢えて電池種類の解説を最初に持っていきました。

 同じく3番、4番、5番という順番も、大きくマクロな話から段々と競争状況、競争の軸という風にミクロな話へと移っていくような構成にしてあります。仮にこの順番を弄ると、最初に中国の電池メーカーが出てきた後で中国電池市場規模の話をされ、さらにその後で電池種類でメーカーごとに差があると言われたら確実に読者は混乱させられます。
 この3つの話題はそれぞれ関連性はあるものの独立した話で、実際に私が参考に使った現地報道では個別に記事が出されてあって一つの記事にまとめられているではありませんでした。しかしこの内容を一つの記事としてまとめる場合、川の水が流れるように大きい範囲から小さい範囲へ徐々に焦点を絞るようにして書き、読者が一読で理解できるよう仕向ける必要があります。その場合、くどいようですが話題を説明する順番が非常に重要となり、実質的にどのような記事構成にするか、話題をどんな順番で書いていくかがわかりやすさを左右します。

 今回の記事執筆においては、中国の電池市場を読み解く上で一番キーワードとなるのは「電池種類」だとすぐに感じ取り、これをどう軸にして語るべきかを早い段階で意識しました。それだけに最初に、「リチウムイオン電池は実は種類がたくさんあって、この種類が競争を分ける決定要因だよ」と明示した方がいいと思い、こっちに意識を向けさせた後から中国市場の解説へと移りました。
 考え方によっては、5番の前に2番を持っていくという方法もあるし人によってはそういう記事の書き方をするかもしれませんが、私の場合は「中国電池市場」に関する話題は連続させた方が分かりやすいと思ったことから、電池種類自体の解説は切ってわけるようにして前に持ってきました。

 こんな感じで、ただ調べた内容を書き並べているわけではなく、調べた内容をどのような順番にして構成を作るか、人知れずいろんな計算を頭に入れた上でやっているわけです。特に読者の意識をどう向けるか、この点に着目することで文章の質は大きく変わってくると思うので、わかりやすい文章を書こうとするならば細かい表現方法などよりもずっと意識すべき点だと私には思います。

2017年10月10日火曜日

神戸製鋼のデータ偽装事件の疑問点

 細かい内容については説明するまでもないですが、神戸製鋼がまた大規模な技術不正ことデータ偽装をやっていたことがばれました。対象はアルミ、銅関連製品とのことですが、関係する納入先が多岐に渡るにもかかわらず関わった従業員は数十人とやや少ないように感じる上、複数拠点で行われていたということも勘案すると発表されている内容はほんの一端なのではないかと疑念を持ちます。過去にも子会社がバネ鋼で同じことをやっていたことを考えると完全に会社ぐるみとしか思えず、多分鉄鋼製品でも同じことやっているとしか現時点では思えません。


 ここ中国でもこの事件は大きく報じられているのですが、神戸製鋼グループ内では上の写真のようなメールを飛ばして日本国外では問題ないと社員に言っているようですが、今回の不正は10年前から行われていたということを考えると、一体何故現時点で問題がないと言い切れるのか理解できません。アルミ鋼ということを考えると中国でも日本材を使う、というより日本材を使わざるを得ないメーカーも多いだけに、詭弁もいいところでしょう。こんなメール送るくらいならもっと内容を精査したり、関係先に詫び入れてくればと思わざるを得ません。
 言い方変えると、未だに現実に目を向けておらず希望的観測でこんなこと言っているあたりあまり誠実な態度とは思えません。

 ざっと神戸製鋼を批判したところで本題に入りますが、恐らく現時点で私と同じ発想に至っているライターは少ないと思うのですが、今回の一件では非常に大きな疑問があります。もったいぶらずに言うと、何故自動車メーカーを含む納入先は今回のデータ不正に気付かなかったのかです。
 メーカーでは通常、納入された鋼材に対してその強度はもちろんのこと、カーボンやマンガンといった鋼材の成分がミルシート(材料証明)や指定規格通りであるかを確認するための受入検査があるはずです。硬度や粘り強さなどはメーカー内でも硬度測定や折曲試験などで割と簡単に調べられます。また成分についてはやや設備がないと難しいですが、第三者検査機関に出せば調べてくれます。というより、多分どこのメーカーでも鋼材の受入検査は工程に必ず入っているはずだし、入っていなければ正直その検査体制を疑われても仕方ありません

 繰り返し言いますが、一体何故どの納入先も今回のデータ偽装に気付かなかったのか。報道ではJIS規格指定の鋼材でも規格を下回った鋼材をミルシートを改竄して出していたとのことですが、ならばなおさら受入検査でどうして気づかなかったのか。検査で規格から外れていることがわかれば即不良品認定されるはず、というよりされなければなりません。
 考えうる状況としては二つに一つです。一つは神戸製鋼が中国鋼材メーカーみたくサンプルだけ良品を出してきた。もう一つは、納入先のメーカー自身も神戸製鋼が出したミルシートを信用して一切受入検査をしていなかったか、ほとんど杜撰だったかでしょう。言うまでもなく、真に影響が大きいのは後者です。

 今のところこの点について指摘するメディアは見受けられませんが、逆を言えば私だからこそこんな指摘ができると思います。知らない人のために説明すると、私は前の会社に営業で入ったにもかかわらず品質管理やらされて、当時こうした鋼材の受入検査もやらされたし、ミルシートの管理とかも日常的にやっていて、鋼材納入プロセスをある程度把握している妙なライターだったりします。

 話は戻りますがすでに先日、日産が完成検査で偽装を行っていたことが発覚しましたが、今回の10年以上前から行われていたという神戸製鋼のデータ不正にどこも気づかなかったことを勘案すると、メーカー、特に大手の検査体制というのは一体どうなっているのか疑問です。下請メーカーに対しては細かく突っ込んできて、「ここの工程の間にこういう検査工程を挟め」とかいちいち指摘してくるくせに、自分たちはどうなんだと真面目に声を大にして言いたいです。でもって神戸製鋼も日産も、国際品質管理規格のISO9001を取得しているし、これ取っていないメーカーはサプライヤーにしないって決まりも持ってるのでしょうが、今に限るわけじゃないけどこういう品質規格ほどまるで宛てにならないものはないと常々感じます。

 最後に、勝手な予想を述べると日産の件は国の抜き打ち検査でしたが、今回の神戸製鋼の件は内部告発が発覚のきっかけではないかとみています。キーワードは「10年以上前から」で、そのような不正実態が明るみに出るとなったら外部チェックでは無理だし、内部監査による発覚でももっと絞り込むと思うことが根拠です。まぁどっちにしろ、中国企業を日本も笑えなくなってきたなというのが正直な感想です。

2017年10月9日月曜日

書評「元日銀審議委員だから言える 東京五輪後の日本経済」

 この前帰国した際にダウンロード版が500円と安売りされていたので買った「アキバズトリップ」というゲームを先ほどクリアしました。名前の通りに秋葉原を舞台にしたゲームですが、「松戸を舞台にしたゲームならどうなるのだろう?」などということばかり考えていました。やっぱヤクザと闘い合うのだろうか。

 話は本題に入りますが、発売前からタイトルが気になっていたので見出しに掲げた「元日銀審議委員だから言える 東京五輪後の日本経済」という本を買ってこちらも今日読み終えました。作者の白井さゆり氏はつい先日まで日銀の審議委員、つまり日銀の重要決定に賛成か否かを投じる9人の投票者の一人で、今年に5対4で可決されたマイナス金利導入に反対票を投じた人物でもあります。
 そうした経歴の人物なだけに前から興味を持っていたことに加え、リアルに私以外に周囲で誰も懸念する人間がいない日本版2020年問題こと、東京五輪後の日本経済をテーマとした本だったため、割引を気長に待つ自分にしては珍しく発売してすぐ購入しました。

 そんな期待値の高かったこの本ですが、結論から言えば「東京五輪後」の予想よりも日本経済の現状に対する分析、特に日銀の政策に関する課題や問題点の解説に重きが置かれており、2020年問題については一応分量としては3分の1はあるものの、具体的にどうなるとか事細かには書いていません。この点については恐らく読んだ人間からは賛否両論が出ると思われ、実際に私より早く読んだ友人は不満点に挙げていたものの、逆を言えば現状でほぼ確実と言える予想しか書かれておらず、ノストラダムスの大予言めいた誇大な予想などというものは一切排除されており、私は逆にその点を評価しています。

 簡単にこの本の中で提唱されている内容を少し述べると、一つは現在の日銀の異次元緩和についてはもはや完全に失敗している上に出口戦略も見えないという内容です。この点についてはあらかじめこの方面を学んでいる人間からしたら特に真新しい内容はないものの、非常に整理して説明されているため初見の人間にはわかりやすいかと思われます。
 次に東京五輪後に日本はどうなるかについては、主に以下のポイントが挙げられています。

・急激な円安にまではならないだろう
・景気回復の好材料は何もない
・全国的に住宅価格の下落は免れない
・日銀の軌道修正によっては株価の大幅下落もありうる

 大体のところはざっとこんなもんでしょう。細かい点を挙げるとすれば、現在の日銀の異次元緩和は黒田総裁の任期いっぱいは意地でも続けられることはほぼ確実で、その次の日銀総裁次第だと指摘しています。これについては誰も異論はないでしょう。

 私はかねてより、2020年以降の日本はすごいことになると予想していますが、案外そうなる時期は予想よりも早く来るかもしれません。日本全体を見ていても危機感ないし、この問題に備える動きも見られず、今回こうした本も私が知る限りはあまり出ておらず議論も進んでいません。
 そういう意味では日本の現状を知る上でば割かしベターな本だと思え、今回こうしておすすめではあるとして紹介することとしました。ただ、先にも書いている通り五輪後の日本経済については控え目な予想に留まっており、この面の内容については過度に期待しない方がよく、むしろこの本の中で書かれている内容を叩き台にして別の誰かと議論することをお勧めします。


2017年10月7日土曜日

次回総選挙の真の勝敗ライン

 昨日壊れた自転車のギアについて今日いつもの馴染みのGIANT店舗(長寧路×遵義路)に持っていったら、あっさり直してくれました。原因はギア内部のワイヤーが傷ついて奥に入り込んでしまったことが原因で、えらい細かい箇所をドライバーなりで広げてワイヤーを引き抜き、ワイヤーとっかえるだけで直してくれました(修理費80元)。
 最悪、ギア機の交換も覚悟して1000元近くの出費も行くと予想していましたが、この結果にはサービスマンの技術にただただ感謝するばかりです。

 話は本題に移りますが段々と盛り上がってきた次回衆議院総選挙について、安倍首相をはじめ自民党は勝敗ラインを「与党過半数」としていますが、実際はそうじゃないだろうというのが私の見方です。ではその真の勝敗ラインはどこかというと、「自民党単独過半数」であり、これを下回れば安倍首相はもう持たないでしょう。

 一体何故自民単独過半数が勝敗ラインになるのかというと、公明党がキーマンとなるからです。それこそ小池新党と公明党が連立することで過半数を取れることとなれば、公明党は政権選択のイニシアチブを握ることとなり、かつてないほどその影響力を高めることとなります。
 もちろん、たとえそのような状況になっても公明党が裏切るかと言ったらまた別問題で、実際にはその可能性は低いと私も考えす。しかし自民党内の反安倍勢力がこうした状況でどう動くか、場合によっては数十人のグループが小池新党への転籍を目論んだりしたらどうなるのか。こうなった場合、安倍首相では多分もうだめだってことで内輪で話が付くでしょう。

 あくまで私個人の勝手な勘で述べると、次の選挙で自民党は一応は単独過半数を確保するものの、ほんの少し議員が抜ければ過半数を保てない議席数になるのではないかとみています。こうした状況で自民党内の寝返り組が出てくるのか、そしてその寝返り組の動きに公明党がどう判断するのか、さらに小池都知事がどうアプローチかけるのかが重要になってくるように思え、選挙自体よりも選挙後の駆け引きの方がずっと大事になってくるかもしれません。
 そしてその駆け引きの末、安倍首相は次回総裁選に出馬せず降りることを条件に連立維持が確認され、場合によっては小池新党が連立に加わってくるかもしれません。一部報道で出ていますが、小池新党は首班指名に公明の山口代表ではなく自民の石破氏を推すという可能性もあり、自民の一部勢力と結託して安倍首相を引きずりおろし、連立入りというのはあり得ない話ではないと私も思えます。

 なお、小池都知事の腹の底について勝手に考察すると、恐らく現時点で政権を取ることは考えていない、というより取ってはならないと考えているのではという気がします。理由としては人材不足な上に党組織が固まっていないからで、次の選挙で足場を固めた上でその次が本番と見据えているように思え、だとすればこそ都知事職を今降りることはあり得ないという結論にもつながります。

 ただ、今回の選挙の意義について違った視点で見るのであれば、ある意味果たすべき政界再編をようやく果たせた選挙と言えるかもしれません。本来ならば民主党が政権から陥落した際に起こるべきだった民主党内の保守層、護憲層の分離が今回の希望の党への合流によってようやく起こり、明確に政策と意見が各党毎に色分けがなされることとなりました。これは本来、2012年に起こっておくべき結果でありましたが、ある意味それを5年遅れとはいえ果たしたという点でも小池新党の登場は日本政治史上で価値を持つかもしれません。

2017年10月6日金曜日

ギア壊れた( ;∀;)

 昨日100km走った反動なのか、自転車の変速ギアが壊れました。完全にスイッチ押しても全く動かず、チェーンは一番重いところで微動だにせず正直困っています。まぁ昨日のサイクリング中にこうならなかっただけマシか。
 早速いくつかのGIANTのお店へ修理に持って行ったところ、ギア内部の部品が壊れており、大体パーツがないため修理できないとの回答でした。明日別の、よくお世話になっているお店にも持っていく予定ですが、なんか最近やたらと金が飛ぶなぁ。

 それにしても今日はちょっと昼食にと出かけて行ったところ、探していた別のお店は見つからないわ(移転していた)、ギアは壊れるわ、GIANTのお店はどこも対応できないとか結構散々な日でした。連休中だから心折れないけど、なんていうか一事が万事なこういう感じは最近の中国だとあまりなかっただけに久々な感じがします。昔の中国はいつもこんな感じだったから忍耐力ついたけど。

 字数が少ないので少し宣伝しておくと、来週水曜にまたJBpressで今度は中国の車載電池市場について書いた記事出します。最近こういうスタンダードな経済記事書いていなかったなと思うとともに、車載電池市場に関しては意外とあるようでない記事になったなと思います。なんかどれを見ても日本国内、それも株価関連のニュースしかないし。

2017年10月5日木曜日

浦東空港までのサイクリング

 今朝9時、天気予報では「くもり」で夜から雨と書かれていたので、自宅から上海浦東空港まで片道約50kmのサイクリングに出ました。出発して30分もしないうちに雨降ってきましたが。
 この時点で帰ろうかなという考えがよぎったものの、既にその途中、携帯電話の地図アプリに私は「高徳地図」を使っていますが、都市部でアクセスが混線するからなのかやたら現在位置の更新が遅く、途中で地図確認したところずれた表示されて無駄な遠回りをさせられてしまい、防具なしの状態でティガレックスに挑まんばかりのテンションというか頭に血が上り、「撤退」の二文字を選ぶことはできませんでした。もっとも途中で川を渡るためフェリーに乗らなければならないため、乗船する前にもう一度天気状況を見て判断しようと決めました。

 そうして途中、地図アプリへの憤懣から携帯電話の画面や当たりの木や柵を殴りつけながら自転車で走行しましたが、その間も雨は激しさを増していきました。ゲリラ豪雨とまではいかないまでも土砂降りと言っていいくらいで、体温的には問題はないものの自転車が泥だらけになるのが嫌で仕方ありませんでした。そうして出発から約一時間後に目的のフェリー乗り場に着きましたが、この時も空は大雨のままだったのですが何故か条件反射的に交通カード取り出して気が付いたら通過していました。通った後でリアルに「しまった!」と思いましたが、もうこのまま最後まで乗っていこうとあきらめました。
 フェリー乗船中、友人に「予報間違えた奴殺す」とアルカイダもびっくりな殺害予告を出し、対岸に着いたところで再びサイクリング再開です。なお友人からは「はよ帰れ」と返信きました。

 対岸の浦東側についてしばらくたってからようやく雨はやみましたが、道は水たまりがあちこちにできていて自転車もチェーン周りはびっしりと砂が付いてしまいました。ただ、道は「中環路」という道路を横一直線に走ることができ、信号も少なかったことから走っていて非常に楽しかったです。昨日地図を見ていた時点でこの道を走るのが楽しみで仕方ありませんでした。
 なお途中で地図持った若い男に対して若い女性が何やら強い口調で問い詰める場面に通りがかりました。女性の方はいかにも委員長っぽい眼鏡な風体で見るからに怒らせると怖そうで、そのまま少し見ていたかったですがチラ見して通り過ぎました。

 それ以降は自転車が汚れるのを除きトラブルはなく、途中に「川沙」という繁華街のある場所を通った際に昼食休憩を取ろうかとも思いましたが、残り15kmくらいなのだしと思って飢えと闘いながらそのまま走り続けました。浦東空港に近づくにつれて歩行者はおろか車も少なくなっていく中、ひたすら走り続けて、気が付いたら自分が空港を利用する際に毎回通るターミナルタクシー乗り場への最後のカーブのところまで来ました。
 そのまま進めば2階出発ターミナル前に着きますが、多分自転車を駐輪するところはないと思って途中で少しまがり1階の到着ターミナルへと向かったところ、恐らく空港に出入りする従業員らのものと思われる電動バイクが停められている場所を見つけ、そこへそっと自転車を置いて空港へと入りました。この時の時刻は12時半です。

 この日の浦東空港は連休中日ともあってやや静かで、職員らも少し余裕のある表情を見せていました。せっかく空港まで来たのだからいいもの食べたい、と行く前は思っていましたが、この時点で相当腹減っていたのでとにかく腹にたまるものをと思って結局マクドナルドでダブルチーズバーガーの大セットを頼み、そのあとコンビニでメロンパンを食べ、少し休憩して再び戻ることとしました。
 やや慌ただしく帰路へ着いたのは理由があり、また天気予報で午後3時から雨だと出ていたからです。ただ結果から言えば、そのあと雨に降られることはありませんでした。

 復路は途中まで往路と同じですが川を渡るフェリー乗り場を往路の時のより北の乗り場を使うことにして、再び自転車に跨りました。なお自転車のロックを外す時、今朝叩き過ぎたのか右手を開くと痛かったです(今も)。
 この復路ですが、もっと疲労があってペースが落ちるかと思っていましたが案外そうでもなく、雨がやんで道路も少し乾き始めたこともあってか非常にいいペースで進めました。また今年の夏場は30分も自転車こぐとほぼ確実に頭痛に苦しむ事となっていましたが、この日は昼食直前の飢えを除くとそういった類は一切トラブルはありませんでした。

川沙のロータス前

 ただ、帰りは先ほど少し触れた「川沙」という場所のロータスというショッピングモール前で小休憩を取り、レモンジュース飲んでいました。実はこの場所、今から六年前の2011年に同じく浦東空港までのサイクリングにチャレンジして、途中でギブアップした場所でもありました。
 その時はガチなゲリラ豪雨に降られたのと、乗っていったのがタイヤの小さな折り畳み自転車という性能の低いマシンであり、尚且つ7月の猛暑の最中に敢行したことから市に悶えながらこの場所に辿り着き、あまりの豪雨から写真奥にあるケンタッキーへ避難して撤退を決めたところでした。本日、晴れて6年前のリベンジを果たしたこととなります。

 それ以降については取り立てて書くようなことはなく、普通に走り続けフェリー乗って、また走って自宅まで行って、五時ごろに家に着きました。着くとともに自宅から水汲んだバケツや潤滑油を取ってきて自転車に着いた泥を落とし、注油を済ませて再び自転車を家の中に入れましたが、今家じゅうが油臭いです。

 一応、今日だけで100kmは走っていますが、全く疲れていないわけではないものの体調的にはかなり余裕があります。道が走りやすかったということが何よりも大きいですが、今年の夏場は前述の通りに少し走っただけでその日一日立ち上がれなくなるほど苦しくなることが多く、体力落ちたのかと思いましたがただ単に気温の影響なだけだったことが分かってほっとしています。っていうか、6年前より今の方が体力あるんじゃないかな。

 一応これで、自宅から東西南北に50kmにある地点をすべて制覇したことになります。大方の上海の境界を見ており、なんとなく全体像もつかめるようになりましたが、だから何だと言われればそれまでです。それにしても今日はガチで自転車泥だらけにしてしまい、前の自転車のように水没させることは今までないもののなんとなく悪い気がしてなりません。これを機にバーテープとか取り換えてみようかな。

2017年10月4日水曜日

平成史考察~ミドリ十字の破綻(1998年)

 自分が中学生だったある日、自宅ポストにうちの親父宛てで「ミドリ十字から○○(失念した)者に転職いたしました」という手紙が届けられているのを私が見つけました。あとで話を聞いたところ手紙の差出人は親父が学生時代に家庭教師をしていた相手とのことで、その後も親交があった、というよりかは今よりもお歳暮とかずっとマメだった時代でもありわざわざ転職報告の手紙も送られてきたわけですが、「なんやその人、あのミドリ十字やったん?」と両親に当時聞いたことは覚えています。
 この「ミドリ十字」という会社名について、恐らく私と同年代の人間でもこの会社のことを覚えている人は少ないと思え、私より後ろの世代となると知っている人間はごく限られるでしょう。この会社がどんなことをしたのかというと、端的に言えば薬害エイズ事件を引き起こした張本人的な会社です。

ミドリ十字
薬害エイズ事件(どちらもWikipedia)

 薬害エイズ事件については本題ではないためその内容の説明は割愛したいところですが簡単に概要を説明すると、血友病患者に必要な人間の血液を原料とした血液製剤と薬があるのですが、事件発生当時は加熱処理されておらずエイズ患者の血液が混入することで血友病患者へのエイズ二次感染が日本でも広がってしまったという事件です。この二次感染については1980年代には危険性が認識されており対策となる加熱処理製剤も存在していましたが、当時の血液製剤大手のミドリ十字は加熱処理製剤の開発で遅れをとっており、同社のために時間稼ぎを行うため、政府審議会でこの方面の権威でありミドリ十字とも関係の深かった安部英が非加熱製剤の使用継続を敢えて認め、いわば人災によって感染を広げる結果を招きました。

 最終的にこの問題は1990年代中盤、二次感染被害を受けた血友病患者やその支援団体らの抗議によって社会の日の目を見て、政府もその非を認めた上で被害者へ謝罪することで救済が始められることとなりました。そしてその結果というべきか、当時としては超優良企業と持て囃されていたミドリ十字も世間の激しい批判受けることとなり、1998年に一部部門が日本赤十字に買収されたほか、同業の吉富製薬(現田辺三菱製薬)に吸収合併されその歴史を終えることとなります。

 当時私は子供だったこともあってミドリ十字という会社が社会的にどのような地位にあったかは今でもいまいちピンとこないものの、就職先としては超優良とみられていたようで、「ここに入ればもう安心」とされる会社であったそうです。それだけに突然の破綻は当時としてもインパクトが大きく、同年には山一證券も破綻していますが、「まさかあの会社が……」と言われる類に入っていたのは覚えています。

 事件当時のことで私が覚えていることとしては、この問題の対応に動いた当時の厚生大臣の菅直人氏が高く評価され一躍その名を高めたことと、ニュース番組でやたらとミドリ十字という単語が繰り返されていて「赤十字と何が違うんだ?」と思ったことが今浮かびます。事件内容については正直、事件当時はほとんど把握できておらず、後年になって被害者団体を支援してその世間への周知で大きな貢献を果たした漫画家の小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言」を読んでようやく理解できた始末でした。
 ただもう一つ付け加えることとして、なんとなくですがこの当時はエイズ問題についてはやはり世間の関心が強く、その対策や対応、感染拡大を食い止めようとする声が今より多かったような気がします。あまりこの方面に詳しくはないのですが先日、九州地方でエイズがやたら感染拡大しているという報道があったように思え、なんとなく昔と比べてエイズ問題への世間の感心が冷めているようだし、対策も後進しているような印象を感じました。

 最後に、上記の安部英について以前うちの親父が「あいつは元731部隊だ」と言っていましたが、これは明確な間違いです。戦時中に軍務経験こそあれども731部隊のあった陸軍ではなく海軍であり、また731部隊に在籍した経歴もありません。恐らく親父は、ミドリ十字の創立者である内藤良一が731部隊出身であることと混同したのだと思います。
 この内藤良一なる人物については実はこの記事を書こうと思って少しネットで下調べした際、つまり数十分前に知りました。私はこの問題について過去何度もWikipediaを中心に調べているにもかかわらず今回初めて知ったということは、そう遠くない時期に誰かがWikiの記事を加筆したと思われます。非加熱製剤自体、731部隊が行った人体実験結果を元に米国で作られたという事実自体は知ってはいましたが、ミドリ十字がその出身者によって創立された会社というのは今回初めて知るとともに、つくづく因果の深い歴史であると思えてなりません。

2017年10月2日月曜日

今年記憶に残ったプロ野球の試合

 リンクを結んでいる潮風太子さんが千葉ロッテマリーンズの記事を載せているのを見てじゃないですが、今日下記のニュースが気になって読んでいました。

V阻止打ヤクルト大松、空気読んで広島ファンに謝罪(日刊スポーツ)

 簡単に記事内容を書くと今年のシーズン終盤、最終的に二連覇で優勝することとなる広島カープが地元広島での優勝が懸かったヤクルトとの一戦。広島は序盤にリードしてこのまま優勝かと思いきや、7回の場面で代打で出てきた大松尚逸選手に2点タイムリーを打たれ同点となり、さらにその後でも勝ち越されて地元優勝を阻止されることとなりました。
 この地元優勝を阻止した張本人こと大松選手のインタビューが記事内容ですが、その日の試合を終えた後にこの人、何考えてるのか知りませんが何故か晩御飯を食べに街へと繰り出し、広島ファンが多く集まる(赤いユニホームがずらり)店に入ってしまったそうです。ただ運が良かったのかその場にいた広島ファンは大松選手を責めたりリンチにかけたりすることはなく、むしろ握手を求めたり「ナイスヒット」と言って誉めてくれたりしてくれたそうです。それに対し大松選手も、「すいませんでした」と謝ったという出来事が紹介されています。

 この大松選手ですが、知ってる人には早いですが昨年に元いた千葉ロッテマリーンズで戦力外通告を受け、テスト入団の上で今年ヤクルトスワローズに入団しています。ロッテ時代からも人気の高い選手で、特に満塁時の打率が約6割にも上るなど、大舞台やチャンスにおいて異常なほどの勝負強さを持ちます。また打撃も飛距離が長く、満塁ホームランの多さも突出している選手です。
 とはいえロッテ時代の後半は正直成績は良くなく、また去年にはアキレス腱も断裂しており、内容と年齢を考えればロッテが戦力外通告したのも無理ありません。しかし本人はあくまで現役にこだわり、それに対しヤクルトがベテランとしての経験を買う形でテストの上で入団させました。その結果、上記の広島優勝阻止を果たしたわけですが、今年の大松選手と言ったらやはりこの試合じゃなく、あっちでしょう。

 それはどんな試合かというと、上の記事中にも書いていますが二つのサヨナラホームランです。一つは5月に広島相手に延長戦12回裏代打でサヨナラホームラン、もう一つは7月の中日戦で、0-10からの大逆転劇のラストを決める延長戦10回代打ホームランです。
 後者の試合は私もニュース記事で見た後、すぐにYoutubeでそのシーンの動画も見ましたが、試合展開もさることながら、そのきれいなバッティングの降り抜き具合には見ていて涙すら出てきました。今年の入団の背景もあっただけに、見ていて気持ちのいい試合としては今年ナンバーワンにはこれが来ます。

 ただ、一番印象に残った試合がこれかとなるとまた別の話です。ではその試合は何かといえば、多分私以外もそうじゃないかと思いますが、横浜DeNAが広島相手にやらかした3試合連続サヨナラ勝ちです。
 1日目にサヨナラ勝ちしてこの勢いのまま2日目も連勝かと思いきや2日目の試合は序盤、広島がリードして1点差で迎えた9回にロペス選手が同点ホームラン、続く延長10回に梶谷選手がサヨナラヒットという展開は、見ていて奇跡が起きているような感覚がしました。そしたら翌3日目の試合もサヨナラヒット(しかも内野安打)で決めて、優勝は広島だろうが今年のDeNAはプレーオフ行くだろうという勢いを感じました。

 特に、1日目のサヨナラ勝ちを見た際、「これからは横浜の時代が来るかも」とも感じました。この3夜連続サヨナラの1日目こそ私の中の今年ベストゲームに当たるのですが、2点差の9回裏に筒香選手、ロペス選手、宮崎選手のクリーンナップ3人が3者連続ホームランを打って逆転勝ちへと至っていますが、その内容もさることながら、最初の筒香選手について改めて恐ろしい打者だと感じたわけです。
 以前からも筒香選手については高く評価していますが、この試合を見てやはり今の日本の4番は彼しかいないと思えます。個人的な見方ですが、筒香選手が打席に立つ姿は明らかに他の選手とは違い、「何がどうなるかわからない」という不気味さにも似た雰囲気が漂っているように見え、実際に試合の流れを決めるようなここぞという場面でこそ筒香選手は良く打ち、逆にどうでもいいところで凡退する傾向があるように見え、彼がヒットやホームランを打つと敵味方問わず他の選手も影響されるような気がします。

 過去、同じような雰囲気を感じたのは、私の中では今年引退した千葉ロッテの井口選手です。野球ゲームにおいてですが、なんとなく甘いところに投げたら確実に打たれるという恐怖感を感じさせられる選手で、正直井口選手にホームラン打たれる分には仕方ないとゲーム中であきらめていました。
 現実の井口選手も、引退試合で9回に同点ホームランを打つなどさすが元メジャーリーガーと言わんばかりの強さを見せつけてくれましたが、やはり怖さを感じるバッターというのはオーラがあります。今そのオーラを見ていて感じるのは筒香選手くらいで、逆に日ハムの中田選手はそうでもないかなと内心見ています。

 また長々と今年のプロ野球について書きましたが、我ながら中国にいるのによく見ている気がします。なおバッターはともかくピッチャーに関しては近年凄い選手が続々と出てきており、その中でもやはり名実ともに球界のエースと言えるのは巨人の菅野選手でしょう。
 ただ彼の場合、「背信投球」ならぬ「背信打撃」をチーム内野手全員から受けており、特に女房役となるキャッチャーの小林選手はリード面だけじゃなくもっと打撃でも菅野選手に貢献してやれよと言いたくなってきます。地味に後輩に当たるし。

2017年10月1日日曜日

洋梨事件

 最近後輩が自分の学生時代の話をよく聞いてくるので、聞かれる前にもう書いてしまおうと思うエピソードを一つ紹介します。

 その事件が起きたのは私が大学一回生だった頃です。私が住んでいた下宿は他の部屋もすべて同じ大学の男子学生で占められており、同じ学年の学生ともなれば下宿仲間となってよくお互いの部屋を行き来しあってたりしました。そんな下宿仲間の中で、私もケチでしたが私以上にケチな友人がおり、冷蔵庫も鍋もないものだから一回安くで食べられる料理としてスパゲッティの作り方を教えたところやかんでパスタ茹でてました。
 そんなケチな友人ですが、今思い返しても年齢にしては世間知らずなところが多かったです。勉強はけた違いにできるものの世間一般の常識には疎く、先ほどのやかんパスタといいどっか行動がずれているところがあり、この事件もその延長上にあると言えます。

 その日、いつものように私の部屋に友人が来てどうでもいいことなどを話していたところ、実家から荷物が送られてきてその中に洋梨が入っていたのを思い出し、折角の機会だから出してあげようと思って皮を剥いた上で振舞ってあげました。確かフォークと一緒に出してあげたのですが、その友人は一口食べるや「なにこれっ!」と本気で叫びました。

花園「なにこれって、洋梨やん」
友人「え、うそ、マジ、これが洋梨なの?」

 詳しく聞いたところ、どうもその友人はその時点までに一度も洋梨を食べたことがなかったそうです。それだけに全く見知らぬ味を口にしたことから上記のように驚く結果となったわけです。
 ちなみにこの後の会話は、

花園「そもそも、洋梨だとは思わなかったのならなんだと思ったんだよ?」
友人「いや、てっきりリンゴだと思って。でもリンゴにしては形が変だし、花園君って皮剥くの下手なんだなとばかりに……
花園「なにさらっと失礼なこと言ってやがるんだこの野郎!(#゚Д゚)ゴルァ!!」

 という感じで、この時私も叫びました。それにしても普段の言動もやや失礼な内容が多い奴でしたが、口に出さないだけで腹の中ではもっと失礼なことを考えているんだなと、友人に対してこの時思いました。