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2025年6月4日水曜日

長嶋茂雄の逝去と昭和の終わり

 すでに各所で報じられている通り、ミスタープロ野球こと長嶋茂雄が逝去されたとのことです。この報道を見て私が感じたこととしては、これで完全に昭和という時代が終わり、現代ではなく過去となったという感傷でした。

 かつてコラムニストの佐野真一がその著書や講演にて「昭和とは美空ひばりがいた時代」と評していました。この表現にも私は異論はなく、美空ひばりは確かに日本の昭和時代を代表する人間であり、平成の訪れとともにこの世を去った点から言っても象徴的存在であったと思います。ただそれを考慮しても昭和という時代をもっとも代表する人物はやはり昭和天皇と長嶋茂雄だったと思え、平成期にも監督として活躍してはいるものの、やはりその人物性は昭和という時代の中で語られるべきだと思います。

 私自身は昭和末期の生まれのため選手時代の長嶋茂雄を見ていませんが、友人の大学での指導教授が「昭和とは?」と聞かれて「長嶋茂雄」と答えたという話が今でも印象深く残っています。友人がその意とはとさらに尋ねたところ、「うまく言えないが、昭和という時代は長嶋茂雄とともに常にあった」と話したそうで、同時代を生きた人間からすればその昭和における存在感が圧倒的だったということを垣間見るエピソードとしてたまに引用します。

 もちろんほかにも世界のホームラン王こと王貞治氏や、八甲田山の映画などで活躍したい北大路欣也氏、そして我らが足立区のたけしも存命中で活躍を続けられているものの、長嶋茂雄を超えるほど昭和を代表する人物はもはやいないと断言でき、一つの時代が完全に終わったと私の中では感じられます。それにしてもナベツネも死んで間もないのに長嶋茂雄も亡くなるとは、なかなか時期が重なるものだと思います。

 私個人の意見として、平成というのは昭和の延長でありあまり独自の時代という印象はないのですが、逆に令和はその前の時代と明確に区別されているというか切り離されており、周りに聞いても令和で価値観などが一新されてきたと話す人が多いです。その点を踏まえても、これで日本も昭和の呪縛めいたものから少し解放され、また新たな文化や価値観が令和において芽生えてくる端緒となってくるかもしれません。
 もっとも、令和の次の時代でも山本昌氏は元気に活動し続けてそうだけど。

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