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2024年12月30日月曜日

ドニー・イェンってパネェ(´・ω・)


 このところ中国では「誤判」とか「誤殺」とか「誤」の付く映画が多い友人に言ったら、「誤判(The Prosecutor)」は見たけど面白かったと言われたので、昨日自分もこの映画を見に行きました。タイトルからして冤罪をテーマにした社会は作品なのだろうと何の前情報もなく見に行ったら、冤罪が話の主軸であることは間違いではなかったものの、裁判所の中でよりも、裁判所の外で悪人を殴り倒すシーンの方が多いまごうことなき香港カンフー映画でした

 もう少し具体的に話すと、警察官から検事に転身したドニー・イェンが弁護士に嵌められて本来は無実であるにもかかわらず犯罪組織のスケープゴートで懲役食らった少年を助けるため、麻薬組織相手に証拠や証人を集める傍ら、それを妨害しようとする麻薬組織の手先らと何度も殴り合う映画でした。どれくらい殴り倒すのかというと、ナイトクラブで乱闘している最中に警察に応援を求めた同僚の検事が電話で、「あいつは今一人で100人くらいと戦っている。嘘じゃない!」としゃべりますが、マジで嘘じゃないです。

 それで主演の甄子丹ことドニー・イェンですが、彼を映画で見るのはこれが初めてでしたが、これほどすごいカンフースターがいたのかと見ていて驚きました。すでに60歳を超える年齢ながら動きがともかく早く、撮り回しの長いシーンでも連続した複雑な動きをきれいにこなしており、映画の中とはいえ「なんでこんな強い奴が検事やってんだよ」と突っ込みたくなるほどでした。
 中国人の同僚によると、ドニーは「そんなかっこよくない」との評価ですがこれには私も同感で、見た目は本当に普通のおじさん、なんていうかコンサル会社とかの中間管理職っぽい感じです。逆にそういう普通さを出しつつあれほど激しいアクションこなすから、余計見栄えが良くなっている様にすら思います。

 そんなドニーに限らずほかの俳優やエキストラの動きも非常に早い上に殴打するところなんか重く感じられ、香港映画を見るのも本当に久々ですが、かつてのカンフーアクションは今も色あせていないと非常に感動しました。っていうかこの映画の中だと香港が足立区並の治安の悪さで街歩きするのが怖くなる(;´・ω・)
 ちなみに冒頭は麻薬組織の拠点を警察隊が制圧するところから始まりますが、そのあまりの動きの速さと銃と盾を使ったアクションに、日本の警察ドラマとかの動きが幼稚園のお遊戯にしか見えなくなりました。

 その香港に私はかつて三ヶ月ほど滞在したことがあるため、映画を見ていてもどこかで見たような路地があるかと思えば、セリフの中で「ワンコックからチムシャアツゥイまで犯人を走って追いかけた」という言葉に「あんな距離をマジで?」などとそこそこわかったりして楽しめました。

 自分はまだ見てないけど、今回のこの映画で興味持ったのでドニー主演のイップマンシリーズも今度見てみようかなと思っています。香港映画は中国返還以降は盛り下がっていると聞いていましたが、決してそんなことはないと今回わかりました。

2024年12月29日日曜日

相次ぐ航空事故を見て

 すでに各所で報じられていますが、韓国で大型旅客が着陸に失敗して爆発炎上する事故が起きたそうです。確認されている生存者2名を除いてその他の乗客乗員の生存は絶望的とされ、当人や遺族の気持ちを考えると胸が痛むばかりです。

 折も折というかつい先日にはアゼルバイジャン国籍の機体がロシアのチェチェン共和国領内で攻撃を受け、撃墜される事故が起きています。まだ確定というわけではないもののロシア側はすでに何度も供述を翻しており、また比較的残した機体状態から言っても攻撃を受けたことは間違いなく、証拠隠滅を図るため敢えて近くの空港への着陸を拒否してカスピ海方面へ誘導したのも事実でしょう。
 こんな国がこの世にあっていいのかと言えば、無い方が絶対マシでしょう。

 ただこちらのアゼルバイジャンの事故に関しては、非常に困難な状況の中、カザフスタンまで飛んだ上に一定の生存者を出すにまで至った殉職されたパイロットには強い敬意を覚えます。あれだけの妨害を受けながら空港近くまで飛び続け、このパイロットがいたからこそ助かった人も多く、その技術と苦境に対する精神力には頭が下がります。

 以上、年末にもかかわらず二件の痛ましい航空事故を目の当たりにすることとなりますが、これらの事故を見るにつけかえすがえす、今年年初に起きた羽田空港の衝突事故における乗客乗員の脱出劇にのすごさを改めて感じ入ります。状況は違うとはいえ大量の死者が出てもおかしくない中、衝突した海上保安庁の機体からは死者が出たもののの、JAL機からは全員脱出に成功し、またその際に通信途絶がありながらクルーは迅速に行動し、機長も最後に脱出するという強い責任感を見せていました。
 私が言うまでもなく本当にこの事故は奇跡的ともいい事後対応ぶりで、事故後は私の周りの中国人らもこれからはJALに乗ると称賛が相次いでいました。実際、それだけのプロフェッショナルらしさが見られた事故でした。

 末筆となりますが、今回冒頭の二件の事故で亡くなられた乗員乗客には、私個人が言ったところでなんだという気持ちもいますが、深くご冥福をお祈りします。 

2024年12月28日土曜日

中国式DIY術

 今蒸かしたあんまん食べてますが、この時期はよく乾燥に注意、加湿器を活用などと言いますが、あんまん蒸かせば自然と湿度上がるので加湿器買うくらいならあんまん買うべきだと密かに思っています。
 そんなあんまん食べながら、いま火のついたキャンドルをテーブルの上において眺めています。なんでそんな一人で無駄にロマンチックなことをしているのかというと、単純にキャンドルが余ったからです。ではキャンドル、っていうかろうそくを何に使ったのかというと、床板の穴埋めだったりします。

 日本の家屋ではまずないと思いますが、中国の家屋ではピース状にはめられた床板のパネル同士に隙間があるのはごく自然なことです。どれもこれも隙間があるってわけじゃないですが、大体窓際とか壁際になるとはめてきた床板の寸法が微妙に合わなくなって、ちょっと隙間あるけどまあいいか的にそのまま内装工事を終えられているのだと思います。これまで私が住んできた中国の部屋では、隙間なく埋められたフローリングなんて見たことないです。

 そんな隙間に何故ろうそくということになりますが、単純に蝋を溶かして隙間を埋めるのに使うからです。本音で言えばシーリング材なり使って埋めたいところですがさすがに賃貸の部屋でそこまでやると色々面倒です。なので隙間を長期的に埋められ、且つ退去時にすぐ元通りにできる方法はないかと数年前に思案した結果、「せや、ろうそくで埋めりゃええやん!(σ・∀・)σゲッツ!!」という結論に至り、ダイソーでろうそく買ってきてマジで埋めました。
 この時のろうそく効果は結構素晴らしく、その後長期にわたり無駄な隙間に物を落として挟むことはありませんでした。自分の生活の中ではプラモ部品を隙間に落とすことが多かっただけに、これが亡くなっただけでも大助かりでした。あと地味に虫も隙間から発生することあったな。

 そんなろうそく穴埋めも何年も経ち、一部個所が劣化してはがれたりとか、まだ埋めきってない箇所を発見したこともあり、先月に数年ぶりにまたダイソーからろうそく買ってきて、火をつけてぽたぽたと蝋を落として穴埋め作業をやってました。数年ぶりとはいえ二度目の作業とあってかなり手順よく、前回以上にカチッとした固め具合でまた隙間を埋めてやりました。
 でもって埋めた後、数年前に購入したろうそくが家の棚の奥にまだ眠っていたことに気が付きました。

 そんなわけで今回買ったけど使い切らなかったろうそくがマジ余っており、そのまま捨てるともったいない神様に怒られそうなので、無駄にムーディな雰囲気づくりとばかりに今燃やしています。こういう火はほんのちょっとしたことで延焼したりすることもあるのでむしろ使いたくないですが、まぁしっかりちゅいしながらやればいいだろう的に使っています。

 以上の床板の隙間埋めですが、私以外にも悩んでいる人が多いのかECサイトのタオパオを見ると「簡単一瞬で穴埋め!」みたいなキャッチコピーとともにシーリング材がたくさん売られています。私自身もろうそくが一番手軽でいいけどほかになにかいい感じのシーリング材ないかなと探していたところ、日本語で「すきま接着剤」と書かれた商品が何故か中国で売られていることに気が付きました。でもって、トイレや台所の隙間に使えると書かれており、マジでこの方面でも対策が必要と前から考えていたので先日購入してみました。

 届いた商品を見ると、「委託企業:日本羽田株式会社」と書かれており、恐らく日系企業が中国メーカーにOEMで生産させ、中国国内でも流通させている商品なのだと思います。それでこの商品でどこの隙間を埋めたかったのかというと、トイレと床の間の隙間です。

 これもこのブログで過去に何度も書いていますが、中国ではトイレの接地面から水が漏れるのは日常茶飯事です。また普段はもれなくても、大雨とかで配管内の流水量が増えると漏れたりするケースもあり、今の自分の部屋もそうでした。
 無論、これまで何も対策してこなかったわけじゃなく、接着面が分厚く残る接着剤を使っては何度も埋めてきました。しかし接着剤では劣化が早く、漏水を止めたかと思いきや数年たつとはがれてまた漏水起こしたりするし、また見た目的にも接着剤だとやや良くありませんでした。

 そこで前からこの手のシーリング材をマジで熱望しており、床板と違ってトイレだったら大家に対してむしろ施工してやって感謝しろとはっきり言えるので、こっちの方では何も迷わず今回このシーリング材を使ってみました。そもそも頻繁ではないので漏水をこれで防げるようになったかはまだ経過観察が必要ですが、見た目的には白くてカピカピした接着剤と比べれば純白、というか象牙色したシーリング材は悪くなく、またプラモで鍛えた手先を活用して付属のへら使って割ときれいに設置面に沿って塗れたのでかなり満足しています。少なくとも、以前の接着剤の時のように深淵を覗くかのような黒い穴は全く見られないほど埋めることができ、漏水対策としてもかなり期待できます。

 こんな感じで、恐らく中国に来なければまず体験することのなかったDIY工事を自分は中国来てたくさんやる羽目となっています。前には壁紙も貼ったし。
 こうしたDIYをやってて思うこととしては、内装屋さんは本当に偉大だなぁという敬意です。やってみなければどれだけこれらの作業が難しいかはまず知ることなかったでしょうし、日本国内であれだけきれいな内装を当たり前のようにこなす職人にはリスペクトしかありません。ってかあんだけきれいにやれるんならプラモとか作らせたらどんな感じなんだろうか。

 ちなみに今日はF-22ラプターのプラモを作っていたほか、裾がほつれかけていた布団カバーに補強とばかりに縫い直したりしていました。なんか指先使うことの多い一日だったな(´・ω・)

2024年12月27日金曜日

自動車業界の巨星こと鈴木修の逝去

 リンクは貼りませんが各種報道でも大きく扱われているように、自動車大手スズキの元会長で相談役であった鈴木修が亡くなられたそうです。彼についてはこれまでもこのブログで何度も取り上げてきましたが、経営において重要な場面において悉く成功に至る決断を下しており、あまり認知されていませんが日本自動車市場においてトヨタに次ぐ第2位のシェアを持つに至るまでスズキを大きくさせた立役者です。文字通り日本自動車業界の最長老とも言うべき人間で、また一つの時代が終わったことを強く感じさせられます。

 鈴木修の好決断を挙げれば切りがないですが、まず第一にあげられるのは現在も納車2年待ちはざらと言われるジムニーの買取でしょう。知ってる人には早いですがジムニーの設計ははスズキではなくホープ自動車で、この会社が自動車事業を撤退する際にジムニーの権利売却を図ったところ、車内全員が大反対する中で鈴木修が「婿養子の分際で」などと言われながら買取を決断したと言われます。それが半世紀近くも世界中で売れ続けるベストセラー車となりスズキの顔となるのだからまたすごいものです。

 また会社経営においてはやはりVWとの提携解消でしょう。対等な提携という約束だったのにスズキに対する支配を強めようとし、挙句には自慢のクリーンディーゼルエンジン技術も一切共有しようとしない態度を見て、会社規模では大きく劣るにもかかわらず提携解消を申し出たところ、VWのディーゼル不正が明るみとなり、提携解消手続きが遅れれば巻き添えで株価下落に遭うところでした。
 多くの人が指摘している通り、鈴木修はVWにディーゼルエンジン技術はないと見抜いてこの提携解消に動いたとされています。その眼力もさることながらこれだけ自動車技術に精通した経営者はこれまでいなかったともいわれます。

 そんな鈴木修の一般的ではないエピソードとして過去にこのブログでも書きましたが、静岡県内の自動車サプライヤーに勤める知り合いがある年の年初の挨拶にスズキへ伺い、その時に初めて鈴木修とあったそうです。その翌年も機会があったところから訪問したところ、顔を合わすなり知り合いの名前をいい当てたそうで、たった一回の顔合わせで相手の顔と名前を完璧に覚える人物だったそうです。
 実際この知り合いも、今まで見てきた経営者の中で図抜けた存在だったと恐懼していました。

 そんなカリスマが亡くなったことでこれからのスズキはどうなるのか、と言いたいところですが、恐らく今後もスズキが大きく揺らぐことはないでしょう。というのも事業継承はすでに果たされており、またこれからの時代にスズキが一人でやっていくことは難しいと考えていたのか、すでにトヨタとの提携を深めその経営においてトヨタの支えをしっかり備えさせています。
 トヨタ側も元から創業家同士で仲が良かったこともあり、スズキに対する信頼は人一倍強いように見え、急に身代が傾くことはまずもってないでしょう。


 最後に上の記事において

「また、アルトの名前の由来は、イタリア語の『秀でた』という意味だった。これを鈴木氏は発表会見で『あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またあるときは買い物に使える、〝あると〟便利なくるま』とアドリブで説明。一連の鈴木氏のひらめきがアルトのヒットにつながったとみる向きもある。」

 という話が載せられていますがこれを見て、初代スイフトのテレビCMのキャッチコピーの「泣く子も黙る79万円」は、もしかしてこの人が考えたんじゃないのかという疑いがもたげてきました。だとしたら相当な親父ギャグ使いだったことになるな(;´・ω・)

2024年12月26日木曜日

米国人のルーツに対する自己認識


 無駄に震電Ⅱの画像を撮りためてます。っていうかこれの元パイロットの声がなんか違うように感じてたら、やっぱり声優が蘭姉ちゃんから変わってたし。

 話は本題ですが先々週あたりに、近くの映画館では上映していなかったので遠くまで(チャリで20分)言って映画の「グラディエーターⅡ」を見に行きました。前作の1も当然見ていましたが、1で主役のラッセル・クロウを食うほどの怪演を見せたホアキン・フェニックスなしで成立するのかと思いきやこの2作目も素晴らしい出来で、各俳優陣の演技も申し分ありませんでした。
 個人的には顔の濃い銭湯設計士が出てこないかなと期待しましたが、さすがに出てきませんでした。まぁ阿部寛氏なら普通にグラディエーターに混ざっていても誰も気にしなかったでしょうが。

 それで1作目のグラディエーターですがこちらも大ヒットを記録して、その後「300」をはじめとして「ソードサンダル」と呼ばれるローマ物ハリウッド映画のブームを引き起こしています。このブームについて知った際に私は、そもそも縁もゆかりもないローマの歴史作品に米国人は共感するのだろうかという疑問をやや抱きました。
 それこそ日本人にたとえるなら、その文化のルーツともいうべき中国の古代史作品で盛り上がっているように見え、確かに日本人も「キングダム」がヒットしていますが、米国人的には入植期の欧州よりも、なんか古代ローマの方が自分たちのルーツとしてより共感を持っているようにも感じました。

 実際のところどうなのかはさすがにわかりかねますが、そもそも米国が国としての歴史が短く、また移民国家ということもあって国民のアイデンティティを形成するルーツをあまり持たないことは間違いありません。

 同じく映画の話で言うと、以前だヒットした「ブラックパンサー」では米国生まれ米国育ちだけど、祖先はアフリカ大陸から連れて来られた奴隷である黒人層の間で、祖国を持たないアフリカ系米国人というキャラクターに強い共感が得られ、ヒットにつながったという話を聞きます。
 この話からすると、黒人層に限らず白人層も一応は英国系、フランス系、イタリア系、アイルランド系と自認する層が米国にはいると聞きますが、それでもその自分のルーツに対する意識は我々日本人と比べると希薄であるような気がします。

 そんな自分ら日本人を比較にすると、日本人のルーツに対する意識は恐らく世界的にも非常に強固な部類に入ると思えます。というのも、人種、国土、歴史、文化のすべてが結びついており、自分が日本人であるということに疑いを持つ日本人は日本国内においてほぼいません。
 祖先にはニンジャやサムライがいるし、すしやうどんという独自の食文化もあれば人種的にも単一性が非常に高く保たれています。

 もっとも日本国内においては在日韓国人やアイヌ系民族の方もおり、必ずしも完全統一されているわけではありません。でもって特に在日韓国人の方においては、やはり自分のルーツについて悩むことが多いと聞きます。

 話を米国に戻すと、まずアイデンティティの形成においてはその民族や文化に対するルーツの意識が非常に重要であることは言うまでもありません。その上で米国人は私の目から見るとそのルーツ意識が弱く、かえって比較的近い時代の近代ヨーロッパ以上に、遠い昔のローマの方がよりルーツを持っているように見えます。
 何故かというと古代ローマの文化はヨーロッパ世界の根底を形成したものであり、ヨーロッパにおける万人にほぼ適用できるほど汎用性が高いからです。また時代が遠い昔なので、実際の人種とか血統についてとやかく考えずに済むというのもある気がします。
 まぁイタリア系米国人なら、ある意味自分のルーツだと主張することに強い正当性を備えていますが。

 以上はあくまで自分の勝手な憶測に基づく見解ですが、ルーツをベースとしたアイデンティティは日本人と比べた場合、米国人はやはり弱いというのはかなり自信があります。その上で今回こうして考えてみて、アイデンティティをルーツで補強しきれないから日本と比べて米国は宗教が強くなるのかなとも思いました。
 逆を言えば、日本人はルーツ意識がかなり強いから、宗教によってアイデンティティを補強する必要がないからこそ、そこまで宗教に関心を持ったり、活動する人も少ないのではないかという仮説ももたげてきました。この辺は日本人以上にルーツ意識が強い、中国人にも当てはまってきます。この辺、掘り下げればもっと色々思いつくことも出てくる気がしますが、先行研究とか呼んだ方が早いかもしれません。

2024年12月25日水曜日

書評:対馬の海に沈む

対馬の海に沈む(集英社新書)

 以前からネットで書評を読んで気になっていましたが、今週買って一気に読み終えました。「あーあ、退屈」なんて一昔前のケータイ小説の冒頭みたいなセリフを口にする人がいたら、絶対買うことをおすすめします。それくらいヤバいくらい面白い本でした。

 簡単に概要を述べると、この本はノンフィクションである対馬の事件を追ったものです。その事件とは、JAの保険ことJA共済の契約件数でほぼ毎年全国ナンバーワンの実績を持つ職員が突如自殺したのですが、その死の直前から彼には不正の疑いがもたれており、死後の調査でなんと22億円もの横領が発覚しました。この職員の不正の手口もさることながら、何故彼は不正に手を染め、また長年にわたり発覚しなかったのかを作者の窪田新之助氏が追った内容となっています。

 上記の全国ナンバーワンな保険外交員の自殺とその不正内容、特に22億円という先の三菱UFJの貸金庫事件の10億円を超える金額規模に対する関心もさることながら、この本に私が興味を持ったのが舞台が対馬だったというのも大きいです。以前のブログにも書いていますが私も以前に対馬を訪れたことがあり、その甲斐あってかこの本に出てくる「厳原(いづはら)」などの地名も一発で読めたりして、いくらか土地勘があって余計に楽しめました。

 なお本にも書かれてましたが、作者の窪田氏が初めて対馬に降り立って取材をしたのは2022年の11月だったそうで、まさにこの月に自分も対馬を訪れていただけに、その偶然には驚きました。もしかしたら対馬ですれ違っていたかもしれず、勝手ながら「けものフレンズ」ならぬ「つしまフレンズ」に窪田氏を心の中で認定しています(´・ω・)

 話を戻しますが、この本を読む前に私はいくつかの疑問を持っていました。箇条書きにすると以下の通りです。

・何故自殺した職員は人口の限られた対馬で契約件数全国トップになれたのか
・何故被害規模が22億円になるまで不正は発覚しなかったのか
・何故長年発覚しなかった不正が自殺直前に表沙汰となったのか
・JAの内部統制体制はどうなっているのか

 以上の疑問について、この本ではすべて辻褄の合う解答を導き出しています。それもこれも窪田氏の非常に熱心な取材の賜物と言ってよく、関係者、それこそ職員の親族から彼の共犯者、そして彼をかつて内部後発した者に至るまで、ありとあらゆる関係者とコンタクトを取って貴重な証言を得ています。
 特に共犯者と疑われる人物に対しては、それとなく職員についての話を聞きながら、「でも、不正のおこぼれに預かっていたんじゃないですか?」的に核心に迫る踏み込んだ質問を投げかける場面などは、下手な推理小説よりもずっとドキドキするシーンでした。なお大抵の取材相手はこの踏み込んだ質問をするや態度を翻し、時には怒って追い返すこともあったそうですが、焦りからか咄嗟に聞いてもいない不正の手口を口にした点などを、く窪田氏は抜け目な掴んでいたりします。

 またそうした関係者の反応もさることながら、事件の全体像もすごいというか、その醜悪ぶりには目を見張るものがあります。元々、JAという組織自体がかなり問題を抱えた組織であると私も耳にしていましたが、その金融事業のノルマといい、この事件に対し実質的に隠蔽工作を図っていた点などを見て、とっとと金融事業を取り潰した方がいいのではないかと思うようになってきました。
 ただそれ以上に、作者も「途中で何度も嘔吐感を覚えた」と言わしめる、自殺した職員の周辺関係者の態度には自分も強い嫌悪感を覚えました。ネタバレになるのであまり言えませんが、職員とグルになって相当甘い汁を吸ったにもかかわらず、自殺後は何食わぬ顔で無関係を装い、あらゆる処分から免れている人間がJA内外で相当多数存在することが示唆されています。

 特にこの本の最後の場面で、かつて職員を内部告発したものの返り討ちに遭い、閑職にも飛ばされた人物こそが、職員の死後にその家族らを案じて最も親身に接していたという事実はいろんな感情がこみ上げてきます。

 これまでもノンフィクション本は色々読んでいますが、それらの中でもこの「対馬の海に沈む」はぶっちぎりに面白く、今年読んだ本の中では間違いなく最高の一冊でした。多少ほめ過ぎという気もしますがそれだけほぼ完ぺきな取材に裏打ちされた内容であり、興味がある方はガチでお勧めします。
 なおこの記事を書く直前に自分のメールアドレスに送られて来たスパムメールが、「JAネットバック」を騙るメールだったのがなかなかに因果なものでした。

2024年12月24日火曜日

日本語が通じないJCB社員

 知ってる人には早いでしょうが、DMMなどアダルト商品を取り扱うオンラインショッピングサイトにおいて、VISAやMASTERといった外資系カード会社のクレジットカード決済が行えなくなりました。私は別にアダルト商品を買ってるわけではないですが、電子書籍はDMMで普段から購入しているだけに、この決済妨害によって難儀する羽目となっています。
 っていうかDMMはアダルト部門にFANZAという別のブランド作ってサイトページも分けたりしましたが、全く無意味な行為として終わってます。

 一応、直接決済するのではなくDMMポイントをクレジットカードで購入してからポイントで決済するやり方なら今でも通じて、私もこれで書籍を購入して読んでいますが、やはり以前のようにクレジットでワンクリック決済する方が手軽で楽なだけに、今後完全に決済サービスを打ち切ってくる可能性もあると思い、尚も決済サービスを提供してくれているJCBのカードを作ってこれからこっちで決済しようかなと検討していました。
 ただJCBのカードを作るにあたって問題となるのが、地味に審査です。というのも私は現在上海に居住していて、勤務先も中国企業です。規模で言えばJCBなんかとは比べ物にならないくらいでかい組織だしブランド力もJCBより上ですが、基本的にクレジットカードの審査では国外企業は一切信用できない対象として扱われ、審査ではねられるということを聞いています。今私がいる組織よりも、日本国内のブラック企業で働いている人の方がクレジットカード会社的には信用が高いそうです。

 ぶっちゃけこの辺、カード会社の信用調査は全く裏付けがないし、カード作った後にすぐ会社辞めても作られたカードはそのまま使える点とか色々おかしいという気がしてなりません。

 話を戻すと、以上のようなかなりハンディのある状況ですがネットで調べたらJCBに直接問い合わせて、海外居住でもカードが作れるという確認をした人の記事が見当たりました。ちょうど来月からまた日本に行くのでワンチャンでチャレンジにかけてみようと思い、まずJCBのサイト上でカード申請をしてみることとしました。
 結論から言えばこの方法ではやはりだめでした。入力画面で勤務先はとやかく聞かれなかったものの、連動する銀行口座の登録住所が海外住所になっているため銀行側のシステムで「未対応です」的に弾かれました。何年この口座使ってて、数百万単位の預金額入れてんだよという気がしますが。

 ならば直接ウェブサイト上からではなく別の書類提出などの手続きで、JCBカードを作ることはできないものか。この点を確かめるため問い合わせフォームに下記質問を入れてみました。

<質問>
現在海外に居住していますが日本に拠点、銀行口座などがあり、JCBカードの新規申し込みを検討していますが、オンラインでの入会申し込みだと銀行側のシステム確認において海外居住がネックとなり弾かれてしまいます。
近々日本に行く予定があるのですが、店頭などでカードの発行手続きを行うことはできないでしょうか? 

 上記の質問に返ってきた答えがこちらです。

<回答>
このたびはお問い合わせいただきありがとうございます。

JCBカードのお申し込みについてご案内します。

ご希望のカードを特定できないため、一般的なご案内となりますが、弊社ではJCBカードを申し込みできる店舗をご用意していません。ご了承ください。

 この回答見て思ったこととしては、「海外在住者だけどカード発行できるかと聞いてんのに、なんでこいつは店頭手続きができるかどうかにしか回答してないんだ?」という疑問でした。店頭手続きはあくまで手段の一つとして聞いてるのに、肝心要の質問には答えないあたり、日本語が通じていないという隔たりをはっきり感じました。

 でもって、こんな回答よこすあたりJCBはよっぽどまともな人材いないんだなと思うと同時に、以前にも最近の日本人の国語力低下を嘆く記事書きましたが、真面目に日本人の能力低下ぶりは笑えないように思え、ちょっとその将来を不安に感じてきました。

 今回の話はまだまだかけるというか決済機能問題は根が深いのでまた次回にまとめます。

2024年12月23日月曜日

日系車とは比較にならないドイツ車の中国販売落ち込み

 日産とホンダの経営統合について今日会見が行われ、自分が思って退場に話が進んでいることに色々驚きました。自分が最も障害になると思ってたルノーも意外と乗り気で、マジでこのまま統合が成就するのかもしれません。
 もっとも今日ゴーンも言っていましたが、統合の効果はそこまで大きいとは思えず、せいぜい日産がホンダのハイブリッドエンジンを手に入れられるということくらいじゃないかと思います、EVはホンダも日産もあんま上手くいってないし、三菱は余計なお荷物にしかならないだろうし。

 っていうか三菱はランエボをSUVで出すと言ってもうかなり年数経っており、彼ら自身も自らの発言を覚えているかも定かではありません。

 さてこの日産とホンダの統合ですが、背景としてはこれまで稼ぎ頭であった中国市場における急激なシェア低下、不振も一つの理由として挙げられています。この辺自分も以前までは細かく追っていましたが、両社ともに中華系のEV、というよりBYD1社に中国市場では食われ続けており、今後以前ほどの販売台数に到達することはおろか、右肩下がりでシェアを落とし続ける気配を見せています。
 トヨタもシェアは落ちてはいますが、それでもこの二社に比べれば中国市場においてはまだマシというか、ブランド力を感じます。

 ただこの日産とホンダ以上に中国市場の不振が目立つのは、独VWと米GMです。どちらもかつてはその合弁会社が中国市場販売台数で不動の1位、2位を、恐らくまともな統計開始以来ずっと維持してきましたが、2年前にBYDに首位の座を明け渡してからはどんどんとシェアを落としまくっています。
 特にVWは満を持して投入したEVがBYD以外のメーカーにも歯が立たず、勢力挽回の起爆剤になるどころか売れないお荷物として足を引っ張る有様です。マジで街中で見れたら今日はラッキーと思うくらいVWのEVは上海でもレアです。

 その上で、日系二社と比べるとこのドイツ系の中国市場落ち込みの打撃は段違いに大きいです。というのもVW、あとGMも中国ではこれまでそこそこ大きなシェアを持ち続けていましたが、それだけにシェア喪失の打撃は大きく、遊休生産能力の幅も大きければぶら下がっている部品サプライヤーも相当な打撃を被っているように見えます。ぶっちゃけ今の状況、日系勢はまだマシだと言えるくらいです。
 そうした状況を見ているだけに数年くらい前から私はドイツの経済がやばいと唱え続けていましたが、今現在を見ても日本の報道では足りないくらいに深刻さを増しているように見えます。場合によってはVWは傘下ブランドを売りに出す可能性もあるように思え、市場の構成もリーマンショック以来の再編期を迎えるかもしれません。

 でもってGMに関して言えば、これからトランプ政権になって中国での風当たりはますます強くなるだけに、下手すりゃ市場撤退もあるかもしれません。お世辞にも、今でも売れてるように見えないし。
 最後に日系に関しては、トヨタは恐らく中国で今後も事業を続けられると思います。ただその部品サプライヤーは中国事業は維持できず、今後は撤退などして日本から部品を供給していくことになるかもしれません。トヨタも下手すら輸出車を中国でメインに売ることになるかもしれません。

 冒頭の日産、ホンダ連合に関しては、現在においても主力車がない、というかそもそもこの二社はまともな新車をこの数年あまり出していないだけに、中国市場以前に日本市場でもフェードアウトが続くような気がします。

2024年12月21日土曜日

ナベツネの逝去とこれからの新聞社

 ナベツネこと読売新聞主筆の渡辺恒雄が逝去して彼に関する記事が色々出ていますが、なんかどれも微妙というか、昭和期の政界に関与した話とかプロ野球1リーグ制構想とか過去の話ばっかしか出てこず、私の読みたい話は出てきません。では具体的にどんなのが読みたかったのかというと、これから新聞社はどうなるのかって話です。

 確か「2050年のメディア」に書かれていたと思いますが、毎年年始のあいさつでナベツネは「これらからも新聞社は不滅だ」的な言葉を毎年述べていたそうなのですが、数年前より「もうだめかもしれない……」みたいな弱気な発言を、急にするようになったそうです。これには読売新聞の社員らも結構動揺し、「あのナベツネが?」というくらいの衝撃で、ぼんやりとした不安が危機感へと変わっていった話が載せられていました。

 ある意味、ナベツネが活躍したころは日本の新聞社が最も元気な頃と言っても遜色なく、そのシンボリックな存在、少なくとも新聞社関係者としては最も日本で知られた人物であったナベツネの今回の逝去は、日本の新聞社にとっても結構大きなターニングポイントになるように思えます。それだけにこれから新聞社はどうなっていくのだろうかという話を、今回の逝去報道ともに誰かしてくれないかなと期待していましたが誰もしませんでした。

 折しも例の兵庫県知事選挙にてSNSを中心としたニューメディア、新聞やテレビを中心としたオールドメディアの比較が激しく行われています。私自身としては「オールドメディアはもう古くて駄目だ」と二項対立的に批判する人間はその時点で問題だと思うか相手にしませんが、オールドメディアも記者クラブ制度をはじめ問題が多いということは否定しません。逆にニューメディアは権威がなく、彼ら自身が誤報を流したしても誰も責任を取ろうとしない体制から、オールドメディア完全上位互換にはならないと考えています。
 これ以上長く書くと収拾つかなくなるので止めますが、一言で言えばニューメディアとオールドメディアの長所短所を踏まえて、両社の報道を取捨選択できないのであれば報道がどうこうと議論する以前の話でしょう。

 話を戻すと新聞社に関しては、ビジネス的にはもう完全に破綻した商売です。日経新聞なんかは別ですが、購読料や広告料ではもはや自立した経営は成り立たず、旧メディアの多くは不動産収入で報道事業を支えているようなもので、いうなれば「不動産会社が報道事業もやってる」状態です。
 これは逆を言えば、従来の新聞社以外もしっかりとした報道体制を揃えれば同じようなメディアを持てるともいえることで、実際に自社PRを目的としたオウンドメディアを持つ企業が増えており、これらオウンドメディアの中から本格的な報道を行えるくらいに発展してくるメディアも出てくるかもしれません。弁護士事務所なんかは、いい編集要員揃えたら一気に行ける気がするし。

 またまた逆を言えば、もはや従来の新聞社がメディアとして残り続けるいわれはないようなものです。ただ新聞社にも役割は残ってるというか、記者人材の育成機能は彼らが大きくになっており、基本的に日本の報道関係者は新聞社またはその関連人材が育成しており、こうした人材育成の場としての役割はまだ強いです。
 それだけに新聞社が今後ますます弱くなっていった場合、日本の報道人材はどうやって育てるのか、下手すりゃ自分を記者と自認する半端者が中途半端でおかしな報道をやるようになるのではないかというのが私の懸念です。この懸念を晴らすためにも、欧米みたく日本も大学などに最もメディアコースを用意して、在学中から学生新聞やウェブサイトを発行させて報道人材の育成を図るべきでしょう。つっても今の日本のメディア学部とか見ていても私の目からすればどれもパッとしないんですがね。

 そういうわけでナベツネはまだ、新聞のある時代に死ねて彼としてもよかったのではという気がします。しかしこれからは新聞はともかくとして新聞社はどうなるのかというのが本当に大きな問題になり、上記の報道人材の育成、半端なメディアの淘汰などを含めもっと日本社会で考えていくべきでしょう。

2024年12月20日金曜日

中二病男子の部屋

 ……やっちまったよ(´・ω・)















































 ちょっとわかりづらいかもしれませんが、上の写真は今の自分の部屋のベッドを写したものです。そう、布団カバーを何を思ったのかSu-57が描かれたカバーにしてしまったのです。

 一体何故こんな風にしたのか某ベジータ風に語ると、「勘違いするなよカカロット。今まで使っていた布団カバーがもう何年も使っててくたびれてしまい、そろそろ買い替え時かなと思っていた矢先にタオパオのおすすめに表示され、値段も約2000円とお手頃だったから買っただけで、決して戦闘機が好きだから買ったわけじゃない」といったところです。
 初めてこの言い回しを使ったけど、「勘違いするなよカカロット」はツンデレセリフの枕詞として非常に優秀だと確信します。

 ちなみに柄はF-22もあったけどあっちは寝具に使うにはやや明るすぎる青空色が強かったため、戦車はドイツ贔屓なくせして戦闘機はロシア贔屓なうちの親父と違ってSu-57こと「5th Generation Fighter」はそこまで好きじゃないですがこっちにしました。

 昨夜届いてかなりウキウキにセットしましたが、見た目のインパクトが強いのと部屋の半分以上をベッドが占めているだけに、これ一つ変えただけで部屋全体の雰囲気が変わるというか模様替え効果がでかいです。でもってこれのせいで自分の部屋が如何にも中二病真っ盛りな男子の部屋っぽい雰囲気を纏い、自分もなんだか童心に返った気がします。
 もっとも布団に限らないというか、今の自分の部屋にはこれまで組んだプラモデルが所狭しと並べられており、パソコンデスク一つとっても戦闘機2台、戦車・機動車両が3台も乗っかっています。そのほかあちこち置けるスペースがあれば置いており、戦闘機も戦車もそれぞれ10台以上は配置されています。置き場所ないから洗面所は当然、衣装棚の中にも何故かトヨタ・bBとF-20タイガーシャーク入ってます。

 いい年こいて自分でも何やってんだという気がしますが、値段的に布団カバーは明らかにニトリのカバーよりもお値段以上というか安く、また毎日眺める代物なだけに、好きな柄にした方が心理的に絶対いいはずです。色もダークグレーで落ち着いてるし、寝具ってのはこういうのじゃなきゃと思うので、後悔してません。肌触りも悪くないし……。

 そうは言いながら我ながら今の自分の部屋の趣味性の暴走ぶりには呆れています。プラモデルも戦車や戦闘機が一台だけおいてあるならその複雑な構造と存在感からインテリアとしてすごくよくなるとは思うものの、二台、三台と増えていけば「なんやねんこいつ(;゚Д゚)」的な台無しなインテリアになること間違いなしです。それをあまり客人が来ないからと言ってやってしまい、こうして布団までも変えるのは中二病も男子でもここまで来ない気がします。

 ただ敢えてもう一つ言い訳すると、人間というか人生において「慣れ」という感覚は結構危険というか、あまりにも変化がないと楽しい行為が楽しく感じられなかったりするなど悪影響が強いと思います。そういう意味では部屋の模様替えというのは「慣れ」に囚われた感覚を一新する強い効果があり、やりすぎも問題ですが定期的には今までの常識を崩すようにやった方がよく、その点で寝具は毎日目にすれば肌にも触るし、新しいとそれだけで睡眠が気持ちもよくなるので模様替えの対象としては格好の対象だと思います。まぁ買い替えすぎて無駄に捨ててしまうのも問題ですが。

 なおこれまで使っていた布団カバーは捨てる気はなく、洗濯した後で保管し、また定期的に使おうかなと考えています。破れたりしたらさすがに捨てるでしょうが、あれもまだまだ使えるはず。

2024年12月19日木曜日

やっとナベツネが死んだ

 故人に対してこういうのもなんですが、読売新聞主筆のナベツネこと渡辺恒雄の逝去報道を見て「やっと死んだか」という感想が真っ先に頭をもたげました。

 こんなこと言いながらだと信じてくれないでしょうが、彼の記事は昔読んだときはその迫力の強さに驚き、ライターとしては間違いなくとんでもない実力者だとかねてから感じていました。しかし一個人として見た場合、特に彼のプロ野球界で行ってきた行為を振り返るとそのすべての方針なり施策は日本のプロ野球人気を落とし続け、自前の巨人ですら人気を貶めていたとすら感じます。そもそも記者が書いた記事によってではなくそうした活動で名前が知られること自体が本末転倒だと私は思っています。

 振り返ると平成初期から中期にかけて、Jリーグ発足によるサッカー人気に食われたという点もあるものの、この時期に日本のプロ野球人気、市場規模は右肩下がりでした。この間にオーナーという立場で好き勝手やってきたのがまさにこのナベツネで、特に逆指名制度こと希望入団枠の導入は廃止した今になって誰も再興を望まないあたり、完全な失敗だったように思えます。
 また20年目の節目ということでこのところよく取り上げられている2004年の近鉄球団売却に伴うプロ野球再編騒動においても、ナベツネは10球団1リーグ制を主張していますが、現在のパリーグの隆盛ぶりを見るにつけ先見の明がない方針だったと言わざるを得ません。

 なおその再編騒動において当時選手会長の古田氏への「たかが選手発言」に関して、これがナベツネの失墜要因になったという声をたまに見ますが、私自身は当時を思い出すにつけかねてから暴言の多い人物だっただけに何も驚かなかったし、元から反感も持っていたので新たに反感を覚えることもなかったです。
 むしろ同年に発覚した一場事件こと学生選手への栄養費を渡していた事件の方が、野球界におけるナベツネの影響力低下で大きな役割を果たした気がします。ちなみに当時に各球団が一場氏に出した金額は、

チーム金額
巨人2,000,000
横浜600,000円
阪神250,000円
広島2,000円

 という、広島の桁違いの金額ぶりに逆に驚いてました。

 話を戻すと、昭和の若いころの活動はあまり知りませんがこと平成期においてはナベツネはプロ野球界のガンそのもので、彼がいなくなってからというものパリーグ人気は高まり、黒字球団は巨人と阪神しかなかったのが今やほとんどの球団が当たり前のように黒字化を達成するようになり、そして選手もまた米国代表にすら負けないしメジャーでも活躍する選手を何人も排出できるようになるなど、あらゆる方面で拡大を続けています。別にナベツネ一人の責任だと私も思ってるわけじゃないですが、プロ野球界にとってはいない方が絶対マシだった人物ではあると断言できます。

 そういや書いてて思いだしたけど、第一次政権の原を追放したのもナベツネだったな。最終的にはその後の、「加藤の乱」と並ぶ平成二大反乱に勝手に入れている「清武の乱」で完全に止め刺されましたが。
 ちなみに自分はよく「いい人ほど早く死に、悪い人ほど長生きする」と話してますが、この例にナベツネをよく使ってましたが、これからはまた別の人間探さないといけません。

2024年12月18日水曜日

日産とホンダの経営統合報道について

 会社で無茶な業務を回される旅に心の中のボビー・オロゴン氏が「おめぇふざけんなよ」と言いますが、このところボビーはすっと言い続けているような気がしてなりません。

 話は本題ですが今朝からずっと日本を騒がせている日産とホンダの経営統合ニュースについて言いたいことを勝手に書くと、これは成立しない可能性の方が高いのではとみています。その理由というのも日産のアライアンスパートナーのルノーはかねてより日産に対する支配を強めようという意向が強く、第三者の資本算入について否定的だからです。
 今回の報道を見ていると誰もルノーの立場や姿勢について言及していませんが、逆を言えばルノー側はこのホンダとの提携について把握していない可能性が高いように思え、そうであればルノーはこんなの以ての外だと止める、または妨害すると私は考えています。どっちにしろルノーが賛同しない限りは、現在の資本構造から言ってこの話は成立しないでしょう。

 なお中国では日産もホンダもアライアンスパートナーは東風自動車なので、東風グループ内の再編という形で逆に丸く収めやすいと予想します。コンサルなんかは今頃もうすでに、中国での事業統合、資本再編コンサルの提案資料を作っていることでしょう。

 ここで話を変えてこの経営統合についての所感を述べると、さっき見た掲示板で野球に例えると「中日と横浜が合併するようなもの」というたとえがありましたが、非常に言い得て妙な感じがしました。その上で、仮に統合したところで得られるメリットはあまり多くないというか、すごく強い会社が生まれるわけでもないと私は見ています。

 販売面に関しては、ファミリー層に強いホンダと法人や男性層に強い日産という風に私は見ており、顧客層が被っていないためある程度の相乗効果は得られるようには思えます。ただ製造面というか商品開発に関して言うとこのところ両者ともにまともな新車を出しておらず、ホンダはNボックス依存症が非常に強く、日産はそもそも新車すらまともに作れない状態で、この二つがくっついたところでどうなんのと思う有様です。
 まだマツダやスバルの方が、新車開発では力持っている気すらします。

 一応、軽自動車で言えば日産傘下の三菱とホンダで相乗効果あるかもしれませんが、その三菱もサクラ全然売れてないと聞くし、そもそも三菱の存在価値なんてないので統合する意味なんてもはやないでしょう。その点で言えば日産はホンダのハイブリッド技術が使えるようになるならましかもしれせんが、技術があっても自動車商品が作れない現状だと宝の持ち腐れになるかもしれません。
 まぁ「GTR typeR」は作れるようになるかもしれないけど。

 でもってこの報道が出た直後、「うちも買いたいんだけど……」と横やり刺してきたのが鴻海です。EV事業やりたいなどと言っていますが中国本土のEVベンチャーではなく日産買収に名乗りを上げる辺り、本当に金持ち余してんだなという風に思いました。その上で、私個人的にはホンダより鴻海に日産は買収されてほしいという気持ちがあります。
 何故かというと今後日本の自動車産業はもはや主力産業としては続かないと見越しているからです。恐らくトヨタという会社は残り続けるでしょうが、日本全体で自動車産業が主力産業として残っていくかと言えばそうはならず、どんどんと縮小し続けると早くもあきらめています。であればまだ買いたいと言ってくれる人がいるうちに、なるべく外国資本に売ってそのお金で日本は新たな産業の育成にチャレンジした方がいいとすら考えています。

 さらにいうと、別に日本に限らずドイツもVWが苦境にあるなど世界中で自動車、というより大手完成車メーカーはトヨタを除いて苦しい状態が続いており、自動車産業が世界中で花形だった時代は意外ともう越しているのかもという気がします。もちろん自動車は今後もなくならないだろうし産業も続くでしょうが、かつての家電のようにコモディティ化して、ビジネスとして大きな存在であり続ける未来はそんな長くないような気もします。続くとしても前述の通り、トヨタなどの有力メーカーが残ってほかはどんどん淘汰されることになるでしょう。

 特に日産もホンダもこのところの経営は芳しくないというか、ホンダはまだジェット機など別事業も育ちつつありますが、日産に至っては前にも書きましたが売れる車ないのにどうしてまだ存在しているのか疑問に感じるレベルです。それだけに淘汰の可能性も高いと感じており、どうせ消え去るなら高値で売り抜ける今のうちじゃないですが、日本市場をトヨタが独占することになるのは望ましくはないものの、中途半端に日産ホンダ連合ができるよりかは外資に買ってもらって、この際産業として整理された方が日本の未来にとってはいいんじゃないのかなというのが本音です。

2024年12月15日日曜日

地政学からモンゴルを見てみる

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当時、取っ付き難かった会社の上司に突然「俺の家に来ないか?」と誘われ、断る事も出来ずに休みの日に行ったら、バーチャ2の筐体があって震撼した。 「お前バーチャ好きだって聞いたから、存分にやって良いぞ」といわれ、その日から急に仲良くなった。 あの筐体、確かバーチャ2の基板込で160万円位って聞いた記憶がある。 クルマ買うのと同じ位なんだなぁと思った。


 本題と関係ないけど、この記事の上のコメント見た時「こんな上司いたら惚れてまうやろ」と思いました。

 さて話は本題ですが、絶対に覆すことのできない地理的位置を柱にして政治や外交を議論する地政学の話において、よく「日本は地政学的に非常に不利な国」であるという主張を見ます。何故かというと日本は米国と中国(またはロシア)という超大国に挟まれているからというのが大方の理由なのですが、こういうコメントを見ると「お前ら政治舐めんなよ(´・ω・)」と言いたくなります。
 そもそも米国とは果てしない太平洋を間に挟んでおり、実際二次大戦時もそれによってサイパン陥落までは空爆を受けずに済んでいます。また中国についても同じく日本海を挟んでいて、なおかつ韓国も間にあり、そこまで直接的な干渉を受けずに済む位置にあります。ロシアに至っても、シベリア自体が一種の緩衝地帯と言っていい不毛地帯だし。

 むしろこの議論については他の国と比較した方が早いです。先ほど出てきた韓国なんかは朝鮮戦争も経験するなど米中露に挟まれるという悲哀が現実化しており、また北朝鮮というカルト国家とも対面しているため、私的には認知的不協和だと思いますが親北朝鮮的立場をとる人が内部からも出てしまっています。
 また完全キチガイ国家のロシアと直接陸地で接触するフィンランド、そしてハンガリーやルーマニアといった東欧諸国の悲劇と比べるならば、日本の地理的位置が何が不利なんだと言いたくなってきます。ああしたキチガイ国家と陸地で接していないことがどれだけ幸福なのか、それに気づけないのははっきり大バカ者もいいところだと言いたいです。

 その上で、地政学的に本当に不幸というか大国に翻弄されるのを余儀なくされる立場にあると思うのがモンゴルです。かつては世界帝国を成したこの国ですが、19世紀にはいると中国(当時は清)とロシアの露骨な干渉を受け、その流れを受けて20世紀初頭の中華民国成立時に中国寄りの内モンゴルと、ロシア寄りの外モンゴルに分かれることとなり、何度か統一しようという動きもありましたが現在も領土が分かれた状態のまま続いています。
 そもそも中国とロシアという極端に領土意識が強くで実質この分野でトップ2みたいな国同士に挟まれている時点で、いろんな意味で選択の余地のない国であると本当に同情します。モンゴルと比べたらどれだけ日本が幸せなのかと感じるとともに、この両国に挟まれるモンゴルはどのように外交を取っているのか、それこそ中立化政策で独立を保ったフィンランドのように色々尊敬心が湧いてきます。


  そんなモンゴルと日本の関係ですが、やはり朝青龍や白鵬をはじめとする力士を輩出するなど相撲での関係が最も色濃いです。ただ相撲に限らず、上記動画のように騎乗で弓を射る日本風に言えば流鏑馬でも同じ文化を共有しており、元寇で戦った中とはいえ地味に伝統芸能で共通するものが多い国だったりします。
 実際、モンゴルの側から見ても日本は相撲での関係から非常に親近感が高いと言われています。その上で個人的意見として述べると、日本はモンゴルと関係を強化し、互いに支援しあう価値は非常に高いように感じます

 これは何故かというと、一言で言えば中国とロシアの間にくさびを刺せるからです。前述の通りこの二ヶ国は領土に対する意識が現代世界においてかなりおかしい水準にあり、いまだに19世紀の拡張主義を持ち続けています。中国に言わせれば東アジアはすべて中国領土、ロシアに言わせればロシア人がいればそこはロシア領土といったところで、行く先々でトラブルを起こしまくっている連中です。

 そんな領土欲のおかしい二ヶ国に挟まれているのがこのモンゴルですが、ある意味挟まれているからこそ、政権は長年感傷を受けてきましたが独立を維持できた面もあります。中国とロシアはともに相手を刺激せず、且つ緩衝地帯としてモンゴルを見ていた節があり、内モンゴルこそ中国の自治区、外モンゴルはロシアの衛星国として扱い、完全支配にまでは持ち込まず、且つむやみやたらな統一も互いに進めませんでした。
 現代において両国が外モンゴルことモンゴル共和国をどう見ているかはあまり把握していませんが、そこまで国際影響力がなく、先日にプーチンが来た時もIOCの逮捕状について「わかってくれ……」とモンゴルの首脳が述べるなど、強く抵抗できない立場の弱さが見られました。

 ある意味、こうした立場が弱い、政治や経済基盤が弱いからこそ北朝鮮のように緩衝地帯としてモンゴルは扱われている節があり、これが逆に国際社会で存在感が強かったら、恐らく今のようにならないのではという気がします。具体的には、中国とロシアが互いにモンゴルを自分の味方へ引っ張り込もうとし合うのではないかと思います。

 領土欲の強いこの二ヶ国なだけに、間に挟まれたモンゴルが国家として今より大きくなれば、その帰属をめぐって必ずや争いあう、少なくとも相手に対する意識に反感を覚えだすだろうと私には思います。三国志の二虎競食の計じゃないですが、中国とロシアの関係を今より悪くしその連携にくさびを刺すためには、モンゴルが国としてもっと大きく成長してくれることこそが最も直接的な手段になるのではと私は言いたいのです。
 言うまでもなく、中国とロシアの関係悪化は日本の防衛にとってプラスにしかなりません。一方、モンゴルが軍事的プレゼンスを高めたとしても、国境を接していない日本にとってマイナスになることは一切ありません。

 以上を踏まえると、日本が本気で支援し、なおかつ関係を深める相手としてモンゴルは地政学的に見たら非常に重要であるような気がしてきました。相撲や流鏑馬などの文化的交流を通して関係も悪くないし、モンゴルが強くなればなるほど中国とロシアが勝手に争いあうのだし、もし日本が支援するとしたら現在の裏否を除けばモンゴルこそが一番価値があるように見えます。
 支援の仕方も、モンゴル人だけ相撲部屋の外国人入門制限を取っ払う優遇を与えれば、力士を通してそこそこの金額を直接モンゴルに送り込むことができます。この方針を実現するためにも、日本政府は相撲強化に圧力をかけ、早く白鵬を協会会長に据えるべきでしょう。そしたら相撲界はモンゴル人ばかりになるという人もいるかもしれませんが、角界は「力こそ正義」ことパワーオブディスティニーだと私は思っているので何も問題ありません。

 もっとも、朝青龍が理事になったら先が読めなくなって怖いですが。見てみたい気もするけど。


 最後に流鏑馬ですが、この人もやってたりします。っていうかこれ本当にカオスな動画だと思う。

2024年12月14日土曜日

電波攻撃!?


 本題と関係ないですがなんか最近上二つの記事がやたらアクセス稼いでして、まるで自分のブログが撤退ニュースを専門的に扱うブログのような気がしてきました。

 それはさておき今日は映画「グラディエーター2」を朝から見に行こうとしていたけど、近くの映画館では何故か上映していなかったので朝から掃除してからパソコン使ってたところ、突然後ろから「ピピッ!」という電子音がしました。電気毛布こそ使ってはいたもののこんな電子音はなる機能はないだけに、一体何が成ったのかとあたりを見回したところ、ある家電が妙な動きを見せていました。

 それは何かというとエアコンでした。知ってる日には早いですが冬のこの時期、私は一切エアコンの類を動かすことはなく、リモコンも引き出しの奥にしまうほどです。それが一体何故動いたのか、考えられる理由としてはどこかから飛んできた電波の周波数がピタリと合ってしまって誤動作することくらいしかありません。
 しばらく見ていると排気口の口が上下するだけでそれ以外にはこれという動作は見当たりませんでした。この中途半端な動き陽からも上記の推測通り、なにがしかの電波を受けて起動だけしてしまったのでしょう。

 ただこのまま放っておくことはできないのでリモコンを引き出しの奥から取り出し、電源オフの信号を送ったところ素直に受け取り、元の状態へと収まりました。なんかこの一連のやり取りやってて、電波攻撃を受けたかのような感じがしました。

2024年12月12日木曜日

攻撃性の源泉は大体が被害者意識

 昨日中国人の同僚とランチの最中、最近の不況からくる社会のギスギス感について話をしていたら、「今の中国人は失業者が多く、自分が被害者だと思っている人が多い。だから攻撃的になる」という話をされ、至極その通りだと感じました。

 被害者意識とは読んで字のごとく自分を被害者だと考える意識ですが、あまりこのように言う人は見ないものの、私は人間が攻撃性を持つ端緒の多く、9割方はこの被害者意識に端を発すると考えています。具体的には、「自分はこれだけひどい目にあったんだから、お返しにこれくらいしてもいい」というような心理の運びです。

 仮にこれが自分に直接被害を及ぼした相手、例えば詐欺の犯人だったり直接暴行してきた相手なら全くわからないわけではないものの、相手を「社会」などと捉えて第三者に向かうとしたら、その当人はもはや被害者ではなく加害者となります。しかし現実にはこのように八つ当たり気味に第三者へ被害者意識をばねにした鬱憤を晴らそうとする者は多く、私自身も最近は減ったけど物に当たることがあり、むしろ直接的な加害者へ向かうことの方が少ない気がします。

 それどころか、ほとんどすべての攻撃的行動というか攻撃性は被害者意識から始まるように思います。昨今の戦争も「向こうから攻撃してきた」、「弾圧してきた」というものを口実に行われており、被害者意識を募らせるか否かがその人の攻撃性すら左右するのではないかとも思います。
 しかし先述の通り、たとえその被った被害の直接原因者が相手だとしても、やり返した時点でその人は加害者となります。しかし被害者意識があると自分が加害者とはあまり感じなくなり、それ故に暴力というものがエスカレートしていくようにも見えます。総じていうと、被害者意識は人を暴力に掻き立てるうえでかなり直接的な役割を果たすだけに、むしろあまり持たない方がいいようにすら思うわけです。

 反対に、「自分は加害者である」といった意識を持ち、それが自分は悪い側にいると思うことは攻撃性を抑える効果があるように思います。キリスト教の贖罪意識などもこれに当たるように思え、あまりにも持ちすぎるとかつての日本の自虐史観につながりかねないのでよくないのですが、少々の加害者だと自認する意識は持っといた方が当人にとってもいい気がします。
 たとえ実際に周りに加害行為を行っていないとしても、知らないところで迷惑をかけている、行動を常に慎まなければならないという心持ちは重要でしょう。逆にくどいですが、自分は常に被害者だという被害者意識はどんどんと行動を先鋭化させる可能性があるだけに、可能ならば持たない、損をしても「なんぼのもんじゃい」とあまり気にしない人間であった方が得でしょう。

2024年12月10日火曜日

老人に席を譲らなくなってきた中国

目立った材料はないのにこの1年で「劇的悪化」した中国人の対日感情、背後にあるものの“正体”(JBpress)

 自分の古巣のJBpressの記事ですが、毎度ながら近藤さんの意見は自分も同感です。

 先日の国際調査によると、中国人の対日感情は何故かこの1年で劇的に悪化しています。しかし福島原発処理水の海洋放水直後ならまだしも、この1年間はむしろ目立った日本関連イシューがなかったにもかかわらず去年より悪感情を持つ中国人が劇的に増えました。
 この点についてこの記事のヤフコメを見ると、「調査がおかしい」、「元から日本嫌いの中国人が多かったのだろう」などという意見をよく見ましたが、私としては前述の通り近藤さんの意見と同じくし、「特に根拠はないけど、社会不安からくるイライラを日本批判にぶつけている」というのが真相だと考えています。なんか自分で言ってて後だし孔明っぽいけど

 この辺、今の中国を実際に見ているかどうかでその実感は変わってくるのではないかと思います。度々このブログでも書いていますが中国の現在の不況ぶりは日本の報道では全く伝えきれておらず、また去年の今頃と比べても暗い雰囲気が一層増してきているという感じがします。マジで生活しているだけでもストレスを感じるくらいで、あの開放的だった空気はどこへ行ったのやらと思うほどなんか社会がギスギスしています。

 そんな中国の変化というか気になる点として、あくまで個人の見解ですが、なんか依然と比べて電車やバスの中で老人に席を譲る人が減ったというかいなくなったような感じがします。かつてはそれこそ一番槍を争う猛将らのように、老人が乗り込むや我先に「お席をどうぞ!」と席を譲る人で溢れかえっていましたが、なんかこの1年を振り返るとたまたまその場面に出くわさないだけかもしれませんが、そうした席を譲る行為を全く見た覚えがありません。
 また少子高齢化のせいか、席を譲る若者の数自体も減ってきている様にすら感じます。

 無論私の勘違いかもしれませんが、なんか中国は依然と比べて互助の精神が急速に消失しつつある気がします。なんか電車とか乗っていても周りを気にせず一人で座席スペースを大きく占領する人も増えているし、やたら近くの人と服とかが擦れ合うのを極端に避けようとするなど、対人接触を変な風に避ける人が増えてきたとも感じます。当然、見ていてあまり気分はよくなく自分もストレスがもりもり溜まってきてます。

 もっとも中国のことを日本が言える立場でもなく、何か事件報道が出ると「実名や住所、会社名を出せ!」と、お前が知ったところでどうなるんだよと言いたくなるようなコメントをまき散らす人が依然多いです。なんか自分とは無関係だけど社会的に制裁しないと気が済まない、というより自分のストレスの捌け口に叩いても許されそうな人間を制裁しようとする人が多く、集団メンタルヘルスを日本ももうちょっと強化した方がいいと常に感じています。

 ただ中国に戻すと、現在楚の捌け口に日本が使われ中国政府もそうしたヘイトが向かうことについて何も対策採っていないわけですが、多分このまま放っておけばどんどんヘイトがたまり、ある一点に達したところで中国共産党批判に転換すると確信しています。何故なら失業がなく安定した地位と報酬を得続けているからです。
 それを踏まえて言うと日本にヘイトを向けさせるよりそのヘイトを解消する方向に中国政府も努力すべきでしょうが、なんかその辺の自覚がなく無駄にヘイトを高め続けているように見えます。ただ早けりゃ来年くらいにも大きな事件とか頻発しそうで、あんまり与したくはないけど中国への渡航は危険だと叫ぶ一部日本人の意見には若干同感だったりします。

2024年12月8日日曜日

シリアのアサド政権崩壊の衝撃(;゚Д゚)

 今日は司馬遼太郎になった気分でモンゴルについてモリモリ書こうと思っていた矢先、昨日にも取り上げたシリアで大きな動きがありました。いや大きな動きと言っていいのか、これまで長年独裁を続けてきたアサド政権が一気に崩壊してしまったようです。

 現在出ている情報によるとアサド大統領はすでに首都を脱出しており、その行方は現在わからないとのことです。その首都ダマスカスにも破竹の勢いを続ける反乱軍が押し寄せており、現時点で既存政権崩壊と言ってもいい状態です。今後はどうなるかはまだまだ分かりませんが、ロシアやヒズボラの状態を見る限り短期間でのアサド大統領の復権は絶望的でしょう。
 ちなみに昔のペルソナ2では「騙す粕ソード」って武器がありました。

 シリアの情勢は今後反乱勢力同士で権力争いが起こりまだまだ安定への道は遠いとみられますが、それ以上に今回の政権崩壊の影響を直撃するのはロシアでしょう。ネットでも言っている人がいましたが、ウクライナにこれほど長く時間をかけなければシリアでの影響力をロシアは失わずに済んだと断言でき、プーチン政権への打撃は小さくないと言えます。と言ってもロシアで政権が変わる可能性はないのですが、この結果を見て次期トランプ政権がどう判断するのかが一つの見物です。

 個人的に、ロシアは預金金利が20%を超えているなどとされ、時間はかかったものの経済封鎖の影響がかなり来ているように見えます。またトランプ再選、その停戦仲介を期待してロシアは今年夏から犠牲をいとわぬ攻勢をかけており、これらは「来年早くには戦争が終わる」という前提での行動です。
 これは逆を言えば、「来年以降もまだまだ戦争が続く」ということをロシアはもはや想定していない行動の表れとも言え、その予測を裏切ることは言うまでもなくロシアにとって大きな打撃になり得ます。

 無論、早く停戦すればするほど戦死者は少なくなるので悪いことばかりじゃないですが、仮にロシア有利で停戦した場合は今後も不安の種を残すこととなります。であれば少なくともあともう一年、ロシアをもっと追い込むために米国がウクライナ支援を継続することは価値を持つのではないかと私自身は考えています。
 これをトランプがどう判断するかですが、今回のシリアでの政権崩壊があるかないかはある程度は判断に影響するのではないかと思います。日本国内でも日本政府のウクライナ支援について批判する声も多いですが、ロシアという共通敵を抱えているだけに、日本もある程度の犠牲を覚悟で支援する価値は私は絶対あると思います。それ以上に一方的に攻められているウクライナに対して強く応援したいとともに、耐えて戦い続けるその行動に敬意を覚えます。

2024年12月7日土曜日

ウクライナ戦争が終われば、パレスチナとシリアの紛争は止まるか?

 核ニュースでも報じられていますが、沈静化していたかに見えたシリアで急遽反乱軍が活動を開始し、主要都市を陥落させるなど快進撃を続けています。今後の行く末は読みづらいところですが、アサド政権の後ろ盾であったロシア軍がウクライナ戦争でそれどころでなく、同様にイランもイスラエルの動きから軍を動かし辛いこともあり、政権が崩壊するかまでは分からないですが今しばらくは反政府軍の攻勢が続くのではないかと思います。

 そのシリア同様に予断が許さないというかどうなるのかが全く読めないのがイスラエルの周辺です。すでにパレスチナだけでなくレバノンやイラン国境でもミサイルが飛び交い、ハマスの主要幹部を殺害したことで一時期ほどの活発さは鳴りを潜めたものの、まだまだ次どんな動きになるのかは読めない状態です。

 このシリアとパレスチナの紛争ですが、仮にウクライナ戦争が起きていなければここまでは発展しなかった、それどころか発生もしなかったのではと思うところがあります。特にシリアについては。
 ロシアがウクライナ戦争によって中東方面の影響力を落としたことでこれら地域のパワーバランスは明らかに崩れ、それによって紛争が紛争を呼ぶじゃないですが、あちらこちらで影響が続いています。

 東欧においてもジョージアやハンガリーが親ロシアの動きを見せる一方、アゼルバイジャンにやられっぱなしなのに一切仲介に動かないロシアに業を煮やしたアルメニアは距離感を置き始めており、ウクライナ戦争開始前と後では全く様相が異なっています。

 そこで仮にウクライナ戦争が何らかの形で停戦した場合、これら地域の紛争などは治まるのかが論点となってきます。結論から言えばノーで、この戦争でロシアの軍事力は大幅に落ち、またロシアに対する見かけの強さというか権威も大きく低下しており、前ほどの発言力はもはや得られないでしょう。現実にスウェーデン、フィンランドがNATO加盟入りを決めており、特にフィンランドはロシアと国境を接することから刺激しないよう中立外交を取り続けていましたが、ここにきて明確に反ロシアの姿勢を強めています。

 こうした状況から、中東においてはウクライナ戦争の停戦後もロシアの影響力は弱いままとなり、米国の支援を受けるイスラエルがより活発な動きを見せる可能性の方が高いような気がします。こうした状況下でイランがどう動くのかが結構大きな論点になってくる気がしますが、生憎イランには詳しくないためこの方面は自分には分析できません。

 一方、アジアに関してはロシアが弱まる代わりに中国がプレゼンスを高めそうであるものの、折からの不景気により中国自身がそうも言ってられない状態に確率が高いとみています。この辺で変数となるのはインドと北朝鮮であるように思えますが、地味に地政学的に見ると重要度が高いと思うのはモンゴルだったりします。その辺はまた別の記事で解説します。

2024年12月4日水曜日

昨夜の韓国の戒厳令について

 昨日また夜更かししてネット見ていたら「韓国で戒厳令が発表」という見出しが出てきて、「なんやこの嘘ニュース」とマジで当初思いました。そしたら実際に大統領が戒厳令出していて、しかもそれがわずか数時間で解除というお粗末な結果に終わったので二度びっくりでした。

 一体何故ユン大統領は戒厳令を出すに至ったのか。韓国政治をそこまで見ていないためわかりかねますが結果論的には完全な大失敗で、彼の政治生命はもはや潰えたと言っていいでしょう、韓国野党は内乱罪だと大統領を批判していますが、大衆の社会における自由を大した根拠なく発令した点を考えるとそういわれても仕方なく、また前述の通り数時間で解除された点も正当性を欠いている根拠と言わざるを得ません。

 今後に関しては騒動の余波を受けて次は左派である野党から大統領が出ることはほぼ確実で、日本との外交関係も自分がJBpress時代に散々煮え湯を飲まされてきたムンジェイン政権の再来みたく、また冷え込むかと思います。っていうかJBpressもまた韓国ネタ記事をアップしだすだろうな、めちゃアクセス稼ぐし。

 ただ外交関係が冷え込むのは、日本だけとは限らないと予想します。特にこれからトランプが大統領に再任する米国とは、前回に散々振り回されて最後には韓国と距離を置くようになった張本人がまた出てくるだけに、前以上に険悪化するのではとすら見ています。
 そのトランプですがカナダに関税が嫌なら51番目の州になれと言ったそうですが、同じことをメキシコに言わないあたりはずるいなって気がします。

 また米国に限らず、中国とも関係が悪化するのではないかと思います。悪化するというよりかは最近また中国と韓国がノービザ再開などよりを戻し始めた矢先だっただけに、反転するような感じになるでしょう。特にこのところの中国の韓国接近は北朝鮮への当てつけが主だと言われており、仮にそうだとすると次の韓国左派政権は北朝鮮にすり寄ることが確実で、それによって中国がさらに不機嫌になる可能性もあるとみています。

 どちらにしろ東アジアの状況は今回の戒厳令をきっかけに動くことは確実で、日本としては受け身にならず、前向きにとらえて外交を進めていくのがベターでしょう。具体的には韓国とはちょっと距離を置くことになるでしょうが、その間に台湾との提携をさらに深めるのが一番でしょう。特に半導体のサプライチェーン構築で、うまく中国と韓国を外して日本と台湾で回せる体制が作れたら最良です。実際は難しいけど。

 あと次の韓国政権はまた福島の処理水問題で日本を批判してくるでしょうが、すでに中国もこの批判から降りているので、こちらはさほど影響しないかという気がします。そういう意味では、ユン政権は一時的とはいえいいタイミングにいてくれたなという気がします。

2024年12月3日火曜日

エスコン7でようやくノーマルモードオールS!


 年末セールになっていたので、かねてより本体を買っていたエースコンバット7のダウンロードコンテンツを大人買いし、上の写真のようにトップガン使用のF-14とかもゲットしました。またこれでテンション上がったこともあり、ダウンロードコンテンツステージを遊んだついでに、ノーマルモードのオールSの最後の関門となっていたラストステージに当たるステージ20でSクリアを図りました。

 先週末にオールSで一番障害になると思われていたステージ16でSをゲットしており、最終面もこの調子ならいけそうと思っていたのですがこれがなかなかてこずり、あんまりやりすぎるとストレスになると思って一旦は切り上げていました。
 しかしダウンロードコンテンツを買って盛り上がっており、勢いが何でも大事と思う性分ゆえ果敢に挑戦してみたところ、最初はなかなかうまくいかずにAランククリアが何度も続きました。機体は当初買ったばかりのどっからどう見てもSu-57だけど、トップガンに倣って「5th Genelation」という表記になっている機体で何度も試しましたがあまり上手くいかず、ラスボスの高い機動に対抗するため、こう誘導ミサイルを備えたSu-30SMで挑んだところ割とうまく倒せ、最後の難関にあるトンネルくぐりもスパっとクリアでき、見事Sランクをゲットしました。

 思えば6年ほど前、友人に「飛行機好きならエースコンバット買えばいいじゃないですか」と言われ、ずっと気になりながらもパソコンのスペック不安から今年になるまで買わず、今年になって買うやマジでやりこむくらいにはまり、やはり自分は戦闘機好きだったんだと再認識させられたゲームでした。マジで今までのシリーズを遊ばなかったことを後悔しています。

 オンライン対戦も中国にいながら遊べますが、まだ自分の腕は成長途上というか、ソロプレイで遊んでいても日々上達を感じるのであんまり参加はしていません。ただ過去に参加した際はラファールを使い、特殊兵装に超遠距離ミサイルことLAAMをいつも使ってましたが、マジでこのLAAMは凶悪というか完全なアウトレンジから不意を突くように一撃で敵機落とせるので、なんか食らわせた相手に申し訳ない気持ちにさせられます。まぁ便利だから今後も使うけど。

 いやそれにしてもいい感じの脱力感というか、一つの目標を無事達成できてほっとしています。ハードモードのオールSはさすがに狙うとストレスたまりそうなので考えていませんが、ハードモードで全ステージを一度はクリアしようと考えており、これが次の目標になりそうです。
 まぁその前に割と難しかったダウンロードコンテンツステージをクリアしないと。っていうか最初のステージだと途中でミサイル使いきるくらいの大量の空戦あってビビった(;´・ω・)

2024年12月1日日曜日

中国のお茶の温度

 先日、前に買った中国茶の茶葉が切れたので割と高い(100元=2000円/100グラム)のウーロン茶の茶葉を買って今さっき飲んでいますが、高かっただけあっておいしいです。せっかくの中国茶葉だからと同僚にもらった中国風みなマグカップを使って飲んでいますが、何が中国風味なのかというと茶こしがそのままついている点です。

 中国のマグカップにはカップの口にかぶせる茶こしが付いたものが多く、その茶こしに茶葉を入れて直接マグカップにお湯を注いで飲むというスタイルがあります。これだと急須入らなくなるのですが、急須を介さず直接お湯を注ぐため湯音はめちゃ高く、飲み始めるまでにはいったん間を置く必要があります。

 このカップに直接お湯を注ぐスタイルは最近の中国だと中高年ほど好むそうで、これより下の層になると急須を用いる、特にちゃんとしたスタイルで飲む場合は急須で茶葉につけた後、間にもう一回熱さまし用の急須を挟んでから茶碗に入れるというスタイルが好まれるそうです。このスタイルだと初めから湯音は適温となっているためすぐ飲めます。
 これよりさらに下の年齢層になると、もはや急須などを介さず、コンビニでペットボトルのお茶を買ってきて直接飲む……という風に、年代別に茶飲スタイルの違いを紹介する動画をこの前見たのですが、あながち間違っていないというか、お茶の湯音に関しては若い層ほど低くなる傾向は確かにあります。

 それこそ一昔前の中国では、そもそもお茶以外でも冷たい飲み物を飲む習慣はなく、ペットボトル飲料も冷蔵庫に入れられていないのが普通でした。ビールも今でもお店では常温の分が取り置きされています。
 そんな中国でしたが時代とともに清涼飲料を消費するようになり、以前と比べても冷たい飲み物に抵抗を示す人はほとんどいなくなりました。自分は日本で生まれ育っているだけに夏場を含め飲み物、特にコーラなどは冷たい方がもちろんいいと思っていますが、健康的には中国のオールドスタイルこと常温で液体は摂取した方がいいというのもわかります。多少感化されたのか、冬場はペットボトル飲料は冷蔵庫に入れず、開封前は常温で保存するように私もなっています。

 今後はどうなるかはまだわかりませんが、多分このままいくと常温で飲み物を飲む人自体が中国でもさらに減っていくように思います。お茶に関してもどんどん温度が下がり、最初に紹介した茶こし付きマグカップもさらに減っていくかもしれません。