先日、ネットのまとめ掲示板にて過去に起きた様々な航空事故を取り上げた記事があり、興味深く読む機会がありました。日本で航空事故というと御巣鷹山墜落事故がよく取り上げられますが世界中にはこれに負けず劣らず十分注目に値する大きな事故例がたくさんあり、それらの事故例から何を学び次への教訓へと生かすかというのがこの業界においてどれだけ大事なのかと読んでてつくづく学ばせられる記事でした。
その記事に影響されたこともあり読後に自分でも調べ始めたのですが、航空事故というのはどれもほんの些細な不具合、ミス、整備不良から大きなトラブルへと発展し、乗り合わせたパイロットたちはそれらの原因を突き止める手段すらないまま事故機の操縦を迫られるケースが多いです。状況的には圧倒的逆境ともいえ、後に判明した事故原因を見るだに事故死した乗客、並びにパイロットたちにはその不憫さをつくづく思い知らされます。
しかしそうした圧倒的逆境下において、パイロットの見事な判断や操縦によって奇跡的に死傷者の発生を食い止めた事例も少なからず存在します。折角調べたこともあるので、ちょっとしばらくはこうした危機を切り抜けた名パイロットたちが登場する航空事故例を紹介していこうと思います。
1、リーブ・アリューシャン航空8便緊急着陸事故(1983年)
事故内容:プロペラのぶっ飛び 乗客乗員数:15人
アラスカ州とワシントン州の定期路線を結ぶ同便はその日もいつものように離陸していつものように空路を飛んでいましたが、離陸から間もなくどこから異音が聞こえたため機長は機関士に客室の窓からエンジンの様子を確かめるよう指示しました。機関士と客室乗務員がエンジンを見ようとしたまさにその時、第四エンジンのプロペラが吹っ飛び、あろうことかそのまま飛行機本体に直撃して客室通路に50cmもの穴が空くという事態に陥りました。機内に穴が空いたことによって機内では空気が洩れると共にあっという間に霧が立ち込め、また機体も受けたダメージによって操作系統に障害が起こり、機体が右に傾きだすも操縦桿が反応せず姿勢すら維持できない状態に陥りました。
この際、機長は咄嗟に自動操縦へと切り替えたことによって姿勢はなんとか復元し、エンジン制御すらままならない中で管制と連絡を取り合って近くの空港へと飛行し、着陸アプローチまでどうにか持っていきました。着陸に入る際、それまで反応しなかった操縦桿が奇跡的に復元し、一度目は降下角度が作れず断念したものの、二度目の着陸は非常ブレーキなどを活用して見事に着地してのけ乗員乗客全員が無事に生還することとなりました。
事故原因はわからずじまいだったものの最後に操縦桿が復元した理由については判明しており、プロペラ直撃によってひしゃげたフレームが操縦桿とつながるケーブルを挟み込んだため反応しなくなったものの、飛行中にパイロットらが押したり引いたりしているうちにケーブルが隙間に動いたことによって復元したとのことです。
2、アメリカン航空96便貨物ドア破損事故(1972年)
事故内容:貨物ドアぶっ飛び 乗客乗員数:67人
デトロイトからバッファローへ向かって飛び立った同便も離陸からしばらくはいつも通り特に問題なく飛行していたものの、突然機体後方で大きな音が鳴ったかと思うや着座していたパイロットたちも大きな衝撃を感じるほど機体は大きく揺れました。客室では後方に設けられた床が陥没して穴が空き、数人の客室乗務員がその穴に落ちたものの救出されましたが、この際に通常なら見えるはずのない夕焼けの光を目撃しています。
原因は貨物ドアが空中で吹っ飛んだことにありました。この機体の貨物ドアには欠陥があり完全にロックされていないにもかかわらずロックされたように見えてしまう要因があり、半ドア状態のまま離陸してしまっため空中での衝撃に耐えられなくなり吹っ飛んだわけでした。なおメーカーのマグドネル・ダグラスは事故後もこの欠陥に対する対策を怠り、二年後にロッキード事件で購入がキャンセルされた機体でトルコ航空DC-10パリ墜落事故を起こしております。
話は戻しますが事故発生によって機体は右に大きく傾き、また操作系統にも異常が発生して方向、エンジン制御もままならない状態となりました。このような状況下で機長は補助翼とエンジン推力を駆使して機体を維持し、出発したデトロイト空港へと戻ると滑走路から少しはみ出したものの無事着陸にも成功して乗員乗客全員が無事に生還を果たしました。
3、ブリティッシュ・エアウェイズ5390便不時着事故(1990年)
事故内容:窓ガラスぶっ飛び、機長頭出し 乗客乗員数:81人
イギリスからスペインへ向かうため飛び立った同便ですが離陸から十数分後、飛行も安定してきてやれ一安心と思ったその瞬間、突然の爆発音とともにコックピットの窓ガラスが吹き飛びました。高空での空気が機内へ一気に入り込み一瞬で深い霧が発生するとともにコックピットでは激しい風が吹き込みだすのですが、なんとこの際にティム・ランカスター機長が空いた穴に吸い込まれ機体の外へと引っ張り出されてしまいました。
幸いというかなんというか膝が操縦桿に引っかかって上半身が飛び出たところで踏ん張ったものの、機体の外はマイナス何十度もの低温かつ機体の飛行に伴う凄まじい風圧が襲う上、呼吸すらままならないほど薄い空気という最悪の条件でした。このコックピットの異変に対し客室乗務員のナイジェル・オクデンは咄嗟にランカスター機長のベルトを掴んで彼の全身が吸い出されないよう抑え、その間に副機長が操縦を自動操縦に切り替え姿勢を復元し、風によって管制との通信がほとんど聞き取れない中で緊急着陸先のサウサンプトン空港へと目指しました。
機体は不安定ながらもなんとか操縦はできたものの、窓の外へと吸い出されたランカスター機長を引っ張り込むことはできずにいました。しかも吸い出す力が強い上に凍傷になるほど極寒の風が吹きすさぶため機長を掴んでいたオクデンの負担も大きく、途中でとうとうその手を放してしまいました。そのまま全身が吸い出されるかと思われたランカスター機長でしたが窓を挟み込むように体をくの字に曲げたことによって何とか持ちこたえ、その間に別の客室乗務員二人が再びその体を抑えつけました。もちろんこの間も機長の上半身はずっと外に出たままで、しかも気流を受けて窓ガラスにバンバンと音を鳴らしながら何度も頭を打ち就けづ受け、生きてるのか死んでるのかもよくわからない状態だったそうです。
このような壮絶な状況下にも拘らず副機長は空港へと機体を持っていき、事故発生から約20分後にサウサンプトン空港滑走路へ無事に着陸を果たしました。着陸完了後、乗客らが空港へ降ろされる中でランカスター機長もレスキュー隊に救出され、凍傷や複数個所の骨折をしていたもの命はあり、彼も奇跡的な生還を果たしました。
事故の原因はコックピット内の窓ガラスを締めるボルトにあり、事故直前に交換された窓ガラスに対して規格とは異なるボルトが多数使われていたことで強度不足となり、吹っ飛んだそうです。しかも整備の際にこのボルト種類などがきちんと確認されておらず、不適切な状態のまま飛んだことによって大きな事故となりました。
この事故で何がすごいかって、言うまでもないですがランカスター機長でしょう。物凄い高空をこれまた物凄い速度で飛ぶ飛行機の上で上半身を晒したまま約20分間飛び続けて生還するなんて、なんかのギネスレコードになるんじゃないかとすら思える水準です。しかも更にすごいのがこの機長、この事故から半年も経たないうちに職場復帰し、そのまま定年まで空を飛び続けたって言う点です。ダイハードもびっくりなタフネスぶりですが、その辺の過程は以下の記事にも書かれているので興味ある方は是非一読ください。
・コックピットの窓が吹き飛び、機長の半身は機体の外に...でも、全員生還!(ギズモード・ジャパン)
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2015年11月28日土曜日
2015年11月25日水曜日
トルコのロシア軍機撃墜について
他にも書きたいネタがあるという時に限ってなんでこういう事件起きるんだろうと思いつつ取り上げますが、昨日トルコ軍は再三の警告にもかかわらず領空侵犯を続けたロシア軍機を撃墜したと発表しました。
現時点の報道によると領空侵犯をしていたのは二機で、このうち一機は警告を受けて離脱したものの1機はなおも侵犯を続けたため撃墜されたとされます。ロシア側はあくまでシリアの領空を飛んでいたと主張しているものの米国をはじめとする周辺各国はそれぞれの観測結果を見る限りトルコ側の主張の通りだと述べており、私も恐らくその通りだと思います。
撃墜されたロシア軍機のパイロットは機体から脱出したものの、シリア領内の武装勢力によって射殺され(空中でとの報道も)、また救出に向かったロシア軍のヘリコプターも襲われこの際にも一人殺害されたとされます。
ロシアのプーチン大統領はこの事件についてトルコに対し厳重な抗議を行い、対するトルコ側も領空侵犯とトルコ・シリア国境近くへの空爆に強く抗議し返しています。既に報復も検討していると明らかにするロシアに対して米国などの第三国は両国に対して落ち着いた対応を取るよう求めているものの、現時点ではなお非難合戦が続いています。
この事件について昨日早速上海人から電話でコメントを求められたのですがコメントとしましては「ロシアはやはり危険な国で、日本や中国もおちおち安心していられない。むしろ対ロシアについてはもっと協力すべきじゃないか」と、述べました。ロシアは昨年クリミアに侵攻したことは記憶に新しく、また過去の歴史をさかのぼっても条約なんてなんのそのとばかりに平気で破って侵攻してくるわ、抑留するわで、中国には「虎狼之国」という表現がありますがまさにロシアがこれにぴったりだと私は考えています。
特にプーチン政権になって以降は経済力の高まりと共に強引な行動に出ることが増えており、ロシア国内での高い支持率に支えられていることもあってかその権力は絶大で、こうした外交問題が起きたところで国内で引き摺り下ろされたりすることはほぼないでしょう。私自身はロシア人とそれほど絡んだ経験は多くはないですが、いろいろ話に聞く限りだと非常に刹那的というか自分の命を大事にしない分、他人の命も大事にみないような部分があるように感じられ、だからこそ突然恐ろしい行動を平気で実行してくるのかなと考えています。
そんな分析してるもんだからロシアに対する警戒感は多分、日本人の中でも私は相当高いと思います。このブログでも何度も書いていますがよく中国は何する変わらないため危険だと多くの日本人は言いますが、ロシアの方がもっと何するかわからなくないかと声を大にして言いたいです。日本なんかはまだ海挟んでるからいいけど、中国なんか陸続きからロシアに対しては本気で怖がっているように見えるし。
それだけに今回の撃墜事件を受け、シリアでのロシアの軍事行動に歯止めをかけるきっかけにすべきではないかと密かに考えています。ロシアはアサド政権に対して支援しており反政府軍へ空爆を行っているようですが、それに対してNATOや米国は反アサド政権派を支援していてなんか昔の冷戦みたいな構造となっており、それ故にシリアの内戦も長引きISISが跋扈する余地も生まれています。それこそシリア領内でISIS以外への空爆は完全禁止という形に持っていかないと収拾がつきません。まぁそれができればとっくに……ってところなんですが。
それにしてもシリアで内戦が始まった際、これほどまでに周辺各国、並びに先進国まで巻き込む事態になるとはだれも予想しなかったでしょう。アラブの春によってイスラム世界各国では政権崩壊が続きましたが、最初に焼身自殺した若者からここまで発展していくとはだれも予想していなかった当たり国際政治の複雑さをかみしめられます。
現時点の報道によると領空侵犯をしていたのは二機で、このうち一機は警告を受けて離脱したものの1機はなおも侵犯を続けたため撃墜されたとされます。ロシア側はあくまでシリアの領空を飛んでいたと主張しているものの米国をはじめとする周辺各国はそれぞれの観測結果を見る限りトルコ側の主張の通りだと述べており、私も恐らくその通りだと思います。
撃墜されたロシア軍機のパイロットは機体から脱出したものの、シリア領内の武装勢力によって射殺され(空中でとの報道も)、また救出に向かったロシア軍のヘリコプターも襲われこの際にも一人殺害されたとされます。
ロシアのプーチン大統領はこの事件についてトルコに対し厳重な抗議を行い、対するトルコ側も領空侵犯とトルコ・シリア国境近くへの空爆に強く抗議し返しています。既に報復も検討していると明らかにするロシアに対して米国などの第三国は両国に対して落ち着いた対応を取るよう求めているものの、現時点ではなお非難合戦が続いています。
この事件について昨日早速上海人から電話でコメントを求められたのですがコメントとしましては「ロシアはやはり危険な国で、日本や中国もおちおち安心していられない。むしろ対ロシアについてはもっと協力すべきじゃないか」と、述べました。ロシアは昨年クリミアに侵攻したことは記憶に新しく、また過去の歴史をさかのぼっても条約なんてなんのそのとばかりに平気で破って侵攻してくるわ、抑留するわで、中国には「虎狼之国」という表現がありますがまさにロシアがこれにぴったりだと私は考えています。
特にプーチン政権になって以降は経済力の高まりと共に強引な行動に出ることが増えており、ロシア国内での高い支持率に支えられていることもあってかその権力は絶大で、こうした外交問題が起きたところで国内で引き摺り下ろされたりすることはほぼないでしょう。私自身はロシア人とそれほど絡んだ経験は多くはないですが、いろいろ話に聞く限りだと非常に刹那的というか自分の命を大事にしない分、他人の命も大事にみないような部分があるように感じられ、だからこそ突然恐ろしい行動を平気で実行してくるのかなと考えています。
そんな分析してるもんだからロシアに対する警戒感は多分、日本人の中でも私は相当高いと思います。このブログでも何度も書いていますがよく中国は何する変わらないため危険だと多くの日本人は言いますが、ロシアの方がもっと何するかわからなくないかと声を大にして言いたいです。日本なんかはまだ海挟んでるからいいけど、中国なんか陸続きからロシアに対しては本気で怖がっているように見えるし。
それだけに今回の撃墜事件を受け、シリアでのロシアの軍事行動に歯止めをかけるきっかけにすべきではないかと密かに考えています。ロシアはアサド政権に対して支援しており反政府軍へ空爆を行っているようですが、それに対してNATOや米国は反アサド政権派を支援していてなんか昔の冷戦みたいな構造となっており、それ故にシリアの内戦も長引きISISが跋扈する余地も生まれています。それこそシリア領内でISIS以外への空爆は完全禁止という形に持っていかないと収拾がつきません。まぁそれができればとっくに……ってところなんですが。
それにしてもシリアで内戦が始まった際、これほどまでに周辺各国、並びに先進国まで巻き込む事態になるとはだれも予想しなかったでしょう。アラブの春によってイスラム世界各国では政権崩壊が続きましたが、最初に焼身自殺した若者からここまで発展していくとはだれも予想していなかった当たり国際政治の複雑さをかみしめられます。
2015年11月24日火曜日
大阪ダブル選挙の選評
ちょっと日が空いたけど先週末に行われた大阪ダブル選挙について私なりの選評を書いてきます。結論から述べると予定調和の選挙でどなたにとってもハッピーな結果だったんじゃないでしょうか。
最初にお断りというか言い訳を書いておくと政治好きだと標榜しながら今回の選挙は事前にあまりチェックしてきませんでした。なんでチェックしなかったのかというと単純に興味が持てなかったのと、どこもそれほど真面目に選挙戦やっているように見えなかったからです。選挙結果は報道されている通り橋下代表が率いる方の維新の会メンバーこと前職の松井知事が再選を果たし、いくつかのニュース記事には名前も出て来ない方が市長に受かりましたが、この選挙で一番肝心なのは案外ここじゃないかという気がします。
この名前の出てこない受かった市長といい、自民党候補も全く知名度のない人物が立候補しており、維新の会はまだともかくとして自民党の方は初めから真面目にこの選挙をやる気がなかったのではと言いたいわけです。
報道では自民党の選挙対策部は選挙協力に応じなかった公明党に対して非常に怒っているなどと書かれていますが、率直に言って私はこれらの報道を疑っております。というのも安倍首相を中心とした自民党執行部はこのところ橋下代表率いる維新の会を応援しているかのような節があり、彼らが現在進めている民主党を解党した上での合流を望んでいるかのような態度が見られるからです。
何故自民執行部が橋下市長を応援するのかその理由を推察すると、一番大きいのは衛星野党を作ることと見て間違いないでしょう。衛星野党というのは私の造語ですが、要するに与党と対決する姿勢を示しながら裏では政策協力、投票協力に応じるような野党の事で、安全保障や憲法改正などの点で選挙協力をやらせる代わりにそこそこ彼らの意見も取り上げる、場合によっては連立に組み入れることなども視野に入っているかもしれません。そうした野党を橋下代表を中心にしてつくらせようっていうのは真の腹ではないかと思ってるわけです。
そのような方針であることからこの大阪ダブル選挙も、元々が維新の地盤でもあるということだし本気でやる気は最初からなかったでしょう。世間の注目も初めから薄かったですがそれは自民党自身が選挙活動を熱心にしてなかったこともあるように思えますし、とりあえず候補だけ立てて選挙しているように見せればよかったのかもしれません。
メディアの方はどういう風に見ていたかは計りかねますが、どこも得票率を大きく取り扱わず「維新圧勝」という文字ばかり書いてた点に奇妙さを感じました。もっとも投票率は前回選挙時と比べると明らかに落ちてて、いくら受かったとはいえ維新の会への支持は以前に比べると確実に落ちているように見え、今回の選挙も維新を応援してというよりほかにまともな候補がいないからという消極的な投票結果だったと見るべきでしょう。
あと維新の会が掲げる大阪都構想ですが、前回の住民投票の結果といい現段階でもこの政策については府民の支持は低いままなのではないかと見えます。今回の選挙でも詳細な説明は省いていたようですし、この選挙結果を受けて見直されていると考えるのはちょっと大袈裟でしょう。何がいいたのかというと、国政選挙に出ても今の維新の会では予想以上に議席は取れないと思うって言いたいわけです。民主党を吸収したとしても、です。
ましてや地元大阪ですら地盤沈下が進んでるわけですし、全国での維新の会への支持はますます下がっているように思え、橋下代表はその辺をどう考えているのかメディアは単刀直入に聞かないのかなぁって思えてなりません。もっともほかにまともな野党もないし、自民党が安倍首相の後継でミス人事をしない限りはこのまま自民一興が続くのかなと思えます。
最初にお断りというか言い訳を書いておくと政治好きだと標榜しながら今回の選挙は事前にあまりチェックしてきませんでした。なんでチェックしなかったのかというと単純に興味が持てなかったのと、どこもそれほど真面目に選挙戦やっているように見えなかったからです。選挙結果は報道されている通り橋下代表が率いる方の維新の会メンバーこと前職の松井知事が再選を果たし、いくつかのニュース記事には名前も出て来ない方が市長に受かりましたが、この選挙で一番肝心なのは案外ここじゃないかという気がします。
この名前の出てこない受かった市長といい、自民党候補も全く知名度のない人物が立候補しており、維新の会はまだともかくとして自民党の方は初めから真面目にこの選挙をやる気がなかったのではと言いたいわけです。
報道では自民党の選挙対策部は選挙協力に応じなかった公明党に対して非常に怒っているなどと書かれていますが、率直に言って私はこれらの報道を疑っております。というのも安倍首相を中心とした自民党執行部はこのところ橋下代表率いる維新の会を応援しているかのような節があり、彼らが現在進めている民主党を解党した上での合流を望んでいるかのような態度が見られるからです。
何故自民執行部が橋下市長を応援するのかその理由を推察すると、一番大きいのは衛星野党を作ることと見て間違いないでしょう。衛星野党というのは私の造語ですが、要するに与党と対決する姿勢を示しながら裏では政策協力、投票協力に応じるような野党の事で、安全保障や憲法改正などの点で選挙協力をやらせる代わりにそこそこ彼らの意見も取り上げる、場合によっては連立に組み入れることなども視野に入っているかもしれません。そうした野党を橋下代表を中心にしてつくらせようっていうのは真の腹ではないかと思ってるわけです。
そのような方針であることからこの大阪ダブル選挙も、元々が維新の地盤でもあるということだし本気でやる気は最初からなかったでしょう。世間の注目も初めから薄かったですがそれは自民党自身が選挙活動を熱心にしてなかったこともあるように思えますし、とりあえず候補だけ立てて選挙しているように見せればよかったのかもしれません。
メディアの方はどういう風に見ていたかは計りかねますが、どこも得票率を大きく取り扱わず「維新圧勝」という文字ばかり書いてた点に奇妙さを感じました。もっとも投票率は前回選挙時と比べると明らかに落ちてて、いくら受かったとはいえ維新の会への支持は以前に比べると確実に落ちているように見え、今回の選挙も維新を応援してというよりほかにまともな候補がいないからという消極的な投票結果だったと見るべきでしょう。
あと維新の会が掲げる大阪都構想ですが、前回の住民投票の結果といい現段階でもこの政策については府民の支持は低いままなのではないかと見えます。今回の選挙でも詳細な説明は省いていたようですし、この選挙結果を受けて見直されていると考えるのはちょっと大袈裟でしょう。何がいいたのかというと、国政選挙に出ても今の維新の会では予想以上に議席は取れないと思うって言いたいわけです。民主党を吸収したとしても、です。
ましてや地元大阪ですら地盤沈下が進んでるわけですし、全国での維新の会への支持はますます下がっているように思え、橋下代表はその辺をどう考えているのかメディアは単刀直入に聞かないのかなぁって思えてなりません。もっともほかにまともな野党もないし、自民党が安倍首相の後継でミス人事をしない限りはこのまま自民一興が続くのかなと思えます。
2015年11月22日日曜日
野田聖子議員の問題ある見識
・呆れた不見識…野田聖子氏の「南シナ海は関係ない」発言に批判の嵐(産経新聞)
もう少し大きく扱われるのかと思っていたら上記の産経以外あまり取り上げようとしないこのニュース。内容はリンク先を見てもらえばわかりますが、現在中国が出張って埋め立てやり始めて緊張が高まっている南シナ海問題について自民党の野田聖子議員は、「日本には関係ないのだから関わらない方がいい」というとんでもない見識を披露してくれました。
この見識が如何に問題があるかについては記事中でも指摘されている通りに、南シナ海は日本にとって石油などの重要物資のシーレーンでもありひとたび事が起これば大きな影響を受けかねない地域です。また尖閣諸島での問題と合わせて近年における中国のむやみやたらな拡張主義を抑えるためにも、近隣諸国が一致団結して領土線の変更を認めないという姿勢を見せることこそ日本の利益にも叶いうるだけに、何をどういう理屈でこんなことを突然言い始めたのか本気で理解に苦しみます。まぁ単純に頭の中すっからかんだというのが実際の所でしょうけど。
前からもこのブログで主張していますが、私はこの野田議員が大嫌いです。
そもそもこの人は親のコネで帝国ホテルに入り、親の地盤を引き継いで議員になるなど何一つ自分の力で達成しておらず、議員となった後も何かこれという功績を遺したことはおろか独自の政策論を作ったことすらありません。どれだけこの人に中身がないのかについては、郵政選挙後に郵政民営化法案に選挙中の公約とは真逆に賛成票を投じた点を一つとっても保身しか頭にないということが伺えます。
もっとも保身ともう一つ、無駄に功名心があるというからなおさら始末に置けません。上記のように政治家としてというか一市民としても同化と思える人物ながらもマスコミなどから、「初の女性首相候補」などと書かれて本人も浮かれてか先の自民党総裁選に立候補しようなどと身の程知らずも大概といったところでしょう。しかもその総裁選に向けて独自の政策論は何も全く作れておらず、「政治家として果たしたい政策はないけど総理になりたい」などという理解不能な行動を取っています。
先ほどから非常に激しい言葉で罵り続けていますが、これだけ私が罵るのもこの人を総理はおろか議員にしては絶対にいけない人物だからだと思うからです。これまでの経歴や発言一つとっても政治家として致命的な欠陥を抱えていることは明白ですが、何故だか日本のマスコミは先ほども書いた「日本初の女性首相候補」などと持ち上げてて「一体何故なんだ!?」と中国からでも怒鳴りたくなるような紹介の仕方をしています。最初の南シナ海に対する発言も2週間以上経過したにもかかわらずまともにツッコんでいるのは産経新聞位で、普通に考えれば議員辞職要求が出てもおかしくないような失言なのにマスコミも野党もやけにダンマリ決め込みます。仮にほかの男性議員だったらこうもいかなかったと思うだけに日本のマスコミ、特にさっきの女性首相候補云々を書いた記者はもうこの世界には関わるなと言いたいです。
更にこう言っては悪いですが、この野田議員といい小渕優子議員といい明らかに欠陥を抱えた人間が親の力とかで間違って議員になったりするもんだから女性の社会進出は遅れるのではとすら思います。以前にも書きましたが、本当にやる気があって実力のある女性ではなく無駄に目立ちたがり屋な無能な女性が変な力で目立つ地位に立っちゃうもんだから男性の側も「これだから女性は」と感じてしまうような気がします。女性を応援するのと、おかしな女性を応援するのは全く以って真逆のベクトルなだけにメディアもこの辺しっかり叩けよと、いいたいことだけ書いて筆をおきます。
もう少し大きく扱われるのかと思っていたら上記の産経以外あまり取り上げようとしないこのニュース。内容はリンク先を見てもらえばわかりますが、現在中国が出張って埋め立てやり始めて緊張が高まっている南シナ海問題について自民党の野田聖子議員は、「日本には関係ないのだから関わらない方がいい」というとんでもない見識を披露してくれました。
この見識が如何に問題があるかについては記事中でも指摘されている通りに、南シナ海は日本にとって石油などの重要物資のシーレーンでもありひとたび事が起これば大きな影響を受けかねない地域です。また尖閣諸島での問題と合わせて近年における中国のむやみやたらな拡張主義を抑えるためにも、近隣諸国が一致団結して領土線の変更を認めないという姿勢を見せることこそ日本の利益にも叶いうるだけに、何をどういう理屈でこんなことを突然言い始めたのか本気で理解に苦しみます。まぁ単純に頭の中すっからかんだというのが実際の所でしょうけど。
前からもこのブログで主張していますが、私はこの野田議員が大嫌いです。
そもそもこの人は親のコネで帝国ホテルに入り、親の地盤を引き継いで議員になるなど何一つ自分の力で達成しておらず、議員となった後も何かこれという功績を遺したことはおろか独自の政策論を作ったことすらありません。どれだけこの人に中身がないのかについては、郵政選挙後に郵政民営化法案に選挙中の公約とは真逆に賛成票を投じた点を一つとっても保身しか頭にないということが伺えます。
もっとも保身ともう一つ、無駄に功名心があるというからなおさら始末に置けません。上記のように政治家としてというか一市民としても同化と思える人物ながらもマスコミなどから、「初の女性首相候補」などと書かれて本人も浮かれてか先の自民党総裁選に立候補しようなどと身の程知らずも大概といったところでしょう。しかもその総裁選に向けて独自の政策論は何も全く作れておらず、「政治家として果たしたい政策はないけど総理になりたい」などという理解不能な行動を取っています。
先ほどから非常に激しい言葉で罵り続けていますが、これだけ私が罵るのもこの人を総理はおろか議員にしては絶対にいけない人物だからだと思うからです。これまでの経歴や発言一つとっても政治家として致命的な欠陥を抱えていることは明白ですが、何故だか日本のマスコミは先ほども書いた「日本初の女性首相候補」などと持ち上げてて「一体何故なんだ!?」と中国からでも怒鳴りたくなるような紹介の仕方をしています。最初の南シナ海に対する発言も2週間以上経過したにもかかわらずまともにツッコんでいるのは産経新聞位で、普通に考えれば議員辞職要求が出てもおかしくないような失言なのにマスコミも野党もやけにダンマリ決め込みます。仮にほかの男性議員だったらこうもいかなかったと思うだけに日本のマスコミ、特にさっきの女性首相候補云々を書いた記者はもうこの世界には関わるなと言いたいです。
更にこう言っては悪いですが、この野田議員といい小渕優子議員といい明らかに欠陥を抱えた人間が親の力とかで間違って議員になったりするもんだから女性の社会進出は遅れるのではとすら思います。以前にも書きましたが、本当にやる気があって実力のある女性ではなく無駄に目立ちたがり屋な無能な女性が変な力で目立つ地位に立っちゃうもんだから男性の側も「これだから女性は」と感じてしまうような気がします。女性を応援するのと、おかしな女性を応援するのは全く以って真逆のベクトルなだけにメディアもこの辺しっかり叩けよと、いいたいことだけ書いて筆をおきます。
正直者は何を見る
このブログには度々私の友人である上海人が出てきますが今日はその彼のお話し。
彼は私と同じ大学のゼミ同期生で、正確には元々学年は一つ違っていましたが私が中国留学のため一年間休学したので復学後に同学年となり、ゼミも一緒となりました。同じ学年なもんだから卒業ももちろん一緒で、就職活動の時期も同じだったのですがこの時のことについて後年、度々彼と話すある話題がありました。
私はお世辞にも就活上手とは言えず、決して景気が悪くない時期であったものの書類選考を含めて百社は落ちておりそこそこ苦労はしたのですが、上海人も順風満帆にとはいかず、大手企業とされるところには全部お断りされてしまいました。その中でもある大手電機メーカーには最終面接までこぎつけたもののそこで落とされてしまったのですが、この原因について面接時のある質問に対する回答が原因だろうと彼は分析しております。
それはどんな質問だったのかというと、「将来、中国に帰りたいですか?」というものでした。この質問に上海人は、「出来れば、中国の赴任地で働かせてもらえるとありがたいです」と答えたのですが恐らくこれが命取りとなったと分析しており、私も彼の考えに同感です。
基本的に日系企業の面接は服従と肯定しか許されないのは言わずもがなで、さっきの質問時には「日本に骨をうずめる気持ちで働きます」とか、「仕事がある限りは日本でずっと頑張るつもりです」などと答えていればOKだったことでしょう。上海人自身もそういう日本の価値観を理解していながらもこの時は敢えて正直な気持ちを出したところ落とされてしまったわけです。
本人もこの時の体験は相当衝撃が大きかったのかお互い社会人になって昼間から上海のバーで飲み合ったりする際、大体年に一回はこの話題を持ちだしていました。数ヶ月前に会った際も話題になり上海人は、「あの時、もし別の言い方をして受かっていれば僕の人生はどうなっていたんだろうか」という風に洩らし、それに対して私はこう応じました。
花園「そうだよね。なんせあの、シャープだしな( ・∀・)」
上海「せやでほんま。きっと今頃僕はリストラされてるか転職迫られてるかで安定なんてしてられへんかった。危なかったわ(;><)」
念のため言っておきますが別に作っているわけでなくこれら全部事実です。友人が最終面接までこぎつけたシャープは現在経営再建中、というよりマグロの解体中で大量のリストラはもとより若手社員の流出も続き今後の先行きもよっぽどの名経営者かスーパーな発明が出ない限りはある程度見えてきているでしょう。
少なくとも自分が直接見聞きした中ではりこれほど見事な「塞翁が馬」ともいうべきエピソードは見当たらず、なんというかやっぱ人生は正直でいる方が日が当たるんだなと思えてきます。言い方変えて意地悪な言い方すると、正直な気持ちを吐露する人間より心にもないこと言う人間ばかり採ってたからこうなったんじゃないかな。
彼は私と同じ大学のゼミ同期生で、正確には元々学年は一つ違っていましたが私が中国留学のため一年間休学したので復学後に同学年となり、ゼミも一緒となりました。同じ学年なもんだから卒業ももちろん一緒で、就職活動の時期も同じだったのですがこの時のことについて後年、度々彼と話すある話題がありました。
私はお世辞にも就活上手とは言えず、決して景気が悪くない時期であったものの書類選考を含めて百社は落ちておりそこそこ苦労はしたのですが、上海人も順風満帆にとはいかず、大手企業とされるところには全部お断りされてしまいました。その中でもある大手電機メーカーには最終面接までこぎつけたもののそこで落とされてしまったのですが、この原因について面接時のある質問に対する回答が原因だろうと彼は分析しております。
それはどんな質問だったのかというと、「将来、中国に帰りたいですか?」というものでした。この質問に上海人は、「出来れば、中国の赴任地で働かせてもらえるとありがたいです」と答えたのですが恐らくこれが命取りとなったと分析しており、私も彼の考えに同感です。
基本的に日系企業の面接は服従と肯定しか許されないのは言わずもがなで、さっきの質問時には「日本に骨をうずめる気持ちで働きます」とか、「仕事がある限りは日本でずっと頑張るつもりです」などと答えていればOKだったことでしょう。上海人自身もそういう日本の価値観を理解していながらもこの時は敢えて正直な気持ちを出したところ落とされてしまったわけです。
本人もこの時の体験は相当衝撃が大きかったのかお互い社会人になって昼間から上海のバーで飲み合ったりする際、大体年に一回はこの話題を持ちだしていました。数ヶ月前に会った際も話題になり上海人は、「あの時、もし別の言い方をして受かっていれば僕の人生はどうなっていたんだろうか」という風に洩らし、それに対して私はこう応じました。
花園「そうだよね。なんせあの、シャープだしな( ・∀・)」
上海「せやでほんま。きっと今頃僕はリストラされてるか転職迫られてるかで安定なんてしてられへんかった。危なかったわ(;><)」
念のため言っておきますが別に作っているわけでなくこれら全部事実です。友人が最終面接までこぎつけたシャープは現在経営再建中、というよりマグロの解体中で大量のリストラはもとより若手社員の流出も続き今後の先行きもよっぽどの名経営者かスーパーな発明が出ない限りはある程度見えてきているでしょう。
少なくとも自分が直接見聞きした中ではりこれほど見事な「塞翁が馬」ともいうべきエピソードは見当たらず、なんというかやっぱ人生は正直でいる方が日が当たるんだなと思えてきます。言い方変えて意地悪な言い方すると、正直な気持ちを吐露する人間より心にもないこと言う人間ばかり採ってたからこうなったんじゃないかな。
2015年11月21日土曜日
朝青龍の北の湖理事長への追悼コメント
・元朝青龍 北の湖理事長を悼む「悲し涙が止まらない」(スポニチアネックス)
さっきまでスカイプで話してたので短い記事を一言いれますが、本日元横綱で相撲協会の理事長であった北の湖理事長が亡くなりました。この突然の訃報に各所からコメントが出される中、こちらも元横綱で現役中は北の湖理事長といろいろとやり取りのあった朝青龍ことドルゴルスレン・ダグワドルジ氏のコメントがなかなかに目を引きます。
現役中は北の湖理事長と対立している、仲が良くないなどというようなことも言われてましたが、この突然の訃報に対してリンク先記事の見出しにある「悲し涙が止まらない」とその死を強く悔やむコメントが書かれてあり、見ているこちらもその悲しみが伝わってきそうな言葉で表現されています。
朝青龍はツイッターなどで日本語文書をこれまでも書いて発信しておりますが、彼の日本語会話は外国人でありながらほぼ完璧だと思う水準にあるものの、ツイッターにて出される文書はちょっと拙いというかきちっとした日本語文書になっていないことが多いです。とはいえ外国人でこうやって文書書くだけでも大したものというべきか、そもそも自分も中国語できちんと文書を書く自信がないだけに「下手でもいいから発信するのが大事なんだ」と常々感じさせられるのですが、こと今回の追悼コメントに関してはかえっていい表現になっているような気がします。
追悼コメント中には「悲し涙」という言葉が使われていますがこの言葉はあまり一般的ではなく、こういった場面で使う日本人は多分いないと思います。恐らく音からして「悔し涙」という言葉から感情を表す漢字を置き換えて使ったのではないかと思いますが、あまり見ないだけに新鮮であり斬新で、なおかつ「かなしなみだ」という音も聞いてて悪くありません。
一般的ではない表現、さらに文書の拙さもあってストレートな表現ですが、悲しみを表現する上でこの拙さはかえって伝わりやすい表現ではないかと思います。それだけに今回のコメントからにじみ出る朝青龍の気持ちは見ているこっちも感じやすく、素晴らしいコメントを残してくれたと彼には感謝と共に高く評価する気持ちを送りたいです。
おまけ
朝青龍の現役時代のライバルといったら「青白時代」と一時期言われたように現在も横綱を張っている白鵬関が普通は上がってきますが、実際は横綱審議委員会の内館牧子氏との土俵外のバトルの方が見ていて一番熱かったし、彼の真のライバルだった気がします。またいつかやってくれないかなぁ。
さっきまでスカイプで話してたので短い記事を一言いれますが、本日元横綱で相撲協会の理事長であった北の湖理事長が亡くなりました。この突然の訃報に各所からコメントが出される中、こちらも元横綱で現役中は北の湖理事長といろいろとやり取りのあった朝青龍ことドルゴルスレン・ダグワドルジ氏のコメントがなかなかに目を引きます。
現役中は北の湖理事長と対立している、仲が良くないなどというようなことも言われてましたが、この突然の訃報に対してリンク先記事の見出しにある「悲し涙が止まらない」とその死を強く悔やむコメントが書かれてあり、見ているこちらもその悲しみが伝わってきそうな言葉で表現されています。
朝青龍はツイッターなどで日本語文書をこれまでも書いて発信しておりますが、彼の日本語会話は外国人でありながらほぼ完璧だと思う水準にあるものの、ツイッターにて出される文書はちょっと拙いというかきちっとした日本語文書になっていないことが多いです。とはいえ外国人でこうやって文書書くだけでも大したものというべきか、そもそも自分も中国語できちんと文書を書く自信がないだけに「下手でもいいから発信するのが大事なんだ」と常々感じさせられるのですが、こと今回の追悼コメントに関してはかえっていい表現になっているような気がします。
追悼コメント中には「悲し涙」という言葉が使われていますがこの言葉はあまり一般的ではなく、こういった場面で使う日本人は多分いないと思います。恐らく音からして「悔し涙」という言葉から感情を表す漢字を置き換えて使ったのではないかと思いますが、あまり見ないだけに新鮮であり斬新で、なおかつ「かなしなみだ」という音も聞いてて悪くありません。
一般的ではない表現、さらに文書の拙さもあってストレートな表現ですが、悲しみを表現する上でこの拙さはかえって伝わりやすい表現ではないかと思います。それだけに今回のコメントからにじみ出る朝青龍の気持ちは見ているこっちも感じやすく、素晴らしいコメントを残してくれたと彼には感謝と共に高く評価する気持ちを送りたいです。
おまけ
朝青龍の現役時代のライバルといったら「青白時代」と一時期言われたように現在も横綱を張っている白鵬関が普通は上がってきますが、実際は横綱審議委員会の内館牧子氏との土俵外のバトルの方が見ていて一番熱かったし、彼の真のライバルだった気がします。またいつかやってくれないかなぁ。
2015年11月19日木曜日
中国のファーストフード市場 その2、大手チェーントップテン
ようやく風邪が直りつつあるのか昨夜に比べれば大分体のだるさも取れて記事執筆に迎えます。何というか抵抗力が落ちてたのか昨日は左耳が中耳炎になったのかずっと痛かったし、あと早朝髪の毛を櫛でといていたら何故か根本からバキッて折れるし。櫛を折るなんて人生で初めてだよ……。
・2014年中国快餐连锁十大品牌企业排行榜(中商情報網)
そういうわけで昨日に引き続き中国のファーストフード市場について紹介していきます。今日引用する元記事は上記のリンク先ですが、こちらはビジネス関連情報の記事を発信している「中商情報網」というサイトの記事で、2014年8月に出されたやや古い記事であるものの中国におけるファーストフードチェンのトップテンを独自に選びランクづけています。なお中国の経済メディアは何故だかこういうトップテンとか100強、500強といったランク特集をしょっちゅう組んでおり、ランクをつけるのが明らかに好きであるように感じます。共産党が序列主義だからかな。
などとどうでもいいことはほんとどうでもいいので、早速そのトップテンにランクされたチェーンを下記に列記します。
<中国ファーストフードチェーンのトップテン>
1位 ケンタッキーフライドチキン(肯德基KFC)
2位 マクドナルド(麦当劳)
3位 真功夫
4位 Dico's(ディコス、德克士)
5位 ピザハット(必勝客)
6位 永和大王
7位 麗華
8位 味千拉面
9位 馬蘭拉面
10位 大娘水餃
上記の順位を見た私の感想を述べるならば、恐らくこの順位で大きな間違いはないだろうと行ったところです。中国で生活している私の肌実感でも大体こういう順位というか思い当たるファーストフードチェーンがしっかりと入っているように感じます。
<ケンタッキーのがマクドナルドより多い>
個別解説に移りますが、日本でファーストフードチェーンの王者と言ったらマクドナルド以外の何物でもなく、これに誰も異論を挟む余地がないでしょう。しかし中国ではなんとケンタッキーの方が人気で、実際街歩いていてもケンタッキーとマクドナルドの店舗数で言えば3:1くらいの割合で断然ケンタッキーの方が多いです。
そのケンタッキーですが売っている代物は日本とはこれまで異なっており、日本でお馴染みのフライドチキンが去年まで全く売られずにバーガー系メニューを中心に、手羽先っぽい奴とかフライドチキンとはまた別な唐揚げで、最近だとご飯にお惣菜が付いた定食メニューみたいなのも用意してます。去年の夏ごろからお馴染みのフライドチキンを中国でも売るようになったのですが、なんで今までなかったんだろうかと不安に思いつつこのところはそのフライドチキンを毎週一回は食べに行ってたりします。
マクドナルドのメニューに関しては基本的に日本とも共通していますが、日本オリジナルの「てりやきチキンバーガー」がないかわり、中国オリジナルの「ピリ辛チキンバーガー」みたいなのが用意されています。ケンタッキーでもそうですが売れ筋のメニューはどちらかというとこういった鶏肉を辛めに揚げた具材をバンズ挟んだバーガーで、これは間違いなく中国人の嗜好に合わせたメニューでしょう。また同時に、中国人自体が牛肉を食べ慣れていないことからビーフハンバーグを具材に使ったバーガーがほかの国と比べると勢いが低いのではと推測しています。まぁもちろんビッグマックとか中国人も食べますけどね。
<中国オリジナルのファーストフードチェーン>
3位に入っている「真功夫」は日本人には馴染みが薄いものの、中国ではどこ行っても見かけられるファーストフードチェーンです。ここでは丼物っぽい料理を始めとした中華料理のファーストフードを出しており、スープやおかずがついた定食形式で頼んでからチンして出すのか、マクドナルドのようなカウンターで支払いと受け取りをやって店内で食べたり、持ち帰ったりすることもできます。私自身も何度も利用しており、トラックスーツを着たブルース・リーのロゴは嫌でも目立ち、中国らしいファーストフードとして上手く成立している印象を覚えます。
そして4位の「Dico's(ディコス、德克士)」ですが、実はここには前から注目しています。というのもここはマクドナルドと同じようなハンバーガーを中心としたファーストフードチェーンですがケンタやマクドと違って欧米からのフランチャイズではなく、先の「真功夫」同様に完全中国資本、中国オリジナルのファーストフードチェーンだからです。このディコスも何度か利用しましたが味的にはマクドナルドに大きく劣るようなものではなく、メニューにも工夫が見られ決して悪くない印象です。更にディコスの店舗はこのところ明らかに増えており、上海市内でも気が付いたらここにもディコスがと思くらい拡大を続けていて、中国オリジナルのハンバーガーチェーンなだけにどこまで成長するのか実は楽しみに見ているところがあります。
ちなみにディコスは西安に上海人と旅行に行き、現地にいる後輩と合流して3人で何度も入りました。三日間の西安旅行で休憩の度に入っていたからどれくらい行ったのかわからないくらい入りました。
<味千拉面が日系で唯一のランクイン>
中国には今後の成長を見込んで数多くの飲食チェーンが進出しておりますが、その中で最も大きな勢力を持っているのは間違いなく8位の味千拉面です。中国経済を多少なりとも触れた人間なら誰もが知っているであろう熊本発のラーメンチェーンで、大都市はもとより地方都市でもしょっちゅう見かけるくらいにその店舗数は圧倒的で、日系としては唯一このランキングに入るのもうなずける話です。
ただつい今さっき大学の先輩にもスカイプで解説しましたが、味千がなんでこれほど多く店舗数を広げられたのかというとフランチャイズの条件が緩いためだとされ、日本国内でも「餃子の王将」がまさに当てはまりますが、店舗によって料理の味の差が大きいところがあります。同じ市内の店でも食べてておいしい店もあればなんじゃこりゃというくらい不味い店もあり、私もこのところは昆山市内でおいしいと思う店にしか足を運びません。スープ自体は工場で粉末状にして各店舗に配ってるそうなんだから普通は差が出ないはずなんだろうけど、なんだろう、店によって薄められてるのだろうか。
<その他短評>
そのほかランクインしたチェーンについて短評を加えると、ピザハットは日本同様安いピザを高値で吹っかけている、もといやや高級路線でやってます。「永和大王」は中国ラーメンを中心としたチェーンで、何気に上海来て最初に食べた料理がここの牛肉麺だったのをやけに覚えてます。7位の「麗華」は自分は使ったことがなく、調べてみたらケータリングのお弁当配達がメインのお店のようです。9位の「馬蘭ラーメン」も街中で見かけるものの使ったことはありませんが、10位の「大娘水餃」は餃子のチェーンで、鉄道部と組んでるんじゃないかと思うくらいどの鉄道駅構内にもお店があります。街中にも多くあって、前は「大娘(おばちゃん)」ってことからデフォルメしたメガネのおばちゃんがロゴデザインでしたが、最近変わってマダムっぽい女性の後ろ姿になりました。
ファーストフード、というよりは飲食チェーンの解説となりましたが、どうも中国では飲食チェーンとファーストフードチェーンの区別があいまいで、有名レストランのチェーン以外は全部ファーストフードチェーンのカテゴリに入れてしまっているように見えます。といっても日本でもこの辺のカテゴリ分けは案外独特で、同じチェーンでも「ファミレス」、「バーガー&チキン」、「牛丼」という感じに分けられ、ファーストフードとされるのは真ん中の「バーガー&チキン」だけです。冷静に考えたら「牛丼」もファーストフードに入れるべきではと思えてくるのですが。
これはあくまで私の持論ですが、中国と日本の飲食チェーンで決定的に異なっているのは「ファミレスチェーン」というカテゴリが中国にはないということです。今日のランキング内ではピザハットが一番これに近いと思うものの、日本のガストやココスといった要職を提供するファミレスの形式はまだ主流ではなくむしろマイナーな部類に入ります。
しかし需要は全くないわけではなく、むしろ家族間のつながりが強い中国なだけに逆に求められているのではと思う節があります。そう思うのも日本の「サイゼリヤ」がこのところ中国で躍進しており、中国でファミレス市場を開拓するかのように店舗を増やしていっているからです。時期はまだはっきりと言えませんが、この記事の続きとして今度は中国における日系飲食チェーンの調査記事を準備ができ次第にアップします。
・2014年中国快餐连锁十大品牌企业排行榜(中商情報網)
そういうわけで昨日に引き続き中国のファーストフード市場について紹介していきます。今日引用する元記事は上記のリンク先ですが、こちらはビジネス関連情報の記事を発信している「中商情報網」というサイトの記事で、2014年8月に出されたやや古い記事であるものの中国におけるファーストフードチェンのトップテンを独自に選びランクづけています。なお中国の経済メディアは何故だかこういうトップテンとか100強、500強といったランク特集をしょっちゅう組んでおり、ランクをつけるのが明らかに好きであるように感じます。共産党が序列主義だからかな。
などとどうでもいいことはほんとどうでもいいので、早速そのトップテンにランクされたチェーンを下記に列記します。
<中国ファーストフードチェーンのトップテン>
1位 ケンタッキーフライドチキン(肯德基KFC)
2位 マクドナルド(麦当劳)
3位 真功夫
4位 Dico's(ディコス、德克士)
5位 ピザハット(必勝客)
6位 永和大王
7位 麗華
8位 味千拉面
9位 馬蘭拉面
10位 大娘水餃
上記の順位を見た私の感想を述べるならば、恐らくこの順位で大きな間違いはないだろうと行ったところです。中国で生活している私の肌実感でも大体こういう順位というか思い当たるファーストフードチェーンがしっかりと入っているように感じます。
<ケンタッキーのがマクドナルドより多い>
個別解説に移りますが、日本でファーストフードチェーンの王者と言ったらマクドナルド以外の何物でもなく、これに誰も異論を挟む余地がないでしょう。しかし中国ではなんとケンタッキーの方が人気で、実際街歩いていてもケンタッキーとマクドナルドの店舗数で言えば3:1くらいの割合で断然ケンタッキーの方が多いです。
そのケンタッキーですが売っている代物は日本とはこれまで異なっており、日本でお馴染みのフライドチキンが去年まで全く売られずにバーガー系メニューを中心に、手羽先っぽい奴とかフライドチキンとはまた別な唐揚げで、最近だとご飯にお惣菜が付いた定食メニューみたいなのも用意してます。去年の夏ごろからお馴染みのフライドチキンを中国でも売るようになったのですが、なんで今までなかったんだろうかと不安に思いつつこのところはそのフライドチキンを毎週一回は食べに行ってたりします。
マクドナルドのメニューに関しては基本的に日本とも共通していますが、日本オリジナルの「てりやきチキンバーガー」がないかわり、中国オリジナルの「ピリ辛チキンバーガー」みたいなのが用意されています。ケンタッキーでもそうですが売れ筋のメニューはどちらかというとこういった鶏肉を辛めに揚げた具材をバンズ挟んだバーガーで、これは間違いなく中国人の嗜好に合わせたメニューでしょう。また同時に、中国人自体が牛肉を食べ慣れていないことからビーフハンバーグを具材に使ったバーガーがほかの国と比べると勢いが低いのではと推測しています。まぁもちろんビッグマックとか中国人も食べますけどね。
<中国オリジナルのファーストフードチェーン>
3位に入っている「真功夫」は日本人には馴染みが薄いものの、中国ではどこ行っても見かけられるファーストフードチェーンです。ここでは丼物っぽい料理を始めとした中華料理のファーストフードを出しており、スープやおかずがついた定食形式で頼んでからチンして出すのか、マクドナルドのようなカウンターで支払いと受け取りをやって店内で食べたり、持ち帰ったりすることもできます。私自身も何度も利用しており、トラックスーツを着たブルース・リーのロゴは嫌でも目立ち、中国らしいファーストフードとして上手く成立している印象を覚えます。
そして4位の「Dico's(ディコス、德克士)」ですが、実はここには前から注目しています。というのもここはマクドナルドと同じようなハンバーガーを中心としたファーストフードチェーンですがケンタやマクドと違って欧米からのフランチャイズではなく、先の「真功夫」同様に完全中国資本、中国オリジナルのファーストフードチェーンだからです。このディコスも何度か利用しましたが味的にはマクドナルドに大きく劣るようなものではなく、メニューにも工夫が見られ決して悪くない印象です。更にディコスの店舗はこのところ明らかに増えており、上海市内でも気が付いたらここにもディコスがと思くらい拡大を続けていて、中国オリジナルのハンバーガーチェーンなだけにどこまで成長するのか実は楽しみに見ているところがあります。
ちなみにディコスは西安に上海人と旅行に行き、現地にいる後輩と合流して3人で何度も入りました。三日間の西安旅行で休憩の度に入っていたからどれくらい行ったのかわからないくらい入りました。
<味千拉面が日系で唯一のランクイン>
中国には今後の成長を見込んで数多くの飲食チェーンが進出しておりますが、その中で最も大きな勢力を持っているのは間違いなく8位の味千拉面です。中国経済を多少なりとも触れた人間なら誰もが知っているであろう熊本発のラーメンチェーンで、大都市はもとより地方都市でもしょっちゅう見かけるくらいにその店舗数は圧倒的で、日系としては唯一このランキングに入るのもうなずける話です。
ただつい今さっき大学の先輩にもスカイプで解説しましたが、味千がなんでこれほど多く店舗数を広げられたのかというとフランチャイズの条件が緩いためだとされ、日本国内でも「餃子の王将」がまさに当てはまりますが、店舗によって料理の味の差が大きいところがあります。同じ市内の店でも食べてておいしい店もあればなんじゃこりゃというくらい不味い店もあり、私もこのところは昆山市内でおいしいと思う店にしか足を運びません。スープ自体は工場で粉末状にして各店舗に配ってるそうなんだから普通は差が出ないはずなんだろうけど、なんだろう、店によって薄められてるのだろうか。
<その他短評>
そのほかランクインしたチェーンについて短評を加えると、ピザハットは日本同様安いピザを高値で吹っかけている、もといやや高級路線でやってます。「永和大王」は中国ラーメンを中心としたチェーンで、何気に上海来て最初に食べた料理がここの牛肉麺だったのをやけに覚えてます。7位の「麗華」は自分は使ったことがなく、調べてみたらケータリングのお弁当配達がメインのお店のようです。9位の「馬蘭ラーメン」も街中で見かけるものの使ったことはありませんが、10位の「大娘水餃」は餃子のチェーンで、鉄道部と組んでるんじゃないかと思うくらいどの鉄道駅構内にもお店があります。街中にも多くあって、前は「大娘(おばちゃん)」ってことからデフォルメしたメガネのおばちゃんがロゴデザインでしたが、最近変わってマダムっぽい女性の後ろ姿になりました。
ファーストフード、というよりは飲食チェーンの解説となりましたが、どうも中国では飲食チェーンとファーストフードチェーンの区別があいまいで、有名レストランのチェーン以外は全部ファーストフードチェーンのカテゴリに入れてしまっているように見えます。といっても日本でもこの辺のカテゴリ分けは案外独特で、同じチェーンでも「ファミレス」、「バーガー&チキン」、「牛丼」という感じに分けられ、ファーストフードとされるのは真ん中の「バーガー&チキン」だけです。冷静に考えたら「牛丼」もファーストフードに入れるべきではと思えてくるのですが。
これはあくまで私の持論ですが、中国と日本の飲食チェーンで決定的に異なっているのは「ファミレスチェーン」というカテゴリが中国にはないということです。今日のランキング内ではピザハットが一番これに近いと思うものの、日本のガストやココスといった要職を提供するファミレスの形式はまだ主流ではなくむしろマイナーな部類に入ります。
しかし需要は全くないわけではなく、むしろ家族間のつながりが強い中国なだけに逆に求められているのではと思う節があります。そう思うのも日本の「サイゼリヤ」がこのところ中国で躍進しており、中国でファミレス市場を開拓するかのように店舗を増やしていっているからです。時期はまだはっきりと言えませんが、この記事の続きとして今度は中国における日系飲食チェーンの調査記事を準備ができ次第にアップします。
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