先週末はたった三日間だけ日本に帰国していましたがこの間に私が取った行動を軽くリストアップすると以下の通りです。
・散髪
・時計の修理
・書籍購入
・タブレットPCのアップデート
・ゲームのダウンロード購入(ZERO ESCAPEなど)
・伊勢丹で焼物購入
・漫画喫茶で5時間連続耐久読書
・会社社長と7時間半連続耐久トーク
宿泊先はまた慣れ親しんだマッドシティこと松戸でしたが、床屋のおばちゃんが私のこと覚えててくれてちょいちょいうれしかったな。
さて話は本題に入りますが上記に上げたリストに加えもう一つ、前回のマージン率調査で協力いただいた派遣労働者の方とも会ってきました。前々からメールで連絡を取っており同年代ということもあって東京に行くことがあればお会いしようと思っていた所、快く快諾いただけて、たまたま近くにいた冷凍たこ焼き好きの友人も、「どうせ興味あるでしょ」といって呼びつけて一緒に会ってきました。
合流して田端駅前にあるガストへなだれ込むとまずは調査に協力いただいたお礼を言い、その後しばらく雑談をした後で、「前から気になってたんだけど、例の三年ルールは今現場ではどうなっているの?」と私の方から切り出してみました。
・厚生労働省説明資料
派遣の三年ルールとは簡単に説明すると、派遣社員は同じ派遣先では最長三年しか働くことが出来ないという制限です。もし同一職種で三年以降も雇い続けたい場合、派遣先の会社は当該の派遣社員を正社員に切り替えなければならず、派遣社員の正社員採用を促す目的で設けられました。
このルールが設けられたのは民主党政権時代ですがその時は通訳や開発などといった専門26業務についてはこの期間制限はつけられず無期限に雇用できたものの、去年の改正派遣法によって専門26業務に対しても三年ルールが適用されると共に、制度開始からちょうど三年くらいになりそうだということで派遣業界ではちょっとした話題にはなっていました。
正直言って業界内では派遣会社、派遣社員、派遣受入先の三者が揃って総スカンしたくらい歓迎されておらず、三者ともなるべく長く同じ派遣先で働きたい、働かせたいと考えているのにこのルールのせいで三方全損みたいになると批判めいた主張も数多く見られました。また派遣から正社員への転身を図りたいとする派遣労働者の層もそれほど歓迎するような声は聞かれず、私の印象論で述べるとこんなルールがあろうがなかろうが派遣の正社員採用が進むとは思えないと感じる様な空気が漂っていました。
ではこのルールは果たして実際に運用されているのか。ストレートに聞いてみたところその派遣労働者の方は、「少なくとも自分の周りでは適用される例を見たこともないし全く聞かない」と教えてくれました。そしてこの回答は、私としてもある程度予想していた通りでした。
何故適用されていないと考えていたのかというと理由は複数あり、まずは上記の通り派遣に係る三者が揃って望まない制度であること、二つ目として派遣業界はマージン率の公開といい遵法意識が極端に薄いこと、三つ目として実際に適用された例というのがネットで情報を集めている限りだとほぼ全く見られなかったためです。
一応、去年の派遣法改正前後では、「君、来月以降は受け入れられなくなるから」なんていうセリフとともに「混乱する派遣の現場」みたいな見出しで記事が出ていましたが、内心この手の記事はエア記事だったんじゃないかなとすら思っています。恐らくは実際に三年ルールが適用されてしまった人もある程度はいたかと思いますが、三年以上を経過していた圧倒的多数の適用対象者はこの三年ルールを無視し、なし崩し的にそのまま働き続けているのではという気がします。だって、「三年ルール適用された日本死ね」みたいな言動が全くと言っていいほど聞こえないし見えないからです。
とはいえあくまでこっちは派遣問題ではもうかなりの専門家だけど部外者の身であるためこれまで発言は控えてきましたが、今回こうして派遣労働者の方から直接話を聞いて疑念が確信へと切り替わったのでこうして記事に仕立てました。またその派遣労働者の方によると、ある派遣大手では「無期限派遣雇用」というオプション形態を用意しているらしく、正面切って堂々とこの三年ルールを無視しているという情報もいただけました。一応、除外規定として「60歳以上の派遣労働者」に対しては確かに三年ルールは適用されませんが、罰則もないだけにここまで思い切って無視してしまうあたりはさすがは派遣業界といったところでしょう。
この三年ルールについて、自分としてはどうせ守る人も会社もいないんだし三方揃ってデメリットしかない制度にしか思えないためとっとと撤廃した方が早いと考えています。こんな制度があった所で正社員化が進むとはとても思えませんし、また派遣のメリットという奴も台無しになる可能性があります。
それよりも直接的に派遣労働者を救済するべく、個人的には交通費の派遣先負担を義務づける制度などが今必要なのではないかと思います。あまり知られていませんが派遣労働者は勤務先への交通費は自己負担であり、これがかなり可処分所得を落とす原因にもなっていると思うだけにこうした点から地位改善の取り組んでもらいたいものです。
なお現地採用の私も交通費は自己負担ですが、上海市内だと地下鉄は一回3~4元(約45~60円)なので痛くもかゆくもありません。逆にこっちに慣れてしまうと日本の交通費が高くてしょうがないように思え、交通機関が頑張って経営しているのはわかるけれどもう少しやすぅならんかと思うばかりです。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2016年10月24日月曜日
重なる不運
この週末はまた日本に密入国して今日になってまた上海に戻りましたが、なんか今日はやたらと不運が重なりました。
空港で飛行機の搭乗を待つ中、吉野家で牛丼(並)を食べようと注文したところ「15番」の番号札が渡されて待っていたところ、「16番でお待ちの牛丼並の方ー」と店員が呼び出し、16番の方がそのまま牛丼を持って行ってしまいました。なんとなく腑に落ちないで待っていたら厨房から、「あ、15番も牛丼並だった」という声が漏れ聞こえ、しばらく待ってたら「ナンバーフィフティーン」って何故か英語で呼ばれて、その店員は私には日本語では話しませんでした。「飛ばしよったなお前」って嫌味の一つでも言ってやればよかった。
その後、飛行機に搭乗しましたが飛び立ってしばらくすると機内食が順番に配られ始めたのですが、最後尾の席に座っていた自分の手前でワゴンを運んでいたアテンダントが、「あ、切れた」といい、私と隣の人を置いてきぼりにワゴンをそのまま引っ張って行ってしまいました。それから大分時間が経ってから別のアテンダントが機内食のトレーを持ってきてくれましたが、他の人にはトレーと一緒に飲み物もくれるのに何故か私と隣の人には飲み物は持ってきてくれませんでした。
いやね、言えば持ってきてくれたでしょうが、なんとなく眠かったし文句も言いたくなかったのでそのまま黙って食べてしまいました。でもってさらに飛行機降りて家帰ってきたらスーツケースのチャックを止める留金の部分のパーツがぶっ壊れてて、恐らく降ろされた時にブン投げられたかなんかで壊れたのかと思いますが、悪いことはやっぱり重なるものです。
空港で飛行機の搭乗を待つ中、吉野家で牛丼(並)を食べようと注文したところ「15番」の番号札が渡されて待っていたところ、「16番でお待ちの牛丼並の方ー」と店員が呼び出し、16番の方がそのまま牛丼を持って行ってしまいました。なんとなく腑に落ちないで待っていたら厨房から、「あ、15番も牛丼並だった」という声が漏れ聞こえ、しばらく待ってたら「ナンバーフィフティーン」って何故か英語で呼ばれて、その店員は私には日本語では話しませんでした。「飛ばしよったなお前」って嫌味の一つでも言ってやればよかった。
その後、飛行機に搭乗しましたが飛び立ってしばらくすると機内食が順番に配られ始めたのですが、最後尾の席に座っていた自分の手前でワゴンを運んでいたアテンダントが、「あ、切れた」といい、私と隣の人を置いてきぼりにワゴンをそのまま引っ張って行ってしまいました。それから大分時間が経ってから別のアテンダントが機内食のトレーを持ってきてくれましたが、他の人にはトレーと一緒に飲み物もくれるのに何故か私と隣の人には飲み物は持ってきてくれませんでした。
いやね、言えば持ってきてくれたでしょうが、なんとなく眠かったし文句も言いたくなかったのでそのまま黙って食べてしまいました。でもってさらに飛行機降りて家帰ってきたらスーツケースのチャックを止める留金の部分のパーツがぶっ壊れてて、恐らく降ろされた時にブン投げられたかなんかで壊れたのかと思いますが、悪いことはやっぱり重なるものです。
2016年10月21日金曜日
電通の過労死事件について
先日、マスコミ業界に関わる人間なら知らぬ人はいない電通で入社したばかりの女性が過労から自殺していたことがニュースで大きく取り上げられたことをきっかけに、超過勤務と過労死に関するニュース報道がこのところ増えています。何故か関電にも飛び火して、月の残業時間が200時間を越えていた社員が過労死したことも報じられていましたが、個人的には何故今更になってこの件が報じられるのかなと違和感を覚えました。
さてこの問題について電通の体質、いわゆる「鬼十則」などと並べ立てて報じるメディアやコメンテーターが多いですが一部で言われているようにこの手の話は広告業界ではごくごくありふれた話で、上の関電の例と同じく「何を今更」という感じがしてなりません。断言してもいいですが電通の様に残業時間が膨大だったり無茶苦茶な暴言が飛び交っている広告代理店なんて掃いて捨てるほどあり、この業界で過労死した人間なんていちいち数えてなんかいられないでしょう。
なお余談ですが名古屋に左遷されたうちの親父が仕事が忙しかった頃、過労死した時の証拠となるように勤務時間を毎日メモっておけとうちのお袋に命じられていました。当時は何とも思わなかったけど、今思うと血も涙もない命令だったなって気がします。
話は戻りますがこの件について電通や広告業界の体質をとやかく論じても意味がないと思うしほかの人間もいくらでも論じられるだろうから敢えて違った視点に立って意見を述べると、エイジスはなんだったのかななんて今回思いました。
・ブラック企業と公表された会社、そして私の過去
上の記事は私が今年五月に書いてアップした記事ですが、概要を述べると厚生労働省が直々に、残業時間が非常に長くて改善が見られないいわゆる「ブラック企業」としてエイジスという棚卸代行サービス会社を公表した件について論じています。記事中にも書いてある通り私はこの会社で学生時代にアルバイトをしたことがあり、あくまでアルバイト目線で言えばそこまで変な会社だとは思わなかったし、棚卸代行という業務内容から言って決算前の繁忙期に勤務時間が極端に長くなるのは仕方のない面もあるのではと擁護するような形で記事を書いています。
このエイジスの件を引っ張り出して何を言いたいのかというと、何故電通はこれまでに厚生労働省からブラック企業として公表されなかったのだろうかと言いたいわけです。報道によると電通では以前にも新入社員が過労死する事件が起きており、また超過勤務も当たり前な上に当局から軽く注意を受けるや少なく申告するといった隠蔽工作も行われていたとのことで、何故これほどまでに既成事実が積み上がっていたにもかかわらず「ブラック企業」だと厚生労働省は名指ししなかったのか。少なくとも私はエイジスで過労死が出たという話は聞いたことがありません。
はっきり言えばエイジスなんかより電通の方がずっと悪質かつ問題も底深い上に、上の事例を鑑みるだに反省のかけらもへったくれも見えません。にもかかわらず厚生労働省は電通には名指しでの批判を行っておらず、先のエイジスの件と比較すれはするほど公平性に欠けた対応にしか見えず、真に批判すべき対象はどっちかと問いたくなります。
何故厚生労働省が電通を批判しないのかは言うまでもなく電通がエイジスなんかよりずっともっと大きい会社だからでしょう。逆を言えば批判しても抵抗することが出来ないとわかっているからエイジスをわざと槍玉に挙げてほかの巨大企業については何も批判を行わなかったのが実情だろうで、一言で言えば厚生労働省は弱い者いじめをやっているんだなとこの件で私は思いました。なので真に取材、批判すべき大将は電通とか関電ではなく厚生労働省で、何故これほど問題のある企業を放置してきたと突っかかった上で、いつ電通をブラック企業として名指しで批判するのかをマスコミは聞くべきではないかと密かに考えています。まぁこうした意見はざっと見ている限り自分以外で発信してる人はいないようだし、そこまでやるマスコミは出てこないでしょうが。
最後に、冷たい言い方をすると既に過労死してしまった人間についてとやかく言い続けても仕方のない面があります。それよりは今後、過労死をどうやって減らすか、過労死を生むような会社をどう淘汰するかを考えることの方がより建設的であるというのが私の意見です。
さてこの問題について電通の体質、いわゆる「鬼十則」などと並べ立てて報じるメディアやコメンテーターが多いですが一部で言われているようにこの手の話は広告業界ではごくごくありふれた話で、上の関電の例と同じく「何を今更」という感じがしてなりません。断言してもいいですが電通の様に残業時間が膨大だったり無茶苦茶な暴言が飛び交っている広告代理店なんて掃いて捨てるほどあり、この業界で過労死した人間なんていちいち数えてなんかいられないでしょう。
なお余談ですが名古屋に左遷されたうちの親父が仕事が忙しかった頃、過労死した時の証拠となるように勤務時間を毎日メモっておけとうちのお袋に命じられていました。当時は何とも思わなかったけど、今思うと血も涙もない命令だったなって気がします。
話は戻りますがこの件について電通や広告業界の体質をとやかく論じても意味がないと思うしほかの人間もいくらでも論じられるだろうから敢えて違った視点に立って意見を述べると、エイジスはなんだったのかななんて今回思いました。
・ブラック企業と公表された会社、そして私の過去
上の記事は私が今年五月に書いてアップした記事ですが、概要を述べると厚生労働省が直々に、残業時間が非常に長くて改善が見られないいわゆる「ブラック企業」としてエイジスという棚卸代行サービス会社を公表した件について論じています。記事中にも書いてある通り私はこの会社で学生時代にアルバイトをしたことがあり、あくまでアルバイト目線で言えばそこまで変な会社だとは思わなかったし、棚卸代行という業務内容から言って決算前の繁忙期に勤務時間が極端に長くなるのは仕方のない面もあるのではと擁護するような形で記事を書いています。
このエイジスの件を引っ張り出して何を言いたいのかというと、何故電通はこれまでに厚生労働省からブラック企業として公表されなかったのだろうかと言いたいわけです。報道によると電通では以前にも新入社員が過労死する事件が起きており、また超過勤務も当たり前な上に当局から軽く注意を受けるや少なく申告するといった隠蔽工作も行われていたとのことで、何故これほどまでに既成事実が積み上がっていたにもかかわらず「ブラック企業」だと厚生労働省は名指ししなかったのか。少なくとも私はエイジスで過労死が出たという話は聞いたことがありません。
はっきり言えばエイジスなんかより電通の方がずっと悪質かつ問題も底深い上に、上の事例を鑑みるだに反省のかけらもへったくれも見えません。にもかかわらず厚生労働省は電通には名指しでの批判を行っておらず、先のエイジスの件と比較すれはするほど公平性に欠けた対応にしか見えず、真に批判すべき対象はどっちかと問いたくなります。
何故厚生労働省が電通を批判しないのかは言うまでもなく電通がエイジスなんかよりずっともっと大きい会社だからでしょう。逆を言えば批判しても抵抗することが出来ないとわかっているからエイジスをわざと槍玉に挙げてほかの巨大企業については何も批判を行わなかったのが実情だろうで、一言で言えば厚生労働省は弱い者いじめをやっているんだなとこの件で私は思いました。なので真に取材、批判すべき大将は電通とか関電ではなく厚生労働省で、何故これほど問題のある企業を放置してきたと突っかかった上で、いつ電通をブラック企業として名指しで批判するのかをマスコミは聞くべきではないかと密かに考えています。まぁこうした意見はざっと見ている限り自分以外で発信してる人はいないようだし、そこまでやるマスコミは出てこないでしょうが。
最後に、冷たい言い方をすると既に過労死してしまった人間についてとやかく言い続けても仕方のない面があります。それよりは今後、過労死をどうやって減らすか、過労死を生むような会社をどう淘汰するかを考えることの方がより建設的であるというのが私の意見です。
2016年10月19日水曜日
後悔より始まる責任感
前回の記事では映画のスパイダーマンについて延々と語りつくしましたがリアルでもあれやると軽く引かれます。とはいえ、自分がどれだけスパイダーマンが好きかはあの記事読んでもらえば大体わかってもらえるでしょうが、私が何故スパイダーマンを好むかと言うと彼のヒーローとしての孤高性はもとより、彼がヒーローとなったきっかけとその動機が個人的に胸を打ったからです。
映画を見ている人なら話は早いですがスパイダーマンの中の人ことピーター・パーカーは偶然スパイダーマンとしての能力を得た直後はその力を私利私欲に使い、掛け試合に出てお金を稼ごうとしたりしますが、捕まえようと思えば捕まえられた強盗を「自分の仕事ではない」と敢えて見逃したところ、その強盗によって自分の養父である叔父が殺害されるという皮肉な結果を招くこととなります。この体験と叔父から受けた言葉からピーターは、自分の持てる力を可能な限り他人のために使うヒーローとなることを決心し、自己犠牲的なヒーロー稼業にのめり込んでいくこととなるのですが、スパイダーマンのヒーローとしての原点はやはりこの時の「後悔」にあると言えるでしょう。
ここで話は変わりますが、今年に高い人気を保ったままジャンプ作品としては珍しく円満に終了した「暗殺教室」という漫画作品があります。この作品の主人公の「殺せんせー」は頭もいいし教え方も上手だし授業帯でも生徒の悩みにいくらでも応えてくれる上にマッハ20で飛び回る、教師としてはこれ以上ないくらい理想的な教師で生徒たちを時に厳しく時に優しく導きます。しかしその姿は見ようによってはやはり自己犠牲的で、まるで生徒の存在が人生すべてであるかのようにももえるのですが、ネタバレになるので核心については省きますが、この殺せんせーも過去に起きたある事件に対する深い後悔をきっかけに生徒たちへの指導に全精力を傾けることを決心するようになります。
この「暗殺教室」についてこうした評論はあまり見ませんが、突き詰めればこの作品は後悔に対する物語だと私はみています。
あくまでお話の上ですが、上記の二作品における主人公はどちらも過去のある後悔をきっかけに強い責任感を持つようになり、その後の行動、ややもすれば自己犠牲的な行為を行うようになります。私は何もこうしたことはお話の中だけでなく現実でもそうであるように思え、責任感というのは大抵は後悔より始まるのではないかと思え、特に他人を巻き込む後悔ほど「二度としてはならない」という意識を喚起させるものはなく、そうした体験が多ければ多いほどその後の行動は慎まれ、反省を生かそうという意識が働いて当人、ひいては周囲にとってもいい影響を及ぼすのではないかと私は考えています。とはいっても、度が過ぎて自己犠牲的になりすぎたらそれはそれで問題でしょうが。
世間ではよく後悔に対してネガティブな印象が強くしないならしないに越したことがないとも言われますが、自分はそうは思わず、率先して後悔しろとまでは言いませんがあったらあったで役に立つから避けるようなものではないと思います。もちろん後悔から何も学ばず同じ後悔を何度も繰り返すのは問題外で、一番肝心なのは二度と繰り返してはならないという強い信念を持つことにありますが。
なお今日の帰り道、ふと一年前の自分を思い返しましたがちょうどこの時期に転職先の当てもまだなかったのに前に所属していた会社を辞めようと決心、というか辞めると会社に宣言しました。辞めた理由は絶対に許すことのできない人間がいたためですが、この決断に至ったのも過去に問題があるとわかっていながらも自分さえ我慢していれば丸く収まると思って我慢した所、余計な人間を巻き込んで不幸にさせてしまったという後悔に対する反省が働いていたかもしれません。
幸いにして一年前と比べれば今の状況は大きく好転しており、行き当たりばったりな自分の決断もたまにはうまくいくもんだとつくづく思います。
映画を見ている人なら話は早いですがスパイダーマンの中の人ことピーター・パーカーは偶然スパイダーマンとしての能力を得た直後はその力を私利私欲に使い、掛け試合に出てお金を稼ごうとしたりしますが、捕まえようと思えば捕まえられた強盗を「自分の仕事ではない」と敢えて見逃したところ、その強盗によって自分の養父である叔父が殺害されるという皮肉な結果を招くこととなります。この体験と叔父から受けた言葉からピーターは、自分の持てる力を可能な限り他人のために使うヒーローとなることを決心し、自己犠牲的なヒーロー稼業にのめり込んでいくこととなるのですが、スパイダーマンのヒーローとしての原点はやはりこの時の「後悔」にあると言えるでしょう。
ここで話は変わりますが、今年に高い人気を保ったままジャンプ作品としては珍しく円満に終了した「暗殺教室」という漫画作品があります。この作品の主人公の「殺せんせー」は頭もいいし教え方も上手だし授業帯でも生徒の悩みにいくらでも応えてくれる上にマッハ20で飛び回る、教師としてはこれ以上ないくらい理想的な教師で生徒たちを時に厳しく時に優しく導きます。しかしその姿は見ようによってはやはり自己犠牲的で、まるで生徒の存在が人生すべてであるかのようにももえるのですが、ネタバレになるので核心については省きますが、この殺せんせーも過去に起きたある事件に対する深い後悔をきっかけに生徒たちへの指導に全精力を傾けることを決心するようになります。
この「暗殺教室」についてこうした評論はあまり見ませんが、突き詰めればこの作品は後悔に対する物語だと私はみています。
あくまでお話の上ですが、上記の二作品における主人公はどちらも過去のある後悔をきっかけに強い責任感を持つようになり、その後の行動、ややもすれば自己犠牲的な行為を行うようになります。私は何もこうしたことはお話の中だけでなく現実でもそうであるように思え、責任感というのは大抵は後悔より始まるのではないかと思え、特に他人を巻き込む後悔ほど「二度としてはならない」という意識を喚起させるものはなく、そうした体験が多ければ多いほどその後の行動は慎まれ、反省を生かそうという意識が働いて当人、ひいては周囲にとってもいい影響を及ぼすのではないかと私は考えています。とはいっても、度が過ぎて自己犠牲的になりすぎたらそれはそれで問題でしょうが。
世間ではよく後悔に対してネガティブな印象が強くしないならしないに越したことがないとも言われますが、自分はそうは思わず、率先して後悔しろとまでは言いませんがあったらあったで役に立つから避けるようなものではないと思います。もちろん後悔から何も学ばず同じ後悔を何度も繰り返すのは問題外で、一番肝心なのは二度と繰り返してはならないという強い信念を持つことにありますが。
なお今日の帰り道、ふと一年前の自分を思い返しましたがちょうどこの時期に転職先の当てもまだなかったのに前に所属していた会社を辞めようと決心、というか辞めると会社に宣言しました。辞めた理由は絶対に許すことのできない人間がいたためですが、この決断に至ったのも過去に問題があるとわかっていながらも自分さえ我慢していれば丸く収まると思って我慢した所、余計な人間を巻き込んで不幸にさせてしまったという後悔に対する反省が働いていたかもしれません。
幸いにして一年前と比べれば今の状況は大きく好転しており、行き当たりばったりな自分の決断もたまにはうまくいくもんだとつくづく思います。
2016年10月17日月曜日
映画「スパイダーマン」の系譜
今年日本でも公開された「キャプテンアメリカ3 シビルウォー」はキャプテンアメリカシリーズでありながらアイアンマンを筆頭に他作品のヒーローが一堂に勢ぞろいして実質的には「アベンジャーズ3」といってもいいような豪華な作品でした。この作品にはキャプテンアメリカ、アイアンマンの主役二人に加えほかにも様々なマーブルヒーローが登場するのですが、その中でも公開前から最も期待が高かったのはほかでもなくスパイダーマンでしょう。
ディズニーが作る一連のマーブル実写化作品でスパイダーマンが登場するのは今回が初めてですが、そもそもマーブルヒーローの中でも屈指の人気を誇るスパイダーマンは何故これまで出てこなかったのかというと映画化権の問題があったからです。スパイダーマンはトビー・マグワイア主演での初の実写映画化作品からずっとソニーピクチャーズが製作しており、映画化権も彼らが持っているためディズニーは他のマーブルヒーローと一緒にスパイダーマンを作品に出演させることが出来ずにいました。
そんな状況が変わったのは確か一昨年で、やはりヒーローものは勢ぞろいすることに価値があるという打算的観点から、ディズニーとソニーは協議を持ってお互いの作品の中でお互いの版権キャラクターを無料で使い合ってもよいということを確認し合ったことにより晴れて今回、スパイダーマンがディズニー作品に出演することが出来たわけです。
この判断の裏には既に書いたようにお互いに細かいことは抜きにしてエンターテイメントを盛り上げようという打算的観点もありますが、恐らく実際はそれ以上に、アンドリュー・ガーフィールド主演でリブートした「アメイジング・スパイダーマン(アメスパ)」シリーズが思ったより振るわなかったことがソニーを大きく動かしたのではと考えています。
トビー・マグワイア主演の初代スパイダーマンシリーズは歴代興行収入を更新するなど記録に残る大ヒットを残し、「ヒーローものは当たる」という価値観を作り現在のハリウッドにも少なからぬ影響を残すほどの作品でした。しかしソニーと監督側で衝突があったことから初代シリーズは3で終了し新たにリブートして作ったのがアメスパでしたが、興行収入は黒字も黒字で十分にヒットしたと言える成績を残してはいたものの、ソニー側としては「スパイダーマンなのに」と洩らすほど期待したほどの成績ではなく、実際に初代スパイダーマンと比べると確かに成績面で大きな差がつきました。
映画を見た私の目からしてもアメスパは正直物足りないというか、初代シリーズと比べてやや残念な作りでありました。俳優陣は非常に頑張ってて演技力も申し分なく、特にヒロインに関しては演じたエマ・ストーンはマジ美人だと感じるほどの女優でしたが、逆にそれがこの作品にとってネックとなったように思います。具体的に述べると、スパイダーマンこと主人公のピーター・パーカーが幸せすぎるというか流行り言葉で言えばリア充過ぎており、そこそこ体格もよくイケメンで、自分がスパイダーマンだと知っているかわいいヒロインと付き合いながらスパイダーマンやってて、「こんなハッピーなのってスパイダーマンじゃない」って見ながら何度も思ったわけです。
原作を知ってる人には早いですがスパイダーマンはその正体を隠しながらヒーロー活動をしており、活動のせいで大学の授業単位を落としかけたり、バイトをクビになったり、デートに遅れたり、新聞には小悪党などと書かれたりとプライベートでは非常に報われない生活を送ってたりします。だからこそ彼の孤高なヒーロー性は光り、誰かに認められることがなくともヒーローとして戦い続ける姿に皆が強い共感を覚えるため人気ヒーローとなれたわけです。
初代スパイダーマンはこの辺の演出が徹底しており、パーティでグラスを取ったら既に誰かに飲み干されたグラスだったり、片思いの相手が親友と付き合いだしたりと非常に報われず、また主演のトビー・マグワイア自身が華奢な体格のため如何にもパッとせず弱弱しいというのも見逃せない点です。おまけにヒロインのキルスティン・ダンストも美人かと言われたら「?」がつく容姿で、「本当に愛しているのはあなただけ……」と、ピーター(=スパイダーマン)に言いながら何度も男をとっかえひっかえする様は見ているだに憎たらしく、一時期嫌な女の例えとして「MJのような女」という言葉を私も多用しました。
こうしたスパイダーマンをこき下ろす演出や脚本がアメスパにはないため1も2も見はしたもののあまり評価していなかったところ、なんとアメスパは2でシリーズが打ち切られることとなり、二度目のリブートが行われることをソニーは発表しました。そして新たに作られるスパイダーマンには、冒頭の「シビルウォー」でスパイダーマンを演じたトム・ホランドがそのまま続投して演じることが先頃に発表されています。
「シビルウォー」ではキャプテンアメリカ連合に対抗するための援軍としてアイアンマンがスパイダーマンをスカウトするという形で登場し、登場シーンは決して多くはないのですが、それでもそのわずかな登場シーンだけでトム・ホランドについて私は強い期待感を覚えました。スーツを着たアクションシーンはスーツアクターがやっているであろうためこの点の評価は避けますが、バレエをやっていただけあって身体の動きには切れがあり、なおかつ普通の高校生の振りをしながらアイアンマンに茶々を入れられるや一瞬でヒーローの顔つきになる演技の仕方は厳しいオーディションを抜けて来ただけはあると納得させられます。そして何より、初代スパイダーマンことトビー・マグワイアを彷彿させる華奢で弱弱しそうな見てくれは見事スパイダーマンに合致しており、現時点においてすら彼が主役を演じる新たなスパイダーマンが出来上がるのを楽しみでしかたありません。
なおシビルウォーでのキャプテンアメリカ達との戦闘では原作通りに常に冗談を言い続けて敵からも「しゃべりすぎだ」と注意されたり、蹴って殴って盾飛ばすしかないキャプテンアメリカと違い、糸を使って縦横無尽に飛び回りつつ戦うスパイダーマンのアクションは「これこそスパイダーマンだ」と久々に唸らされました。しかも戦闘中、キャプテンアメリカから「イキがいいな坊主、どこの出身だ?」と尋ねられ「(ニューヨークの)クィーンズだ」と答えるやキャプテンアメリカがニヤッと笑い、「(俺は)ブルックリンだ」と返答するシーンの演出はこれまた非常に心憎かったです。
しかもこの映画のスタッフロールの後、傷を負って(痣程度だが)帰ってきたスパイダーマンに同居しているメイ叔母さんから、「誰とケンカしてきたのよ?」と聞かれ、「あー、えーっと、ブルックリンの連中に絡まれたんだ。スティーブって奴に(キャプテンアメリカの本名)」といってごまかすシーンが設けられています。っていうかソニーなんかより、この際だからこのままディズニーがスパイダーマン作ってくれないかな……。
おまけ
「シビル・ウォー」ではトム・ホランドという新たなスパイダーマンに期待を感じた一方、スパイダーマンの育ての親に当たるメイ叔母さんを演じる女優にも目が行きました。これまでの映画でメイ叔母さんは初老の女性で、例えて言うなら「カントリー・マァム」っぽい女優が演じていましたが、この映画だとまたえらく若そうに見えて美人な、例えて言うなら「メルティ・キッス」っぽい女優(マリサ・トメイ)が演じていて、「え、あんた本当にメイ叔母さん?」って目を丸くしました。
スカウトに来たアイアンマン(ロバート・ダウニー)も、「それにしてもこんなに若くてきれいな叔母さんがいるなんてな」と言うや、「叔母さんにだっていろいろあるわよ」と、これまた色気ムンムンに答えるセリフも用意されあり、これまでにない新たなスパイダーマンのストーリーが始まりそうで非常に楽しみです。
なお上記のシーンを演じたマリサ・トメイとロバート・ダウニーの二人には交際歴があったそうです。これ絶対わざとキャスティングしたんだろ。
ディズニーが作る一連のマーブル実写化作品でスパイダーマンが登場するのは今回が初めてですが、そもそもマーブルヒーローの中でも屈指の人気を誇るスパイダーマンは何故これまで出てこなかったのかというと映画化権の問題があったからです。スパイダーマンはトビー・マグワイア主演での初の実写映画化作品からずっとソニーピクチャーズが製作しており、映画化権も彼らが持っているためディズニーは他のマーブルヒーローと一緒にスパイダーマンを作品に出演させることが出来ずにいました。
そんな状況が変わったのは確か一昨年で、やはりヒーローものは勢ぞろいすることに価値があるという打算的観点から、ディズニーとソニーは協議を持ってお互いの作品の中でお互いの版権キャラクターを無料で使い合ってもよいということを確認し合ったことにより晴れて今回、スパイダーマンがディズニー作品に出演することが出来たわけです。
この判断の裏には既に書いたようにお互いに細かいことは抜きにしてエンターテイメントを盛り上げようという打算的観点もありますが、恐らく実際はそれ以上に、アンドリュー・ガーフィールド主演でリブートした「アメイジング・スパイダーマン(アメスパ)」シリーズが思ったより振るわなかったことがソニーを大きく動かしたのではと考えています。
トビー・マグワイア主演の初代スパイダーマンシリーズは歴代興行収入を更新するなど記録に残る大ヒットを残し、「ヒーローものは当たる」という価値観を作り現在のハリウッドにも少なからぬ影響を残すほどの作品でした。しかしソニーと監督側で衝突があったことから初代シリーズは3で終了し新たにリブートして作ったのがアメスパでしたが、興行収入は黒字も黒字で十分にヒットしたと言える成績を残してはいたものの、ソニー側としては「スパイダーマンなのに」と洩らすほど期待したほどの成績ではなく、実際に初代スパイダーマンと比べると確かに成績面で大きな差がつきました。
映画を見た私の目からしてもアメスパは正直物足りないというか、初代シリーズと比べてやや残念な作りでありました。俳優陣は非常に頑張ってて演技力も申し分なく、特にヒロインに関しては演じたエマ・ストーンはマジ美人だと感じるほどの女優でしたが、逆にそれがこの作品にとってネックとなったように思います。具体的に述べると、スパイダーマンこと主人公のピーター・パーカーが幸せすぎるというか流行り言葉で言えばリア充過ぎており、そこそこ体格もよくイケメンで、自分がスパイダーマンだと知っているかわいいヒロインと付き合いながらスパイダーマンやってて、「こんなハッピーなのってスパイダーマンじゃない」って見ながら何度も思ったわけです。
原作を知ってる人には早いですがスパイダーマンはその正体を隠しながらヒーロー活動をしており、活動のせいで大学の授業単位を落としかけたり、バイトをクビになったり、デートに遅れたり、新聞には小悪党などと書かれたりとプライベートでは非常に報われない生活を送ってたりします。だからこそ彼の孤高なヒーロー性は光り、誰かに認められることがなくともヒーローとして戦い続ける姿に皆が強い共感を覚えるため人気ヒーローとなれたわけです。
初代スパイダーマンはこの辺の演出が徹底しており、パーティでグラスを取ったら既に誰かに飲み干されたグラスだったり、片思いの相手が親友と付き合いだしたりと非常に報われず、また主演のトビー・マグワイア自身が華奢な体格のため如何にもパッとせず弱弱しいというのも見逃せない点です。おまけにヒロインのキルスティン・ダンストも美人かと言われたら「?」がつく容姿で、「本当に愛しているのはあなただけ……」と、ピーター(=スパイダーマン)に言いながら何度も男をとっかえひっかえする様は見ているだに憎たらしく、一時期嫌な女の例えとして「MJのような女」という言葉を私も多用しました。
こうしたスパイダーマンをこき下ろす演出や脚本がアメスパにはないため1も2も見はしたもののあまり評価していなかったところ、なんとアメスパは2でシリーズが打ち切られることとなり、二度目のリブートが行われることをソニーは発表しました。そして新たに作られるスパイダーマンには、冒頭の「シビルウォー」でスパイダーマンを演じたトム・ホランドがそのまま続投して演じることが先頃に発表されています。
「シビルウォー」ではキャプテンアメリカ連合に対抗するための援軍としてアイアンマンがスパイダーマンをスカウトするという形で登場し、登場シーンは決して多くはないのですが、それでもそのわずかな登場シーンだけでトム・ホランドについて私は強い期待感を覚えました。スーツを着たアクションシーンはスーツアクターがやっているであろうためこの点の評価は避けますが、バレエをやっていただけあって身体の動きには切れがあり、なおかつ普通の高校生の振りをしながらアイアンマンに茶々を入れられるや一瞬でヒーローの顔つきになる演技の仕方は厳しいオーディションを抜けて来ただけはあると納得させられます。そして何より、初代スパイダーマンことトビー・マグワイアを彷彿させる華奢で弱弱しそうな見てくれは見事スパイダーマンに合致しており、現時点においてすら彼が主役を演じる新たなスパイダーマンが出来上がるのを楽しみでしかたありません。
なおシビルウォーでのキャプテンアメリカ達との戦闘では原作通りに常に冗談を言い続けて敵からも「しゃべりすぎだ」と注意されたり、蹴って殴って盾飛ばすしかないキャプテンアメリカと違い、糸を使って縦横無尽に飛び回りつつ戦うスパイダーマンのアクションは「これこそスパイダーマンだ」と久々に唸らされました。しかも戦闘中、キャプテンアメリカから「イキがいいな坊主、どこの出身だ?」と尋ねられ「(ニューヨークの)クィーンズだ」と答えるやキャプテンアメリカがニヤッと笑い、「(俺は)ブルックリンだ」と返答するシーンの演出はこれまた非常に心憎かったです。
しかもこの映画のスタッフロールの後、傷を負って(痣程度だが)帰ってきたスパイダーマンに同居しているメイ叔母さんから、「誰とケンカしてきたのよ?」と聞かれ、「あー、えーっと、ブルックリンの連中に絡まれたんだ。スティーブって奴に(キャプテンアメリカの本名)」といってごまかすシーンが設けられています。っていうかソニーなんかより、この際だからこのままディズニーがスパイダーマン作ってくれないかな……。
おまけ
「シビル・ウォー」ではトム・ホランドという新たなスパイダーマンに期待を感じた一方、スパイダーマンの育ての親に当たるメイ叔母さんを演じる女優にも目が行きました。これまでの映画でメイ叔母さんは初老の女性で、例えて言うなら「カントリー・マァム」っぽい女優が演じていましたが、この映画だとまたえらく若そうに見えて美人な、例えて言うなら「メルティ・キッス」っぽい女優(マリサ・トメイ)が演じていて、「え、あんた本当にメイ叔母さん?」って目を丸くしました。
スカウトに来たアイアンマン(ロバート・ダウニー)も、「それにしてもこんなに若くてきれいな叔母さんがいるなんてな」と言うや、「叔母さんにだっていろいろあるわよ」と、これまた色気ムンムンに答えるセリフも用意されあり、これまでにない新たなスパイダーマンのストーリーが始まりそうで非常に楽しみです。
なお上記のシーンを演じたマリサ・トメイとロバート・ダウニーの二人には交際歴があったそうです。これ絶対わざとキャスティングしたんだろ。
2016年10月15日土曜日
北朝鮮が本当に憎い相手
昨夜、例のアデランスのMBO実施のニュースについていたYahooのコメントに「ハゲタカファンドが絡んでいるかも」という秀逸なツッコミを紹介したところ友人から、「ハゲネタかなり好きでしょ」と言われました。
話は本題に入りますがあまり世間でこうした分析が出ていないので敢えて私から言うことにしますが、北朝鮮が現在最も憎んでいる相手は日本でも、韓国でも、米国でもなく中国であると私は見ています。一体何故かというと、一言でいえば中国が北朝鮮を援助しているからです。
以前に塩野七生氏のコラムで、「米国が嫌われる理由のその大半は嫉妬からである」という伝聞での指摘が紹介されていましたが、これは実に正鵠を得た意見であると現在でも考えています。世界の富を占有しているとか他国の紛争に介入するとかいろいろ理由はつけられていますが、突き詰めれば世界で一番裕福であるということが憎まれる根源的な理由であり他は別に大したことはありません。その上で塩野氏は同じコラムで、「ODAを散々配っておきながら中韓から嫌われる日本も一考の余地がある」と指摘しており、実に塩野氏らしい鋭いツッコミがなされていました。
話は北朝鮮に戻しますが、どうもこの国の行動を見ているとほかのどこよりも中国に対する憎悪が強いように思えてなりません。具体的に言えばこのところのミサイル、核実験の実施日で、中国の国会に当たる全人代や先日、浙江省杭州市で行われたG20の開催中に行われていますが、中国が国家の威信をかけて仕切っているイベントにぶつけており、実際にG20では本来の議論と並行して北朝鮮問題の対応に各国首脳は追われることとなり、これほど腹立つ嫌がらせはそうそうないでしょう。
ではどうして北朝鮮は中国を憎むようになったのかですが、金正恩が単純に中国嫌いだと言えば片付きそうですがもう少し分析するとやはり先程に説明した米国への憎悪の様に、北朝鮮が中国から多大な支援を受けていることが原因のように思えてなりません。一見すると中国が北朝鮮に便宜を図っているため恩を感じてもいい所ですが、日本から中国へのODAの様に、案外こういう物ってお金や物資を受け取る側からしたら素直に感謝する気持ちよりも、「金持ちだからって上から目線で物恵みやがって……」という、嫉妬に根差したやや理不尽な憎悪を覚える傾向の方が強い気がします。特に北朝鮮は中国からの支援に大きく依存しており、実質的に中国が生殺与奪権を握っているということもプライドの高い北朝鮮政府からしたら我慢ならないのかもしれません。
こうした見方はかねてより抱いていたため、今年に中朝国境にある丹東を訪れた際に私はそばの友人に対して、
「もし北朝鮮が戦争で滅ぶとしたら、この場所から軍隊が北朝鮮領内へ入るだろう。それが米軍か中国軍かロシア軍かはわからんがね」
という予言を行っていました。まぁ実際問題として、南側の板門店から侵攻することはソウルから近すぎるためほぼないとは思います。
おまけ
今日ここで書いたように国際援助というのは与えた金額や物資量が大きかったりすると案外、感謝よりも嫉妬を受ける可能性が高いため、支援のやり方というのは意外としっかり考えないといけないものです。一番ベストな支援方法としては災害時の救助、物資支援で、これは確実に恨まれることもなく強く感謝され、後々まで語り継がれます。あのっていっちゃなんですが、中国でも時々成都大地震の際の日本の災害支援に言及し、中国人自身もよく覚えています。
話は本題に入りますがあまり世間でこうした分析が出ていないので敢えて私から言うことにしますが、北朝鮮が現在最も憎んでいる相手は日本でも、韓国でも、米国でもなく中国であると私は見ています。一体何故かというと、一言でいえば中国が北朝鮮を援助しているからです。
以前に塩野七生氏のコラムで、「米国が嫌われる理由のその大半は嫉妬からである」という伝聞での指摘が紹介されていましたが、これは実に正鵠を得た意見であると現在でも考えています。世界の富を占有しているとか他国の紛争に介入するとかいろいろ理由はつけられていますが、突き詰めれば世界で一番裕福であるということが憎まれる根源的な理由であり他は別に大したことはありません。その上で塩野氏は同じコラムで、「ODAを散々配っておきながら中韓から嫌われる日本も一考の余地がある」と指摘しており、実に塩野氏らしい鋭いツッコミがなされていました。
話は北朝鮮に戻しますが、どうもこの国の行動を見ているとほかのどこよりも中国に対する憎悪が強いように思えてなりません。具体的に言えばこのところのミサイル、核実験の実施日で、中国の国会に当たる全人代や先日、浙江省杭州市で行われたG20の開催中に行われていますが、中国が国家の威信をかけて仕切っているイベントにぶつけており、実際にG20では本来の議論と並行して北朝鮮問題の対応に各国首脳は追われることとなり、これほど腹立つ嫌がらせはそうそうないでしょう。
ではどうして北朝鮮は中国を憎むようになったのかですが、金正恩が単純に中国嫌いだと言えば片付きそうですがもう少し分析するとやはり先程に説明した米国への憎悪の様に、北朝鮮が中国から多大な支援を受けていることが原因のように思えてなりません。一見すると中国が北朝鮮に便宜を図っているため恩を感じてもいい所ですが、日本から中国へのODAの様に、案外こういう物ってお金や物資を受け取る側からしたら素直に感謝する気持ちよりも、「金持ちだからって上から目線で物恵みやがって……」という、嫉妬に根差したやや理不尽な憎悪を覚える傾向の方が強い気がします。特に北朝鮮は中国からの支援に大きく依存しており、実質的に中国が生殺与奪権を握っているということもプライドの高い北朝鮮政府からしたら我慢ならないのかもしれません。
こうした見方はかねてより抱いていたため、今年に中朝国境にある丹東を訪れた際に私はそばの友人に対して、
「もし北朝鮮が戦争で滅ぶとしたら、この場所から軍隊が北朝鮮領内へ入るだろう。それが米軍か中国軍かロシア軍かはわからんがね」
という予言を行っていました。まぁ実際問題として、南側の板門店から侵攻することはソウルから近すぎるためほぼないとは思います。
おまけ
今日ここで書いたように国際援助というのは与えた金額や物資量が大きかったりすると案外、感謝よりも嫉妬を受ける可能性が高いため、支援のやり方というのは意外としっかり考えないといけないものです。一番ベストな支援方法としては災害時の救助、物資支援で、これは確実に恨まれることもなく強く感謝され、後々まで語り継がれます。あのっていっちゃなんですが、中国でも時々成都大地震の際の日本の災害支援に言及し、中国人自身もよく覚えています。
2016年10月14日金曜日
サイレントキラー
これは私が中学三年生だった頃のお話です。その日の朝、私は前夜にも食べたカレーの残りを朝食に食べて登校したのですが、言うまでもなくカレーを食べた後というのはおならが結構臭くなります。ご多分に漏れずその日の私も自分で出しといて自分で臭いと感じるほどだったので、しかもなんか腸の活動がやけに活発で出す頻度もその日は非常に多かったです。今思い返しても威力、頻度ともに桁違いの水準で、出した自分ですら自爆して苦しむレベルだというのにほかの人間が喰らったらマジヤバいだろと自分でツッコむレベルでした。それだけに、私の後ろの席に座る女子生徒が不憫でなりませんでした。
当時の私は一番後ろの列から一つ手前の席に座っており、一つ後ろの席にはもはや名前も憶えていない女子生徒が座っていました。その日の私は大体30分に一発の頻度でおならを出しており、休み時間中ならまだしも授業中であれば席から立って離れることも出来ず、その女子生徒は半日に渡ってその日の私のおならを直噴で、逃げることも出来ずに受け続けたということになります。しかも臭いはきついのに全く音はでないサイレントキラーで。
こうした状況は私自身もよくわかっており、後ろの女子生徒が不憫だと感じつつも自分にはどうすることも出来ず、なんか病気になったりしないかなと心配しつつ何食わぬ顔で授業を受け続けました。そしたら翌日、私が原因かどうかわかりませんが本当にその女子生徒が学校を休んじゃって、「えっ、もしかして俺が原因?(;゚д゚)」と、誰にも言いませんでした内心で凄い焦りました。前に書いた姉に対してやらかした事件の記事を書きながら急に思い出したので、やや下品な話ながらこの話も紹介することとしました。
当時の私は一番後ろの列から一つ手前の席に座っており、一つ後ろの席にはもはや名前も憶えていない女子生徒が座っていました。その日の私は大体30分に一発の頻度でおならを出しており、休み時間中ならまだしも授業中であれば席から立って離れることも出来ず、その女子生徒は半日に渡ってその日の私のおならを直噴で、逃げることも出来ずに受け続けたということになります。しかも臭いはきついのに全く音はでないサイレントキラーで。
こうした状況は私自身もよくわかっており、後ろの女子生徒が不憫だと感じつつも自分にはどうすることも出来ず、なんか病気になったりしないかなと心配しつつ何食わぬ顔で授業を受け続けました。そしたら翌日、私が原因かどうかわかりませんが本当にその女子生徒が学校を休んじゃって、「えっ、もしかして俺が原因?(;゚д゚)」と、誰にも言いませんでした内心で凄い焦りました。前に書いた姉に対してやらかした事件の記事を書きながら急に思い出したので、やや下品な話ながらこの話も紹介することとしました。
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