自分もそれほど体力に自信があるというわけじゃないですが、あらかじめどのあたりに仕事のピークが来るのかを見定めて、ここぞというところで踏ん張るというかタイミングを合わせるようにしているせいか、一応今のところ起き上がれないほどダメになるってことはまだないです。でもってこういうタイミングを合わせようとする当たり、やはり日本人だからか決戦思想が強い気がします。
その決戦思想についてですが、私の所見で言うと日本人はこれがかなり強い気がします。そもそも決戦思想の定義とは何ぞやですが、「どでかいイベントがあり、それをこなすとすべて丸ごと何でも解決すると信じる」という思想をして決戦思想と私は読んでいます。具体的には、「ここさえ乗り切れれば」、「あの案件さえ終われば」、「初デートにさえこぎつければ」みたいな感じで、何かしら特定の一事をやり過ごす、解決できれば、すべての物事が好転するという風に信じ込むような考えです。
自分も昔は意識していなかったのですが大体5年くらい前から、「日本人って何かすべての物事の成否を、それまでの積み重ねと日ごろの行い以上に、一つのイベントの成否で決まると考える人が多いな」と思うようになってから意識するようになりました。無論私自身もこうした価値観がないというわけではなく、「〇日さえ乗り越えれば」的に到達点を設定することは多いです。ただ乗り越えた結果で得られるものはあくまでそのタスクに直接影響するものに限定されるということも強く意識するようにして、一つのイベントであらゆる物事が好転するという風には信じないよう気を付けています。
この日本人の決戦思想が特に強く反映されるのは、言うまでもなく受験と就職でしょう。いい大学に受かれば、将来は安泰で楽しい学生生活が送れ、好きな彼氏/彼女やいい友達に囲まれる……と信じる日本人は多い、っていうか9割方これでしょう。いい大学に受かれば比較的高いレベルの授業を受けられる可能性こそあるものの、それは確約ではないし、また友達や異性に恵まれるかと言ったら入学後の本人の行動次第であるものの、そうした要素はまるで無視されます。
就職に関しても基本同様ですが、前と比べると大企業に入ったら安泰という思想が大分薄れてきているので、前よりは現実が見えるようになってきています。もっともそのかわりに現実感が強すぎて、中小企業に入ってしまったらその時点で人生終わり🔚」と考え込んでやる気なくしちゃう人も増えてきているのですが。
実際のところ、中小だろうが大企業だろうがその後の本人の行動や意識次第で変わってくる要素もあるのですが、その辺は上記の決戦思想が邪魔してしまうというか、そうした事後要素を働かせる、動かす意識が日本人は弱い気がします。逆を言えば自分はそうした事後の要素を存分に働かせて今の立場を築いているところもあることから、この日本人の決戦思想に気が付いたのかもしれません。
ちなみに私は新卒の時点で記者になりたかったけどどのメディアからも採用が得られず仕方なく専門商社入った後、「とりあえず中国行って、隙あらば記者になろう」というなろう系小説なノリで異世界ならぬ中国行ったらあっさり中国2社目で新聞社に潜り込み、リアルに記者になって自分でも驚きました。
その後記者職から離れてわけわかんない品質管理とかやったりしてましたが、JBpressから声かかってまた執筆業をやるようになりましたが、やっぱ実力あればある程度何とかなるなという実感があります。非常に偉そうだけど、品質管理と化している時代に他のライターが書いた記事がどれもくだらなく思え、自分なら数倍のクオリティでもっといいもの書ける自信を持ち続けてたし。