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2024年1月3日水曜日

能登半島地震と羽田空港事故に対する中国人の反応

 日本はまだ三が日でしょうが自分は昨日から普通に働いています。ただオフィスの日本人はほぼ全員が日本に帰省中とあって、自分とチーム内の後輩一人だけがオフィスにきて出勤しました。
 そんな三が日の今日、一昨日に能登半島での地震があり、昨日には羽田空港の接触炎上事故があって、「まさか三日連続で大きな事件が起きたりしないだろうか」とやや戦々恐々な気持ちでニュースを見ていましたが、地震被災者の救援活動こそ続いているものの、今日においてはまだそこまで大きな事件や事故がなく、ややほっとする気持ちでいます。

 そんな大きなニュースが新年早々二日連続で続いた日本ですが、中国においてもこれらニュースはトップニュースとして報じられています。その反応についてあくまで自分がネットでさらっと見て、周りの中国人同僚に話を聞いた限りの水準で話すと、まず能登半島の地震については発生当初、そこまで大きく関心は持たれていなかった気がします。
 四川省などの内陸部は別として、中国の大半の地域は基本的に地震と縁がなく、日本で震度7と聞いてもどれほどの災害なのかいまいちピンと来ていない気がします。また発生当初は死傷者を含めた被災状況がまだ詳細にわからず、報道でも映像がまだあまり報じられなかったこともあり、何となく中国の報道を見ていると実態より小さく報じられているような印象がありました。この点に関しては、関心が低いというより感覚がつかめないところが大きいと思え、仕方ない気がします。

 一方、昨日の羽田空港の事故に関しては発生当初より大きく注目されました。自分自身も、報道を見た中国人の友人から連絡があって初めて事の次第を知ったのですが、その後に海上保安庁の機体からは死傷者がでてしまったものの、日航機の乗客乗員は全員避難できたという報道を見て、中国でも非常に大きな驚きとともに受け止められています。
 同僚が送ってくれたネットのコメントでは、「俺はこれからは多少値段が高くてもJALの便を使う。彼らはその優秀さを証明して見せた」といった内容が書かれており、基本的にJALの対応を褒める内容で溢れています。実際、それだけのすごいことをやってのけたと私も考えています。

 一方、中国で当初一部で報じられた内容には、「民間航空機が軍用機に接触し……」という風に、海上保安庁をどうも海上自衛隊と誤解したような記述がみられました。友人なんかまさにこれに引っかかっていたので、海上保安庁はさすがに軍ではないと訂正しました。
 まぁ自衛隊も軍隊ではないと日本政府は言っていますが、さすがにそれは無理があると自分は考えています。

 ちなみにたまたまですが、中国人の同僚がこの年末年始に初めて日本を訪れていたのですが、その初めての日本旅行で東京とはいえ能登半島の地震の揺れを体感した上、発生後とはいえ、事故当日に羽田空港を訪れていたというのを今日聞きました。事故の影響で出発が遅れたものの上海行の便は夜中に出発することができ、今日早朝に上海についたそうです。でもってほとんど寝ないまま、今日出勤してきました。

2024年1月1日月曜日

元旦の大地震

 今日元旦は午前中にゲームし続け、午後からプラモ(A-6イントルーダー)を作り、作り終えた後にお年玉とばかりに同僚が送ってくれたスターバックスのオンラインクーポン券を使うためスタバに行きました。クーポン商品を受け取ってそのまま席について何気なくスマホでニュースを見たところ、石川県能登半島付近で大きな地震があり、震度七も記録したことをそこで初めて知りました。
 被災者の方々にとっては寒い冬のこの時期に避難を余儀なくされ、大変な目に遭われたことに深く同情するとともに、無事であることが願われます。同時に、今も余震が懸念され現場では混乱が続いているとのことですが、迅速な救助や救援が進むことも併せて願われます。

 今回のこの自信を見てまず真っ先に思ったこととしては、災害は時期を選ばないという点でした。縁起のいい元旦だから災害なんて起こるわけがない、というわけはなく、どんな吉日であろうと自然災害は時と場所を選ばず発生するものであり、用心を欠かすことはできないということを改めて痛感されました。私のいる上海においても「中国では一部地域を除いて地震は起きない」という楽観視はする者ではないでしょうし、日ごろから備蓄食料を含め災害への対策を忘れてはならないものだと考えさせられます。

 むしろ年の初めだからこそ、こうした災害への警戒感を引き締める上で重要かもしれません。まとまりのない記事ですが、2024年の最初の記事としてはやはりこの点について触れておかねばならないと感じた次第です。

2023年12月31日日曜日

我一向是無所謂的(わたしは一向にかまわんッッ)

 先日、中国人の同僚に「私の好きな中国人キャラ」として漫画の「バキ」シリーズに出てくる烈海王の画像を百度で検索したところ、彼の名台詞でスピンオフ作品でも引用されてある「わたしは一向にかまわんッッ」について、見出しの通り「我一向是無所謂的」(実際には簡体字で直されてた)と翻訳されていました。
 元の言葉に合わせるならば無理して「一向」を入れなくてもいいのですが、これを翻訳した人は敢えてこの言葉を入れたと思います。その甲斐あって元のセリフを知っている人間からすれば非常に通りのいい訳語となっており、また烈海王はもともと中国人ということもあり、なんか中国語で書いたセリフのほうが似合っているような印象すらあります。

 こう言った翻訳に関して、法律文書ならともかく、エンタメ作品では如何に意訳するかというテクニックがやはり求められてくるでしょう。この手のものとして伝説的なセリフとしてスターウォーズエピソード3の「地の利を得たぞ(I have the high ground!)」というのがありますが、これに関しては「(高みから見下ろす感じで)この未熟者め!」と訳している人がいましたが、私もこっちの方がいいと考えています。
 なお同じ戸田奈津子氏のスターウォーズの誤訳で有名なのは「義勇軍」とすべきところを「ボランティア軍」と訳した例もあり、原語に引っ張られすぎだろと内心思います。

 上のは悪い例ですが、逆にいい訳され方したなと思うものとして「With Great Power Comes Great Responsibility」があります。これは言うまでもなくスパイダーマンに登場するセリフで、かつそのヒーロー性を代表するセリフですが、日本語では「大いなる力には、大いなる責任を伴う」と訳されています。下手な訳者だったら「Comes」を無理やり入れて「大いなる力とともに大いなる責任が来る」という風に訳してたかもしれませんが、単純に「伴う」でまとめ成語としたのは素晴らしい手腕だと思います。

 なおこのセリフですがつい最近見た映画解説動画によると、原典の漫画版スパイダーマンのある回で小さくモノローグに入れられていた言葉だったそうです。それを映画の初代「スパイダーマン」の監督であるサム・ライミがベンおじさんが今際の際にピーターへ伝えるセリフとして使用し、スパイダーマンを誕生させるきっかけと変えたことで、一気に普及しました。多分後代にも語り継がれ、今後英語のことわざになってくんじゃないかな。

2023年12月29日金曜日

ジェットスターのストライキを見て

 年末年始で運送業者にとっては忙しいも稼ぎ時の中、LCCの一角であるジェットスターでは現在ストライキが行われています。この影響で一部便が欠航にもなっていることから話題となってニュースでも大きく報じられていますが、私個人はこのストライキは社会不安を煽ったりする政治的な類ではなく、純粋の従業員の待遇改善を目指したストライキであるように見えることからスト中の従業員を応援する立場にあります。
 というより本来的に言えば賃金上昇を訴えかけている政府も、ジェットスターの労働組合をもっと応援してもいいような気がします。もちろん過度な肩入れはよくありませんが、「ストライキは従業員の権利である」などという一言くらいは岸田総理もかけてあげてもいいのではないかと思います。まぁ今の自民党がそんな余裕すらないというのもわかりますが。

 もう一つこのストライキを見て思うこととしては、ジェットスター以外でこの手のストライキ報道がなされないという点です。日本企業の業績は円安の影響もありますが総じて良く、株価も高値で推移しているだけに、日本の労働者は企業に対しもっと従業員への還元を訴えてもいいはずです。にもかかわらずストライキを含む団交の類は一切耳にせず、経営者側が勝手に賃金引き上げてくれるのをただ待つばかりな企業や業界が多いように思え、何やってんだよと内心思っていました。

 それだけに今回のジェットスターのストライキは他の業界にもぜひ波及していってほしいと思うと同時に、こうした団交がこれだけ条件の揃った今の日本でほとんど行われていないというあたり、なんかそれはそれで日本の労働者も情けなくなったというような感があります。端的に言って闘争心に欠けているように思え、争いはもちろんよくありませんが、戦闘民族サイヤ人に限らず一定の闘争心は人間にとって大事だと思うだけに、言い方悪いですが臆病な日本人が増えたなという印象を持っています。

 逆にそうした風潮の中で、今回パイロットを含めジェットスターがこうして注目の集まりやすい、ややもすれば予約便が欠航となった消費者から反発を受けやすい時期にストライキを決行して待遇を要求していることは非常に立派だ思え、今後の交渉次第ではあるでしょうがいい方向に向かうことを陰ながら祈っています。

2023年12月28日木曜日

死刑囚に安楽死は適用されるのか?

 中国人の同僚が年末年始に日本へ旅行して浅草寺あたりを回るといっていたのを耳にし、今年11月に浅草寺近くに行った際、「バーガーキングで食べたい(´・ω・)」という小学生っぽい要求してきたうちの親父を思い出しました。実際行ったけどさ。

 話は本題ですが、私はかねてより医療水準の発達した現代において安楽死の議論は必要だと主張し、安楽死導入賛成派としての立場を取っています。現在すでに運用しているオランダモデルを参考に、実施前には精神科医の診断を受けるなどの手続きを設け、予後が厳しい方などに関して本人が望む場合に限り安楽死を適用すべきではないかと常々考えています。

 ただこの安楽死を仮に導入した場合、死刑囚にも適用されるのか、具体的には死刑囚が死刑執行前に安楽死を望んだ場合にそれを受け入れるべきなのかという疑問がふと、プラモ買った帰りに自転車に乗りながら浮かんできました。結論から言うと、自分の中では答えが出ませんでした。

 現在オランダなどで運用されている安楽死モデルでは、回復の見込みのない病気や状態の方が、病による苦痛を感じながら生きるよりも穏やかな死を望む場合に安楽死措置を取ることが認められています。この論理に則り、死刑が確定して将来ほぼ確実に寿命を迎える見込みがない死刑囚が、どうせのうのうと生かされ続けるくらいなら早く人生を終えたいとして安楽死を望んだ場合、果たしてどうなのかなという風に思ったわけです。
 死刑囚の立場に則るなら、実際に以前の死刑囚でも早く執行してほしいと主張していた死刑囚もいたほか、予告なしに当日の朝に執行が通知されるのを怖がっていた死刑囚もおり、その落命する時期を自分で決めたいと思う人間がいてもおかしくはない気がします。何より、冤罪の可能性があるとして再審活動を行っている場合を除けば今後社会に出られる望みはほぼなく、だったら早くあの世に行きたいと考える心理は私個人の見解として、充分にありうるのではないかと思います。

 しかし死刑というのは言うまでもなく刑罰であり、その刑罰を本人が望む形で時期を繰り延べる、見方によってはより安楽な死に方を許容するというのは刑法の精神に反するのではないかという見方もできます。あくまで処罰として、人が最も重視する生命を過去の行いに起因して取り上げるということが死刑の概念の一つとなっているだけに、その扱いを死刑囚本人に委ねさせていいものかということになります。
 実際にというか、死刑囚が自殺しないように拘置所などでは対策が取られていると聞き、いわゆる死に逃げは許さないという立場を国は持っているように見えます。

 その一方で、中国みたく死刑確定後にほぼ1週間以内に即執行する(即執行しない場合として執行猶予付き死刑判決というのもある)ならともかく、日本の場合は死刑確定後から実際に執行するまでは非常に長い時間がかけられます。あさま山荘事件の犯人らのように政治犯であればほぼ執行されることはなく、実質的に死刑判決の下での無期懲役というのは多少は理解できますが、凶悪な犯罪事件を起こしておきながら何年も税金で生かし続けるということを批判する声は今も昔も小さくありません。

 であれば、もし死刑囚本人が安楽死による早期の死を望む場合、その要望を受け入れた方が単純な税金の使い道で言えば絶対的にプラスです。また裁判中ならまだしも、確定し本人も受け入れているのであれば、本人の申し出をもとにすぐに安楽死措置を取った方が、被害者や遺族の中にはそれを望む人もいるかもしれません。
 もっとも逆に、何が何でも刑としての執行を望む声も大きいでしょうが。

 以上は法の運用とお金の損得勘定的な観点での私の見方ですが、仮に倫理的な観点で見た場合、自分の命は自分自身がどう扱うかを決めるべきという価値観が重要になってくるのではないかと思います。自殺にも係わってきますが、本人がもう人生やめたいってんならその考えを尊重するのも一つの考えのように思え、それは死刑囚であるかどうかにかかわらず、人間全員それぞれに委ねられた個人の権利でもあると私は密かに考えています。
 無論、死刑囚のように他人の人生をその意向を無視して奪った人間に対してもこの原則を適用すべきかと言ったらまた議論となりますが、一般の立場であれば社会への再復帰が閉ざされた状態なら安楽死が認められる可能性があることを考えると、死刑囚についても考える余地があるような気がします。

 もっとも、「どうせ死ぬんだし」で安楽死をポンポン認めるというのもまた問題である気もしますが。

 実際のところ、仮に安楽死が日本で認められたとしても死刑囚にはまず認められないと思います。一方で前述の通り日本では執行までの長い期間が明らかに問題でもあるので、再審の目があるというのであれば中国みたく執行猶予付き死刑として、なければ通常の死刑としてもっと短期に執行すべきじゃないかと思います。
 今現在の死刑がかかってくる裁判ではゼロサムというか「死刑か無期懲役か」という隔たりの大きい判決を争うことから議論の争点が心神喪失をはじめ極端なものになりやすく、結局のところよくわからない裁判になっているような気もします。であれば案件の内容によって、死刑囚が真摯な反省の態度や行動を取り続ければ実質的に執行を行わない執行猶予付き死刑という刑罰ランクを設け、事案が重大であり且つ裁判中に反省する態度を一切見せなかったりした場合は即執行する死刑に分けた方が、司法効率的にもなんかプラスになるような気がします。またなんか話が脱線してきた気がしますが、まぁいつものことです。

2023年12月27日水曜日

大川原化工機冤罪事件の裁判判決

国と東京都に約1.6億円の賠償命令 「大川原化工機」国賠訴訟

 このブログではこれまで触れてきませんでしたが、その経過についてかねてから注目してきた大川原化工機の裁判について本日判決がおり、大川原化工機の幹部を逮捕、起訴した警察と地検の捜査は違法だとして、国と東京都に1.6憶円の賠償命令が下りました。この結果について一言いうとしたら、「ざまーみろ社会のダニ、ゴミクズども!」といったところです。

 詳細についていちいち解説しませんが、そもそも輸出規制を作った経産省自体が規制条文をもとに立件することに反対し、また学者らも大川原化工機の設備には滅菌機能がないと主張していたにもかかわらず逮捕起訴するなんて頭がおかしいにもほどがあり、記事中にもありますが裁判中には捜査に係った警察関係者が「事件は功名心からくる捏造によるもの」と証言するなど、常識で計り知れないアンビリバボーな内容でした。
 諸条件から言って全く犯罪要素がないにも関わらず無辜の人間を逮捕拘留し、その中には拘留中に病気が悪化して亡くなられた方もいるだけに、この事件を仕立てた関係者こそ逮捕すべき犯罪者だと私には思えます。

 素人目ですが、この手の冤罪事件に対する補償で賠償金額が億を超えるというのはなかなか珍しいと思います。それだけ裁判所側も捜査内容を問題視したものだと思えますが、これほどの事件を起こしながらこの裁判でも警察、検察らは捜査や逮捕は適正であったと主張しており、こうした冤罪捏造マシーンがいる時点で警察や検察の信頼は私の中でかなり落ちます。っていうかマジでこいつらどうにかしろと思うし。

 ぶっちゃけ志を同じくする仲間が10人くらいいるなら、警察や検察のいる建物に乗り込んで「悪い子はいねーかー!」って暴れ騒いだっていいと思う事件内容で、無茶苦茶な法解釈に無理筋な主張で一般市民を犯罪者に仕立て上げるその行為には虫唾が走ります。それだけに今回の裁判結果には溜飲が下がる思いがありますが、それでもこの事件を捏造した張本人らはいまだに捜査現場にいることを考えると安心できず、何とかこいつらを排除できないものかと思えてなりません。

 ジョジョのセリフの中に、「吐き気を催す邪悪とは、なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ」という言葉がありますが、まさに今回の事件捜査の担当者にこそこの言葉が当てはまることでしょう。捜査を尽くして冤罪が起きたのではなく、冤罪を作るために捜査を尽くした捜査関係者に、さらなる処罰が下ることを祈ってやみません。

2023年12月25日月曜日

侮れない農林水産省の広報力

 昨日夕方に家で仕事の原稿を書いていたら突然頭痛と悪寒がしてベッドに倒れこむ羽目となりました。一体なんでかと最初はわからなかったものの、頭痛の痛み方から体温の低下によるものでほぼ間違いないと考えたものの、そんなに寒いと感じていなかったのに何故とちょっと不思議に思いました。
 しばらく考えた後、パソコンに向かっている最中は胡坐をかきながら布団を体に巻き付けて、百人一首に描かれている坊主みたいな住職スタイルで体はぽかぽかだったものの、頭部がむき出しだったため、頭部だけ冷えて頭痛を起こしたのではないかと分析しました。相変わらず部屋の中では一切暖房をつけず、室温も10度を切っており、何も動かず頭部だけさらしているだけでこうなるのかとちょっと驚き、対策として今日に毛糸の帽子買ってきて今部屋の中で被っています。


 それで本題ですが、クリスマスを目前に控えた先日に農水省がXで「シャケを食え」という謎のアピールをしました。もっとも背景を知っている人間には謎でもなんでもなく、これは2018年に放映された「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に出てきたシャケの怪人サモーン・シャケキスタンチンが元ネタです。その登場回は今Youtubeで無料公開されているので自分も見てきましたが、「クリスマスにはチキンを食べずにシャケを食え」という猛烈なアピールが凄まじく、放映当初より伝説となったというのうなずける内容でした。
 っていうか手に持っている焼き鳥をシャケにすり替えるシーンがいちいち笑える。

 今年に限らず去年もやっていましたが、農水省はこのサモーン・シャケキスタンチンをクリスマスに引用して「もっとシャケ食べよう」というPRを毎年、しかもこのクリスマスシーズンにやっています。自分もおととしくらいにこの騒動を知り、今年も同じPRが行われたと聞いてなんか影響されたのか、クリスマスイブの昨夜はシャケの切り身を頭痛をこらえつつ家で焼いて食べていました。


 クリスマスのシャケに限らず、農水省は6月10日のところてんの日においても、上記記事に出報じられたようなXを使ったPRを行っています。これもわかる人にはわかりますが、「ボボボーボ・ボーボボ」という漫画兼アニメに出てくる、ところ天の助というキャラクターを暗示させる「ぬ」のハンカチを画像として投稿しています。案の定というか見た人はすべて悟り、「農水省はハジケリストだった」などとボーボボネタで湧きあがりました。
 上のtogetterのコメントにも書かれていますが、この6月10日のツイートでは一言も「ボーボボ」や「ところ天の助」とは言っていないものの、ただ「ぬ」のハンカチを出すだけでボーボボネタだと連想させ、バズらせることに成功しています。このさりげないというかあざといというか微妙ですが、はっきり言及させずに連想させることで見た人の反応を膨らませる、なおかつところてんアピールにもしっかりつなげている点で、この広報のやり方は非常にうまいなと感心させられます。

 なお中の人インタビューで「僕らの世代でところてんと言ったら...、もう『アレ』ですもんねぇ」と語っていますが、自分の世代でも同じことが言えます。っていうか、地味にボーボボ(中国語タイトルは「鼻毛真拳」)の中で一番好きなキャラクターで、その影響からかWeChatの自己紹介欄も「ぬ」としか書いてません(マジで)。

 話を戻しますが、最初のクリスマスシャケでもこうして好意的にかつ大きな反応を得ているあたり、IT方面で見ていて大丈夫かと思う官庁の中でも、農水省はXをはじめとするITツールの使い方が地味にうまいと感じます。はっきり言えば、私は省庁の中でも厚生労働省と農水省がワースト2といえるくらい不祥事が多く、問題の多い省庁で無能の集まりとみなしていましたが、ことITの利用に関する点では、農水省が目を見張る力を発揮しているように見えます。


 などということを友人に話したところ、上の記事を紹介してもらいました。この記事内容は今まで知らなかったのですが、農水省内にこうした方面に明るい人がいるのか、最新ITツールの使用にも本当に積極的であるような気がします。その優秀さを、高級品種の保護とか花粉症対策などにもっと使ってくれればという気もしないでもないですが、なんかこの際だしデジタル庁も農水省の中に置いたらいいんじゃないのとすら思え、何はともあれ農水省にはこのノリを維持していってもらいたいです。

 最後に補足として、官庁が広報で民間のエンタメ作品を使うと失敗することの方が多い気がします。比較的覚えているものだと「宇崎ちゃん献血ポスター」がありますが、このポスターはまぁ批判する方も内心どうかなと思うものの、若干空気を読み間違ったり、変なアピールの仕方をしてその作品のファンから反発食らったりすることが多いように見えるのですが、上記の通り農水省はきちんとファンのノリというか空気を読み、彼らを盛り上げるような感じで広報に利用しているというのは素直に評価できます。
 っていうか航空自衛隊も、エリア88とか使えばいいのに。