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2024年12月18日水曜日

日産とホンダの経営統合報道について

 会社で無茶な業務を回される旅に心の中のボビー・オロゴン氏が「おめぇふざけんなよ」と言いますが、このところボビーはすっと言い続けているような気がしてなりません。

 話は本題ですが今朝からずっと日本を騒がせている日産とホンダの経営統合ニュースについて言いたいことを勝手に書くと、これは成立しない可能性の方が高いのではとみています。その理由というのも日産のアライアンスパートナーのルノーはかねてより日産に対する支配を強めようという意向が強く、第三者の資本算入について否定的だからです。
 今回の報道を見ていると誰もルノーの立場や姿勢について言及していませんが、逆を言えばルノー側はこのホンダとの提携について把握していない可能性が高いように思え、そうであればルノーはこんなの以ての外だと止める、または妨害すると私は考えています。どっちにしろルノーが賛同しない限りは、現在の資本構造から言ってこの話は成立しないでしょう。

 なお中国では日産もホンダもアライアンスパートナーは東風自動車なので、東風グループ内の再編という形で逆に丸く収めやすいと予想します。コンサルなんかは今頃もうすでに、中国での事業統合、資本再編コンサルの提案資料を作っていることでしょう。

 ここで話を変えてこの経営統合についての所感を述べると、さっき見た掲示板で野球に例えると「中日と横浜が合併するようなもの」というたとえがありましたが、非常に言い得て妙な感じがしました。その上で、仮に統合したところで得られるメリットはあまり多くないというか、すごく強い会社が生まれるわけでもないと私は見ています。

 販売面に関しては、ファミリー層に強いホンダと法人や男性層に強い日産という風に私は見ており、顧客層が被っていないためある程度の相乗効果は得られるようには思えます。ただ製造面というか商品開発に関して言うとこのところ両者ともにまともな新車を出しておらず、ホンダはNボックス依存症が非常に強く、日産はそもそも新車すらまともに作れない状態で、この二つがくっついたところでどうなんのと思う有様です。
 まだマツダやスバルの方が、新車開発では力持っている気すらします。

 一応、軽自動車で言えば日産傘下の三菱とホンダで相乗効果あるかもしれませんが、その三菱もサクラ全然売れてないと聞くし、そもそも三菱の存在価値なんてないので統合する意味なんてもはやないでしょう。その点で言えば日産はホンダのハイブリッド技術が使えるようになるならましかもしれせんが、技術があっても自動車商品が作れない現状だと宝の持ち腐れになるかもしれません。
 まぁ「GTR typeR」は作れるようになるかもしれないけど。

 でもってこの報道が出た直後、「うちも買いたいんだけど……」と横やり刺してきたのが鴻海です。EV事業やりたいなどと言っていますが中国本土のEVベンチャーではなく日産買収に名乗りを上げる辺り、本当に金持ち余してんだなという風に思いました。その上で、私個人的にはホンダより鴻海に日産は買収されてほしいという気持ちがあります。
 何故かというと今後日本の自動車産業はもはや主力産業としては続かないと見越しているからです。恐らくトヨタという会社は残り続けるでしょうが、日本全体で自動車産業が主力産業として残っていくかと言えばそうはならず、どんどんと縮小し続けると早くもあきらめています。であればまだ買いたいと言ってくれる人がいるうちに、なるべく外国資本に売ってそのお金で日本は新たな産業の育成にチャレンジした方がいいとすら考えています。

 さらにいうと、別に日本に限らずドイツもVWが苦境にあるなど世界中で自動車、というより大手完成車メーカーはトヨタを除いて苦しい状態が続いており、自動車産業が世界中で花形だった時代は意外ともう越しているのかもという気がします。もちろん自動車は今後もなくならないだろうし産業も続くでしょうが、かつての家電のようにコモディティ化して、ビジネスとして大きな存在であり続ける未来はそんな長くないような気もします。続くとしても前述の通り、トヨタなどの有力メーカーが残ってほかはどんどん淘汰されることになるでしょう。

 特に日産もホンダもこのところの経営は芳しくないというか、ホンダはまだジェット機など別事業も育ちつつありますが、日産に至っては前にも書きましたが売れる車ないのにどうしてまだ存在しているのか疑問に感じるレベルです。それだけに淘汰の可能性も高いと感じており、どうせ消え去るなら高値で売り抜ける今のうちじゃないですが、日本市場をトヨタが独占することになるのは望ましくはないものの、中途半端に日産ホンダ連合ができるよりかは外資に買ってもらって、この際産業として整理された方が日本の未来にとってはいいんじゃないのかなというのが本音です。

2024年12月15日日曜日

地政学からモンゴルを見てみる

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当時、取っ付き難かった会社の上司に突然「俺の家に来ないか?」と誘われ、断る事も出来ずに休みの日に行ったら、バーチャ2の筐体があって震撼した。 「お前バーチャ好きだって聞いたから、存分にやって良いぞ」といわれ、その日から急に仲良くなった。 あの筐体、確かバーチャ2の基板込で160万円位って聞いた記憶がある。 クルマ買うのと同じ位なんだなぁと思った。


 本題と関係ないけど、この記事の上のコメント見た時「こんな上司いたら惚れてまうやろ」と思いました。

 さて話は本題ですが、絶対に覆すことのできない地理的位置を柱にして政治や外交を議論する地政学の話において、よく「日本は地政学的に非常に不利な国」であるという主張を見ます。何故かというと日本は米国と中国(またはロシア)という超大国に挟まれているからというのが大方の理由なのですが、こういうコメントを見ると「お前ら政治舐めんなよ(´・ω・)」と言いたくなります。
 そもそも米国とは果てしない太平洋を間に挟んでおり、実際二次大戦時もそれによってサイパン陥落までは空爆を受けずに済んでいます。また中国についても同じく日本海を挟んでいて、なおかつ韓国も間にあり、そこまで直接的な干渉を受けずに済む位置にあります。ロシアに至っても、シベリア自体が一種の緩衝地帯と言っていい不毛地帯だし。

 むしろこの議論については他の国と比較した方が早いです。先ほど出てきた韓国なんかは朝鮮戦争も経験するなど米中露に挟まれるという悲哀が現実化しており、また北朝鮮というカルト国家とも対面しているため、私的には認知的不協和だと思いますが親北朝鮮的立場をとる人が内部からも出てしまっています。
 また完全キチガイ国家のロシアと直接陸地で接触するフィンランド、そしてハンガリーやルーマニアといった東欧諸国の悲劇と比べるならば、日本の地理的位置が何が不利なんだと言いたくなってきます。ああしたキチガイ国家と陸地で接していないことがどれだけ幸福なのか、それに気づけないのははっきり大バカ者もいいところだと言いたいです。

 その上で、地政学的に本当に不幸というか大国に翻弄されるのを余儀なくされる立場にあると思うのがモンゴルです。かつては世界帝国を成したこの国ですが、19世紀にはいると中国(当時は清)とロシアの露骨な干渉を受け、その流れを受けて20世紀初頭の中華民国成立時に中国寄りの内モンゴルと、ロシア寄りの外モンゴルに分かれることとなり、何度か統一しようという動きもありましたが現在も領土が分かれた状態のまま続いています。
 そもそも中国とロシアという極端に領土意識が強くで実質この分野でトップ2みたいな国同士に挟まれている時点で、いろんな意味で選択の余地のない国であると本当に同情します。モンゴルと比べたらどれだけ日本が幸せなのかと感じるとともに、この両国に挟まれるモンゴルはどのように外交を取っているのか、それこそ中立化政策で独立を保ったフィンランドのように色々尊敬心が湧いてきます。


  そんなモンゴルと日本の関係ですが、やはり朝青龍や白鵬をはじめとする力士を輩出するなど相撲での関係が最も色濃いです。ただ相撲に限らず、上記動画のように騎乗で弓を射る日本風に言えば流鏑馬でも同じ文化を共有しており、元寇で戦った中とはいえ地味に伝統芸能で共通するものが多い国だったりします。
 実際、モンゴルの側から見ても日本は相撲での関係から非常に親近感が高いと言われています。その上で個人的意見として述べると、日本はモンゴルと関係を強化し、互いに支援しあう価値は非常に高いように感じます

 これは何故かというと、一言で言えば中国とロシアの間にくさびを刺せるからです。前述の通りこの二ヶ国は領土に対する意識が現代世界においてかなりおかしい水準にあり、いまだに19世紀の拡張主義を持ち続けています。中国に言わせれば東アジアはすべて中国領土、ロシアに言わせればロシア人がいればそこはロシア領土といったところで、行く先々でトラブルを起こしまくっている連中です。

 そんな領土欲のおかしい二ヶ国に挟まれているのがこのモンゴルですが、ある意味挟まれているからこそ、政権は長年感傷を受けてきましたが独立を維持できた面もあります。中国とロシアはともに相手を刺激せず、且つ緩衝地帯としてモンゴルを見ていた節があり、内モンゴルこそ中国の自治区、外モンゴルはロシアの衛星国として扱い、完全支配にまでは持ち込まず、且つむやみやたらな統一も互いに進めませんでした。
 現代において両国が外モンゴルことモンゴル共和国をどう見ているかはあまり把握していませんが、そこまで国際影響力がなく、先日にプーチンが来た時もIOCの逮捕状について「わかってくれ……」とモンゴルの首脳が述べるなど、強く抵抗できない立場の弱さが見られました。

 ある意味、こうした立場が弱い、政治や経済基盤が弱いからこそ北朝鮮のように緩衝地帯としてモンゴルは扱われている節があり、これが逆に国際社会で存在感が強かったら、恐らく今のようにならないのではという気がします。具体的には、中国とロシアが互いにモンゴルを自分の味方へ引っ張り込もうとし合うのではないかと思います。

 領土欲の強いこの二ヶ国なだけに、間に挟まれたモンゴルが国家として今より大きくなれば、その帰属をめぐって必ずや争いあう、少なくとも相手に対する意識に反感を覚えだすだろうと私には思います。三国志の二虎競食の計じゃないですが、中国とロシアの関係を今より悪くしその連携にくさびを刺すためには、モンゴルが国としてもっと大きく成長してくれることこそが最も直接的な手段になるのではと私は言いたいのです。
 言うまでもなく、中国とロシアの関係悪化は日本の防衛にとってプラスにしかなりません。一方、モンゴルが軍事的プレゼンスを高めたとしても、国境を接していない日本にとってマイナスになることは一切ありません。

 以上を踏まえると、日本が本気で支援し、なおかつ関係を深める相手としてモンゴルは地政学的に見たら非常に重要であるような気がしてきました。相撲や流鏑馬などの文化的交流を通して関係も悪くないし、モンゴルが強くなればなるほど中国とロシアが勝手に争いあうのだし、もし日本が支援するとしたら現在の裏否を除けばモンゴルこそが一番価値があるように見えます。
 支援の仕方も、モンゴル人だけ相撲部屋の外国人入門制限を取っ払う優遇を与えれば、力士を通してそこそこの金額を直接モンゴルに送り込むことができます。この方針を実現するためにも、日本政府は相撲強化に圧力をかけ、早く白鵬を協会会長に据えるべきでしょう。そしたら相撲界はモンゴル人ばかりになるという人もいるかもしれませんが、角界は「力こそ正義」ことパワーオブディスティニーだと私は思っているので何も問題ありません。

 もっとも、朝青龍が理事になったら先が読めなくなって怖いですが。見てみたい気もするけど。


 最後に流鏑馬ですが、この人もやってたりします。っていうかこれ本当にカオスな動画だと思う。

2024年12月14日土曜日

電波攻撃!?


 本題と関係ないですがなんか最近上二つの記事がやたらアクセス稼いでして、まるで自分のブログが撤退ニュースを専門的に扱うブログのような気がしてきました。

 それはさておき今日は映画「グラディエーター2」を朝から見に行こうとしていたけど、近くの映画館では何故か上映していなかったので朝から掃除してからパソコン使ってたところ、突然後ろから「ピピッ!」という電子音がしました。電気毛布こそ使ってはいたもののこんな電子音はなる機能はないだけに、一体何が成ったのかとあたりを見回したところ、ある家電が妙な動きを見せていました。

 それは何かというとエアコンでした。知ってる日には早いですが冬のこの時期、私は一切エアコンの類を動かすことはなく、リモコンも引き出しの奥にしまうほどです。それが一体何故動いたのか、考えられる理由としてはどこかから飛んできた電波の周波数がピタリと合ってしまって誤動作することくらいしかありません。
 しばらく見ていると排気口の口が上下するだけでそれ以外にはこれという動作は見当たりませんでした。この中途半端な動き陽からも上記の推測通り、なにがしかの電波を受けて起動だけしてしまったのでしょう。

 ただこのまま放っておくことはできないのでリモコンを引き出しの奥から取り出し、電源オフの信号を送ったところ素直に受け取り、元の状態へと収まりました。なんかこの一連のやり取りやってて、電波攻撃を受けたかのような感じがしました。

2024年12月12日木曜日

攻撃性の源泉は大体が被害者意識

 昨日中国人の同僚とランチの最中、最近の不況からくる社会のギスギス感について話をしていたら、「今の中国人は失業者が多く、自分が被害者だと思っている人が多い。だから攻撃的になる」という話をされ、至極その通りだと感じました。

 被害者意識とは読んで字のごとく自分を被害者だと考える意識ですが、あまりこのように言う人は見ないものの、私は人間が攻撃性を持つ端緒の多く、9割方はこの被害者意識に端を発すると考えています。具体的には、「自分はこれだけひどい目にあったんだから、お返しにこれくらいしてもいい」というような心理の運びです。

 仮にこれが自分に直接被害を及ぼした相手、例えば詐欺の犯人だったり直接暴行してきた相手なら全くわからないわけではないものの、相手を「社会」などと捉えて第三者に向かうとしたら、その当人はもはや被害者ではなく加害者となります。しかし現実にはこのように八つ当たり気味に第三者へ被害者意識をばねにした鬱憤を晴らそうとする者は多く、私自身も最近は減ったけど物に当たることがあり、むしろ直接的な加害者へ向かうことの方が少ない気がします。

 それどころか、ほとんどすべての攻撃的行動というか攻撃性は被害者意識から始まるように思います。昨今の戦争も「向こうから攻撃してきた」、「弾圧してきた」というものを口実に行われており、被害者意識を募らせるか否かがその人の攻撃性すら左右するのではないかとも思います。
 しかし先述の通り、たとえその被った被害の直接原因者が相手だとしても、やり返した時点でその人は加害者となります。しかし被害者意識があると自分が加害者とはあまり感じなくなり、それ故に暴力というものがエスカレートしていくようにも見えます。総じていうと、被害者意識は人を暴力に掻き立てるうえでかなり直接的な役割を果たすだけに、むしろあまり持たない方がいいようにすら思うわけです。

 反対に、「自分は加害者である」といった意識を持ち、それが自分は悪い側にいると思うことは攻撃性を抑える効果があるように思います。キリスト教の贖罪意識などもこれに当たるように思え、あまりにも持ちすぎるとかつての日本の自虐史観につながりかねないのでよくないのですが、少々の加害者だと自認する意識は持っといた方が当人にとってもいい気がします。
 たとえ実際に周りに加害行為を行っていないとしても、知らないところで迷惑をかけている、行動を常に慎まなければならないという心持ちは重要でしょう。逆にくどいですが、自分は常に被害者だという被害者意識はどんどんと行動を先鋭化させる可能性があるだけに、可能ならば持たない、損をしても「なんぼのもんじゃい」とあまり気にしない人間であった方が得でしょう。

2024年12月10日火曜日

老人に席を譲らなくなってきた中国

目立った材料はないのにこの1年で「劇的悪化」した中国人の対日感情、背後にあるものの“正体”(JBpress)

 自分の古巣のJBpressの記事ですが、毎度ながら近藤さんの意見は自分も同感です。

 先日の国際調査によると、中国人の対日感情は何故かこの1年で劇的に悪化しています。しかし福島原発処理水の海洋放水直後ならまだしも、この1年間はむしろ目立った日本関連イシューがなかったにもかかわらず去年より悪感情を持つ中国人が劇的に増えました。
 この点についてこの記事のヤフコメを見ると、「調査がおかしい」、「元から日本嫌いの中国人が多かったのだろう」などという意見をよく見ましたが、私としては前述の通り近藤さんの意見と同じくし、「特に根拠はないけど、社会不安からくるイライラを日本批判にぶつけている」というのが真相だと考えています。なんか自分で言ってて後だし孔明っぽいけど

 この辺、今の中国を実際に見ているかどうかでその実感は変わってくるのではないかと思います。度々このブログでも書いていますが中国の現在の不況ぶりは日本の報道では全く伝えきれておらず、また去年の今頃と比べても暗い雰囲気が一層増してきているという感じがします。マジで生活しているだけでもストレスを感じるくらいで、あの開放的だった空気はどこへ行ったのやらと思うほどなんか社会がギスギスしています。

 そんな中国の変化というか気になる点として、あくまで個人の見解ですが、なんか依然と比べて電車やバスの中で老人に席を譲る人が減ったというかいなくなったような感じがします。かつてはそれこそ一番槍を争う猛将らのように、老人が乗り込むや我先に「お席をどうぞ!」と席を譲る人で溢れかえっていましたが、なんかこの1年を振り返るとたまたまその場面に出くわさないだけかもしれませんが、そうした席を譲る行為を全く見た覚えがありません。
 また少子高齢化のせいか、席を譲る若者の数自体も減ってきている様にすら感じます。

 無論私の勘違いかもしれませんが、なんか中国は依然と比べて互助の精神が急速に消失しつつある気がします。なんか電車とか乗っていても周りを気にせず一人で座席スペースを大きく占領する人も増えているし、やたら近くの人と服とかが擦れ合うのを極端に避けようとするなど、対人接触を変な風に避ける人が増えてきたとも感じます。当然、見ていてあまり気分はよくなく自分もストレスがもりもり溜まってきてます。

 もっとも中国のことを日本が言える立場でもなく、何か事件報道が出ると「実名や住所、会社名を出せ!」と、お前が知ったところでどうなるんだよと言いたくなるようなコメントをまき散らす人が依然多いです。なんか自分とは無関係だけど社会的に制裁しないと気が済まない、というより自分のストレスの捌け口に叩いても許されそうな人間を制裁しようとする人が多く、集団メンタルヘルスを日本ももうちょっと強化した方がいいと常に感じています。

 ただ中国に戻すと、現在楚の捌け口に日本が使われ中国政府もそうしたヘイトが向かうことについて何も対策採っていないわけですが、多分このまま放っておけばどんどんヘイトがたまり、ある一点に達したところで中国共産党批判に転換すると確信しています。何故なら失業がなく安定した地位と報酬を得続けているからです。
 それを踏まえて言うと日本にヘイトを向けさせるよりそのヘイトを解消する方向に中国政府も努力すべきでしょうが、なんかその辺の自覚がなく無駄にヘイトを高め続けているように見えます。ただ早けりゃ来年くらいにも大きな事件とか頻発しそうで、あんまり与したくはないけど中国への渡航は危険だと叫ぶ一部日本人の意見には若干同感だったりします。

2024年12月8日日曜日

シリアのアサド政権崩壊の衝撃(;゚Д゚)

 今日は司馬遼太郎になった気分でモンゴルについてモリモリ書こうと思っていた矢先、昨日にも取り上げたシリアで大きな動きがありました。いや大きな動きと言っていいのか、これまで長年独裁を続けてきたアサド政権が一気に崩壊してしまったようです。

 現在出ている情報によるとアサド大統領はすでに首都を脱出しており、その行方は現在わからないとのことです。その首都ダマスカスにも破竹の勢いを続ける反乱軍が押し寄せており、現時点で既存政権崩壊と言ってもいい状態です。今後はどうなるかはまだまだ分かりませんが、ロシアやヒズボラの状態を見る限り短期間でのアサド大統領の復権は絶望的でしょう。
 ちなみに昔のペルソナ2では「騙す粕ソード」って武器がありました。

 シリアの情勢は今後反乱勢力同士で権力争いが起こりまだまだ安定への道は遠いとみられますが、それ以上に今回の政権崩壊の影響を直撃するのはロシアでしょう。ネットでも言っている人がいましたが、ウクライナにこれほど長く時間をかけなければシリアでの影響力をロシアは失わずに済んだと断言でき、プーチン政権への打撃は小さくないと言えます。と言ってもロシアで政権が変わる可能性はないのですが、この結果を見て次期トランプ政権がどう判断するのかが一つの見物です。

 個人的に、ロシアは預金金利が20%を超えているなどとされ、時間はかかったものの経済封鎖の影響がかなり来ているように見えます。またトランプ再選、その停戦仲介を期待してロシアは今年夏から犠牲をいとわぬ攻勢をかけており、これらは「来年早くには戦争が終わる」という前提での行動です。
 これは逆を言えば、「来年以降もまだまだ戦争が続く」ということをロシアはもはや想定していない行動の表れとも言え、その予測を裏切ることは言うまでもなくロシアにとって大きな打撃になり得ます。

 無論、早く停戦すればするほど戦死者は少なくなるので悪いことばかりじゃないですが、仮にロシア有利で停戦した場合は今後も不安の種を残すこととなります。であれば少なくともあともう一年、ロシアをもっと追い込むために米国がウクライナ支援を継続することは価値を持つのではないかと私自身は考えています。
 これをトランプがどう判断するかですが、今回のシリアでの政権崩壊があるかないかはある程度は判断に影響するのではないかと思います。日本国内でも日本政府のウクライナ支援について批判する声も多いですが、ロシアという共通敵を抱えているだけに、日本もある程度の犠牲を覚悟で支援する価値は私は絶対あると思います。それ以上に一方的に攻められているウクライナに対して強く応援したいとともに、耐えて戦い続けるその行動に敬意を覚えます。

2024年12月7日土曜日

ウクライナ戦争が終われば、パレスチナとシリアの紛争は止まるか?

 核ニュースでも報じられていますが、沈静化していたかに見えたシリアで急遽反乱軍が活動を開始し、主要都市を陥落させるなど快進撃を続けています。今後の行く末は読みづらいところですが、アサド政権の後ろ盾であったロシア軍がウクライナ戦争でそれどころでなく、同様にイランもイスラエルの動きから軍を動かし辛いこともあり、政権が崩壊するかまでは分からないですが今しばらくは反政府軍の攻勢が続くのではないかと思います。

 そのシリア同様に予断が許さないというかどうなるのかが全く読めないのがイスラエルの周辺です。すでにパレスチナだけでなくレバノンやイラン国境でもミサイルが飛び交い、ハマスの主要幹部を殺害したことで一時期ほどの活発さは鳴りを潜めたものの、まだまだ次どんな動きになるのかは読めない状態です。

 このシリアとパレスチナの紛争ですが、仮にウクライナ戦争が起きていなければここまでは発展しなかった、それどころか発生もしなかったのではと思うところがあります。特にシリアについては。
 ロシアがウクライナ戦争によって中東方面の影響力を落としたことでこれら地域のパワーバランスは明らかに崩れ、それによって紛争が紛争を呼ぶじゃないですが、あちらこちらで影響が続いています。

 東欧においてもジョージアやハンガリーが親ロシアの動きを見せる一方、アゼルバイジャンにやられっぱなしなのに一切仲介に動かないロシアに業を煮やしたアルメニアは距離感を置き始めており、ウクライナ戦争開始前と後では全く様相が異なっています。

 そこで仮にウクライナ戦争が何らかの形で停戦した場合、これら地域の紛争などは治まるのかが論点となってきます。結論から言えばノーで、この戦争でロシアの軍事力は大幅に落ち、またロシアに対する見かけの強さというか権威も大きく低下しており、前ほどの発言力はもはや得られないでしょう。現実にスウェーデン、フィンランドがNATO加盟入りを決めており、特にフィンランドはロシアと国境を接することから刺激しないよう中立外交を取り続けていましたが、ここにきて明確に反ロシアの姿勢を強めています。

 こうした状況から、中東においてはウクライナ戦争の停戦後もロシアの影響力は弱いままとなり、米国の支援を受けるイスラエルがより活発な動きを見せる可能性の方が高いような気がします。こうした状況下でイランがどう動くのかが結構大きな論点になってくる気がしますが、生憎イランには詳しくないためこの方面は自分には分析できません。

 一方、アジアに関してはロシアが弱まる代わりに中国がプレゼンスを高めそうであるものの、折からの不景気により中国自身がそうも言ってられない状態に確率が高いとみています。この辺で変数となるのはインドと北朝鮮であるように思えますが、地味に地政学的に見ると重要度が高いと思うのはモンゴルだったりします。その辺はまた別の記事で解説します。