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2024年5月3日金曜日

日本の労働災害死の全体概要

 今日は上海市内にある低い山(佘山)まで往復で3時間自転車に乗り、30分で登って降りてきたので今なんかだるいです。数ヶ月前に自分が血栓症になりやすいことに気が付いて対策してからはめちゃくちゃ体調良くなって、今日も比較的好調に走り続けられて筋肉痛も起こしてないけど、絶対的な運動量が足りないからか疲労がたまりやすくなってる気がします。
 っていうかあんま意識してなかったけど、この年齢に至っても高校生時代とほぼ全く変わらない体重と体型を維持してるのは自分でもびっくりです(;´・ω・)

労働災害で亡くなる人はどれくらいいる?(生命保険文化センター)

 話は本題ですが、先日のデイリー新潮が出した山崎製パンの工場で死亡事故が相次いでいるという報道について、ヤマザキ製パンの死亡事故数はそこまで多いかということを疑問視する記事を書き終えた後、果たして実際の労働災害死というのは年間でどれくらいの規模なのかが気になりました。
 なので即調べたのですが、統計が出ている直近の2022年を例にとると死亡者数は774人、また休業四日以上の死傷者数は132,355人(どちらもコロナ関連を除く)だそうです。死亡者数は2014年までは千人を超えていたのですがそれ以降は漸減していたものの、2022年は再び前年比プラスとなっています。背景としてはコロナ規制が緩和されて現場就業者数が増えたものの、経験の浅い人員が多く配置されたことにより事故も増えたのではないかという分析が出ています。

 以上の統計を踏まえると、この10年間において大体9000人が労働災害で死亡しているという計算になります。このうち4人が山崎製パンとなると、山崎製パンは日本の労働災害死亡事故の約0.04%を占めているという計算となり、これを大きいと取るか小さいと取るかで新潮は前者を取ったようです。
 ただやっぱり世間の共感は得られなかったというか、自分が見る限りこの報道に関してはその後に後追い報道は出てきませんでした。自分が感じたようにこの数字をデカいと取る人はあまりいなかったというでしょうが、記事書いた人間は工場勤務経験がないんだなということだけはよくわかる記事であったという風に思います。


 さらに気になったので新調の報道以降に見かけた労働災害死亡事故の記事を自分が見た範囲で保存していましたが、上記の通り探そうと思えばいくらでも出てきます。労働現場において死は身近なもので、発展途上国とかでしか起きないようなものではないです。多分本気で探せばもっといくらでも出てきて、毎日それだけで記事を書くこともできると思います。


 一応こちらもブックマークしてたので貼りますが、なんでITメディアの記事はどれも無駄に長いんだろう、無駄に長くて起承転結がはっきりしない記事ばかりなんだろうとか思いますが、参考までに貼っておきます。

 工場勤務経験者としてこの労働災害について少し語っておくと、現在日本のどの工場でもかなり厳しく安全については指導されます。というのも労災事故が起きた場合、取引先の大メーカーなどからも厳しく追及されるし、その大メーカーとかも下請けメーカーを招いて安全講習を度々行い、各社の取り組みを毎年報告させるくらい徹底しています。
 こうした安全意識が広まってきた時期についてはさすがに定かじゃないですが、やはり90年代くらいまでは結構いい加減で、プレス工場とかでも指1本潰してから一人前という感覚が残っていたそうです。話を聞く限りだと00年代に入ってきた辺りからこの手の安全意識が強まり、現在に至っては製造業全体でほぼ定着するに至ったのではないかとみています。

 具体的な安全指導としては、基本的には現場猫でネタにされている事故例を見せつつこういうのはやっちゃだめだよ的な指導が主です。自分が受けた中では回転機動をする装置には用もなく近づいてはならない、装置周辺に書かれた白線の内側に入ってはならないなどということを厳しく教えられました。
 一方、さっきにも言及した大メーカーでの安全対策指導ですが、聞いてていくつかは「これお前らも実際はしっかりやってないだろう」と思うくらい効率性が悪く、無駄に大掛かりな対策を下請けに強要する大メーカーもありました。中には質問時に「こんな現場に無茶を押し付ける大メーカー側に正義はあるのか?」と質問した人もいて、その際には会場で大拍手が起こるなど、安全を題目に現実性を無視した指導も少なくないと感じました。

 無論、労働災害は少なければ少ないほどよく、その対策はいくらやってもやりきれないというのは間違いないでしょう。ただ一部の労働災害に関しては、自ら機械に飛び込むような例も聞き、電車に飛び込むじゃないですが半自殺的な労災も耳にします。そういう意味では物理的な対策はもとより、自分も前回記事で書いたように自殺対策としての精神面のケアも、労働現場だからこそ必要なんじゃないかと思います。

 などとITメディアの記事に負けないくらいの脱線記事を書いていますが、結論を述べると山崎製パンを非難するなら、もっと掘り下げて労働災害の現状や対策についてまとめた方がいい記事になったんじゃないの、というのが私の見方です。っていうか鉄工所とか探せばもっと人死んでる現場は見つかると思うだけに、変に山崎製パンを狙い撃ちにするのは失敗であったような感じもします。

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