ページ

2021年3月18日木曜日

三菱自動車のリコール隠しの訓練ぶり


 上の動画の冒頭で、「なんや野田ナンバーやんけ( ^ω^ )」と見ていて笑い出したらそのすぐ後に流山のディーラーが出てきて「えっ?(;゚Д゚)」とか思いました。っていうかこのディーラー、確実に過去に目の前何度も通ったことあるはずです。でもってまさか流山の三菱ディーラーがあのリコール騒動の初めの第一歩だったということにマジ驚きでした。

 本題というか真面目に話すと、上記動画は日テレが昔作った2000年代初頭における三菱自動車のリコール隠し騒動に対する特集番組です。たまたまある掲示板を見ていてこの動画を知ったのですが、長めの動画なら面白くてそのままずっと見てしまったのと、改めて三菱自動車の隠蔽工作がガチな組織ぐるみだったということを今更ながら知り、非常に驚きを感じました。

三菱リコール隠し(Wikipedia)

 三菱自動車のリコール隠しは大きく分けて二回あり、一つは上記再現番組で取り上げられた運輸省(現国土交通省)の調査で発覚した2000年のもの、もう一つは2004年における大型トレーラーのタイヤ落脱による死亡事故をきっかけに発覚したもので、一般的に三菱自動車のリコール隠しと言ったら社会的影響的にも後者を指します。上記番組も、後者のリコール騒動が起きた後に制作されたものです。

 個人的にこの動画を見て驚いたのは流山のディーラーってことだけじゃなく、三菱自動車のリコール隠蔽工作のあまりの組織ぐるみぶりです。詳しくは動画を見てもらえばわかりますが、三菱自動車品管部では運輸省の監査で余計な不具合情報見つけられてリコールに追い込まれないよう、常日頃から重要な不具合情報を隠す隠蔽対策を行っていました。
 具体的には、市場から上がってくる不具合情報をランク分けして、運輸省に見せる情報と見せない情報に区分する、次に、急な監査にすぐ対応できるようデータを保存しているコンピューターを簡単操作で秘匿情報を出力できなくする。でもってさらには、「監査が来たぞー」って一声かけたら品管部全員が見せてはならない書類などを一斉に紙袋に詰め、倉庫などに隠すということを、わざわざ定期的に訓練してまでやっていたそうです。

 その訓練課程は上記動画でも再現されていますが、それこそ火災の避難訓練みたくみんな一斉にバサバサバサッと動き出した上、「30分かかりました、次は10分で完了させましょう」などと無駄に努力していて、実際こうした訓練の賜物もあって2000年より前の監査は上手くやり過ごしたそうです。
 しかし運輸省に内部通報があり、また隠蔽工作とその対策内容もばらされたことから、2000年の監査では秘匿場所となっていたロッカーを後から抑えることによって査察官は秘匿情報を入手し、出力されたコンピューターデータとの食い違いを突くことに成功します。苦しい言い訳をして一旦査察官に帰ってもらった後、三菱自動車品管部は徹夜をしてバレた情報との整合性を合わせるためにコンピュータープログラムを弄り、書類の情報はわざわざ書きかえるなどしたそうですが、朝6時になってやっぱ無理ってことで白旗上げたそうです。あくまでフリでしたが。

 その辺は番組の最後にも描かれていますが、この時に隠蔽工作がばれて運輸省などに謝罪をした三菱自動車でしたが、実はこの時にもまだ全不具合情報を出してはいなかったそうです。その結果が2004年のタイヤ脱落事故などの重要事故で、当時の査察官も「あれだけのことしてバレたのに、まだ情報を隠していたとは当時思わなかった」と話していますが、この言葉には私もそりゃそうだろうという感覚があります。というより、あれだけのことがばれたにもかかわらずそれでも悪あがきして重要情報を隠蔽していた三菱自動車という組織の膿の根深さに言葉が出ませんでした。

 2004年のリコール隠し発覚後、三菱自動車は心を入れ替えますと言って、2016年には再び燃費不正事件を起こしています。彼らの心を入れ替えますというのは、「別のところで不正します」といった類のものだったのでしょう。ついでに書くと、2016年に燃費不正で他人した相川哲郎元社長については率直に、「ヤバイ奴だ」という印象を強く持っています。
 というのもこの人、2004年のリコール隠して開発中止命令が出ていたにもかかわらず、上層部に内緒で開発作業を続けて「三菱・ⅰ」を完成させたことを公のメディアで堂々と自慢していたからです。やったことについては黙ってりゃいいのに、上司命令を無視する行動を社長自ら堂々と礼賛していた当たり、三菱自動車のコンプライアンス意識は元から半端じゃなく薄かったのでしょう。それだけに燃費不正事件もさもありなんという結末と言えますが、さらについでに書くとそうやって命令違反してまで作った「ⅰ」自体がそんな売れなかった点を踏まえると、何を考え自慢したのか意味が分かりませんでした。自分は比較的好きな車だったけど。

 ここまで書いたのを見るとさも自分が三菱嫌いな人間に見えるかもしれませんが、ぶっちゃけ2010年頃までは一番好きなメーカーで、今でもFTOとかギャラン、レグナム、ミラージュサイボーグなどはマジ大好きで、ゲームでも優先的に使います。しかし「ランエボをSUVにして出す」などと発表する辺り、今の三菱自動車ははっきり言うが頭おかしいんじゃねぇかとしか言いようがありません。実際にというかたまに酒飲むと「あいつらより俺のが三菱愛してんだよ!」と本当に言うことあります。言ってどうなるんだと自分でも思いますが。

 ただ今回改めて冒頭の動画を見て、やはり三菱はあの時に何が何でも潰しておくべきだったのではと思うようになりました。もしあの時に潰すかどこかに吸収させるかしておけば、2004年の事故やリコール隠しの余波は起こっていなかったでしょう。
 自らの不始末で自分が苦しむのは自業自得ですが、タイヤ脱輪事故のトレーラーを運転していた方はリコール隠しが公になるまでは周囲から激しく非難されていたそうです。またそれまで三菱を応援していたディーラーの方々も、一連のリコール隠し発覚で商売を畳まざるを得なくなったことを当時の私も見聞きしています。どちらにしろ潰れるなら、早く潰れてくれていた方が死ぬ人間は確実に少なく済んだでしょう。

 その上で先ほどのランエボSUVじゃないですが、今の三菱自動車は存続すればするほど過去の栄光を汚し続けるようにしか思えなくなってきています。それならばいっそとばかりに、早くこの会社はこの世からなくなった方がいいのではという心境に至っています。

 なお私の三菱贔屓はソ連人民の敵である親父から引き継いでいるのですが、その親父は昔はトヨタ車を馬鹿にしまくってた癖に、数年前に型落ちのクラウン買ったらめっちゃ気に入って乗り回しており、トヨタの悪口を急に言わなくなりました
 ただ自分も以前中国人の運転手に話聞きましたが、いろんな車を乗り継いだけどトヨタ車が一番ハンドリングなどでバランスがいいと言っており、ドライバー目線ではトヨタ車はレベル高いのかもしれません。っていうか自分も自動車記事をたくさん書いてるくせに、日本にほとんどおらず車のらないからペーパードライバーなんだけど。

0 件のコメント: