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2013年5月2日木曜日

漫画レビュー「レッド」

 自分が今年二月に日本に帰国した後、真っ先に買ったのが今回紹介する「レッド」という漫画です。この漫画について簡単に述べると、あさま山荘事件をはじめとした事件を起こした連合赤軍メンバー達の物語です。

レッド (山本直樹)(Wikipedia)

 連合赤軍と言っても自分くらいの年代の人間、さらには下の世代からしたら「何それおいしいの?」と言われるくらいわけのわからないものかもしれませんが、あさま山荘がテレビで中継されていたのを見ていた世代には説明など不要でしょう。一言で言ってしまえばよど号ハイジャックもやらかした過激派社会主義学生グループのことで、まごうことなきテロリスト集団です。この「レッド」はそんなテロリスト集団がまだ学生運動の延長で抗議デモとかしていた時代から始まり、銃砲店を襲ったり銀行強盗をやらかしたりして、挙句の果てには同志を組織防衛や意味の分からない考え方に基づいて粛清し、没落していく姿を描いております。といってもまだ連載中で一番の山場となる山岳ベース事件はこれからだけど。

 この漫画の特徴を挙げるとすると、その徹底した取材ぶりには感心を通り越してあきれてくるほどのものがあります。連合赤軍をテーマに、しかも限りなく真実に基づいて書こうとしているため永田洋子や森恒夫、坂口弘などといった事件の主役たちが出てくるのですが(名前は変えられている)、生き残ったメンバーらの回想録に書かれている通りのセリフが漫画の中でもしっかり、確実に採用されております。
 またちょっと変わった表現方法というか、作中で一部の登場人物にはすべてのコマで1から15までの番号が振られています。この番号は何かというとそのまんま言って死人番号、つまりこれからそのキャラが死ぬ順番を指しており、事実これまでのところ3番まで順番通りに死んでいきました。もっとも作中で「XX、長野県山中で死亡するまであとXX日」と何度もはっきり書いていますが。

 このような作品であることから後輩に「もし全共闘の時代に生まれていたら花園さんはヒーローでしたよ」と、今の時代じゃ俺はヒーローになれんのかと言いたくなるような誉め言葉を受け取った私からするとそれなりに楽しめるというか、過激派左翼がどのように内ゲバに至ったのかがわかって面白いのですが、正直な所ほかの人にはあまり薦められない作品です。理由はいくつかありますが、簡潔に述べてテーマや取材力は申し分ないものの、漫画作品として致命的な欠陥がいくつか存在します。

 まず最も大きな欠陥というのが、話の分かり辛さです。ただでさえ連合赤軍がどのように形成されたのか、何を目的に運動をしていたのかが同時代の人間にすらわかりづらいのに、こういった方面の補足説明が薄すぎます。また序盤から事件に関わる人物が一度に大量に登場させているため、書き分けがしっかりできていないのもあって誰がどんな人物なのかがなかなか覚えられません。事件について詳細を知っている私ですら、一回流し読みした限りだと何が何だかわからないくらいだったし。

 同じ登場人物における欠陥はもう一つ、名前にもあります。先程にも書いたように各人物はすべて実在の人間たちなのでありますが、その名前はすべて変えられており、日本にある山岳の名称が振られています。例を出すと、

永田→赤城
坂口→谷川
森→北

 これが非常にややこしく、また山の名前であることから頭に入ってき辛いです。はっきり言わせてもらえば余計なことなんかせずに実名をそのまま書けばよかったとしか言いようがありません。ついでに書くと組織名も微妙に変えられており「赤軍派」が「赤色軍」となってて、余計すぎる配慮でしょう。

 さっきから問題点ばかり挙げていますがまだ続きます。もう一つ致命的な点ですが、ストーリーの構成があまりにも悪すぎます。作中では主に京浜安保共闘の永田洋子、赤軍派の植垣康博の二者の視点で進みますが、この二者は所属する組織が当初別々であるため、話に全くつながりがなく見ようによっては関係ない話が突然始まったりするようにも見えてきます。その上、取材に力が入りすぎたというべきか詳細に書いているためストーリーのテンポが極端に悪く、なんだか話が堂々めぐりしているような覚えすらします。現在の所、単行本は7巻まで出ておりますが、1から6巻までは3冊くらいの分量に無理やりにでもまとめるべきだったでしょう。

 なんかもうずっと貶すことばかり書いていますが、それでもこうして私自身が取り上げようとしたのはやはりそのテーマ性です。自分自身も中国に興味を持つあたり左翼思想に何か魅かれる傾向があるのかもしれませんが、あの連合赤軍の事件は集団ヒステリーというものを色濃く反映した事件であるだけに興味が尽きず、また内ゲバに至るまでの過程をやっぱり何が何でも知りたいという欲求があります。そうした餓えに対して漫画で応えてくれる、だからこそ私はこの「レッド」を買い続けているわけですが、まぁちょっと妙な漫画が連載されているということを知っておいてもらえれば幸いです。

2013年5月1日水曜日

ロート製薬脅迫事件の判決について

ロート製薬強要事件(Wikipedia)

 あまり知っている人はいないんじゃないかなぁとも思うので、判決も出たことだし昨年起きたロート製薬に対する脅迫事件を取り上げることにします。
 この事件のあらましは上記のWikipediaの記事を読んでもらえれば早いのですが私の方から簡単に説明すると、去年にロート製薬がテレビCMに韓国人女優のキム・テヒ氏を起用しようとしたところ、過去にキム・テヒ氏が竹島は韓国の領土であるというPR活動を行っていたことからネットを中心に起用に対して大きな反発が広がり、直接ロート製薬の本社を訪れ脅迫を行った男らが逮捕された事件です。先程ニュースを見ていたらちょうど判決が出ており、主犯格の男に懲役1年6ヶ月の判決が下りたようです。

ロート製薬脅迫の男に懲役1年6月 韓国女優のCM起用で(産経新聞)

 具体的にどんなふうに脅迫されたのかですが、「右翼紹介したる」とか「竹島はどこの領土や」とか「抗議デモやったるぞ」などと言ったそうですが、なんでこういう時ってみんな関西弁使うんだろ。

 この事件になんで私が注目したのかというと、今回判決が出た主犯格の男の発言に興味を持ったことからです。Wikipediaの記事によると激しく怒鳴り散らしていたことからロート製薬の担当者が「お言葉使い、ご配慮頂けますか」といったところ育ちが原因だと反論した上で、「俺の家、同和やから俺のとこ馬鹿にしてるのか」と散々に同和、同和と繰り返して迫ったそうです。でもってオチというか、その後の警察の捜査によるとこの男は同和地区の出身者でなかったことがわかりました。

 我ながら細かいところを見るなぁという気もするのですが、この男といい、同和問題をやたらと盾にした主張する人というのは実際には同和問題を軽んじている人が多い気がします。ここで取り上げたこのどうにもならない主犯格の男についても、自分は同和地区出身者でもない癖に同和の人間はさも口が悪いかのような言い方をして脅迫の手段に使う辺り、同和差別をしているのはほかならぬお前自身じゃないかと言いたくなるような人物です。

 戦前の天皇崇拝もこれと似たような構造を持っております。戦時中、陸軍をはじめとした軍部関係者は「天皇陛下のために」と言いながら勝ち目のない戦争を無理矢理続けてきましたが、いざ昭和天皇がポツダム宣言受諾を行うと決めるや、クーデターを起こして天皇を退位させ、新たな天皇を立てた上で戦争を続けようと考えるグループが現れ、実際に玉音放送のレコードを奪取しようと行動にまで起こしております。誰のための戦争だと言われれば、彼らにとって天皇というのは建前であって自分自身のための戦争でしかなかったのでしょう。

 翻って現代を見てみると、会社のために、学校のために、地球のためになどと抜かす人間は果たして本当にそういう気持ちを持っているのか、著しく疑問に思う人物が多いです。会社のために損失隠しを行う、学校のためにいじめ事件をなかったことにする、地球のためにペットボトルを再利用する、こういった行為はどれも本末転倒な側面が否めず、はっきり言えば自己弁護以外でも何物でもなく本当に貴様らが守りたいのは自分自身だろといいたくなります。

 こういう価値観を持っているせいか、声高に上記のような発言をする人間を見ると真面目に吐き気がします。別に愛社精神とかを持つことは悪いことじゃないですが、声高にそういったものを主張する人間は八割方そういった精神を持ち合わせておらず、むしろ自己本位な人間と言っても差し支えないでしょう。キリスト教でもイスラム教でも、「やたらと神の名を口にするな」という教えがありますがこの論は至極もっともで、本当に組織に対して尽くす思いがあるのならいちいち口にせず黙って行動に移せと言いたいのが私の意見です。

 最後にこの事件におけるロート製薬に対する私の意見を書きますが、脅迫などを行うことは絶対に許されないことですが、ロート製薬の方ももうちょっとしっかり人選をすればいいのにと思います。問題のキム・テヒ氏ですが、「独島は我が領土」と書かれたTシャツをわざわざスイスまで行って配ったりしてたそうで、日系メディアによるインタビューでは「私は理数系の人間で、歴史や政治のニュースにはウトいので。もっと勉強しなくてはいけないと思います」と答えてますが、こういう風に切り返すあたりガチだろこの人。

韓国の近現代史~その十二、金大中事件

 また時間をおいての連載再開です。朴正煕政権下の話も今回を入れてあと二回ですが、今日は日本とも関係が深いというか、日本もその当事者となった金大中事件について解説します。

金大中事件(Wikipedia)

 この事件は1973年、後に韓国大統領となる金大中が日本国内で拉致され、危うく暗殺されかけたというかなり前代未聞な事件です。逆にこの時に金大中が暗殺されていれば後の彼の大統領就任は有り得なかっただけに、将来に与えた影響は少なくないでしょう。

 まず事件前後の背景を説明しますが、1971年に韓国では大統領選が行われ、当時大統領だった朴正煕の対抗馬に立ったのは民主派の若いリーダーだった金大中でした。軍配は朴正煕に上がったもののその差は僅差だったことから金大中に対する政権の警戒心は高まり、隙あらば今のうちに暗殺しておこうという機運が高まったと言われております。
 こうした中、Wikipedia中ではKCIAの李厚洛部長はちょっとしたことからヘマをしてしまって朴正煕からの評価を下げてしまい、海外に半ば亡命していた金大中を暗殺することで汚名返上をしようと画策したと書いております。ただ私自身はこの事件は朴正煕自身が主導し、李厚洛が指揮したと考えています。

 事件当時、金大中は韓国国内に戒厳令が敷かれたことから帰国すれば暗殺されると考え、日本やアメリカなどへ講演しながら移動するという亡命しているような状態でした。事件直前も自民党グループに呼ばれ、講演を行うために東京へ訪れていましたが、日本国内にも朴正煕政権下の手のものが放たれて暗殺される可能性があるという危険性が伝えられており、偽名でホテルにチェックインするなどして対策を行っていました。

 事件当日、金大中が講演を終えてホテルを出ようとしたところ何者かによって襲われ、麻酔をかがされ気を失います。そのまま荷物に無理やり押し込まれた状態で東京から神戸へ運ばれ、停泊していた工作船に運び込まれました。金大中を拉致したグループはそのまま彼を海上で始末する予定でしたが、金大中が行方不明になったことに気が付いた日米関係者はすぐに捜索を開始したことによって問題の工作船をも海上で発見しました。この時に工作船を追跡したのはなんだったのか、船なのか飛行機なのかもちょっとはっきりしないところがありますが、現在伝えられている内容だと自衛隊の戦闘機であるという説が強いです。

 工作船では一次、金大中を甲板に立たせて海に突き落とする準備までしていたそうですが、自衛隊の追跡を受けて拉致団は殺害を断念。そのまま韓国へと渡り、金大中を彼の自宅近くで解放したことによって事件は終わりを迎えます。

 この事件でまず考えねばならないのは、金大中の拉致を指揮したのはKCIAでほぼ間違いないものの、実行したのは誰だったのかです。KCIAの手がかかっている在日韓国人、または日本に渡ったKCIA工作員などという説もありますが、私が思うにKCIAから依頼を受けた日本の暴力団組員である可能性が高いように思えます。というのも日本国内で暗殺せずにわざわざ海上で殺そうとするあたり、何かやり方が下手というか回りくどい印象を受けるからです。KCIA工作員であれば、殺害した後で韓国に戻ればそれで済むだけなのだし。

 この事件後、日韓関係は前回取り上げた文世光事件と相まって一時悪化しますが、これで悪化しない関係なんて普通はないでしょう。よく朴正煕大統領は親日家だったと言われておりますが、この辺りの歴史を見ていると話してそうだったのか、内心、感情的にはもつものがあったんじゃないかと私は睨んでいます。
 そういうわけで次回は朴正煕編最終回こと、彼自身の暗殺事件を取り上げます。

2013年4月30日火曜日

相手を怒らせたら者勝ちのマスコミの文化


 上記の写真は本題とは何も関係がありませんが、ネットで見つけてインパクトが強かったので自分も紹介しようと思いました。それにしても「まぼろし」って、命名した人は凄いセンスをしている。売れたのだろうか……。

TBSの記者がつまらん質問をしてプーチン大統領がブチギレ呆れる…日露共同会見(痛いニュース)

 久々というか国際政治の話です。先日、安倍総理はロシアを訪問してプーチン大統領と会い、北方領土問題を含めた日露間の平和条約について前向きに交渉を行っていう事で共同声明を出しました。国際政治と社会学が専門ではあるもののロシア情勢についてはあまり詳しくないので、共同声明自体を取り上げようとは思ったのですが実は一回断念しております。にもかかわらず何故今回こうして取り上げるかですが、上記の「痛いニュース」などでも取り上げられている、共同記者会見でのTBS記者の質問を見ていろいろ気が変わったというか、自分からも書ける話があると感じたからです。

 まず今回の騒ぎについて簡単に説明すると、安倍首相、プーチン大統領の共同記者会見でTBSの記者が質問に立ち、「北方領土は現在ロシアが実効支配しており、日本側としては受け入れられない状況下であるのに交渉なんてできるのか」という内容の質問を行いました。これに対してプーチン大統領は質問を行ったTBS記者に対し、「メモを読みながら質問していたがそのメモを書いた人間に言っておけ。北方領土問題は我々が作った問題ではなく先人が作った負の遺産であり、我々はその解決に向けて努力していく方針で、日本側に対してもよき信頼関係を築き上げたいと思っている。そうした我々の姿勢に対してこのようなぶしつけな質問を出すことによって交渉を妨げるという方法もあるだろう」というように回答したと伝えられています。

 これらのやり取りについて日本のメディア、またはネットの掲示板では「TBS記者の質問の仕方は失礼なのでは」という意見が出ているようで、今朝もやけに体調が悪くて体温計で測ったら36.1度(平熱36.6度)でしたが各ニュースを見ていると、「ある記者の質問にプーチン大統領、不機嫌」という見出しなどで報じられておりました。

 まずこのやり取りを見て私が思ったのは、今頃この質問を行ったTBSの記者は高笑いをしているんだろうなってことです。というのも、マスコミの世界では「回答者を質問で怒らせれば勝ち」という妙な文化があります。私自身もメディアの世界に身を置いていた頃に上司から、「もっときわどい質問をぶつけろ。そんな優しい態度でどうするんだ」などと厳しく叱責を受けておりましたが、日本国内での集団質問会見などではこれ以上にレベルが激しく、「そんな回答でどうするんだこの野郎っ!」、「そんなんで記事が書けるかっ!」という罵声の様な怒鳴り声が飛び交うと聞いております。

 一体なんで相手を怒らせたら勝ちなのか、理由を述べると単純に怒らせれば記事が書けるからです。「XXという質問に対しA社の広報は気色ばんだ様子で回答を拒否し……」なんていう風に書ければ、「必死の形相で詳細を隠した」というようにも書けます。また相手を怒らせるほどのきわどい質問をぶつけなければ、核心部の情報が得られないというような哲学もあるようです。

 ここまで読んでもらえればわかるでしょうが、上記のようなメディアの文化に対して私は反感とまではいきませんが疑問を感じております。確かに核心に迫るような質問、それこそ内容によっては相手を怒らせてしまいかねないような質問は重要だと思うし価値があると思いますが、末端の広報に対して非開示の情報、そもそも広報の人が知らされていないであろう内容をしつこく嫌らしく聞き続けることはどんなもんかなぁという風に思えてなりません。また概して相手を怒らせようとする質問は相手を怒らせることに比重が置かれており、内容があまり価値を持っていないことが多いようにも思えます。

 上記のような観点からすると、今回のTBS記者の質問は何が聞きたいのと言いたくなるようなくだらない質問です。プーチン大統領の言っている通りに北方領土問題は日露に跨る懸案事項ではあるが、この北方領土問題を含めて幅広く平和条約締結に向けて今後交渉を続けるという共同声明を出したのに、なんでそれを復唱させるかのような質問を出すのか意味が分かりません。意味が分からないけど、メディアの世界では「いい質問だなぁ」などと思われるんじゃないかなぁ。同じようなことを何度も、しつこく怒らせるほど聞くのがいいというような世界観だし。

2013年4月28日日曜日

世界終末論と中国経済崩壊論

「世界はとっくに終わっているハズだった」

 なかなかキャッチーな上記の言葉ですが、これは一時期私が通っていた「超常現象の謎解き」というサイトにおける、これまでに唱えられた世界終末論をまとめたページに書かれている言葉です。詳しくはリンク先をぜひ見てもらいたいのですが、昨年末に出てきたマヤの予言を含めよくもまぁこれほどまでに終末論を集めた、というよりこんなにも世界の終末を予言した奴がいるもんだと思わせられます。もっとも、今もなお世界は滅びていないということからするとこれらの終末論は見事に空ぶったとしか言いようがないのですが。

 このように終末論というのはこれまで一度も当たった試しがない(当たり前だが)にもかかわらずいつの時代でも「この日に世界は滅ぶんだよ!」とMMRのキバヤシみたいなことを言う人が後を絶たず、そして悉く何事もなく予言された終末日を過ぎてしまいます。このようなことから私は「何度も提唱されるんだけど全く当たらない予想、予言」の比喩表現として、「そんな終末論を誰が信じるの?(´∀`)」という具合でこのところ使用する頻度を上げています。出来れば流行ってほしいなぁと思いつつ……。

 ではそんな終末論という比喩表現を具体的にどの場面で一番多く使うのかですが、はっきり言えば「中国経済はもうすぐ崩壊する!」といった類の主張に最も使います。今なら大抵どこの書店に行ってもこの手の類の書籍がビジネス書のコーナーに平積みされているかと思いますが、それは今に始まらずかなり前からずっとです。いい加減、一体いつになったら中国経済は崩壊するのかちょっと問い詰めたいというか、雨が降るまで雨乞いをやる(的中率100%)わけじゃないんだし、一つここは「超常現象の謎解き」さんを見習って私も、これまでの中国経済崩壊論を取り扱った書籍をひとまとめに集めてみました。すべてAmazonで「中国 崩壊」で検索した書籍ですが、早速下記をご参照ください。

中国経済は崩壊しているハズだった

<2013年>

<2012年>
2014年、中国は崩壊する(宇田川敬介)

<2011年>

<2010年>

<2009年>
中国経済・隠された危機三橋貴明
中国経済がダメになる理由三橋貴明&石平
反日、暴動、バブル 新聞・テレビが報じない中国(麻生晴一郎)

<2008年>
中国の崩壊が始まった! (日下公人&石平)

<2006年>
そして中国の崩壊が始まる(井沢元彦&波多野秀行)

<2005年>

<2004年>

<2001年>
やがて中国の崩壊がはじまる(ゴードン・チャン)

<1998年>

 以上です。はっきり言ってこれだけの書籍タイトル、まとめるだけでも結構疲れました

 ざっと見てもらえばわかりますが、どうも同じ人が手を変え品を変え対談者を変えて何度もこの手の本を出しております。具体的に名前を挙げると、石平氏、宮崎正弘氏、黄文雄氏、 三橋貴明氏の四人です。四人ともこれだけ本を出しているのだからもう言い足りないことなんてないんじゃないのと思うほどなのですが、私なりに予言させてもらうとまだまだこの人たちは中国崩壊論で本を出すことでしょう。

 一体何故これほどまでに中国崩壊論で本が出版されるのかですが、一つのヒントとなる本として、「習近平と中国の終焉」(富坂聰)という本があります。
 この本はぶっちゃけ私は読んだことはないのですが、富坂氏に関しては中国事情に非常に詳しいジャーナリストとしてかねてから、そして今も尊敬している人物です。それだけにどうしてあの富坂氏が「中国の終焉」なんて現実離れしたことを言い出すのかちょっとショックを受けたのですが、この本のAmazonのレビューを読むと、こんなことが書かれています。

→しかし、書名はいただけません。「終焉」までは書かれていません。おそらく編集部の強い要請でこの書名になったのだと思います。

 恐らく、これが真実でしょう。単純に、「中国崩壊」などというタイトルをつけると本が売れるのでしょう。そのためこれほどまでに日本国内でチャイナリスクをけたたましく謳う本が溢れる事態になったのだと私は考えます。
 ここで私は思います。仮に自分も企画を持っていてこの手の本を書いたら売れるのかなぁと。社会学士なだけに統計データを弄ればそれなりに説得力のある本を書く自信もありますが、私自身は予想屋は予想を当ててなんぼ、売れる売れないは意味がないと考えているのでこの流れに乗る選択肢はやはりありません。

 またこれは私個人の意見ですが、「敵にはなるべく侮られたい」という考えを持っております。理由は侮られれば侮られるほどこちらとしては相手の寝首をかきやすいためで、逆に敵と認識している人物に警戒されるということは自身にとっては不利だと感じます。このような視点で中国崩壊論を見るにつけ中国をやや侮り過ぎじゃないかという気がして、仮に逆の立場で中国で日本崩壊論など日本を侮る書籍が並んでいたらきっと私はほくそ笑むでしょう。なんかそう考えると、冗談ではありますが中国崩壊論を主張する人は中国の間諜にも見えてきそうだ。

 以上のような具合で、チャイナリスクを検討することは至極もっともですが、金稼ぎはほどほどにしたらというのが私の意見です。最後にもう一冊本を紹介しますが、圧倒的アウェーの状況下で「中国は崩壊しない」(野村旗守&陳 惠運)という本も出ております。なんか逆に興味が湧くというか、今度買って読んでみようかなという気が起きます。友達にねだって買ってもらおうかな。

2013年4月27日土曜日

USJにおける大学生の迷惑行為について

幼稚、暗愚、無神経…USJ迷惑騒動で判明、今どき大学生の“嫌になるほどの低レベル”(産経新聞)

 このところ関西の大学生が遊園地などのレジャー施設で非常識な行動を自慢げにネットで発表をして炎上するという事件が続発しております。これら大学生の行為は各記事中にも書かれておりますが、非常識極まりないことはもとより「そもそもどうしてこんな幼稚でくだらない行動を自慢しようとするのか」という疑問の方が大きい気がして、はっきり言ってしまえば私もこいつら頭おかしいなと思います。
 なおこれらの非常識な行動は主にツイッターに大学生自身が投稿したことから」明るみに出ましたが、このブログを始めた当初にこちらはMixiですが、何故SNSサイトなどで自らを振りに追い込むような犯罪告白をするのかということを私自身が記事に書いております。若い頃から意味の分からないことを書いてるもんだと思えますが。

ミクシ発の自爆炎上について
続、ミクシ発の自爆炎上について

 ここで話は変わりますが、今回の事件の舞台となったUSJには私も昔行ったことがあり、当時は私も関西の大学生の一人であったということから同じ大学生のメンバーらと行きました。その際に絶叫系の遊具に乗って、一番滑降が激しい所で運営側が写真を取ってくれるのですが、絶叫系の乗り物に乗り慣れている友人がびっくりするくらい無表情(彼にとっては緩かった)で写真に写っていたのが今でもよく覚えております。

2013年4月26日金曜日

故大島渚監督の話

 昨日のNHK放送のクローズアップ現代で、今年亡くなられた大島渚監督についての特集報道がありました。私は大島監督の作品はこれまで見たことがなかったのですが、見ていてなんだかこみ上げるものがあったので折角だから書くことにします。

 まず大島監督について私はこれまで、現場で怒りやすい怖い監督だとしか知りませんでした。そんな大島監督のキャラクターは作品にも現れているようで、一貫して「不条理に対する怒り」というのものがテーマだったようです。以前に読んだ映画批評でも、口にするのもはばかれるような差別階級や社会問題を堂々とカメラに収め、それを視聴者にまざまざと見せつけるということが多かったらしく、若い頃から社会派だったり政治的映画監督だなとと呼ばれていたとのことです。

 あまり長く書いてもしょうがないので今回のNHKの特集でドキッとしたというか心動かされたのは、大島監督の長男である大島武氏(父親によく似ている)が父親の映画について、「これほどまでに不条理が世の中に溢れているのになんで黙ってみていられるんだ、笑っていられるんだ、というようなものを訴えたかったのでは」というようなことを述べておりました。実はこの不条理という言葉、かなり以前ですが私も就活で苦戦している最中に恩人から、「この世の中は不条理でできていると言ってもいいのだから、なかなか思うようにはいかない」と深く諭されたことがありました。それだけに大島武氏の言葉にああそうか、不条理を正せとまでは行かなくても、それを無視すること、目をそらすことは悪いことなんだなんていう事を久々に思い起こされました。

 自分もこのブログでは結構格闘しているつもりではありますが、それでも世の不条理と戦っているとは正直言いづらいです。何も自分がやる気を出せばそれらの不条理を正せるなどとは思いあがってはおりませんが、それでも何かしら、少しずつでも努力はしていきたいと思った次第です。

  おまけ
 昔に自分も世の中の不条理に負けそうになった時、「世の中何も面白いことなんてないよ」と愚痴ったら、「『銀魂(漫画)』があるじゃないか(n‘∀‘)η」などと、友人からわけのわからない慰め方をされたことがあります。まぁ確かに、銀魂は面白いけどさ。
 ちなみに最近、「進撃の巨人」というアニメを見ていますが、この漫画屈指のギャグキャラクターであるサシャ・ブラウスというキャラの声優は小林ゆうという人で、この人は「銀魂」では猿飛あやめというキャラを演じてます。今回(3話)の演技は見事と言えるくらいうまいのですが、それ以上にこの人の絵画のセンスがあのはいだしょうこ氏に負けてないのがすごい。