ページ

2013年5月1日水曜日

ロート製薬脅迫事件の判決について

ロート製薬強要事件(Wikipedia)

 あまり知っている人はいないんじゃないかなぁとも思うので、判決も出たことだし昨年起きたロート製薬に対する脅迫事件を取り上げることにします。
 この事件のあらましは上記のWikipediaの記事を読んでもらえれば早いのですが私の方から簡単に説明すると、去年にロート製薬がテレビCMに韓国人女優のキム・テヒ氏を起用しようとしたところ、過去にキム・テヒ氏が竹島は韓国の領土であるというPR活動を行っていたことからネットを中心に起用に対して大きな反発が広がり、直接ロート製薬の本社を訪れ脅迫を行った男らが逮捕された事件です。先程ニュースを見ていたらちょうど判決が出ており、主犯格の男に懲役1年6ヶ月の判決が下りたようです。

ロート製薬脅迫の男に懲役1年6月 韓国女優のCM起用で(産経新聞)

 具体的にどんなふうに脅迫されたのかですが、「右翼紹介したる」とか「竹島はどこの領土や」とか「抗議デモやったるぞ」などと言ったそうですが、なんでこういう時ってみんな関西弁使うんだろ。

 この事件になんで私が注目したのかというと、今回判決が出た主犯格の男の発言に興味を持ったことからです。Wikipediaの記事によると激しく怒鳴り散らしていたことからロート製薬の担当者が「お言葉使い、ご配慮頂けますか」といったところ育ちが原因だと反論した上で、「俺の家、同和やから俺のとこ馬鹿にしてるのか」と散々に同和、同和と繰り返して迫ったそうです。でもってオチというか、その後の警察の捜査によるとこの男は同和地区の出身者でなかったことがわかりました。

 我ながら細かいところを見るなぁという気もするのですが、この男といい、同和問題をやたらと盾にした主張する人というのは実際には同和問題を軽んじている人が多い気がします。ここで取り上げたこのどうにもならない主犯格の男についても、自分は同和地区出身者でもない癖に同和の人間はさも口が悪いかのような言い方をして脅迫の手段に使う辺り、同和差別をしているのはほかならぬお前自身じゃないかと言いたくなるような人物です。

 戦前の天皇崇拝もこれと似たような構造を持っております。戦時中、陸軍をはじめとした軍部関係者は「天皇陛下のために」と言いながら勝ち目のない戦争を無理矢理続けてきましたが、いざ昭和天皇がポツダム宣言受諾を行うと決めるや、クーデターを起こして天皇を退位させ、新たな天皇を立てた上で戦争を続けようと考えるグループが現れ、実際に玉音放送のレコードを奪取しようと行動にまで起こしております。誰のための戦争だと言われれば、彼らにとって天皇というのは建前であって自分自身のための戦争でしかなかったのでしょう。

 翻って現代を見てみると、会社のために、学校のために、地球のためになどと抜かす人間は果たして本当にそういう気持ちを持っているのか、著しく疑問に思う人物が多いです。会社のために損失隠しを行う、学校のためにいじめ事件をなかったことにする、地球のためにペットボトルを再利用する、こういった行為はどれも本末転倒な側面が否めず、はっきり言えば自己弁護以外でも何物でもなく本当に貴様らが守りたいのは自分自身だろといいたくなります。

 こういう価値観を持っているせいか、声高に上記のような発言をする人間を見ると真面目に吐き気がします。別に愛社精神とかを持つことは悪いことじゃないですが、声高にそういったものを主張する人間は八割方そういった精神を持ち合わせておらず、むしろ自己本位な人間と言っても差し支えないでしょう。キリスト教でもイスラム教でも、「やたらと神の名を口にするな」という教えがありますがこの論は至極もっともで、本当に組織に対して尽くす思いがあるのならいちいち口にせず黙って行動に移せと言いたいのが私の意見です。

 最後にこの事件におけるロート製薬に対する私の意見を書きますが、脅迫などを行うことは絶対に許されないことですが、ロート製薬の方ももうちょっとしっかり人選をすればいいのにと思います。問題のキム・テヒ氏ですが、「独島は我が領土」と書かれたTシャツをわざわざスイスまで行って配ったりしてたそうで、日系メディアによるインタビューでは「私は理数系の人間で、歴史や政治のニュースにはウトいので。もっと勉強しなくてはいけないと思います」と答えてますが、こういう風に切り返すあたりガチだろこの人。

0 件のコメント: