私も何度か受験したことがある中国語の資格試験、HSK(漢語水平考試)で、受験料の割引を伴う受験者募集の告知依頼を受けたので、この場を使い簡単なご案内をさせていただきます。
今回この募集を行っているのは日中間で学生交流などを行っている「日中学生会議」という学生団体で、次回3/16に実施されるHSK試験の受験をこの団体を通して1/25の23:59までに申し込むことによって、各級で10%の受験料の割引が受けられます。通常料金での申込期限は2/16までですが、割引が受けられる今回の募集は上記の通り1/25までと日程がタイトなので、迷っておられる方は早めに決断し、腹をくくって受験に臨みましょう。
~応募方法~
jcsc33rd@gmail.com
へ題名に「HSK受験」、本文にお名前をご記入の上ご連絡下さい。返信にて詳細と申込フォームをお送り致します。
~申込期限~
1/25 23:59まで
~各級の受験料と割引額~
(通常申込みでの受験料→割引での受験料)
6級:8500円→7650円
5級:7500円→6750円
4級:6000円→5400円
3級:5000円→4500円
2級:4500円→4050円
1級:3500円→3150円
最後に業務連絡ですが、明日より関西へ遠征に出かけるのでブログの更新をお休みします。余裕があればなんかの端末使って更新しますが、多分月曜まで更新はないと思いますのでご了解ください。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2014年1月24日金曜日
2014年1月22日水曜日
中国の新聞に載った日本のスポーツ漫画評論
今日くらいは記事更新をさぼろうかなと思っていましたが、ちょっと紹介したい中国の記事があったので書くことにします。
・日本のコミック・スポーツの相関性(人民日報日本語版)
前は中国語のニュースサイトを見ていたのですがこのところ忙しく(パズドラで)て人民日報の日本語版に頼りっぱなしなのですが、今日出てたこの記事はいろんな意味で笑かされました。書かれている内容は日本のスポーツ漫画についてで、多種多様なジャンルで描かれているだけでなくどれも綿密な取材やプロ選手の観衆を受けていて完成度が高いと指摘し、これらのスポーツ漫画の中には各時代の少年少女に強い影響を与えてそのスポーツジャンルの興隆に一役を買っているなどと随分と持ち上げてくれています。
書いていることは決して的外れではなくおかしくはないのですが、なんというべきか各スポーツジャンルで代表的な漫画タイトルが数多く載せられており、しかもそのどれもがやや古いというのが気になりました。たとえば引用すると、
『バスケットボールでは、「スラムダンク」のみならず、松田尚正の「HI5!」、藤井五成の「DRAGON JAM」、井上雄彦の「BUZZER BEATER」などが根強いファンに影響を与えた。』
「スラムダンク」はわかるんだけど、ほかのタイトルはそれほどメジャーだったのかなというとちょっと疑問符つきます。ファンの方には申し訳ないけど「HI5!」と「DARGON JAM」はそもそもタイトルすら知りませんでした。っていうかバスケ漫画だったらこれも古いけど「DEAR BOYS」とか、今だったら「黒子のバスケ」を挙げるべきじゃないかな。
ほかにもテニス漫画として挙げられているものだと、
『小島一将の「青空スタンバイ」、許斐剛の「テニスの王子様」、高橋陽一が描いた「翔の伝説」などのテニスコミックがつづく。』
「テニスの王子様」はともかくとして、ほかの二つのタイトルは果たしていかがなものか。特に高橋陽一氏の「翔の伝説」はタイトルだけは知っているけど売れなくて「キャプテン翼」に回帰したっていうのに。
これら以外にも格闘漫画として「拳児」とか「B・B」が出てきて、一読した私の感想というと、「この記事書いた奴絶対おっさんだろ!」というのが本音です。まぁここだけの話、石渡治氏の「B・B」は私も大好きでこの記事書いたおっさんは私と同じく「10cmの爆弾」を知っているとみて間違いないでしょう。
なお記事では最後に中国ではこういったスポーツ漫画はほとんど存在しておらず、青少年への教育的意義を考えるとあまりいい状況ではないとして日本のスポーツ漫画、アニメを見習うべきみたいな感じでまとめられています。書いた奴はおっさんに間違いないとコナンばりの推理を披露した後で言うのもなんですが、確かにこういったスポーツ漫画は教育的価値は高く、またスポーツ振興において無視できない影響力があるため「中国にも!」という意見は非常にいい指摘のように思えます。
記事中でも最初に触れられていますが、仮に「キャプテン翼」がなければ日本サッカーは今より十年くらい遅れていたかもしれません。中田英寿元選手くらいの世代などはまさにこの「キャプテン翼」を読んでサッカーを始めた人が多い世代で、この世代がオリンピックやWカップで活躍したことによってアジア屈指のサッカー国に日本はなれたのではないかとかねてから考えています。
なんで「翔の伝説」をディスっておきながらこう「キャプテン翼」を持ち上げるのかというと、実は自分も今から約十年前に似たような記事というかコラムを書いているからです。当時の自分は高校生でしたが図書委員であまりにも活動してないからたまには仕事してやるかっていう妙な上から目線で図書館の司書に自ら直訴し、書評コラムを不定期に書いて全校に配布してました。そんなコラムの中に、「たまには教師とケンカしてみよう」などとこれまた妙なノリで確か「漫画は読書かこれ如何に」っていうタイトルで漫画を読むことは読書となるのかどうかというテーマで一本記事書いて、中学・高校(一貫校だった)の生徒全員にプリント一枚分のコラムを流したわけでした。
そのコラムでは漫画を大量に読んでいる層は案外活字の本も読んでいる人が身の回りに多いと体験談を述べて、何も読まないよりかは漫画でも読んだ方がいいんじゃないかと書いた上で実際の活動につながる例として「キャプテン翼」を持ち出し、当時Wカップがやっていたので日本代表もこれ読んで始めた人が多いって感じでまとめてました。今思うと、こんなくだらないコラム書くくらいなら文化大革命について持論でも展開しとけばよかったかななどという気持ちがあります。
最後にこうした自分のコラム執筆でしたが、結局一代で終わったというかその後には誰も続きませんでした。一応後継者を育てようと図書委員会内で書きたいと思う奴はいないのかと募った上で、もしやる気がある奴がいれば自分が文章の書き方を指導すると伝えたのですが誰も来ず、いろいろ支援してくれた司書の先生にちょっと申し訳なかった気持ちが今でも残ってます。
ただ今も変わらず上から目線で述べると、ほかならぬ自分から文章指導をタダで受けられるチャンスがあったのにそれをみすみす見逃すなんて勿体ないことしやがってという風にも考えてます。それこそ原稿用紙100枚くらいを一瞬で書ける人間なんてそんなにいないんだから、もし見つけたら中学・高校生、何だったら大学生くらいならすぐに教えを請いた方が絶対得でしょう。っていうか、そういう存在が自分の中学時代に欲しかった……。
・日本のコミック・スポーツの相関性(人民日報日本語版)
前は中国語のニュースサイトを見ていたのですがこのところ忙しく(パズドラで)て人民日報の日本語版に頼りっぱなしなのですが、今日出てたこの記事はいろんな意味で笑かされました。書かれている内容は日本のスポーツ漫画についてで、多種多様なジャンルで描かれているだけでなくどれも綿密な取材やプロ選手の観衆を受けていて完成度が高いと指摘し、これらのスポーツ漫画の中には各時代の少年少女に強い影響を与えてそのスポーツジャンルの興隆に一役を買っているなどと随分と持ち上げてくれています。
書いていることは決して的外れではなくおかしくはないのですが、なんというべきか各スポーツジャンルで代表的な漫画タイトルが数多く載せられており、しかもそのどれもがやや古いというのが気になりました。たとえば引用すると、
『バスケットボールでは、「スラムダンク」のみならず、松田尚正の「HI5!」、藤井五成の「DRAGON JAM」、井上雄彦の「BUZZER BEATER」などが根強いファンに影響を与えた。』
「スラムダンク」はわかるんだけど、ほかのタイトルはそれほどメジャーだったのかなというとちょっと疑問符つきます。ファンの方には申し訳ないけど「HI5!」と「DARGON JAM」はそもそもタイトルすら知りませんでした。っていうかバスケ漫画だったらこれも古いけど「DEAR BOYS」とか、今だったら「黒子のバスケ」を挙げるべきじゃないかな。
ほかにもテニス漫画として挙げられているものだと、
『小島一将の「青空スタンバイ」、許斐剛の「テニスの王子様」、高橋陽一が描いた「翔の伝説」などのテニスコミックがつづく。』
「テニスの王子様」はともかくとして、ほかの二つのタイトルは果たしていかがなものか。特に高橋陽一氏の「翔の伝説」はタイトルだけは知っているけど売れなくて「キャプテン翼」に回帰したっていうのに。
これら以外にも格闘漫画として「拳児」とか「B・B」が出てきて、一読した私の感想というと、「この記事書いた奴絶対おっさんだろ!」というのが本音です。まぁここだけの話、石渡治氏の「B・B」は私も大好きでこの記事書いたおっさんは私と同じく「10cmの爆弾」を知っているとみて間違いないでしょう。
なお記事では最後に中国ではこういったスポーツ漫画はほとんど存在しておらず、青少年への教育的意義を考えるとあまりいい状況ではないとして日本のスポーツ漫画、アニメを見習うべきみたいな感じでまとめられています。書いた奴はおっさんに間違いないとコナンばりの推理を披露した後で言うのもなんですが、確かにこういったスポーツ漫画は教育的価値は高く、またスポーツ振興において無視できない影響力があるため「中国にも!」という意見は非常にいい指摘のように思えます。
記事中でも最初に触れられていますが、仮に「キャプテン翼」がなければ日本サッカーは今より十年くらい遅れていたかもしれません。中田英寿元選手くらいの世代などはまさにこの「キャプテン翼」を読んでサッカーを始めた人が多い世代で、この世代がオリンピックやWカップで活躍したことによってアジア屈指のサッカー国に日本はなれたのではないかとかねてから考えています。
なんで「翔の伝説」をディスっておきながらこう「キャプテン翼」を持ち上げるのかというと、実は自分も今から約十年前に似たような記事というかコラムを書いているからです。当時の自分は高校生でしたが図書委員であまりにも活動してないからたまには仕事してやるかっていう妙な上から目線で図書館の司書に自ら直訴し、書評コラムを不定期に書いて全校に配布してました。そんなコラムの中に、「たまには教師とケンカしてみよう」などとこれまた妙なノリで確か「漫画は読書かこれ如何に」っていうタイトルで漫画を読むことは読書となるのかどうかというテーマで一本記事書いて、中学・高校(一貫校だった)の生徒全員にプリント一枚分のコラムを流したわけでした。
そのコラムでは漫画を大量に読んでいる層は案外活字の本も読んでいる人が身の回りに多いと体験談を述べて、何も読まないよりかは漫画でも読んだ方がいいんじゃないかと書いた上で実際の活動につながる例として「キャプテン翼」を持ち出し、当時Wカップがやっていたので日本代表もこれ読んで始めた人が多いって感じでまとめてました。今思うと、こんなくだらないコラム書くくらいなら文化大革命について持論でも展開しとけばよかったかななどという気持ちがあります。
最後にこうした自分のコラム執筆でしたが、結局一代で終わったというかその後には誰も続きませんでした。一応後継者を育てようと図書委員会内で書きたいと思う奴はいないのかと募った上で、もしやる気がある奴がいれば自分が文章の書き方を指導すると伝えたのですが誰も来ず、いろいろ支援してくれた司書の先生にちょっと申し訳なかった気持ちが今でも残ってます。
ただ今も変わらず上から目線で述べると、ほかならぬ自分から文章指導をタダで受けられるチャンスがあったのにそれをみすみす見逃すなんて勿体ないことしやがってという風にも考えてます。それこそ原稿用紙100枚くらいを一瞬で書ける人間なんてそんなにいないんだから、もし見つけたら中学・高校生、何だったら大学生くらいならすぐに教えを請いた方が絶対得でしょう。っていうか、そういう存在が自分の中学時代に欲しかった……。
2014年1月21日火曜日
大河ドラマで見たい悪い奴ら
年初から放送が始まったNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」を一応見ていますが、今のところは大きな展開もないためまだ評価はし切れないなとやや我慢するような感じです。それでも前の「八重の桜」よりかは脚本面でまだマシだと思えるので今後も見続けてみます。
それで今回の主役である官兵衛こと黒田官兵衛ですが、各種の評論で「ややマイナーな人物なので視聴率が不安」等と書かれているのをよく見るのですが、「えっ、黒田官兵衛がマイナーなの!?」とこれら評論を読んで逆に私は驚きました。でも確かに歴史マニアで知らなかったらお話にならない人物ですが一般的にはそれほど知られていないし、今回の放送をきっかけにもっと知名度上がって黒田節とかも流行ればいいなとか内心思っています。
しかしこういう大河ドラマの人選ですがメジャーどころはもう既に一度や二度は製作されているし、かといってマイナーすぎると返って人気が出なくなる恐れがあります。以前にもこのブログでこういう人物を取り上げてみたらどうだろうかという記事を書いてみましたが、今日ふと仕事中に「むしろ悪い奴らを取り上げてみたら面白くね( ゚∀゚)」なんて思いついたので、大河ドラマにしたら面白そうな悪い連中を今日はいくつか紹介しみます。
1、松永久秀
知ってる人には説明の必要もないでしょうが、日本史上で悪い奴ナンバーワンと言ったら文句なしにこの松永久秀が確実に候補に挙がってくるでしょう。どんな悪いことをしたのかってそれこそ数えていたらきりがないのですが代表的なのだと東大寺大仏殿を燃やしたり、主家を乗っ取ったり、家中で暗殺しまわったり、農民をいじめたり、信長を裏切ったり(二回も)と、やれるだけのことをやったというよりやるだけやってしまったような悪い奴です。
しかし悪いことをしておきながらも戦争指揮はピカイチだし、当時の茶人としてはほぼ最高級の評価を得ているというのがミスマッチというか彼の不思議な魅力につながっています。しかも最後は茶釜に火薬しこんで自爆するというハリウッド映画さながらの幕切れだし、大河ドラマにしたらすごい面白くなる気がします。社会的影響はこの際無視しないといけないが。
2、宇喜多直家
上述の松永久秀、斎藤道三と並んで戦国三大梟雄の一人である宇喜多直家ですが、この人に関してはガチで理性を持った精神異常だったんじゃないかと密かに考えています。どういう事をやったのか順を追って説明すると、自分の祖父が同僚である島村盛実に暗殺されたため父とともに放浪後、島村盛実と同じ主君に仕えてその主君にあることないこと吹きこみ島村盛実を謀反の疑いで始末させたことを皮切りに、家中でライバルとなる同僚を片っ端から暗殺してぐんぐん出世していった後に主君を裏切って独立、そして状況が悪くなるや一旦和睦した後でまた裏切るという鬼のような所業をなしています。
実の弟からも「私の兄はサイコパス」みたいな証言されてますが自分の娘婿とかも出世のためには平気で暗殺しているだけに、弟君も気が気じゃなかったのでしょう。敢えて凝った言い方するとちょっと精神に異常をきたした人が変に才能を持っていると手に負えなくなる好例なので、これで大河ドラマをやったら火曜サスペンスもさながらの急展開の連続になるだろうな。
3、梶原景時
リンクを貼るためウィキペディアのページを開いたらいきなり『「大悪人」と古くから評せられている』と表示され思わずニヤリ。彼の悪行はほぼすべて「チクリ」に集約されるのですが、このチクリよって謀反の疑いをかけられたのは源義経を筆頭に数知れず、ジャイアンにおけるスネ夫の様な活躍を鎌倉を舞台に実行しています。しかし最後はまたあることないこと吹きこもうとしたら不満を持たれていたみんなに一斉に糾弾され、追いやられて反乱起こして死ぬというまたまたドラマチックというか昼ドラみたいな終わり方です。
4、甘粕正彦
細かい説明は省きますが、大杉事件に関して甘粕は現代においてほぼ冤罪であったということがほぼ確実視されていますが、満州帝国の闇の帝王だったというのは揺るがない事実です。実際には満州国建国前の方がえげつなく、特務工作員として麻薬ビジネスに関わったり、溥儀を拉致って来たりなどと007の悪役も真っ青なことを現実に実行しています。しかし全体的な人生で見るとまさに国家に翻弄されたともいうべき男で、私自身はその運命の流転ぶりに深く同情する一人です。なかなかドラマチックだし、日本史であまり扱われない満州帝国の建国から崩壊まで扱えるので、ドラマの題材には格好ではないかという気がします。
以上、ざっと四人ほど悪い奴を挙げてみました。ただ今回の記事を準備するに当たってあれこれ人物候補を考えたのですが、いろいろ悪人を比較するにつけて日本って本当に小悪党しかおらず悪党のスケールが小さいという考えが段々強くなってきました。
というのもお隣であり自分のホームグラウンドである中国では数十万人単位の虐殺が頻繁に起こったり、国家予算の半分くらいを横領したり、元主君とその一族全員を数百人単位で残虐な処刑方法で殺したりする人間がしょっちゅう出てきて、こう言ってはなんですが日本の悪党と比べると中国はあまりにもスケールが違いすぎます。今日挙げた松永久秀も中国の水準に照らすと「よくいる奴」レベルで、下手したら悪党として数えてもらえない可能性もあります。
これをただ単に日本のスケールが小さいと見るべきか、中国が修羅の国とみるべきかは深い議論が必要となりそうです。
それで今回の主役である官兵衛こと黒田官兵衛ですが、各種の評論で「ややマイナーな人物なので視聴率が不安」等と書かれているのをよく見るのですが、「えっ、黒田官兵衛がマイナーなの!?」とこれら評論を読んで逆に私は驚きました。でも確かに歴史マニアで知らなかったらお話にならない人物ですが一般的にはそれほど知られていないし、今回の放送をきっかけにもっと知名度上がって黒田節とかも流行ればいいなとか内心思っています。
しかしこういう大河ドラマの人選ですがメジャーどころはもう既に一度や二度は製作されているし、かといってマイナーすぎると返って人気が出なくなる恐れがあります。以前にもこのブログでこういう人物を取り上げてみたらどうだろうかという記事を書いてみましたが、今日ふと仕事中に「むしろ悪い奴らを取り上げてみたら面白くね( ゚∀゚)」なんて思いついたので、大河ドラマにしたら面白そうな悪い連中を今日はいくつか紹介しみます。
1、松永久秀
知ってる人には説明の必要もないでしょうが、日本史上で悪い奴ナンバーワンと言ったら文句なしにこの松永久秀が確実に候補に挙がってくるでしょう。どんな悪いことをしたのかってそれこそ数えていたらきりがないのですが代表的なのだと東大寺大仏殿を燃やしたり、主家を乗っ取ったり、家中で暗殺しまわったり、農民をいじめたり、信長を裏切ったり(二回も)と、やれるだけのことをやったというよりやるだけやってしまったような悪い奴です。
しかし悪いことをしておきながらも戦争指揮はピカイチだし、当時の茶人としてはほぼ最高級の評価を得ているというのがミスマッチというか彼の不思議な魅力につながっています。しかも最後は茶釜に火薬しこんで自爆するというハリウッド映画さながらの幕切れだし、大河ドラマにしたらすごい面白くなる気がします。社会的影響はこの際無視しないといけないが。
2、宇喜多直家
上述の松永久秀、斎藤道三と並んで戦国三大梟雄の一人である宇喜多直家ですが、この人に関してはガチで理性を持った精神異常だったんじゃないかと密かに考えています。どういう事をやったのか順を追って説明すると、自分の祖父が同僚である島村盛実に暗殺されたため父とともに放浪後、島村盛実と同じ主君に仕えてその主君にあることないこと吹きこみ島村盛実を謀反の疑いで始末させたことを皮切りに、家中でライバルとなる同僚を片っ端から暗殺してぐんぐん出世していった後に主君を裏切って独立、そして状況が悪くなるや一旦和睦した後でまた裏切るという鬼のような所業をなしています。
実の弟からも「私の兄はサイコパス」みたいな証言されてますが自分の娘婿とかも出世のためには平気で暗殺しているだけに、弟君も気が気じゃなかったのでしょう。敢えて凝った言い方するとちょっと精神に異常をきたした人が変に才能を持っていると手に負えなくなる好例なので、これで大河ドラマをやったら火曜サスペンスもさながらの急展開の連続になるだろうな。
3、梶原景時
リンクを貼るためウィキペディアのページを開いたらいきなり『「大悪人」と古くから評せられている』と表示され思わずニヤリ。彼の悪行はほぼすべて「チクリ」に集約されるのですが、このチクリよって謀反の疑いをかけられたのは源義経を筆頭に数知れず、ジャイアンにおけるスネ夫の様な活躍を鎌倉を舞台に実行しています。しかし最後はまたあることないこと吹きこもうとしたら不満を持たれていたみんなに一斉に糾弾され、追いやられて反乱起こして死ぬというまたまたドラマチックというか昼ドラみたいな終わり方です。
4、甘粕正彦
細かい説明は省きますが、大杉事件に関して甘粕は現代においてほぼ冤罪であったということがほぼ確実視されていますが、満州帝国の闇の帝王だったというのは揺るがない事実です。実際には満州国建国前の方がえげつなく、特務工作員として麻薬ビジネスに関わったり、溥儀を拉致って来たりなどと007の悪役も真っ青なことを現実に実行しています。しかし全体的な人生で見るとまさに国家に翻弄されたともいうべき男で、私自身はその運命の流転ぶりに深く同情する一人です。なかなかドラマチックだし、日本史であまり扱われない満州帝国の建国から崩壊まで扱えるので、ドラマの題材には格好ではないかという気がします。
以上、ざっと四人ほど悪い奴を挙げてみました。ただ今回の記事を準備するに当たってあれこれ人物候補を考えたのですが、いろいろ悪人を比較するにつけて日本って本当に小悪党しかおらず悪党のスケールが小さいという考えが段々強くなってきました。
というのもお隣であり自分のホームグラウンドである中国では数十万人単位の虐殺が頻繁に起こったり、国家予算の半分くらいを横領したり、元主君とその一族全員を数百人単位で残虐な処刑方法で殺したりする人間がしょっちゅう出てきて、こう言ってはなんですが日本の悪党と比べると中国はあまりにもスケールが違いすぎます。今日挙げた松永久秀も中国の水準に照らすと「よくいる奴」レベルで、下手したら悪党として数えてもらえない可能性もあります。
これをただ単に日本のスケールが小さいと見るべきか、中国が修羅の国とみるべきかは深い議論が必要となりそうです。
2014年1月20日月曜日
沖縄・名護市長選の結果と今後の展望
今日いじめに関するニュースを昼休みに見ていたら、「クラス全員からハブにされてたのかな」という文章が浮かぶやクラスメイト全員から呪詛をかけられハブの姿に変えられる生徒の姿が思い浮かんで噴き出していました。多分働きすぎなんだと思います。
そんな自分の明日はどっちだ的な話は置いといて本題に入りますが、皆さんも知っての通りでしょうが昨日に沖縄県普天間市にある米軍基地の移設先候補である名護市で市長選挙が実施され、移設反対派である現職の稲嶺氏が新人の末松氏を破り見事再選を果たしました。当選発表後の会見で稲嶺氏は改めて移設反対の意思を表明し、沖縄県や国からの埋め立てなどと言った工事申請を拒否する考えを示しました。
まずメディア報道に苦言を呈しますが、新聞各社で言えば産経がつまらなそうに報じた一方で朝日や毎日が楽しそうに報じている辺りは予定調和な感じがします。読売は短く、最後に政府高官の話をのっけているからどっちかっていうと産経寄りかな。
これらの報道でちょっと気になったのは、朝日や毎日系列各社が候補者の得票差が約4000票となったことをやけに強調している点です。「4000票も差がついた」と書くとさも大差であるような印象を覚え、実際にこう報じたところはそのように認識させようとこういう表現を取ってきたのでしょうが、候補者両者の得票数は稲嶺氏が1万9839票、末松氏が1万5684票で、大まかな比率にして20:16=5:4だから決して圧勝ではなかったように私には見えます。当選した稲嶺氏は前回選挙時より得票数は増えたそうですが、私としては末松氏が受かると移設が非常に現実的になる事を考えると割とアウェイだったんじゃないかと見ていて、それにも関わらずこれだけ票を取ってきたのは正直言って想定外でした。
とはいえ、どれだけの差だろうと受かったのは稲嶺氏です。移設反対派の稲嶺氏が受かったことによって普天間基地移設のスケジュールに影響が出るという点については産経を含めてどのメディアも指摘しており、勢い上げる朝日や毎日は政府は民意をきちんと反映すべきだとしており、移設計画の修正にも踏み切るべきだと言わんばかりの主張が透けて見えます。対する産経は「名護市長選 辺野古移設ひるまず進め」という実に産経らしい見出しで社説を打ってきて、日米同盟への影響を懸念しつつ稲嶺氏に再考を促すという、まぁ産経らしい香ばしい記事を書いてきてます。
ただ正直な感想を述べると、私の意見も産経に近いのが本音です。仮にまた移設計画を修正するとなると普天間における現在進行の問題は今後も続くわけだし、基地移設に当たって補助金など出すべきものは税金から出してもいいからどうか計画を受け入れてほしいと個人的な意見として述べます。
もちろん移設される名護市民としては何故自分たちばかりが負担をという不満を感じるのは当然でしょうし名護市に住んでいない自分がえらそうに言うべきではないのかもという気持ちもありますがそれでも書くと、沖縄に米軍基地を置くのは防衛上、地理上からの観点からであって、これを変な感情や意志によって曲げることは藪蛇にしかならないと私は思います。また神奈川県横須賀市みたいに米軍基地があっても米軍と仲良くやっている都市もあるのだし、軍事上、外交上の課題解消を優先してどうか前向きに考えて欲しいという思いがあります。
こうした個人的な意見を述べた上で今後の展望についてやっと書き始めますが、たとえ稲嶺氏がどれだけ抵抗した所でやはり移設は強行されるのではないかと見ています。大きな理由としては今現在で安倍政権は支持率も高く、また先日も中国がまた国産空母を計4艦建造しているというニュースが出るなど中国脅威論が現実化しており、メディアがどれだけキャンペーンを打っても全国的な反対運動には至らないのではないかと考えているからです。仮に沖縄県知事である仲井眞氏が移設反対であればまだ話は違いますが今の彼は賛成派に回っており、たとえ名護市がどれだけ手続き面で抵抗しても裏道的な法規解釈によって潰されるのがオチじゃないかと思います。そもそも、自分は日本が法治国家とはあまり思っていませんが。
あとこれは先ほど自分が述べた個人的意見にもつながるのですが、今月24日からまた国会が召集されますが、この問題で野党民主党は与党自民党に対して何も意見を主張できないし、したところで失笑される結果を自ら招くだけでしょう。理由は言うまでもないですが民主党は鳩山政権時に何の代替策もなしに県外移設を掲げた挙句に結局辺野古へと意見を振替してこの問題で大きな混乱を招いており、米国はおろか沖縄県民からも信頼されているとは思えません。となるとこの問題で批判できる勢力っていうのは、共産党はするだろうけどいかんせん勢力が小さすぎるのもありほぼ皆無ってところです。
稲嶺氏が移設に反対する理由を全く理解できない訳ではありませんが、じゃあどうするのか、普天間はこのままでいいのかという問いがもたげ、それであればと批判を受ける覚悟で私は辺野古移設に賛成の立場を取るわけです。
もっとも、完全に蛇足でしょうがやはり言わなければならないと思うので主張しますが、そもそも普天間の米軍基地が出来た当初は基地周辺は更地で、後から住民が流入してきたと聞きます。そういった経緯で出来たこの問題に果たしてどれだけ労力を注がねばならないのかと思うと、力技で一気に問題を解決しようとする中国がたまにうらやましく思えます。
そんな自分の明日はどっちだ的な話は置いといて本題に入りますが、皆さんも知っての通りでしょうが昨日に沖縄県普天間市にある米軍基地の移設先候補である名護市で市長選挙が実施され、移設反対派である現職の稲嶺氏が新人の末松氏を破り見事再選を果たしました。当選発表後の会見で稲嶺氏は改めて移設反対の意思を表明し、沖縄県や国からの埋め立てなどと言った工事申請を拒否する考えを示しました。
まずメディア報道に苦言を呈しますが、新聞各社で言えば産経がつまらなそうに報じた一方で朝日や毎日が楽しそうに報じている辺りは予定調和な感じがします。読売は短く、最後に政府高官の話をのっけているからどっちかっていうと産経寄りかな。
これらの報道でちょっと気になったのは、朝日や毎日系列各社が候補者の得票差が約4000票となったことをやけに強調している点です。「4000票も差がついた」と書くとさも大差であるような印象を覚え、実際にこう報じたところはそのように認識させようとこういう表現を取ってきたのでしょうが、候補者両者の得票数は稲嶺氏が1万9839票、末松氏が1万5684票で、大まかな比率にして20:16=5:4だから決して圧勝ではなかったように私には見えます。当選した稲嶺氏は前回選挙時より得票数は増えたそうですが、私としては末松氏が受かると移設が非常に現実的になる事を考えると割とアウェイだったんじゃないかと見ていて、それにも関わらずこれだけ票を取ってきたのは正直言って想定外でした。
とはいえ、どれだけの差だろうと受かったのは稲嶺氏です。移設反対派の稲嶺氏が受かったことによって普天間基地移設のスケジュールに影響が出るという点については産経を含めてどのメディアも指摘しており、勢い上げる朝日や毎日は政府は民意をきちんと反映すべきだとしており、移設計画の修正にも踏み切るべきだと言わんばかりの主張が透けて見えます。対する産経は「名護市長選 辺野古移設ひるまず進め」という実に産経らしい見出しで社説を打ってきて、日米同盟への影響を懸念しつつ稲嶺氏に再考を促すという、まぁ産経らしい香ばしい記事を書いてきてます。
ただ正直な感想を述べると、私の意見も産経に近いのが本音です。仮にまた移設計画を修正するとなると普天間における現在進行の問題は今後も続くわけだし、基地移設に当たって補助金など出すべきものは税金から出してもいいからどうか計画を受け入れてほしいと個人的な意見として述べます。
もちろん移設される名護市民としては何故自分たちばかりが負担をという不満を感じるのは当然でしょうし名護市に住んでいない自分がえらそうに言うべきではないのかもという気持ちもありますがそれでも書くと、沖縄に米軍基地を置くのは防衛上、地理上からの観点からであって、これを変な感情や意志によって曲げることは藪蛇にしかならないと私は思います。また神奈川県横須賀市みたいに米軍基地があっても米軍と仲良くやっている都市もあるのだし、軍事上、外交上の課題解消を優先してどうか前向きに考えて欲しいという思いがあります。
こうした個人的な意見を述べた上で今後の展望についてやっと書き始めますが、たとえ稲嶺氏がどれだけ抵抗した所でやはり移設は強行されるのではないかと見ています。大きな理由としては今現在で安倍政権は支持率も高く、また先日も中国がまた国産空母を計4艦建造しているというニュースが出るなど中国脅威論が現実化しており、メディアがどれだけキャンペーンを打っても全国的な反対運動には至らないのではないかと考えているからです。仮に沖縄県知事である仲井眞氏が移設反対であればまだ話は違いますが今の彼は賛成派に回っており、たとえ名護市がどれだけ手続き面で抵抗しても裏道的な法規解釈によって潰されるのがオチじゃないかと思います。そもそも、自分は日本が法治国家とはあまり思っていませんが。
あとこれは先ほど自分が述べた個人的意見にもつながるのですが、今月24日からまた国会が召集されますが、この問題で野党民主党は与党自民党に対して何も意見を主張できないし、したところで失笑される結果を自ら招くだけでしょう。理由は言うまでもないですが民主党は鳩山政権時に何の代替策もなしに県外移設を掲げた挙句に結局辺野古へと意見を振替してこの問題で大きな混乱を招いており、米国はおろか沖縄県民からも信頼されているとは思えません。となるとこの問題で批判できる勢力っていうのは、共産党はするだろうけどいかんせん勢力が小さすぎるのもありほぼ皆無ってところです。
稲嶺氏が移設に反対する理由を全く理解できない訳ではありませんが、じゃあどうするのか、普天間はこのままでいいのかという問いがもたげ、それであればと批判を受ける覚悟で私は辺野古移設に賛成の立場を取るわけです。
もっとも、完全に蛇足でしょうがやはり言わなければならないと思うので主張しますが、そもそも普天間の米軍基地が出来た当初は基地周辺は更地で、後から住民が流入してきたと聞きます。そういった経緯で出来たこの問題に果たしてどれだけ労力を注がねばならないのかと思うと、力技で一気に問題を解決しようとする中国がたまにうらやましく思えます。
2014年1月19日日曜日
電子書籍コミックス、出版各社の戦略
つい先週までアクセス数トップだった「奈良ドリームランドを偲ぶ」を追い抜き、いつの間にか「足利事件の真犯人について」が二位、「地下鉄サリン事件、医療現場での奮闘と奇跡」が一位に繰り上がってきました。二位についてはこの前小学生の女の子が行方不明になって公開捜査された影響が大きいと考えますが、一位の地下鉄サリン事件についてはどうやらまとめサイトでリンクを貼ってもらったことが原因のようです。ただこのところ地下鉄サリン事件に関する掲示板まとめ記事を数多く見て、これも恐らくは平田被告の裁判が始まった影響でしょうが、事件を知らない世代も増えていることからどういう事件だったのか興味を持つ人が増えている気がします。ちなみに自分の記事ですが改めて読んでみるとよくまとまっていて、まぁこれなら人に見せても恥ずかしくはないかなと勝手に考えてます。
話は本題に、というかちょっと手のかかる内容なだけに休日じゃないと書けないと思って今日まで引き延ばしてきたのですが、このところあまり自慢できないNexus7で電子書籍を買う機会が増えています。と言っても買うのは全部コミックスこと漫画ですが、日本の出版業界事情は世界的にもやや特殊でこれら漫画がメインであることを考えると電子書籍業界の先行きを占う上で重要なカテゴリーであると私は考えます。そんな電子書籍の漫画ですが、冷静に分析してみてみると出版社ごとに性格があるというか戦略が分かれており、今日は各社が今現在でどのように販売しているのか、どんな戦略を持っているのかを私なりにまとめてみようと思います。
先に今回の分析での前提を説明しておくと、私が電子書籍を購入しているのはAmazonのKindleなので、今回の分析も基本的にKindleでの販売方法というか価格を前提にしております。
1、集英社:発売時期をずらした上での割安な固定価格
「少年ジャンプ」を擁する漫画界の王者こと集英社ですが、ここが一番特殊というかもっとも際立った販売の仕方をしております。それはどんな売り方なのかというと、集英社は少年漫画、青年漫画の区別なくほぼ全ての漫画で同じ売り方を展開しており、その売り方というのも実体書籍が発売されてから約3か月後に1冊368円で売るという手法です。
実体書籍と電子書籍の発売時期をずらしているのは印刷会社への気兼ねでしょうが、販売価格をどの本も368円という固定価格にしているのは実に面白い取り組みです。固定価格せいなので割引率は発行媒体によって異なっており、少年ジャンプコミックスの実体書籍が420円に対しヤングジャンプコミックスの実体書籍が540円であることを考えると、青年コミックスの方が割安で購入できる計算となります。
2、秋田書店:同時発売で小幅な割引
調べたサンプル数が少ないのでもしかしたら本によって違うかもしれませんが、ここはどうやら実体書籍と電子書籍を同日に発売した上で、電子書籍の方はやや値引いて売っているようです。今回調べたのは私も購入した「実は私は」のコミックスですが、実体書籍が440円に対し電子書籍だと400円(または399円)で買うことが出来ます。こうした売り方が出来るのも、後で説明しますが集英社同様に印刷会社にあまり気兼ねする必要のない出版社だからじゃないかと推理しています。
3、講談社:小幅割引はあっても発売日は書籍別にバラバラ
価格に関してはたとえば実体書籍価格が450円の漫画だと420円と30円引きになっていることが多いです。しかし発売日は書籍ごとに完全にバラバラになっていると言ってもよく、人気作の「進撃の巨人」や「ダイヤのA」は実態書籍と電子書籍が同日に発売している一方、「七つの大罪」という漫画は電子書籍版の発売日が数ヶ月ずらされております。さらには「はじめの一歩」に関してはどうも新しい単行本は電子書籍化すらされていないようです、最初の方はしてるのにね。
上記三社を今回のサンプルに選んで調べましたが、やはり特筆すべきは集英社でしょう。電子書籍版の割引率で言えば群を抜いており、またどの単行本も区別なく同じ売り方で売っているのは確信犯でやっているように思えます。
この売り方で効果を発揮するのは、連載開始当初は読んでいなかったけど途中から読み始めて最初の方の単行本を買おうとする購買層でしょう。368円であれば古本価格にも十分対抗できる金額であり古本で買うくらいならスマホやタブレットなどで読めるんだしと、私自身がそうですが電子書籍版を買う人が少なくない気がします。こうした売り方が出来るのは先にも述べた通り、集英社は出版する書籍のうち漫画が大半を占め小説など文芸書が少ないことからほかの出版社と比べて意見力の強い印刷会社を気にせず、独自販売がしやすいためではないかと私は考えます。
同様に秋田書店も印刷会社を気にしなくていいというか、そもそも少年チャンピオンの発行部数がジャンプやマガジンと比べて極端に低いことからも集英社同様に気兼ねすることがないためだと推察されます。秋田書店のコミックスだと実体書籍にこだわりがない場合は電子書籍で購入した方が価格といい携帯性といい有利な点が多く、また先にも述べた通りに少年チャンピオンはお世辞にも売れている漫画雑誌ではないため、人気漫画だけでも単行本をより多く売るためにこういう手法を取っているのではないかと思えます。「バキシリーズ」といい、なんか単独の作品がバカ売れする傾向が多いしなここは。
最後の講談社ですが、こう言ってはなんですが中途半端な売り方に思えますが、これは印刷会社への気兼ねから実体書籍の売り上げを維持せざるを得ないためにこういうやり方になっているように見えます。ここは超人気作の「進撃の巨人」などはためらいなく電子書籍版を同時発売していますがそれ以外は大した割引もせず、発売日もずらしているので「だったら実体書籍で買った方がいいじゃん」ってな状況を作ってるようです。多分「進撃の巨人」なんかは電子書籍版を同時発売しても実体書籍も確実に売れるからこうできるのでしょうが、ほかの漫画なども同時発売されると印刷会社に文句とか言われる可能性があるため、こうなっているのではないかとこれで今日何度目だと言いたくなるくらいに勝手に推察します。
あまり出版業界に詳しくはない(新聞業界のが詳しい)のですが、人づてに話を聞いているとどうも印刷会社に出版社は頭が上がらないそうです。なんでそんな印刷会社がえらそうなんだと色々腑に落ちない点も多いのですが、電子書籍が普及すると間違いなく大打撃を喰らうのは出版業界ではなく印刷業界なので、それこそ嫌がらせとかだってしてくるのも理解できなくはありません。
話を本筋に戻しますが、売上げ的には集英社のやり方が一番うまく、でもって奇策的には秋田書店のやり方もうまいように思えます。秋田書店のやり方についてもう少し深く書くとこの方法なら最悪、漫画雑誌が売れなくて赤字になっても人気作を作ることにさえ成功できればそこそこ稼ぎ出すことも可能になり、かえって発行部数が少ない少年チャンピオンだからやれるやり方なのかもという風に見えます。私個人としては旧作についてはもう少し割り引いてもいいような気がしますが、同時発売に踏み切る出版社が今後増えることによって漫画業界も今後、売り方がいろいろ変わってくるんじゃないかと思う次第です。
一旦書き終えた後で再び書き加えますが、これら漫画の電子書籍版販売において何を一番念頭に置かなければいけないのかというと、私は古本との競争ではないかと考えています。特に旧作などは価格も安いということでただでさえ古本に購買層が流れやすい現在の状況からすると、電子書籍を多少割り引いてでもこれらの購買層に買ってもらうという風に誘導することで単行本当たりの収益がかなり変わる気がします。このように考えるなら、集英社がやっぱり一番うまいのかな。
おまけ
4:スクウェア・エニックス:発売日ずらした上で割引なし
電子書籍版の漫画販売で一番ファッキンな所となるとここですかね。というのも「EIGHTH」って漫画を読み始めてみようかなと思い電子書籍を見てみたのですが、一切の割引なしのフルプライス売ってやがって、これならブックオフで古本を選んだ方がいいやとなって購入に至っていません。ついでに発売日を調べてみたら最新刊の11巻は同時発売ですがそれ以前の巻は電子書籍版がややずらされています。ただでさえ「鋼の錬金術師」が終わってから不安定なのに、こんなんじゃやってけないぞと言いつつ、頼むからもう少し割り引いてくれという希望を書き残して筆をおきます。
追記(2014年4月15日)
この記事中で集英社コミックスの電子書籍版の価格は「368円」に統一されていると紹介しましたが、今日たまたま確認してみたら旧作は「300円」に統一されていました。タイミングとしては今年4月の消費税増税のタイミングで価格改定をしたのかもしれませんが、値下げするならもっと早く下げてくれてればよかったのに(´;ω;`)
話は本題に、というかちょっと手のかかる内容なだけに休日じゃないと書けないと思って今日まで引き延ばしてきたのですが、このところあまり自慢できないNexus7で電子書籍を買う機会が増えています。と言っても買うのは全部コミックスこと漫画ですが、日本の出版業界事情は世界的にもやや特殊でこれら漫画がメインであることを考えると電子書籍業界の先行きを占う上で重要なカテゴリーであると私は考えます。そんな電子書籍の漫画ですが、冷静に分析してみてみると出版社ごとに性格があるというか戦略が分かれており、今日は各社が今現在でどのように販売しているのか、どんな戦略を持っているのかを私なりにまとめてみようと思います。
先に今回の分析での前提を説明しておくと、私が電子書籍を購入しているのはAmazonのKindleなので、今回の分析も基本的にKindleでの販売方法というか価格を前提にしております。
1、集英社:発売時期をずらした上での割安な固定価格
「少年ジャンプ」を擁する漫画界の王者こと集英社ですが、ここが一番特殊というかもっとも際立った販売の仕方をしております。それはどんな売り方なのかというと、集英社は少年漫画、青年漫画の区別なくほぼ全ての漫画で同じ売り方を展開しており、その売り方というのも実体書籍が発売されてから約3か月後に1冊368円で売るという手法です。
実体書籍と電子書籍の発売時期をずらしているのは印刷会社への気兼ねでしょうが、販売価格をどの本も368円という固定価格にしているのは実に面白い取り組みです。固定価格せいなので割引率は発行媒体によって異なっており、少年ジャンプコミックスの実体書籍が420円に対しヤングジャンプコミックスの実体書籍が540円であることを考えると、青年コミックスの方が割安で購入できる計算となります。
2、秋田書店:同時発売で小幅な割引
調べたサンプル数が少ないのでもしかしたら本によって違うかもしれませんが、ここはどうやら実体書籍と電子書籍を同日に発売した上で、電子書籍の方はやや値引いて売っているようです。今回調べたのは私も購入した「実は私は」のコミックスですが、実体書籍が440円に対し電子書籍だと400円(または399円)で買うことが出来ます。こうした売り方が出来るのも、後で説明しますが集英社同様に印刷会社にあまり気兼ねする必要のない出版社だからじゃないかと推理しています。
3、講談社:小幅割引はあっても発売日は書籍別にバラバラ
価格に関してはたとえば実体書籍価格が450円の漫画だと420円と30円引きになっていることが多いです。しかし発売日は書籍ごとに完全にバラバラになっていると言ってもよく、人気作の「進撃の巨人」や「ダイヤのA」は実態書籍と電子書籍が同日に発売している一方、「七つの大罪」という漫画は電子書籍版の発売日が数ヶ月ずらされております。さらには「はじめの一歩」に関してはどうも新しい単行本は電子書籍化すらされていないようです、最初の方はしてるのにね。
上記三社を今回のサンプルに選んで調べましたが、やはり特筆すべきは集英社でしょう。電子書籍版の割引率で言えば群を抜いており、またどの単行本も区別なく同じ売り方で売っているのは確信犯でやっているように思えます。
この売り方で効果を発揮するのは、連載開始当初は読んでいなかったけど途中から読み始めて最初の方の単行本を買おうとする購買層でしょう。368円であれば古本価格にも十分対抗できる金額であり古本で買うくらいならスマホやタブレットなどで読めるんだしと、私自身がそうですが電子書籍版を買う人が少なくない気がします。こうした売り方が出来るのは先にも述べた通り、集英社は出版する書籍のうち漫画が大半を占め小説など文芸書が少ないことからほかの出版社と比べて意見力の強い印刷会社を気にせず、独自販売がしやすいためではないかと私は考えます。
同様に秋田書店も印刷会社を気にしなくていいというか、そもそも少年チャンピオンの発行部数がジャンプやマガジンと比べて極端に低いことからも集英社同様に気兼ねすることがないためだと推察されます。秋田書店のコミックスだと実体書籍にこだわりがない場合は電子書籍で購入した方が価格といい携帯性といい有利な点が多く、また先にも述べた通りに少年チャンピオンはお世辞にも売れている漫画雑誌ではないため、人気漫画だけでも単行本をより多く売るためにこういう手法を取っているのではないかと思えます。「バキシリーズ」といい、なんか単独の作品がバカ売れする傾向が多いしなここは。
最後の講談社ですが、こう言ってはなんですが中途半端な売り方に思えますが、これは印刷会社への気兼ねから実体書籍の売り上げを維持せざるを得ないためにこういうやり方になっているように見えます。ここは超人気作の「進撃の巨人」などはためらいなく電子書籍版を同時発売していますがそれ以外は大した割引もせず、発売日もずらしているので「だったら実体書籍で買った方がいいじゃん」ってな状況を作ってるようです。多分「進撃の巨人」なんかは電子書籍版を同時発売しても実体書籍も確実に売れるからこうできるのでしょうが、ほかの漫画なども同時発売されると印刷会社に文句とか言われる可能性があるため、こうなっているのではないかとこれで今日何度目だと言いたくなるくらいに勝手に推察します。
あまり出版業界に詳しくはない(新聞業界のが詳しい)のですが、人づてに話を聞いているとどうも印刷会社に出版社は頭が上がらないそうです。なんでそんな印刷会社がえらそうなんだと色々腑に落ちない点も多いのですが、電子書籍が普及すると間違いなく大打撃を喰らうのは出版業界ではなく印刷業界なので、それこそ嫌がらせとかだってしてくるのも理解できなくはありません。
話を本筋に戻しますが、売上げ的には集英社のやり方が一番うまく、でもって奇策的には秋田書店のやり方もうまいように思えます。秋田書店のやり方についてもう少し深く書くとこの方法なら最悪、漫画雑誌が売れなくて赤字になっても人気作を作ることにさえ成功できればそこそこ稼ぎ出すことも可能になり、かえって発行部数が少ない少年チャンピオンだからやれるやり方なのかもという風に見えます。私個人としては旧作についてはもう少し割り引いてもいいような気がしますが、同時発売に踏み切る出版社が今後増えることによって漫画業界も今後、売り方がいろいろ変わってくるんじゃないかと思う次第です。
一旦書き終えた後で再び書き加えますが、これら漫画の電子書籍版販売において何を一番念頭に置かなければいけないのかというと、私は古本との競争ではないかと考えています。特に旧作などは価格も安いということでただでさえ古本に購買層が流れやすい現在の状況からすると、電子書籍を多少割り引いてでもこれらの購買層に買ってもらうという風に誘導することで単行本当たりの収益がかなり変わる気がします。このように考えるなら、集英社がやっぱり一番うまいのかな。
おまけ
4:スクウェア・エニックス:発売日ずらした上で割引なし
電子書籍版の漫画販売で一番ファッキンな所となるとここですかね。というのも「EIGHTH」って漫画を読み始めてみようかなと思い電子書籍を見てみたのですが、一切の割引なしのフルプライス売ってやがって、これならブックオフで古本を選んだ方がいいやとなって購入に至っていません。ついでに発売日を調べてみたら最新刊の11巻は同時発売ですがそれ以前の巻は電子書籍版がややずらされています。ただでさえ「鋼の錬金術師」が終わってから不安定なのに、こんなんじゃやってけないぞと言いつつ、頼むからもう少し割り引いてくれという希望を書き残して筆をおきます。
追記(2014年4月15日)
この記事中で集英社コミックスの電子書籍版の価格は「368円」に統一されていると紹介しましたが、今日たまたま確認してみたら旧作は「300円」に統一されていました。タイミングとしては今年4月の消費税増税のタイミングで価格改定をしたのかもしれませんが、値下げするならもっと早く下げてくれてればよかったのに(´;ω;`)
2014年1月18日土曜日
ソフトよりハードな日本人
また日本人論かと自分でもなんだかうんざりしてきますが、そろそろ打ち止めになるのでどうかご容赦を。それに今日は自分のネタというより友人のだし。
ちょうど先週の土曜日、モーニングの誘いを華麗にスルーした友人がディナーにしないと提案してきたので焼肉屋に行きましたが、どうも客が大挙してきていたのか、はたまたバイトの店員が足りていなかったのかリアルに怒号が飛び交う店内を堪能しました。そんな焼肉屋を出た後、「甘いものが食べたい」と女子高生みたいなねだり方する友人と今度はミスタードーナツに男二人で行ってきたのですが、そこで「最近の日本人は語彙力が乏しい。かつては様々なニックネームが横行したが近年はこれというニックネームがない」と私が主張し、かつて書いた「センスのいいニックネーム集~プロ野球選手編」で挙げたニックネームを紹介していったところ友人が、「あのさ、全然話が違うんだけどそのニックネームを聞いていてつくづく思うのは、日本じってんってハード思想なんだなってことなんだけど」とぽつりと言ってきました。
その友人が反応したニックネームというのは元広島カープ投手である北別府氏の「精密機械」というニックネームなのですが、これ以外のニックネームも合わせてやたら機械や道具といったハードに即した物が多いと友人は考えたそうです。更には日本人が得意とする擬人化も、最近だと「艦これ」などが典型ですがハードをキャラクター化するのに長けているもののソフトウェアを元に取ることが少なく、ソフトよりハードにこだわる日本人の思想がこういうところにも出ていると指摘してくれました。
ソフトよりハード、と言えば聞こえはいいのですがこれは裏返すとソフトを軽視しがちな日本人の欠点も出ております。私の目から見て日本人は過分にこの傾向があり、たとえば製品の開発においてもまずハードこと製品の物質そのものから構想を高め、ソフトからスタートして開発を進める例は多くないように思えます。対照的にアメリカ人はソフト思想が強く、たとえばアップル社などはそれ以前から存在していた携帯音楽プレイヤーに直接音楽をダウンロード購入するサービスを付加させることでi-Podを作り、また同様にそれ以前にノキアやRIM社が製造・販売していたスマートフォンに対してシンプルさとデザイン性を追求した自社OSを組み込んで売ってきたのが言わずとしれたi-Phoneです。どちらもハードとしての製品は既に他社で発売されていたにもかかわらずソフトウェアを新たに組み込むことで半端ない売上げを実現しており、彼らがソフトを重視するという姿勢がよく出ている好例でしょう。
日本人のハード思想は何も開発現場だけでなく、先ほど述べたニックネームなど文化的な側面にも出ていますし、消費者の志向にも現れています。たとえば自動車会社のホームページを見てみると日本ではどのメーカー、車種でも亥の一番に燃費のカタログスペックが出てきます。お国柄もありますが中国の自動車サイトではこのように燃費が表示されることはほとんどなく、また燃費に限らなくても日本人は家電製品とかでやたらとカタログスペックを気にするという声も聞きます。その一方で私から見て思うのは、デザイン性に対して日本人は無関心すぎるというかなんか日本の製品を見ていると性能はいいんだけど置いておくにはちょっと考えさせられるデザインが多い気がします。
では日本人はソフト思想が弱いのかですが、これについては私はそうではないと考えます。たとえば先ほどの擬人化の例だとボーカロイドの「初音ミク」はそのソフトの性能と共に世界中で高く評価されたキャラクターでありますし、単純にソフトウェアサービスでも「LINE」は海外を相手に健闘してくれています。
にもかかわらず何故ハード思想が日本で幅を利かすのか、これはそのまま幅を利かすというかソフトウェア思想の強い人材が出てき辛い環境にあるのかなという気がします。私が言うまでもなく発想力の高いクリエイティブな人材はかねてより、そして近年はこれまで以上に社会で評価され辛くなっており、実際にはそこそこ価値を生み出せる人材はいるのに周囲から評価されなかったりして世に出て来れないというのが現状で、そうした環境が循環するかのようにハード思想特化の道をひた進んでいるというのが私の考えです。
最後に今後の世界情勢と掛け合わせて話すと、ハード思想特化への道は不利であるよりほかない気がします。かつての高度経済成長期のように物資の少ない時代であればハード思想は大いに威力を発揮して世界で戦っていく上で有利さを持っておりましたが、現代は物が溢れそれら数多くある競争相手から如何にして目に見える差をつけるかが大きなカギとなっており、その差をつける材料こそサービスやデザイン性だと思えます。ソフト思想に転向しろとまでは言いませんが、日本人の強すぎるハード思想を少し緩めてソフト思想をちょっとでもいいから身に付けた方がいいよというのが今日の私の意見です。
ちょうど先週の土曜日、モーニングの誘いを華麗にスルーした友人がディナーにしないと提案してきたので焼肉屋に行きましたが、どうも客が大挙してきていたのか、はたまたバイトの店員が足りていなかったのかリアルに怒号が飛び交う店内を堪能しました。そんな焼肉屋を出た後、「甘いものが食べたい」と女子高生みたいなねだり方する友人と今度はミスタードーナツに男二人で行ってきたのですが、そこで「最近の日本人は語彙力が乏しい。かつては様々なニックネームが横行したが近年はこれというニックネームがない」と私が主張し、かつて書いた「センスのいいニックネーム集~プロ野球選手編」で挙げたニックネームを紹介していったところ友人が、「あのさ、全然話が違うんだけどそのニックネームを聞いていてつくづく思うのは、日本じってんってハード思想なんだなってことなんだけど」とぽつりと言ってきました。
その友人が反応したニックネームというのは元広島カープ投手である北別府氏の「精密機械」というニックネームなのですが、これ以外のニックネームも合わせてやたら機械や道具といったハードに即した物が多いと友人は考えたそうです。更には日本人が得意とする擬人化も、最近だと「艦これ」などが典型ですがハードをキャラクター化するのに長けているもののソフトウェアを元に取ることが少なく、ソフトよりハードにこだわる日本人の思想がこういうところにも出ていると指摘してくれました。
ソフトよりハード、と言えば聞こえはいいのですがこれは裏返すとソフトを軽視しがちな日本人の欠点も出ております。私の目から見て日本人は過分にこの傾向があり、たとえば製品の開発においてもまずハードこと製品の物質そのものから構想を高め、ソフトからスタートして開発を進める例は多くないように思えます。対照的にアメリカ人はソフト思想が強く、たとえばアップル社などはそれ以前から存在していた携帯音楽プレイヤーに直接音楽をダウンロード購入するサービスを付加させることでi-Podを作り、また同様にそれ以前にノキアやRIM社が製造・販売していたスマートフォンに対してシンプルさとデザイン性を追求した自社OSを組み込んで売ってきたのが言わずとしれたi-Phoneです。どちらもハードとしての製品は既に他社で発売されていたにもかかわらずソフトウェアを新たに組み込むことで半端ない売上げを実現しており、彼らがソフトを重視するという姿勢がよく出ている好例でしょう。
日本人のハード思想は何も開発現場だけでなく、先ほど述べたニックネームなど文化的な側面にも出ていますし、消費者の志向にも現れています。たとえば自動車会社のホームページを見てみると日本ではどのメーカー、車種でも亥の一番に燃費のカタログスペックが出てきます。お国柄もありますが中国の自動車サイトではこのように燃費が表示されることはほとんどなく、また燃費に限らなくても日本人は家電製品とかでやたらとカタログスペックを気にするという声も聞きます。その一方で私から見て思うのは、デザイン性に対して日本人は無関心すぎるというかなんか日本の製品を見ていると性能はいいんだけど置いておくにはちょっと考えさせられるデザインが多い気がします。
では日本人はソフト思想が弱いのかですが、これについては私はそうではないと考えます。たとえば先ほどの擬人化の例だとボーカロイドの「初音ミク」はそのソフトの性能と共に世界中で高く評価されたキャラクターでありますし、単純にソフトウェアサービスでも「LINE」は海外を相手に健闘してくれています。
にもかかわらず何故ハード思想が日本で幅を利かすのか、これはそのまま幅を利かすというかソフトウェア思想の強い人材が出てき辛い環境にあるのかなという気がします。私が言うまでもなく発想力の高いクリエイティブな人材はかねてより、そして近年はこれまで以上に社会で評価され辛くなっており、実際にはそこそこ価値を生み出せる人材はいるのに周囲から評価されなかったりして世に出て来れないというのが現状で、そうした環境が循環するかのようにハード思想特化の道をひた進んでいるというのが私の考えです。
最後に今後の世界情勢と掛け合わせて話すと、ハード思想特化への道は不利であるよりほかない気がします。かつての高度経済成長期のように物資の少ない時代であればハード思想は大いに威力を発揮して世界で戦っていく上で有利さを持っておりましたが、現代は物が溢れそれら数多くある競争相手から如何にして目に見える差をつけるかが大きなカギとなっており、その差をつける材料こそサービスやデザイン性だと思えます。ソフト思想に転向しろとまでは言いませんが、日本人の強すぎるハード思想を少し緩めてソフト思想をちょっとでもいいから身に付けた方がいいよというのが今日の私の意見です。
2014年1月16日木曜日
自販機業界の便乗値上げについて(#゚Д゚) プンスコ!
昨年末に書いた「自動販売機の設置台数規制の提案」の記事の中で私はキリンビバレッジ、もとい自販機業界関連企業を批判しましたが、これ以前からもこの業界には不信感を強く持っておりつい最近でも如何なものかと思う行動をとってきたので、賛同者よこのブログに集まれとばかりに私の思うことを書いていくことにします。
・コカ・コーラグループが4月に自販機価格を一部値上げ 消費増税3%分の転嫁を調整(産経新聞)
上記リンク先の記事は数日前に出されたもので読んでいる方もいるかもしれませんが、読んだ方の中にはいくらかの疑問を感じられたのではないでしょうか。記事の内容は見出し通りで今年4月に消費税を現行の5%から8%に引き上げることによって原価コストが上がるって言うで、コカ・コーラグループが自動販売機での飲料価格を引き上げるという内容です。どれくらい上げるかははっきり書かれていないものの、これ以前の記事などではスタンダードとされている120円から130円に引き上げるのではないかとみられています。
何が納得いかないかっていうと、なんで3%の増税に対して約8%(120円→130円)くらい値段を引き上げるんだよって点です。そもそも消費税が導入される以前の自販機価格は1本100円で、それが消費税が3%で導入された際に110円となりました。この110円という価格は103円にするくらいならと理解できるのですが、何故か飲料業界は消費税が5%に引き上げられた際は120円(+9%)に一律して引き上げてきました。っていうか、3%から5%へ引き上げられた際は100円→103円→105円>110円なんだからそのまま110円でよかったんじゃないのと日本中の誰もが思ったことでしょう。
私個人としてはメーカーや小売店は自由に価格を設定するべきだし、デフレの世の中だからこそ各社売れる商品についてはどんどん値上げを実施するべきだという立場を基本にしています。しかしこの自販機業界に関しては消費税増税にかこつけた値上げの仕方があざとく、価格に全く合理性が感じられないことから強い不信感を感じずにはいられません。
なおかつこの業界で腹立たしいのは、これは先月の話ですが業界各社が揃って公開カルテルと称し、スーパーマーケットなど流通業界に対して消費税増税に伴う価格転嫁分をメーカーに負担させないように申し合わせている点です。確かにこのところの小売店はPBブランドなどいやらしいことしているなと私も思いますし、そうした動きに対して個別ではなく業界全体で抗議して要求をするというのは至極もっともな行動です。しかし片一方でほぼカルテル的に便乗値上げをしておきながら流通業界には価格転嫁を認めないと公開カルテルに出るなんて、自分たちに都合のいい主張ばかり唱えていて見ていて癇に障ります。はっきり言えば馬鹿抜かせアホってとこです。
そもそも自販機関連では最初にリンクを載せた記事でも書いてあるように、キリンビバレッジ社は自社の社員をゾッとするような勤務体系で働かせて過労自殺に追い込んでおり、数メートル間隔で自販機を設置するもんだからその電気使用量など社会コストも決して低くありません。改めて主張しますがこのような他者を省みない連中は社会から排除されるべきで、それこそ私が前回主張したように自販機の設置台数を制限するなどして規制をかけるべきだと思います。
基本、飲料なんて原価が本当にたかが知れており、どんだけ電気代払っても自販機を設置すればするほど利益が伸びるような商品です。しかしそうして使用される電気消費のコストは社会全体が一部負担することにもなり、またやたらあちこち自販機が立っていう日本の景観も決して美しくなく、多少の不便を確保しても消費者は自販機を減らすよう努力するべきではないでしょうか。私もこのような考えを実行に移すべく、飲料はなるべくコンビニなど小売店でこのところ買うようにして密かな抵抗を続けるつもりです。
それにしても、こういう意見を言うのが自分だけっていうのはさびしいなぁ。でもってコンビニで買おうとする自分の行動もまたみみっちぃなぁ。買うのは決まって1.5リットルのコーラで、なんで中国みたいに2.5リットル売ってないんだよと文句ばっか言ってますが。
・コカ・コーラグループが4月に自販機価格を一部値上げ 消費増税3%分の転嫁を調整(産経新聞)
上記リンク先の記事は数日前に出されたもので読んでいる方もいるかもしれませんが、読んだ方の中にはいくらかの疑問を感じられたのではないでしょうか。記事の内容は見出し通りで今年4月に消費税を現行の5%から8%に引き上げることによって原価コストが上がるって言うで、コカ・コーラグループが自動販売機での飲料価格を引き上げるという内容です。どれくらい上げるかははっきり書かれていないものの、これ以前の記事などではスタンダードとされている120円から130円に引き上げるのではないかとみられています。
何が納得いかないかっていうと、なんで3%の増税に対して約8%(120円→130円)くらい値段を引き上げるんだよって点です。そもそも消費税が導入される以前の自販機価格は1本100円で、それが消費税が3%で導入された際に110円となりました。この110円という価格は103円にするくらいならと理解できるのですが、何故か飲料業界は消費税が5%に引き上げられた際は120円(+9%)に一律して引き上げてきました。っていうか、3%から5%へ引き上げられた際は100円→103円→105円>110円なんだからそのまま110円でよかったんじゃないのと日本中の誰もが思ったことでしょう。
私個人としてはメーカーや小売店は自由に価格を設定するべきだし、デフレの世の中だからこそ各社売れる商品についてはどんどん値上げを実施するべきだという立場を基本にしています。しかしこの自販機業界に関しては消費税増税にかこつけた値上げの仕方があざとく、価格に全く合理性が感じられないことから強い不信感を感じずにはいられません。
なおかつこの業界で腹立たしいのは、これは先月の話ですが業界各社が揃って公開カルテルと称し、スーパーマーケットなど流通業界に対して消費税増税に伴う価格転嫁分をメーカーに負担させないように申し合わせている点です。確かにこのところの小売店はPBブランドなどいやらしいことしているなと私も思いますし、そうした動きに対して個別ではなく業界全体で抗議して要求をするというのは至極もっともな行動です。しかし片一方でほぼカルテル的に便乗値上げをしておきながら流通業界には価格転嫁を認めないと公開カルテルに出るなんて、自分たちに都合のいい主張ばかり唱えていて見ていて癇に障ります。はっきり言えば馬鹿抜かせアホってとこです。
そもそも自販機関連では最初にリンクを載せた記事でも書いてあるように、キリンビバレッジ社は自社の社員をゾッとするような勤務体系で働かせて過労自殺に追い込んでおり、数メートル間隔で自販機を設置するもんだからその電気使用量など社会コストも決して低くありません。改めて主張しますがこのような他者を省みない連中は社会から排除されるべきで、それこそ私が前回主張したように自販機の設置台数を制限するなどして規制をかけるべきだと思います。
基本、飲料なんて原価が本当にたかが知れており、どんだけ電気代払っても自販機を設置すればするほど利益が伸びるような商品です。しかしそうして使用される電気消費のコストは社会全体が一部負担することにもなり、またやたらあちこち自販機が立っていう日本の景観も決して美しくなく、多少の不便を確保しても消費者は自販機を減らすよう努力するべきではないでしょうか。私もこのような考えを実行に移すべく、飲料はなるべくコンビニなど小売店でこのところ買うようにして密かな抵抗を続けるつもりです。
それにしても、こういう意見を言うのが自分だけっていうのはさびしいなぁ。でもってコンビニで買おうとする自分の行動もまたみみっちぃなぁ。買うのは決まって1.5リットルのコーラで、なんで中国みたいに2.5リットル売ってないんだよと文句ばっか言ってますが。
登録:
投稿 (Atom)